JP3779379B2 - 画質を向上したハロゲン化銀カラー写真用感光性要素 - Google Patents

画質を向上したハロゲン化銀カラー写真用感光性要素 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ハロゲン化銀カラー写真用感光性要素、特に、現像剤の酸化生成物と反応すると現像抑制化合物を脱離し得るDIR(現像抑制剤脱離、Development Inhibitor Releasing)カプラーに関する。
【0002】
【従来の技術】
【0003】
カラー再生のために減色法を用いるカラー写真用感光性要素は、青色、緑色および赤色の光に選択的に感光し、かつ(酸化第1級アミン系発色現像剤と反応すると)その補色を形成する黄色、マゼンタおよびシアン染料形成カプラーと関係しているハロゲン化銀エマルション層を含んで成ることがよく知られている。例えば、アシルアセトアニリド系カプラーを用いて黄色の色画像を形成し、5-ピラゾロン、ピラゾロトリアゾール、シアンアセトフェノンまたはインダゾロン系カプラーを用いてマゼンタ色画像を形成し、およびフェノールもしくはナフトールのようなフェノール型カプラーを用いてシアン色画像を形成する。
【0004】
通常、カラー写真用感光性要素は、材料の各感光層中に独立して組み込んだ(カプラー物質を組み込んだ)非拡散性カプラーを含んで成る。そのため、カラー写真用感光性要素は、通常、1)黄色染料形成カプラーを含有し、かつ主に青色の光(実質上、約500nm未満の波長)に感光する青色感光性ハロゲン化銀エマルション層(または複数の青色感光性ハロゲン化銀エマルション層)、2)マゼンタ染料形成カプラーを含有し、かつ主に緑色の光(実質上、約500〜600nmの波長)に感光する緑色感光性ハロゲン化銀エマルション層(または複数の青色感光性ハロゲン化銀エマルション層)、および3)シアン染料形成カプラーを含有し、かつ主に赤色の光(実質上、約590nmより長い波長)に感光する赤色感光性ハロゲン化銀エマルション層(または複数の青色感光性ハロゲン化銀エマルション層)
を含んで成る。
【0005】
発色現像剤の酸化生成物と反応すると、現像中に現像抑制剤を脱離し得る化合物を感光性カラー写真用材料内へ組み込むことも既知である。前記化合物の典型的な例は、カプラーから脱離すると現像抑制特性を発揮する基を含有するDIR(現像抑制剤脱離)カプラーである。この基は、カプラーのカップリング位置に組み込まれる。DIRカプラーの例が、シー・アール・バール(C.R.Barr)、サートル・ジュニア(Thirtle Jr.)およびピー・ダブリュー・ウィタム(P.W.Wittum)著、フォトグラフィック・サイエンス・アンド・エンジニアリング(Photographic Science and Eng.)、第13巻、74〜80頁、および同214〜217頁(1969年)、並びに米国特許第3,227,554号、同第3,615,506号、同第3,617,291号、同第3,701,783号、同第3,933,500号および同第4,149,886号に記載されている。
【0006】
DIRカプラーの目的は、粒状度を低下させること、および内部層または内部画像効果によって(すなわち、同じ層または同じ染料画像内で)画像の鮮明さを高めること、並びに中間層または中間画像効果によって(すなわち、異なる層または異なる染料画像において)カラー再生を向上させることである。
【0007】
DIRカプラーが、処理される写真要素から拡散して処理溶液内に堆積する現像抑制剤種を含んで成ることは周知である。そのような堆積(「シーズニング(seasoning)」)は、その後溶液で処理されるカラー写真要素の速度の損失を引き起こす。この問題を克服するために、処理溶液中に溶け込んだ脱離された抑制剤が、同じ処理溶液内で現像されたその後の要素の現像にほとんどまたは全く影響を与えない化合物へ加水分解するような、加水分解性の抑制剤系DIRカプラーが開示されている。加水分解性の抑制剤系DIRカプラーは、例えば米国特許第4,477,563号、同第4,782,012号、同第4,937,179号、同第5,004,677号、同第5,310,642号、欧州特許第488,310号および同第440,466号、並びに日本特許第2,251,950号に開示されている。一般に、カプラーから脱離された抑制剤の分解の半減期の測定は、シーズニング問題を克服して有用な中間画像効果を与える能力の測定と考えられていた。半減期が短すぎると、抑制剤は、現像溶液と接触した直後に、要素内において(現像の抑制に関して)不活性な種に転化される。半減期が長すぎると、抑制剤は、現像溶液内で適時に分解し得ず、かつその後同じ現像溶液中で処理される要素の速度低下を引き起こすことがある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
米国特許第5,021,331号には、トリアゾール環を現像中にハロゲン化銀現像抑制剤として脱離することにより、カップリング位置に結合したトリアゾール環を含むカプラーを含んで成るカラー写真要素が開示されており、トリアゾール環は、トリアゾール環から2〜4原子の距離に加水分解性基を含有する置換基を含んで成る。上記の特許には、1,2,3-トリアゾールと1,2,4-トリアゾールであるが、記載されたもの優位および例示されたすべてのものは、1,2,3-トリアゾールである。しかしながら、米国特許第5,021,331号に示されたこのいくつかの1,2,4-トリアゾールは、抑制特性の見地から不十分である。
【0009】
より効果的にDIRカプラーを使用するために、高い中間画像効果、優れた鮮明さおよびより高い感度を与え、かつ現像溶液中で不活性な種へ転化される現像抑制剤を脱離する新規のDIRカップリングを提供することが望まれている。
【0010】
カップリング位置に結合した1,2,4-トリアゾール環を有する黄色染料形成DIRカプラーが、米国特許第4,359,521号、同第4,579,816号、同第4,833,070号、同第4,897,341号および同第5,200,306号、並びに英国特許第2,204,418号に記載されている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、シアン、マゼンタおよび黄色染料形成カプラーをそれぞれ含んで成る赤色、緑色、および青色感光性ハロゲン化銀エマルション層を上に被覆した支持体から構成され、少なくとも1つのハロゲン化銀エマルション層が、1,2,4-トリアゾリル基を現像中に脱離することによってカップリング位置に結合した1,2,4-トリアゾリル基を有する黄色染料形成DIRカプラーを含んで成り、前記1,2,4-トリアゾリル基が、以下の式(I)で定義される如く、1,2,4-トリアゾリル基上のベンジルチオ置換基に結合した加水分解し得るカルボキシル基またはアルコキシカルボニル基を含んで成る多層カラー写真要素を提供する。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の黄色染料形成DIRカプラーによって現像時に脱離して現像抑制を与え得る1,2,4-トリアゾール化合物の例は、以下の式:
【化7】
Figure 0003779379
【化8】
Figure 0003779379
【化9】
Figure 0003779379
で与えられる。
【0013】
本発明において使用するための黄色染料形成DIRカプラーは、式(I):
【化10】
Figure 0003779379
[式中、R1は、アルキル基、アリール基または-NHR5(ただし、R5は、アルキル基またはアリール基を表す。)を、R2は、アルキル基またはアリール基を表し、TIMEは、遅延基を表し、nは、0または1であり、R3は、アルキル基またはフェニル基、およびR4は、水素原子またはアルキル基を表す。]
で表され得る。
【0014】
上記式(I)において、R1、R2およびR5で表されるアルキル基は、好ましくは、炭素原子1〜18個を有し、置換されているかまたは未置換であってよい。アルキル基の置換基の好ましい例としては、アルコキシ基、アリールオキシ基、シアノ基、アミノ基、アシルアミノ基、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基、スルホ基、複素環式基等が挙げられる。有用なアルキル基の実際の例は、イソプロピル基、イソブチル基、tert-ブチル基、イソアミル基、tert-アミル基、1,1-ジメチルブチル基、1,1-ジメチルヘキシル基、1,1-ジエチルヘキシル基、1,1-ジメチル-1-メトキシフェノキシメチル基、1,1-ジメチル-1-エチルチオメチル基、ドデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、シクロヘキシル基、2-メトキシイソプロピル基、2-フェノキシイソプロピル基、α-アミノイソプロピル基、α-スクシンイミドイソプロピル基等である。
【0015】
