JP3227012B2 - ハロゲン化銀カラー写真感光性材料 - Google Patents

ハロゲン化銀カラー写真感光性材料

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JP3227012B2 JP08084293A JP8084293A JP3227012B2 JP 3227012 B2 JP3227012 B2 JP 3227012B2 JP 08084293 A JP08084293 A JP 08084293A JP 8084293 A JP8084293 A JP 8084293A JP 3227012 B2 JP3227012 B2 JP 3227012B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の技術分野】本発明は、DIR[現像抑制剤放
出(Development Inhibitor Releasing)]カプラーおよ
び黄色染料形成カプラーを含有するハロゲン化銀カラー
写真感光材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】カラー再生用に減色法を用いるカラー写
真感光材料が、青色、緑色および赤色光に選択的に感光
するハロゲン化銀エマルジョン層とともに、酸化された
第1級アミンタイプのカラー現像主薬との反応で、その
補色を形成する黄色のマジェンタおよびシアン染料カプ
ラーを含むことは周知である。例えば、アセトアニリド
またはピバロアセトアニリドタイプのカプラーは、黄色
のカラー画像を形成するために用いられ; ピラゾロ
ン、ピラゾロトリアゾール、シアンアセトフェノンまた
はインダゾロンタイプのカプラーは、マジェンタカラー
画像を形成するために用いられ; フェノールタイプの
カプラー、例えば、フェノールまたはナフトールカプラ
ーは、シアンカラー画像を形成するために用いられる。
【0003】一般に、黄色カラー形成カプラーは、活性
メチレン基の水素原子の一つが放出可能な原子または原
子団で置換されている化学構造を有する。このような、
放出可能な原子および原子団の例としては、米国特許N
o.3,277,155に記載されたようなフッ素原子、米国特許N
o. 3,408,194に記載されたようなフェノキシ基、米国特
許No. 3,447,928に記載されたようなアシルオキシ基、
米国特許No. 3,415,652に記載されたようなスルフォキ
シ基、米国特許No. 3,730,722に記載されたようなサッ
カリン構造を有する原子団、ならびに米国特許Nos. 3,9
73,966、4,022,620、4,404,274および4,777,123に記載
されたようなヒダントイニル基が挙げられる。
【0004】カラー現像主薬の酸化生成物との反応で現
像中に現像抑制剤を放出することのできる化合物を感光
性カラー写真材料に包含させることも公知である。前記
化合物の典型的な例としては、カプラーから放出された
場合に、カプラーのカップリング位置に現像抑制性を導
入する原子団を有するDIR(現像抑制剤放出)カプラ
ーが挙げられる。DIRカプラーの例は、C.R. Barr,
J.R. ThiritleおよびP.W. Wittumにより、Photographic
Science and Eng. vol.13, pp 74〜80(1969)およびibi
d. pp 214〜217(1969)または米国特許Nos. 3,227,554、
3,615,506、3,617,291、3,701,783、3,933,500および4,
149,886に記載されている。
【0005】DIRカプラーの目的は、粒状性(grainin
es)を低減し、層内または画像内、(すなわち、同一層
または同一染料画像)効果による画像の鮮明性を向上さ
せ、層間または画像間(すなわち、異なる層または異な
る染料画像)効果によるカラー再生を向上させることで
ある。
【0006】DIRカプラーの内、ベンゾトリアゾール
現像抑制剤原子団を有するものは、米国特許Nos. 3,61
7,291、4,145,219および4,477,563、英国特許出願2,01
0,818ならびにEP特許出願Nos. 101,621および320,691に
記載されている。
【0007】EP特許出願No. 356,925には、調時隣接基
放出機構[timing anchimeric release mechanism(DI
AR)機構]により現像された抑制部位を放出すること
のできる特定のDIRカプラーと、カップリングオフ(c
oupling off)される原子団として、フェノキシ基または
ヘテロ環を含む特定のアルコキシベンゾイルアセトアニ
リド黄色染料形成カプラーとの組み合わせが記載されて
いる。この組み合わせは、所望の画像間効果と所望の反
応性の整合とを向上させるために有用であると記載され
ている。
【0008】特開平02-250,053には、マロノジアニリド
DIRまたはDIARカプラーとベンゾイルアセトニト
リド黄色カプラーとの組み合わせが記載されている。記
載されたその中のDIRカプラーは、カップリング活性
部位に1個の窒素原子を介してまたはベンゾトリアゾー
ル基の2−窒素原子を介して結合したベンゾトリアゾー
ル基を有するものが含まれている。このベンゾトリアゾ
ール基は、4位と7位には、いずれの置換も有しない。
この組み合わせは、改良された画像間効果を与えるとし
て、上記特許に記載されている。
【0009】DIRカプラーと黄色染料形成カプラーと
の組み合わせは、英国特許出願2,099,167および米国特
許出願4,022,620とに記載されている。しかし、このよ
うな黄色染料形成カプラーとDIRカプラーとの組み合
わせでは、反応性における所望の整合性と所望の画像間
効果を提供することは見い出されていない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】したがって、画像間効
果を向上させることが可能なDIRカプラーと、黄色染
