JP3240676B2 - パルプ発泡ビーズの製造方法。 - Google Patents
パルプ発泡ビーズの製造方法。Info
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- Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Biological Depolymerization Polymers (AREA)
- Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、パルプを粒状に成形し
て発泡させたパルプ発泡ビーズとその製造方法に係わ
り、特に使用後、埋立処分もしくは焼却処分しても、廃
棄物公害等を引き起こさないものであって、電化製品や
食品包装の緩衝材や、断熱材や防音材等の建材などに用
いることができるものに関する。
て発泡させたパルプ発泡ビーズとその製造方法に係わ
り、特に使用後、埋立処分もしくは焼却処分しても、廃
棄物公害等を引き起こさないものであって、電化製品や
食品包装の緩衝材や、断熱材や防音材等の建材などに用
いることができるものに関する。
【０００２】
【従来の技術】近年、環境問題への関心が大変高まって
おり、製品が廃棄されたときの易処理性、あるいはリサ
イクル性は商品設計において重要なポイントになりつつ
ある。発泡スチロールは、包装緩衝材や建材等に幅広く
用いられる。安価であり性能も優れているが、使用後、
焼却処理を行なうと高熱を発生して炉を傷めるとされ、
また埋立処理すると、分解性がなく嵩ばるため問題視さ
れることが多くなっている。
おり、製品が廃棄されたときの易処理性、あるいはリサ
イクル性は商品設計において重要なポイントになりつつ
ある。発泡スチロールは、包装緩衝材や建材等に幅広く
用いられる。安価であり性能も優れているが、使用後、
焼却処理を行なうと高熱を発生して炉を傷めるとされ、
また埋立処理すると、分解性がなく嵩ばるため問題視さ
れることが多くなっている。
【０００３】一方、故紙をリサイクルして用いた商品
は、段ボール紙、再生紙等多岐に渡っているが、その中
でも緩衝材として用いられるパルプモールドが注目を集
めている。パルプモールドは、再生パルプを原料として
製造され、形状を工夫することで緩衝力、強度を与えら
れるものであり、焼却、埋立のいずれの処理も容易であ
る。
は、段ボール紙、再生紙等多岐に渡っているが、その中
でも緩衝材として用いられるパルプモールドが注目を集
めている。パルプモールドは、再生パルプを原料として
製造され、形状を工夫することで緩衝力、強度を与えら
れるものであり、焼却、埋立のいずれの処理も容易であ
る。
【０００４】しかし、パルプモールドは緩衝強度は十分
とはいえず、使用範囲は限定されたものであった。ま
た、緩衝材の設計と製造に専用の複雑な形状の金型を作
成するなどの必要があって時間を要し、新しい形状の試
作、開発が困難であった。さらに発泡スチロールのよう
に、緩衝材以外の用途に応用して用いることは難しく、
成型性、加工性が乏しいものであった。
とはいえず、使用範囲は限定されたものであった。ま
た、緩衝材の設計と製造に専用の複雑な形状の金型を作
成するなどの必要があって時間を要し、新しい形状の試
作、開発が困難であった。さらに発泡スチロールのよう
に、緩衝材以外の用途に応用して用いることは難しく、
成型性、加工性が乏しいものであった。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、発泡スチロ
ール、及びパルプモールドの欠点を改善しようというも
のである。すなわち、使用後の処理に際しては、易焼却
性を与え、さらに埋立処理も可能とすること、また、パ
ルプを主原料とした上で成型性を賦与し、パルプモール
ドの緩衝材としての強度の不足を解消し、さらには緩衝
材以外への使用も可能とすることを目的としてなされた
ものである。
ール、及びパルプモールドの欠点を改善しようというも
のである。すなわち、使用後の処理に際しては、易焼却
性を与え、さらに埋立処理も可能とすること、また、パ
ルプを主原料とした上で成型性を賦与し、パルプモール
ドの緩衝材としての強度の不足を解消し、さらには緩衝
材以外への使用も可能とすることを目的としてなされた
ものである。
【０００６】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、再
生パルプを含むパルプと生分解性の増粘剤を、三次元網
