JP3226582U - シーツ - Google Patents

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哲朗 磯部
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Abstract

【課題】寝具への着脱が容易で耐久性に優れ、寝具が平坦でも背上げ状態でもずれやしわが生じ難い、安価なシーツを提供する。【解決手段】シーツ1は、長方形の寝具100の上面を覆う織物生地からなる織物部2と、寝具の端部下面を覆う伸縮部材からなる2つの伸縮部4、5とを備え、2つの伸縮部は、略コの字形状を有し、コの字背部が織物部の両短辺端縁にそれぞれ縫着され、織物部に縫着されている一方が寝具の上面の一部を覆う。織物部は、両端部を除く長辺側縁の両側に短冊状の織物側縁部3が設けられ、2つの伸縮部4、5は、コの字上辺及び下辺がそれぞれ織物部の側縁端縁に逢着され、コの字先端がそれぞれ織物側縁部3の端縁に逢着されることにより、シーツの下面中央部に設けられている開口7から寝具を出し入れ自在とし、寝具の下面を円環状に覆う円環部6を備える。【選択図】図2

Description

本考案は、マットレスや敷布団等の寝具を覆うシーツに関し、特に、ギャッジベッド又はギャッチベッドと呼ばれる介護ベッド用のマットレスに適したシーツに関する。
従来から、自力で体を起こしたり、体の向きを変えたりすることが難しい被介護者を介助するベッドとして、背上げ機能、膝上げ機能等を有する介護ベッドが用いられている。
図5は、介護ベッドの背上げ及び膝上げをした状態を示す斜視図である。
介護ベッドを用いると、背上げを行うことによりベッドの上で上半身を起こすことができるので、座った姿勢での食事や車いすへの移乗がしやすくなる。膝上げを行うことにより背上げした状態で座っているときに上半身が下半身側へずり落ちることを防止できる。背上げや膝上げを行い体位を変えることにより血流をよくすることで褥瘡を予防する等の効果が期待できる。
しかしながら、背上げを行うと身体的接触部位に圧力(皮膚表面にかかる垂直な力)とずれ力(皮膚表面にかかる平行な力)が加わるため、褥瘡発生の要因になることが指摘されている(例えば、非特許文献1参照)。
また、従来の綿100%のフラットシートやボックスシーツを介護ベッドに用いた場合、背上げを行うことにより、シーツはベッドに対し横方向に比べ、縦方向のずれが大きいこと、被介護者は頭部はずり上がり、肩から背部にかけて押し下げられるような圧迫を受けること、フラットシーツよりボックスシーツのほうがしわが少ないことが報告されている(例えば、非特許文献2参照)。
褥瘡は、衣服やシーツに生じたしわによる圧力の偏りによっても起こるため、ずれやしわが生じ難いシーツが求められている。
また、病院や診療所等では、一般に、入院患者が使用する寝具類を清潔に保ち、院内感染を防止する観点からシーツの交換が頻繁に行われ、病院スタッフは短時間で交換することが求められている。
病院や診療所等から回収された大量のシーツは、リネンサプライ事業者が回収して洗濯、脱水・乾燥後、仕上げラインとして投入機、ロールアイロナー、折畳機、自動結束機等を通し、再び病院や診療所等に納品される。
被介護者に心地良い使用感を与え、かつ被介護者の褥瘡発症を防止することのできるカバー型シーツが知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、寝具類の出し入れが容易で短時間にシーツを交換することができ、かつリネンサプライ業者の仕上げにおいて、投入機のクリップでシーツの隅を吊るしてロールアイロナーに投入する際に滑り難い構造が求められており、これらの要望に応えるシーツが知られている(例えば、特許文献2参照)。
特許文献1に記載のシーツは、マットレスの上面、長手方向両端面、マットレスの横幅方向側面及び側面に続く下面縁部を覆う、360度方向に伸縮性を有する布材からなるシーツ本体と、非伸縮性を有する布材からなる直角三角形状の押え布4枚とからなり、2枚の押え布を一対として互いの斜辺を交差させるように配置し、それぞれの一側辺はシーツの長手方向端面の一方に逢着し、それぞれの他の側辺は、対向するシーツの横方向側面に続く下面縁部にそれぞれ縫着することにより、下面側にマットレス挿脱口を形成するとともに、シーツの長手方向両端面にそれぞれ逢着された二対の押え布同士を離間して配置することにより、横方向側面に続く下面縁部の一部を伸縮可能な構造としている。