料形成カプラーとの組み合わせを提供する必要性が継続
している。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、(a) カップ
リング活性部位に、4,7−ジハロゲン−2−ベンゾト
リアゾール基を結合したジアシルアミノメチレン現像抑
制剤放出カプラーと、(b) 前記カップリング活性部位
に結合した3−ヒダントイニル脱離基[リービンググル
ープ(leaving group)]を有するアルコキシベンゾイル
アセトアニリド黄色染料形成カプラーとを含有する少な
くとも1層のハロゲン化銀エマルジョン層をその上に有
する支持体を含むハロゲン化銀カラー写真感光性材料に
係るものである。
【0012】前記ハロゲン銀カラー感光性材料は、露光
し、現像すると、画像性の向上したカラー画像を与え
る。
【0013】本発明は、(a) カラー現像反応でカプラ
ー活性部位から放出される際に、現像抑制性を有する化
合物を与える原子団であり、該原子団が4,7−ジハロ
ゲン−2−ベンゾトリアゾール基である原子団を、カッ
プリング活性部位に直接結合して、有するジアシルアミ
ノメチレン黄色染料形成カプラーと、(b) 前記カップ
リング活性部位に結合した3−ヒダントイニル脱離基を
有するアルコキシベンゾイルアセトアニリド黄色染料形
成カプラーとを含有する少なくとも1層のハロゲン化銀
エマルジョン層をその上に被覆された支持体を含むハロ
ゲン化銀カラー写真感光性材料に係るものである。
【0014】本発明において、前記ジアシルアミノメチ
レン黄色染料を形成するカプラーは、一般式(I): [式中、R1およびR2は、同一であってもよく、また異
なっていてもよく、それぞれ、ハロゲン原子(塩素、臭
素、ヨウ素およびフッ素)を表し; R3およびR4は、
同一であってもよく、また異なっていてもよく、それぞ
れ、水素原子、ハロゲン原子(塩素、臭素、ヨウ素およ
びフッ素)、アミノ基、炭素原子1〜4個を有するアル
キル基(メチル、エチル、ブチル、クロロメチル、トリ
フルオロメチル、2−ヒドロキシエチル等)、炭素原子
1〜4個を有するアルコキシ基(メトキシ、クロロメト
キシ、エトキシ、ブトキシ等)、水酸基、シアノ基、ア
リールオキシ基(フェノキシ、p−メトキシフェノキシ
等)、アシロキシ基(アシロキシ、ベンゾイロキシ
等)、アシル基(アシル、ベンゾイル等)、アルコキシ
カルボニル基(メトキシカルボニル、ブチルオキシカル
ボニル等)、アリールオキシカルボニル基(ベンゾキシ
カルボニル等)、アシルアミノ基(アセトアミド、ベン
ズアミド等)、アルキルスルフォニル基(メチルスルフ
ォニル、クロロメチルスルフォニル等)、アリールスル
フォニル基(フェニルスルフォニル、ナフチルスルフォ
ニル等)、アルコキシスルフォニル基(エトキシスルフ
ォニル、ブトキシスルフォニル等)、アリールオキシス
ルフォニル基(フェノキシスルフォニル、2−メトキシ
フェノキシスルフォニル等)またはウレイド基(フェニ
ルウレイド、ブタンウレイド等)を表し; R5および
6は、それぞれ、1〜20個の炭素原子を有するアル
キル基またはアリール基(6〜20個の炭素原子を有
し、特に、フェニル基)を表す。]により表すことがで
きる。
【0015】上記式(I)において、R5およびR6によ
って表されるアルキル基は、好ましくは、1〜18個の
炭素原子を有し、置換されていてもよく、置換されてい
なくともよい。このアルキル基の置換基の好ましい例と
しては、アルコキシ基、アリールオキシ基、シアノ基、
アミノ基、アシルアミノ基、ハロゲン原子、水酸基、カ
ルボキシ基、スルフォ基、ヘテロ環基等が挙げられる。
有用なアルキル基の実際的な例としては、イソプロピル
基、イソブチル基、t−ブチル基、イソアミル基、t−
アミル基、1,1−ジメチルブチル基、1,1−ジメチ
ルヘキシル基、1,1−ジエチルヘキシル基、1,1−
ジメチル−1−メトキシフェノキシメチル基、1,1−
ジメチルー1−エチルチオメチル基、ドデシル基、ヘキ
サデシル基、オクタデシル基、シクロヘキシル基、2−
メトキシイソプロピル基、2−フェノキシイソプロピル
基、α−アミノイソプロピル基、α−スクシンイミドイ
ソプロピル基が挙げれる。
【0016】“原子団(group)”という用語を化学物質
または置換基を記載するために用いる場合には、記載さ
れる化学物質は、塩基性原子団および従来の置換を有す
る原子団を含む。“部位(moiety)"という用語を化学物
質または置換基に用いる場合には、非置換の化学物質の
みが含まれるようにした。例えば、“アルキル基”は、
メチル基、エチル基、オクチル基、ステアロイル等を含
むばかりでなく、このような部位が、ハロゲン、シア
ノ、ヒドロキシル、ニトロ、アミン、カルボキシレート
等の置換基を有する。他方、“アルキル部位(alkyl mo
iety)"は、、メチル基、エチル記載、オクチル基、ステ
アリル基、シクロヘキシル基等を含む。
【0017】特に、本発明で使用されるジアシルアミノ
メチレン黄色染料形成カプラーは、一般式(II): [式中、R3およびR4は、式(I)におけると同様であ
り; R7おけるとR8は、それぞれ、水素原子またはハ
ロゲン原子(塩素、臭素、ヨウ素およびフッ素)を表
し; R9およびR10は、それぞれ、ハロゲン原子、ニ
トロ基、シアノ基、チオシアノ基、水酸基、アルコキシ
基(好ましくは、1〜15個の炭素原子を有するもの、
例えば、メトキシ、イソプロポキシ、オクチルオキシ
等)、アリールオキシ基(好ましくは、20個以下の炭
素原子を有するもの、例えば、フェノキシ、ニトロフェ
ノキシ等)、アルキル基(好ましくは、1〜15個の炭
素原子を有するもの、例えば、メチル、エチル、ドデシ
ル等)、アルケニル基(好ましくは、1〜15個の炭素
原子を有するもの、例えば、アリル)、アリール基(好
ましくは、10個以下の炭素原子を有するもの、例え
ば、6〜10個の炭素原子を有するもの、例として、フ
ェニル、トリル等)、アミノ基(例えば、非置換アミノ
基または1〜15個の炭素原子を有するアルキルアミノ
基、例えば、ジエチルアミノ、オクチルアミノ等)、カ
