JP4218122B2 - 酢酸製造用触媒の製造方法、及び該触媒を用いた酢酸の製造方法 - Google Patents

酢酸製造用触媒の製造方法、及び該触媒を用いた酢酸の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エチレンと酸素から一段接触反応により酢酸を製造する際に用いる触媒の製造方法、及び該触媒を用いた酢酸の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、酢酸の製造法としてはアセトアルデヒドの酸化法、メタノールと一酸化炭素を反応させる方法、低級パラフィンを酸化する方法などが実用化されている。
【0003】
一方、エチレンから酢酸を一段で製造する方法は、工業的製造工程上と経済的に多くの有利な点を有しているために、多くの提案がなされている。例えば、パラジウム−コバルト、鉄などの金属イオン対の酸化還元触媒を用いた液相一段酸化法(フランス特許第1448361号公報)、パラジウム−リン酸または硫黄含有変性剤からなる触媒(特開昭47−13221号公報、特開昭51−29425号公報)、ある種のヘテリポリ酸のパラジウム塩からなる触媒(特開昭54−57488号公報)、3群系酸素化合物からなる触媒(特開昭46−6763号公報)を用いた気相一段酸化法などが提案されている。
【0004】
また最近、金属パラジウムとヘテロポリ酸及びそれらの塩から選ばれた少なくとも1種の化合物を含有する触媒を用い、エチレン、酸素から気相反応で酢酸を合成する方法(特開平7−89896号公報、特開平9−67298号公報)が提案されている。この触媒を用いる方法によれば、比較的高収率で酢酸を得ることができるが、工業的規模で酢酸を製造するに当たっては、触媒の活性の経時変化、すなわち触媒の性能低下が小さいことも重要である。
【0005】
これらの、金属パラジウムとヘテロポリ酸及びそれらの塩から選ばれた少なくとも1種の化合物を含有する触媒を用い、エチレン、酸素から気相一段で酢酸を合成する方法の性能は工業的規模で実施する上で十分ではあるが、さらなる触媒活性の向上、特に触媒の経時的性能低下の低減が求められている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、金属パラジウムとヘテロポリ酸及び/又はその塩から選ばれた少なくとも1種の化合物を含有する触媒により、エチレンと酸素から気相一段反応で酢酸を合成する方法において、より高活性な触媒、特に経時変化に伴う性能低下を低減した触媒の製造法の提供、及び該触媒を用いた酢酸の製造法の提供を目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成するために、エチレンと酸素から気相一段反応で酢酸を合成する際に用いる金属パラジウムとヘテロポリ酸及び/又はその塩から選ばれた少なくとも1種の化合物を含有する触媒の性能を高めるべく、その触媒の製造方法について鋭意研究を行った。
【0008】
金属パラジウムとヘテロポリ酸及び/又はその塩から選ばれた少なくとも1種の化合物を含有する触媒は、通常、これら触媒活性成分の分散性を高める目的で、適当な担体に担持された状態で用いることが好ましい。
【0009】
金属パラジウムとヘテロポリ酸及び/又はその塩から選ばれた少なくとも1種の化合物を含有する酢酸製造用担体担持型触媒を製造する場合、その代表的な工程として、例えば以下のような具体例が挙げられる。すなわち、まずパラジウム化合物の溶液を担体に含浸した後、適当な還元剤を用いてパラジウムの還元処理を行いパラジウム金属担持担体を得る。ついで前記パラジウム金属担持担体に、ヘテロポリ酸及び/又はその塩を担持して酢酸製造用担持型触媒を得る。
【0010】
この工程において、パラジウムの還元処理では、パラジウム化合物の溶液を含浸後アルカリと接触させることで水不溶性パラジウムとしたのち、適当な還元剤で還元処理する方法が有効である。この方法には、パラジウム化合物を十分に還元することや生成するパラジウム金属粒子の分散性を高める効果があるとされている。従来、このアルカリ処理に用いるアルカリ処理剤として、水酸化ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム等のアルカリを用いて製造されている。
【0011】
そこで本発明者らは、このパラジウム化合物から金属パラジウムを得る工程に用いるアルカリ処理剤に着目し鋭意研究を重ねた結果、アルカリ処理剤としてバリウム塩水溶液を用いると、従来知られているアルカリ処理剤を用いて調製した酢酸製造用担持型触媒よりも、より高活性で、且つ経時変化による性能低下の小さい触媒を得ることを見出し本発明を完成するに至った。
【0012】
すなわち本発明(I)は、(a)金属パラジウムと(b)ヘテロポリ酸及び/又はその塩から選ばれた少なくとも1種の化合物が担体上に保持されている触媒の存在下に、エチレンと酸素とを気相で反応させる酢酸の製造方法に用いる触媒の製造方法において、該触媒の製造工程が以下の第1工程〜第4工程からなることを特徴とする酢酸製造用触媒の製造方法である。
【0013】
第1工程
触媒担体に、水溶性パラジウム化合物の水溶液を含浸し、水溶性パラジウム化合物含浸担体を得る工程。
【0014】
第2工程
第1工程で得た含浸担体を、水溶性パラジウム化合物と反応して担体上に水不溶性パラジウム化合物を担持させることができるバリウム塩の溶液と接触させ、水不溶性パラジウム化合物含浸担体を得る工程。
【0015】
第3工程
第2工程で得た含浸担体に担持されたパラジウム化合物を、還元剤でパラジウム金属に還元して、(a)金属パラジウム担持担体を得る工程。
【0016】
第4工程
第3工程で得た金属パラジウム担持担体に、(b)ヘテロポリ酸及び/又はその塩から選ばれた少なくとも1種の化合物を担持する工程。
【0017】
本発明(II)は、(a)金属パラジウムと(b)ヘテロポリ酸及び/又はその塩から選ばれた少なくとも1種の化合物と(c)周期律表の14族元素、15族元素及び16族元素からなる群から選ばれた少なくとも1種の元素とが担体上に保持されている触媒の存在下に、エチレンと酸素とを気相で反応させる酢酸の製造方法に用いる触媒の製造方法において、該触媒の製造工程が以下の第1工程〜第4工程からなることを特徴とする酢酸製造用触媒の製造方法である。
【0018】
第1工程
触媒担体に、水溶性パラジウム化合物の水溶液を含浸し、水溶性パラジウム化合物含浸担体を得る工程。
【0019】
第2工程
第1工程で得た含浸担体を、水溶性パラジウム化合物と反応して担体上に水不溶性パラジウム化合物を担持させることができるバリウム塩の溶液と接触させ、水不溶性パラジウム化合物含浸担体を得る工程。
【0020】
第3工程