1、R2およびR5で表されるアシル基は、好ましくは合計炭素原子6〜35個を有し、特に、置換されたフェニル基および未置換のフェニル基を包含する。アリール基における置換基の好ましい例としては、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、チオシアノ基、水酸基、(好ましくは、例えばメトキシ、イソプロピル、オクチロキシ等のような炭素数1〜15の)アルコキシ基、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ、ニトロフェノキシ等)、(好ましくは、例えばメチル、エチル、ドデシル等のような炭素数1〜15の)アルキル基、(好ましくは、例えばアリルのような炭素数1〜15の)アルケニル基、(好ましくは、例えばフェニル、トリル等のような炭素数6〜10の)アリール基、アミノ基(例えば、未置換のアミノ基、またはジエチルアミノ、オクチルアミノのような炭素数1〜15のアルキルアミノ基)、カルボキシル基、(好ましくは、例えばアセチル、デカノイル等のような炭素数2〜16の)アシル基、(好ましくは、例えばメトキシカルボニル、ブトキシカルボニル、オクチロキシカルボニル、ドデシルオキシカルボニル、2-メトキシエトキシカルボニル等のような炭素数1〜20のアルキル部位を有する)アルコキシカルボニル基、(好ましくは、例えばフェノキシカルボニル、トリルオキシカルボニルのような炭素数6〜20の)アリールオキシカルボニル基、(好ましくは、例えばアセトアミド、オクタンアミド、2,4-ジ-tert-ペンチルフェニキシアセトアミド等のような炭素数2〜21の)アシルアミノ基、スルホ基、(好ましくは、例えばメチルスルホニル、オクチルスルホニル等のような炭素数1〜15の)アルキルスルホニル基、(好ましくは、例えばフェニルスルホニル、オクチロキシフェニルスルホニル等のような炭素数6〜20の)アリールスルホニル基、(好ましくは、例えばメトキシスルホニル、オクチロキシスルホニル等のような炭素数1〜15の)アルコキシスルホニル基、(好ましくは、例えばフェノキシスルホニル等のような炭素数6〜20の)アリールオキシスルホニル基、(好ましくは、例えばジエチルスルファモイル、オクチルスルファモイル、メチルオクタデシルスルファモイル等のような炭素数1〜15の)スルファモイル基、(好ましくは、例えばメチルスルホンアミノ、オクチルスルホンアミノ等のような炭素数1〜15の)スルフォンアミノ基等が挙げられる。
【0016】
TIMEは、カプラー残基を1,2,4-トリアゾイル基に接合している遅延基(timing group)であり、発色現像剤の酸化生成物とのカップリング反応時に1,2,4-トリアゾイル基と共に脱離され、かつ結果として、現像条件下で遅れて1,2,4-トリアゾイル基を脱離する。式(I)中、TIMEで表される遅延基の例としては、例えば、、米国特許第4,248,962号に記載のような以下の基:
【化11】
Figure 0003779379
(式中、Zは、酸素または硫黄でありかつカプラー部位に結合しており、mは、0または1、R8は、水素または炭素数1〜4のアルキルあるいは炭素数6〜10のアリールであり、およびXは、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、炭素数1〜20のアルキル、アルコキシ、アルコキシカルボニル、アシルアミノ、アミノカルボニル等である。)
、または米国特許第4,409,323号に記載のような:
【化12】
Figure 0003779379
(式中、左端の基は、カプラーの部位に結合しており、Zは、酸素または硫黄あるいは−N(R11)−、R9、R10およびR11は、独立して、水素、アルキル基またはアリール基であり、およびQは、1,2-または1,4-フェニレンもしくはナフタレン基である。)
が挙げられる。
【0017】
3およびR4で表されるアルキル基は、好ましくは炭素数1〜4の低級アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチルおよびtert-ブチル)である。
【0018】
本発明の黄色染料形成DIRカプラーの好ましい例は、一般式(II):
【化13】
Figure 0003779379
(式中、R3およびR4はそれぞれ、式(I)で定義されたものと同様の置換基を表し、TIMEおよびnは、式(I)で定義された通りであり、R6は、アルキル基またはアリール基を表し、R7は、ハロゲン原子、アルキル基またはアリール基を表し、R7は、ハロゲン原子、(炭素数1〜20の)アルキル基または(炭素数6〜10の)アリール基を表し、およびバル(Ball)は、疎水性の安定性基である。)
で表される。
【0019】
上記式(II)中、R6で表されるアルキル基は、好ましくは炭素原子3〜8個を有し、特に分枝鎖アルキル基(例えば、イソプロピル基、tert-ブチル基またはtert-アミル基)であり、およびR6で表されるアリール基は、好ましくは、炭素数1〜5のアルキル基またはアルコキシ基で任意に置換されたフェニル基(例えば、2-メチルフェニル基のような2-または4-アルキルフェニル基、あるいは2-メトキシフェニル基、4-イソプロポキシフェニル基または2-ブトキシフェニル基のような2-または4-アルコキシフェニル基)である。R7は、ハロゲン原子(例えば、塩素)または炭素数1〜4のアルキル基もしくはアルコキシ基(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、tert-ブチル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシおよびtert-ブトキシ基)を表す。
【0020】
上式において、「バル(Ball)」は、安定性基、すなわち、基を、写真要素内に被覆された層から拡散させずに結合させる程度の寸法および構造の有機基である。前記安定性基は、カプラーに直接または二価の結合性基(例えば、アルキレン基、イミノ基、エーテル基、チオエーテル基、カルボンアミド基、スルホンアミド基、ウレイド基、エステル基、イミド基、カルバモイル基およびスルファモイル基)を介して結合した炭素数8〜32の有機疎水性残基を包含する。適する安定性基の具体例としては、(直鎖、分枝または環式の)アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アルキルアリール基、アルキルアリールオキシ基、アシルアミドアルキル基、アルコキシアルキル基、アルコキシアリール基、アリール基または複素環基で置換されたアルキル、アリールオキシアルコキシカルボニル基で置換されたアリール基、並びに、例えば米国特許第3,337,344号、同、第3,418,129号、同第4,138,258号、同第4,451,559号および英国特許第1,494,777号に記載されているような、アルケニル基またはアルケニル長鎖脂肪族基とカルボキシル基または水溶性基の両者を含有する残基が挙げられる。
【0021】
黄色染料形成DIRカプラーのさらに好ましい例は、一般式(III):
【化14】
Figure 0003779379
(式中、R3およびR4はそれぞれ、式(I)で定義されたものと同様の置換基を表し、TIMEおよびnは、式(I)で定義された通りであり、R12は、分枝鎖アルキル基、好ましくは炭素数3〜8の分枝鎖アルキル基(例えば、イソプロピル基、イソブチル基、tert-ブチル基またはtert-アミル基)を表し、R13は、アルキル基、好ましくは炭素数8〜22のアルキル基(例えば、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基またはオクタデシル基)、フェノキシアルキル基、好ましくは炭素数10〜32のフェノキシアルキル基(例えば、γ-(2,4-ジ-tert-アミルフェノキシ)プロピル基)、アルコキシフェニル基、好ましくは炭素数10〜32のアルコキシフェニル基、あるいはアラルキル基、好ましくは炭素数10〜32のアラルキル基を表す。)
で表される。
【0022】
「基」という用語を化合物または置換基を説明するために本発明において使用する場合、説明される化学物質は、基本の基、環または残基、および通常の置換基を有する基、環または残基を包含する。「部位」という用語を化合物または置換基を説明するために使用する場合、未置換の化学物質のみを包含するものとする。例えば、「アルキル基」は、メチル、エチル、ブチル、オクチル、ステアリル等のアルキル部位のみならず、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、アニトロ、アミノ、カルボキシレート等のような置換基を有する部位も包含する。他方、「アルキル部位」は、メチル、エチル、ステアリル、シクロヘキシル等のみを包含する。
【0023】
以下に、本発明において使用する式(I)の黄色染料形成DIRカプラーの具体例を示すが、本発明は、これらに限定されるものではないと解されるべきである。
【0024】
【化15】
Figure 0003779379
【0025】
【化16】
Figure 0003779379
【0026】
【化17】
Figure 0003779379
【0027】
【化18】
Figure 0003779379
【0028】
【化19】
Figure 0003779379
【0029】
【化20】
Figure 0003779379
【0030】
【化21】
Figure 0003779379
【0031】
本発明において使用する黄色染料形成DIRカプラーを、DIRカプラーを調製する通常の手順に従って調製することができる。一般に、これは、TIME基を含むならば、TIME基を、最初に適当なカプラー部位に、次に適する1,2,4-トリアゾール化合物に結合することによって所望のDIRカプラーを形成することを伴う。あるいは、TIME基を、カプラー部位に結合した後、適当な反応によってTIMEと1,2,4-トリアゾール化合物を化合することができる。TIME基の不存在下では、1,2,4-トリアゾール化合物を、カプラー部位に直接、結合する。例えば、式(I)のカプラーは、カップリング位置に結合したハロゲン原子を有する既知の黄色カプラーを、上述の1,2,4-トリアゾール現像抑制剤化合物と縮合することによって容易に得られる。この反応は、有機溶媒(例えば、ジメチルホルムアミド、アセトンまたはアセトニトリル)中、塩基(例えば、炭酸塩、トリエチルアミンまたはアルカリ)の存在下で有利に行われる。カップリング位置の炭素原子への1,2,4-トリアゾール化合物の結合は、1,2,4-トリアゾール化合物の様々な窒素原子を介して得られることから、種々の異性体を、黄色染料形成DIRカプラーのために得ることができる。この異性体は、本発明のDIRカプラーの性能には悪影響を与えないため、得られる異性体の構造の詳細な説明を必要とはしない。以下に、合成の説明的な例を示す。
【0032】
【実施例】
合成例1:INH−1の合成
