JP3232971B2 - 酢酸製造用触媒、該触媒の製造方法及び該触媒を用いた酢酸の製造方法 - Google Patents

酢酸製造用触媒、該触媒の製造方法及び該触媒を用いた酢酸の製造方法

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JP3232971B2 JP22068395A JP22068395A JP3232971B2 JP 3232971 B2 JP3232971 B2 JP 3232971B2 JP 22068395 A JP22068395 A JP 22068395A JP 22068395 A JP22068395 A JP 22068395A JP 3232971 B2 JP3232971 B2 JP 3232971B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エチレンと酸素と
から一段接触反応により酢酸を製造する方法に用いる触
媒、該触媒の製造方法、及び該触媒を用いた酢酸の製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、酢酸の製造法としてはアセトアル
デヒドの酸化法、メタノールと一酸化炭素を反応させる
方法、低級パラフィンを酸化する方法などが実用化され
ている。アセトアルデヒドの酸化法は、エチレンよりア
セトアルデヒドを経て酢酸を製造する二段酸化法である
が、エチレン酸化に寄与するパラジウムイオンは生成ア
セトアルデヒドを酸化できないため、各段階での触媒が
異なることよりこの方法での酢酸の直接合成は困難であ
る。メタノールのカルボニル化法は、触媒としてのロジ
ウムが極めて高価な問題があり、又低級炭化水素の酸化
法は一段で酢酸を合成しているが、反応条件が比較的厳
しいため副生成物が多く、反応選択性,収率の向上が問
題となっている。
【0003】一方エチレンから酢酸を一段酸化法で製造
する方法は、工業的製造工程上と経済的に種々の有利な
点を有しているために、多くの提案がなされている。例
えば、パラジウム−コバルト,鉄などの金属イオン対の
酸化還元系触媒を用いた液相一段酸化法(フランス特許
第1448361号)、更にはパラジウム−リン酸又は
硫黄含有変性剤からなる触媒(特開昭47−1322
1,特開昭51−29425)、ある種のヘテロポリ酸
のパラジウム塩からなる触媒(特開昭54−5748
8)、3群系酸素化合物からなる触媒(特公昭46−6
763)、パラジウム−ヘテロポリ酸又はそれらの塩か
らなる触媒(特開平7−89896)を用いた気相一段
酸化法などが提案されている。
【0004】これらの触媒を用いて反応を行なうに当た
って工業上特に重要なことは、触媒の活性が高く、かつ
その経時変化ができる限り小さく、しかも酢酸の選択性
がよいことである。しかし従来提案されたこれらの触媒
はいずれも、酢酸の製造を工業的規模で実施する上で、
必ずしも十分な性能を有しているとは言い難い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかして本発明の目的
は、エチレンと酸素を反応させることによって、酢酸を
工業的に有利に製造し得る方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するため、エチレンと酸素から酢酸を製造する際
に用いる触媒の性能を高めるべく鋭意研究を行なった結
果、従来法に比べて空時収率が極めて高く、又二酸化炭
素の選択率が極めて低い、寿命も長い下記の触媒を見出
し、本発明を完成させた。
【0007】すなわち本発明(I)は、エチレンと酸素
とを反応させる酢酸の製造方法において使用する触媒に
おいて、該触媒が (a)金属パラジウム (b)ヘテロポリ酸及びそれらの塩から選ばれた少なく
とも1種の化合物及び (c)周期律表の6族元素,7族元素,8族元素,9族
元素,10族元素及び12族元素よりなる群から選ばれ
た少なくとも1種の元素を含有することを特徴とする酢
酸製造用触媒である。
【0008】また、本発明(II)は、エチレンと酸素
とを反応させる酢酸の製造方法において使用する触媒に
おいて、該触媒が (a)金属パラジウム (b)ヘテロポリ酸及びそれらの塩から選ばれた少なく
とも1種の化合物 (c)周期律表の6族元素,7族元素,8族元素,9族
元素,10族元素及び12族元素よりなる群から選ばれ
た少なくとも1種の元素及び (d)周期律表の11族元素,14族金属元素,15族
金属元素及び16族金属元素よりなる群から選ばれた少
なくとも1種の元素を含有することを特徴とする酢酸製
造用触媒である。
【0009】さらに、本発明(III)は、本発明
(I)又は本発明(II)の酢酸製造用触媒の製造方法
である。
【0010】またさらに、本発明(IV)は、本発明
(I)又は本発明(II)の酢酸製造用触媒の存在下、
エチレンと酸素とを反応させることを特徴とする酢酸の
製造方法である。
【0011】以下、本発明について詳しく説明する。本
発明(I)又は本発明(II)の酢酸製造用触媒に含有
