JP3236968B2

JP3236968B2 - 立体駐車設備のエレベータ用のキャリッジ装置

Info

Publication number: JP3236968B2
Application number: JP04492791A
Authority: JP
Inventors: 弘森岡
Original assignee: 日成ビルド工業株式会社
Priority date: 1991-03-11
Filing date: 1991-03-11
Publication date: 2001-12-10
Anticipated expiration: 2016-12-10
Also published as: KR920018304A; JPH04281969A; KR100192532B1

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、駐車構造物の内部に
備え付けられ、車両を上下の駐車スペースに搬送するた
めの立体駐車設備のエレベータ用のキャリッジ装置に関
する。

【０００２】

【従来の技術】エレベータ方式の立体駐車設備におい
て、車両の出入口は、駐車構造物の道路側に面した１箇
所に設けられ、したがって、入庫車両、出庫車両の進行
方向が逆向きになるのが普通である。そこで、このよう
な立体駐車設備は、駐車構造物の内部に、車両の方向転
換をするためのターン装置と、車両の旋回スペースとを
設け、入庫車両を機械的に方向転換することによって、
入庫する車両を前進運転で進入させ、出庫する車両を前
進運転で退出させるように工夫されている。

【０００３】車両の方向転換は、通常、駐車構造物の地
上１階部分のホームポジションにおいて行なわれる。し
たがって、ホームポジションには、車両を方向転換する
ための旋回スペースと、エレベータ装置のキャリッジ用
の昇降スペースとが必要であり、ホームポジションの床
面積、すなわち立体駐車設備に必要な最少敷地面積は、
必要な旋回スペースと昇降スペースとによってほぼ決定
される。

【０００４】そこで、従来、車両の旋回スペースと、キ
ャリッジの昇降スペースとをオーバラップさせることに
よって、ホームポジションの床面積を最少に抑えるよう
にした立体駐車設備が提案されている。すなわち、ホー
ムポジションの中央位置に昇降スペースを確保し、駐車
構造物の最下部における昇降スペースの中央位置に、リ
フタ付きのターン装置を設置するものである。

【０００５】このものは、キャリッジがホームポジショ
ンに停止している際に、リフタによってターン装置をキ
ャリッジの上面レベルにまで押し上げ、ターン装置の回
転動作によって、車両をキャリッジ上において方向転換
する。車両は、昇降スペースの中央位置において旋回す
るので、車両の旋回に必要な旋回スペースは、昇降スペ
ースを含むことになり、昇降スペースと旋回スペースと
を最大限にオーバラップさせることができる。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】かかる従来技術による
ときは、ターン装置は、リフタを介し、駐車構造物の最
下部とホームポジションとの間を上下動しなければなら
ないから、地階部分を複数階にする場合、必要なリフタ
の上下動ストロークが過大になり、地階を全く有しない
か、または地下１階程度の駐車設備にしか適用できない
という問題があった。

【０００７】そこで、この発明の目的は、かかる従来技
術の問題に鑑み、リフタ付きのターン装置をキャリッジ
に搭載することによって、地階部分の階数に全く制限が
ない立体駐車設備のエレベータ用のキャリッジ装置を提
供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めのこの発明の構成は、縦材、横材を長方形の枠形に形
成し、駐車構造物の上部の駆動部から上下動自在に吊下
するキャリッジと、縦材の下面に付設する補強フレーム
間に固定するリフタ付きのターン装置と、キャリッジ上
のパレットを横方向にスライドさせる一対のローラレー
ルと、キャリッジ上に横移動可能に搭載し、循環チェー
ンを介してパレットを横方向に出し入れする枠形の移載
フレームとを備えてなり、リフタは、ターン装置のター
ンテーブルを移載フレームの上下に昇降させることをそ
の要旨とする。

【０００９】なお、移載フレームは、ラック、ピニオン
を介して横方向に往復移動させることができる。

【００１０】

【作用】かかる発明の構成によるときは、キャリッジ
は、縦材、横材を長方形に枠形に形成し、リフタ付きの
ターン装置と、一対のローラレールと、枠形の移載フレ
ームとを搭載している。なお、リフタ付きのターン装置
は、キャリッジの縦材の下面に付設する補強フレーム間
に固定されているから、縦材、横材によるキャリッジの
厚さをリフタ付きのターン装置の設置スペースとして有
効に利用し、全体を極めてコンパクトな薄形に構成する
ことができる。

【００１１】ラック、ピニオンを介して横移動させる移
載フレームは、横移動のストロークを精度よくコントロ
ールすることができ、循環チェーンを介してパレットを
適位置に正確に位置決めすることができる。