そして、上記構成を採用することにより、マットレスの挿脱作業が容易かつ迅速にでき、使用中にしわが寄ったり捲れたりすることもなく、褥瘡の発症を防止することができるとしている。
特許文献2に記載のシーツは、マットレスの表地部及び周側部を覆う織物布地からなるシーツ主体と、シーツ主体の表地部の長手方向端縁及び周側部端縁と縫着されてシーツ主体の下面側に袋状に形成されている袋状ニット素材部とからなる扁平状のシーツを構成し、シーツ主体の周側部及び袋状ニット素材部に囲まれた開口部からマットレスを着脱し、袋状ニット素材部の周縁部は開口が広がるように円弧状に形成されている構造としている。
そして、上記構成を採用することにより、シーツ主体の縮みを袋状ニット素材部の伸縮で吸収し、シーツ主体のしわを袋状ニット素材部の弾力性で取り除く事ができ、シーツの着脱が容易であること、扁平状であるためリネンサプライ業者の仕上げ工程の作業性が改善される効果があるとしている。
特開2013−094477号公報 特開2009−273520号公報
久保若菜,外2名,"頭側ギャッジアップ時にスライディングシートを活用することによる褥瘡予防の効果―仙骨部の圧力と身体の主観的不快感に着目して―",京都女子大学生活福祉学科紀要,平成31年2月,第14号,p.15−20 野呂志津子,外6名,"ボックスシーツと従来シーツとのずれ・しわの比較検証",日本看護技術学会誌,2013年,Vol.12,No.2,p.59−63
しかし、特許文献1記載のシーツでは、シーツ本体を構成する360度方向に伸縮性を有する布材が伸縮性を有しない平織物と比べ非常に高価であるのでシーツ自体が高額となり、またリネンサプライ業者の投入機に吊るす際にクリップで滑りやすいため、病院や診療所等で頻繁にかつ大量に交換するシーツとしては適さない。
特許文献2に記載のシーツでは、シーツ主体の縮みを吸収したり、マットレスが平坦時にシーツ主体のしわを取り除いたりするにはシーツ主体の下面側に形成されている袋状ニット素材部の伸縮や弾力性で対応できるが、介護ベッドの背上げによってシーツ主体に生ずる縦方向のずれやそれによって生じるしわを取り除くには十分対応できない。
本考案は、このような課題を解決するためになされたものであり、マットレスや敷布団等の寝具への着脱や洗濯処理が容易で耐久性に優れ、マットレスが平坦であれ背上げ状態であれシーツにずれやしわが生じ難い、安価なシーツを提供することを目的とする。
請求項1に記載のシーツは、長方形の寝具の上面を覆う織物生地からなる織物部と、前記寝具の端部下面を覆う伸縮部材からなる2つの伸縮部とを備え、前記2つの伸縮部は、略コの字形状を有し、コの字背部が前記織物部の両短辺端縁にそれぞれ縫着され、前記織物部に縫着されている一方が前記寝具の上面の一部を覆うようになっている。
請求項2に記載のシーツは、前記織物部は、両端部を除く長辺側縁の両側に短冊状の織物側縁部が設けられ、前記2つの伸縮部は、コの字上辺及び下辺がそれぞれ前記織物部の側縁端縁に逢着され、コの字先端がそれぞれ前記織物側縁部の端縁に逢着されることにより、シーツの下面中央部に設けられている開口から前記寝具を出し入れ自在とし、前記寝具の下面を円環状に覆う円環部を備えることにより、寝具への着脱が容易で耐久性に優れ、マットレスが平坦時のシーツのしわを取り除くことが可能なシーツを提供することができる。
本考案によれば、長方形の寝具の上面を覆う織物生地からなる織物部と、前記寝具の端部下面を覆う伸縮部材からなる2つの伸縮部とを備え、前記2つの伸縮部は、略コの字形状を有し、コの字背部が前記織物部の両短辺端縁にそれぞれ縫着され、前記織物部に縫着されている一方が前記寝具の上面の一部を覆うようになっていることにより、マットレスが背上げ状態時のシーツに生ずる縦方向のずれやそれによって生じるしわを取り除くことが可能で、安価なシーツを提供することができる。その結果、使用者に心地良い使用感を与え、使用者の褥瘡発症を防止することができ、頻繁にかつ大量に交換する病院や診療所等での使用にも適するものとなっている。