第2工程で得た含浸担体に担持されたパラジウム化合物を、還元剤でパラジウム金属に還元して、(a)金属パラジウム担持担体を得る工程。
【0021】
第4工程
第3工程で得た金属パラジウム担持担体に、(b)ヘテロポリ酸及び/又はその塩から選ばれた少なくとも1種の化合物、及び(c)周期律表の14族元素、15族元素及び16族元素からなる群から選ばれた少なくとも1種の元素を含む化合物を担持して酢酸製造用触媒を得る工程。
【0022】
本発明(III)は、(a)金属パラジウムと(b)ヘテロポリ酸及び/又はその塩から選ばれた少なくとも1種の化合物と(c)周期律表の14族元素、15族元素及び16族元素からなる群から選ばれた少なくとも1種の元素とが担体上に保持されている触媒の存在下に、エチレンと酸素とを気相で反応させる酢酸の製造方法に用いる触媒の製造方法において、該触媒の製造工程が以下の第1工程〜第4工程からなることを特徴とする酢酸製造用触媒の製造方法である。
【0023】
第1工程
触媒担体に、水溶性パラジウム化合物の水溶液、及び(c)周期律表の14族元素、15族元素及び16族元素からなる群から選ばれた少なくとも1種の元素を含む化合物の溶液を含浸し、水溶性パラジウム化合物含浸担体を得る工程。
【0024】
第2工程
第1工程で得た含浸担体を、水溶性パラジウム化合物と反応して担体上に水不溶性パラジウム化合物を担持させることができるバリウム塩の溶液と接触させ、水不溶性パラジウム化合物含浸担体を得る工程。
【0025】
第3工程
第2工程で得た含浸担体に担持されたパラジウム化合物を、還元剤でパラジウム金属に還元して、(a)金属パラジウム担持担体を得る工程。
【0026】
第4工程
第3工程で得た金属パラジウム担持担体に、(b)ヘテロポリ酸及び/又はその塩から選ばれた少なくとも1種の化合物を含む化合物を担持して酢酸製造用触媒を得る工程。
【0027】
本発明(IV)は、本発明(I)〜本発明(III)の第1工程において(d)周期律表の6族元素、7族元素、8族元素、9族元素、10族元素、11族元素及び12族元素からなる群から選ばれた少なくとも1種の元素を含む化合物を含浸することを特徴とする酢酸製造用触媒の製造方法である。
【0028】
更に、本発明(V)は、本発明(I)〜(IV)の製造方法で製造された酢酸製造用触媒の存在下、エチレンと酸素とを気相で反応させることを特徴とする酢酸の製造方法である。
【0029】
以下、本発明についてより詳しく説明する。
【0030】
【発明の実施の形態】
本発明(I)は、(a)金属パラジウムと(b)ヘテロポリ酸及び/又はその塩から選ばれた少なくとも1種の化合物が担体上に保持されている触媒の存在下に、エチレンと酸素とを気相で反応させる酢酸の製造方法に用いる触媒の製造方法において、該触媒の製造工程が以下の第1工程〜第4工程からなることを特徴とする酢酸製造用触媒の製造方法である。
【0031】
第1工程
触媒担体に、水溶性パラジウム化合物の水溶液を含浸し、水溶性パラジウム化合物含浸担体を得る工程。
【0032】
第2工程
第1工程で得た含浸担体を、水溶性パラジウム化合物と反応して担体上に水不溶性パラジウム化合物を担持させることができるバリウム塩の溶液と接触させ、水不溶性パラジウム化合物含浸担体を得る工程。
【0033】
第3工程
第2工程で得た含浸担体に担持されたパラジウム化合物を、還元剤でパラジウム金属に還元し、(a)金属パラジウム含浸担体を得る工程。
【0034】
第4工程
第3工程で得た金属パラジウム含有担体に、(b)ヘテロポリ酸及び/又はその塩から選ばれた少なくとも1種の化合物を担持する工程。
【0035】
本発明(I)において、触媒担体としては、通常担体として用いられる多孔質物質であれば良く特に制限はない。具体的にはシリカ、アルミナ、シリカ/アルミナ、珪藻土、モンモリロナイトまたはチタニア等が挙げられるが、好ましくはシリカである。
【0036】
担体の粒径には、特に制限はない。好ましくは1mm〜10mm、さらに好ましくは3mm〜7mmである。管状反応器に触媒を充填して反応を行なう場合には、粒径が小さすぎるとガスを流通させるときに、大きな圧力損失が生じ、有効にガス流通ができなくなる等の問題が生ずる恐れがある。一方、粒径が大きすぎると、触媒内部まで反応ガスが拡散できなくなり、有効に触媒成分が働かなくなる恐れがある。
【0037】
担体の細孔容積、比表面積には特に制限はない。担体の細孔容積としてはグラム当たり0.2ml〜1.5mlの範囲が好まく、より好ましくは0.3ml〜1.2mlの範囲である。また、担体の比表面積としては、担体1グラム当たり10m2〜800m2の範囲が好ましく、より好ましくは50m2〜500m2の範囲である。
【0038】
本発明(I)の触媒製造方法において得られる触媒に含まれるパラジウムは金属パラジウムである。第1工程において、水溶性パラジウム化合物の水溶液が担体に含浸される。ここで用いられるパラジウム化合物としては、水溶性であれば特に制限はない。具体的には、塩化パラジウム、テトラクロロパラジウム酸ナトリウム及び/又はテトラクロロパラジウム酸カリウム、硝酸パラジウムまたは硫酸パラジウム等があげられる。好ましくは、テトラクロロパラジウム酸ナトリウムまたは硝酸パラジウムである。
【0039】
第1工程において使用するパラジウム化合物の量には、特に制限はない。好ましくは、本発明(I)の触媒製造方法で得られる酢酸製造用触媒において、触媒1リットル当たり金属パラジウムとして1g〜20g、より好ましくは触媒1リットル当たり金属パラジウムとして3g〜18gの範囲となるような量である。
【0040】
担体に水溶性パラジウム化合物を含浸する際に使用する水の量には、特に制限はないが、好ましくは、触媒担体の細孔容積の90%〜100%の範囲である。この数値は、担体の吸水率を測定することで定めることが可能である。
【0041】
第2工程において、水溶性パラジウム化合物の水溶液を含浸した担体を、バリウム塩を溶解させた水溶液に加える。この際、水溶性パラジウム化合物がアルカリであるバリウム塩と反応して水不溶性パラジウム化合物となり担体上に析出する。
【0042】
第2工程で用いるバリウム塩に特に制限はないが、水酸化バリウムがより好ましい。水酸化バリウムは、無水物[Ba(OH)2]でも水和物でもよい。特に水酸化バリウム・8水和物[Ba(OH)2・8H2O]が安価で入手しやすいが、これに限定するものではない。
【0043】
用いるバリウム塩の量は、担体に含浸した水溶性パラジウム化合物のモル量及び担体の酸の絶対量に比例して変化する。好ましくは、担体に含浸した水溶性パラジウム化合物のモル量に対し、1.0当量〜4.0当量であり、より好ましくは1.2当量〜2.8当量の範囲である。
【0044】
