JP3125351B2 - パルプ発泡緩衝材およびその製造方法 - Google Patents

パルプ発泡緩衝材およびその製造方法

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    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
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  • Biological Depolymerization Polymers (AREA)
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  • Buffer Packaging (AREA)
  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
  • Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Molding Of Porous Articles (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、パルプを発泡成形した
緩衝性を有する発泡体、およびその製造方法に係わり、
特に、使用後、焼却処分もしくは埋立処分ができる緩衝
材であって、電化製品や食品等の包装に用いることがで
きるものに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、緩衝材として用いられる発泡スチ
ロール(ポリスチレン発泡体)は、軽量、低価格で成形
性が良く、また、緩衝能力も優れている。しかし、緩衝
材として使用された後の処理に際しては、焼却した場合
は高熱を発して炉を傷める、有害ガスが発生するとさ
れ、また、埋立処理を行っても嵩ばるうえに分解しない
ため、近年の環境問題への関心が高まるにつれ、問題と
して取り上げられる事が多かった。
【0003】また、最近発泡スチロールに代わる緩衝材
として用いられるパルプモールドは、再生パルプを原料
として製造され、その形状によって緩衝力、強度を与え
られるものである。しかし、緩衝材としての強度は十分
とはいえず、重量の大きい物に対する緩衝材としては不
向きであるなど、使用範囲は限られたものであった。ま
た、成形性・加工性がなく、新しい形状の試作、制作に
時間を要した。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の発泡
スチロール緩衝材の欠点の改善、すなわち使用後の処理
に際しては、易焼却性を与え、埋立処理も可能とするこ
と、さらにパルプモールド緩衝材の欠点の改良、すなわ
ち緩衝強度の不足を改良し、また成形性を改善すること
を目的としてなされたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、再
生パルプを含むパルプと生分解性の増粘剤とを室温にて
発泡させてなる微細気泡連続層を有する三次元網目構造
の主原料としたことを特徴とするパルプ発泡緩衝材であ
り、その製造方法は、再生パルプを含むパルプと生分解
性の増粘剤を発泡剤および発泡触媒とともに水で混練
し、この混練物を枠型内で、室温にて発泡させて枠型形
状に賦型し、乾燥させることを特徴とするパルプ発泡緩
衝材の製造方法である。
【0006】請求項1の発明のパルプ発泡緩衝材は、希
望する形状の金属型を用意し、その型内でパルプを主原
料として発泡成形することで得られる発泡緩衝材であ
る。請求項2の発明は、上記第一の発明のパルプ発泡緩
衝材を製造する方法の発明である。
【0007】すなわち、まず主原料のパルプ(故紙、古
ダンボール紙等を原料とする再生パルプも含む)を水と
混練し、後の操作による発泡時、構造が適切な強度が維
持できる濃度を調整する。次いで添加される増粘剤は生
分解性のものであって、発泡によって生成される気体を
構造内に維持し、乾燥工程後、構造に強度を与えるもの
である。具体的には小麦グルテン等のタンパク質、もし
くは澱粉や寒天、マンナン、キチン、キトサン等の天然
多糖類を用い、中でもグルテン、もしくは澱粉を用いる
ことが望ましい。
【0008】パルプ分散液に増粘剤を加え、さらに発泡
剤の過酸化水素を加えて混合し、希望する形状に用意し
た密閉可能な金属性型内に入れる。これにあらかじめ添
加していたイーストを触媒として発泡を開始させ、密閉
系内で発泡させる。その後乾燥させ、発泡体として得る
ものである。
【0009】
【作用】この発明のパルプ発泡緩衝材において、パルプ
モールド緩衝材のように複雑な構造に依存することがな
く、自らの構造によって緩衝性能を有し、また易焼却
性、埋立時の分解性を持つ新規な発泡緩衝材となる。ま
た、増粘剤の添加、さらに発泡成形する製造方法によっ
て、希望する形状の型の準備が容易となり、パルプモー
ルドに比べて製造性が改善される。
【0010】
【実施例】希望する形状に成形され、さらに密閉性のあ
る金属性の型が準備され、パルプ発泡緩衝材は、この型
内で発泡成形される。その発泡材の内部は、微細な空
間、大きくとも径1mm程度の気泡の連続層をなしてい
る。
【0011】製造方法について以下に説明する。主原料
はパルプであるが、パルプは故紙、古ダンボール紙、古
雑誌等に由来する再生パルプ等を用いても差し支えな
い。次に水1に対してこのパルプを1〜4程度の重量比
率になるよう分散・調整する。この濃度は、後に増粘剤
を加えさらに発泡させた際、希望する緩衝強度を保持で
きる構造になるような濃度として意図されている。
【0012】これに増粘性を与えるため、小麦グルテン
等のタンパク質や、澱粉やマンナンなどの天然多糖類を
加える。ここでは用いる事が望ましい小麦グルテンと澱
粉について説明する。小麦グルテンでは、先に調整した
パルプ分散液中のパルプ 100重量部に対し、10〜20重量
部程度を加える。澱粉については、まず澱粉と同量の約
60℃の温水を加えて混合し、糊化させた後、パルプ分散
液に添加する。この際、澱粉量は、小麦グルテンの添加
と同様、パルプ 100重量部に対して10〜20重量部とす
る。また、澱粉を用いる際はパルプ分散液も50℃程度に
加温しておくと操作性がよい。
【0013】このように増粘剤を加えて良く混合した
後、この分散液 100重量部に対し、発泡剤として35%過
酸化水素を10〜15重量部加えてさらに混合する。ここ
に、加えた過酸化水素の0.2 %程度の重量のイーストを
含む30%程度の懸濁液を、発泡の触媒として加える。混
合した後、直ちにこれを希望する形状の金属性の型に、
型の容積の約30〜80%程度流し込む。この量は最終的に
得たい発泡材の強度に応じて変化させる事が可能であ
る。
【0014】型を密閉し発泡を開始するが、発泡は室温
で行えば良い。型内にパルプが展開した後、 180〜 200
℃で乾燥させ、発泡体として取り出す。
【0015】
【発明の効果】本発明は以上のようなものであり、本発
明のパルプ発泡緩衝材は、内部に有する微細気泡連続層
という構造によって優れた緩衝性を示し、従来の複雑な
構造によって緩衝性を示す、類似素材のパルプモールド
の強度不足を改善し、重量物にも対応できる緩衝材とな
りうる。さらに使用後の処分についても、易焼却性であ
り、埋立処理されても生分解性があるので都合が良い。
また、型内で発泡成形する方法であるので、金型の設計
がパルプモールドに比較して容易であり、製造能率が高
い。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B29L 31:00 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 39/02 - 39/40 B29C 67/20 - 37/24 B65D 81/02 - 81/16 D21J 3/00 C08J 9/00 - 9/06

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】再生パルプを含むパルプと生分解性の増粘
    剤とを室温にて発泡させてなる微細気泡連続層を有する
    三次元網目構造の主原料としたことを特徴とするパルプ
    発泡緩衝材。
  2. 【請求項2】再生パルプを含むパルプと生分解性の増粘
    剤を発泡剤および発泡触媒とともに水で混練し、この混
    練物を枠型内で、室温にて発泡させて枠型形状に賦型
    し、乾燥させることを特徴とするパルプ発泡緩衝材の製
    造方法。
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