ルボキシ基、アシル基(好ましくは、2〜16個の炭素
原子を有するもの、例えば、アセチル、デカノイル
等)、アルコキシカルボニル基(好ましくは、1〜20
の炭素原子を有するアルキル部位を有するもの、例え
ば、メトキシカルボニル、ブトキシカルボニル、オクチ
ルオキシカルボニル、ドデシルオキシカルボニル、2−
メトキシエトキシカルボニル等)、アリールオキシカル
ボニル基(好ましくは、6〜20個の炭素原子を有する
アリール部位を有するもの、例えば、フェノキシカルボ
ニル、トリルオキシカルボニル、トリオキシカルボニル
等)、カルバモイル基(例えば、エチルカルバモイル、
オクチルカルバモイル等)、アシルアミノ基(好ましく
は、2〜21個の炭素原子を有するもの、例えば、アセ
トアミド、オクタンアセトアミド、2,4−ditert−ペ
ンチルフェノキシアセトアミド等)、スルフォ基、アル
キルスルフォニル基(好ましくは、1〜15個の炭素原
子を有するもの、例えば、メチルスルフォニル、オクチ
ルスルフォニル等)、アリールスルフォニル基(好まし
くは、6〜20個の炭素原子を有するもの、例えば、フ
ェニルスルフォニル、オクチルオキシフェニルスルフォ
ニル等)、アルコキシスルフォニル基(好ましくは、1
〜15個の炭素原子を有するもの、例えば、メトキシス
ルフォニル、オクチルオキシスルフォニル等)、アリー
ルオキシスルフォニル基(好ましくは、6〜20個の炭
素原子を有するもの、例えば、フェノキシスルフォニル
等)、スルファモイル基(好ましくは、1〜15個の炭
素原子を有するもの、例えば、ジエチルスルファモイ
ル、オクチルスルファモイル、メトキシオクタデシルス
ルファモイル等)、スルフォンアミノ基(好ましくは、
1〜15個の炭素原子を有するもの、例えば、メチルス
ルフォンアミノ、オクチルスルフォンアミノ等)等を表
す。]により表される。
【0018】R9およびR10に由来する炭素原子の総数
は、好ましくは、6〜35個である。
【0019】さらに、本発明で使用されるジアシルアミ
ノメチレン黄色染料形成カプラーは、一般式(II
I): [式中、R11およびR12は、それぞれ、1〜20個の炭
素原子を有するアルキル基(例えば、メチル、エチル、
ドデシル等)を表し、R13およびR14は、それぞれ、1
〜4個の炭素原子を有する低級アルキル基(例えば、メ
チル、エチル、ブチル等)を表す。]により表される。
【0020】本発明で使用される黄色染料形成DIRカ
プラーの具体的な例としては、以下に例示するような例
がある。
【0021】 本発明で使用されるDIRカプラーは、DIRカプラー
合成用の従来からの手段に従い合成することができる。
本発明で使用されるDIRカプラーの合成の典型的な例
を以下に示す。
【0022】合成例 1 DIRカプラーの合成(1) ビス(N−2−クロロー5−(1−ドデシルオキシカル
ボニル)−エチルオキシカルボニルフェニル)−2−
(5,6−ジメチルー4,7−ジクロロベンゾトリアゾ
ールー2−イル)マロノジアミド ビス{N−2−クロロー5−(1−ドデシルオキシカル
ボニル)−エチルオキシカルボニルフェニル}−マロノ
ジアミド7.5gのCH2Cl230cc溶液に、臭素1.
5gのCH2Cl25cc溶液を加えた。3時間撹拌後、こ
の有機溶液を水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、
減圧下、濃縮した。得られたオイルをDMF50ccで希
釈し、5,6−ジメチルー4、7−ジクロロベンゾトリ
アゾール1.9g、Na2CO31.7gおよびDMF50
ccの懸濁液に加えた。室温で2時間撹拌後、HClでp
H1に酸性化した水100ccに、この溶液を注いだ。一
晩放置した後、黄色の粗生成物を収集した。アセトニト
リル/アセトン溶液から結晶化させた後、純粋な生成物
6gが得られた。
【0023】上記カプラーの構造は、元素分析、IRス
ペクトルならびに1Hおよび13Cスペクトルにより確認
した。2−窒素結合は、サーモスプレイ質量分析(Therm
ospray-Mass Spectroscopy analysis)によっても確認さ
れた。
【0024】本発明の黄色染料形成DIRカプラーは、
例えば、カルボキシ基、水酸基、スルフォ基等の水溶性
基を有する親水性カプラー(フィッシャータイプのカプ
ラー)であってもよく、疎水性カプラーであってもよ
い。カプラーを親水性コロイド溶液またはゼラチン化し
たハロゲン化銀写真エマルジョンに添加するか、前記カ
プラーをそれに分散させる方法としては、当業者に従来
公知の方法を用いることができる。例えば、本発明の疎
水性カプラーは、高温の沸騰水に不溶の溶剤に溶かし、
生じた溶液を、米国特許Nos. 2,304,939および2,322,02
7等に記載されているように、水性媒体に乳化させる
か、あるいは、前記疎水性カプラーを、高温沸騰水に不
溶な有機溶剤と低沸の有機溶剤との混合物に溶かし、生
じた溶液を、例えば、米国特許Nos. 2,801,170、2,801,
171および2,949,360等に記載されているように、水性媒
体に乳化させることもできる。
【0025】本発明で使用されるアルコキシベンゾイル
アセトアニリド黄色染料形成カプラーは、一般式(V
I): [式中、R15およびR17は、それぞれ、1〜4個の炭素
原子を有する置換または非置換アルキル基(例えば、メ
チル、エチル、プロピル、ブチル、クロロメチル、トリ
フルオロメチル等)、アリール基(置換または非置換、
好ましくは、6〜10個の炭素原子を有するもの、例え
ば、フェニル、トリル、ベンジル等)、塩素原子、臭素
原子またはアルコキシ基(好ましくは、1〜15個の炭
素原子を有するもの、例えば、メトキシ、イソプロポキ
シ、オクチルオキシ等)を表し;mおよびnは、独立し
て、0,1または2であり; R16は1〜4個の炭素原
子を有する置換または非置換アルキル基(例えば、メチ
ル、エチル、プロピル、ブチル、クロロメチル、トリフ
ルオロメチル等)であり; R18はバラスト基であり;