されるパラジウムは金属パラジウムである。又、ヘテロ
ポリ酸のヘテロ原子としては、リン,珪素,ホウ素,ア
ルミニウム,ゲルマニウム,チタニウム,ジルコニウ
ム,セリウム,コバルト及びクロムであり、又ポリ原子
としては、モリブデン,タングステン,バナジウム,ニ
オブ及びタンタルよりなる群から選ばれた少なくとも1
種の元素である。
【0012】具体的には、ケイタングステン酸,リンタ
ングステン酸,ケイモリブデン酸,リンモリブデン酸,
リンモリブドタングステン酸,ケイモリブドタングステ
ン酸,リンバナドタングステン酸,ケイバナドタングス
テン酸,ケイバナドモリブデン酸,ホウタングステン
酸,ホウモリブデン酸及びホウモリブドタングステン酸
などが例示される。特に、ヘテロ原子がリン又は珪素、
ポリ原子がタングステン,モリブデン及びバナジウムよ
りなる群から選ばれた少なくとも1種の元素からなるヘ
テロポリ酸が実用上有利である。
【0013】更にヘテロポリ酸の塩は、二種以上の無機
酸素酸が縮合して生成した酸の水素原子の一部又は全部
を置換した金属塩或いはオニウム塩である。ヘテロポリ
酸の水素原子を置換した金属は、(国際純正及び応用化
学連合無機化学命名法改訂版(1989年)による)周
期律表における1族,2族,11族及び13族よりなる
群から選ばれた少なくとも1種の元素であり、又ヘテロ
ポリ酸のオニウム塩としては、アンモニウムやアミン類
とのアンモニウム塩などが例示される。これらヘテロポ
リ酸の塩の中でも、リチウム,ナトリウム,カリウム,
セシウム,マグネシウム,バリウム,銅,金及びガリウ
ムの金属塩が特に好ましい。
【0014】更に触媒性能上並びに実用上好ましいヘテ
ロポリ酸の塩としては、リンタングステン酸のリチウム
塩,リンタングステン酸のナトリウム塩,リンタングス
テン酸の銅塩,ケイタングステン酸のリチウム塩,ケイ
タングステン酸のナトリウム塩及びケイタングステン酸
の銅塩を挙げることができる。
【0015】本発明(I)の酢酸製造用触媒は、(a)
金属パラジウム、(b)ヘテロポリ酸及びそれらの塩か
ら選ばれた少なくとも1種の化合物及び(c)周期律表
の6族元素,7族元素,8族元素,9族元素,10族元
素及び12族元素よりなる群から選ばれた少なくとも1
種の元素を含有する多元系触媒である。(b)群に属す
るヘテロポリ酸又はそれらの塩としては前述の様にして
用いられ、又(c)群に属する元素の中ではクロム,レ
ニウム,ルテニウム,ロジウム,ニッケル及び亜鉛など
が好ましく使用できる。
【0016】更に触媒性能上並びに実用上特に好ましい
本発明(I)の酢酸製造用触媒としては、(a)金属パ
ラジウム、(b)リンタングステン酸及びそのリチウ
ム,ナトリウム,銅塩、及びケイタングステン酸及びそ
のリチウム,ナトリウム,銅塩及び(c)クロム及び亜
鉛よりなる3群系触媒を挙げることができる。
【0017】その構造は正確にはわからないが、パラジ
ウムは塩化パラジウム,酸化パラジウム,ヘテロポリ酸
パラジウム塩などの化合物ではなく、金属パラジウムで
あり、(b)群に属するヘテロポリ酸又はそれらの塩は
複合酸化物とは異なり、無機のポリ酸又はその水素原子
を置換した金属塩として構造の明らかな酸性を示す化合
物であり、又(c)群に属する元素はヘテロポリ酸の構
成元素又はヘテロポリ酸の水素原子を置換した元素とし
てではなく、金属,化合物或いは金属パラジウムとの合
金の形であり、3群の元素及び化合物はそれぞれ混合物
として、ごく近傍に存在していると考えられる。その
為、金属パラジウムと(b)及び(c)で表される各群
の化合物及び元素の相互作用により、極めて高い活性と
選択性を発現し、ヘテロポリ酸パラジウム塩触媒(特開
昭54−57488)やパラジウムを含む3群系酸素化
合物触媒(特公昭46−6763)と比べて低い反応温
度で、すぐれた酢酸生成活性と選択性を示す。
【0018】又、特開平7−89896に記されている
3群系触媒に比べても、酢酸生成活性が高く、アセトア
ルデヒドの副生が少なく、触媒の安定性も向上する特徴
を有する。更に、特開平7−89896において、第3
成分として添加している11,14,15又は16族元
素の原料となる化合物は、パラジウムの化合物と一緒に
水に溶解することが困難なものが多く、塩酸,硝酸,酢
酸などの無機酸又は有機酸を用いたり、別々に溶液を調
製しなければならない。更に、第3成分の化合物のみで
も水に溶けにくいものが少なくない。しかし本発明の
(c)群元素の化合物は、パラジウムの化合物と一緒に
容易に水に溶ける為、触媒調製の簡略化及びそのコスト
の低減が可能であり、実用上有利である。
【0019】本発明(I)の酢酸製造用触媒における
(a)金属パラジウム、(b)ヘテロポリ酸及びそれら
の塩から選ばれた少なくとも1種の化合物及び(c)周
期律表の6族元素,7族元素,8族元素,9族元素,1
0族元素及び12族元素よりなる群から選ばれた少なく
とも1種の元素を含有する触媒の(a)(b)(c)の
組成比は、(a)1グラム原子:(b)0.025〜5
00グラム分子:(c)0.005〜10グラム原子が
好ましく、特に1:0.1〜400:0.01〜5にお
いて、より好ましい結果を与える。
【0020】また、本発明(I)の酢酸製造用触媒中の
パラジウムの含有量は、通常0.01〜6重量%の範囲
内であるが好ましく、更に好ましくは0.1〜2重量%
の範囲である。パラジウム含有量が6重量%以上でも反
応は充分進行するが、パラジウムが高価な為に経済的で
はなく、実用上好ましくない。
【0021】本発明(I)の酢酸製造用触媒の調製方法
には、前記触媒組成である限り特に制限はなく、通常の
方法によって行われる。
【0022】即ち、前記(a)で表される金属パラジウ
ムの調製に用いられる原料は、特に限定されるものでは
ないが、通常塩化パラジウム等のハロゲン化物,酢酸パ
ラジウム等の有機酸塩,硝酸パラジウム,酸化パラジウ
ム,硫酸パラジウム及びテトラクロロパラジウム酸ナト
リウムなどのようにパラジウム金属に転化しうるもの及
び金属パラジウムそのものが用いられる。
【0023】また、(b)群のヘテロポリ酸の塩は、通
常ヘテロポリ酸の水溶液に前記の金属,オニウムのハロ
ゲン塩,炭酸塩,硝酸塩,酢酸塩又は硫酸塩等の水溶液
を加え、その後濃縮,乾燥或いは濾過等の操作の組み合
わせによって得られるが、特にこの調製法に限定される
ものではない。
【0024】また、(c)群に属する元素(クロム,レ
ニウム,ルテニウム,ロジウム,ニッケル及び亜鉛な
ど)の触媒調製に用いられる原料は、特に限定されるも
のではなく、塩化クロム,塩化レニウム,塩化亜鉛等の
ハロゲン化物,酸化クロム,酸化レニウム,酸化亜鉛等
の酸化物等が代表的な例である。所望ならば各々の金属
も使用できる。
【0025】次に、本発明(I)の酢酸製造用触媒の製
造方法の1例を示す。まず、前記(a)のパラジウム化
合物及び(c)群に属する元素の適当な化合物を各々別
個に、又は一緒に水又はアセトンなどの適当な溶媒或い
は塩酸,硝酸,酢酸などの無機酸又は有機酸に溶解又は
懸濁し、これにヘテロポリ酸又はそれらの塩を加え、含
浸,混練,濃縮,乾燥等を行なった後、ヒドラジン,水
素などの適当な還元剤により金属パラジウムに還元して
触媒を得るが、もとよりこの調製法に限定されるもので
はない。
【0026】本発明(I)の酢酸製造用触媒は上記組成
の触媒物質のみを単独に用いても有効であるが、担体と
共に使用すると更に有利である。本触媒に使用される担
体は多孔質物質であればよく、例えばシリカ,珪そう
土,モンモリロナイト,チタニア,活性炭,アルミナ及
びシリカアルミナなどの粉末状,球状,ペレット状その
他任意の形状のものが挙げられる。本触媒を担体と共に
使用する場合のヘテロポリ酸及びその塩の担持量は、担
体の粒径及び細孔構造に依存して変わるが、担体に対し
て5〜200重量%の範囲内であるのが好ましく、更に
好ましくは10〜100 重量%の範囲である。
【0027】また、(c)群の元素(クロム,レニウ
ム,ルテニウム,ロジウム,ニッケル及び亜鉛など)の
担持量は広範囲で有効であるが、通常0.01〜30重
量%の範囲であるのが好ましい。又、本発明(I)の酢
酸製造用触媒に含有するパラジウムは金属パラジウムが
好適であり、通常上記担体にパラジウム塩を担持し、そ
の後還元して得ることが好ましい。
【0028】更に本発明(I)の酢酸製造用触媒の担体
への担持法には特に制限はなく、(a)の金属パラジウ
ム、(b)群のヘテロポリ酸又はその塩及び(c)群の
元素は担体上に任意の方法で析出或いは沈着させること
ができる。(a)の金属パラジウム、(b)群のヘテロ
ポリ酸又はその塩及び(c)群の元素の担体への担持順
序は、これら3群の元素を2種以上同時に又は任意の順
次でもよいが、通常はパラジウムの担持を先にした方が
担体付金属調製の為の周知の方法が適当に利用できるの
で、有利である。その一般的な製法の1例を示すと、次
の通りである。
【0029】即ち、前記の適当なパラジウム化合物及び
(c)群の元素の化合物を水又はアセトンなどの適当な
溶媒或いは塩酸,硝酸,酢酸などの無機酸又は有機酸に
溶解し、これに担体を含浸し乾燥して、パラジウム化合
物を担体上に担持させた後、そのまますぐに或いは水酸
化ナトリウム,メタケイ酸ナトリウム等の水溶液で処理
することにより、パラジウム及び(c)群の元素の酸化
物又は水酸化物に変換した後に、ヒドラジン,水素など
の適当な還元剤によりパラジウム金属及び(c)群の元
素の金属に還元する。その後所望ならば、残存するナト
リウム等のアルカリ塩は水洗除去される。次いで乾燥し
た後、(b)群のヘテロポリ酸又はその塩を順次担持し
て触媒を得る。
【0030】(b)群のヘテロポリ酸又はその塩の担持
法としては、含浸法,蒸発乾固法,混練法,付着法等の
手段が適用される。ただし、(b)群のヘテロポリ酸又
はその塩担持後の乾燥,還元等の熱処理温度が約350
℃を越えるとヘテロポリ酸の骨格の破壊を招き、酢酸生
成活性及び選択性が悪くなるので好ましくない。
【0031】次に、本発明(II)の酢酸製造用触媒に
ついて説明する。本発明(II)の酢酸製造用触媒は、
(a)金属パラジウム、(b)ヘテロポリ酸及びそれら
の塩から選ばれた少なくとも1種の化合物、(c)周期
律表の6族元素,7族元素,8族元素,9族元素,10
族元素及び12族元素よりなる群から選ばれた少なくと
も1種の元素及び(d)周期律表の11族元素,14族
金属元素,15族金属元素及び16族金属元素よりなる
群から選ばれた少なくとも1種の元素を含有する多元系
触媒である。
【0032】(b)群に属するヘテロポリ酸又はそれら
の塩としては前述の様にして用いられ、(c)群に属す
る元素の中ではクロム,レニウム,ルテニウム,ロジウ
ム,ニッケル及び亜鉛など、(d)群に属する元素の中
では銅,銀,錫,鉛,アンチモン,ビスマス,セレン及
びテルルなどが好ましく使用できる。
【0033】更に触媒性能上並びに実用上特に好ましい
本発明(II)の酢酸製造用触媒としては、(a)金属
パラジウム、(b)リンタングステン酸及びそのリチウ
ム,ナトリウム,銅塩、及びケイタングステン酸及びそ
のリチウム,ナトリウム,銅塩、(c)クロム及び亜鉛
及び(d)ビスマス,セレン及びテルルよりなる4群系
触媒を挙げることができる。
【0034】その構造は正確にはわからないが、パラジ
ウムは塩化パラジウム,酸化パラジウム,ヘテロポリ酸
パラジウム塩などの化合物ではなく、金属パラジウムで
あり、(b)群に属するヘテロポリ酸又はそれらの塩は
複合酸化物とは異なり、無機のポリ酸又はその水素原子
を置換した金属塩として構造の明らかな酸性を示す化合
物であり、又(c)群,(d)群に属する元素はヘテロ
ポリ酸の構成元素又はヘテロポリ酸の水素原子を置換し
た元素としてではなく、金属,化合物或いは金属パラジ
ウムとの合金の形であり、4群の元素及び化合物はそれ
ぞれ混合物として、ごく近傍に存在していると考えられ
る。又、(c)群,(d)群に属する元素は助触媒とし
て同様に添加しているが、(c)群に属する元素は
(d)群に属する元素の有無にかかわらず活性を向上さ
せており、(c)群に属する元素と(d)群に属する元
素の活性向上の作用機構は詳細はわからないが、異なる
ものと考えられる。その為、金属パラジウムと(b),
(c)及び(d)で表される各群の化合物及び元素の相
互作用により、極めて高い活性と選択性を発現し、従来
の触媒に比べて低い反応温度で、すぐれた酢酸生成活性
と選択性を示す。
【0035】本発明(II)の酢酸製造用触媒における
(a)金属パラジウム、(b)ヘテロポリ酸及びそれら
の塩から選ばれた少なくとも1種の化合物、(c)周期
律表の6族元素,7族元素,8族元素,9族元素,10
族元素及び12族元素よりなる群から選ばれた少なくと
も1種の元素及び(d)周期律表の11族元素,14族
金属元素,15族金属元素及び16族金属元素よりなる
群から選ばれた少なくとも1種の元素を含有する触媒の
(a)(b)(c)(d)の組成比は、(a)1グラム
原子:(b)0.025〜500グラム分子:(c)
0.005〜10グラム原子:(d)0.005〜10
グラム原子が好ましく、特に1:0.1〜400:0.
01〜5:0.01〜5において、より好ましい結果を
与える。
【0036】また、本発明(II)の酢酸製造用触媒中
のパラジウムの含有量は、通常0.01〜6重量%の範
囲内であるのが好ましく、更に好ましくは0.1〜2重
量%の範囲である。パラジウム含有量が6重量%以上で
も反応は充分進行するが、パラジウムが高価な為に経済
的ではなく、実用上好ましくない。
【0037】本発明(II)の酢酸製造用触媒の調製方
法には、前記触媒組成である限り特に制限はなく、通常
の方法によって行われる。
【0038】即ち、前記(a)で表される金属パラジウ
ムの調製に用いられる原料は、特に限定されるものでは
ないが、通常塩化パラジウム等のハロゲン化物,酢酸パ
ラジウム等の有機酸塩,硝酸パラジウム,酸化パラジウ
ム,硫酸パラジウム及びテトラクロロパラジウム酸ナト
リウムなどのようにパラジウム金属に転化しうるもの及
び金属パラジウムそのものが用いられる。
【0039】また、(b)群のヘテロポリ酸の塩は、通
常ヘテロポリ酸の水溶液に前記の金属,オニウムのハロ
ゲン塩,炭酸塩,硝酸塩,酢酸塩又は硫酸塩等の水溶液
を加え、その後濃縮,乾燥或いは濾過等の操作の組み合
わせによって得られるが、特にこの調製法に限定される
ものではない。
【0040】また、(c)群に属する元素(クロム,レ
ニウム,ルテニウム,ロジウム,ニッケル及び亜鉛な
ど)の触媒調製に用いられる原料は特に限定されるもの
ではなく、塩化クロム,塩化レニウム,塩化亜鉛等のハ
ロゲン化物、酸化クロム,酸化レニウム,酸化亜鉛等の
酸化物等が代表的な例である。所望ならば各々の金属も
使用できる。
【0041】また、(d)群に属する元素(銅,銀,
錫,鉛,アンチモン,ビスマス,セレン及びテルルな
ど)の触媒調製に用いられる原料は特に限定されるもの
ではなく、塩化テルル,塩化セレン,塩化アンチモン,
塩化ビスマス,塩化銅等のハロゲン化物、酸化テルル,
酸化セレン,酸化アンチモン,酸化ビスマス,酸化銅等
の酸化物、硝酸ビスマス,硝酸銅,硝酸銀,硝酸鉛等の
硝酸塩、酢酸銅,酢酸錫,酢酸鉛等の酢酸塩、テルル
酸,亜テルル酸,亜テルル酸カリウム,セレン酸,亜セ
レン酸,亜セレン酸カリウム,アンチモン酸カリウム,
硫化アンチモン,硫化ビスマス,硫酸銅等が代表的な例
である。所望ならば各々の金属も使用できる。
【0042】次に、本発明(II)の酢酸製造用触媒の
製造方法の1例を示す。まず、前記(a)のパラジウム
化合物及び(c)群,(d)群に属する元素の適当な化
合物を各々別個に、又は一緒に水又はアセトンなどの適
当な溶媒或いは塩酸,硝酸,酢酸などの無機酸又は有機
酸に溶解又は懸濁し、これにヘテロポリ酸又はそれらの
塩を加え、含浸,混練,濃縮,乾燥等を行なった後、ヒ
ドラジン,水素などの適当な還元剤によりパラジウム金
属に還元して触媒を得るが、もとよりこの調製法に限定
されるものではない。
【0043】本発明(II)の酢酸製造用触媒は上記組
成の触媒物質のみを単独に用いても有効であるが、担体
と共に使用するとさらに有利である。本触媒に使用され
る担体は多孔質物質であればよく、例えばシリカ,珪そ
う土,モンモリロナイト,チタニア,活性炭,アルミナ
及びシリカアルミナなどの粉末状,球状,ペレット状そ
の他任意の形状のものが挙げられる。本触媒を担体と共
に使用する場合のヘテロポリ酸及びその塩の担持量は、
担体の粒径及び細孔構造に依存して変わるが、担体に対
して5〜200重量%の範囲内であるのが好ましく、更
に好ましくは10〜100重量%の範囲である。
【0044】また、(c)群の元素(クロム,レニウ
ム,ルテニウム,ロジウム,ニッケル及び亜鉛など)及
び(d)群の元素(銅,銀,錫,鉛,アンチモン,ビス
マス,セレン及びテルルなど)の担持量は広範囲で有効
であるが、通常0.01〜30重量%の範囲であるのが
好ましい。又、本発明(II)の酢酸製造用触媒に含有
するパラジウムは金属パラジウムが好適であり、通常上
記担体にパラジウム塩を担持し、その後還元して得るこ
とが好ましい。
【0045】更に、本発明(II)の酢酸製造用触媒の
担体への担持法には特に制限はなく、(a)の金属パラ
ジウム、(b)群のヘテロポリ酸又はその塩、(c)群
の元素及び(d)群の元素は担体上に任意の方法で析出
或いは沈着させることができる。(a)の金属パラジウ
ム、(b)群のヘテロポリ酸又はその塩、(c)群の元
素及び(d)群の元素の担体への担持順序は、これら4
群の元素を2種以上同時に又は任意の順次でもよいが、
通常はパラジウムの担持を先にした方が担体付金属調製
のための周知の方法が適当に利用できるため、有利であ
る。その一般的な製法の1例を示すと、次の通りであ
る。
【0046】即ち、前記の適当なパラジウム化合物及び
(c)群の元素の化合物を水又はアセトンなどの適当な
溶媒或いは塩酸,硝酸,酢酸などの無機酸又は有機酸に
溶解し、これに担体を含浸し、乾燥してパラジウム化合
物を担体上に担持させた後、そのまますぐに或いは水酸
化ナトリウム,メタケイ酸ナトリウム等の水溶液で処理
することにより、パラジウム及び(c)群の元素の酸化
物又は水酸化物に変換した後に、ヒドラジン,水素など
の適当な還元剤によりパラジウム金属及び(c)群の元
素の金属に還元する。その後所望ならば、残存するナト
リウム等のアルカリ塩は水洗除去される。次いで乾燥し
た後、(d)群の元素及び(b)群のヘテロポリ酸又は
その塩を順次担持して触媒を得る。
【0047】(b)群のヘテロポリ酸又はその塩及び
(d)群の元素の担持法としては、含浸法,蒸発乾固
法,混練法,付着法等の手段が適用される。ただし、
(b)群のヘテロポリ酸又はその塩担持後の乾燥,還元
等の熱処理温度が約350℃を越えるとヘテロポリ酸の
骨格の破壊を招き、酢酸生成活性および選択性が悪くな
るので好ましくない。
【0048】最後に本発明(IV)の酢酸の製造方法に
ついて説明する。本発明(IV)の酢酸の製造方法にお
いて、エチレンと酸素を反応させて酢酸を製造する際、
反応温度は100〜250℃であるが、好ましくは14
0〜200℃であることが実用上有利である。又、反応
圧力は設備の点から0〜30kg/cm2Gであること
が実用上有利であるが、更に好ましくは1〜15kg/
cm2Gの範囲である。
【0049】本発明(IV)の酢酸の製造方法において
反応系に供給するガスはエチレンと酸素からなり、必要
に応じて窒素,二酸化炭素又は稀ガスなどを希釈剤とし
て使用することもできる。かかる供給ガス全量に対し
て、エチレンは2〜80容量%、好ましくは5〜50容
量%の割合となる量で、酸素は1〜15容量%、好まし
くは3〜10容量%の割合となる量で反応系に供給され
る。
【0050】この反応系においては、水を反応系内に存
在させると酢酸生成活性と選択率の向上及び触媒の活性
維持に著しく効果がある。水蒸気は反応ガス中に1〜5
0容量%含まれるのが好適であるが、好ましくは5〜3
0容量%である。
【0051】本発明(IV)の酢酸の製造方法を実施す
るに当り、原料エチレンとして高純度のものを用いるの
が有利であるが、メタン,エタン,プロパン等の低級飽
和炭化水素が若干混入しても差し支えない。又酸素は、
窒素,炭酸ガス等の不活性ガスで希釈されたもの、例え
ば空気の形でも供給できるが、反応ガスを循環させる場
合には一般に高濃度、好適には99%以上の酸素を用い
る方が有利である。
【0052】反応混合ガスは、標準状態において空間速
度(SV)は100〜10000Hr-1、特に300〜
5000Hr-1で触媒に通すのが好ましい。反応形式と
しては、固定床,流動床などの形式を採り得るが、耐蝕
性を有する反応管に前述の触媒を充填した固定床を採用
することが実用上有利である。
【0053】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に具体的に説
明する。
【0054】実施例1 テトラクロロパラジウム酸ナトリウム5g及び塩化クロ
ム6水和物0.23gを含む水溶液に、シリカ担体(5
mmφ)125ccを浸し、全量吸水させた後、このも
のをメタケイ酸ナトリウム 9.5gを含む水溶液10
0ml中に加え、20Hr静置させた。しかる後、85
%ヒドラジン水溶液10.75mlを添加し、テトラク
ロロパラジウム酸ナトリウムを金属パラジウムに還元
し、水洗した後、110℃で4Hr乾燥した。その後、
担体に対して30重量%のケイタングステン酸を含む水
溶液中に上記の金属パラジウム及びクロムを含む担体を
投入し、全液を吸収させた後、110℃で4Hr乾燥し
た。
【0055】得られた触媒22.5mlを反応管に充填
し、温度200℃,圧力8kg/cm2Gで、エチレ
ン:酸素:水蒸気:窒素を容積比20:6:25:49
の割合に混合したガスを流速45Nl/Hにて導入し、
反応を行なった。生成したガスを冷却し、凝縮した反応
捕集液をガスクロマトグラフィーにて分析した。
【0056】実施例2 実施例1でケイタングステン酸の代わりにリンタングス
テン酸を使用したこと以外は、実施例1と同じにした。
【0057】実施例3 実施例1でケイタングステン酸の代わりにケイバナドタ
ングステン酸を使用したこと以外は、実施例1と同じに
した。
【0058】実施例4 実施例1でケイタングステン酸の代わりにリンモリブド
タングステン酸を使用したこと以外は、実施例1と同じ
にした。
【0059】実施例5 実施例1でケイタングステン酸の代わりにケイタングス
テン酸のリチウム塩を使用したこと以外は、実施例1と
同じにした。ここでケイタングステン酸のリチウム塩
は、ケイタングステン酸28.8gを含む水溶液に硝酸
リチウム0.069gを含む水溶液を滴下して調製し
た。
【0060】実施例6 実施例5でケイタングステン酸のリチウム塩の代わりに
ケイタングステン酸のマグネシウム塩を使用したこと以
外は、実施例5と同じにした。
【0061】実施例7 実施例5でケイタングステン酸のリチウム塩の代わりに
ケイタングステン酸のガリウム塩を使用したこと以外
は、実施例5と同じにした。
【0062】実施例8 実施例1で塩化クロム6水和物の代わりに0.21gの
酸化レニウムを使用したこと以外は、実施例1と同じに
した。
【0063】実施例9 実施例1で塩化クロム6水和物の代わりに0.21gの
塩化ルテニウムn水和物(n=1〜3)を使用したこと
以外は、実施例1と同じにした。
【0064】実施例10 実施例1で塩化クロム6水和物の代わりに0.23gの
塩化ロジウム3水和物を使用したこと以外は、実施例1
と同じにした。
【0065】実施例11 実施例1で塩化クロム6水和物の代わりに0.20gの
塩化ニッケル6水和物を使用したこと以外は、実施例1
と同じにした。
【0066】実施例12 実施例1で塩化クロム6水和物の代わりに0.12gの
塩化亜鉛を使用したこと以外は、実施例1と同じにし
た。
【0067】実施例13 実施例1でシリカ担体の代わりに酸化チタンを使用した
こと以外は、実施例1と同じにした。
【0068】比較例1 テトラクロロパラジウム酸ナトリウム5gを含む水溶液
に、シリカ担体(5mmφ)125ccを浸し、全量吸
水させた後、このものをメタケイ酸ナトリウム8.9g
を含む水溶液100ml中に加え、20Hr静置させ
た。しかる後、85%ヒドラジン水溶液10mlを添加
し、テトラクロロパラジウム酸ナトリウムを金属パラジ
ウムに還元し、水洗した後、110℃で4Hr乾燥し
た。その後、担体に対して30重量%のケイタングステ
ン酸を含む水溶液中に上記の金属パラジウムを含む担体
を投入し、全液を吸収させた後、110℃で4Hr乾燥
した。他は実施例1と同じにした。
【0069】以上の実施例1〜13及び比較例1の結果
を表1に示す。
【0070】
【表1】
【0071】実施例14 テトラクロロパラジウム酸ナトリウム5g及び塩化クロ
ム6水和物0.23gを含む水溶液に、シリカ担体(5
mmφ)125ccを浸し、全量吸水させた後、このも
のをメタケイ酸ナトリウム9.5gを含む水溶液100
ml中に加え、20Hr静置させた。しかる後、85%
ヒドラジン水溶液10.75mlを添加し、テトラクロ
ロパラジウム酸ナトリウムを金属パラジウムに還元し、
水洗した後、110℃で4Hr乾燥した。その後、0.
26gの亜テルル酸カリウムの水溶液中に上記の金属パ
ラジウム及びクロムを含む担体を投入し、全液を吸収さ
せた後、110℃で4Hr乾燥した。その後さらに、担
体に対して30重量%のケイタングステン酸を含む水溶
液中に上記の金属パラジウム、クロム及びテルルを含む
担体を投入し、全液を吸収させた後、110℃で4Hr
乾燥した。
【0072】得られた触媒22.5mlを反応管に充填
し、温度165℃,圧力8kg/cm2Gで、エチレ
ン:酸素:水蒸気:窒素を容積比20:6:25:49
の割合に混合したガスを流速45Nl/Hにて導入し、
反応を行なった。生成したガスを冷却し、凝縮した反応
捕集液をガスクロマトグラフィーにて分析した。
【0073】実施例15 実施例14でケイタングステン酸の代わりにリンタング
ステン酸を使用したこと以外は、実施例14と同じにし
た。
【0074】実施例16 実施例14でケイタングステン酸の代わりにケイバナド
タングステン酸を使用したこと以外は、実施例14と同
じにした。
【0075】実施例17 実施例14でケイタングステン酸の代わりにケイタング
ステン酸のリチウム塩を使用したこと以外は、実施例1
4と同じにした。ここでケイタングステン酸のリチウム
塩は、実施例5と同様にして調製した。
【0076】実施例18 実施例17でケイタングステン酸のリチウム塩の代わり
にケイタングステン酸のマグネシウム塩を使用したこと
以外は、実施例17と同じにした。
【0077】実施例19 実施例17でケイタングステン酸のリチウム塩の代わり
にケイタングステン酸のガリウム塩を使用したこと以外
は、実施例17と同じにした。
【0078】実施例20 実施例14で塩化クロム6水和物の代わりに0.21g
の塩化ルテニウムn水和物(n=1〜3)を使用したこ
と以外は、実施例14と同じにした。
【0079】実施例21 実施例14で塩化クロム6水和物の代わりに0.12g
の塩化亜鉛を使用したこと以外は、実施例14と同じに
した。
【0080】実施例22 実施例14で塩化クロム6水和物の代わりに0.12g
の塩化亜鉛を使用し、亜テルル酸カリウムの代わりに
0.15gの硝酸銀を使用したこと以外は、実施例14
と同じにした。
【0081】実施例23 実施例14で塩化クロム6水和物の代わりに0.12g
の塩化亜鉛を使用し、亜テルル酸カリウムの代わりに
0.20gの酢酸錫の酢酸水溶液を使用したこと以外
は、実施例14と同じにした。
【0082】実施例24 実施例14で塩化クロム6水和物の代わりに0.12g
の塩化亜鉛を使用し、亜テルル酸カリウムの代わりに
0.17gの硝酸ビスマスの酢酸水溶液を使用したこと
以外は、実施例14と同じにした。
【0083】実施例25 実施例14でシリカ担体の代わりに酸化チタンを使用し
たこと以外は、実施例14と同じにした。
【0084】実施例26 0.26gの亜テルル酸カリウムを含む水溶液に、シリ
カ担体(5mmφ)125ccを浸し、全量吸水させた
後、110℃で4Hr乾燥した。その後、テトラクロロ
パラジウム酸ナトリウム5g及び塩化クロム6水和物
0.23gを含む水溶液に、上記のテルルを含む担体を
投入し、全液を吸収させた後、このものをメタケイ酸ナ
トリウム9.5gを含む水溶液100ml中に加え、2
0Hr静置させた。しかる後、85%ヒドラジン水溶液
11.95mlを添加し、テトラクロロパラジウム酸ナ
トリウムを金属パラジウムに還元し、水洗した後、11
0℃で4Hr乾燥した。その後さらに、担体に対して3
0重量%のケイタングステン酸を含む水溶液中に上記の
金属パラジウム、クロム及びテルルを含む担体を投入
し、全液を吸収させた後、110℃で4Hr乾燥した。
他は実施例14と同じにした。
【0085】比較例2 テトラクロロパラジウム酸ナトリウム5gを含む水溶液
に、シリカ担体(5mmφ)125ccを浸し、全量吸
水させた後、このものをメタケイ酸ナトリウム8.9g
を含む水溶液100ml中に加え、20Hr静置させ
た。しかる後、85%ヒドラジン水溶液10mlを添加
し、テトラクロロパラジウム酸ナトリウムを金属パラジ
ウムに還元し、水洗した後、110℃で4Hr乾燥し
た。その後、0.52gの亜テルル酸カリウムの水溶液
中に上記の金属パラジウムを含む担体を投入し、全液を
吸収させた後、110℃で4Hr乾燥した。その後さら
に、担体に対して30重量%のケイタングステン酸を含
む水溶液中に上記の金属パラジウム及びテルルを含む担
体を投入し、全液を吸収させた後、110℃で4Hr乾
燥した。他は実施例14と同じにした。
【0086】比較例3 比較例2で亜テルル酸カリウムの代わりに0.15gの
硝酸銀を使用したこと以外は、比較例2と同じにした。
【0087】比較例4 比較例2で亜テルル酸カリウムの代わりに0.28gの
酢酸錫の酢酸水溶液を使用したこと以外は、比較例2と
同じにした。
【0088】比較例5 比較例2で亜テルル酸カリウムの代わりに0.43gの
硝酸ビスマスの酢酸水溶液を使用したこと以外は、比較
例2と同じにした。以上の実施例14〜26及び比較例
2〜5の結果を表2に示す。
【0089】
【表2】
【0090】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の酢酸製造
用触媒、該触媒を用いた酢酸の製造方法においては、酢
酸をエチレンより気相接触反応により一段で合成し、し
かも二酸化炭素の副生を抑え、著しく高い空時収率でつ
くることができるので、酢酸を低コストで得られる優れ
た方法である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B01J 23/656 B01J 23/64 103Z C07B 61/00 300 104Z (72)発明者 若林 正一郎 大分県大分市大字中の洲2番地 昭和電 工株式会社 大分研究所内 (72)発明者 牧 健一郎 大分県大分市大字中の洲2番地 昭和電 工株式会社 大分研究所内 (56)参考文献 特開 昭64−85945(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01J 23/85 B01J 27/199 C07C 51/245 C07C 53/08 B01J 23/652 B01J 23/656

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレンと酸素とを反応させる酢酸の製