本考案の実施例1に係るシーツの構成例を示す図である。 本考案の実施例1に係るシーツを寝具に装着した際の状態例を示す図である。 本考案の実施例1に係るシーツの縫製する前の状態を示す展開図例である。 本考案の実施例1に係るシーツの縫製手順を示す図である。 介護ベッドの背上げ及び膝上げをした状態を示す斜視図である。
以下、添付図面を参照しながら本考案を実施するための形態について詳細に説明する。図1乃至図4は、本考案の実施の形態を例示する図であり、これらの図において、同一の符号を付した部分は同一物を表し、基本的構成及び動作は同様であるものとする。
図1(A)及び(B)は、本考案の実施例1に係るシーツの構成例を示す図である。
図1(A)は、シーツ1の上面を示す図である。シーツ1の上面は、ほぼ全面を織物部2で構成され、向かって右側の短辺端部に伸縮部4が織物部2に連接して縫着されている。
図1(B)は、シーツ1の下面を示す図である。シーツ1の下面には、図中、向かって右側の短辺端部に逆コの字形状の伸縮部4が設けられ、向かって左側の短辺端部にコの字形状の伸縮部5が設けられている。そして、伸縮部4及び伸縮部5のコの字形状の先端が、シーツ1の長辺側縁の両側に設けられている短冊状の織物側縁部3の両端にそれぞれ連接して縫着されることにより、シーツ1の下面周囲には円環状の円環部6が形成され、下面中央部には寝具を出し入れ自在とする開口7が形成されている。
このように、シーツ1単体では扁平状となつており、リネンサプライ業者の作業が容易な構成となっている。
図2(A)乃至(F)は、本考案の実施例1に係るシーツを寝具に装着した際の状態例を示す図である。
図2(A)は、シーツ1の上面を示す図である。シーツ1の上面は、寝具100に装着する前と変わらない。
シーツ1の上面の一部を覆う伸縮部4がある側が使用者の頭側になるように装着する。
上面の一部を覆う伸縮部4は、寝具100が背上げ状態時に織物部2に生ずる長辺方向のずれやそれによって生じるしわを取り除くことが可能な構造となっている。
図2(B)は、図2(A)のB−B線に沿って切断した断面図である。
図2(C)は、図2(A)のC−C線に沿って切断した断面図である。
図2(D)は、シーツ1の下面を示す図である。
図2(E)は、図2(A)のE−E線に沿って切断した断面図である。
寝具100の厚みは、シーツ1の下面周囲に形成されている円環部6で調節されるので、厚みの異なる寝具100を挿入することが可能である。すなわち寝具100の厚みにより、織物側縁部3の幅W1、伸縮部4及び伸縮部5の伸張で調節されるので、図2(B)、(C)及び(E)に示すように寝具100の下面側に回り込む織物側縁部3、伸縮部4及び伸縮部5の布地幅が変わり、その結果、図2(D)に示すように開口7の大きさが変わることになる。
図2(F)は、図2(A)のF−F線に沿って切断した断面図である。
寝具100の厚みが変わっても、織物側縁部3の長さL1は変わらず、図2(B)と比較して伸縮部4及び伸縮部5の長さL3が確保されるため、寝具100の四隅付近に伸縮部4及び伸縮部5の伸縮力が効果的に働く構造となっている。
したがって、円環部6が寝具100の周側面を覆うので、織物部2を周囲から伸縮部4及び伸縮部5の伸縮力により引っ張り、織物部2の表面にしわが生じ難い構造となっている。
よって、ボックスシーツのように円環部6の端縁に相当する箇所にゴム紐を通すことを、シーツ1は必要とせず、洗濯によりゴム紐が劣化するなどの寿命問題もないので、耐久性に優れている。
次に、本考案の実施例1に係るシーツのサイズ及び縫製構成について図1及び図3を用いて説明する。
図1に示すように、シーツ1の仕上がりサイズW×Lは、例えばシングルサイズのマットレスの寸法97cm×195cmに対して一般的なボックスシーツと同様に100cm×200cm程度である。これは、繰り返し洗濯して織物部2が縮んでも伸縮部4及び伸縮部5の伸縮性により寝具100を確実に収容できることを想定しているためである。