目構造の主原料とし、分解型の発泡剤に起因する気体を
内部にに含むことを特徴とするパルプ発泡ビーズであ
り、その製造方法としては、再生パルプを含むパルプと
生分解性の増粘剤を、分解型発泡剤とともに水で混練
し、この混練物を大きさが直径７，８〜１０ｍｍ程度の
粒状に成型して、１８０〜２００℃程度で加熱発泡さ
せ、乾燥させることを特徴とする。
生パルプを含むパルプと生分解性の増粘剤を、三次元網
目構造の主原料とし、分解型の発泡剤に起因する気体を
内部にに含むことを特徴とするパルプ発泡ビーズであ
り、その製造方法としては、再生パルプを含むパルプと
生分解性の増粘剤を、分解型発泡剤とともに水で混練
し、この混練物を大きさが直径７，８〜１０ｍｍ程度の
粒状に成型して、１８０〜２００℃程度で加熱発泡さ
せ、乾燥させることを特徴とする。
【０００７】すなわち、まず主原料のパルプ（故紙、古
ダンボール紙等を原料とする再生パルプも含む）を水と
混練する。その際、発泡、乾燥後の発泡ビーズに対し
て、適切な強度を与えられるように、水とパルプの濃度
を調整する。
ダンボール紙等を原料とする再生パルプも含む）を水と
混練する。その際、発泡、乾燥後の発泡ビーズに対し
て、適切な強度を与えられるように、水とパルプの濃度
を調整する。
【０００８】次いで、発泡によって生成される気体を構
造内に維持し、乾燥工程後、構造に強度を与えるための
増粘剤が添加される。この増粘剤は生分解性のものであ
り、具体的には、アルギン酸ナトリウム、澱粉、寒天、
マンナン等の天然多糖類、カルボキシメチルセルロース
などの天然多糖類の処理物、もしくはポリビニルアルコ
ールなどの合成水溶性高分子を用いる。
造内に維持し、乾燥工程後、構造に強度を与えるための
増粘剤が添加される。この増粘剤は生分解性のものであ
り、具体的には、アルギン酸ナトリウム、澱粉、寒天、
マンナン等の天然多糖類、カルボキシメチルセルロース
などの天然多糖類の処理物、もしくはポリビニルアルコ
ールなどの合成水溶性高分子を用いる。
【０００９】さらに、このパルプ混練物を三次元網目構
造とするために、加熱分解型の発泡剤、例えば、重炭酸
ナトリウムなどの無機発泡剤、もしくは、アゾジカルボ
ンアミドなどの有機発泡剤を添加する。以上の混合物を
粒状に成型し、加熱して発泡剤の分解により気体を発生
させ、発泡体とする。その後、乾燥させてパルプ発泡ビ
ーズとして得るものである。
造とするために、加熱分解型の発泡剤、例えば、重炭酸
ナトリウムなどの無機発泡剤、もしくは、アゾジカルボ
ンアミドなどの有機発泡剤を添加する。以上の混合物を
粒状に成型し、加熱して発泡剤の分解により気体を発生
させ、発泡体とする。その後、乾燥させてパルプ発泡ビ
ーズとして得るものである。
【００１０】
【作用】本発明のパルプ発泡ビーズにおいて、まず、緩
衝材として用いるときは、パルプモールド緩衝材のよう
な、複雑な全体の構造に依存する緩衝性ではなく、構成
単位のパルプ発泡ビーズ自身が緩衝性を有する特徴を持
つ。またパルプ発泡ビーズは、易焼却性、もしくは埋立
時、土壌で分解されうる性質であり、さらに、ビーズと
いう形状の特徴から、集合させて用いることなどが容易
に行なえ、さらに複雑な形状への展開が可能である。ま
た、パルプ発泡ビーズは中空構造を有していることか
ら、緩衝材のみならず、断熱材や防音材等の建材などへ
の利用ができる新規な材料となる。
衝材として用いるときは、パルプモールド緩衝材のよう
な、複雑な全体の構造に依存する緩衝性ではなく、構成
単位のパルプ発泡ビーズ自身が緩衝性を有する特徴を持
つ。またパルプ発泡ビーズは、易焼却性、もしくは埋立
時、土壌で分解されうる性質であり、さらに、ビーズと
いう形状の特徴から、集合させて用いることなどが容易
に行なえ、さらに複雑な形状への展開が可能である。ま
た、パルプ発泡ビーズは中空構造を有していることか
ら、緩衝材のみならず、断熱材や防音材等の建材などへ
の利用ができる新規な材料となる。
【００１１】以下に本発明をさらに詳細に説明する。本
発明のパルプ発泡ビーズは、その内部は、発泡時の加熱
分解によって発生した気体による微細空間の連続層であ
り、その気泡は、大きくとも１mm程度の大きさである。
発明のパルプ発泡ビーズは、その内部は、発泡時の加熱
分解によって発生した気体による微細空間の連続層であ
り、その気泡は、大きくとも１mm程度の大きさである。
【００１２】主原料であるパルプは、故紙、古ダンボー
ル紙、古雑誌等に由来する再生パルプを用いても差し支
えない。また、紙加工などの工程で生じた、加工しても