5-メルカプト-1,2,4-トリアゾール50gとKOH32gを、CH3OH500mLに溶解し、CH3OH 400mL中4-ブロモメチル安息香酸107.5gの溶液を撹拌下で添加した。溶液を2時間還流した。室温で一晩放置した後、濾過によって白色固体を回収し、pH1のHCl水溶液100mL中に室温で4時間、撹拌混合した。生成物を回収し、乾燥した。収率は80重量%であった(中間生成物1)。
中間生成物1 20gを、C25OH 200mLと濃H2SO4 20mL中に懸濁した。4時間還流した後、溶媒を蒸発して、H2O 200mLを添加した。濾過により、白色固体を回収し、水で洗浄して、アセトニトリルから再結晶させた。収率は、INH−1の80重量%であり、その構造を、元素分析およびNMRスペクトルで確認した。
【0033】
合成例2:黄色染料形成カプラーI−1の合成
INH−1 117.38gと黄色カプラーN-4-(-((4-(2,4-(1,1-ジメチルプロピル)フェノキシ)1-オキシブチルアミノ)2-クロロフェニル)-4,4-ジメチル-3-オキシペンタンアミドの塩素誘導体270gを、ジエンチルホルムアミド500mL中に溶解した。Na2CO3 102gを添加した後、室温で24時間撹拌し、懸濁液をpH1のHCl水溶液中に投入した。濾過により白色固体を回収し、乾燥した。得られた粗生成物を、C25OHから再結晶して、カプラーI−1 200gを得た。その構造を、元素分析とNMRスペクトルで確認した。
【0034】
多層ハロゲン化銀カラー写真要素では、本発明の黄色染料形成カプラーを、好ましくは、黄色染料形成カプラーを含有する青色感光性ハロゲン化銀要素層内で使用する。
【0035】
本発明において使用される黄色染料形成カプラーは、油保護系アシルアセトアミドカプラーを包含する。その具体例は、米国特許第2,407,210号、同第2,875,057号、同第3,265,506号等に記載されている。本発明において、2当量のカプラーの使用が好ましく、典型的なその例は、米国特許第3,408,194号、同第3,447,928号、同第3,933,501号および同第4,022,620号に記載されているような、脱離する基を酸素原子を介して結合した黄色カプラー、および米国特許第4,401,752号および同第4,326,024号、RD第18053号(1979年4月)、英国特許第1,425,020号、並びにドイツ特許第2,219,917号、同第2,261,361号、同第2,329,587号および同第2,433,812号に記載されているのような、脱離する基を窒素原子を介して結合した黄色カプラーを包含する。このカプラーの中で、α-ピバロイルアセトアニリド系カプラーは、カラー染料の堅ろう度が優れているが、α-ベンゾイルアセトアニリド系カプラーは、高い吸光度を提供する。
【0036】
本発明において特に好ましい黄色染料形成カプラーは、一般式(IV):
【化22】
Figure 0003779379
[式中、R14およびR16は、同じまたは異なって、炭素数1〜4のアルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、クロロメチル、トリフルオロメチル等)、好ましくは炭素数6〜12のアリール基(例えば、フェニル、ベンジル、トリル等)、ハロゲン原子(例えば、塩素、臭素等)、または好ましくは炭素数1〜15のアルコキシ基(例えば、メトキシ、イソプロポキシ、オクチロキシ等)をそれぞれ表し、xおよびyは、独立して、0、1または2であり、R15は、炭素数1〜4のアルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、クロロメチル、トリフルオロメチル等)、R17は、式(II)において定義されたような安定性基であり、R18は、水素原子、アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、アミル、イソアミル、ヘキシル、カルボキシメチル、ヘキサデシル等)、アリール基(例えば、フェニル、ナフチル等)、またはアシル基(例えば、アセチル、プロピオニル、オクタノイル、ベンゾイル等)を表し、R19は、水素原子、アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、アミル、イソアミル、ヘキシル、カルボキシメチル、ヘキサデシル等)、-O-R20または-S-R20(ただし、R20は、水素原子、アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、アミル、イソアミル、ヘキシル、カルボキシメチル、ヘキサデシル等)、アリール基(例えば、フェニル、ナフチル等)、複素環基を形成する1個の炭素を介して酸素原子もしくは硫黄原子と結合された複素環基(例えば、2-テトラヒドロピラニル、2-ピリジル、4-ピリジル等)、またはアシル基(例えば、アセチル、プロピオニル、オクタノイル、ベンゾイル等)である。)であり、およびR22は、水素原子、アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、アミル、イソアミル、ヘキシル、カルボキシメチル、ヘキサデシル等)、またはアリール基(例えば、フェニル、ナフチル等)(ただし、R22は、ハロゲン原子(例えば、塩素、臭素等)、または炭素数1〜15のアルコキシ基(例えば、メトキシ、クロロメトキシ、エトキシ、ブトキシ等)である。)である。]
で表されるアルコキシベンゾイルアセトアニリドカプラーである。
【0037】
特に、本発明において、前記アルコキシベンゾイルアセトアニリド黄色染料形成カプラーは、一般式(V):
【化23】
Figure 0003779379
(式中、R19は、式(IV)と同じであり、およびR23は、炭素数8〜32のアルキル基である。)
で表される。
【0038】
本発明において使用するアルコキシベンゾイルアセトアニリド黄色染料形成カプラーの具体例を、説明的な例として、以下に挙げる。
【0039】
【化24】
Figure 0003779379
【0040】
【化25】
Figure 0003779379
【0041】
【化26】
Figure 0003779379
【0042】
【化27】
Figure 0003779379
【0043】
本発明において、青色感光性層は、可視スペクトルの同じスペクトル領域に感光する2つまたはそれ以上のハロゲン化銀エマルション層から構成されており、英国特許第923,045号、米国特許第3,843,369号および同第4,582,780号に記載されている如く、その一番上のハロゲン化銀エマルション層は、最も高感度であり、一番下のハロゲン化銀エマルション層は、最も低感度である。2つまたはそれ以上のハロゲン化銀エマルション層を、光が、一番下の最も低感度の青色感光層に当たる前に、一番上の最も高感度の青色感光層を介して伝わるように配置する。本発明に関して、もっとも高感度の青色感光層と最も低感度の青色感光層との間の感度の差は、好ましくは、写真要素の拡張された範囲が、感度曲線の形状の明らかな歪みもなく達せられる程度である。一般に、この感度の差は、約0.2〜1 logE(Eは露光量である。)の範囲内であるべきであり、好ましくは、約0.5 logEである。さらに、一番上の最も高感度の青色感光性エマルション層は、一番下の最も低感度の青色感光性エマルション層よりも低い吸光度の色画像を現像すると、生成する。一般に、一番上の最も高感度の青色感光性エマルション層は、(例えば、英国特許第923,045号に開示されている如く)この層の粒状度を向上するために、そのカラーカプラー含量が、比較的「不足している」。すあわち、最も高感度の感光層内では、比較的少ない量のカプラーを使用するため、露光及び現像時に、この層は、最も低感度の感光層内で生じるよりも密度(濃度)の低い青色画像を形成する。
【0044】
好ましくは、本発明において、一番上の最も高感度の青色感光性ハロゲン化銀エマルション層と一番下の最も低感度の青色感光性ハロゲン化銀エマルション層はいずれも、黄色染料形成カプラーを含んで成り、該黄色染料形成カプラーを、ハロゲン化銀1モルにつき0.01〜0.5モルの範囲、好ましくは0.02〜0.1モルの量で使用し、DIRカプラーを、ハロゲン化銀1モルにつき0.001〜0.1モル、好ましくは0.002〜0.01モルの量で使用する。一番下の層において、黄色染料形成カプラーを、ハロゲン化銀1モルにつき0.04〜2モル、好ましくは0.08〜0.4モルの範囲の量で使用し、DIRカプラーを、ハロゲン化銀1モルにつき0.002〜0.2モル、好ましくは0.004〜0.02モルの量で使用する。
【0045】
本発明のカラー写真要素は、感光性物質としてハロゲン化銀を含有する通常の写真要素であり得る。
【0046】
本発明の多層カラー写真要素において使用されるハロゲン化銀は、親水性ポリマー中の塩化銀、臭化銀、臭化塩化銀、臭化ヨウ化銀および臭化ヨウ化塩化銀粒子の微分散液(エマルション)であってよい。好ましいハロゲン化銀は、ヨウ化物1〜20モル%を含有する臭化ヨウ化銀または塩化臭化ヨウ化銀である。臭化ヨウ化銀エマルションまたは塩化臭化ヨウ化銀では、ヨウ化物を、エマルション粒子中に均一に分配することができるか、またはヨウ化物基準を、粒子中で変えることができる。ハロゲン化銀は、均一な粒子寸法または広い粒子寸法分布を有し得る。ハロゲン化銀粒子は、規則的な結晶構造(例えば、立方、八面体および十四面体)、または球状もしくは不規則な結晶構造を有する標準敵な粒子、または双晶板(twin plane)のような結晶欠陥を有する粒子、または柱状形状を有する粒子、あるいはそれらの組み合わせであってよい。
【0047】
本発明によれば、「立方晶粒子(cubic grains)」という用語は、実質上立方の粒子、すなわち、結晶面(100)で結合している規則的な立方晶のであるか、または丸くなった端および/または頂点または小さな面(111)を有し得る粒子を包含するものと考えられ、あるいは、可溶性ヨウ化物または強い熟成剤(例えば、アンモニア)の存在下で調製すると、ほぼ球状でも有り得る。特に優れた結果は、平均粒子寸法が0.2〜3μm、好ましくは0.4〜1.5μmの範囲のハロゲン化銀を用いて得られる。立方晶臭化ヨウ化銀を含んで成るハロゲン化銀エマルションの調製は、例えば、リサーチ・ディスクロージャー(Research Disclosure)、第184巻、第18431項、第176巻、第17644項、および第308巻、第308119項に記載されている。