19は、水素原子、アルキル基(置換または非置換、
例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ア
ミル、イソアミル、ヘキシル、カルボキシメチル、ヘキ
サデシル等)、アリール基(置換または非置換、例え
ば、フェニル基およびナフチル基)またはアシル基(例
えば、アセチル、プロピオニル、オクタノイル、ベンゾ
イル等)を表し; R20は、水素原子、アルキル基(置
換または非置換、例えば、メチル、エチル、プロピル、
イソプロピル、アミル、イソアミル、ヘキシル、カルボ
キシメチル、ヘキサデシル等)または−O−R21もしく
は−S−R21{式中、R21は、水素原子、アルキル基
(置換または非置換、例えば、メチル、エチル、プロピ
ル、イソプロピル、アミル、イソアミル、ヘキシル、カ
ルボキシメチル、ヘキサデシル等)、アリル基(置換ま
たは非置換、例えば、フェニル基およびナフチル基)、
2−テトラヒドロピラニル基、2−ピリジル基または4
−ピリジル基等のヘテロ環を形成する1個の炭素原子を
介して酸素原子またはイオウ原子に結合したヘテロ環基
またはアシル基(例えば、アセチル、プロピオニル、オ
クタノイル、ベンゾイル等を表す。}を表し; R
22は、水素原子、アルキル基(置換または非置換、例え
ば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、アミ
ル、イソアミル、ヘキシル、カルボキシメチル、ヘキサ
デシル等)またはアリール基(置換または非置換、例え
ば、フェニル基およびナフチル基)であり; R23はハ
ロゲン原子(塩素、臭素、ヨウ素およびフッ素)または
1〜15個の炭素原子を有するアルコキシ基(メトキ
シ、クロロメトキシ、エトキシ、ブトキシ等)であ
る。]により表される。
【0026】上記式(V)において、R18により表され
るバラスト基は、黄色カプラーを特定の層に維持して、
前記カプラーが多重層のカラー写真要素の他の層に拡散
するのを実質的に防止する“バラスト(ballast)"として
機能する。この原子団は、その目的を達成するに十分な
嵩高さを有する。通常、8〜32個の炭素原子を有する
原子団が、バラスト基としてカプラー分子内に導入され
る。このような基は、直接または、アミノ、エーテル、
カーボンアミド、スルフォンアミド、ウレイド、エステ
ル、イミド、カルバモイル、スルファモイル、フェニレ
ン等の結合を介してカプラー分子に結合させることもで
きる。バラスト基の具体的な例は、米国特許No. 4,009,
083、ヨーロッパ特許Nos. 87,930、 84,100、 87,931、73,
146および88,563、ドイツ特許Nos. 3,300,412および3,3
15,012、特公昭58-33248、 58-33250、58-31334および58
-106539に例示されている。好ましくは、このようなバ
ラスト基は、総炭素数が20個以下であるアルキル鎖を
含む。
【0027】特に、本発明においては、前記アルコキシ
ベンゾイルアセトアニリド黄色染料形成カプラーは、一
般式(VII): [式中、R20は、式(VI)におけると同様であり、
24は、8〜32個の炭素原子を有するアルキル基で
ある。]本発明のアルコキシベンゾイルアセトアニリド
黄色染料形成カプラーの具体的な例は、以下に例示す
る。
【0028】 本発明において使用される黄色カプラーは、黄色カプラ
ーを製造するための従来からの手段に従い合成すること
ができる。例えば、黄色カプラー1は、Research Discl
osure April 1979 No. 18053 p. 198に記載されている
ようにして合成することができる。
【0029】本発明で使用されるジアセチルアミノメチ
レン黄色染料形成DIRカプラーおよびアルコキシベン
ゾイルアセトアニリド黄色染料形成カプラーは、エマル
ジョン層に、アルコキシベンゾイルアセトアニリド黄色
染料形成カプラー100モルに対して、ジアセチルアミ
ノメチレン黄色染料形成DIRカプラーを0.5〜5モ
ル、好ましくは、1.0〜2.5モル量分散する。
【0030】本発明の写真要素は、好ましくは、黄色染
料形成カラーカプラーと会合した青色感光ハロゲン化銀
エマルジョン層、マジェンタ染料形成カラーカプラーと
会合した緑色感光ハロゲン化銀エマルジョン層およびシ
アン染料形成カラーカプラーと会合した赤色感光ハロゲ
ン化銀エマルジョン層を含む多重カラー要素である。各
層は、可視光の一定領域に感光する単一エマルジョン層
または多重エマルジョン下層(sub-layer)を含むことが
できる。多重層材料が多重の青色、緑色または赤色の下
層(sub-layer)を含む場合には、いずれの場合において
も、比較的迅速な下層(sub-layer)および比較的緩やか
な下層(sub-layer)であってもよい。
【0031】本発明において使用されるハロゲン化銀エ
マルジョンは、塩化銀、臭化銀、クロロ臭化銀、ヨード
臭化銀、およびクロロヨード臭化銀を親水性結合剤中に
微細に分散させたものである。親水性結合剤としては、
写真において従来から使用されている親水性ポリマーを
用いるのが有利であり、ゼラチン、ゼラチン誘導体、例
えば、アセチルゼラチン、グラフトゼラチン等、アルブ
ミン、アラビアゴム、寒天、セルロース誘導体、例え
ば、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセ
ルロース等、合成樹脂、例えば、ポリビニルアルコー
ル、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド等が挙
げられる。好ましいハロゲン化銀は、1〜20モル%の
ヨウ化銀を含むヨード臭化銀またはヨードブロモ塩化銀
である。ハロゲン化銀粒子は、例えば、立法晶系(cubi
c)、八面体晶系(octahedral)、平板状(tabular)の結晶
晶系または混合結晶晶系のいずれかを有する。ハロゲン
化銀は、均一な粒子寸法を有してもよく、幅広い粒子寸
法分布を有してもよい。ハロゲン化銀の寸法は、約0.
