JP3238549B2 - 膨化食品 - Google Patents

膨化食品

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伸和 田邊
裕士 小畑
隆志 坂元
誠 野田
由起子 佐藤
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Ogawa and Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、紅麹を原料としてなる
膨化食品に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、紅麹に血圧降下作用、コレステロ
ール低下作用、血糖低下作用などを有することが見出さ
れ、紅麹を摂取することにより、かかる作用効果を期待
できるようになった(例えば、特公平3−31170、
特公昭60−44914)。しかしながら、粒状の紅麹
は少し堅く、テクスチャーがあまりよくないため、その
まま食しても、量的に多くを摂取することが困難であっ
た。
【0003】そこで、前記作用効果を奏する紅麹を味噌
・醤油などの醸造食品に用いたり、あるいは紅麹粒を粉
砕して粉体にしたものをパン・そうめんなどの小麦食品
等へ添加して、紅麹を摂取しやすくするための試みがな
されているが、未だ、被添加食品の応用範囲はこれらの
食品に限られていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的とすると
ころは、紅麹粒の食感の問題を改善し、前記の優れた作
用効果を奏する紅麹を非常に手軽に摂取可能とした、紅
麹を原料としてなる膨化食品を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は紅麹を原
料としてなることに特徴を有する膨化食品に関する。
【0006】
【作用】本発明で用いる紅麹は、その原料が固体で膨化
可能なものであれば、いずれのものでも使用可能であ
り、例えば、米、麦、とうもろこし、大豆、小豆等の穀
類が挙げられる。また、これらの原料はどのような品種
であってもよい。更に、かかる原料は、これらを単独で
用いるのはもちろん、2種以上併用してもよく、また場
合によっては、各種の炭素源、窒素源、無機質、ビタミ
ンなどを加えてもよい。
【0007】紅麹は、上述したような原料に紅麹菌を無
菌的に植菌して培養することにより得られるが、紅麹菌
としては、モナスカス属(Monascus)の糸状菌
であればいずれの菌でもよく、例えば好適に食用に供さ
れるモナスカス・アンカ(Monascus ank
a)、モナスカス・プルプレウス(Monascusp
urpureus)、モナスカス・ピローサス(Mon
ascus pilosus)や、これらの変種、変異
株などが挙げられる。
【0008】製麹法としては、固体麹法を用いる。一般
に、20〜40℃で2〜14日間、紅麹菌を好気的に培
養することにより、所望の紅麹を製造することができ
る。得られた紅麹はそのまま本発明膨化食品の原料とし
て用いてもよいが、常法により乾燥や割砕したものを用
いてもよい。更に、紅麹をいったん粉状にしたものを所
望の形状に形成し、これを本発明膨化食品の原料として
用いることにより、種々の形状をした本発明膨化食品を
得ることができる。
【0009】一方、前記構成における膨化食品とは、パ
ッフド・フード(puffed food)とか膨脹食
品などと称されるものであり、原料が米のものを膨化
米、一般にポン菓子と呼んでいる。そのポン菓子製造法
としては、例えば次のような方法がある。即ち、高温度
(170〜200℃)に加熱した膨脹機の密閉管内に原
料として米粒を入れ密閉し、更に数分間(7〜8分間)
加熱することにより高圧力(10気圧程度)を与え、そ
の後密閉管の排出口を開け、急激に常圧の状態に戻す
とにより米粒噴出させ、多孔質の膨化米る方法で
あるただし、本発明の膨化食品の製造法は、このよう
な一般的な製造法に限定されるものではなく、多孔質の
膨化食品が得られる製造法であれば、いかなる方法でも
構わない。例えば、上記したポン菓子製造法のように、
密閉容器中で食品を加熱、加圧した後に急激に常圧と
し、その際に食品中の水の瞬間的な蒸発により、その食
品の組織、構造を多孔質の状態とする方法以外に、膨剤
を混合して急速に加熱することにより膨剤が発生する気
体(炭酸ガス、またはアンモニア)により多孔質構造と