【0048】
本発明で使用する他のハロゲン化銀エマルションは、1種またはそれ以上の感光性柱状粒子エマルションを用いたものである。本発明のエマルションに含有される柱状ハロゲン化銀粒子は、平均直径:厚さの比(当業者は、しばしば、アスペクト比とよぶ。)が、少なくとも2:1、好ましくは2:1〜20:1、特に3:1〜14:1、最も好ましくは3:1〜8:1である。本発明の使用に適する柱状ハロゲン化銀粒子の平均直径は、約0.3〜約5μmの範囲、好ましくは0.5〜3μmの範囲、特に0.8〜1.5μmの範囲である。本発明に使用に適する柱状ハロゲン化銀粒子の厚さは、0.4μm未満、好ましくは0.3μm未満、特に0.2μm未満である。
【0049】
上述の柱状粒子の特徴は、当業者に周知の手順によって、容易に確認することができる。「直径」とは、粒子の投影面積と等しい面積の円の直径と定義される。「厚さ」は、柱状ハロゲン化銀粒子から構成された2つの実質上平行な主要平面間の距離を意味する。各粒子の直径と厚さの測定から、それぞれの粒子の直径:厚さ比を計算することができ、すべての柱状粒子の直径:厚さ比を平均することで、その平均直径:厚さ比を得ることができる。この定義により、平均直径:厚さ比は、個々の柱状粒子の直径:厚さ比の平均である。実際には、柱状粒子の平均直径と平均厚さを得ること、およびこの2つの平均の比として、平均直径:厚さ比を算出することが、より簡単である。どのような方法を用いても、得られる平均直径:厚さ比には大差がない。
【0050】
柱状ハロゲン化銀粒子を含有するハロゲン化銀エマルション層において、ハロゲン化銀粒子の少なくとも15%、好ましくは少なくとも25%、特に少なくとも50%は、平均直径:厚さ比が2:1未満の柱状粒子である。上記の各割合、「15%」、「25%」および「50%」は、層内のハロゲン化銀粒子すべての投影面積に対する、直径:厚さ比が少なくとも2:1でかつ厚さが0.4μm以下である柱状粒子の合計投影面積の割合を意味する。
【0051】
バインダーを含んで成る水性分散媒体中でハロゲン化銀粒子を沈殿することにより、感光性ハロゲン化銀エマルションを形成することができることが知られており、好ましくはバインダーとしてゼラチンを用いる。
【0052】
さまざまな通常の技術によって、ハロゲン化銀粒子を沈殿してよい。ハロゲン化銀エマルションは、単ジェット法、ダブル-ジェット法、またはそれらの方法の組み合わせを用いて調製され得るか、または、例えば、アンモニア法、中和法、酸法を用いて熟成され得るか、あるいは加速したまたは一定の流速沈殿、中断沈殿、沈殿中の限外濾過などを行われ得る。トリヴェリ(Trivelli)およびスミス(Smith)著、ザ・フォトグラフィック・ジャーナル(The Photographic Journal)、第LXXIX(79)巻、1939年5月、330〜338頁、ティー・エイチ・ジェイムズ(T.H.James)著、ザ・セオリー・オブ・ザ・フォトグラフィック・プロセス(The Theory of The Photographic Process)、第4版、第3章、米国特許第2,222,264号、同第3,650,757号、同第3,917,485号、同第3,790,387号、同第3,716,276号および同第3,979,213号、リサーチ・ディスクロージャー、1989年12月、第308119項「フォトグラフィック・シルヴァー・ハライド・エマルションズ・プリパレイションズ・アデンダ・プロセッシング・アンド・システムズ(Photographic Silver Halide Emulsions, Preparations, Addenda, Processing and Sistems)」、並びにリサーチ・ディスクージャー、1976年9月、第14987項に、文献を見い出すことができる。
【0053】
一つの共通の技術は、水中銀塩溶液と水中ハロゲン化物塩溶液を、分散媒体を含む反応容器中へ同時に添加する、通常ダブル-ジェット沈殿法と呼ばれるバッチ法である。
【0054】
アルカリハロゲン化物溶液と硝酸銀溶液を、ゼラチン溶液に同時に添加するダブル-ジェット法では、ゼラチン溶液中に存在する溶媒の種類と濃度、並びに添加速度によって、形成したハロゲン化銀粒子の形状および寸法を制御することができる。ダブル-ジェット沈殿法は、例えば、英国特許第1,027,146号および同第1,302,405号、並びに米国特許第3,801,326号、同第4,046,376号、同第3,790,386号、同第3,897,935号、同第4,147,551号および同第4,171,224号に記載されている。
【0055】
硝酸銀溶液をハロゲン化物およびゼラチン溶液に添加する単ジェット法は、写真用エマルションを製造するのに長く使用されてきた。この方法では、溶液中のハロゲン化物の濃度を変えることが、ハロゲン化銀粒子の形成を決定するため、形成されたハロゲン化銀粒子は、様々な種類の形状および寸法の混合物である。
【0056】
ハロゲン化銀粒子の沈殿は、通常、2つの別個の段階で生じる。第一段階では、核形成(微細なハロゲン化銀粒子の形成)が生じる。続く第二段階(成長段階)では、反応生成物として形成した別のハロゲン化銀が、初期に形成したハロゲン化銀粒子の上に沈殿し、その結果、このハロゲン化銀粒子の成長をもたらす。バッチダブル-ジェット沈殿法は、典型的には、反応容器内の体積が、ハロゲン化銀沈殿物と溶解性塩が、ハロゲン化銀粒子に添加して形成される間に、連続して増加する反応物の迅速な撹拌条件下で生じる。
【0057】
写真材料のエマルション層内での溶解性塩が、コーティング後に結晶化すること、および、他の写真の欠点または機械的な欠点(剛性、脆性など)を回避するために、沈殿中に形成した溶解性塩を取り除かなければならない。
【0058】
本発明において使用するハロゲン化銀エマルションの調製では、広く様々なハロゲン化銀用親水性分散剤を用いることができる。親水性分散剤としては、ゼラチン、ゼラチン誘導体(例えば、アシル化ゼラチン、グラフト化ゼラチン等)、アルバミン、アラビアゴム、寒天、セルロース誘導体(例えば、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等)、合成樹脂(例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド)等を含む写真に通常使用される親水性ポリマーを、有利に用いることができる。当業者に既知の有用な他の親水性材料は、例えば、リサーチ・ディスクロージャー、第308巻、第308119項、IXセクションに記載されている。
【0059】
本発明に使用するハロゲン化銀粒子エマルションを、当業者に既知の増感剤を用いて化学増感することができる。硫黄含有化合物、金および貴金属化合物、およびポリオキシルアルキレン化合物が、特に適している。特に、ハロゲン化銀エマルションを、硫黄増感剤(例えば、チオ硫酸ナトリウム、アリルチオシアン酸塩、アリルチオウレア、チオスルフィン酸およびそのナトリウム塩、スルホン酸およびそのナトリウム塩、アリルチオカルバミド、チオウレア、シスチン等)、活性または不活性なセレン増感剤、還元増感剤(例えば、第一錫塩、ポリアミン等)、貴金属増感剤(例えば、金増感剤、特に金(I)チオシアン酸カリウム、クロロ金酸カリウム等)、または例えば、ルテニウム、ロジウム、イリジウム等のような水溶性塩の増感剤(特にクロロパラジウム酸アンモニウム、クロロ白金酸カリウム、およびクロロパラジウム酸ナトリウム等)で増感してよく、それぞれを、単独または適する組み合わせで用いる。化学増感剤の他の有用な例は、例えば、リサーチ・ディスクロージャー17643、セクションIII、1978年、およびにリサーチ・ディスクロージャー308119、セクションIII、1989年に記載されている。
【0060】
本発明に使用するハロゲン化銀エマルションを、特に、シアニン、メロシアニン、錯体シアニンおよびメロシアニン、オキソノール、ヘミオキソノール、スチリル、メロスチリル、並びにストレプトシアニンを包含するポリメチン染料類を含む様々な種類からの染料で増感することができる。
【0061】
メチン結合で接合されたシアニンスペクトル増感染料としては、2つの塩基性複素環核(例えば、キノリン、ピリミジン、イソキノリン、インドール、ベンジンドール、オキサゾール、チアゾール、セレナゾール、イミダゾール、ベンズオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾセレナゾール、ベンゾイミダゾール、ナフトオキサゾール、ナフトチアゾール、ナフトセレナゾール、テルラゾール、オキサテルラゾールから生成されたもの)が挙げられる。
【0062】
メチン結合で接合されたメロシアニンスペクトル増感染料としては、バルビチン酸、2-チオバルビチン酸、ロダニン、ヒダントイン、2-チオヒダントイン、2-ピラゾリン-5-オン、2-イソキサゾリン-5-オン、インダン-1,3-ジオン、シクロヘキサン-1,3-ジオン、1,3-ジオキサン-4,6-ジオン、ピラゾリン-3,5-ジオン、ペンタン-2,4-ジオン、アルキルスルホニルアセトニトリル、マロノニトリル、イソキノリン-4-オン、クロマン-2,4-ジオン等から生成され得るシアニン染料系の1つの塩基性複素環核と酸性核が挙げられる。
【0063】
1種またはそれ以上のスペクトル増感染料を使用してよい。可視および赤外スペクトルの全波長に亙って最大限度増感し、かつ大変様々な種類のスペクトル増感曲線形状を有する染料が知られている。染料の選択および相対的な割合は、増感が望まれるスペクトル領域および所望のスペクトル増感の形状に依存する。
【0064】