得られる綿状となったパルプ等も利用可能である。
ル紙、古雑誌等に由来する再生パルプを用いても差し支
えない。また、紙加工などの工程で生じた、加工しても
得られる綿状となったパルプ等も利用可能である。
【００１３】この原料パルプに対し、重量比で７〜３０
倍の水を加え、懸濁する。これに増粘剤としてアルギン
酸ナトリウム、澱粉、寒天、マンナンなどの天然多糖類
や、カルボキシメチルセルロース等の天然多糖類の処理
物、もしくは生分解性のあるポリビニルアルコール等の
合成水溶性高分子を加え混合する。添加量は、添加物質
により、あるいは得ようとするパルプ発泡ビーズの強度
に応じて変更されるが、標準的には、パルプ１００重量
部に対し、０．５〜２０重量部程度を添加する。
倍の水を加え、懸濁する。これに増粘剤としてアルギン
酸ナトリウム、澱粉、寒天、マンナンなどの天然多糖類
や、カルボキシメチルセルロース等の天然多糖類の処理
物、もしくは生分解性のあるポリビニルアルコール等の
合成水溶性高分子を加え混合する。添加量は、添加物質
により、あるいは得ようとするパルプ発泡ビーズの強度
に応じて変更されるが、標準的には、パルプ１００重量
部に対し、０．５〜２０重量部程度を添加する。
【００１４】さらに最終的に三次元網目構造とするた
め、発泡剤を加える。熱分解型の発泡剤をパルプ 100重
量部に対し、10〜20重量部程度加えるが、これも強度に
応じて変更しうる。発泡剤としては重炭酸ナトリウム、
炭酸アンモニウムなどの無機発泡剤、アゾジカルボンア
ミド、ベンゼンスルホニルヒドラジッドなどの有機発泡
剤等を使用する。
め、発泡剤を加える。熱分解型の発泡剤をパルプ 100重
量部に対し、10〜20重量部程度加えるが、これも強度に
応じて変更しうる。発泡剤としては重炭酸ナトリウム、
炭酸アンモニウムなどの無機発泡剤、アゾジカルボンア
ミド、ベンゼンスルホニルヒドラジッドなどの有機発泡
剤等を使用する。
【００１５】次いで、以上の混合物をデポジッター等で
適当な大きさ、例えば 7,8〜10mm程度に造粒する。そし
てこの成型加工物を 180〜200 ℃程度で加熱、発泡を開
始させ、さらに乾燥してパルプ発泡ビーズとして取り出
す。
適当な大きさ、例えば 7,8〜10mm程度に造粒する。そし
てこの成型加工物を 180〜200 ℃程度で加熱、発泡を開
始させ、さらに乾燥してパルプ発泡ビーズとして取り出
す。
【００１６】
【実施例】＜実施例１＞ 原料組成 ・パルプ（綿状） １００重量部 ・アルギン酸ナトリウム０．５重量％水溶液 １０００重量部 ・アゾジカルボンアミド ２０重量部
【００１７】以上を混練した後、約７〜８mmの粒状にデ
ポジッターにより成型した。次に成型されたビーズを塩
化カルシウム２水和物２％溶液中に浸した。アルギン酸
ナトリウムは、水に不溶性のアルギン酸カルシウムゲル
となるので、この操作によってパルプを含んだゲルビー
ズとして形状が安定する。これを180 ℃で加熱、発泡を
開始させ、さらに乾燥後、パルプ発泡ビーズとして得
た。このパルプ発泡ビーズの見かけ比重は約 0.1程度で
あった。
ポジッターにより成型した。次に成型されたビーズを塩
化カルシウム２水和物２％溶液中に浸した。アルギン酸
ナトリウムは、水に不溶性のアルギン酸カルシウムゲル
となるので、この操作によってパルプを含んだゲルビー
ズとして形状が安定する。これを180 ℃で加熱、発泡を
開始させ、さらに乾燥後、パルプ発泡ビーズとして得
た。このパルプ発泡ビーズの見かけ比重は約 0.1程度で
あった。
【００１８】原料組成 〈実施例２〉 ・パルプ（綿状） 100重量部 ・ポリビニルアルコール10重量％水溶液 800重量部 ・重炭酸ナトリウム 20重量部
【００１９】以上を混練した後、デポジッターにより約
７〜８mm程度の粒状に成型した。さらにこの加工物を、
180℃で加熱、発泡を開始させ、さらに乾燥後、パルプ
発泡ビーズとして得た。このパルプ発泡ビーズの見かけ
比重は約0.1程度であった。
７〜８mm程度の粒状に成型した。さらにこの加工物を、
180℃で加熱、発泡を開始させ、さらに乾燥後、パルプ
発泡ビーズとして得た。このパルプ発泡ビーズの見かけ
比重は約0.1程度であった。
【００２０】
【発明の効果】本発明は以上のようなものであり、パル
プを主原料として、内部に微細気泡を含む新規な構造の
発泡体が得られ、その微細気泡の連続層により適度な弾
性、緩衝性を持つ。あるいはその構造により断熱性や防
音性の効果も持つので、類似素材のパルプモールドが緩