【００１２】

【実施例】以下、図面を以って実施例を説明する。

【００１３】立体駐車設備のエレベータ用のキャリッジ
装置は、駐車構造物Ｂの上部の駆動部１０から上下動自
在に吊下するキャリッジ２０と、キャリッジ２０に搭載
するリフタ３３付きのターン装置３０、一対のローラレ
ール４１、４１、枠形の移載フレーム４２とを備えてな
る（図１、図５）。

【００１４】駆動部１０は、同一減速比の減速機１１、
１１と、減速機１１、１１の入力軸１１ａ、１１ａに接
続する駆動モータＭ1 、Ｍ1 とからなる。駆動モータＭ
1 、Ｍ1 は、共通の制御部１０ａを介して制御され、互
いに同期して回転駆動される。また、各減速機１１は、
入力軸１１ａに直交する両軸の出力軸１１ｂを備え（図
２）、出力軸１１ｂの両端には、チェーンやワイヤロー
プ等の索条体ＣＨ、ＣＨを駆動する駆動プーリＰ1 、Ｐ
1 が取り付けられている。

【００１５】キャリッジ２０は、縦材２１、２１、横材
２２、２２を長方形の枠形に形成して構成されている
（図１、図２）。

【００１６】キャリッジ２０の長手方向には、縦材２
１、２１が配設され、縦材２１、２１の両端は、横材２
２、２２によって連結されている。縦材２１、２１の中
間部下面には、補強フレーム２３、２３が付設されてい
る。また、各横材２２上には、柱材２４、２４が立設さ
れ（図１、図３）、柱材２４、２４の上端は、吊フレー
ム２５によって連結されている。吊フレーム２５には、
索条体ＣＨ、ＣＨを引き留めるロック部材２５ａ、２５
ａが付設され、索条体ＣＨ、ＣＨとの接続点Ｊ1、Ｊ1
が形成されている。なお、キャリッジ２０の４隅には、
上下方向に設けるガイドレールＧ1 、Ｇ1 …を上下動自
在に把持するガイドブロック２０ａ、２０ａ…が取り付
けられている（図２）。

【００１７】ターン装置３０は、縦材２１、２１の下面
の補強フレーム２３、２３間に固定されている（図１、
図２）。

【００１８】ターン装置３０は、リフタ３３上にターン
テーブル３１付きの回転機構３２を組み付けて構成され
ている（図３）。リフタ３３は、可動フレーム３３ａ
と、補強フレーム２３、２３に固定する固定フレーム３
３ｂとの間に、油圧シリンダ３３ｃによって駆動する交
差フレーム３３ｄ、３３ｄを組み込むパンタグラフ方式
に形成され、油圧シリンダ３３ｃを伸長させて交差フレ
ーム３３ｄ、３３ｄを同時に立ち上げると、可動フレー
ム３３ａが水平状態のまま上昇する。なお、交差フレー
ム３３ｄ、３３ｄは、連結ピン３３ｄ1 を介して開閉自
在に連結され、それぞれの一端は、可動フレーム３３
ａ、固定フレーム３３ｂに枢着されている。また、それ
ぞれの他端には、可動フレーム３３ａを支承し、固定フ
レーム３３ｂ上を転動するローラ３３ｄ2 、３３ｄ2 が
軸着されている。なお、固定フレーム３３ｂ上には、油
圧シリンダ３３ｃ用の油圧ユニット３３ｅが配設されて
いる。

【００１９】ターンテーブル３１は、回転機構３２を介
して可動フレーム３３ａ上に搭載されている。ターンテ
ーブル３１は、ハニカム構造の軽量、高剛性の長方形の
板状体であり、その短辺上には、パレットＰの位置ずれ
を防止するために、各一対の爪ブロック３１ａ、３１ａ
…が突設されている（図４）。なお、ターンテーブル３
１、回転機構３２の中心位置は、キャリッジ２０の中心
位置Ｃ1 に一致している。

【００２０】回転機構３２は、内歯のリング歯車３２ａ
と、ピニオン３２ｂとを組み合わせて構成されている
（図３）。リング歯車３２ａは、ターンテーブル３１の
下面に固定され、外周に嵌合する大径のスラスト軸受３
２ａ1 を介し、可動フレーム３３ａ上に回転自在に支承
されている。ピニオン３２ｂは、可動フレーム３３ａの
下面に配設する減速機３２ｃの出力軸に固定されてい
る。また、減速機３２ｃは、駆動チェーンＭ2aを介し、
駆動モータＭ2 に連結されている。

【００２１】キャリッジ２０の縦材２１、２１に固定す
るローラレール４１、４１、キャリッジ２０上に横移動
可能に搭載する移載フレーム４２は、移載装置４０を形
成している（図１）。