増感染料の例は、ヴェンカタラマン(Venkataraman)著、ザ・ケミストリー・オブ・シンセティック・ダイズ(The Chemistry of Synthetic Dyes)、アカデミック・プレス(Academic Press)、ニューヨーク、1971年、第V章、ジェイムズ(James)著、ザ・セオリー・オブ・ザ・フォトグラフィック・プロセス(The Theory of the Photographic Process)、第4版、マクミラン(Macmillan)、1977年、第8章、エフ・エム・ハマー(F.M.Hamer)著、シアニン・ダイズ・アンド・リレイテッド・コンパウンズ(Cyanine Dyes and Related Compounds)、ジョン・ワイリー・アンド・サンズ(John Wiley and Sons)、1964年、およびリサーチ・ディスクロージャー308119、セクションIII、1989年に見い出すことができる。
【0065】
本発明に使用するハロゲン化銀エマルションは、例えば、リサーチ・ディスクロージャー17643、セクションV、VI、VIII、X、XIおよびXII、1978年、並びに同30119、セクションV、VI、VIII、X、XIおよびXII、1989年に記載されているような、蛍光増白剤、防曇剤および安定剤、フィルター染料およびアンチハロ染料、硬化剤、被覆助剤、可塑剤および潤滑剤、並びに、他の助剤を含有し得る。
【0066】
本発明に使用するハロゲン化銀エマルションを、多層感光性ハロゲン化銀カラー写真要素[例えば、カラーネガ型写真要素、カラー反転写真要素、カラーポジ型写真要素、疑似カラーアドレス写真要素(例えば、米国特許第4,619,892号に記載されているもの)等]の製造に使用することができ、好ましいものは、カラーネガ型写真要素である。
【0067】
ハロゲン化銀多層カラー写真要素は、通常、支持体上に被覆されており、シアン染料形成カラーカプラーと関連する1つの赤色感光性ハロゲン化銀エマルション層、マゼンタ染料形成カラーカプラーに関連する1つの緑色感光性ハロゲン化銀エマルション層、および黄色染料形成カラーカプラーに関連する1つの青色感光性ハロゲン化銀エマルション層を含んで成る。各層は、通常、可視スペクトルの緑色領域に感光する多数(2層またはそれ以上)のエマルション下塗り層を含んで成る。多層材料が、多数の青色、緑色または赤色下塗り層を含有すると、それらは、いずれにせよ、比較的より速いおよび比較的より遅い下塗り層であり得る。さらに、これらの要素は、他の非感光性層(例えば、中間層、フィルター層、ハレーション防止層および保護層)を含んで成り、そのため、多層構造を形成している。このカラー写真要素を、化学線による画像態様での露光後に、色源体(chromogenic)現像液中で処理して、目視可能な色画像を得る。層単位は、通常の順番で被覆され得るが、好ましい層配列では、赤色感光層を、支持体の一番近くに被覆し、緑色感光層、黄色フィルター層および青色感光層でオーバーコートする。
【0068】
適するカラーカプラーは、好ましくは、非分離の位置でカプラー分子に導入される拡散防止基(例えば、炭素数が約8〜32の疎水性有機残基を有する基)を有するカプラーから選ばれる。そのような残基は、「安定性基(ballast group)」と呼ばれている。安定性基は、直接、またはイミノ結合、エーテル結合、カルボンアミド結合、スルホンアミド結合、ウレイド結合、エステル結合、イミド結合、カルバモイル結合、スルファモイル結合等を介してカプラー核に結合される。適する安定性基の例は、米国特許第3,892,572号に記載されている。
【0069】
前記の非拡散性カプラーを感光性ハロゲン化銀エマルション層内またはそれに隣接する非感光性の層内に導入する。露光および発色現像すると、前記カプラーは、ハロゲン化銀エマルション層が感光する光の色の補色を与える。その結果として、少なくとも1つの非拡散性シアン画像形成カラーカプラー、一般にはフェノールまたはα-ナフトール化合物は、赤色感光性ハロゲン化銀エマルション層に関連し、少なくとも1つの非拡散性マゼンタ画像形成カラーカプラー、一般に5-ピラゾロンまたはピラゾロトリアゾール化合物は、緑色感光性ハロゲン化銀エマルション層に関連し、および少なくとも1つの非拡散性黄色画像形成カラーカプラー、一般にはアシルアセトアニリド化合物は、青色感光性ハロゲン化銀エマルション層に関連する。
【0070】
前記カラーカプラーは、4当量および/または2当量のカプラーであってよく、後者は、カラー生成のために、より少ない量のハロゲン化銀を要する。周知の如く、2当量のカプラーは、4当量のカプラーが、カップリング(結合)位において、カップリング反応中に脱離する置換基を含むことから、4当量のカプラーから生成される。ハロゲン化銀カラー写真要素に使用され得る2当量のカプラーは、実質上無色のものと着色されたもの(「マスキングカプラー」)の両者を包含する。2当量のカプラーは、発色現像液酸化生成物との反応時に染料を形成しない白色カプラーも包含する。さらに、2当量のカラーカプラーは、発色現像液酸化生成物との反応時に拡散性現像抑制化合物を脱離し得るDIRカプラーも包含する。
【0071】
最も有用なシアン形成カプラーは、通常のフェノール化合物およびα-ナフトール化合物である。シアンカプラーの例は、米国特許第2,369,929号、同第2,474,293号、同第3,591,383号、同第2,895,826同、同第3,458,315号、同第3,311,476号、同第3,419,390号、同第3,476,563号および同第3,253,924号、英国特許第1,201,110号、並びにリサーチ・ディスクロージャー308119、セクションVII、1989年に記載されているものから選択され得る。
【0072】
最も有用なマゼンタ形成カプラーは、通常のピラゾロン系化合物、インダゾロン系化合物、シアノアセチル化合物、ピラゾロトリアゾール系化合物等であり、特に、ピラゾロン系化合物が好ましい。マゼンタ形成カプラーは、米国特許第2,600,788号、同第2,983,608号、同第3,062,653号、同第3,127,269号、同第3,311,476号、同第3,419,391号、同第3,519,429号、同第3,558,319号、同第3,582,322号、同第3,615,506号、同第3,834,908号および同第3,891,445号、ドイツ特許第1,810,464号、ドイツ特許出願公開第2,408,665号、同第2,417,945号、同第2,418,959号、同第2,424,467号、日本特許出願公開第20,826/76号、同第58,922/77号、同第129,538/74号、同第74,027/74号、同第159,336/75号、同第42,121/77号、同第74,028/74号、同第60,233/75号、同第26,541/76号および同第55,122/78号、並びにリサーチ・ディスクロージャー308119、セクションVII、1989年に記載されている。
【0073】
本発明において前述の黄色染料形成カプラーと組み合わせて使用され得る最も有用な黄色形成カプラーは、通常の開環ケトメチレン型カプラーである。そのようなカプラーの具体例は、ベンゾイルアセトアニリド系およびピバロイルアセトアニリド系化合物である。使用し得る黄色形成カプラーは、特に、米国特許第2,875,057号、同第3,235,924号、同第3,265,506号、同第3,278,658号、同第3,369,859号、同第3,408,194号、同第3,415,652号、同第3,528,322号、同第3,551,151号、同第3,682,322号、同第3,725,072号および同第3,891,445号、ドイツ特許第2,219,917号、同第2,261,361号および同第2,414,006号、英国特許第1,425,020号、日本特許出願公告第10,783/76号、および日本特許出願公開第26,133/72号、同第73,147/73号、同第102,636/76号、同第6,341/75号、同第123,342/75号、同第130,442/75号、同第1,827/76号、同第87,650/75号、同第82,424/77号および同第115,219/77号、並びにリサーチ・ディスクロージャー308119、セクションVII、1989年に記載されている。
【0074】
例えば、米国特許第3,476,560号、同第2,521,908号および同第3,034,892号、日本特許出願公告第2,016/69号、同第22,335/63号、同第11,304/67号および同第32,461/69号、日本特許出願公開第26,034/76号および同第42,121/77号、およびドイツ特許出願公開第2,418,959号に記載のものを包含する着色したカプラーを使用することができる。感光性ハロゲン化銀カラー写真要素は、米国特許第4,080,211号、欧州特許出願第27,284号、およびドイツ特許出願公開第1,297,417号、同第2,407,569号、同第3,148,125号、同第3,217,200号、同第3,320,079号、同第3,324,932号、同第3,331,743号、同第3,340,376号、並びにリサーチ・ディスクロージャー308119、セクションVII、1989年に記載されているような高分子量のカラーカプラーを含有してよい。
【0075】
着色したシアンカプラーは、米国特許第3,934,802号、同第3,386,301号および同第2,434,272号に記載されているものから選択でき、着色したマゼンタカプラーは、米国特許第2,434,272号、同第3,476,564号および同第3,476,560号並びに英国特許第1,464,361号に記載されているものから選択できる。無色のカプラーは、英国特許第861,138号、同第914,145号および同第1,109,963号、および米国特許第3,580,722号、並びにリサーチ・ディスクロージャー308119、セクションVII、1989年に記載されているものから選択できる。
【0076】
