JP3237667B2 - 光触媒を用いた新規な着膜方法およびこの方法を使用するカラーフィルターの製造方法、それに使用する電解液、ならびに製造装置 - Google Patents

光触媒を用いた新規な着膜方法およびこの方法を使用するカラーフィルターの製造方法、それに使用する電解液、ならびに製造装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、CCDカメラや液晶
表示素子なの各種表示素子やカラーセンサーに使用され
るカラーフィルターの形成技術に関するものであり、着
色層やブラックマトリクスの製造方法に関する。具体的
には、着色層やブラックマトリクスを簡便にしかも高解
像度で形成する新カラーフィルターの製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】現在、 カラーフィルターの製造方法とし
ては、(1)染色法、(2)顔料分散法、(3)印刷
法、(4)インクジェット法、(5)電着法、(6)ミ
セル電解法などが知られている。これらのうち、(1)
染色法及び(2)顔料分散法はいずれも技術の完成度は
高く、カラー固体撮像素子(CCD) に多用されているが、
フォトリソグラフィの工程を経てパターニングする必要
があり、工程数が多くコストが高いという問題がある。
【0003】これに対して、(3)印刷法、(4)イン
クジェット法はいずれもフォトリソグラフィ工程を必要
としないが、(3)印刷法は顔料を分散させた熱硬化型
の樹脂を印刷し、硬化させる方法であり、解像度や膜厚
の均一性の点で劣る。(4)インクジェット法は特定の
インク受容層を形成し、親水化・ 疎水化処理を施した
後、親水化された部分にインクを吹きつけてカラーフィ
ルター層を得る方法であり、解像度の点、さらに、隣接
するフィルター層に混色する確率が高く、位置精度の点
でも問題がある。
【0004】(5)電着法は、水溶性高分子に顔料を分
散させた電解溶液中で、予めパターニングした透明電極
上に70V 程度の高電圧を印加し、電着膜を形成すること
で電着塗装を行い、これを3 回繰り返しR.G.B.のカラー
フィルター層を得る。この方法は、予め、透明電極をフ
ォトリソグラフィーによりパターニングする必要があ
り、これを電着用の電極として使用するため、パターン
の形状が限定されTFT液晶用には使えないという欠点
がある。また、TFT液晶基板の画素電極に電着でカラ
ーフィルターを一体形成できれば新たにパターニングす
る必要がないが、従来の電着法では電着電圧が高く、透
明画素電極にアクティブマトリクス回路で電着を起こさ
せるのは非常に困難であり、TFTの画素電極を利用し
た電着は不可能であった。
【0005】(6)ミセル電解法は電着法の一種である
が、析出材料として用いるフェロセンの酸化還元を利用
するため電着に必要な電圧が低く、TFT液晶基板側に
電着によるカラーフィルターを一体形成できる。しか
し、TFTは内部抵抗が大きいため電圧は印加できる
が、大きな電流を流すことはできない。従って、ミセル
電解法を用いてもTFTの駆動回路を用いて直接画素電
極にカラーフィルターを形成するのは困難であった。ま
た、ミセル電解法で形成される薄膜は、その形成工程に
不可欠のフェロセンや界面活性剤等が析出時に取り込ま
れることにより不純物として混入してしまうため、形成
されたカラーフィルターの透明性が悪くなる。また、電
着に必要な時間が数十分を要するなど長時間となり製造
効率が悪く、必須の電解液成分であるフェロセン化合物
が非常に高価であり、コストの点で問題があった。さら
に、支持塩としてアルカリ金属が不可欠でTFT回路や
液晶に悪影響を与えるため利用ができない。
【0006】さらに、特開平5−5874号公報には、
TFT基板側にカラーフィルターを一体形成する技術が
提案されている。この方法は、TFT駆動回路を利用し
て所定の画素のみに所定の色のカラーフィルター層を電
着法で形成する方法である。したがって、この方法は電
着装置を必要とし、また、TFTの内部抵抗が非常に大
きいために電圧降下が生じて電着膜に必要な電流や電圧
が得られないため、電着用に別の電極を用いるなどの工
夫が必要である。また、膜中に含まれるアルカリ金属か
らTFT回路を保護する必要があるが、電着法では電着
液の導電度を大きくする必要があり、支持塩を添加する
必要があるが、これが不純物混入の原因の一つになって
いた。さらに、通常のTFT駆動回路を利用して直接画
素電極に電着することができないため、内部抵抗値が低
く大電流が流せるTFTが必要であった。このようなこ
とから、通常の電着技術によって、TFTの駆動回路を
利用するカラーフィルターの作製は非常に難しく、この
ため、これまでカラーフィルター基板とTFT基板を一
体形成する液晶表示素子が実用化できなかったのであ
る。
【0007】一方、光反応を利用する膜形成法として、
千葉大学の星野らにより考案されたミセル電解法の一種
である光堆積法(Photocatalytic Deposition Method)が
知られている。この光堆積法については、星野、加藤、
倉迫、小門により、日本写真学会、59巻2号(199
6)に詳しく書かれている。この方法は、フェロセンの
酸化還元を利用して、光未照射領域に着膜する方法であ
るが、外部から電圧を印加させる必要があり、使用する
装置が複雑になるという不利な点があり、カラーフィル
ターなどの微細パターンを形成する方法としては適して
いない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、簡易
なプロセスで膜を形成することが可能な着膜方法を提供
すること、また、この着膜方法を使用することにより、
簡易にかつ低コストで、開口率が大きく高解像度のカラ
ーフィルターを制御性よく製造する方法を提供するこ
と、そのための電着液、および電着装置や電着用の別の
電極を必要としない簡易な着膜装置およびカラーフィル
ター製造装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、以
下の着膜方法、カラーフィルターの製造方法、電解液、
着膜装置、カラーフィルター製造装置を提供することに
より解決される。 (1)pHが変化することにより水性液体に対する溶解
性ないし分散性が低下する高分子材料を含む電解液に、
光透過性の基板に光透過性の導電性薄膜と該導電性薄膜
に接して光触媒薄膜が設けられ、かつ前記導電性薄膜が
電解液と導通可能な膜形成用基板を、光触媒薄膜が電解
液に接触するように配置すると共に、前記導電性薄膜が
電解液に導通する状態にし、この状態で、前記光触媒薄
膜に紫外線を照射して光触媒薄膜の表面に膜を形成する
ことを特徴とする着膜方法。本発明の着膜方法は、電着
装置および電着用の別の電極を必要としないので、簡易
な装置で低コストに膜を形成することができる。また、
また作製される膜は光電着法と同等の高品質が達成され
るとともに、着色膜形成時に外部から電圧を印加するこ
とがないので、膜の均一性が優れている。 (2)前記膜形成用基板において、光触媒薄膜を導電性
薄膜の一部が露出するように設け、該導電性薄膜を電解
液に接触させることにより、導電性薄膜と電解液を導通
させることを特徴とする前記(1)に記載の着膜方法。 (3)前記膜形成用基板において、導電性薄膜に電極を
接続し、該電極を電解液に接触させることにより、導電
性薄膜と電解液を導通させることを特徴とする前記
(1)に記載の着膜方法。 (4)pHが変化することにより水性液体に対する溶解
性ないし分散性が低下する高分子材料を含む電解液に、
光透過性の基板に光透過性の導電性薄膜と該導電性薄膜
に接して光触媒薄膜が設けられ、かつ前記導電性薄膜が
電解液と導通可能なカラーフィルター作製用基板を、光
触媒薄膜が電解液に接触するように配置すると共に、前
記導電性薄膜が電解液に導通する状態にし、この状態
で、前記光触媒薄膜の選択領域に紫外線を照射して選択
領域に着色膜を形成する工程を含む、カラーフィルター
の製造方法。本発明のカラーフィルターの製造方法は、
前記(1)の着膜方法を使用しているので、高開口率で
高解像度のカラーフィルターが低コストで得られる。し
たがって、本発明のカラーフィルターを用いることによ
り、高精度の液晶表示素子が低コストで製造可能にな
る。
【0010】(5)pHが変化することにより水性液体
に対する溶解性ないし分散性が低下する高分子材料を含
む電解液に、光透過性の基板に光透過性の導電性薄膜と
該導電性薄膜に接して光触媒薄膜が設けられ、かつ前記
導電性薄膜が電解液と導通可能なカラーフィルター作製
用基板を、光触媒薄膜が電解液に接触するように配置す
ると共に、前記導電性薄膜が電解液に導通する状態に
し、この状態で、前記光触媒薄膜の選択領域に紫外線を
照射して選択領域に着色膜を形成する工程を行い、その
後前記着色材を他の色に変更した電解液を用いて前記工
程を1回以上繰り返すことを特徴とする、カラーフィル
ターの製造方法。 (6)前記カラーフィルター作製用基板において、光触
媒薄膜を導電性薄膜の一部が露出するように設け、該導
電性薄膜を電解液に接触させることにより、導電性薄膜
と電解液を導通させることを特徴とする前記(4)また
は(5)に記載のカラーフィルターの製造方法。 (7)前記カラーフィルター作製用基板において、導電
性薄膜に電極を接続し、該電極を電解液に接触させるこ
とにより、導電性薄膜と電解液を導通させることを特徴
とする前記(4)または(5)に記載のカラーフィルタ
ーの製造方法。 (8)前記導電性薄膜および光触媒薄膜をカラーフィル
ターの画素に対応するパターン状に形成することを特徴
とする前記(4)ないし(7)のいずれか1に記載のカ
ラーフィルターの製造方法。
【0011】(9)光透過性の基板に、薄膜トランジス
タおよび光透過性の画素電極を配列形成し、かつ該画電
極に接して光触媒薄膜を前記画素電極の一部が露出する
ように設けたカラーフィルター作製用基板を、着色材を
含みかつpHが変化することにより水性液体に対する溶
解性ないし分散性が低下する高分子材料を含む電解液
に、少なくとも前記画素電極および光触媒薄膜が電解液
に接触するように配置し、次いで、前記光触媒薄膜の選
択領域に紫外線を照射して選択領域に着色膜を形成する
工程を含む、薄膜トランジスタ一体型のカラーフィルタ
ーの製造方法。本発明のTFT一体型のカラーフィルタ
ーにおいては、カラーフィルターとTFTを一体に形成
しているので、高開口率で高解像度のカラーフィルター
が低コストで得られるという効果に加え、従来必要であ
ったカラーフィルターとTFT基板の位置合わせの必要
がない。したがって、本発明のカラーフィルターを用い
ることにより、高精度の液晶表示素子が低コストで製造
可能になる。
【0012】(10)光透過性の基板に薄膜トランジス
タおよび光透過性の画素電極を配列形成し、かつ該画電
極に接して光触媒薄膜を前記画素電極の一部が露出する
ように設けたカラーフィルター作製用基板を、着色材を
含みかつpHが変化することにより水性液体に対する溶
解性ないし分散性が低下する高分子材料を含む電解液
に、少なくとも前記画素電極および光触媒薄膜が電解液
に接触するように配置し、次いで、前記光触媒薄膜の選
択領域に紫外線を照射して選択領域に着色膜を形成する
工程を行い、その後前記着色材を他の色に変更した電解
液を用いて前記工程を1回以上繰り返すことを特徴とす
る、薄膜トランジスタ一体型のカラーフィルターの製造
方法。 (11)フォトマスクを使用して選択領域に紫外線を照
射することを特徴とする、前記(4)ないし(10)の
いずれか1に記載のカラーフィルターの製造方法。