【００２２】ローラレール４１、４１は、それぞれ上面
開放の形材に複数のローラ４１ｂ、４１ｂ…を組み込ん
で形成され（図４）、キャリッジ２０の両端部におい
て、キャリッジ２０の横方向に固定されている。移載フ
レーム４２は、キャリッジ２０の縦材２１、２１に平行
な水平桟４２ａ、４２ａを横桟４２ｂ、４２ｂ…によっ
て連結して枠形に形成され、移載フレーム４２の２隅
は、キャリッジ２０側に取り付けるローラ４３、４３に
よって横移動自在に支持されている。また、他の２隅
は、横桟４２ｂ、４２ｂに下向きに付設するラック４
４、４４を介し、図示しないピニオンによって支持され
ている。なお、ピニオンは、伝達軸４２ｃを介し、駆動
モータＭ4 によって同期駆動するものとし、したがっ
て、移載フレーム４２は、駆動モータＭ4 により、ラッ
ク４４、４４、ピニオンを介し、横方向に往復移動させ
ることができる。ただし、移載フレーム４２の往復範囲
は、ラック４４、４４の長さを超えない僅かの範囲に抑
えられている。

【００２３】移載フレーム４２の両端には、駆動モータ
Ｍ3 、伝達軸４２ｄを介して同期駆動される一対の循環
チェーン４５、４５が設けられている（図１、図４）。
各循環チェーン４５は、移載フレーム４２の横桟４２ｂ
の両端に配設するスプロケット４２ｂ1 、４２ｂ1 間に
張り掛けられているものとし（図３）、その一部分が横
桟４２ｂの上面に沿って走行する。なお、循環チェーン
４５、４５は、駆動モータＭ3 の正逆回転によってキャ
リッジ２０の横方向に往復走行する。そこで、循環チェ
ーン４５、４５には、図示しない掛合片を取り付け、こ
の掛合片をパレットＰの下面に引っ掛けることにより、
ローラレール４１、４１を介して横移動可能に支持され
ているキャリッジ２０上のパレットＰを横方向に押し出
し、また、キャリッジ２０の側方にあるパレットＰをキ
ャリッジ２０上に横方向に引き込むことができる。

【００２４】このようなエレベータ用のキャリッジ装置
は、たとえば、地階から地上階に亘って上下多段の駐車
スペースＳ1 、Ｓ1 …を備える駐車構造物Ｂに組み込ん
で用いることができる（図５）。駐車構造物Ｂは、２列
の駐車スペースＳ1 、Ｓ1 …の間にキャリッジ２０の昇
降スペースＳ2 を形成するとともに、上部に機械室Ｓ3
を設け、各駐車スペースＳ1 は、一対のローラレール
Ｒ、Ｒと、これによって両端を横移動可能に支持するパ
レットＰによって区画されている。ただし、図５におい
て、ローラレールＲ、Ｒは、その一方のみが図示されて
いる。

【００２５】駐車構造物Ｂの地上１階部分には、ホーム
ポジションＨが設けられ、地表レベルＧＬには、ホーム
ポジションＨの床面Ｆが形成されている。ただし、床面
Ｆには、昇降スペースＳ2 の平面面積相当の通過口Ｆ1
が開口している。また、床面Ｆには、車両の進入方向Ｉ
Ｎへ向けて凹部Ｆ2 が形成されており（図５、図６）、
凹部Ｆ2 は、パレットＰを落し込み、床面Ｆと同一レベ
ルに一致させることができる。

【００２６】駆動部１０は、機械室Ｓ3 に設置され、キ
ャリッジ２０は、駆動部１０を経由してカウンタウェイ
トＣＷ、ＣＷに至る片側２本、合計４本の索条体ＣＨ、
ＣＨ…によって４隅を支持し、昇降スペースＳ2 内に吊
下されている（図１、図５）。駆動部１０の駆動モータ
Ｍ1 、Ｍ1 、減速機１１、１１は、キャリッジ２０の長
手方向に向けて対称的に配置され、それぞれ２本の索条
体ＣＨ、ＣＨを介してキャリッジ２０の一端部を支持し
ている（図１、図２）。一端をキャリッジ２０側の接続
点Ｊ1 に固定する各索条体ＣＨの他端は、ガイドプーリ
Ｐ2 を経て駆動プーリＰ1 に至り、別のガイドプーリＰ
3 を経てカウンタウェイトＣＷの接続点Ｊ2 に固定され
ている。