図3は、本考案の実施例1に係るシーツの縫製する前の状態を示す展開図である。
図3(A)は、織物部2及び織物側縁部3を構成する織物生地の展開図である。
織物部2の素材は、吸湿性や素材の軽重を考慮して、例えば綿100%やポリエステル/綿混紡の織物がよく、より好ましくは速乾性の観点から、例えば綿70%/ポリエステル30%〜綿50%/ポリエステル50%混紡の平織物がよい。
織物部2の素材としては、幅(W+2×W1)×長さLの周囲に1cm程度の縫い代を考慮した布地を用意する。用意した布地の四隅を幅W1×長さL3だけそれぞれ裁断することにより、幅W×長さLの織物部2とその長辺両側縁に延出する幅W1×長さL1の織物側縁部3を1枚布で作成することができる。さらに、織物部2の一方の短辺を長さL4だけ裁断することにより織物部2と織物側縁部3の生地の準備ができる。
準備できた織物生地の端縁のうち、伸縮性布材を連接して縫着する織物部2の短辺端縁21、側縁端縁22及び織物側縁部3の端縁31については裁ち目かがり縫いを施し、織物側縁部3の側縁32については裁ち目から1cm程度を一つ折りして一本針縫いするか耳巻き処理を施しておく。
幅W1は、いわゆるマチと呼ばれ、図2(B)乃至(E)に示すように収容する寝具の厚み+寝具の下面側に回り込む布地幅を考慮して決められる。寝具への装着の容易さや寝具に対するシーツのずれ難さの観点から、寝具の下面側に回り込む布地幅は最低6cm程度あることが好ましい。したがって、例えばシングルサイズのマットレスの厚みが7cm〜17cmである場合、幅W1は23cm程度あればよい。
長さL4は、伸縮部4の一部がシーツ1の上面に配置されるようにするためである。介護ベッドの背上げ時に、頭部周辺のシーツがずり上がらないよう使用感に配慮しつつ、リネンサプライ業者の投入機に吊るす際にクリップで滑らないことを考慮すると、長さL4は、5cm〜10cm程度であればよく、5cm程度がより好ましい。
図3(B)は、伸縮部4及び伸縮部5を構成する伸縮性布材の展開図である。
伸縮部4及び伸縮部5の素材には、例えばポリウレタン繊維と綿等の他の繊維と複合した複合糸やポリエステル又はナイロン等を仮撚加工した加工糸等を編機等で、例えば、天竺編又はメリヤス編と一般に云われる平編やリブ編、両面編、パール編等の手法で加工された織編物からなる伸縮性布材が用いられる。織編物からなる伸縮性布材は、糸でループを作り、そのループに次の糸を引っ掛けて連続してループを作り生地組織を形成するので、生地組織自体にも縦横に伸縮性があり、通気性も高く、しわにもなり難い特徴を有する。
伸縮部4の素材としては、幅W×長さ(L3+L4)の周囲に1cm程度の縫い代を考慮した伸縮性布材を用意する。同様に、伸縮部5の素材としては、幅W×長さL3の周囲に1cm程度の縫い代を考慮した伸縮性布材を用意する。そして、伸縮部4及び伸縮部5を線の太さが同一なコの字形状に加工することにより、前述のシーツ1のマチが確保できる。そこで、用意した伸縮性布材の一方の短辺中央を幅W2×長さ(L3−W1)だけ裁断して伸縮部4及び伸縮部5をコの字形状に加工することにより伸縮性布材の準備ができる。準備できた伸縮性布材の端縁のうち、織物生地と連接して縫着されるコの字形状の背部41及び51、上辺42及び52、下辺43及び53、並びに先端44及び54については裁ち目かがり縫いを施し、コの字形状の腹部45及び55については耳巻き処理を施しておく。
なおコの字形状とするために、長さL3と幅W1とは、常に以下の関係を有する。
L3>W1 (1)
ここで長さL3は、寝具への装着の容易さや寝具に対するシーツのずれ難さの観点から、W1の1.3倍以上あることが好ましい。したがって、例えば幅W1が23cmである場合、L3は30cm程度あればよい。
続いて、本考案の実施例1に係るシーツの縫製手順について図4を用いて説明する。
図4(A)〜(D)は、本考案の実施例1に係るシーツの縫製手順例を示す図である。
図4(A)は、織物部2の生地の表面が上になるように配置され、長辺両側縁に形成されている織物側縁部3が、1点鎖線の矢印のように、織物部2の上に重なるように内側に折り込まれている状態である。したがって、織物側縁部3は生地の裏面が上に見えている。