【0013】(12)フォトマスクとカラーフィルター
作製用基板の間に結像光学系を挿入して、紫外線を光触
媒薄膜面に結像させることを特徴とする、前記(4)な
いし(11)のいずれか1に記載のカラーフィルターの
製造方法。 (13)前記結像光学系の結像光学レンズと光透過性の
基板面との距離を1mm〜50cmにすることを特徴と
する、前記(4)ないし(12)のいずれか1に記載の
カラーフィルターの製造方法。 (14)前記結像光学系の焦点深度が±10〜±100
μmであることを特徴とする前記(4)ないし(13)
のいずれか1に記載のカラーフィルターの製造方法。 (15)フォトマスクとカラーフィルター作製用基板の
間にミラー反射光学系を挿入して、紫外線を光触媒薄膜
面に結像させることを特徴とする、前記(4)ないし
(11)のいずれか1に記載のカラーフィルターの製造
方法。
【0014】(16)前記光触媒薄膜が酸化チタンを含
む薄膜であることを特徴とする、前記(4)ないし(1
5)のいずれか1に記載のカラーフィルターの製造方
法。 (17)pHが変化することにより水性液体に対する溶
解性ないし分散性が低下する高分子材料が分子中にカル
ボキシル基を有していることを特徴とする、前記(4)
ないし(16)のいずれか1に記載のカラーフィルター
の製造方法。 (18)前記高分子材料が、疎水基と親水基を有するモ
ノマーの共重合体であり、疎水基数と親水基数の総数に
対する疎水基数の割合が40%以上80%以下であるこ
とを特徴とする、前記(4)ないし(17)のいずれか
1に記載のカラーフィルター製造方法。 (19)前記電解液のpHを、着膜特性に影響を与えな
いpH調整剤によって調節することを特徴とする、前記
(4)ないし(18)のいずれか1に記載のカラーフィ
ルターの製造方法 (20)前記電解液の導電率を、着膜特性に影響を与え
ない塩によって調節することを特徴とする、前記(4)
ないし(19)のいずれか1に記載のカラーフィルター
の製造方法。 (21)前記電解液の温度を制御することを特徴とす
る、前記(4)ないし(20)のいずれか1に記載のカ
ラーフィルターの製造方法。
【0015】(22)前記電解液が光透過性の導電性微
粒子を含むことを特徴とする、前記(4)ないし(
)のいずれか1に記載のカラーフィルターの製造方法 (23)着色膜を形成する前に黒色フォトレジストを用
いるフォトリソグラフィー法によりブラックマトリック
スを形成することを特徴とする、前記(4)ないし(
)のいずれか1に記載のカラーフィルターの製造方
法。 (24)着色膜を形成した後に、着色膜形成面の上に黒
色の紫外線硬化樹脂を塗布し、光透過性の基板の着色膜
を設けてない側から紫外線を照射し、次いで、非硬化部
分を除去してブラックマトリックスを形成することを特
徴とする、前記(4)ないし(22)のいずれか1に記
載のカラーフィルターの製造方法。
【0016】(25)光透過性の基板に薄膜トランジス
タおよび光透過性の画素電極を配列形成し、さらにこれ
らの上に黒色のポジ型フォトレジストを塗布し、前記基
板の薄膜トランジスタおよび光透過性の画素電極を設け
ていない側から光を照射し、次いで、光照射領域のポジ
型フォトレジストを除去した後、前記画電極に接して光
触媒薄膜を前記画素電極の一部が露出するように設け
た、ブラックマトリックス付きカラーフィルター作製用
基板を作製し、該カラーフィルター作製用基板を、着色
材を含みかつpHが変化することにより水性液体に対す
る溶解性ないし分散性が低下する高分子材料を含む電解
液に、少なくとも前記画素電極および光触媒薄膜が電解
液に接触するように配置し、次いで、前記光触媒薄膜の
選択領域に紫外線を照射して選択領域に着色膜を形成す
る工程を行い、その後前記着色材を他の色に変更した電
解液を用いて前記工程を2回以上繰り返すことを特徴と
する、薄膜トランジスタ一体型のカラーフィルターの製
造方法。
【0017】(26)薄膜トランジスターのゲート電極
とドレイン電極を低反射の材料で構成し、前記電極にブ
ラックマトリクスと同様の機能を持たせすることを特徴
とする、前記(9)ないし(22)のいずれか1に記載
のカラーフィルターの製造方法。 (27)前記ゲート電極とドレイン電極が二層または三
層のCrからなることを特徴とする前記(26)に記載
のカラーフィルターの製造方法。
【0018】(28)着色膜の上に光透過性の導電性薄
膜を、画素電極に導通するように形成することを特徴と
する、前記(9)ないし(27)のいずれか1に記載の
カラーフィルターの製造方法。
【0019】
【0020】(29)紫外線を照射するための光源、第
一の結像光学レンズと第二の結像光学レンズを有する結
像光学系、第一の結像光学レンズと第二の結像光学レン
ズの間に挿入したフォトマスク、電解液を収納した電解
漕を備えた着膜装置であって、光透過性の基板に光透過
性の導電性薄膜と該導電性薄膜に接して光触媒薄膜が設
けられ、かつ前記導電性薄膜が電解液と導通可能な膜形
成用基板を、電解漕に配置することを特徴とする、前記
(1)ないし(3)のいずれか1の着膜方法に用いる着
膜装置。本発明の着膜装置は、電着装置および電着用の
別の電極を必要としないので、簡易な構成とすることが
できる。 (30)結像光学系に代え、ミラー反射光学系を使用す
ることを特徴とする、前記(29)に記載の着膜装置。 (31)紫外線を照射するための光源、第一の結像光学
レンズと第二の結像光学レンズを有する結像光学系、第
一の結像光学レンズと第二の結像光学レンズの間に挿入
したフォトマスク、および電解液を収納した電解漕を備
えたカラーフィルター製造装置であって、光透過性の基
板に薄膜トランジスタおよび光透過性の画素電極を設
け、かつ該画電極に接して光触媒薄膜を前記画素電極の
一部が露出するように形成したカラーフィルター作製用
基板を、少なくとも前記画素電極および光触媒薄膜が電
解液に接触するように、電解漕に配置することを特徴と
する、前記(4)ないし(28)のいずれか1のカラー
フィルターの製造方法に用いる、カラーフィルター製造
装置。本発明のカラーフィルターの製造装置は、電着装
置および電着用の別の電極を必要としないので、簡易な
構成とすることができる。 (32)結像光学系に代え、ミラー反射光学系を使用す
ることを特徴とする、前記(31)に記載のカラーフィ
ルター製造装置。
【0021】
【0022】
【発明の実施の形態】我々は、先に、カラーフィルター
のごとき着色膜を形成する方法として、電着技術そのも
のを原理的な処から改めて見直し、水への溶解度が溶液
の水素イオン濃度によって大きく変化する化合物に着目
して、いわゆる「光電着法」を提案した。この光電着法
は、光半導体を作用電極(ワーク電極)とし、pHが変
化することにより水性液体に対する溶解性ないし分散性
が低下する物質を含む液に接触させ、作用電極と対向電
極の間に電圧(バイアス電圧)を印可した状態で光を照
射し、照射部分に前記物質からなる膜を電着させる方法
である。光半導体に発生した光起電力とバイアス電圧の
和が、水の電解が生ずる閾値電圧より大きい場合には、
作用電極近傍の液のpHが小さくなり、この変化により
前記物質の溶解度が低下して、沈殿し、作用電極表面に
膜が形成される。
【0023】pHが変化することにより水性液体に対す
る溶解性ないし分散性が低下する物質として、カルボキ
シル基を有する水溶性アクリル樹脂を例にとって説明す
る。この材料は、弱アルカリ性水(pH=8〜9)に容
易に溶解し、アニオンとして水溶液中に存在するが、p
Hが7以下になると不溶化して析出する性質を持つ。こ
の水溶液中に白金電極を浸し通電すると、陽極付近では
水溶液中のOH-イオンが消費されてO2になり、水素イ
オンが増えてpHが低下する。これは、陽極付近でホー
ル(p)とOH-イオンとが結び付く次のような反応が
起こるためである。 2OH-+2p+―――>1/2(O2)+H2O この反応が起こるには、一定の電圧が必要である。上記
の光電着法において、バイアス電圧と光半導体に生ずる
光起電力の和がこの電圧を超える場合には、上記の反応
が生起し、反応の進行に伴って水溶液中の水素イオン濃
度が増えてpHが低下するのである。そしてその結果、光
半導体(作用電極)の近傍では水溶性アクリル樹脂の溶
解度が低下して不溶化し、電極上に薄膜が形成されるの
である。
【0024】今回、我々は、光半導体薄膜近傍の液のp
H(水素イオン濃度)を変化させるには、前記光電着法
における光起電力を利用する以外の方法があることを見
いだした。すなわち、後述の酸化チタン等の光半導体が
有している光触媒作用を利用すると、前記の光電着法の
ように、外部から電気を流さなくても光を照射するだけ
で、酸化チタンに接触している溶液中で水の電気分解が
生じて水素イオン濃度を変化させることができるのであ
る。したがって、この方法によれば上記の光電着法のよ
うに外部から通電をしなくても、酸化チタンに接する溶
液の水素イオン濃度を変化させることが可能になり、液
からの物質の沈殿、すなわち着膜が可能になるのであ
る。
【0025】水の電気分解に関しては、藤嶋・本田効果
と呼ばれる有名な現象が知られている。これは、光触媒
作用のある酸化チタンに紫外光を照射すると、水が電気
分解して水素が発生する現象である。また、光触媒反応
を応用する典型的な技術としては、橋本、藤嶋: “酸
化チタン光触媒のすべて―抗菌・防汚・空気浄化のため
に―”、シーエムシー、(1998)に詳しく書かれて
いる。しかし、これまで光触媒反応を利用して薄膜を形
成した技術は存在しない。前記の藤嶋・本田効果と呼ば
れている、光触媒によって水が電気分解して水素が発生
する現象においても、水溶液の水素イオン濃度が変化す
ることはない。なぜなら、前記現象においては酸化と還
元が同時に起きるため、全体としては、水素イオン濃度
は変化しないからである。したがって、これまで、この
現象と膜形成が結びつけられることはなかった。
【0026】本発明の光触媒を用いる着膜方法は、上記
の酸化か還元のどちらか一方を光触媒の膜の表面に起こ
せば、膜の表面近傍で水素イオン濃度を変化させること
ができるという知見に基づくものである。すなわち、本
発明の新規な着膜方法は、pHが変化することにより水
性液体に対する溶解性ないし分散性が低下する高分子
料を含む電解液に、光透過性の基板(以下、単に「透明
基板」ということがある)に、光透過性の導電性薄膜
(以下、単に「導電性薄膜」ということがある)と、該
導電性薄膜に接して光触媒薄膜が設けられ、かつ前記導
電性薄膜が電解液と導通可能な膜形成用基板を、光触媒
薄膜が電解液に接触するように配置すると共に、前記導
電性薄膜が電解液に導通する状態にし、この状態で、前
記光触媒薄膜に紫外線を照射することを特徴とする。そ
うすると、外部から電圧を印可しなくても、光触媒薄膜
の表面で前記式で示されるのと同様な反応が生じ、光触
媒薄膜表面近傍で電解液のpHの低下が起こる。その結
果電解液中に含まれるpHの低下に伴ってその溶解性が
低下する高分子の着膜材料が光触媒薄膜の上に析出する
のである。前記の「・・・・導電性薄膜が電解液と導通
可能な膜形成用基板」および「導電性薄膜が電解液に導
通する状態にし」とは、膜形成用基板の光触媒薄膜を、
導電性薄膜の一部が露出するように設け、該導電性薄膜
を電解液に接触させることにより、導電性薄膜と電解液
を導通させる方法や、膜形成用基板の導電性薄膜に電極
をリード線等を介して接続し、この電極を電解液に接触
させることにより、導電性薄膜と電解液を導通させる方
法などのように、直接的または間接的に導電性薄膜と電
解液を導通させて、後述のように、光触媒薄膜−導電性
薄膜−電解液の間に内部回路が形成可能なようにするこ
とを意味する。
【0027】本発明の光触媒を用いる着膜方法を図を用
いて説明する。図1は、本発明の膜形成法を説明する概
念図であり、図1中、10は透明基板、12は導電性薄
膜、14は光触媒作用を有する物質の薄膜(光触媒薄
膜)である。この図の例においては、導電性薄膜の一部
が露出するように該膜に接して光触媒薄膜が設けられて
いる。また、16はpHが変化することにより水性液体
に対する溶解性ないし分散性が低下する物質を含む電解
液を示す。この例においては、電解液には少なくとも導
電性薄膜12と光触媒薄膜14の両方が接触するように
基板を配置することが必要である。このような状態にお
いて光触媒薄膜14に紫外線を照射すると、光触媒薄膜
14と導電性薄膜12との間に内部回路が形成されるこ
とになり、外部より電圧を印加しなくても電気分解が生
じる。この内部回路において、導電性薄膜は対極とし
て、また、光触媒薄膜は作用極として作用する。
【0028】光を照射して生じたホールは光触媒薄膜1
4を介して水溶液に移動する。一方、光を照射して生じ
た電子は対極である導電性薄膜12を介して水溶液に移
動する。このとき、水の電気分解反応が生じ、光触媒薄
膜近傍ではpHが小さくなり、一方、対極近傍ではpH
が上昇する。したがって、pHが小さくなることにより
溶解性が減少する物質は、光触媒薄膜の上に析出するの
である。ここで、導電性薄膜が電解液に接触するとは、
導電性薄膜の少なくとも一部が電解液に接触することを
意味する。したがって、導電性薄膜の膜の側面のみが接
触している場合も含む。
【0029】また、図2に、導電性薄膜が直接電解液に
接触していない状態で着膜を行う方法の概念図を表す。
図2に示すように、この例では導電性薄膜の光触媒薄膜
で被覆されていない部分を絶縁性薄膜で覆い、また、導
電性薄膜が電解液中の電極たとえば白金電極18とリー
ド線17で結ばれている。この例でも上記と同様の内部
回路が形成され、光触媒薄膜の表面近傍のpHが低下す
る一方、白金電極の表面近傍のpHが上昇する。
【0030】また、図3に示すように導電性薄膜12お
よび光触媒薄膜14を基板上に全面に設けるだけでなく
(図3は、導電性薄膜の一部が露出している例を示して
いるが、前記のように全面を光触媒薄膜またはこれと絶
縁性被膜で覆うことも可能である。)、図4に示すよう
に導電性薄膜12をパターン状に設け、各々の区画の導
電性薄膜14について光触媒薄膜14を形成することも
可能である。この態様は、カラーフィルターの作製にお
いて、導電性薄膜と光触媒薄膜を、カラーフィルターの
画素に対応したパターン状に形成する場合などに利用さ
れる。画素パターン形状に設ける場合には、各々の導電
性薄膜は図4で示すように、その一部を露出させること
が必要である。本発明の着膜方法は、電着装置および電
着用の別の電極を必要としないので、簡易な装置で低コ
ストに膜を形成することができる。また、また作製され
る膜は光電着法と同等の高品質が達成されるとともに、
着色膜形成時に外部から電圧を印加することがないの
で、膜の均一性が優れている。
【0031】次に、本発明の着膜方法に使用する膜形成
用基板あるいはカラーフィルター形成用基板を構成する
光透過性の基板、光透過性の導電性薄膜、および光触媒
薄膜について順次説明する。本発明で使用する光透過性
の基板とは、可視光域の光を透過させるものをいい、例
えばガラス板、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチ
レンナフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリエーテ
ルイミド、ポリエーテルケトン、ポリフェニレンスルフ
ィド、ポリアリレート、ポリイミド、ポリカーボネート
等の板、シートあるいはフィルムが挙げられる。
【0032】また、光透過性の基体の上に設けられる光
透過性の導電性薄膜は、本発明の膜形成法において作用
極である光触媒薄膜と対極をなすもので、たとえばIT
O膜、二酸化スズ、酸化インジュウム等が挙げられる。
【0033】光触媒としては、酸化チタンが好ましく用
いられる。酸化チタンは、光触媒作用をもたせるためア
ナターゼ型であることが望ましいが、ルチル型でも使用
できる。酸化チタン の製膜方法についてはいくつかの
方法が知られている。例えば、熱酸化膜法、スパッタリ
ング法、エレクトロンビーム法(EB 法)、ゾル・ ゲル法な
どが有名であるが、通常のスパッタリング法とEB法によ
って製膜する酸化チタン は、光触媒効果が充分であると
はいいがたい。そこで、光触媒の効果を高めるために還
元処理を行う方がよい。還元処理は水素ガス中で加熱す
ることによって行われる。例えば、 3%の水素を混合し
た窒素ガスを1L/min.の流量で流しながら、約3
30℃で10分間という低温かつ短時間の処理でも十分
な効果を得ることができる。ただし、後述のように、薄
膜トランジスター素子(TFT)を設けた基板に本発明
による膜形成を行う場合、TFTの特性上、基板を25
0℃程度までしか加熱できないので、500℃で燒結す
るゾル・ゲル法が利用できない。したがって、この場合
には、スパッタリングや電子ビーム加熱法を用いたり、
あるいは光触媒酸化チタン微粒子を分散させた薄膜形成
用の塗布液(TOTO(株)や日本曹達(株)など)を使
用して、低温で酸化チタン薄膜を形成する方法が適用さ
れる。光触媒薄膜の厚みは、0.05μmから3μmの
範囲が良好な特性が得られる範囲である。0.05μm
未満では光の吸収が不充分となりやすく、また、3μm
を超えると膜にクラックが生ずるなどの成膜性が悪くな
りやすいので、前記範囲が適切である。
【0034】次に、本発明の膜形成法において使用する
電解液について説明する。本発明の電解液にはpHが変
化することにより水性液体に対する溶解性ないし分散性
が低下する高分子材料を含むことが重要である。このよ
うな材料としては、カルボキシル基やアミノ基などのよ
うに、液のpHが変わることにより、そのイオン解離性
が変化する基(イオン性基)を分子中に有している高分
子材料を含むことが好ましい。例えば、我々が先に提案
した光電着法において使用する、pHが変化することに
より水性液体に対する溶解性ないし分散性が低下する物
質を含む高分子材料は基本的にすべて使用することがで
きる。しかし、着膜材料は必ずしもイオン性基の存在が
必須ではない。また、イオンの極性も問わない。例え
ば、2種類のイオンを混合した場合について考えてみ
る。一般に、塩基性溶液と酸性溶液を混合すると中和し
て錯体など別の析出物を生じて沈殿する。このため、2
種類の色素を混合して混合色を出す場合には無極性の顔
料を使うか、同極性の材料を分散させるのが一般的であ
る。ところが、ある種の染料同士では、錯体が形成され
ずイオンが共存した状態を取る。この場合には、塩基性
溶液と酸性溶液を混合しても析出物を抑えることがで
き、イオンの極性によらず使用することができる。
【0035】まず、電解液のpHが変化するのに伴って
電解液に対する溶解性あるいは分散性が低下して薄膜を
形成する高分子材料について説明する。このような高分
子材料としては、前記のようにイオン性基を有する高分
子材料(イオン性高分子)が挙げられる。前記イオン性
高分子は、水系液体(pH調節を行った水系液体を含
む。)に対して十分な溶解性あるいは分散性を有してい
ること、また光透過性を有していることが必要である。
また前記イオン性高分子は、それが溶解している電解液
のpH値の変化に応じて、溶解状態あるいは分散状態か
ら上澄みを発生して沈殿を生じる液性変化が、pH範囲
領域2以内で生じることが好ましい。前記のpH範囲領
域が2以内であると、通電による急峻なpH変化に対し
ても瞬時に画像の析出が可能となり、また析出する画像
の凝集力が高く、電着液への再溶解速度が低減するなど
の効果が優れている。そしてこのことにより、高い透光
性と耐水性を有するフィルター層が得られる。前記pH
範囲領域が2より大きい場合は、十分な画像構造を得る
ための印字速度の低下や、画像の耐水性の欠如などが起
こりやすい。より好ましい特性を得るには、前記pH範
囲領域が1以内である。
【0036】前記のイオン性高分子としては、分子中に
親水基と水への不溶化を促進させる疎水基を有する重合
体であることが好ましい。疎水基は、前記のようなpH
の変化によって親水基から疎水基に変化した疎水基と協
働して、瞬時に膜を析出させるという機能をも重合体に
付与している。また、この疎水基は、後述する本発明の
カラーフィルターの形成方法において、色材として用い
る有機顔料に対し親和性が強いため有機顔料を吸着する
能力があり、重合体に良好な顔料分散機能を付与する。
【0037】疎水基と親水基を有する重合体中の疎水基
の数が、親水基と疎水基の総数の40%から80%の範
囲にあるものが好ましい。疎水基の数が親水基と疎水基
の総数の40%未満のものは、形成された膜が再溶解し
易く、膜の耐水性や膜強度が不足する場合があり、また
疎水基数が親水基と疎水基の総数の80%より大きい場
合は、水系液体への重合体の溶解性が不十分となるた
め、電解液が濁ったり、電解材料の沈殿物が生じたり、
電解液の粘度が上昇しやすくなるので、前記の範囲にあ
ることが望ましい。親水基と疎水基の総数に対する疎水
基数は、より好ましくは55%から70%の範囲であ
る。この範囲のものは、特に膜の析出効率が高く、電解
液の液性も安定している。
【0038】また、このイオン性高分子の酸価は、60
から300の範囲で良好な着膜特性が得られる。特に9
0から195の範囲でより良好な着膜特性となる。高分
子材料の酸価が60以下では、水系液体への溶解性が不
十分となり、電解液の固形分濃度を適正値まで上げるこ
とができなくなったり、液体が濁ったり沈殿物が生じた
り、液粘度が上昇したりし問題が生じる。また、高分子
材料の酸価が300以上では、形成された膜が再溶解し
やすい。さらに、この高分子材料が溶解した状態の電解
液は、水素イオン濃度(pH)の変化で沈殿を生じる状
態変化が急峻に生じることと、再溶解しにくいというヒ
ステリシス特性が必要である。この特性により、pH変
化で薄膜が形成され、一旦薄膜が形成されると電解液へ
の再溶解が困難となり薄膜形成が維持されるのである。
【0039】本発明の製造方法において、高分子材料に
使われる親水基を含むモノマー材料としては、メタクリ
ル酸、アクリル酸、メタクリル酸ヒドロキシエチル、ア
クリルアミド、無水マレイン酸、無水トリメリト酸、無
水フタル酸、ヘミメリット酸、コハク酸、アジピン酸、
プロピオル酸、プロピオン酸、フマル酸、イタコン酸、
などおよびこれらの誘導体用いられる。特に、メタクリ
ル酸、アクリル酸はpH変化による着膜効率が高く、有
用な親水性モノマー材料である。また、高分子材料に使
われる疎水基を含むモノマー材料としては、アルキル
基、スチレン基、α−メチルスチレン基、α−エチルス
チレン基、メタクリル酸メチル基、メタクリル酸ブチル
基、アクリロニトリル基、酢酸ビニル基、アクリル酸エ
チル基、アクリル酸ブチル基、メタクリル酸ラウリル
基、などおよびこれらの誘導体が用いられる。特に、ス
チレン基、α−メチルスチレン基は疎水性が強いため
に、再溶解に対するヒステリシス得やすく有用な疎水性
モノマー材料となっている。ここで利用される水溶性高
分子は、このような親水基と疎水基を含む分子を前記の
比率で共重合した高分子材料であり、各親水基及び疎水
基の種類は1種に限定されるものではない。重合度は、
6,000から25,000のものが良好な着膜を得る
高分子材料となる。より好ましくは、重合度が9,00
0から20,000の材料である。重合度が6,000
より低いと再溶解し易くなる。重合度が25,000よ
り高いと、水系液体への溶解性が不十分となり、液体が
濁ったり沈殿物が生じたりして問題を生じる。
【0040】分子中に疎水基と親水基とを有する重合体
は、例えば疎水基を有するモノマーと親水基を有するモ
ノマーを共重合させることにより製造される。この共重
合はランダム共重合であることが好ましい。前記疎水基
及び親水基は、それぞれ1種または2種以上組み合わせ
て使用することができる。
【0041】また、カラーフィルターを作製する場合に
使用するイオン性高分子は、無色もしくは淡色のものを
用いることが好ましい。
【0042】本発明の方法により膜形成が可能な材料
は、前記のイオン性高分子の他に、分子中にイオン性基
を有するイオン性分子、例えば、イオン性染料、該イオ
ン性染料と顔料の混合物を挙げることができる。本発明
においては、前記イオン性染料として、電解液のpHの
変化に対応して急激にその溶解性あるいは分散性が低下
する性質を有するものが好ましい。イオン性染料として
は、トリフェニルメタンフタリド系、フェノサジン系、
フェノチアジン系、フルオレセイン系、インドリルフタ
リド系、スピロピラン系、アザフタリド系、ジフェニル
メタン系、クロメノピラゾール系、ロイコオーラミン
系、アゾメチン系、ローダミンラクタル系、ナフトラク
タム系、トリアゼン系、トリアゾールアゾ系、チアゾー
ルアゾ系、アゾ系、オキサジン系、チアジン系、ベンズ
チアゾールアゾ系、キノンイミン系の染料、及びカルボ
キシル基、アミノ基、又はイミノ基を有する親水性染料
等が挙げられる。例えば、フルオレセイン系の色素であ
るローズベンガルやエオシンはpH=4以上では水に溶
けるが、それ以下では中性状態となり沈殿する。同様に
ジアゾ系のPro Jet Fast Yellow2はpH6以上では水に
溶けるが、それ以下では沈殿する。これらの着色材がp
Hの変化に追随して、その溶解性あるいは分散性が低下
して着膜する性質を有している場合は、膜形成材料はこ
の着色材のみからなっていてもよい。
【0043】また、本発明で使用する電解液に含まれる
膜形成材料としては、それ自体にイオン性がなく電解液
のpHの変化により溶解性が低下する性質がない材料で
あっても、これと前記のイオン性高分子やイオン性染料
のごときイオン性分子と組み合わせることにより使用す
ることができる。このような材料は、イオン性分子が凝
集・析出する際に取り込まれて、共に膜を形成すること
になる。すなわち着膜材料として混合物を用いる場合に
は、少なくとも1種類以上の分子は単体でpHの変化に
よって溶解度が低下し薄膜が形成される特性を持ってい
ればよい。たとえば、カラーフィルター形成の場合、着
色材が必須の成分であるが、着色材自体は必ずしも前記
のごとき性質を備えている必要はなく、たとえば着色材
をイオン性高分子と共に水性液体に分散させた電解液を
用い、イオン性高分子がpHの変化により溶解性が低下
して凝集・析出する際に、着色材を取り込んで着色高分
子膜を形成するようにしてもよい。また、前記イオン性
染料、またはイオン性染料および顔料と、イオン性高分
子とを組み合わせて用いることも可能である。顔料とし
ては、公知の赤色、緑色、青色等の顔料を特に制限なく
使用することができるが、顔料の粒子径が小さい程色相
の再現性がよい。カラーフィルターを作製する場合に
は、カラーフィルター層の透明性及び分散性の観点から
は、特に顔料の平均粒子径が200nm好ましくは10
0nm以下のものが好ましい。また、カラーフィルター
用着色材としては、本発明者らが、光電着方法に適する
材料として先に、特願平9−268642号、特願平9
−329798号として提案した明細書に記載の着色材
なども用いることができる。また、二種以上の着色材を
用いれば、任意の混合色が得られることになる。
【0044】本発明の電解液に含まれる着膜材料は、薄
膜の形成効果を損なわない限りにおいて、上で述べたよ
うな材料を任意に組み合わせることができ、2種類以上
のアニオン性分子の混合物のような同極性分子の混合
物、あるいはアニオン性分子とカチオン性分子の混合物
のような異極性分子の混合物が挙げられる。
【0045】
【0046】また、本発明で使用する電解液に、支持塩
を加えて導電率を高めることにより析出効率を改善する
こともできる。電気化学で、一般的に使われる支持塩で
あるNaCl、KCl等のアルカリ金属塩や、テトラエ
チルアンモニウムパークロレート(Et4NClO4)、
テトラメチルアンモニウムパークロレート(Me4NC
lO4)、テトラエチルアンモニウムクロライド(Et4
NCl)、テトラメチルアンモニウムクロライド(Me
4NCl)、テトラ−n−ブチルアンモニウムパークロ
レート(n−Bu4NClO4)、テトラエチルアンモニ
ウムブロマイド(Et4NBr)、テトラ−n−ブチル
アンモニウムブロマイド(n−Bu4NBr)、テトラ
エチルアンモニウムテトラフルオロブロマイド(Et4
NBF4)等のテトラアルキルアンモニウム塩、NH4
l等のハロゲン系のアンモニウムイオンが用いられる。
しかし、薄膜トランジスタ(TFT)を設けた基板に薄
膜を形成する場合には、上記塩のうちアルカリ金属塩は
薄膜トランジスタの特性に悪影響を及ぼすために利用で
きない。この場合は、上記塩のうち、NH4Cl等のハ
ロゲン系のアンモニウムイオンや、Me4NCl、Me4
NClO4、n−Bu4NClO4、Me4NBF4、Me4
NBr、n−Bu4NBr等のテトラアルキルアンモニ
ウム塩を用いることが好ましい。
【0047】また、電解液のpHも当然ながら薄膜の形
成に影響する。例えば、薄膜形成前には着膜性分子の溶
解度が飽和するような条件で着膜を行えば薄膜形成後に
は再溶解しにくい。ところが、未飽和状態の溶液のpH
で膜の形成を行うと、薄膜が形成されても、光照射をや
めた途端に膜が再溶解し始める。従って、溶解度が飽和
するような溶液のpHで薄膜の形成を行うほうが望まし
いことから、所望のpHに酸やアルカリを用いて電解液
を調整する必要がある。薄膜トランジスタ(TFT)を
設けた基板に薄膜を形成する場合には前記と同様の理由
で、アルカリ金属塩は使用できない。従って、この場合
は、アミン系や、アンモニア系の有機アルカリ材が使用
される。テトラメチルハイドロオキサイドはフォトレジ
ストのエッチング液として多用されており、薄膜トラン
ジスタとの相性が良いため、特に好適に利用できる。
【0048】次に本発明の薄膜形成方法を用いるカラー
フィルターの作製法について説明する。カラーフィルタ
ーを作製するためには、まず光透過性の基板、たとえば
無アルカリガラスからなる基板の上に、光透過性の導電
性薄膜を設け、さらに該導電性薄膜に接して光触媒薄膜
を形成する。この際着膜方法の箇所で述べたように、導
電性薄膜が電解液と導通可能なように構成することが必
要である。すなわち、導電性薄膜が一部露出するように
したり、導電性薄膜の表面が全く露出していない場合に
は、リード線等を介して導電性薄膜に電極を接続するな
どの処置が行われる。導電性薄膜は透明基板の全面に設
けることも、またカラーフィルターの各色画素に対応し
たパターン状に形成することも可能である。このように
して作製した膜形成用基板をカラーフィルター用電解液
に、光触媒薄膜が接触するように電解液中に配置し、ま
た、導電性薄膜を電解液と導通させる。
【0049】カラーフィルター用電解液はカラーフィル
ターの色に対応した必要な着色材を含有し、かつ、膜形
成材料(着色材を含む)の少なくとも1つは上述のpH
が変化することにより水性液体に対する溶解性ないし分
散性が低下する高分子材料であることが好ましい。特
に、カルボキシル基等のアニオン性基を有する高分子と
顔料等の着色材を含む電解液が好ましく使用される。上
記のようにカラーフィルター作製用基板を電解液中に配
置した後、該基板の背後から、カラーフィルター層の各
色に対応したフォトマスクを介して紫外線を照射する。
照射する光の強度は、20〜200mW/cm2の範囲
が適切である。基板の背後から紫外線を照射する理由
は、着色材の多くは紫外線を吸収する性質を有している
ので、カラーフィルター作製用基板の前面から紫外線を
照射する、すなわちカラーフィルター用電解液を通して
紫外線を照射すると、紫外線が着色材に吸収されてしま
うからである。しかし、紫外線を吸収しないあるいはご
くわずかしか吸収しない着色材を使用する場合には、基
板の前面から照射をすることができる。一般的に、膜形
成用基板に、レッド、グリーンおよびブルーの着色膜を
形成する電解液を用いて、順次レッド、グリーンおよび
ブルーの着色膜を形成することにより、カラーフィルタ
ーが作製される。
【0050】次に、液晶駆動用の薄膜トランジスタ(T
FT)とカラーフィルターを同一基板上に形成する方法
について述べる。カラーフィルターの形成には、TFT
駆動回路を利用して所定の画素のみに所定の色のカラー
フィルター層を電着法で形成する方法が従来から知られ
ている(特開平5−5874号公報)が、前述のように
この方法で高性能のTFT一体型カラーフィルターを作
製することは非常に難しい。一方、本発明の膜形成法を
利用するカラーフィルターの製造においては、所定の画
素に所定の着色膜を形成するには、フォトマスク、紫外
線レーザによる直接書き込み等を使用して紫外線照射領
域を制御するだけでよい。具体的には、光透過性の基板
に液晶駆動用のTFT回路および光透過性の画素電極を
常法により設け、各画素電極の上に光触媒薄膜を形成
し、これを電解液中に少なくとも画素電極と光触媒薄膜
が電解液に接触するように配置し、所定の光触媒薄膜上
に着色膜が形成されるようにその光触媒薄膜に紫外線が
照射されるようその領域を制御する。ただし、各画素電
極は少なくとも一部が電解液に接触するように、画素電
極のすべてを光触媒薄膜で覆わないことが必要である。
この場合、「画素電極の一部」には、画素電極膜の側面
部分も含まれる。この工程を必要な複数色の着色膜につ
いて繰り返し、カラーフィルターを作製する。
【0051】次に、図を用いてTFT一体型カラーフィ
ルターの製造方法ついてさらに詳細に説明する。図5に
現在、TFT液晶ディスプレーによく使われている逆ス
タガチャンネル埋め込み型TFTと画素電極を基板に形
成したものの断面構造を示す。図中、20は光透過性の
基板、22はゲート電極、24はゲート絶縁膜、26は
+a−Si/a−Si、28はソース電極、30はド
レイン電極、32は保護膜、40は画素電極をそれぞれ
示す。このTFT付き基板の画素電極の上に光触媒薄
膜、たとえば酸化チタン薄膜を形成して、カラーフィル
ター作製用基板とする。これを図6に示す。図中42は
光触媒薄膜を示す。光触媒薄膜の下層の画素電極は一部
が露出した構造となっている。前記のようにTFTの耐
熱性は250℃程度であり高温に加熱することができな
いので、酸化チタンの形成は、スパッタリングや電子ビ
ーム加熱法、また光触媒酸化チタン微粒子を分散させた
薄膜形成用の塗布液を用いることによって形成される。
塗布液を用いる方法は簡便であり、好ましく使用され
る。酸化チタンの薄膜を画素電極の上にパターン状に設
ける方法としては、たとえばリフトオフ法を用いること
ができる。リフトオフ法は、たとえばポジ型フォトレジ
スト層をTFTと画素電極を設けた基板の上に全面に塗
布し、その後所定のフォトマスクを使用して光を照射
し、酸化チタン形成領域のレジスト層をエッチングによ
り除去する。この状態で前記のごとき酸化チタン形成用
塗布液を全面に塗布し、その後酸化チタン形成領域以外
の酸化チタン薄膜をレジスト層と共に剥離する方法であ
る。
【0052】次に前記のようにして作製したカラーフィ
ルター作製用基板を前記のごとき電解液中に、少なくと
も画素電極と酸化チタン薄膜が着色材を含む電解液に接
触するように配置する。その後カラーフィルター作製用
基板の裏面から紫外線を選択領域に照射する。一例とし
て、図7にフォトマスク60を使用して選択領域に紫外
線を照射する方法を示す。酸化チタン薄膜の、紫外線を
照射した領域にのみ光触媒反応が生じて着色膜(カラー
フィルター膜)50が析出・形成される。電解液に含ま
れる着色材の色相を変えて、順次同様に着色膜を析出・
形成させることによりカラーフィルターが作製される。
【0053】また、本発明の着膜法あるいはカラーフィ
ルター製造方法において、紫外線を選択照射する際に、
選択的に照射された光を、結像光学系あるいはミラー反
射光学系により光触媒薄膜表面に結像させることが好ま
しい。このようにすることにより、得られるカラーフィ
ルターの解像度が基板の厚さに依存せず、各画素のエッ
ジ部がシャープなカラーフィルターを作製できる。結像
光学系あるいはミラー反射光学系を利用する露光装置
は、一般にプロジェクション型露光装置とも呼ばれてい
る。図8を用いて結像光学系を用いる着膜装置を説明す
る。図8に示すように、透明基板10、導電性薄膜1
2、および光触媒薄膜14を設けた膜形成用基板(ある
いはカラーフィルター作製用基板)を、導電性薄膜12
および光触媒薄膜14が電解液16に接触するように配
置する。結像光学系は2つの結像光学レンズ72および
73から構成され、フォトマスクは結像光学レンズ72
と73の間に挿入される。紫外線70は結像光学レンズ
72によって、まず、フォトマスク71の表面71aで
結像されるようになっている。結像された入射光70
は、フォトマスク71と膜形成用基板との間に配置され
ている結像光学レンズ73を通過して、光触媒薄膜の表
面に結像する。
【0054】基板の裏面から光が入射されるため、結像
光学レンズ73と結像面(光触媒薄膜表面)との距離
(以下,「焦点距離」という。)は、基板の厚み以上離
れていることが好ましいが、一方、焦点距離が長くなる
と、解像力が低下しやすく、露光装置の設計上の点でも
極端に焦点距離を離すことは好ましくなく、実用上、前
記焦点距離は1〜500mmとすることが好ましい。前
記プロジェクション型露光装置では、焦点深度を±10
〜±100μmと深くすることが可能なため、基板のた
わみ等が生じた場合や用いる基体の表面精度が不十分な
場合でも結像が可能であり、鮮鋭で、高解像度のカラー
フィルタを安定に製造することができる。焦点深度と
は、露光面上における照射光の広がりやボケの生じな
い、深さ方向の遠近の範囲をいう。
【0055】前記の結像光学レンズに代えて、ミラー反
射光学系を用いた露光装置(ミラープロジェクション型
露光装置)を用いることもできる。前記ミラープロジェ
クション型露光装置は、市販のものを利用できる。前記
ミラー反射光学系の場合、色収差がないことから、光源
の全ての波長が使えることになり有利となる。また、反
射ミラー面と結像照射面(光半導体薄膜の表面等)との
距離を自由に設計できるため、基板を上面に配置して下
面から光を入射するなどの自由度がある。また、このよ
うなミラープロジェクション型露光装置においても、焦
点深度が±10〜±100μmと深く設計することがで
き、基板のたわみ等が生じていても、比較的容易に光半
導体薄膜の表面に結像させることが可能である。
【0056】さらに、カラーフィルターには、ブラック
マトリックスを形成することが好ましい。ブラックマト
リクスの光学濃度は、通常、2.5以上必要であり、光
が漏れないことが必要である。ブラックマトリックス
は、着色膜を形成する前においては、通常のフォトリソ
法を用いる方法、たとえば、黒色のネガ型フォトレジス
トを塗布した後、ブラックマトリックス用フォトマスク
を用いて紫外線照射し、その後非照射部分をエッチング
で除く方法等により形成され、また着色膜を形成した後
においては、着色膜形成面の上に全面に黒色のネガ型フ
ォトレジストを塗布した後、次いで基板の着色膜を形成
していない側から光を照射し、基板を通して光が基板を
通り抜ける領域のみに黒色膜を形成し、その後非硬化領
域のフォトレジストを除去するなどの方法によって形成
され、公知のブラックマトリックスの形成法が制限なく
利用できる。このほか、本発明の着膜法を利用してブラ
ックマトリックスを作製することもできる。すなわち、
前記の光触媒反応を利用して光触媒薄膜上に着色膜を形
成した後、黒色顔料を含む電解液に光触媒薄膜を接触さ
せかつ導電性薄膜を電解液に導通させた状態で、基板の
全面に紫外線を照射すると、光触媒薄膜の着色膜が形成
されていない部分に黒色膜(ブラックマトリックス)が
形成される。
【0057】TFT一体型カラーフィルターの場合に
は、前記のフォトリソ法が同様に適用可能である。フォ
トマスクを用いない方法として、光透過性の基板にTF
Tおよび画素電極を設け、さらにこれらの上に黒色のポ
ジ型フォトレジストを塗布した後、前記基板のTFTと
画素電極を設けていない側から光を照射する方法が挙げ
られる。TFTの電極部分は遮光されるので、その後の
レジスト除去工程の後にはTFTの上の黒色レジスト層
が残りブラックマトリックスとなる。(その後、前記の
ように画電極の上に光触媒薄膜を設け、前述のようにし
てカラーフィルター膜を形成する。) また、TFT回路のゲート電極とソース電極の光の遮断
性は元々高いので、ゲート電極やソース電極を低反射の
金属膜、例えば2層のCr膜等で形成すれば、カラーフ
ィルターの形成後に電極と電源ライン部分とがブラック
マトリックスを兼用することになるので、別途ブラック
マトリクスを設けなくてもよい。この場合には、カラー
フィルターの開口率を極限まで高めることができ、非常
に明るく高精細な液晶表示素子を形成できる。
【0058】また、一般にカラーフィルター着色膜は絶
縁性が高いので、形成したカラーフィルター層の表面に
光透過性の導電膜を形成し、これを液晶表示電極とする
ことが好ましい。図9に一例を示す。52は液晶表示電
極となる導電膜を示す。この導電膜52はカラーフィル
ター作製用基板に設けた画素電極と接触するように形成
し、TFTのドレイン電極と導通させる。液晶表示電極
を用いる代わりに、カラーフィルター層に導電性を持た
せることも可能である。たとえば、粒径が数10Å程度
のITO、SnO2等の透明導電性微粒子を加えたカラ
ーフィルター形成用電解液を用いて膜形成を行い、析出
膜に導電性が付与される。添加量は、たとえばITO微
粒子の場合、膜形成材料(固形分)に対し5〜50重量
%程度が適切である。
【0059】また、本発明のカラーフィルターの製造方
法は、本発明による新規な着膜方法を使用しているの
で、高開口率で高解像度のカラーフィルターが低コスト
で得られる。また、TFT一体型のカラーフィルターに
おいては、前記効果に加え、従来必要であったカラーフ
ィルターとTFT基板の位置合わせの必要がない。した
がって、本発明のカラーフィルターを用いることによ
り、高精度の液晶表示素子が低コストで製造可能にな
る。さらに、本発明の膜形成法により作製される膜は、
ミセル電解法を用いた電着膜のように界面活性剤等の不
純物が含まれないので、色純度や透過率が低下すること
がない。
【0060】また、本発明は前記のごとき着膜方法に使
用するための着膜装置および前記のごときカラーフィル
ターの製造方法に使用するためのカラーフィルター製造
装置を提供するものである。本発明の着膜装置あるいは
カラーフィルター製造装置は、紫外線を照射するための
光源、第一の結像光学レンズと第二の結像光学レンズを
有する結像光学系、第一の結像光学レンズと第二の結像
光学レンズの間に挿入したフォトマスク、電解液を収納
した電解漕を備えている。また、前記のカラーフィルタ
ー製造装置において前記結像光学系に代え、ミラー反射
光学系を使用することも可能である。結像光学系を使用
する着膜装置あるいはカラーフィルター製造装置は、図
8にその概要が示されている。そして、図8で示すよう
に、前記装置に膜形成用基板あるいはカラーフィルター
作製用基板を、電解漕に配置させて使用する。本発明の
着膜装置あるいはカラーフィルター製造装置は、電着装
置や電着用の別の電極を使用する必要がないので簡易に
かつ低コストで高性能の膜あるいはカラーフィルター膜
を得ることができる。
【0061】また、本発明の製造方法により作製される
カラーフィルターは、光透過性の基板、光透過性の導電
性薄膜、光触媒薄膜および着色膜を有し、該導電性薄膜
に接して該導電性薄膜の一部が露出するように光触媒薄
膜が設けられ、かつ前記光触媒薄膜の上に着色膜が形成
されている。このカラーフィルターを使用する液晶表示
装置としては、たとえば前記のカラーフィルターと、該
カラーフィルターに対向配置され薄膜トランジスタおよ
び画素電極とを備える対向基板、および前記カラーフィ
ルターと前記対向基板の間に封入される液晶材料を少な
くとも有する。図10には、液晶表示装置の一例が示さ
れ、ガラス基板10に導電性薄膜12を画素パターン状
に形成し、その上に光触媒薄膜14を前記導電性薄膜の
一部が露出するように設け、この上に、着色膜50(カ
ラーフィルター膜)とブラックマトリックス80を形成
し、その上に配向膜82を設けたカラーフィルター基板
と、それに対向して、薄膜トランジスタ112および画
素電極114とを備えまたその表面に配向膜116を形
成した対向基板110が置かれ、このカラーフィルター
と対向基板の間に、液晶100が封入された構造を有し
ている。
【0062】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明を詳細に説明
するが、本発明はこれらに制限されるものではない。 (実施例1) <液晶表示用基板の作製>厚さ0.7mmの無アルカリガ
ラス基板(コーニング社製1737ガラス)に、全面に
透明導電膜(ITO)を0.1μmに形成した。このI
TO膜の上に、低温硬化型のビストータL(日本曹達
製、NDC100C)を、ITO膜が一部露出するよう
に塗布した後、70℃で乾燥させて、膜厚0.5μmの
酸化チタン薄膜を形成した。これを液晶表示用基板とし
た。 <レッド着色膜形成>次に、スチレン−アクリル酸共重
合体(分子量13,000、疎水基/(親水基+疎水基)のモル比65
%、酸化150)と、赤色超微粒子顔料とを、重量固形分比率
で樹脂/顔料=0.7に分散させた、固形分濃度10重
量%の電解液(pH=7.8、導電率=10mS/c
m)に、前記液晶表示基板を少なくとも酸化チタン薄膜
とITO薄膜とが電解液に接触するように配置した。レ
ッドフィルター用フォトマスクを介して裏面(ITO膜
側)から、DeepUV光(光強度50mW/cm2
を1分間照射した。この光源には、均一照射光源(Hg
−Xeランプ、山下電装製、1KW)を使用した。その
結果、光が照射された部分にのみレッドの着色膜が形成
された。次に、この基板を純水で洗浄した。 <グリーン着色膜形成>スチレン−アクリル酸共重合体
(分子量13,000、疎水基/(親水基+疎水基)のモル比65%、酸
化150)と、フタロシアニングリーン系超微粒子顔料と
を、重量固形分比率で樹脂/顔料=0.5に分散させ
た、固形分濃度10重量%の電解液(pH=7.8、導
電率=10mS/cm)を調製した。この電解液に前記
基板をレッド着色膜の形成の場合と同様に接触させ、グ
リーンフィルター用フォトマスクを介して同じ条件でD
eepUV光を照射した。その結果、光が照射された部
分にのみグリーンの着色膜が形成された。次に、この基