衝材としてのみ用いられるのに比べ、建材などへの応用
も可能で利用範囲が幅広い。さらに、発泡剤、増粘剤の
添加量を加減することで、内部の気泡率に変化を与えら
れるので、ビーズの性能に幅を持たせることが可能にな
る。
プを主原料として、内部に微細気泡を含む新規な構造の
発泡体が得られ、その微細気泡の連続層により適度な弾
性、緩衝性を持つ。あるいはその構造により断熱性や防
音性の効果も持つので、類似素材のパルプモールドが緩
衝材としてのみ用いられるのに比べ、建材などへの応用
も可能で利用範囲が幅広い。さらに、発泡剤、増粘剤の
添加量を加減することで、内部の気泡率に変化を与えら
れるので、ビーズの性能に幅を持たせることが可能にな
る。
【００２１】また、パルプ発泡ビーズという形状の特徴
から、袋に充填しての使用、接着剤を介在させ立体成型
しての使用など、様々な形状へ対応が可能であり、設
計、製造も容易である。そして使用後の処理について
も、本発明は生分解性の素材で構成されていることか
ら、埋立処理が可能となり、また、焼却処理しても一向
に差し支えないものになる。
から、袋に充填しての使用、接着剤を介在させ立体成型
しての使用など、様々な形状へ対応が可能であり、設
計、製造も容易である。そして使用後の処理について
も、本発明は生分解性の素材で構成されていることか
ら、埋立処理が可能となり、また、焼却処理しても一向
に差し支えないものになる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭50−149757（ＪＰ，Ａ) 特開 昭52−53966（ＪＰ，Ａ) 特開 昭59−26208（ＪＰ，Ａ) 特開 平３−269025（ＪＰ，Ａ) 特開 平５−51474（ＪＰ，Ａ) 特開 平５−65359（ＪＰ，Ａ) 特開 平４−76025（ＪＰ，Ａ) 特開 平５−39377（ＪＰ，Ａ) 特開 平５−230269（ＪＰ，Ａ) 特開 平５−271457（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) C08J 9/00 - 9/42
Claims (1)
- 【請求項１】再生パルプを含むパルプと生分解性の増粘
剤を、分解型発泡剤とともに水で混練し、この混練物を
大きさが直径７，８〜１０ｍｍ程度の粒状に成型し、１
８０〜２００℃程度で加熱発泡させ、さらに乾燥させる
ことを特徴とするパルプ発泡ビーズの製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP06883792A JP3240676B2 (ja) | 1992-03-26 | 1992-03-26 | パルプ発泡ビーズの製造方法。 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP06883792A JP3240676B2 (ja) | 1992-03-26 | 1992-03-26 | パルプ発泡ビーズの製造方法。 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH05271458A JPH05271458A (ja) | 1993-10-19 |
| JP3240676B2 true JP3240676B2 (ja) | 2001-12-17 |
Family
ID=13385212
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP06883792A Expired - Fee Related JP3240676B2 (ja) | 1992-03-26 | 1992-03-26 | パルプ発泡ビーズの製造方法。 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3240676B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP4277347B2 (ja) * | 1999-03-09 | 2009-06-10 | 凸版印刷株式会社 | パルプ成型体 |
-
1992
- 1992-03-26 JP JP06883792A patent/JP3240676B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH05271458A (ja) | 1993-10-19 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |