JP3235331B2 - 電流制御回路 - Google Patents
電流制御回路Info
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Description
電力変換装置の出力電流を、その指令値と検出値との偏
差に基づき電流調節器によりフィードバック制御する電
流制御回路に関する。
図において、1は電圧形インバータ等の電圧形電力変換
装置からなる電源、2は一例として抵抗21及びリアク
トル22からなる負荷である。図6は、この電源装置に
よって電流iをフィードバック制御する一般的な電流制
御回路を示している。すなわち、この電流制御回路は、
出力電流指令値i*と出力電流検出値iとの偏差を求め
る減算器11と、前記偏差を零にするように調節動作す
る自動電流調節器(ACR)12と、この電流調節器1
2の出力を電圧指令値として動作するPWM(パルス幅
変調)回路13と、電力変換装置の半導体スイッチング
素子にゲートパルスを供給するためのパルス成形回路1
4とから構成されている。
なわち電流指令値i*の急変時における応答特性を向上
させる方式として、図7に示す回路が採用されてきた。
この制御回路は、図6の回路に対して、負荷のインピー
ダンス(r,L)を考慮して電流指令値i*に対する電
圧指令値の関係を演算するフィードフォワード補償回路
15と、その出力である補償信号を電流調節器12の出
力に加算する加算器16とを付加したものである。
回路15がフィードフォワード項として機能し、電流指
令値i*に応じて電源が出力するべき電圧を概ね演算し
補償信号としてPWM回路13の入力に加えると共に、
フィードバック制御系で機能する電流調節器12がその
後、精度の良い制御動作を行なうものである。従って、
この構成によれば、設定急変に対しては所期の高速応答
特性を得ることができる。
ては、設定急変に対する応答の他、負荷急変等による外
乱に対しても迅速に追従して応答できることが重要であ
る。この外乱応答の高速化には、フィードバック制御を
行なう電流調節器12を必要なだけ高速化しておくこと
が望まれる。
かも設定急変時の応答性能を考慮して図7のようなフィ
ードフォワード補償回路15を付加した場合、設定急変
に対して補償回路15と高速調整された電流調節器12
とが何れも高速に機能する結果、過大なオーバーシュー
トを招く不都合がある。また、このオーバーシュートを
抑制するために電流調節器12の応答速度を遅くすると
外乱に対する追従特性が問題となるなど、調整が非常に
複雑であり、所期の応答、追従性能を得ることが困難で
あった。
れたもので、その目的とするところは、設定急変及び外
乱の両方に対して容易に最適調整が可能であり、高速の
応答、追従性能が得られるようにした電流制御回路を提
供することにある。
め、第1の発明は、電圧形電力変換装置の出力電流指令
値と出力電流検出値との偏差が零になるように調節動作
する電流調節器と、負荷インピーダンス及び前記出力電
流指令値を用いて電圧形電力変換装置が出力するべき電
圧を演算し、この電圧を前記出力電流指令値の急変によ
るオーバーシュートを抑制するための補償信号として出
力するフィードフォワード補償回路とを備え、電流調節
器出力及び補償信号を加算して電圧形電力変換装置の出
力電圧指令値を得るようにした電流制御回路において、
前記出力電流指令値が入力される一次遅れ要素を備え、
この一次遅れ要素を介した出力電流指令値と出力電流検
出値との偏差を電流調節器に入力するものである。
置の出力電流指令値と出力電流検出値との偏差が零にな
るように調節動作する電流調節器と、負荷インピーダン
ス及び前記出力電流指令値を用いて電圧形電力変換装置
が出力するべき電圧を演算し、この電圧を前記出力電流
指令値の急変によるオーバーシュートを抑制するための
補償信号として出力するフィードフォワード補償回路と
を備え、電流調節器出力及び補償信号を加算して電圧形
電力変換装置の出力電圧指令値を得るようにした電流制
御回路において、前記出力電流指令値が入力されて、そ
の変化率が規定値以下であるときは出力電流指令値をそ
のまま出力し、かつ、出力電流指令値の変化率が規定値
を越えるときは変化率を前記規定値に制限した出力電流
指令値を出力するスルーレート・リミッタを備え、この
スルーレート・リミッタを介した出力電流指令値と出力
電流検出値との偏差を電流調節器に入力するようにした
ものである。
答を確保させた制御定数を電流調節器に設定したうえ
で、電流調節器の電流指令値の入力側に新たに挿入した
一次遅れ要素を調整することにより、設定急変に対する
オーバーシュートを極小化し、設定急変及び外乱の両者
に対して所期の応答特性を得ることができる。
様に外乱に対する必要な応答を確保させた制御定数を電
流調節器に設定したうえで、電流調節器の電流指令値の
入力側に新たに挿入したスルーレート・リミッタを調整
して電流指令値の変化率を制限することにより、設定急
変に対するオーバーシュートを極小化し、設定及び外乱