    造方法において使用する触媒において、該触媒が (a)金属パラジウム (b)ヘテロポリ酸及びそれらの塩から選ばれた少なく
    とも1種の化合物及び (c)周期律表の6族元素,7族元素,8族元素,9族
    元素,10族元素及び12族元素よりなる群から選ばれ
    た少なくとも1種の元素を含有することを特徴とする酢
    酸製造用触媒。
  2. 【請求項2】 エチレンと酸素とを反応させる酢酸の製
    造方法において使用する触媒において、該触媒が (a)金属パラジウム (b)ヘテロポリ酸及びそれらの塩から選ばれた少なく
    とも1種の化合物 (c)周期律表の6族元素,7族元素,8族元素,9族
    元素,10族元素及び12族元素よりなる群から選ばれ
    た少なくとも1種の元素及び (d)周期律表の11族元素,14族金属元素,15族
    金属元素及び16族金属元素よりなる群から選ばれた少
    なくとも1種の元素を含有することを特徴とする酢酸製
    造用触媒。
  3. 【請求項3】 エチレンと酸素とを反応させる酢酸の製
    造方法において使用する触媒において、該触媒が (a)金属パラジウム (b)ヘテロポリ酸及びそれらの塩から選ばれた少なく
    とも1種の化合物及び (c)周期律表の6族元素,7族元素,8族元素,9族
    元素,10族元素及び12族元素よりなる群から選ばれ
    た少なくとも1種の元素を含有し、且つ(a)、(b)
    及び(c)が担体上に保持されていることを特徴とする
    酢酸製造用触媒。
  4. 【請求項4】 エチレンと酸素とを反応させる酢酸の製
    造方法において使用する触媒において、該触媒が (a)金属パラジウム (b)ヘテロポリ酸及びそれらの塩から選ばれた少なく
    とも1種の化合物 (c)周期律表の6族元素,7族元素,8族元素,9族
    元素,10族元素及び12族元素よりなる群から選ばれ
    た少なくとも1種の元素及び (d)周期律表の11族元素,14族金属元素,15族
    金属元素及び16族金属元素よりなる群から選ばれた少
    なくとも1種の元素を含有し、且つ(a)、(b)、
    (c)及び(d)が担体上に保持されていることを特徴
    とする酢酸製造用触媒。
  5. 【請求項5】 ヘテロポリ酸がケイタングステン酸,リ
    ンタングステン酸,ケイモリブデン酸,リンモリブデン
    酸,リンモリブドタングステン酸,ケイモリブドタング
    ステン酸,リンバナドタングステン酸,ケイバナドタン
    グステン酸,ケイバナドモリブデン酸,ホウタングステ
    ン酸,ホウモリブデン酸及びホウモリブドタングステン
    酸からなる群から選ればれた一種以上であることを特徴
    とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の酢酸製造
    用触媒。
  6. 【請求項6】 ヘテロポリ酸の塩がリンタングステン酸
    のリチウム塩,リンタングステン酸のナトリウム塩,リ
    ンタングステン酸の銅塩,ケイタングステン酸のリチウ
    ム塩,ケイタングステン酸のナトリウム塩及びケイタン
    グステン酸の銅塩からなる群から選ればれた一種以上で
    あることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに
    記載の酢酸製造用触媒。
  7. 【請求項7】 (c)周期律表の6族元素,7族元素,
    8族元素,9族元素,10族元素及び12族元素よりな
    る群から選ばれた少なくとも1種の元素が、クロム,レ
    ニウム,ルテニウム,ロジウム,ニッケル及び亜鉛から
    なる群から選ればれた一種以上であることを特徴とする
    請求項1〜請求項6のいずれかに記載の酢酸製造用触
    媒。
  8. 【請求項8】 (d)周期律表の11族元素,14族金
    属元素,15族金属元素及び16族金属元素よりなる群
    から選ばれた少なくとも1種の元素が、銅,銀,錫,
    鉛,アンチモン,ビスマス,セレン及びテルルからなる
    群から選ればれた一種以上であることを特徴とする請求
    項2又は請求項4〜請求項7のいずれかに記載の酢酸製
    造用触媒。
  9. 【請求項9】 担体がシリカ,珪そう土,モンモリロナ
    イト,チタニア,活性炭,アルミナ及びシリカアルミナ
    からなる群から選ればれた一種以上であることを特徴と
    する請求項3〜請求項8のいずれかに記載の酢酸製造用
    触媒。
  10. 【請求項10】 以下の第一工程〜第三工程を含むこと
    を特徴とする請求項3又は請求項5〜請求項9のいずれ
    かに記載の酢酸製造用触媒の製造方法。 第一工程 担体にパラジウム化合物及び(c)群の元素の化合物を
    担持してパラジウム担持触媒を得る工程 第二工程 第一工程で得たパラジウム担持触媒のパラジウム化合物
    を還元剤で還元してパラジウム金属担持触媒を得る工程 第三工程 第二工程で得たパラジウム金属担持触媒に(b)群のヘ
    テロポリ酸又はその塩を担持して酢酸製造用触媒を得る
    工程
  11. 【請求項11】 以下の第一工程〜第四工程を含むこと
    を特徴とする請求項4〜請求項9のいずれかに記載の酢
    酸製造用触媒の製造方法。 第一工程 担体にパラジウム化合物及び(c)群の元素の化合物を
    担持してパラジウム担持触媒を得る工程 第二工程 第一工程で得たパラジウム担持触媒のパラジウム化合物
    を還元剤で還元してパラジウム金属担持触媒を得る工程 第三工程 第二工程で得たパラジウム金属担持触媒に(d)群の元
    素の化合物を担持して三元系触媒を得る工程 第四工程 第三工程で得た三元系触媒に(b)群のヘテロポリ酸又
    はその塩を担持して酢酸製造用触媒を得る工程
  12. 【請求項12】 請求項1〜請求項9のいずれかに記載
    の酢酸製造用触媒の存在下、エチレンと酸素とを反応さ
    せることを特徴とする酢酸の製造方法。
  13. 【請求項13】 水の存在下に、エチレンと酸素とを気
    相で反応させることを特徴とする請求項12に記載の酢
    酸の製造方法。
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