バリウム塩水溶液は、均一であっても不均一であっても良いが、均一であることが好ましい。しかし、用いる水の溶解度以上のバリウムバリウム塩を必要とする場合は、不均一であってもかまわない。特に水酸化バリウムを用いる場合は水に対する溶解度が温度があがるとともに増加するので、水溶液を加温して均一溶液にして用いても良い。
【0045】
水溶性パラジウム化合物の水溶液を含浸した担体をバリウム塩水溶液に加える際の水温には、特に制限はない。通常室温で行うことが一般的だが、より高温、具体的には30℃〜50℃程度に加温しても構わない。
【0046】
バリウム塩水溶液の接触時間は、処理する際の水温、含浸担体の種類、含浸されたパラジウムの量等により変化する。好ましくは12時間以上、より好ましくは18時間〜30時間の範囲である。接触時間があまりに短いと、担体に含浸した水溶性パラジウムが水不溶性パラジウム塩に変換し担体上への析出もしくは固定化が充分に行われない恐れがあり好ましくない。
【0047】
次いで、第3工程において、担体上に析出した水不溶性パラジウム化合物を金属状態に還元するために、ヒドラジン、ホルムアルデヒド、エチレンまたは水素のような還元剤で処理する。
【0048】
還元処理は、液相、気相いずれの状態で行っても良く、またその条件は一般的な還元条件であれば特に制限はない。
【0049】
液相において還元処理を行う場合、その温度に特に制限はない。通常は室温で行われるが、より高温、具体的には30℃〜50℃程度に加温しても構わない。
【0050】
また、気相にてガス状還元剤を用いて還元処理を行う場合は、その温度に特に制限はないが、含浸担体を100℃〜300℃前後に加熱することが好ましい。温度が低いと完全なパラジウム金属への還元を達成出来ない恐れがあり、好ましくない。
【0051】
第4工程において、第3工程で得た金属パラジウム含浸担体にヘテロポリ酸及び/又はそれらの塩から選ばれた少なくとも1種の化合物を担持し、酢酸製造用触媒を得る。
【0052】
用いられるヘテロポリ酸には特に制限ない。そのヘテロ原子としては、リン、ケイ素、ホウ素、アルミニウム、ゲルマニウム、セリウム、コバルト、及びクロムであり、また、ポリ原子としては、モリブデン、タングステン、バナジウム、ニオブ、及びタンタルより選ばれた、少なくとも1種の元素を含むヘテロポリ酸であれば良い。
【0053】
具体例として好ましくは、ケイタングステン酸、リンタングステン酸、ケイモリブデン酸、リンモリブデン酸、リンモリブドタングステン酸、ケイモリブドタングステン酸、リンバナドタングステン酸、ケイバナドタングステン酸、ケイバナドモリブデン酸、ホウタングステン酸、ホウモリブデン酸及びホウモリブドタングステン酸等が挙げられる。中でも、ヘテロ原子がリンまたはケイ素、ポリ原子がタングステン、モリブデン及びバナジウムよりなる群から選ばれた少なくとも1種の元素からなるヘテロポリ酸が特に好ましい。
【0054】
さらに、ヘテロポリ酸の塩は、2種以上の無機酸素酸が縮合して生成した酸の水素原子の一部、又は全部を置換した金属塩あるいはオニウム塩である。ヘテロポリ酸の水素原子を置換した金属は、周期律表における1族、2族、11族及び13族よりなる群から選ばれた少なくとも1種の元素であり、また、ヘテロポリ酸のオニウム塩としては、アンモニウムやアミン類とのアンモニウム塩などが例示される。これらヘテロポリ酸の塩の中でも、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、マグネシウム、バリウム、銅、金及びガリウムの金属塩が特に好ましい。
【0055】
更に触媒性能上並びに実用上好ましいヘテロポリ酸の塩としては、リンタングステン酸のリチウム塩、リンタングステン酸のナトリウム塩、リンタングステン酸の銅塩、ケイタングステン酸のナトリウム塩、及びケイタングステン酸の銅塩を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0056】
ヘテロポリ酸及び/又はその塩の担体への担持方法には、特に制限はない。いかなる方法で行っても良く、水またはアセトンなどの適当な溶媒や塩酸、硝酸、酢酸溶液などの無機酸、有機酸に溶解し、これに担体を含浸した後、乾燥するなどの方法で担体に担持することが可能である。例として、含浸法、蒸発乾固法、混練法、スプレー法等の手段が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0057】
本発明(I)の製造法で製造されるの酢酸製造用触媒において、(a)金属パラジウムと(b)ヘテロポリ酸及び/またはその塩から選ばれた少なくとも1種の化合物(a)(b)の組成比は、(a)1グラム原子:(b)0.025グラム分子〜500グラム分子が好ましく、特に(a)1グラム原子:(b)0.1〜400グラム分子がより好ましい。
【0058】
また担体に対するヘテロポリ酸及び/またはその塩の担持量は、担体の粒径及び細孔構造に依存して変化するが、担体に対して5重量%〜200重量%の範囲内であるのが好ましく、より好ましくは10重量%〜100重量%の範囲である。ここで担体に対する重量%とは、ヘテロポリ酸及び/またはその塩の重量を担体の重量で割った値を意味する。
【0059】
次に本発明(II)の酢酸製造用触媒について説明する。本発明(II)は、(a)金属パラジウムと(b)ヘテロポリ酸及び/又はその塩から選ばれた少なくとも1種の化合物と(c)周期律表の14族元素、15族元素及び16族元素からなる群から選ばれた少なくとも1種の元素とが担体上に保持されている触媒の存在下に、エチレンと酸素とを気相で反応させる酢酸の製造方法に用いる触媒の製造方法において、該触媒の製造工程が以下の第1工程〜第4工程からなることを特徴とする酢酸製造用触媒の製造方法である。
【0060】
第1工程
触媒担体に、水溶性パラジウム化合物の水溶液を含浸し、水溶性パラジウム化合物含浸担体を得る工程。
【0061】
第2工程
第1工程で得た含浸担体を、水溶性パラジウム化合物と反応して担体上に水不溶性パラジウム化合物を担持させることができるバリウム塩の溶液と接触させ、水不溶性パラジウム化合物含浸担体を得る工程。
【0062】
第3工程
第2工程で得た含浸担体に担持されたパラジウム化合物を、還元剤でパラジウム金属に還元して、(a)金属パラジウム担持担体を得る工程。
【0063】
第4工程
第3工程で得た金属パラジウム担持担体に、(b)ヘテロポリ酸及び/又はその塩から選ばれた少なくとも1種の化合物及び(c)周期律表の14族元素、15族元素及び16族元素からなる群から選ばれた少なくとも1種の元素を含む化合物を担持して酢酸製造用触媒を得る工程。
【0064】
本発明(II)の酢酸製造用触媒の製造方法の第1工程、第2工程、第3工程は、本発明(I)の酢酸製造用触媒の製造方法の同様であり、その詳細は前述のとおりである。
【0065】
以下、本発明(II)の第4工程について説明する。本発明(II)の第4工程は、(b)ヘテロポリ酸及び/又はその塩から選ばれた少なくとも1種の化合物及び(c)周期律表の14族元素、15族元素及び16族元素からなる群から選ばれた少なくとも1種の元素を含む化合物を担持して酢酸製造用触媒を得る工程である。
【0066】
本発明(II)に用いられる(a)金属パラジウム、及び(b)ヘテロポリ酸及び/またはそれらの塩から選ばれた少なくとも1種の化合物としては、本発明(I)に用いられる原料と同様である。また担体についても本発明(I)と同様である。
【0067】
本発明(II)で用いられる(c)周期律表の14族元素、15族元素及び16族元素とは、具体的にはスズ、鉛、アンチモン、ビスマス、セレン及びテルル等を指す。好ましくはビスマス、セレン、テルルである。
【0068】
本発明(II)の触媒の製造に用いられる、(c)周期律表の14族元素、15族元素及び16族元素よりなる群から選ばれた少なくとも1種の元素を含む化合物の例としては、該元素そのもの、あるいは該元素を含有するハロゲン化物、硝酸塩、酢酸塩等が挙げられる。具体的には、塩化スズ、酢酸スズ、塩化鉛、塩化アンチモン、塩化ビスマス、酢酸スズ、酢酸鉛、硝酸鉛、塩化セレン、酸化セレン、セレン酸(H2SeO6)及びその塩類、亜セレン酸(H2SeO3)及びその塩類、金属セレン、テルル、酸化テルル、テルル酸(H6TeO6)及びその塩類、亜テルル酸(H2TeO3)及びその塩類、金属テルル等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
【0069】
(b)ヘテロポリ酸及び/又はその塩から選ばれた少なくとも1種の化合物及び(c)周期律表の14族元素、15族元素及び16族元素からなる群から選ばれた少なくとも1種の元素を含む化合物の担体への担持方法には、特に制限はない。いかなる方法で行っても良く、水またはアセトンなどの適当な溶媒や塩酸、硝酸、酢酸溶液などの無機酸、有機酸に溶解し、これに担体を含浸した後、乾燥するなどの方法で担体に担持することが可能である。また、含浸法、蒸発乾固法、混練法、スプレー法等の手段が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0070】
また、(b)ヘテロポリ酸及び/又はその塩から選ばれた少なくとも1種の化合物及び(c)周期律表の14族元素、15族元素及び16族元素からなる群から選ばれた少なくとも1種の元素を含む化合物の担体への担持の順に特に制限はない。(b)を先に担持した後(c)を担持しても、その逆でも良く、更には(b)(c)を同時に担持しても良い。
【0071】
本発明(II)の製造方法で製造される酢酸製造用触媒において、(a)金属パラジウムと(b)ヘテロポリ酸及び/またはその塩から選ばれた少なくとも1種の化合物、及び(c)周期律表の14族元素、15族元素及び/又は16族元素からなる群から選ばれた少なくとも1種の元素(a)(b)(c)の組成比は、(a)1グラム原子:(b)0.025グラム分子〜500グラム分子:(c)0.005グラム原子〜10グラム原子が好ましく、特に(a)1グラム原子:(b)0.1グラム分子〜400グラム分子:(c)0.01グラム原子〜5グラム原子がより好ましい。
【0072】
また担体に対するヘテロポリ酸及び/またはその塩の担持量は、担体の粒径及び細孔構造に依存して変化するが、担体に対して5重量%〜200重量%の範囲内であるのが好ましく、より好ましくは10重量%〜100重量%の範囲である。ここで担体に対する重量%とは、ヘテロポリ酸及び/またはその塩の重量を担体の重量で割った値を意味する。
【0073】
次に本発明(III)の酢酸製造用触媒について説明する。本発明(III)は、(a)金属パラジウムと(b)ヘテロポリ酸及び/又はその塩から選ばれた少なくとも1種の化合物と(c)周期律表の14族元素、15族元素及び16族元素からなる群から選ばれた少なくとも1種の元素とが担体上に保持されている触媒の存在下に、エチレンと酸素とを気相で反応させる酢酸の製造方法に用いる触媒の製造方法において、該触媒の製造工程が以下の第1工程〜第4工程からなることを特徴とする酢酸製造用触媒の製造方法である。
【0074】
第1工程
触媒担体に、水溶性パラジウム化合物及び(c)周期律表の14族元素、15族元素及び16族元素からなる群から選ばれた少なくとも1種の元素を含む化合物の溶液を含浸し、水溶性パラジウム化合物含浸担体を得る工程。
【0075】
第2工程
第1工程で得た含浸担体を、水溶性パラジウム化合物と反応して担体上に水不溶性パラジウム化合物を担持させることができるバリウム塩の溶液と接触させ、水不溶性パラジウム化合物含浸担体を得る工程。
【0076】
第3工程
第2工程で得た含浸担体に担持されたパラジウム化合物を、還元剤でパラジウム金属に還元して、(a)金属パラジウム担持担体を得る工程。
【0077】
第4工程
第3工程で得た金属パラジウム担持担体に、(b)ヘテロポリ酸及び/又はその塩から選ばれた少なくとも1種の化合物を含む化合物を担持して酢酸製造用触媒を得る工程。
【0078】
本発明(III)の酢酸製造用触媒の製造方法は、本発明(I)の酢酸製造用触媒の製造方法の第1工程において、水溶性パラジウム塩と(c)周期律表の14族元素、15族元素及び16族元素からなる群から選ばれた少なくとも1種の元素を含む化合物とを担体に含浸させるものであり、その他の工程、即ち、第2工程、第3工程、第4工程は本発明(I)と同様である。水溶性パラジウム塩と(c)周期律表の14族元素、15族元素及び16族元素からなる群から選ばれた少なくとも1種の元素を含む化合物との含浸を行う順に特に制限はない。水溶性パラジウム塩を先に含浸した後(c)を含浸しても、その逆でも良く、更には水溶性パラジウム塩と(c)を同時に含浸しても良い。
【0079】
本発明(III)に用いられる(c)周期律表の14族元素、15族元素及び16族元素とは、具体的にはスズ、鉛、アンチモン、ビスマス、セレン及びテルル等を指す。好ましくはビスマス、セレン、テルルである。
【0080】
本発明(III)に用いられる、(c)周期律表の14族元素、15族元素及び16族元素よりなる群から選ばれた少なくとも1種の元素を含む化合物の例としては、該元素そのもの、あるいは該元素を含有するハロゲン化物、硝酸塩、酢酸塩等が挙げられる。具体的には、塩化スズ、酢酸スズ、塩化鉛、塩化アンチモン、塩化ビスマス、酢酸スズ、酢酸鉛、硝酸鉛、塩化セレン、酸化セレン、セレン酸(H2SeO6)及びその塩類、亜セレン酸(H2SeO3)及びその塩類、金属セレン、テルル、酸化テルル、テルル酸(H6TeO6)及びその塩類、亜テルル酸(H2TeO3)及びその塩類、金属テルル等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
【0081】