1〜約5μmである。ハロゲン化銀エマルジョンは、シ
ングルジェット法、ダブルジェット法またはこれらの方
法の組み合わせを用いて調製することができ、例えば、
アンモニア法、中和法、酸法等を用いて熟成することが
できる。本発明において用いることのできるエマルジョ
ンは、Research Disclosure 17643IIIおよびIV De
cember 1978に記載されているように、化学的および光
学的に感応させることができる。これらは、例えば、Re
search Disclosure 17643, V,VI,VIII,X,X
IおよびXII Decmber 1978に記載されているよう
に、蛍光増白剤、防曇剤および安定剤、フィルタリング
およびアンチハロ染料、硬化剤、塗布助剤、可塑剤およ
び滑剤、ならびにその他の助剤物質を含むことができ
る。写真エマルジョンの層および写真要素の層は、例え
ば、Research Disclosure 17643, IX, December 1978
に記載されているように、種々のコロイドを、単独また
は、結合材料等と組み合わせて含有することもできる。
上記エマルジョンは、Research Disclosure 17643, XV
およびXVII,December 1978に記載されているよう
に、複数の支持基板(セルローストリアセテート、紙、
樹脂被覆ペーパ、ポリエステルが含まれる。)に、種々
の方法を用いて塗布することができる。露光後の本発明
の写真要素に含まれる感光性ハロゲン化銀は、アルカリ
水性溶媒または前記要素中に含まれる現像主薬の存在
下、前記ハロゲン化銀に前記アルカリ水性溶媒を会合さ
せることにより処理されて可視画像を形成する。処理配
合物および技術は、Research Disclosure 17643, XI
X,XXおよびXXIDecember 1978に記載されている。
【0032】以下、実施例を用いて、本発明をさらに詳
細に説明する。
【0033】
【実施例】実施例 1 下地セルローストリアセテート支持基板に、以下の順序
で層を被覆することにより、多重ネガテイブカラーフィ
ルム(フィルムA)を調製した。
【0034】層1 総銀被覆面積0.27g/m2とゼラチ
ン被覆面積1.33g/m2とを有する銀アンチハレーショ
ン層;層2 ゼラチン0.97g/m2を含有する中間層;層3 ヨウ化銀2.5モル%と平均粒子寸法0.18μ
mとを有する低感光性ブロモヨウ化銀エマルジョン63
w/w%と、ヨウ化銀7モル%と塩化銀5モル%とを有
し、平均粒子寸法が0.45μmである溶媒感応性クロ
ロブロモヨウ化銀37w/w%とからなるブレンドを含む
低感応性緑色感光性マジェンタ染料形成ハロゲン化銀エ
マルジョン層。上記低感応性および溶媒感応性エマルジ
ョンは、いずれも、安定剤、防曇剤および緑色光感光性
染料とともに添加されたイオウおよび金化合物で化学的
に感応する。この層は、総銀被覆面積1.35g/m2、ゼ
ラチン被覆面積1.44g/m2、マジェンタ染料形成カプ
ラーA0.503g/m2、マジェンタ染料形成DIRカプ
ラーB0.016/g/m2、黄色着色マジェンタ染料形成
カプラーC0.074g/m2および黄色着色マジェンタ染
料形成カプラーD0.147g/m2で被覆した。
【0035】層4 銀被覆面積1.60g/m2とゼラチン
被覆面積1.03g/m2でヨウ化銀12モル%と平均粒子
寸法0.11μmとを有するブロモヨウ化銀エマルジョ
ンを含むさらに感応性の緑色感光性マジェンタ染料形成
ハロゲン化銀エマルジョン層を、安定剤および防曇剤と
ともに添加したイオウおよび金化合物で化学的に感応さ
せた。この層を、マジェンタ染料形成カプラーA0.4
98g/m2、マジェンタ染料形成DIRカプラーB0.0
16g/m2、黄色着色マジェンタ染料形成カプラーC0.