板を純水で洗浄した。 <ブルー着色膜形成>スチレン−アクリル酸共重合体
(分子量13,000、疎水基/(親水基+疎水基)のモル比65%、酸
化150)とフタロシアニンブルー系超微粒子顔料とを重量
固形分比率で樹脂/顔料=0.7に分散させた、固形分
濃度10重量%の電解液(pH=7.8、導電率=10
mS/cm)を調製した。この電解液に前記基板をレッ
ド着色膜の形成の場合と同様に接触させ、ブルーフィル
ター用フォトマスクを介して同じ条件でDeepUV光
を照射した。その結果、光が照射された部分にのみブル
ーの着色膜が形成された。次に、この基板を純水で洗浄
した。以上の工程により、レッド、グリーンおよびブル
ーの着色膜が形成されたカラーフィルターが作製され
た。 <ブラックマトリックスの作製>スチレン−アクリル酸
共重合体(分子量13,000、疎水基/(親水基+疎水基)のモル
比65%、酸化150)と、カーボンブラック超微粒子顔料と
を、重量固形分比率で樹脂/顔料=0.7に分散させ
た、固形分濃度10重量%の電解液(pH=7.8、導
電率=10mS/cm)を調製した。この電解液に前記
基板をレッド着色膜の形成の場合と同様に接触させ、基
板の全面にレッド着色膜の場合と同じ条件でDeepU
V光を照射した。その結果、レッド、グリーンおよびブ
ルーの着色膜が形成されていない部分に黒色膜(ブラッ
クマトリックス)が形成された。次に、この基板を純水
で洗浄した。
【0063】(実施例2) <液晶表示用基板の作製>厚さ0.7mmの無アルカリガ
ラス基板(コーニング社製1737ガラス)に、フォト
リソ法を用いて、カラーフィルターのレッド、グリーン
およびブルーの画素に対応するようにパターン化した透
明導電膜(ITO)を0.1μmに形成した。次に、リ
フトオフ法を用いて、前記パターン化したITO導電膜
の上に、パターン化された酸化チタン薄膜を膜厚0.5
μmで形成した。ただし、酸化チタン薄膜がITO導電
膜を全部覆わないよう、ITO導電膜が露出する状態と
した。 <レッド着色膜形成>次に、スチレン−アクリル酸共重
合体(分子量13,000、疎水基/(親水基+疎水基)のモル比65
%、酸化150)と、赤色超微粒子顔料とを、重量固形分比率
で樹脂/顔料=0.7に分散させた、固形分濃度10重
量%の電解液(pH=7.8、導電率=10mS/c
m)に、前記液晶表示基板を少なくとも酸化チタン薄膜
とITO薄膜が電解液に接触するように配置した。レッ
ドフィルター用フォトマスクを介して裏面(ITO膜
側)から、DeepUV光(光強度50mW/cm2
を1分間照射した。この光源には、均一照射光源(Hg
−Xeランプ、山下電装製、1KW)を使用した。その
結果、光が照射された部分にのみレッドの着色膜が形成
された。次に、この基板を純水で洗浄した。 <グリーン着色膜形成>スチレン−アクリル酸共重合体
(分子量13,000、疎水基/(親水基+疎水基)のモル比65%、酸
化150)と、フタロシアニングリーン系超微粒子顔料と
を、重量固形分比率で樹脂/顔料=0.5に分散させ
た、固形分濃度10重量%の電解液(pH=7.8、導
電率=10mS/cm)を調製した。この電解液に前記
基板をレッド着色膜の形成の場合と同様に接触させ、グ
リーンフィルター用フォトマスクを介して同じ条件でD
eepUV光を照射した。その結果、光が照射された部
分にのみグリーンの着色膜が形成された。次に、この基
板を純水で洗浄した。 <ブルー着色膜形成>スチレン−アクリル酸共重合体
(分子量13,000、疎水基/(親水基+疎水基)のモル比65%、酸
化150)とフタロシアニンブルー系超微粒子顔料とを重量
固形分比率で樹脂/顔料=0.7に分散させた、固形分
濃度10重量%の電解液(pH=7.8、導電率=10
mS/cm)を調製した。この電解液に前記基板をレッ
ド着色膜の形成の場合と同様に接触させ、ブルーフィル
ター用フォトマスクを介して同じ条件でDeepUV光
を照射した。その結果、光が照射された部分にのみブル
ーの着色膜が形成された。次に、この基板を純水で洗浄
した。以上の一連の工程により、レッド、グリーンおよ
びブルーの着色膜が形成されたカラーフィルターが作製
された。 <ブラックマトリックスの作製>レッド、グリーンおよ
びブルーの着色膜が形成された基板の着色膜形成面に、
カーボンブラックを含む紫外線硬化樹脂を全面に塗布し
た。基板の紫外線硬化樹脂を塗布してない裏面から紫外
線を照射した。ガラス基板を通して紫外線が基板を通り
抜ける領域のみにおいて黒色の紫外線硬化樹脂が硬化す
る。その他の部分の紫外線硬化樹脂をアセトンによって
洗浄除去した。
【0064】(実施例3) <液晶表示用基板の作製>図1に示すように、厚さ0.
7mmの無アルカリガラス基板(コーニング社製1737
ガラス)に常法により、薄膜トランジスタ(TFT)と
透明導電膜(ITO)の画素電極を形成した。このと
き、TFTのゲート電極とドレイン電極は2層クロムで
形成し、カラーフィルター層の形成後に、電極及び電源
ライン部分がブラックマトリクスを兼用できるようにし
た。次に、リフトオフ法を用いて画素電極の面上にのみ
酸化チタン薄膜を形成した。リフトオフ法において使用
した酸化チタン塗布液は、低温硬化型のビストータL
(日本曹達製、NDC100C、)であり、全面に塗布
した後、70℃で乾燥させた。ただし、この際、図に示
すように、画素電極の一部が電解液に接触することがで
きるように画素電極の一部を露出させた。この露出領域
は、着色膜形成後に着色膜の上に設ける透明電極とTF
Tをスルホールさせるためにも使用する(以下の実施例
3、4、および5において同じ)。 <レッド着色膜形成>次に、スチレン−アクリル酸共重
合体(分子量13,000、疎水基/(親水基+疎水基)のモル比65
%、酸化150)と、赤色超微粒子顔料とを、重量固形分比率
で樹脂/顔料=0.7に分散させた、固形分濃度10重
量%の電解液(pH=7.8、導電率=10mS/c
m)に、前記液晶表示基板を少なくとも酸化チタン薄膜
とITO薄膜が電解液に接触するように配置した。レッ
ドフィルター用フォトマスクを介して裏面(ITO膜
側)から、DeepUV光(光強度50mW/cm2
を1分間照射した。この光源には、均一照射光源(Hg
−Xeランプ、山下電装製、1KW)を使用した。その
結果、光が照射された部分にのみレッドの着色膜が形成
された。次に、この基板を純水で洗浄した。 <グリーン着色膜形成>スチレン−アクリル酸共重合体
(分子量13,000、疎水基/(親水基+疎水基)のモル比65%、酸
化150)と、フタロシアニングリーン系超微粒子顔料と
を、重量固形分比率で樹脂/顔料=0.5に分散させ
た、固形分濃度10重量%の電解液(pH=7.8、導
電率=10mS/cm)を調製した。この電解液に前記
基板をレッド着色膜の形成の場合と同様に接触させ、グ
リーンフィルター用フォトマスクを介して同じ条件でD
eepUV光を照射した。その結果、光が照射された部
分にのみグリーンの着色膜が形成された。次に、この基
板を純水で洗浄した。 <ブルー着色膜形成>スチレン−アクリル酸共重合体
(分子量13,000、疎水基/(親水基+疎水基)のモル比65%、酸
化150)とフタロシアニンブルー系超微粒子顔料とを重量
固形分比率で樹脂/顔料=0.7に分散させた、固形分
濃度10重量%の電解液(pH=7.8、導電率=10
mS/cm)を調製した。この電解液に前記基板をレッ
ド着色膜の形成の場合と同様に接触させ、ブルーフィル
ター用フォトマスクを介して同じ条件でDeepUV光
を照射した。その結果、光が照射された部分にのみブル
ーの着色膜が形成された。次に、この基板を純水で洗浄
した。
【0065】最後に、カラーフィルター層の上にITO
からなる透明電極を形成して、予め開けておいたITO
透明電極と導通させた。以上の一連の工程により、所定
の画素電極の上に、レッド、グリーンおよびブルーの着
色膜が形成されたフルカラーのTFT一体型カラーフィ
ルターが作製された。また、TFTのゲート電極とドレ
イン電極を前記のごとき2層クロムで形成したため、別
にブラックマトリックスを形成しなくても、電極及び電
源ライン部分がブラックマトリクスとして充分な機能を
果たした。
【0066】(実施例4) <液晶表示用基板の作製およびブラックマトリックスの
形成>図1に示すように、厚さ0.7mmの無アルカリガ
ラス基板(コーニング社製1737ガラス)に常法によ
り薄膜トランジスタ(TFT)と透明導電膜(ITO)
の画素電極を形成した。次に、この液晶表示用基板にポ
ジ型の黒色レジストを塗布し、TFT等を設けていない
面(裏面)から光を全面に照射し、その後、ポジ型の黒
色レジストの光照射領域のみをエッチングにより除き画
素電極を露出させた。この工程によりブラックマトリク
スが形成された。次に、リフトオフ法を用いて画素電極
の面上にのみ酸化チタン薄膜を形成した。リフトオフ法
において使用した酸化チタン塗布液は、低温硬化型のビ
ストータL(日本曹達製、NDC100C、)であり、
全面に塗布した後、70℃で乾燥させた。ただし、この
際、図に示すように、画素電極の一部が電解液に接触す
ることができるように画素電極の一部を露出させた。 <レッド着色膜形成>次に、スチレン−アクリル酸共重
合体(分子量13,000、疎水基/(親水基+疎水基)のモル比65
%、酸化150)と、赤色超微粒子顔料とを、重量固形分比率
で樹脂/顔料=0.7に分散させた、固形分濃度10重
量%の電解液(pH=7.8、導電率=10mS/c
m)に、前記液晶表示基板を少なくとも酸化チタン薄膜
とITO薄膜が電解液に接触するように配置した。レッ
ドフィルター用フォトマスクを介して裏面(ITO膜
側)から、DeepUV光(光強度50mW/cm2
を1分間照射した。この光源には、均一照射光源(Hg
−Xeランプ、山下電装製、1KW)を使用した。その
結果、光が照射された部分にのみレッドの着色膜が形成
された。次に、この基板を純水で洗浄した。 <グリーン着色膜形成>スチレン−アクリル酸共重合体
(分子量13,000、疎水基/(親水基+疎水基)のモル比65%、酸
化150)と、フタロシアニングリーン系超微粒子顔料と
を、重量固形分比率で樹脂/顔料=0.5に分散させ
た、固形分濃度10重量%の電解液(pH=7.8、導
電率=10mS/cm)を調製した。この電解液に前記
基板をレッド着色膜の形成の場合と同様に接触させ、グ
リーンフィルター用フォトマスクを介して同じ条件でD
eepUV光を照射した。その結果、光が照射された部
分にのみグリーンの着色膜が形成された。次に、この基
板を純水で洗浄した。 <ブルー着色膜形成>スチレン−アクリル酸共重合体
(分子量13,000、疎水基/(親水基+疎水基)のモル比65%、酸
化150)とフタロシアニンブルー系超微粒子顔料とを重量
固形分比率で樹脂/顔料=0.7に分散させた、固形分
濃度10重量%の電解液(pH=7.8、導電率=10
mS/cm)を調製した。この電解液に前記基板をレッ
ド着色膜の形成の場合と同様に接触させ、ブルーフィル
ター用フォトマスクを介して同じ条件でDeepUV光
を照射した。その結果、光が照射された部分にのみブル
ーの着色膜が形成された。次に、この基板を純水で洗浄
した。
【0067】最後に、カラーフィルター層の上にITO
からなる透明電極を形成して、予め開けておいたITO
透明電極と導通させた。以上の一連の工程により、所定
の画素電極の上に、レッド、グリーンおよびブルー着色
膜ならびにブラックマトリックス層が形成されたフルカ
ラーのTFT一体型カラーフィルターが作製された。
【0068】(実施例5) <液晶表示用基板の作製>図1に示すように、厚さ0.