本発明(III)の製造方法で製造される酢酸製造用触媒において、(a)金属パラジウムと(b)ヘテロポリ酸及び/またはその塩から選ばれた少なくとも1種の化合物、及び(c)周期律表の14族元素、15族元素及び16族元素からなる群から選ばれた少なくとも1種の元素を含有する触媒の(a)(b)(c)の組成比は、(a)1グラム原子:(b)0.025グラム分子〜500グラム分子:(c)0.005グラム原子〜10グラム原子が好ましく、特に(a)1グラム原子:(b)0.1グラム分子〜400グラム分子:(c)0.01グラム原子〜5グラム原子がより好ましい。
【0082】
また担体に対するヘテロポリ酸及び/またはその塩の担持量は、担体の粒径及び細孔構造に依存して変化するが、担体に対して5重量%〜200重量%の範囲内であるのが好ましく、より好ましくは10重量%〜100重量%の範囲である。ここで担体に対する重量%とは、ヘテロポリ酸及び/またはその塩の重量を担体の重量で割った値を意味する。
【0083】
本発明(IV)は、本発明(I)〜(III)の酢酸製造用触媒の製造方法において、第1工程の際に、水溶性パラジウム化合物もしくは、水溶性パラジウム化合物及び(c)周期律表の14族元素、15族元素及び16族元素からなる群から選ばれた少なくとも1種の元素を含む化合物とともに、(d)周期律表の6族元素、7族元素、8族元素、9族元素、10族元素、11族元素及び12族元素からなる群から選ばれた少なくとも1種の元素を含む化合物を含浸することを特徴とする酢酸製造用触媒の製造方法である。
【0084】
本発明(IV)で用いられる(d)周期律表の6族元素、7族元素、8族元素、9族元素、10族元素、11族元素、及び12族元素からなる群から選ばれた少なくとも1種の元素とは、具体的には、クロム、レニウム、ルテニウム、ロジウム、ニッケル、金及び亜鉛等の元素を指す。好適にはクロム、金、亜鉛があげられる。
【0085】
また本発明(IV)の触媒の製造に用いられる、(d)周期律表の6族元素、7族元素、8族元素、9族元素、10族元素、11族元素、及び12族元素よりなる群から選ばれた少なくとも1種の元素を含む化合物の例としては、該元素そのもの、あるいは該元素を含有するハロゲン化物、硝酸塩、酢酸塩等が挙げられる。具体的には、塩化クロム、塩化ルテニウム、塩化ロジウム、塩化金酸、塩化亜鉛などの塩化物塩、酢酸クロム、酢酸亜鉛、酢酸ニッケルなどの酢酸塩、硝酸クロム、硝酸亜鉛、硝酸ニッケルなどの硝酸塩等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
【0086】
本発明(IV)の製造方法において、水溶性パラジウム化合物の水溶液、(c)周期律表の14族元素、15族元素及び16族元素からなる群から選ばれた少なくとも1種の元素を含む化合物の溶液、及び(d)周期律表の6族元素、7族元素、8族元素、9族元素、10族元素、11族元素及び12族元素からなる群から選ばれた少なくとも1種の元素を含む化合物の溶液の担体への含浸を行う順番には特に制限はなく、いかなる順番で行っても良い。また、それぞれ独立に行っても良いし、任意の二成分を同時に、或いは三成分を同時に行っても良い。
(c)又は(d)の担体への担持方法には、特に制限はない。いかなる方法で行っても良く、水またはアセトンなどの適当な溶媒や塩酸、硝酸、酢酸溶液などの無機酸、有機酸に溶解し、これに担体を含浸した後、乾燥するなどの方法で担体に担持することが可能である。また、含浸法、蒸発乾固法、混練法、スプレー法等の手段が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0087】
本発明(IV)の製造方法で製造される酢酸製造用触媒において、(a)金属パラジウム、(b)ヘテロポリ酸及び/またはその塩から選ばれた少なくとも1種の化合物、及び(d)周期律表の6族元素、7族元素、8族元素、9族元素、10族元素、11族元素、及び12族元素からなる群から選ばれた少なくとも1種の元素からなる三成分系の場合の(a)(b)(d)の組成比は、(a)1グラム原子:(b)0.025グラム分子〜500グラム分子:(d)0.005グラム原子〜10グラム原子が好ましく、特に(a)1グラム原子:(b)0.1グラム分子〜400グラム分子:(d)0.01グラム原子〜5グラム原子においてより好ましい結果を与える。
【0088】
また、(a)金属パラジウム、(b)ヘテロポリ酸及び/またはその塩から選ばれた少なくとも1種の化合物、(c)周期律表の14族元素、15族元素及び16族元素からなる群から選ばれた少なくとも1種の元素、及び(d)周期律表の6族元素、7族元素、8族元素、9族元素、10族元素、11族元素及び12族元素からなる群から選ばれた少なくとも1種の元素からなる四成分系の場合の(a)(b)(c)(d)の組成比は、(a)1グラム原子:(b)0.025グラム分子〜500グラム分子:(c)0.005グラム原子〜10グラム原子:(d)0.005グラム原子〜10グラム原子が好ましく、特に(a)1グラム原子:(b)0.1グラム分子〜400グラム分子:(c)0.01グラム原子〜5グラム原子(d)0.01グラム原子〜5グラム原子においてより好ましい結果を与える。
【0089】
また担体に対するヘテロポリ酸及び/またはその塩の担持量は、担体の粒径及び細孔構造に依存して変化するが、担体に対して、5重量%〜200重量%の範囲内であるのが好ましく、さらに、好ましくは、10重量%〜100重量%の範囲である。ここで担体に対する重量%とは、ヘテロポリ酸及び/またはその塩の重量を担体の重量で割った値を意味する。
【0090】
最後に本発明(V)について説明する。本発明(V)は、本発明(I)〜本発明(IV)のいずれかに記載の製造方法による酢酸製造用触媒を用いた、エチレンと酸素から気相一段反応で酢酸を合成する酢酸の製造方法である。
【0091】
本発明(V)の酢酸の製造方法において、エチレンと酸素を反応させて、酢酸を製造する際の反応温度に特に制限はない。好ましくは100℃〜300℃であり、更に好ましくは120℃〜250℃である。また、反応圧力は設備の点から0.0MPa(ゲージ圧)〜3.0MPa(ゲージ圧)であることが実用上有利であるが、特に制限はない。より好ましくは0.1MPa(ゲージ圧)〜1.5MPa(ゲージ圧)の範囲である。
【0092】
本発明(V)の酢酸の製造方法おいて、反応系に供給するガスは、エチレンと酸素を含み、更に必要に応じて窒素、二酸化炭素または稀ガスをなどを希釈剤として使用することもできる。
【0093】
かかる供給ガス全量に対して、エチレンは5容量%〜80容量%、好ましくは8容量%〜50容量%の割合となる量で、酸素は1容量%〜15容量%、好ましくは3容量%〜10容量%の割合となる量で、反応系に供給される。
【0094】