021g/m2および黄色着色マジェンタ染料形成カプラー
D0.042g/m2で被覆した。
【0036】層5 ゼラチン1.06g/m2を含有する中
間層;層6 ジクロロヒドロキシトリアジンゼラチン硬化剤を
含む総銀被覆面積0.048g/m2とゼラチン被覆面積
1.18g/m2を有する黄色コロイド状の銀フィルター
層。
【0037】層7 銀総被覆面積0.51g/m2およびゼ
ラチン被覆面積1.59/g/m2で、ヨウ化銀2.5モル
%と平均粒子寸法0.18μmとを有する低感応性ブロ
モヨウ化銀エマルジョン60w/w%と、ヨウ化銀7モル
%および塩化銀5モル%を有し、平均粒子寸法が0.4
5μmであるクロロブロモヨウ化銀エマルジョン40w/
w%からなるブレンドを含む低感応性青色感光黄色染料
形成ハロゲン化銀エマルジョン層。上記低感応性および
溶媒感応性エマルジョンは、いずれも、安定剤、防曇剤
および青色光感光性染料とともに添加されたイオウおよ
び金化合物で化学的に感応させた。この層を黄色染料形
成カプラー1を1.027g/m2で、黄色染料形成DIR
カプラー1を0.029g/m2で被覆した。
【0038】層8 銀被覆面積0.90g/m2とゼラチン
被覆面積1.24g/m2で、ヨウ化銀12モル%と平均粒
子寸法0.11μmとを有するブロモヨウ化銀エマルジ
ョンを含むさらに感応性の青色感光性黄色染料形成ハロ
ゲン化銀エマルジョン層を、安定剤および防曇剤ならび
に青色光感光性染料とともに添加したイオウおよび金化
合物で化学的に感応させた。この層を、黄色染料形成カ
プラー1を0.829g/m2で、黄色染料形成DIRカプ
ラーを0.023g/m2で被覆した。
【0039】層9 被覆面積1.28g/m2でゼラチンを
含む第1の保護ゼラチン層;層10 ゼラチン硬化剤(ジクロロヒドロキシトリアジ
ン)と艶消剤(ポリメチルメタクリレート)とを含む第
2の保護ゼラチン層。
【0040】実施例 2(比較) 層7および8における黄色染料形成DIRカプラー1を
等分子量の黄色染料形成DIRカプラーEで置き換えた
以外は、実施例1におけると同様に、下地セルロースト
リアセテート支持基板を被覆することにより、対照多重
ネガテイブカラーフィルム(フィルムB)を調製した。
【0041】実施例 3(比較) 層7および8におけるアルコキシベンゾイルアセトアニ
リドタイプの黄色染料形成カプラー1を等分子量のピバ
ロイルタイプの黄色染料形成カプラーFで置き換えた以
外は、実施例1におけると同様に、下地セルローストリ
アセテート支持基板を被覆することにより、対照多重ネ
ガテイブカラーフィルム(フィルムC)を調製した。
【0042】実施例 4(比較) 層7および8における黄色染料形成DIRカプラー1を
等分子量の黄色染料形成DIRカプラーEで置き換えた
以外は、実施例3におけると同様に、下地セルロースト
リアセテート支持基板を被覆することにより、対照多重
ネガテイブカラーフィルム(フィルムD)を調製した。
【0043】登録商標ラテンW99(Wratten W99)フィ
ルターおよび光学段階くさび(optical step wedge)を
介した色温度5,500ケルビンを有する光源に各フィ
ルムの試料を露光した(選択的露光)。フィルターを使
用することなく、各フィルムの他の試料を上記のように
露光した(白色光露光)。露光した試料すべてを、Brit
ish Journal of Photography, July 12, 1974,pp. 597-
598に記載されているように、標準タイプC41プロセ
スで現像した。選択的露光(gammas)および白色光露光(g
ammaw)に対して得られたセンシトメトリーカーブの対比
を、各センシトメトリーカーブの染料低濃度もしくはト
ー(toe)領域(B1)と、染料高濃度もしくはショルダ
ー領域(B2)とで測定した。表1は、下記式: R=(gammas−gammaw)/gammaw ×100 の値を報告するものである。
【0044】
【表1】 R数が大きい程、画像間効果が良好である。本発明に従
う黄色染料形成カプラーと黄色染料形成DIRカプラー
との組み合わせを含むフィルムAは、フィルムAで使用
された黄色染料形成カプラーまたは黄色染料形成DIR
カプラーの内の少なくとも1つが存在しない比較フィル
ムB、CおよびDに比べて画像間効果が向上することを
示す。
【0045】 実施例 5 ゼラチンを下地とするセルローストリアセテート支持基
板に以下の順序で以下の層を被覆することにより、フィ
ルムEを調製した。
【0046】(a) 銀被覆面積0.27g/m2およびゼラ
チン被覆面積1.33g/m2を有するゼラチンに分散させ
た黒色コロイド状銀層; (b) ゼラチン0.97g/m2を含有する中間層; (c) 銀の総被覆面積0.71g/m2およびゼラチンの被
覆面積0.94g/m2で、ヨウ化銀2.5モル%および平
均粒子寸法0.18μmを有する低感光性ブロモヨウ化
銀エマルジョンを含み、シアン染料形成カプラーGを被
覆面積0.354g/m2、シアン染料形成DIRカプラー
Hを被覆面積0.024g/m2、マジェンタ着色シアン染
料形成カプラーIを被覆面積0.043g/m2で含み、ト
リクレジルホスフェートおよびブチルアセトアニリドの
混合物に分散させた低感応性赤色感光ハロゲン化銀エマ
ルジョンの層; (d) 銀の被覆面積0.84g/m2およびゼラチンの被覆
面積0.83g/m2で、ヨウ化銀7モル%と塩化銀5モル
%とを有し、平均粒子寸法0.45μmを有するクロロ
ブロモヨウ化銀エマルジョンを含み、シアン染料形成カ
プラーGを被覆面積0.333g/m2、シアン染料形成D
IRカプラーHを被覆面積0.022g/m2、マジェンタ
着色シアン染料形成カプラーIを被覆面積0.052g/
m2で含み、トリクレジルホスフェートおよびブチルアセ
トアニリドの混合物に分散させた中程度の感応性を有す
る赤色感光ハロゲン化銀エマルジョンの層; (e) 銀の被覆面積1.54g/m2およびゼラチンの被覆
面積1.08g/m2でヨウ化銀12モル%および平均粒子
寸法0.11μmを有するブロモヨウ化銀エマルジョン
を含み、2種のシアン染料形成カプラーGおよびJを、
被覆面積0.224g/m2でカプラーGを、被覆面積0.