【００２７】車両の入庫に際し、キャリッジ２０は、た
とえば地上階側の空車の駐車スペースＳ1 の位置に上昇
し（図５の二点鎖線）、移載装置４０を利用して空のパ
レットＰをキャリッジ２０上に積載し、ホームポジショ
ンＨに下降する。すなわち、キャリッジ２０は、まず、
該当する駐車スペースＳ1 のローラレールＲ、Ｒと、キ
ャリッジ２０上のローラレール４１、４１とが一致する
高さ位置に停止し、次いで、移載フレーム４２が駐車ス
ペースＳ1 側に横移動し、循環チェーン４５、４５がパ
レットＰをキャリッジ２０上に引き出すように駆動され
る。この結果、パレットＰは、同一高さに位置する駐車
スペースＳ1 側のローラレールＲ、Ｒ、キャリッジ２０
上のローラレール４１、４１上を横方向に水平にスライ
ドし、キャリッジ２０上に移載される。

【００２８】一方、ホームポジションＨにおいて、キャ
リッジ２０は、キャリッジ２０上のパレットＰの下面
が、床面Ｆの凹部Ｆ2 のレベルにほぼ一致するようにし
て停止する。キャリッジ２０の停止後、リフタ３３によ
ってターンテーブル３１を押し上げると（図３、図５の
各二点鎖線）、回転機構３２によりパレットＰを約９０
度旋回して車両の進入口ＩＮ側に向け、リフタ３３の下
降動作によりパレットＰを床面Ｆの凹部Ｆ2 に降ろす。
すなわち、リフタ３３は、ターンテーブル３１を移載フ
レーム４２の上下に昇降させることができる（図３の実
線、二点鎖線）。

【００２９】そこで、車両は、自走によってパレットＰ
上に積載される。車両を積載したパレットＰは、リフタ
３３によって凹部Ｆ2 から再び浮上させ、約９０度再旋
回して元の姿勢に復帰した上、キャリッジ２０上に降ろ
される。つづいて、キャリッジ２０は、空のパレットＰ
を引き出した駐車スペースＳ1 に上昇し、移載装置４０
を介し、車両とともにパレットＰを駐車スペースＳ1 内
に収納し、車両の入庫動作を完了する。

【００３０】ホームポジションＨにおける車両の方向転
換に際し、ターン装置３０は、キャリッジ２０の中心位
置Ｃ1 、すなわち通過口Ｆ1 、昇降スペースＳ2 の中心
に位置している（図６）。そこで、昇降スペースＳ2
は、その全体がホームポジションＨにおける車両の旋回
スペースＰＲ内に含まれ、車両の旋回スペースＰＲと昇
降スペースＳ2 とを最大限にオーバラップさせることが
できる。また、パレットＰは、スライド動作によってキ
ャリッジ２０と駐車スペースＳ1 との間を移行するの
で、入出庫動作を短時間内に円滑に完了することができ
る。

【００３１】

【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、リフタ付きのターン装置と、ローラレール、移載フ
レームとをキャリッジに搭載することによって、ターン
装置は、車両をキャリッジ上において浮上旋回すること
ができるので、地階に任意の階数を設けても、リフタの
上下動ストロークが過大になるおそれがなく、任意の地
階階数に対して広く適用可能であり、入出庫時間も最少
にすることができるという優れた効果がある。

【００３２】また、リフタ付きのターン装置は、キャリ
ッジの縦材の下面に付設する補強フレーム間に固定する
ので、キャリッジの厚さを有効に利用し、全体を極めて
コンパクトな薄形に構成することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】全体構成側面説明図

【図２】図１のＸ矢視相当平面図

【図３】キャリッジの横断面説明図

【図４】キャリッジの平面説明図

【図５】使用状態説明図

【図６】図５のＹ−Ｙ線矢視相当説明図

【符号の説明】

Ｂ…駐車構造物Ｐ…パレット１０…駆動部２０…キャリッジ２１…縦材２２…横材２３…補強フレーム３０…ターン装置３１…ターンテーブル３３…リフタ４１…ローラレール４２…移載フレーム４４…ラック４５…循環チェーン

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】縦材、横材を長方形の枠形に形成し、駐
車構造物の上部の駆動部から上下動自在に吊下するキャ
リッジと、前記縦材の下面に付設する補強フレーム間に
固定するリフタ付きのターン装置と、前記キャリッジ上
のパレットを横方向にスライドさせる一対のローラレー
ルと、前記キャリッジ上に横移動可能に搭載し、循環チ
ェーンを介してパレットを横方向に出し入れする枠形の
移載フレームとを備えてなり、前記リフタは、前記ター
ン装置のターンテーブルを前記移載フレームの上下に昇
降させることを特徴とする立体駐車設備のエレベータ用
のキャリッジ装置。
【請求項２】前記移載フレームは、ラック、ピニオン
を介して横方向に往復移動させることを特徴とする請求
項１記載の立体駐車設備のエレベータ用のキャリッジ装
置。