また、この反応系においては、水を反応系内に存在させると、酢酸生成活性と選択率の向上および触媒の活性維持に著しく効果がある。水蒸気は反応ガス中に1容量%〜50容量%含まれるのが好適であるが、好ましくは5容量%〜40容量%である。
【0095】
本発明(V)の酢酸の製造方法を実施するに当り、原料エチレンとして高純度のものを用いることが好ましいが、メタン、エタン、プロパン等の低級飽和炭化水素が混入しても差し支えない。また、酸素は窒素、炭酸ガス等の不活性ガスで希釈されたもの、例えば、空気の形でも供給できるが、反応ガスを循環させる場合には,一般に高濃度,好適には99%以上の酸素を用いる方が有利である。
【0096】
反応混合ガスは、標準状態において、空間速度(SV)10Hr-1〜10000Hr-1、特に300Hr-1〜5000Hr-1で触媒に通すのが好ましい。
【0097】
反応形式としては、特に制限はなく、公知の方法、例えば固定床、流動床などの形式を採り得る。好ましくは、耐蝕性を有する反応管に前述の触媒を充填した固定床を採用することが、実用上有利である。
【0098】
以下に実施例により本発明を説明をさらに具体的に説明するが、これらの実施例は本発明の概要を示すもので、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0099】
【実施例】
〔実施例1〕
工程(1):パラジウム塩の含浸
粒子直径4mm〜6mmを有する球状シリカ担体[ズードヘミー社製:KA−1](69g)を、テトラクロロパラジウム酸ナトリウム[田中貴金属製:Na2PdCl4](3.8g)の水溶液(45ml)へ含浸した。添加は一回で行い、混合物は、溶液が十分に吸収されるまで(約2分間)静かに撹拌回転させた。含浸の後、湿含浸担体を室温で1時間静置した。
【0100】
工程(2):沈殿
水酸化バリウム8水和物[和光純薬製:Ba(OH)2・8H2O](8.4g)の水溶液(100ml)を工程(1)で得られた湿含浸担体に急速に添加して水溶性パラジウム化合物を水不溶性パラジウムに変換した。混合物を大ざっぱに撹拌回転し、ついで静かに20時間放置した。
【0101】
工程(3):還元
工程(2)からの混合物に、98%ヒドラジン1水和物[和光純薬製:N24・H2O]溶液(5ml)を加え、還元剤処理することにより工程(2)で形成された水不溶性パラジウム化合物をパラジウムの金属に変換した。ついで、混合物を静かに撹拌回転し、ついで20時間静置した。
【0102】
工程(4)洗浄
水相をデカントして除去し、ついで工程(3)の生成物を水(500ml)で4回洗浄し、洗浄の後にデカントした。得られた生成物をストップコック付きのガラスカラムに移し、ついで水洗浄液が硝酸銀テストで塩化物がなくなるまで、およそ1時間当たり1.5リットルの速度で更に水洗した。
【0103】
工程(5):乾燥
工程(4)からの生成物をオーブン中にて空気下110℃で4時間乾燥し、ついでデシケーター中で一晩放置した。
【0104】
工程(6):ヘテロポリ酸またはその塩の担持
工程(5)で得られた生成物にケイタングステン酸n水和物(日本無機化学工業製:H4SiW1240・nH2O:n=20〜30水和物)(24g)の水溶液(45ml)で含浸した。添加は一回で行い、混合物は、溶液が十分に吸収されるまで(約3分間)静かに撹拌回転させた。含浸の後、湿含浸担体を室温で1時間静置した。ついでオーブン中にて空気下110℃で4時間乾燥し、ついでデシケーター中で一晩放置した。これにより酢酸製造用触媒1を得た。
【0105】
〔比較例1〕
実施例1の工程(2)において水酸化バリウム8水和物の代わりにメタケイ酸ナトリウム9水和物[和光純薬製:Na2SiO3・9H2O](7.6g)を使用した以外は、実施例1により製造された。これにより酢酸製造用触媒2を得た。
【0106】
〔実施例2〕
工程(1)〜工程(5)は実施例1と同様に操作し、工程(6)以降で以下の操作を行った。
【0107】
工程(6):ヘテロポリ酸またはその塩の担持及び周期律表14族元素、15族元素および16族元素の担持
工程(5)で得られた生成物にケイタングステン酸n水和物(日本無機化学工業製:H4SiW1240・nH2O:n=20〜30水和物)(24g)とテルル酸(0.30g)の水溶液(45ml)で含浸した。添加は一回で行い、混合物は、溶液が十分に吸収されるまで(約3分間)静かに撹拌回転させた。含浸の後、湿含浸担体を室温で1時間静置した。ついでオーブン中にて空気下110℃で4時間乾燥し、ついでデシケーター中で一晩放置した。これにより酢酸製造用触媒3を得た。
【0108】
〔実施例3、4〕
実施例2の工程(6)においてテルル酸の代わりに、表1記載の化合物を用いた以外は、実施例2と同様に操作して、酢酸製造用触媒4,5を得た。
【0109】
【表1】
Figure 0004218122
【0110】
〔比較例2〜4〕
実施例2の工程(2)において水酸化バリウム8水和物の代わりにメタケイ酸ナトリウム9水和物[和光純薬製:Na2SiO3・9H2O](7.6g)を使用し、工程(6)において表2記載の化合物を用いた以外は、実施例2により製造された。これにより酢酸製造用触媒6、7、8を得た。
【0111】
【表2】
Figure 0004218122
【0112】
〔実施例5〕
工程(1)〜工程(5)は実施例1と同様に操作し、工程(6)以降で以下の操作を行った。
【0113】
工程(6):周期律表14族元素、15族元素および16族元素の担持
工程(5)で得られた生成物に亜テルル酸ナトリウム[和光純薬製:Na2TeO3](0.30g)の水溶液で含浸した。混合物を全ての液体が吸収されるまで攪拌し、ついで触媒をオーブン中にて110℃で4時間乾燥した。
【0114】
工程(7):ヘテロポリ酸またはその塩の担持
工程(5)で得られた生成物にケイタングステン酸n水和物(日本無機化学工業製:H4SiW1240・nH2O:n=20〜30水和物)(24g)の水溶液(45ml)で含浸した。添加は一回で行い、混合物は、溶液が十分に吸収されるまで(約3分間)静かに撹拌回転させた。含浸の後、湿含浸担体を室温で1時間静置した。ついでオーブン中にて空気下110℃で4時間乾燥し、ついでデシケーター中で一晩放置した。これにより酢酸製造用触媒9を得た。
【0115】
〔実施例6,7〕
実施例5の工程(6)において亜テルル酸ナトリウムの代わりに、表3記載の化合物を用いた以外は、実施例5と同様に操作して、酢酸製造用触媒10〜11を得た。
【0116】
【表3】
Figure 0004218122
【0117】
〔比較例5,6,7〕
実施例5の工程(2)において水酸化バリウム8水和物の代わりにメタケイ酸ナトリウム9水和物[和光純薬製:Na2SiO3・9H2O](7.6g)を使用し、工程(6)において表4記載の化合物を用いた以外は、実施例5により製造された。これにより酢酸製造用触媒12,13,14を得た。