032g/m2でカプラーJを、さらに、シアン染料形成D
IRカプラーHを被覆面積0.018g/m2で含み、トリ
クレジルホスフェートおよびブチルアセトアニリドの混
合物に分散させた高感応性赤色感光ハロゲン化銀エマル
ジョンの層; (f) ジクロロヒドロキシトリアジンゼラチン硬化剤を
含むゼラチン1.11g/m2を含有する中間層; (g) 銀の被覆面積1.44g/m2およびゼラチンの被覆
面積1.54g/m2で、低感応性エマルジョン層(c)63w
/w%と中程度の感応性のエマルジョン層(d)37w/w%と
のブレンドを含み、マジェンタ染料形成カプラーAを被
覆面積0.537g/m2で、マジェンタ染料形成DIRカ
プラーBを被覆面積0.017g/m2で、黄色着色マジェ
ンタ染料形成カプラーCを被覆面積0.079g/m2で、
黄色着色マジェンタ染料形成カプラーDを被覆面積0.
157g/m2で含み、トリクレジルホスフェートに分散さ
せた低感応性緑色感光ハロゲン化銀エマルジョンの層; (h) 銀の被覆面積1.60g/m2およびゼラチンの被覆
面積1.03g/m2で、エマルジョン層(e)を含み、マジ
ェンタ染料形成カプラーAを被覆面積0.498g/m
2で、マジェンタ染料形成DIRカプラーBを被覆面積
0.016g/m2で、黄色着色マジェンタ染料形成カプラ
ーCを被覆面積0.021g/m2で、黄色着色マジェンタ
染料形成カプラーDを被覆面積0.043g/m2で含み、
トリクレジルホスフェートに分散させた高感応性緑色感
光ハロゲン化銀エマルジョンの層; (i) ゼラチン1.06g/m2を含有する中間層; (j) ジクロロヒドロキシトリアジンゼラチン硬化剤を
含むゼラチン1.18g/m2を含有する黄色フィルター
層; (k) 銀の被覆面積0.53g/m2およびゼラチンの被覆
面積1.65g/m2で、低感応性エマルジョン層(c)60w
/w%と、中程度の感応性エマルジョン層(d)とを含み、
黄色染料形成カプラー1を被覆面積1.042g/m2で、
黄色染料形成DIRカプラー1を被覆面積0.028g/
m2で含み、ジエチルラウレートおよびジブチルフタレー
トの混合物に分散させた低感応性青色感光ハロゲン化銀
エマルジョンの層; (l) 銀の被覆面積0.90g/m2およびゼラチンの被覆
面積1.24g/m2で、エマルジョン層(e)を含み、黄色
染料形成カプラー1を被覆面積0.791g/m2で、黄色
染料形成DIRカプラー1を被覆面積0.021g/m2
含み、ジエチルラウレートおよびジブチルフタレートの
混合物に分散させた高感応性青色感光ハロゲン化銀エマ
ルジョンの層; (m) ゼラチン1.28g/m2の保護層;および、 (n) ポリメチルメタクリレートビーズ0.273g/m2
およびジクロロヒドロキシトリアジン硬化剤を含むゼラ
チン0.73g/m2の被覆表面層。
【0047】実施例 6 層(k)および(l)の黄色染料形成DIRカプラー1を等分
子量の黄色染料形成DIRカプラー9で置き換えた以外
は、実施例5におけると同様に、ゼラチン下地のセルロ
ーストリアセテート支持基板を被覆することにより、フ
ィルムFを調製した。
【0048】実施例 7(比較) 層(k)および(l)の黄色染料形成DIRカプラー1を等分
子量の黄色染料形成DIRカプラーEで置き換えた以外
は、実施例5におけると同様に、ゼラチン下地のセルロ
ーストリアセテート支持基板を被覆することにより、フ
ィルムGを調製した。
【0049】実施例 8(比較) 層(k)および(l)の黄色染料形成DIRカプラー1を等分
子量の黄色染料形成DIRカプラーKで置き換えた以外
は、実施例5におけると同様に、ゼラチン下地のセルロ
ーストリアセテート支持基板を被覆することにより、フ
ィルムHを調製した。
【0050】 登録商標ラテンW99(Wratten W99)と光学的段階くさ
び(optical step wedge)を介して、色温度5,500
ケルビンを有する光源に各フィルムの試料を露光した
(選択的露光)。フィルターを使用することなく、各フ
ィルムの他の試料を上記のように露光した(白色光露
光)。露光した試料すべてを、British Journal of Pho
tography, July 12, 1974,pp. 597-598に記載されてい
るように、標準タイプC41プロセスで現像した。選択
的露光(gammas)および白色光露光(gammaw)に対して得ら
れたセンシトメトリーカーブの対比を、各センシトメト
リーカーブの染料低濃度もしくはトー(toe)領域(B
1)と、染料高濃度もしくはショルダー領域(B2)と
で測定した。表2は、下記式: R=(gammas−gammaw)/gammaw ×100 の値を報告するものである。
【0051】
【表2】 R数が大きい程、画像間効果が良好である。本発明のE
およびFは、比較フィルムGおよびHに比べて、特にシ
ョルダー領域(B2値)で画像間効果が向上することを
示す。事実、表2において、本発明の高いB2値と比較
フィルムの低いB2が注目に値する。これは、比較フィ
ルムGおよびHにおいて、本発明の黄色染料形成カプラ
ーと本発明で有用でない黄色染料形成DIRカプラーと
の組み合わせが使用された事実に基づくものである。
フロントページの続き (72)発明者 マッシモ・ベルトルディ イタリア国サヴォーナ,17016 フェル ラーニャ,スリーエム・イタリア・リチ ェルケ・ソチエタ・ペル・アツィオーニ 内 (72)発明者 ヴィニッチョ・ブサット イタリア国サヴォーナ,17016 フェル ラーニャ,スリーエム・イタリア・リチ ェルケ・ソチエタ・ペル・アツィオーニ 内 (56)参考文献 特開 平2−1842(JP,A) 特開 平2−250053(JP,A) 特開 平4−102847(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03C 7/36 G03C 7/305

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a) カラー現像反応でカプラー活性部
    位から放出される際に、現像抑制性を有する化合物を与
    える原子団であり、該原子団が4,7−ジハロゲン−2