さらに、拡散し得る着色染料を提供するカプラーを、粒状度を高めるために、上記のカプラーと合わせて使用することができ、このカプラーの具体例は、米国特許第4,366,237号と英国特許第2,125,570号に記載されているマゼンタカプラー、並びに、欧州特許第96,873号、ドイツ特許出願公開第3,324,533号、およびリサーチ・ディスクロージャー308119、セクションVII、1989年に記載されている黄色、マゼンタおよびシアンカプラーである。
【0077】
さらに、2当量のカプラー中には、発色現像反応において脱離する基を、直接または元来脱離した基から1個もしくはそれ以上の基を除去した後、カップリング位に運んで、特定の写真活性を与える上記カプラー(例えば、現像抑制剤もしくは促進剤または漂白促進剤)もある。そのような2当量のカプラーの例としては、既知のDIRカプラー、並びにDAR、FARおよびBARカプラーが挙げられる。上記のカプラーの典型的な例は、ドイツ特許出願公開第2,703,145号、同第2,855,697号、同第3,105,026号、同第3,319,428号、同第1,800,420号、同第2,015,867号、同第2,414,006号、同第2,842,063号、同第3,427,235号、同第3,209,110号および同第1,547,640号、英国特許第953,454号および同第1,591,641号、欧州特許出願第89,843号、同第117,511号、同第118,087号、同第193,389号および同第301,477号、並びにリサーチ・ディスクロージャー308119、セクションVII、1989年に記載されている。
【0078】
ハロゲン化銀カラー要素中に使用し得る非カラー形成DIRカプラー化合物の例としては、米国特許第3,938,996号、同第3,632,345号、同第3,639,417号、同第3,297,445号および同第3,928,041号、ドイツ特許出願第2,405,442号、同第2,523,705号、同第2,460,202号、同第2,529,350号および同第2,448,063号、日本特許出願第143,538/75号および同第147,716/75、英国特許第1,423,588号、同第1,542,705号および同第301,477号、並びにリサーチ・ディスクロージャー308119、セクションVII、1989年に記載されたものが挙げられる。
【0079】
カプラーをハロゲン化銀エマルション層中に導入するため、当業者に既知のいくつかの通常の方法を用いることができる。米国特許第2,322,027号、同第2,801,170号、同第2,801,171号および同第2,991,177号によれば、カプラーを、分散技術によって、ハロゲン化銀エマルション層中に組み込むことができ、それは、カプラーを水不混和性高沸点有機溶媒に溶解した後、そのような溶液を、非常に小さな滴の形態で、親水性コロイド状バインダー中に分散することから構成されている。好ましいコロイド状バインダーは、いくつかの他の種類のバインダーを使用することができるとしても、ゼラチンである。
【0080】
カプラーをハロゲン化銀エマルション層中に導入する別の系は、いわゆる「充填ラテックス法(loaded-latex technique)」から成る。そのような方法の詳細な説明は、ベルギー特許第853,512号および同第869,816号、米国特許第4,214,047号および同第4,199,363号、並びに欧州特許第14,921号に見い出すことができる。それは、連続相としての水および分散相としての平均直径が0.02〜0.2μmの範囲のポリマー粒子から構成されるポリマーラテックスを含む水混和性有機溶媒中にカプラーの溶液を混合することを含んで成る。
【0081】
さらに、もう一つの有用な方法は、フィッシャー法である。そのような方法によれば、水溶性基(例えば、カルボキシル基、水酸基、スルホン基またはスルホンアミド基)を有するカプラーを、例えばアルカリ水溶液中に溶解することにより、写真層に添加することができる。
【0082】
カプラーをハロゲン化銀エマルション中に導入する有用な方法は、リサーチ・ディスクロージャー308119、セクションVII、1989年に記載されている。
【0083】
写真要素の層を、リサーチ・ディスクロージャー308119、セクションXVII、1989年に記載の如く、セルロースエステル支持体(例えば、トリアセチルセルロース支持体)、紙支持体、ポリエステルフィルム支持体(例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム支持体またはポリエチレンナフタレートフィルム支持体)等のような様々な支持体の上に被覆することができる。
【0084】
本発明の写真要素を、当業者に既知の如く、露光後、処理して、媒体または材料に含まれる現像剤の存在下でアルカリ水性媒体とハロゲン化銀との関係によって、目視可能な画像を形成することができる。写真用発色現像組成物中で使用される芳香族第1級アミン発色現像剤は、様々なカラー写真プロセスにおいて広く用いられるp-フェニレンジアミン誘導体類のどのような既知の化合物でもあり得る。特に有用な発色現像剤は、p-フェニレンジアミン誘導体、特に、アルキル基または芳香族核を置換することができるかまたは置換できないN,N-ジアルキル-p-フェニレンジアミン誘導体である。
【0085】
p-フェニレンジアミン現像液の例としては、例えば、米国特許第2,552,241号、同第2,556,271号、同第3,656,950号および同第3,658,525号に記載されているような、N,N-ジエチル-p-フェニレンジアミン、2-アミノ-5-エチルアミノトルエン、4-アミノ-N-エチル-N-(α-メタンスルホンアミドエチル)-m-トルイジン、4-アミノ-3-メチル-N-エチル-N-(α-ヒドロキシエチル)アニリン、4-アミノ-3-(α-メチルスルホンアミドエチル)-N,N-ジエチルアニリン、4-アミノ-N,N-ジエチル-3-(N'-メチル-α-メチルスルホンアミド)アニリン、N-エチル-N-メトキシエチル-3-メチル-p-フェニレンジアミン等の塩が挙げられる。
【0086】
p-フェニレンジアミン塩系の通常使用される現像剤の例は、(一般にCD2として知られており、カラーポジ型写真材料用現像溶液中で使用される)2-アミノ-5-ジエチルアミノトルエン塩酸塩、(一般にCD3として知られており、写真用の紙およびカラー反転材料のための現像溶液中に使用される)4-アミノ-N-エチル-N-(α-メタンスルホンアミドエチル)-m-トルイジンセスキ硫酸塩1水和物、および(一般にCD4として知られており、カラーネガ型写真材料用現像溶液中で使用される)4-アミノ-3-メチル-N-エチル-N-(β-ヒドロキシエチル)アニリン硫酸塩である。
【0087】
上記の発色現像剤は、一般に、カラー写真用現像組成物1Lにつき、約0.001〜約0.1モル、好ましくは約0.0045〜約0.04モルの量で使用される。
【0088】
カラー写真材料の場合、処理は、少なくとも1つの発色現像浴と、場合により予備硬化浴、中和浴、第一(白黒)現像浴等を含んで成る。これらの浴は、当業者に周知であり、かつ例えば、リサーチ・ディスクロージャー17643、1978年並びに同308119、セクションXIXおよびXX、1989年に記載されている。
【0089】
発色現像後、画像態様で現像された金属銀および残存している銀塩を、一般には、写真要素から取り除かなければならない。これは、別個の漂白および定着浴内で、またはブリックス(blix)と呼ばれる単一浴内で行われ、画像を一段階で漂白して定着する。漂白浴は、pHが5.6に等しくかつ酸化剤[通常は、有機酸とアルカリ金属またはアンモニウムおよび三価の鉄との錯体塩、例えば、EDTA.Fe.NH4(式中、EDTAは、四酢酸エチレンジアミンである。)あるいはPDTA.Fe.NH4(式中、PDTAは、四酢酸プロピレンジアミンである。)]を含有する水溶液である。処理中、この浴は、銀画像を漂白中に形成する二価の鉄を酸化するために連続的に外気にさらされ、かつ漂白効果を維持するために、当業者に既知の如く、再生される。この操作の誤作動は、染料のシアン濃度の低下を引き起こすことがある。
【0090】
上記の酸化剤に更に付け加えて、ブリックス浴は、既知の定着化剤(例えば、チオ硫酸アンモニウムまたはチオ硫酸アルカリ金属)を含有し得る。漂白浴および定着浴はいずれも、浴の効果を高めるために、他の添加剤(例えば、英国特許第933,008号に記載されているようなポリアルキレンオキサイド化合物)、または漂白促進剤として既知のチオエーテル化合物を含有し得る。
【0091】
以下の実施例により、本発明を説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。
【0092】
【実施例】
実施例1
本実施例は、本発明に使用する黄色染料形成DIRカプラーから脱離した化合物が、既知のトリアゾール化合物に比べて、優れた現像抑制剤であることを示すものである。この評価において、ゼラチン硬化剤を含有する青色感光性ヨウ化臭化銀ゼラチンエマルションに現像抑制剤化合物を添加した。次に、エマルションを支持体上に塗布して乾燥した。単層写真被覆の試料を、色温度5,500K光源で露光した(白色光露光)。その後、露光した試料を、ブリティッシュ・ジャーナル・オブ・フォトグラフィー・アニューアル(British Journal of Photography Annual)、1988年、196〜198頁に記載のコダック・フレキシカラー(KODAK FLEXICOLOR、C41)法を用いて、以下の順に発色処理した。
1.発色現像
2.漂白
3.洗浄
4.定着
5.洗浄
【0093】
処理した試料それぞれにおいて、青色光の吸収についての特性曲線が形式上得られた。以下の表1に、現像抑制剤を含まない参照試料と比較した、2倍量の各現像抑制剤についてのDminを越えて吸光度0.2における青色光に対する感度logEの差[速度低下(SPEED LOSS)1]を報告する。
【0094】
【表1】
Figure 0003779379
【0095】