する方法や、マイクロ波等を使用して急速に加熱するこ
とにより、組織中の水を急激に蒸発させ多孔質構造とす
る方法、更には一軸型、もしくは二軸型のエクストルー
ダー等の加圧押出成型機により押し出し、多孔質構造と
する方法等が挙げられる。
【0010】以下、実施例、及び本発明膨化食品の他食
品への使用例を説明する。
【実施例1】他用途米を一晩水に浸漬した後、1時間水
切りした浸漬米を200mlの三角フラスコに25g入
れ、121℃で20分間オートクレイブ滅菌した。これ
に、モナスカス・ピローサス(Monascus pi
losus)IFO4520を無菌的に植菌し、7日
間、30℃で好気的に培養した。培養後、70℃で3時
間送風乾燥して、水分率12%の乾燥米紅麹を得た。こ
の乾燥米紅麹をパフガンの密閉容器内に入れ、容器を回
転させながら、温度180℃、圧力10kg/cm
加熱、加圧した後、容器の排出口を開け、容器内の圧力
を急激に常圧にして本発明膨化食品の一実施例である膨
化米を得た。
【0011】このようにして得られた膨化米は、乾燥米
紅麹に比べ1.5〜2倍に脹んでいた。また、乾燥米紅
麹の状態では、堅くて食感が悪く、そのままでは食べ難
いものであったのに対し、本発明膨化食品の一実施例で
ある膨化米は、あられのようにサクサクとした食感で、
香ばしい味のするおいしい食品であった。
【0012】
【実施例2】 実施例1と同様の方法により、水分率12
%の乾燥米紅麹を得た後粉砕した。この米紅麹粉末10
0部と水15部を二軸エクストルーダーに供給し、スク
リュー回転数260rpm、バレル温度140℃、出口
圧力10kg/cm で押し出し、膨化させた。これを
カッターで切断し、食品用粉砕機にて粉砕した後、水分
含量10%まで乾燥して本発明膨化食品を得た。
【使用例1】実施例1で得られた膨化食品:のり:茶乾
燥物を混合比2:7:1の割合で混合し、茶漬け用ふり
かけを作製した。同様の操作により、実施例2で得ら
れた膨化食品を混合した茶漬け用ふりかけ2を作製し
た。 かかる茶漬け用ふりかけ1、及び茶漬け用ふりかけ
2をそれぞれご飯にふりかけ、お茶を注ぐことにより、
どちらも非常に香ばしい香りがし、食欲のそそられるお
いしいお茶漬けが得られた。
【0013】
【使用例2】実施例1、及び実施例2で得られた膨化
をスープやラーメンなどの浮き実に使用したところ、
かかる食品の風味を損なわないだけでなく、味や香りと
ともに、色どりを添えるといった食品のおいしさをより
際立たせる効果があった。
【0014】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の膨化食品
によって、紅麹粒の食感の問題を改善し、血圧降下作
円、コレステロール低下作用、血糖低下作用などの優れ
た作用効果を奏する紅麹を摂取しやすくなった。また、
従来、小麦食品等へ紅麹を添加する際、紅麹粒を粉砕す
る手間が必要であったが、本発明の膨化食品はそういっ
た手間が不要となり、非常に手軽に製造することができ
る。しかも、お茶漬け用ふりかけや、スープ、ラーメン
などの浮き実、更には本発明膨化食品のまわりをチョコ
レートで固めた膨化食品入りチョコレート等、種々の食
品にも幅広く適用可能であり、非常に有効なものであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 坂元 隆志 東京都中央区日本橋本町4丁目1番11号 小川香料株式会社フレーバー営業部内 (72)発明者 野田 誠 東京都北区赤羽西6丁目32番9号 小川 香料株式会社フレーバー開発研究所内 (72)発明者 佐藤 由起子 東京都北区赤羽西6丁目32番9号 小川 香料株式会社フレーバー開発研究所内 審査官 鈴木 恵理子 (56)参考文献 特開 平4−16158(JP,A) 特開 平4−360659(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23L 1/18 A23L 1/30 JICSTファイル(JOIS) JAFICファイル(JOIS)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紅麹を原料とし、加熱下で高圧力を与
    え、次に急激に常圧に戻すことにより、多孔質に製造さ
    れたことを特徴とする膨化食品。
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