【0118】
【表4】
Figure 0004218122
【0119】
〔実施例8〕
工程(1):パラジウム塩の含浸
粒子直径4mm〜6mmを有する球状シリカ担体[ズードヘミー社製:KA−1](69g)を、テトラクロロパラジウム酸ナトリウム[田中貴金属製:Na2PdCl4](3.8g)及び塩化亜鉛[和光純薬製:ZnCl2](0.14g)の水溶液(45ml)へ含浸した。添加は一回で行い、混合物は、溶液が十分に吸収されるまで(約2分間)静かに撹拌回転させた。含浸の後、湿含浸担体を室温で1時間静置した。
【0120】
工程(2):沈殿
水酸化バリウム8水和物[和光純薬製:Ba(OH)2・8H2O](8.4g)の水溶液(100ml)を湿含浸担体に急速に添加して水溶性パラジウム化合物を水不溶性パラジウムに変換した。混合物を大ざっぱに撹拌回転し、ついで静かに20時間放置した。
【0121】
工程(3):還元
工程(2)からの混合物に、98%ヒドラジン1水和物[和光純薬製:N24・H2O]溶液(5ml)を加え、還元剤処理することにより工程(2)で形成された水不溶性パラジウム化合物をパラジウムの金属に変換した。ついで、混合物を静かに撹拌回転し、ついで20時間静置した。
【0122】
工程(4)洗浄
水相をデカントして除去し、ついで工程(3)の生成物を水(500ml)で4回洗浄し、洗浄の後にデカントした。得られた生成物をストップコック付きのガラスカラムに移し、ついで水洗浄液が硝酸銀テストで塩化物がなくなるまで、およそ1時間当たり1.5リットルの速度で更に水洗した。
【0123】
工程(5):乾燥
工程(4)からの生成物をオーブン中にて空気下110℃で4時間乾燥し、ついでデシケーター中で一晩放置した。
【0124】
工程(6):周期律表14族元素、15族元素および16族元素の担持
工程(5)で得られた生成物に亜テルル酸ナトリウム(0.23g)gの水溶液で含浸した。混合物を全ての液体が吸収されるまで攪拌し、ついで触媒をオーブン中にて110℃で4時間乾燥した。
【0125】
工程(7):ヘテロポリ酸またはその塩の担持
工程(5)で得られた生成物にケイタングステン酸n水和物(日本無機化学工業製:H4SiW1240・nH2O:n=20〜30水和物)(24g)の水溶液(45ml)で含浸した。添加は一回で行い、混合物は、溶液が十分に吸収されるまで(約3分間)静かに撹拌回転させた。含浸の後、湿含浸担体を室温で1時間静置した。ついでオーブン中にて空気下110℃で4時間乾燥し、ついでデシケーター中で一晩放置した。これにより酢酸製造用触媒15を得た。
【0126】
〔実施例9,10〕
実施例8の工程(1)において塩化亜鉛の代わりに、表5記載の化合物を用いた以外は、実施例8と同様に操作して、酢酸製造用触媒16,17を得た。
【0127】
【表5】
Figure 0004218122
【0128】
〔比較例8,9,10〕
実施例8の工程(2)において水酸化バリウム8水和物の代わりにメタケイ酸ナトリウム9水和物[和光純薬製:Na2SiO3・9H2O](7.6g)を使用し、工程(1)において表6記載の化合物を用いた以外は、実施例8により製造された。これにより酢酸製造用触媒18,19,20を得た。
【0129】
【表6】
Figure 0004218122
【0130】
実施例11〜20:触媒活性試験方法
触媒活性試験は、各酢酸製造用触媒18.5gをSUS316製反応管(内径25mm)に充填し、触媒床の反応ピーク温度200℃、反応圧力0.8MPa(ゲージ圧)でエチレン、酸素、水、窒素の容量比が10:6:25:59の割合に混合したガス供給を空間速度1800h-1にて導入し反応を行った。生成したガスを冷却し、凝縮した反応捕集液をガスクロマトグラフィー(島津科学(株)、GC−14B、FID)にて分析した。
【0131】
触媒の活性度を、時間当たりの触媒リットル当たりで製造された酢酸のグラム(空間時間収率、STY)として計算し、触媒の選択率を、生成物中に存在する変換エチレンのパーセントとして計算した。
【0132】
反応結果を表7に示す。
【0133】
【表7】
Figure 0004218122
【0134】
〔比較例11〜20〕
比較例1〜10において得た酢酸製造用触媒を用いた他は、実施例11〜20と同様の方法で反応を行った。
【0135】
反応結果を表8に示す。
【0136】
【表8】
Figure 0004218122
【0137】
【発明の効果】
エチレンと酸素から酢酸の製造を達成するのに本発明の触媒、すなわち(a)パラジウム金属、および(b)ヘテロポリ酸及び/またはそれらの塩から選ばれた少なくとも1種の化合物の製造につき、従来の製造方法に比較して失活しがたい、従って、生産性の高い触媒が、触媒の製造過程で、バリウム塩を沈殿剤として使用して触媒担体上に水不溶性パラジウム化合物を沈殿することにより得られる。

Claims (8)

  1. (a)金属パラジウムと(b)ヘテロポリ酸及び/又はその塩から選ばれた少なくとも1種の化合物とが担体上に保持されている触媒の存在下に、エチレンと酸素とを気相で反応させること酢酸の製造方法に用いる触媒の製造方法において、該触媒の製造工程が以下の第1工程〜第4工程からなることを特徴とする酢酸製造用触媒の製造方法。
    第1工程
    触媒担体に、水溶性パラジウム化合物の水溶液を含浸し、水溶性パラジウム化合物含浸担体を得る工程。
    第2工程
    第1工程で得た含浸担体を、水酸化バリウムの溶液と接触させ、水不溶性パラジウム化合物含浸担体を得る工程。
    第3工程
    第2工程で得た含浸担体に担持されたパラジウム化合物を、還元剤でパラジウム金属に還元して、(a)金属パラジウム担持担体を得る工程。
    第4工程
    第3工程で得た(a)金属パラジウム担持担体に、(b)ヘテロポリ酸及び/又はその塩から選ばれた少なくとも1種の化合物を担持して酢酸製造用触媒を得る工程。
  2. (a)金属パラジウムと(b)ヘテロポリ酸及び/又はその塩から選ばれた少なくとも1種の化合物と(d)周期律表の6族元素、7族元素、8族元素、9族元素、10族元素、11族元素及び12族元素からなる群から選ばれた少なくとも1種の元素とが担体上に保持されている触媒の存在下に、エチレンと酸素とを気相で反応させる酢酸の製造方法に用いる触媒の製造方法において、該触媒の製造工程が以下の第1工程〜第4工程からなることを特徴とする、酢酸製造用触媒の製造方法。
    第1工程
    触媒担体に、水溶性パラジウム化合物の水溶液、及び(d)周期律表の6族元素、7族元素、8族元素、9族元素、10族元素、11族元素及び12族元素からなる群から選ばれた少なくとも1種の元素を含む化合物の溶液を含浸し、水溶性パラジウム化合物含浸担体を得る工程。
    第2工程