    −ベンゾトリアゾール基である原子団を、カップリング
    活性部位に直接結合して、有するジアシルアミノメチレ
    ン黄色染料形成カプラーと、(b) 前記カップリング活
    性部位に結合した3−ヒダントイニル脱離基を有する黄
    色染料形成アルコキシベンゾイルアセトアニリドカプラ
    ーとを含有する少なくとも1層のハロゲン化銀エマルジ
    ョン層をその上に被覆された支持体を含むハロゲン化銀
    カラー写真感光性材料。
  2. 【請求項2】 前記ジアシルアミノメチレン黄色染料形
    成カプラーが、一般式(I): [式中、R1およびR2は、それぞれ、ハロゲン原子を表
    し; R3およびR4は、それぞれ、水素原子、ハロゲン
    原子、アミノ基、アルキル基、アルコキシ基、水酸基、
    シアノ基、アリールオキシ基、アシロキシ基、アシル
    基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニ
    ル基、アシルアミノ基、アルキルスルフォニル基、アリ
    ールスルフォニル基、アルコキシスルフォニル基、アリ
    ールオキシスルフォニル基またはウレイド基を表し;
    5およびR6は、それぞれ、アルキル基またはアリール
    基を表す。]により表される請求項1記載のハロゲン化
    銀カラー写真感光材料。
  3. 【請求項3】 前記ジアシルアミノメチレン黄色染料形
    成カプラーが、一般式(II): [式中、R3およびR4は、それぞれ、水素原子、ハロゲ
    ン原子、アミノ基、アルキル基、アルコキシ基、水酸
    基、シアノ基、アリールオキシ基、アシロキシ基、アシ
    ル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボ
    ニル基、アシルアミノ基、アルキルスルフォニル基、ア
    リールスルフォニル基、アルコキシスルフォニル基、ア
    リールオキシスルフォニル基またはウレイド基を表し;
    7およびR8は、それぞれ、水素原子またはハロゲン
    原子を表し; R9およびR10は、それぞれ、ハロゲン
    原子、ニトロ基、シアノ基、チオシアノ基、水酸基、ア
    ルコキシ基、アリールオキシ基、アルキル基、アルケニ
    ル基、アリール基、アミノ基、カルボキシ基、アシル
    基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニ
    ル基、カルバモイル基、アシルアミノ基、スルフォ基、
    アルキルスルフォニル基、アリールスルフォニル基、ア
    ルコキシスルフォニル基、アリールオキシスルフォニル
    基、スルファモイル基またはスルフォアミノ基を表
    す。]により表される請求項1記載のハロゲン化銀カラ
    ー写真感光材料。
  4. 【請求項4】 前記ジアシルアミノメチレン黄色染料形
    成カプラーが、一般式(III): [式中、R11およびR12は、それぞれ、炭素原子1〜2
    0個を有するアルキル基を表し、R13およびR14は、そ
    れぞれ、炭素原子1〜4個を有する低級アルキル基を表
    す。]により表される請求項1のハロゲン化銀カラー写
    真感光材料。
  5. 【請求項5】 前記ジアシルアミノメチレン黄色染料形
    成カプラーが、次式(IV): によリ表される請求項1記載のハロゲン化銀カラー写真
    感光材料。
  6. 【請求項6】 前記ジアシルアミノメメレン黄色染料形
    成カプラーが、次式(V): により表される請求項1記載のハロゲン化銀カラー写真
    感光材料。
  7. 【請求項7】 前記アルコキシベンゾイルアセトアニリ
    ド黄色染料形成カプラーが、一般式(VI): [式中、R15およびR17は、それぞれ、アルキル基、ア
    リール基、塩素原子、臭素原子またはアルコキシ基を表
    し; mおよびnは、独立して、0,1または2であ
    り; R16はアルキル基であり; R18はバラスト基で
    あり; R19は、水素原子、アルキル基、アリール基ま
    たはアシル基を表し; R20は、水素原子、アルキル基
    または−O−R21もしくは−S−R21(式中、R21は、
    水素原子、アルキル基、アリル基、ヘテロ環基またはア
    シル基である。)であり; R22は、水素原子、アルキ
    ル基またはアリール基であり; R23はハロゲン原子ま
    たはアルコキシ基である。]により表される請求項1記
    載のハロゲン化銀カラー写真感光材料。
  8. 【請求項8】 前記アルコキシベンゾイルアセトアニリ
    ド黄色染料形成カプラーが、一般式(VII): [式中、R20は、水素原子、アルキル基または−O−
    21もしくは−S−R21(式中、R21は、水素原
    子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基またはアシル
    基である。)であり、R24は、炭素原子8〜32個を
    有するアルキル基である。]により表される請求項1記
    載のハロゲン化銀カラー写真感光材料。
  9. 【請求項9】 前記アルコキシベンゾイルアセトアニリ
    ド黄色染料形成カプラーが、次式(VIII): により表される請求項1記載のハロゲン化銀カラー写真
    感光材料。
  10. 【請求項10】 前記ジアシルアミノメチレン黄色染料
    形成カプラーが、次式(IV)または次式(V): により表され、前記アルコキシベンゾイルアセトアニリ
    ド黄色染料形成カプラーが、次式(VIII): により表される請求項1記載のハロゲン化銀カラー写真
    感光材料。
JP08084293A 1992-04-07 1993-04-07 ハロゲン化銀カラー写真感光性材料 Expired - Fee Related JP3227012B2 (ja)

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