比較化合物Aは、米国特許第4,359,521号の化合物No.102として記載されており、以下の構造を有する。
【化28】
Figure 0003779379
【0096】
比較化合物BおよびCは、米国特許第5,021,331号に現像抑制剤として記載されており、以下の構造をそれぞれ有する。
【化29】
Figure 0003779379
【0097】
比較化合物Dは、INH−1の水解物形態であり、以下の構造を有する。
【化30】
Figure 0003779379
【0098】
比較化合物Aは、優れた現像抑制剤特性を示すが、加水分解性基を含有せず、それ故に、処理溶液中に堆積したときに不活性化しない。比較化合物BおよびC(すなわち、加水分解性基を有する1,2,4-トリアゾール化合物)は、現像抑制特性を有しない。本発明の化合物は、優れた抑制特性を有し、加水分解による現像抑制剤として不活性となる(化合物D)。
【0099】
実施例2
速度の利点を実証するために、以下の層を以下の順に有するトリアセチルセルロース支持下地上に以下の層を被覆した写真要素を調製した。
a)トリクレジルホスフェート中に分散したマゼンタ染料形成カプラーM1を含んで成る第一の緑色感光性ヨウ化臭化銀エマルション層、
b)銀1.62mg/m2で被覆し、表2に示すように、被覆所要量がジブチルフタレート中に分散したAg1モルにつき4ミリモルで、黄色染料形成DIRカプラーY1を含んで成る第二の青色感光性ヨウ化臭化銀エマルション層、
および
c)ゼラチン硬化剤を含有するオーバーコートゼラチン層。
【0100】
マゼンタ染料形成カプラーM−1:
【化31】
Figure 0003779379
【0101】
黄色染料形成カプラーY−1:
【化32】
Figure 0003779379
【0102】
黄色染料形成DIRカプラーDIR−1(米国特許第4,359,521号のカプラーNo.202):
【化33】
Figure 0003779379
【0103】
実施例1の記載と同様にして、要素の試料を露光して処理した。処理した試料それぞれについて、青色および緑色光の吸収に対する特性曲線が形式上得られた。以下の表2には、Dminを越える吸光度0.2における感度logE(速度1)とDminを越える吸光度1.0における感度(速度2)、青色および緑色感光層についての先端コントラスト(γ)の値、並びに緑色感光層についての内部画像効果の値を報告する。内部画像効果は、以下の用にして算出した。各フィルムの試料を、コダック・ラトゥン(Kodak Wratten、登録商標)W99フィルターと光学ステップウェッジを介して色温度5,500Kの緑色光源で露光した(選択露光)。各フィルムの試料をいずれも、上述の通りに現像した。選択露光およいび白色光露光において得られた感度曲線のコントラスト(γsおよびγw)を、低い染料濃度または先端領域で測定した。内部画像効果(IIE)を、以下の用にして計算する。:
【0104】
【数1】
Figure 0003779379
【0105】
【表2】
Figure 0003779379
【0106】
表において、本発明の黄色染料形成DIRカプラーI−1を含有するフィルム1は、黄色およびマゼンタ層において速度のかなりの向上を与え、さらに優れた内部画像効果を維持していた。YDIR−1から脱離した現像抑制剤が加水分解性基を含有しないため、シーズニングされた現像溶液中において、速度の向上した利点を得ることができる。
【0107】
実施例3
ゼラチンで下塗りしたトリアセチルセルロース支持下地を、以下の順に以下の層で被覆することにより、多層ハロゲン化銀カラー写真フィルムA1を調製した。(1)銀被覆所要量0.26g/m2およびゼラチン被覆所要量1.33g/m2のゼラチン中に分散した黒色コロイド状銀の層、
(2)硫黄および金増感された、最適には、増感染料S−1、S−2およびS−3でスペクトル増感された(ヨウ化銀2.5モル%および平均粒子寸法0.18μmを有する)低感度ヨウ化臭化銀エマルションを合計銀被覆所要量0.72g/m2およびゼラチン被覆所要量0.97g/m2で含んで成り、シアン染料形成カプラーC−1を被覆所要量0.357g/m2で、シアン染料形成DIRカプラーC−2を被覆所要量0.024g/m2で、およびマゼンタ着色シアン染料形成マスキングカプラーC−3を被覆所要量0.052g/m2で含有する、トリフェニルホスフェートとブチルアセトアニリドの混合物中に分散された低感度赤色感光性ハロゲン化銀エマルションの層、
(3)硫黄および金増感された、最適には、増感染料S−1、S−2およびS−3によりスペクトル増感された(ヨウ化銀7モル%、塩化銀5モル%および平均粒子寸法0.45μmを有する)ヨウ化塩化臭化銀エマルションを銀被覆所要量0.84g/m2およびゼラチン被覆所要量0.81g/m2で含んで成り、シアン染料形成カプラーC−1を被覆所要量0.324g/m2で、シアン染料形成DIRカプラーC−2を被覆所要量0.024g/m2で、およびマゼンタ着色シアン染料形成マスキングカプラーC−3を被覆所要量0.052g/m2で含有する、トリフェニルホスフェートとブチルアセトアニリドの混合物中に分散された中程度の感度の赤色感光性ハロゲン化銀エマルションの層、
【0108】
(4)硫黄および金増感された、最適には、増感染料S−1、S−2およびS−3によりスペクトル増感された(ヨウ化銀12モル%および平均粒子寸法1.1μmを有する)ヨウ化臭化銀エマルションを銀被覆所要量1.53g/m2およびゼラチン被覆所要量1.08g/m2で含んで成り、シアン染料形成カプラーC−1を被覆所要量0.223g/m2で、シアン染料形成DIRカプラーC−2を被覆所要量0.018g/m2で、およびシアン形成カプラーC−4を0.032g/m2で含有する、トリクレジルホスフェートとブチルアセトアニリドの混合物中に分散された高感度の赤色感光性ハロゲン化銀エマルションの層、
(5)ゼラチン1.13g/m2、UV吸収剤UV−1 0.025g/m2および硬化剤H−1 0.071g/m2を含有する中間層、
(6)硫黄および金増感された、最適には、増感染料S−4およびS−5によりスペクトル増感された(ヨウ化銀2.5モル%および平均粒子寸法0.18μmを有する)ヨウ化臭化銀エマルションを銀被覆所要量0.65g/m2およびゼラチン被覆所要量1.2g/m2で含んで成り、マゼンタ染料形成カプラーM−1を被覆所要量0.399g/m2で、マゼンタ染料形成DIRカプラーM−2を被覆所要量0.010g/m2で、および黄色着色マゼンタ染料形成カプラーM−3およびM−4を被覆所要量0.123g/m2で含有する、トリクレジルホスフェート中に分散された低感度の緑色感光性ハロゲン化銀エマルションの層、
【0109】
(7)硫黄および金増感された、最適には、増感染料S−4およびS−5によりスペクトル増感された(ヨウ化銀7モル%、塩化銀5モル%および平均粒子寸法0.45μmを有する)ヨウ化塩化臭化銀エマルションを銀被覆所要量0.74g/m2およびゼラチン被覆所要量0.9g/m2で含んで成り、マゼンタ染料形成カプラーM−1を被覆所要量0.222g/m2で、マゼンタ染料形成DIRカプラーM−2を被覆所要量0.004g/m2で、および黄色着色マゼンタ染料形成カプラーM−3およびM−4を被覆所要量0.094g/m2で含有する、トリクレジルホスフェート中に分散された中程度の感度の緑色感光性ハロゲン化銀エマルションの層、
(8)硫黄および金増感された、最適には、増感染料S−4およびS−5によりスペクトル増感された(ヨウ化銀12モル%および平均粒子寸法1.1μmを有する)ヨウ化臭化銀エマルションを銀被覆所要量1.5g/m2およびゼラチン被覆所要量1.2g/m2で含んで成り、マゼンタ染料形成カプラーM−1を被覆所要量0.296g/m2で、および黄色着色マゼンタ染料形成カプラーM−3およびM−4を被覆所要量0.043g/m2で含有する、トリクレジルホスフェート中に分散された高感度の緑色感光性ハロゲン化銀エマルションの層、
(9)ゼラチン1.06g/m2を含有する中間層、
(10)ゼラチン1.14g/m2および銀0.045g/m2を含有する黄色フィルター層、
(11)最適には、増感染料S−6によりスペクトル増感され、低感度エマルション層(2)63重量%と中程度の感度のエマルション層(3)37重量%のブレンドを合計銀被覆所要量0.53g/m2およびゼラチン被覆所要量1.65g/m2で含んで成り、黄色染料形成カプラーY−1を被覆所要量0.841g/m2で、および黄色染料形成DIRカプラーY−2を被覆所要量0.038g/m2で含有する、ジエチルラウルアミドとジブチルフタレートの混合物中に分散された低感度の青色感光性ハロゲン化銀エマルションの層、
【0110】
(12)硫黄および金増感された、最適には、増感染料S−6によりスペクトル増感された(ヨウ化銀12モル%および平均粒子寸法1.1μmを有する)ヨウ化臭化銀エマルションを銀被覆所要量0.92g/m2およびゼラチン被覆所要量1.25g/m2で含んで成り、黄色染料形成カプラーY−1を被覆所要量0.348g/m2で、および黄色染料形成DIRカプラーY−2を被覆所要量0.005g/m2で含有する、ジエチルラウルアミドとジブチルフタレートの混合物中に分散された高感度の青色感光性ハロゲン化銀エマルションの層、
(13)UV吸収剤UV−1を被覆所要量0.12g/m2で、UV吸収剤UV−2を被覆所要量0.12g/m2で、微粒子臭化銀エマルションを銀被覆所要量0.15g/m2で含んで成るゼラチン1.29g/m2の保護層、および
(14)平均直径2.5μmのビーズ形状のポリメチルメタクリレートマット剤MA−1 0.190g/m2と被覆所要量0.408g/m2で硬化剤H−2を含有するゼラチン0.75g/m2のトップコート層。
【0111】
フィルムA1の11目の青色感光層内に黄色染料形成カプラーY−1 0.835g/mおよび黄色染料形成DIRカプラーI−1 0.04g/m、並びに12目の青色感光層内に黄色染料形成カプラーY−1 0.318g/mと黄色染料形成DIRカプラーI−1 0.035g/mを含有すること以外は、同様の方法でフィルムB1を調製した。