の両者に対して所期の応答特性を得ることができる。ま
た、電流指令値が交流量である場合にも、定常偏差によ
る悪影響のない理想的な制御特性が得られる。
る。図1は第1の発明の一実施例を示すブロック図であ
る。図6または図7と同一の構成要素には同一の符号を
付して詳述を省略し、以下では異なる部分を中心に説明
すると、この実施例では図7に示した電流制御回路に対
して、伝達関数G(s)=1/(1+Ts)で表わされ
るところの一次遅れ要素17が付加されている。なお、
この一次遅れ要素17は、アナログ回路またはディジタ
ル回路により容易に実現することができる。
i*は、フィードフォワード補償回路15に入力される
と共に一次遅れ要素17にも入力されている。そして、
一次遅れ要素17の出力が図示の符号にて減算器11に
入力され、電流検出値iとの偏差が電流調節器12に入
力されている。
対して、フィードフォワード制御系の補償回路15は負
荷インピーダンスに応じた電流指令値と電圧指令値との
関係を導いて最適な補償信号を出力し、加算器16を介
してPWM回路13の入力となる電圧指令値に加算す
る。また、電流指令値i*は、上記一次遅れ要素17及
び減算器11を介して電流調節器12に供給される。
乱に対する応答が最適になるように制御定数を調整、設
定した上で一次遅れ要素17を調整することにより、電
流指令値i*の変化による設定急変時には、一次遅れ要
素17の出力よりも補償回路15の出力を優先させてオ
ーバーシュートを未然に防ぎ、フィードフォワード制御
出力を直ちに電圧指令値に反映させて高速な応答性能を
得ることができる。また、前述の如く、負荷急変等によ
る外乱に対しては電流調節器12の動作により高速な応
答性能を得ることが可能である。
している。この実施例は、図1の一次遅れ要素17に代
えて、電流指令値変化率が規定値以下であるときは電流
指令値をそのまま出力し、かつ、電流指令値の変化率が
規定値を越えるときは変化率を前記規定値に制限するス
ルーレート・リミッタ18を挿入したものであり、主と
して電流指令値i*が交流信号により与えられる場合を
考慮している。つまり、電流指令値i*が交流量である
場合、図1の一次遅れ要素17を通すことで電流調節器
12への指令値に位相遅れが生じ、定常的な制御偏差が
発生する。これにより高精度なフィードバック制御が不
可能になってしまう。
る電流指令値i*の変化率が通常状態の最大変化率であ
る場合にスルーレート・リミッタ18によってこれを制
限することにより、検出値iとの間の位相ずれをなく
し、定常状態の制御偏差に悪影響を及ぼさないようにし
たものである。なお、その他の構成は図1と同一であ
る。
実施例と同様に、電流指令値i*に対して、補償回路1
5は負荷インピーダンスに応じて電流指令値i*と電圧
指令値との関係を導いて最適に調整し、補償信号を出力
する。一方、電流調節器12への入力となる電流指令値
i*は前記スルーレート・リミッタ18を介して供給さ
れる。ここで、電流調節器12を外乱に対する応答が最
適になるように制御定数を調整、設定した上でスルーレ
ート・リミッタ18を調整することにより、電流指令値
i*の設定急変時には、スルーレート・リミッタ18に
より変化率が制限されて本来の変化率が電流調節器12
の入力側に直接影響しない。このため、補償回路15か
らの補償信号が優先して電圧指令値に反映されることに
なり、オーバーシュートを生じることなく高速な応答性
能を得ることができる。
は、スルーレート・リミッタ18に関係なく電流調節器
12によって高速な応答性能が得られるものである。な
お、この実施例は電流指令値i*が直流量である場合に
も適用可能である。
ない系統連系インバータシステムの主回路を示してい
る。この図4において、1は電源、3は連系する系統、
21’は連系インピーダンスの抵抗分、22’は連系イ
ンピーダンスのインダクタンス分を示している。
図3に示すような構成が考えられ、この構成は第2の発
明の他の実施例に相当している。すなわち、図3では加
算器16の出力側に更に加算器19が設けられており、
加算器16の出力に系統電圧検出値v’を加算したもの
を電源1の最終的な電圧指令値としたものである。な
お、電流制御回路の構成及び動作は図2と同様であるた
め、説明を省略する。
流調節器の入力側に一次遅れ要素を挿入したことによ
り、電流調節器を外乱に対して最適調整した上でフィー
ドフォワード補償回路との協調をとることができる。こ
れにより、設定急変及び外乱の両者に対して最適調整を
容易に行なうことができ、オーバーシュートのおそれも
なく何れに対しても高速応答が可能な電流制御回路を低
コストにて実現することができる。
力側にスルーレート・リミッタを挿入したことにより、
第1の発明と同様に電流調節器を外乱に対して最適調整
した上でフィードフォワード補償回路との協調をとるこ
とができ、設定急変及び外乱の何れに対しても簡易な最
適調整によって高速応答が可能になる。また、電流指令
値が交流量である場合にも定常偏差を悪化させることが