7mmの無アルカリガラス基板(コーニング社製1737
ガラス)に常法により、薄膜トランジスタ(TFT)と
透明導電膜(ITO)の画素電極を形成した。このと
き、TFTのゲート電極とドレイン電極は2層クロムで
形成し、カラーフィルター層の形成後に、電極及び電源
ライン部分がブラックマトリクスを兼用できるようにし
た。次に、リフトオフ法を用いて画素電極の面上にのみ
酸化チタン薄膜を形成した。リフトオフ法において使用
した酸化チタン塗布液は、低温硬化型のビストータL
(日本曹達製、NDC100C、)であり、全面に塗布
した後、70℃で乾燥させた。ただし、この際、図に示
すように、画素電極の一部が電解液に接触することがで
きるように画素電極の一部を露出させた。 <レッド着色膜形成>次に、スチレン−アクリル酸共重
合体(分子量13,000、疎水基/(親水基+疎水基)のモル比65
%、酸化150)と、赤色超微粒子顔料とを、重量固形分比率
で樹脂/顔料=0.7に分散させた、固形分濃度10重
量%の電解液(pH=7.8、導電率=10mS/c
m)に、前記液晶表示基板を少なくとも酸化チタン薄膜
とITO薄膜が電解液に接触するように配置した。レッ
ドフィルター用フォトマスクを介して裏面(ITO膜
側)から、DeepUV光(光強度50mW/cm2
を1分間照射した。この光源には、均一照射光源(Hg
−Xeランプ、山下電装製、1KW)を使用した。その
結果、光が照射された部分にのみレッドの着色膜が形成
された。次に、この基板を純水で洗浄した。 <グリーン着色膜形成>スチレン−アクリル酸共重合体
(分子量13,000、疎水基/(親水基+疎水基)のモル比65%、酸
化150)と、フタロシアニングリーン系超微粒子顔料と
を、重量固形分比率で樹脂/顔料=0.5に分散させ
た、固形分濃度10重量%の電解液(pH=7.8、導
電率=10mS/cm)を調製した。この電解液に前記
基板をレッド着色膜の形成の場合と同様に接触させ、グ
リーンフィルター用フォトマスクを介して同じ条件でD
eepUV光を照射した。その結果、光が照射された部
分にのみグリーンの着色膜が形成された。次に、この基
板を純水で洗浄した。 <ブルー着色膜形成>スチレン−アクリル酸共重合体
(分子量13,000、疎水基/(親水基+疎水基)のモル比65%、酸
化150)とフタロシアニンブルー系超微粒子顔料とを重量
固形分比率で樹脂/顔料=0.7に分散させた、固形分
濃度10重量%の電解液(pH=7.8、導電率=10
mS/cm)を調製した。この電解液に前記基板をレッ
ド着色膜の形成の場合と同様に接触させ、ブルーフィル
ター用フォトマスクを介して同じ条件でDeepUV光
を照射した。その結果、光が照射された部分にのみブル
ーの着色膜が形成された。次に、この基板を純水で洗浄
した。以上の一連の工程により、所定の画素電極の上
に、レッド、グリーンおよびブルー着色膜ならびにブラ
ックマトリックス層が形成されたフルカラーのTFT一
体型カラーフィルターが作製された。 <ブラックマトリックス形成>レッド、グリーンおよび
ブルーの着色膜が形成された基板の着色膜形成面に、カ
ーボンブラックを含む紫外線硬化樹脂を全面に塗布し
た。基板の紫外線硬化樹脂を塗布してない裏面から紫外
線を照射した。ガラス基板を通して紫外線が基板を通り
抜ける領域のみにおいて黒色の紫外線硬化樹脂が硬化す
る。その他の部分の紫外線硬化樹脂をアセトンによって
洗浄除去した。
【0069】最後に、カラーフィルター層の上にITO
からなる透明電極を形成して、予め開けておいたITO
透明電極と導通させた。以上の一連の工程により、所定
の画素電極の上に、レッド、グリーンおよびブルー着色
膜ならびにブラックマトリックス層が形成されたフルカ
ラーのTFT一体型カラーフィルターが作製された。ま
た、この例においては、TFTのゲート電極とドレイン
電極もブラックマトリックスとしての機能を果たすの
で、光遮蔽効果が大きい。
【0070】(実施例6) <液晶表示用基板の作製>図1に示すように、厚さ0.
7mmの無アルカリガラス基板(コーニング社製1737
ガラス)に常法により、薄膜トランジスタ(TFT)と
透明導電膜(ITO)の画素電極を形成した。このと
き、TFTのゲート電極とドレイン電極は2層クロムで
形成し、カラーフィルター層の形成後に、電極及び電源
ライン部分がブラックマトリクスを兼用できるようにし
た。次に、リフトオフ法を用いて画素電極の面上にのみ
酸化チタン薄膜を形成した。リフトオフ法において使用
した酸化チタン塗布液は、低温硬化型のビストータL
(日本曹達製、NDC100C、)であり、全面に塗布
した後、70℃で乾燥させた。ただし、この際、図に示
すように、画素電極の一部が電解液に接触することがで
きるように画素電極の一部を露出させた。 <レッド着色膜形成>次に、スチレン−アクリル酸共重
合体(分子量13,000、疎水基/(親水基+疎水基)のモル比65
%、酸化150)と、赤色超微粒子顔料と、ITO微粒子(粒
径約50nm)とを重量固形分比率で1:1:1に分散させ
た、固形分濃度10重量%の電解液(pH=7.8、導
電率=10mS/cm)に、前記液晶表示基板を少なく
とも酸化チタン薄膜とITO薄膜が電解液に接触するよ
うに配置した。レッドフィルター用フォトマスクを介し
て裏面(ITO膜側)から、DeepUV光(光強度5
0mW/cm2)を1分間照射した。この光源には、均
一照射光源(Hg−Xeランプ、山下電装製、1KW)
を使用した。その結果、光が照射された部分にのみレッ
ドの着色膜が形成された。次に、この基板を純水で洗浄
した。 <グリーン着色膜形成>スチレン−アクリル酸共重合体
(分子量13,000、疎水基/(親水基+疎水基)のモル比65%、酸
化150)と、フタロシアニングリーン系超微粒子顔料と、
ITO微粒子(粒径約50nm)とを重量固形分比率で1:
1:1に分散させた、固形分濃度10重量%の電解液
(pH=7.8、導電率=10mS/cm)を調製し
た。この電解液に前記基板をレッド着色膜の形成の場合
と同様に接触させ、グリーンフィルター用フォトマスク
を介して同じ条件でDeepUV光を照射した。その結
果、光が照射された部分にのみグリーンの着色膜が形成
された。次に、この基板を純水で洗浄した。 <ブルー着色膜形成>スチレン−アクリル酸共重合体
(分子量13,000、疎水基/(親水基+疎水基)のモル比65%、酸
化150)とフタロシアニンブルー系超微粒子顔料と、IT
O微粒子(粒径約50nm)とを重量固形分比率で1:1:
1に分散させた、固形分濃度10重量%の電解液(pH
=7.8、導電率=10mS/cm)を調製した。この
電解液に前記基板をレッド着色膜の形成の場合と同様に
接触させ、ブルーフィルター用フォトマスクを介して同
じ条件でDeepUV光を照射した。その結果、光が照
射された部分にのみブルーの着色膜が形成された。次
に、この基板を純水で洗浄した。
【0071】以上の一連の工程により、所定の画素電極
の上に、レッド、グリーンおよびブルー着色膜ならびに
ブラックマトリックス層が形成されたフルカラーのTF
T一体型カラーフィルターが作製された。また、この例
においては、カラーフィルター層中にITOからなる導
電性の透明微粒子が分散されているので、カラーフィル
ター層の導電率が向上して、液晶表示駆動時の電圧降下
が抑えられる。したがって、この例のカラーフィルター
においては、カラーフィルター着色膜の上にさらに導電
膜を形成する必要がない。
【0072】(実施例7)実施例2で作製したカラーフ
ィルターにポリイミドからなる配向膜を常法により形成
しフィルター基板とした。また、ガラス基板上に薄膜ト
ランジスタと画素電極を設けたTFTマトリックス基板
の表面に同様にポリイミドからなる配向膜を形成し対向
基板とした。前記のマトリックス基板と対向基板をスペ
ーサーを介して積層し、両者の間に空隙を形成した。次
いで、この空隙内に液晶を充填して図10に示す液晶表
示素子を得た。
【0073】
【発明の効果】本発明の着膜方法は、電着装置および電
着用の別の電極を必要としないので、簡易な装置で低コ
ストに膜を形成することができる。また、また作製され
る膜は光電着法と同等の高品質が達成されるとともに、
着色膜形成時に外部から電圧を印加することがないの
で、膜の均一性が優れている。また、本発明のカラーフ
ィルターの製造方法は、本発明による新規な着膜方法を
使用しているので、高開口率で高解像度のカラーフィル
ターが低コストで得られる。また、TFT一体型のカラ
ーフィルターにおいては、前記効果に加え、従来必要で
あったカラーフィルターとTFT基板の位置合わせの必
要がない。したがって、本発明のカラーフィルターを用
いることにより、高精度の液晶表示素子が低コストで製
造可能になる。また、本発明のカラーフィルターの製造
装置は、電着装置および電着用の別の電極を必要としな
いので、簡易な構成とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明における、光触媒反応に基づく着膜方
法の原理を示す概念図である。
【図2】 導電性薄膜を絶縁し、導電性薄膜をリード線
により電解液中の電極と接続する着膜方法を示す図であ
る。
【図3】 透明基板、導電性薄膜および光触媒薄膜から
なる膜形成用(カラーフィルター作製用)基板の一例を
示す図である。
【図4】 膜形成用基板の他の一例を示す図である。
【図5】 逆スタガチャンネル埋め込み型TFT構造を
示す図である。
【図6】 画素電極の上に光触媒薄膜を設けたカラーフ
ィルター作製用基板を示す図である。
【図7】 図4の基板に紫外線を照射して光触媒反応を
起こしカラーフィルター膜を形成したことを示す図であ
る。
【図8】 本発明の着膜装置(カラーフィルター製造装
置)の一例を示す図である。
【図9】 カラーフィルター膜の上に導電膜を形成した
ことを示す図である。
【図10】 本発明の液晶表示装置の一例を示す図であ
る。
【符号の説明】
10:透明基板、12:導電性薄膜、14:光触媒薄
膜、16:電解液、22:ゲート電極、28:ソース電
極、30:ドレイン電極、40:画素電極、42:光触
媒薄膜、50:カラーフィルター膜、52:導電膜、7
1:フォトマスク、72:結像光学レンズ、73:結像
光学レンズ、80:ブラックマトリックス、82:配向
膜、100:液晶、110:対向基板、112:薄膜ト
ランジスタ、114:画素電極、116:配向膜 46
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 圷 英一 神奈川県足柄上郡中井町境430グリーン テクなかい 富士ゼロックス株式会社内 (56)参考文献 特開 平11−133224(JP,A) 特開 昭62−109393(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C25D 13/00 G02B 5/20 101 C09D 5/44

Claims (32)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 pHが変化することにより水性液体に対
    する溶解性ないし分散性が低下する高分子材料を含む電
    解液に、光透過性の基板に光透過性の導電性薄膜と該導
    電性薄膜に接して光触媒薄膜が設けられ、かつ前記導電
    性薄膜が電解液と導通可能な膜形成用基板を、光触媒薄
    膜が電解液に接触するように配置すると共に、前記導電
    性薄膜が電解液に導通する状態にし、この状態で、前記
    光触媒薄膜に紫外線を照射して光触媒薄膜の表面に膜を
    形成することを特徴とする着膜方法。
  2. 【請求項2】 前記膜形成用基板において、光触媒薄膜
    を導電性薄膜の一部が露出するように設け、該導電性薄
    膜を電解液に接触させることにより、導電性薄膜と電解
    液を導通させることを特徴とする請求項1に記載の着膜
    方法。