    第1工程で得た含浸担体を、水酸化バリウムの溶液と接触させ、水不溶性パラジウム化合物含浸担体を得る工程。
    第3工程
    第2工程で得た含浸担体に担持されたパラジウム化合物を、還元剤でパラジウム金属に還元して、(a)金属パラジウム担持担体を得る工程。
    第4工程
    第3工程で得た(a)金属パラジウム担持担体に、(b)ヘテロポリ酸及び/又はその塩から選ばれた少なくとも1種の化合物を担持して酢酸製造用触媒を得る工程。
  3. (a)金属パラジウムと(b)ヘテロポリ酸及び/又はその塩から選ばれた少なくとも1種の化合物と(c)周期律表の14族元素、15族元素及び16族元素からなる群から選ばれた少なくとも1種の元素とが担体上に保持されている触媒の存在下に、エチレンと酸素とを気相で反応させる酢酸の製造方法に用いる触媒の製造方法において、該触媒の製造工程が以下の第1工程〜第4工程からなることを特徴とする酢酸製造用触媒の製造方法。
    第1工程
    触媒担体に、水溶性パラジウム化合物の水溶液を含浸し、水溶性パラジウム化合物含浸担体を得る工程。
    第2工程
    第1工程で得た含浸担体を、水酸化バリウムの溶液と接触させ、水不溶性パラジウム化合物含浸担体を得る工程。
    第3工程
    第2工程で得た含浸担体に担持されたパラジウム化合物を、還元剤でパラジウム金属に還元して、(a)金属パラジウム担持担体を得る工程。
    第4工程
    第3工程で得た(a)金属パラジウム担持担体に、(b)ヘテロポリ酸及び/又はその塩から選ばれた少なくとも1種の化合物、及び(c)周期律表の14族元素、15族元素及び16族元素からなる群から選ばれた少なくとも1種の元素を含む化合物を担持して酢酸製造用触媒を得る工程。
  4. (a)金属パラジウムと(b)ヘテロポリ酸及び/又はその塩から選ばれた少なくとも1種の化合物と(c)周期律表の14族元素、15族元素及び16族元素からなる群から選ばれた少なくとも1種の元素と(d)周期律表の6族元素、7族元素、8族元素、9族元素、10族元素、11族元素及び12族元素からなる群から選ばれた少なくとも1種の元素とが担体上に保持されている触媒の存在下に、エチレンと酸素とを気相で反応させる酢酸の製造方法に用いる触媒の製造方法において、該触媒の製造工程が以下の第1工程〜第4工程からなることを特徴とする酢酸製造用触媒の製造方法。
    第1工程
    触媒担体に、水溶性パラジウム化合物の水溶液、及び(d)周期律表の6族元素、7族元素、8族元素、9族元素、10族元素、11族元素及び12族元素からなる群から選ばれた少なくとも1種の元素を含む化合物の溶液を含浸し、水溶性パラジウム化合物含浸担体を得る工程。
    第2工程
    第1工程で得た含浸担体を、水酸化バリウムの溶液と接触させ、水不溶性パラジウム化合物含浸担体を得る工程。
    第3工程
    第2工程で得た含浸担体に担持されたパラジウム化合物を、還元剤でパラジウム金属に還元して、(a)金属パラジウム担持担体を得る工程。
    第4工程
    第3工程で得た(a)金属パラジウム担持担体に、(b)ヘテロポリ酸及び/又はその塩から選ばれた少なくとも1種の化合物、及び(c)周期律表の14族元素、15族元素及び16族元素からなる群から選ばれた少なくとも1種の元素を含む化合物を担持して酢酸製造用触媒を得る工程。
  5. (a)金属パラジウムと(b)ヘテロポリ酸及び/又はその塩から選ばれた少なくとも1種の化合物と(c)周期律表の14族元素、15族元素及び16族元素からなる群から選ばれた少なくとも1種の元素とが担体上に保持されている触媒の存在下に、エチレンと酸素とを気相で反応させる酢酸の製造方法に用いる触媒の製造方法において、該触媒の製造工程が以下の第1工程〜第4工程からなることを特徴とする酢酸製造用触媒の製造方法。
    第1工程
    触媒担体に、水溶性パラジウム化合物の水溶液、及び(c)周期律表の14族元素、15族元素及び16族元素からなる群から選ばれた少なくとも1種の元素を含む化合物の溶液を含浸し、水溶性パラジウム化合物含浸担体を得る工程。
    第2工程
    第1工程で得た含浸担体を、水酸化バリウムの溶液と接触させ、水不溶性パラジウム化合物含浸担体を得る工程。
    第3工程
    第2工程で得た含浸担体に担持されたパラジウム化合物を、還元剤でパラジウム金属に還元して、(a)金属パラジウム担持担体を得る工程。
    第4工程
    第3工程で得た(a)金属パラジウム担持担体に、(b)ヘテロポリ酸及び/又はその塩から選ばれた少なくとも1種の化合物を担持して酢酸製造用触媒を得る工程。
  6. (a)金属パラジウムと(b)ヘテロポリ酸及び/又はその塩から選ばれた少なくとも1種の化合物と(c)周期律表の14族元素、15族元素及び16族元素からなる群から選ばれた少なくとも1種の元素と(d)周期律表の6族元素、7族元素、8族元素、9族元素、10族元素、11族元素及び12族元素からなる群から選ばれた少なくとも1種の元素とが担体上に保持されている触媒の存在下に、エチレンと酸素とを気相で反応させる酢酸の製造方法に用いる触媒の製造方法において、該触媒の製造工程が以下の第1工程〜第4工程からなることを特徴とする酢酸製造用触媒の製造方法。
    第1工程
    触媒担体に、水溶性パラジウム化合物の水溶液、(c)周期律表の14族元素、15族元素及び16族元素からなる群から選ばれた少なくとも1種の元素を含む化合物の溶液、及び(d)周期律表の6族元素、7族元素、8族元素、9族元素、10族元素、11族元素及び12族元素からなる群から選ばれた少なくとも1種の元素を含む化合物の溶液を含浸し、水溶性パラジウム化合物含浸担体を得る工程。
    第2工程
    第1工程で得た含浸担体を、水酸化バリウムの溶液と接触させ、水不溶性パラジウム化合物含浸担体を得る工程。
    第3工程
    第2工程で得た含浸担体に担持されたパラジウム化合物を、還元剤でパラジウム金属に還元して、(a)金属パラジウム担持担体を得る工程。
    第4工程
    第3工程で得た(a)金属パラジウム担持担体に、(b)ヘテロポリ酸及び/又はその塩から選ばれた少なくとも1種の化合物を担持して酢酸製造用触媒を得る工程。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法で得た酢酸製造用触媒の存在下、エチレンと酸素とを気相で反応させることを特徴とする酢酸の製造方法。
  8. 請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法で得た酢酸製造用触媒の存在下、エチレンと酸素とを気相で水の存在下に反応させることを特徴とする酢酸の製造方法。
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