ないため、電源としての電力変換装置を広い応用分野で
高性能化することができる。
る。
る。
ある。
である。
Claims (2)
- 【請求項1】 電圧形電力変換装置の出力電流指令値と
出力電流検出値との偏差が零になるように調節動作する
電流調節器と、負荷インピーダンス及び前記出力電流指
令値を用いて電圧形電力変換装置が出力するべき電圧を
演算し、この電圧を前記出力電流指令値の急変によるオ
ーバーシュートを抑制するための補償信号として出力す
るフィードフォワード補償回路とを備え、電流調節器出
力及び補償信号を加算して電圧形電力変換装置の出力電
圧指令値を得るようにした電流制御回路において、 前記出力電流指令値が入力される一次遅れ要素を備え、
この一次遅れ要素を介した出力電流指令値と出力電流検
出値との偏差を電流調節器に入力することを特徴とする
電流制御回路。 - 【請求項2】 電圧形電力変換装置の出力電流指令値と
出力電流検出値との偏差が零になるように調節動作する
電流調節器と、負荷インピーダンス及び前記出力電流指
令値を用いて電圧形電力変換装置が出力するべき電圧を
演算し、この電圧を前記出力電流指令値の急変によるオ
ーバーシュートを抑制するための補償信号として出力す
るフィードフォワード補償回路とを備え、電流調節器出
力及び補償信号を加算して電圧形電力変換装置の出力電
圧指令値を得るようにした電流制御回路において、 前記出力電流指令値が入力されて、その変化率が規定値
以下であるときは出力電流指令値をそのまま出力し、か
つ、出力電流指令値の変化率が規定値を越えるときは変
化率を前記規定値に制限した出力電流指令値を出力する
スルーレート・リミッタを備え、このスルーレート・リ
ミッタを介した出力電流指令値と出力電流検出値との偏
差を電流調節器に入力することを特徴とする電流制御回
路。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06753794A JP3235331B2 (ja) | 1994-03-11 | 1994-03-11 | 電流制御回路 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06753794A JP3235331B2 (ja) | 1994-03-11 | 1994-03-11 | 電流制御回路 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07255177A JPH07255177A (ja) | 1995-10-03 |
JP3235331B2 true JP3235331B2 (ja) | 2001-12-04 |
Family
ID=13347833
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP06753794A Expired - Lifetime JP3235331B2 (ja) | 1994-03-11 | 1994-03-11 | 電流制御回路 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3235331B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
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---|---|---|---|---|
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DE102007027827B4 (de) * | 2006-08-01 | 2016-02-11 | Sew-Eurodrive Gmbh & Co Kg | Antrieb und Verfahren |
JP5226266B2 (ja) * | 2007-09-18 | 2013-07-03 | 東芝三菱電機産業システム株式会社 | 交直変換器の制御装置 |
JP5889020B2 (ja) * | 2012-02-06 | 2016-03-22 | 住友重機械工業株式会社 | 電池を充電するコンバータのコントローラおよびその制御方法、制御用プログラム、キャリブレーション方法、キャリブレーション用プログラム、ならびにそれらを用いた充放電検査装置および充電装置 |
WO2018186082A1 (ja) | 2017-04-05 | 2018-10-11 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | レーザ駆動電源 |
-
1994
- 1994-03-11 JP JP06753794A patent/JP3235331B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07255177A (ja) | 1995-10-03 |
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