  3. 【請求項3】 前記膜形成用基板において、導電性薄膜
    に電極を接続し、該電極を電解液に接触させることによ
    り、導電性薄膜と電解液を導通させることを特徴とする
    請求項1に記載の着膜方法。
  4. 【請求項4】 着色材を含みかつpHが変化することに
    より水性液体に対する溶解性ないし分散性が低下する高
    分子材料を含む電解液に、光透過性の基板に光透過性の
    導電性薄膜と該導電性薄膜に接して光触媒薄膜が設けら
    れ、かつ前記導電性薄膜が電解液と導通可能なカラーフ
    ィルター作製用基板を、光触媒薄膜が電解液に接触する
    ように配置すると共に、前記導電性薄膜が電解液に導通
    する状態にし、この状態で、前記光触媒薄膜の選択領域
    に紫外線を照射して選択領域に着色膜を形成する工程を
    含む、カラーフィルターの製造方法。
  5. 【請求項5】 着色材を含みかつpHが変化することに
    より水性液体に対する溶解性ないし分散性が低下する高
    分子材料を含む電解液に、光透過性の基板に光透過性の
    導電性薄膜と該導電性薄膜に接して光触媒薄膜が設けら
    れ、かつ前記導電性薄膜が電解液と導通可能なカラーフ
    ィルター作製用基板を、光触媒薄膜が電解液に接触する
    ように配置すると共に、前記導電性薄膜が電解液に導通
    する状態にし、この状態で、前記光触媒薄膜の選択領域
    に紫外線を照射して選択領域に着色膜を形成する工程を
    行い、その後前記着色材を他の色に変更した電解液を用
    いて前記工程を1回以上繰り返すことを特徴とする、カ
    ラーフィルターの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記カラーフィルター作製用基板におい
    て、光触媒薄膜を導電性薄膜の一部が露出するように設
    け、該導電性薄膜を電解液に接触させることにより、導
    電性薄膜と電解液を導通させることを特徴とする請求項
    4または請求項5に記載のカラーフィルターの製造方
    法。
  7. 【請求項7】 前記カラーフィルター作製用基板におい
    て、導電性薄膜に電極を接続し、該電極を電解液に接触
    させることにより、導電性薄膜と電解液を導通させるこ
    とを特徴とする請求項4または請求項5に記載のカラー
    フィルターの製造方法。
  8. 【請求項8】 前記導電性薄膜および光触媒薄膜をカラ
    ーフィルターの画素に対応するパターン状に形成するこ
    とを特徴とする請求項4ないし請求項7のいずれか1項
    に記載のカラーフィルターの製造方法。
  9. 【請求項9】 光透過性の基板に、薄膜トランジスタお
    よび光透過性の画素電極を配列形成し、かつ該画電極に
    接して光触媒薄膜を前記画素電極の一部が露出するよう
    に設けたカラーフィルター作製用基板を、着色材を含み
    かつpHが変化することにより水性液体に対する溶解性
    ないし分散性が低下する高分子材料を含む電解液に、少
    なくとも前記画素電極および光触媒薄膜が電解液に接触
    するように配置し、次いで、前記光触媒薄膜の選択領域
    に紫外線を照射して選択領域に着色膜を形成する工程を
    含む、薄膜トランジスタ一体型のカラーフィルターの製
    造方法。
  10. 【請求項10】 光透過性の基板に薄膜トランジスタお
    よび光透過性の画素電極を配列形成し、かつ該画電極に
    接して光触媒薄膜を前記画素電極の一部が露出するよう
    に設けたカラーフィルター作製用基板を、着色材を含み
    かつpHが変化することにより水性液体に対する溶解性
    ないし分散性が低下する高分子材料を含む電解液に、少
    なくとも前記画素電極および光触媒薄膜が電解液に接触
    するように配置し、次いで、前記光触媒薄膜の選択領域
    に紫外線を照射して選択領域に着色膜を形成する工程を
    行い、その後前記着色材を他の色に変更した電解液を用
    いて前記工程を1回以上繰り返すことを特徴とする、薄
    膜トランジスタ一体型のカラーフィルターの製造方法。
  11. 【請求項11】 フォトマスクを使用して選択領域に紫
    外線を照射することを特徴とする、請求項4ないし請求
    項10のいずれか1項に記載のカラーフィルターの製造
    方法。
  12. 【請求項12】 フォトマスクとカラーフィルター作製
    用基板の間に結像光学系を挿入して、紫外線を光触媒薄
    膜面に結像させることを特徴とする、請求項4ないし請
    求項11のいずれか1項に記載のカラーフィルターの製
    造方法。
  13. 【請求項13】 前記結像光学系の結像光学レンズと光
    透過性の基板面との距離を1mm〜50cmにすること
    を特徴とする、請求項4ないし請求項12のいずれか1
    項に記載のカラーフィルターの製造方法。
  14. 【請求項14】 前記結像光学系の焦点深度が±10〜
    ±100μmであることを特徴とする請求項4ないし請
    求項13のいずれか1項に記載のカラーフィルターの製
    造方法。
  15. 【請求項15】 フォトマスクとカラーフィルター作製
    用基板の間にミラー反射光学系を挿入して、紫外線を光
    触媒薄膜面に結像させることを特徴とする、請求項4な
    いし請求項11のいずれか1項に記載のカラーフィルタ
    ーの製造方法。
  16. 【請求項16】 前記光触媒薄膜が酸化チタンを含む薄
    膜であることを特徴とする、請求項4ないし請求項15
    のいずれか1項に記載のカラーフィルターの製造方法。
  17. 【請求項17】 pHが変化することにより水性液体に
    対する溶解性ないし分散性が低下する高分子材料が分子
    中にカルボキシル基を有していることを特徴とする、請
    求項4ないし請求項16のいずれか1項に記載のカラー
    フィルターの製造方法。
  18. 【請求項18】 前記高分子材料が、疎水基と親水基を
    有するモノマーの共重合体であり、疎水基数と親水基数
    の総数に対する疎水基数の割合が40%以上80%以下
    であることを特徴とする、請求項4ないし請求項17の
    いずれか1項に記載のカラーフィルター製造方法。
  19. 【請求項19】 前記電解液のpHを、着膜特性に影響
    を与えないpH調整剤によって調節することを特徴とす
    る、請求項4ないし請求項18のいずれか1項に記載の
    カラーフィルターの製造方法
  20. 【請求項20】 前記電解液の導電率を、着膜特性に影
    響を与えない塩によって調節することを特徴とする、請
    求項4ないし請求項19のいずれか1項に記載のカラー
    フィルターの製造方法。
  21. 【請求項21】 前記電解液の温度を制御することを特
    徴とする、請求項4ないし請求項20のいずれか1項に
    記載のカラーフィルターの製造方法。
  22. 【請求項22】 前記電解液が光透過性の導電性微粒子
    を含むことを特徴とする、請求項4ないし請求項21の
    いずれか1項に記載のカラーフィルターの製造方法
  23. 【請求項23】 着色膜を形成する前に黒色フォトレジ
    ストを用いるフォトリソグラフィー法によりブラックマ
    トリックスを形成することを特徴とする、請求項4ない
    し請求項22のいずれか1項に記載のカラーフィルター
    の製造方法。
  24. 【請求項24】 着色膜を形成した後に、着色膜形成面
    の上に黒色の紫外線硬化樹脂を塗布し、光透過性の基板
    の着色膜を設けてない側から紫外線を照射し、次いで、
    非硬化部分を除去してブラックマトリックスを形成する
    ことを特徴とする、請求項4ないし請求項22のいずれ
    か1項に記載のカラーフィルターの製造方法。
  25. 【請求項25】 光透過性の基板に薄膜トランジスタお
    よび光透過性の画素電極を配列形成し、さらにこれらの
    上に黒色のポジ型フォトレジストを塗布し、前記基板の
    薄膜トランジスタおよび光透過性の画素電極を設けてい
    ない側から光を照射し、次いで、光照射領域のポジ型フ
    ォトレジストを除去した後、前記画電極に接して光触媒
    薄膜を前記画素電極の一部が露出するように設けた、ブ
    ラックマトリックス付きカラーフィルター作製用基板を
    作製し、該カラーフィルター作製用基板を、着色材を含
    みかつpHが変化することにより水性液体に対する溶解
    性ないし分散性が低下する高分子材料を含む電解液に、
    少なくとも前記画素電極および光触媒薄膜が電解液に接
    触するように配置し、次いで、前記光触媒薄膜の選択領
    域に紫外線を照射して選択領域に着色膜を形成する工程
    を行い、その後前記着色材を他の色に変更した電解液を
    用いて前記工程を1回以上繰り返すことを特徴とする、
    薄膜トランジスタ一体型のカラーフィルターの製造方
    法。
  26. 【請求項26】 薄膜トランジスターのゲート電極とド
    レイン電極を低反射の材料で構成し、前記電極にブラッ
    クマトリックスと同様の機能を持たせすることを特徴と
    する、請求項9ないし請求項22のいずれか1項に記載
    のカラーフィルターの製造方法。
  27. 【請求項27】 前記ゲート電極とドレイン電極が二層
    または三層のCrからなることを特徴とする請求項26
    に記載のカラーフィルターの製造方法。
  28. 【請求項28】 着色膜の上に光透過性の導電性薄膜
    を、画素電極に導通するように形成することを特徴とす
    る、請求項9ないし請求項27のいずれか1項に記載の
    カラーフィルターの製造方法。
  29. 【請求項29】 紫外線を照射するための光源、第一の
    結像光学レンズと第二の結像光学レンズを有する結像光
    学系、第一の結像光学レンズと第二の結像光学レンズの
    間に挿入したフォトマスク、電解液を収納した電解漕を
    備えた着膜装置であって、光透過性の基板に光透過性の
    導電性薄膜と該導電性薄膜に接して光触媒薄膜が設けら
    れ、かつ前記導電性薄膜が電解液と導通可能な膜形成用
    基板を、電解漕に配置することを特徴とする、請求項1
    ないし請求項3のいずれか1項の着膜方法に用いる着膜
    装置。
  30. 【請求項30】 結像光学系に代え、ミラー反射光学系
    を使用することを特徴とする、請求項29に記載の着膜
    装置。
  31. 【請求項31】 紫外線を照射するための光源、第一の
    結像光学レンズと第二の結像光学レンズを有する結像光
    学系、第一の結像光学レンズと第二の結像光学レンズの
    間に挿入したフォトマスク、および電解液を収納した電
    解漕を備えたカラーフィルター製造装置であって、光透
    過性の基板に薄膜トランジスタおよび光透過性の画素電
    極を設け、かつ該画電極に接して光触媒薄膜を前記画素
    電極の一部が露出するように形成したカラーフィルター
    作製用基板を、少なくとも前記画素電極および光触媒薄
    膜が電解液に接触するように、電解漕に配置することを
    特徴とする、請求項4ないし請求項28のいずれか1項
    に記載のカラーフィルターの製造方法に用いるカラーフ
    ィルター製造装置。
  32. 【請求項32】 結像光学系に代え、ミラー反射光学系
    を使用することを特徴とする、請求項31に記載のカラ
    ーフィルター製造装置。
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