【0112】
実施例1および2の記載と同様にして、A1およびB1の試料を露光および処理した。処理した試料それぞれにおいて、青色、緑色光および赤色の光吸収についての特性曲線が形式上得られた。以下の表3に、青色(Y)、緑色(M)および赤色(Cy)感光層についての曇り値(Dmin)、最大吸光度(Dmax)、Dminを越えて吸光度0.2における感度logE(速度1)、先端コントラスト(γ)、並びに緑色および赤色感光層についての内部画像効果の値(IIE)を報告する。
【0113】
【表3】
Figure 0003779379
【0114】
黄色染料形成DIRカプラーY−2を含有するフィルムA1に対し、本発明の黄色染料形成DIRカプラーI−1を含んで成るフィルムB1は、速度が向上する。
【0115】
本実施例において使用した化合物の式を以下に示す。
【0116】
【化34】
Figure 0003779379
【0117】
【化35】
Figure 0003779379
【0118】
【化36】
Figure 0003779379
【0119】
【化37】
Figure 0003779379
【0120】
黄色染料形成カプラーY−1:
【化38】
Figure 0003779379
【0121】
黄色染料形成DIRカプラーY−2:
【化39】
Figure 0003779379
【0122】
黄色染料形成DIRカプラーI−1:
【化40】
Figure 0003779379
【0123】
【化41】
Figure 0003779379
【0124】
【化42】
Figure 0003779379
【0125】
【化43】
Figure 0003779379
【0126】
実施例4
6番目、7番目および8番目の層の緑色感光層において、マゼンタ染料形成カプラーM−1またはマゼンタ染料形成カプラーM−5を、それぞれ0.259g/m2、0.134g/m2および0.115g/m2の量に置き換えたこと以外は、実施例3のフィルムA1と同様にして多層カラー写真フィルムA2を調製した。
【0127】
12番目の層の青色感光層において、黄色染料形成カプラーI−1を0.017g/m2含有すること以外は、実施例3のフィルムB1と同様にして多層カラー写真フィルムB2を調製した。
【0128】
マゼンタ染料形成カプラーM−5:
【化44】
Figure 0003779379
【0129】
実施例3の記載と同様にして、A2およびB2の試料を露光および処理した。処理した試料それぞれにおいて、青色、緑色光および赤色の光吸収についての特性曲線が形式上得られた。以下の表4に、青色(Y)、緑色(M)および赤色(Cy)感光層についての曇り値(Dmin)、最大吸光度(Dmax)、Dminを越えて吸光度0.2における感度logE(速度1)、先端コントラスト(γ)、並びに緑色および赤色感光層についての内部画像効果の値(IIE)を報告する。
【0130】
【表4】
Figure 0003779379
【0131】
実施例5
8番目の層の緑色感光層内に、さらにマゼンタ染料形成カプラーM−6 0.066g/m2を含有すること以外は、実施例4のフィルムA2と同様にして多層カラー写真フィルムA3を調製した。
【0132】
11番目の層の青色感光層内に、さらにマゼンタ染料形成カプラーM−6 0.066g/m2を含有すること以外は、実施例4のフィルムB2と同様にして多層カラー写真フィルム3を調製した。
【0133】
マゼンタ染料形成カプラーM−6:
【化45】
Figure 0003779379
【0134】
実施例3の記載と同様にして、A3およびB3の試料を露光および処理した。処理した試料それぞれにおいて、青色、緑色光および赤色の光吸収についての特性曲線が形式上得られた。以下の表5に、青色(Y)、緑色(M)および赤色(Cy)感光層についての曇り値(Dmin)、最大吸光度(Dmax)、Dminを越えて吸光度0.2における感度logE(速度1)、先端コントラスト(γ)、並びに緑色および赤色感光層についての内部画像効果の値(IIE)を報告する。
【0135】
【表5】
Figure 0003779379
【0136】
実施例6
2番目の層の青色感光層内に、Ag1モルにつき被覆所要量120ミリモルの黄色染料形成カプラーI−1(フィルム2)およびAg1モルにつき被覆所要量48ミリモルの黄色染料形成DIRカプラーYDIR−2(フィルム1)を使用したこと以外は、実施例4のフィルムA2と同様にして2枚のフィルムを調製した。
【0137】
黄色染料形成DIRカプラーYDIR−2(米国特許第4,477,563号の化合物No.49):
【化46】
Figure 0003779379
【0138】
実施例2の記載と同様にして、フィルムの試料を露光および処理した。処理した試料それぞれにおいて、青色、緑色光および赤色の光吸収についての特性曲線が形式上得られた。以下の表6に、青色(Y)および緑色(M)感光層についてのDminを越えて吸光度0.2における感度logE(速度1)およびDminを越えて吸光度1.0における感度logE(速度2)並びに先端コントラスト(γ)、および緑色感光層についての内部画像効果の値(IIE)を報告する。
【0139】
【表6】
Figure 0003779379
【0140】
【発明の効果】
現像剤の酸化生成物と反応すると現像抑制化合物を脱離し得る本発明のDIR(現像抑制剤脱離、Development Inhibitor Releasing)カプラーを含有することにより、形成された画像の粒状度が向上し、かつ優れた速度−粒状度関係が得られることから、写真要素の画質が向上する。

Claims (10)

  1. シアン、マゼンタおよび黄色染料形成カプラーをそれぞれ含んで成る赤色、緑色、および青色感光性ハロゲン化銀エマルション層を上に被覆した支持体から構成され、少なくとも1つのハロゲン化銀エマルション層が、カップリング位置に結合した1,2,4-トリアゾリル基を有する黄色染料形成DIRカプラーを含んで成り、前記1,2,4-トリアゾリル基が、トリアゾリル基上のベンジルチオ置換基に結合した加水分解し得るアルコキシ−カルボニル基またはアリールオキシ−カルボニル基を含んで成る多層カラー写真要素。
  2. 黄色染料形成DIRカプラーが、式:
    Figure 0003779379
    [式中、Rは、アルキル基、アリール基または-NHR(ただし、Rは、アルキル基またはアリール基を表す。)、Rは、アルキル基またはアリール基を表し、TIMEは、遅延基(timing group)を表し、nは、0または1であり、Rは、アルキル基またはフェニル基、およびRは、水素原子またはアルキル基を表す。]
    で表される請求項1に記載の写真要素。
  3. 黄色染料形成DIRカプラーが、式:
    Figure 0003779379
    (式中、TIMEは、遅延基を表し、nは、0または1であり、Rは、アルキル基またはフェニル基を表し、Rは、水素原子またはアルキル基を表し、Rは、アルキル基またはアリール基を表し、Rは、ハロゲン原子、アルキル基またはアリール基を表し、Rは、ハロゲン原子、アルキル基またはアリール基を表し、およびバル(Ball)は、疎水性の安定性基である。)
    で表される請求項1に記載の写真要素。
  4. 黄色染料形成DIRカプラーが、式:
    Figure 0003779379
    (式中、TIMEは、遅延基を表し、nは、0または1であり、Rは、アルキル基またはフェニル基を表し、Rは、水素原子またはアルキル基を表し、R12は、分枝鎖アルキル基を表し、R13は、アルキル基、フェノキシ基、アルコキシフェニル基またはアラルキル基を表す。)
    で表される請求項1に記載の写真要素。
  5. 黄色染料形成DIRカプラーを、黄色染料形成カプラーを有する青色感光性ハロゲン化銀エマルション層内に含んで成る請求項1に記載の写真要素。
  6. 黄色染料形成カプラーが、式:
    Figure 0003779379
    [式中、R14およびR16は、同じまたは異なって、炭素数1〜4のアルキル基、アリール基、ハロゲン原子またはアルコキシ基をそれぞれ表し、xおよびyは、独立して、0、1または2であり、R15は、炭素数1〜4のアルキル基、R17は、疎水性の安定性基、R18は、水素原子、アルキル基、アリール基またはアシル基、R19は、水素原子、アルキル基、-O-R20または-S-R20(ただし、R20は、水素原子、アルキル基、アリール基、複素環基を形成する1個の炭素を介して酸素原子もしくは硫黄原子と結合された複素環基、またはアシル基である。)であり、およびR22は、水素原子、アルキル基またはアリール基(ただし、R22は、ハロゲン原子、または炭素数1〜15のアルコキシ基である。)である。]
    で表される請求項5に記載の写真要素。
  7. 黄色染料形成カプラーを、ハロゲン化銀1モルにつき0.01〜0.5モルの範囲の量で使用し、黄色染料形成DIRカプラーを、ハロゲン化銀1モルにつき0.001〜0.1モルの量で使用する請求項5に記載の写真要素。
  8. 黄色染料形成DIRカプラーが、式:
    Figure 0003779379
    で表される請求項1に記載の写真要素。
  9. 黄色染料形成カプラーが、式:
    Figure 0003779379
    で表される請求項5に記載の写真要素。
  10. ハレーション防止層、支持体よりも向上した感度で赤色の光に感光しかつシアン染料形成カプラーを含有するハロゲン化銀エマルションの3つの層、支持体よりも向上した感度で緑色の光に感光しかつマゼンタ染料形成カプラーを含有するハロゲン化銀エマルションの3つの層、黄色染料フィルター層、並びに支持体よりも向上した感度で青色の光に感光しかつ黄色染料形成カプラーを含有するハロゲン化銀エマルションの2つの層の順に構成される支持体を含んで成る請求項1に記載の写真要素。
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