図4(B)は、織物部2と織物側縁部3との間に、伸縮部4及び伸縮部5の伸縮性布材の表面が上になるように挿入され、織物側縁部3と伸縮部4の表面同士及び織物側縁部3と伸縮部5の表面同士がそれぞれ合わさっている状態である。そして、織物側縁部3の端縁31と伸縮部4のコの字先端44又は伸縮部5のコの字先端54とをそれぞれ合わせ、太線で示す4か所の縫い代を、例えば一本針縫いで縫着する。
図4(C)は、図4(B)で縫着された縫い代を軸として、1点鎖線の矢印のように、伸縮部4及び伸縮部5をそれぞれ織物側縁部3の下側から裏返して外側に開いた状態である。したがって、伸縮部4及び伸縮部5は、伸縮性布材の裏面が上になるように配置されている。そして、織物部2の短辺端縁21と伸縮部4のコの字背部41又は伸縮部5のコの字背部51とをそれぞれ合わせ、太線で示す2か所の縫い代を、例えば一本針縫いで縫着する。
図4(D)は、図4(C)で縫着された伸縮部4について、シーツ1の上面側に長さL4だけ配置されるようにして折った状態である。この時、伸縮部4及び伸縮部5は左右対称で同形、同寸法であると視認される。そして、織物部2の側縁端縁22と伸縮部4のコの字上辺42若しくは下辺43又は伸縮部5のコの字上辺52若しくは下辺53とをそれぞれ合わせ、太線で示す4か所の縫い代を、例えば一本針縫いで縫着する。
最後に、生地の裏面が上に見えている、織物側縁部3、伸縮部4及び伸縮部5を、1点鎖線の矢印のように、織物部2の外側から背面側に裏返すことにより、図1に示すシーツ1が完成される。
次に、本考案の実施例1に係るシーツ1の使用方法について図1及び図5を用いて説明する。
例えば、図5に示す介護ベッドの寝具基台110上に載置されている寝具100にシーツ1を装着する際、図1(A)に示すように伸縮部4を使用者の頭部側にして、一般的なボックスシーツと同様に、開口7から寝具100に被せることにより装着が完了する。伸縮部4及び伸縮部5が伸長し開口7が広がるので、容易に着脱することができる。
また、伸縮部4及び伸縮部5の伸縮力により、寝具100の周側面及び下面を円環部6が面状に引っ張るため、ゴム紐のように線状に引っ張る一般的なボックスシーツに比べ、織物部2の表面のしわが格段に生じ難い。
図5に示すように寝具100を背上げした場合でも、シーツ1の上面に配置されている伸縮部4が適度に縦(長辺)方向に伸長するため、使用者の背面とシーツ1の接触している位置には変化が生じない。その結果、使用者は頭部がずり上がり、肩から背部にかけて押し下げられるような圧迫を受けるなどの不快感を感じない。このように、使用者の身体的接触部位にずれ力が加わらないため、使用者に心地良い使用感を与え、また褥瘡発症を防止することができる。
リネンサプライ事業者の洗濯、脱水・乾燥、仕上げ等の一連の処理においても、図1に示すように扁平形状であり、シーツ1の上面に配置されている伸縮部4の長さL4も仕上げラインの投入機に吊るす際にクリップで滑らないように考慮されているため、取り扱いやすい。
このように、本考案の実施例1によれば、上記構成を採用することで、マットレスや敷布団等の寝具への着脱や洗濯処理が容易で耐久性に優れ、寝具が平坦であれ背上げ状態であれシーツにずれやしわが生じ難い、安価なシーツを提供することができる。その結果として、使用者に心地良い使用感を与え、また褥瘡発症を防止可能なシーツを提供することができる。
以上、本考案のシーツ1について、具体的な実施の形態を示して説明したが、本考案はこれらに限定されるものではない。当業者であれば、本考案の要旨を逸脱しない範囲内において、上記各実施形態又は他の実施形態にかかる考案の構成及び機能に様々な変更・改良を加えることが可能である。
1 シーツ
2 織物部
3 織物側縁部
4 伸縮部
5 伸縮部
6 円環部
7 開口
21 織物部の短辺端縁
22 織物部の側縁端縁
31 織物側縁部の端縁
41 伸縮部コの字背部
42 伸縮部コの字上辺
43 伸縮部コの字下辺
44 伸縮部コの字先端
51 伸縮部コの字背部
52 伸縮部コの字上辺
53 伸縮部コの字下辺
54 伸縮部コの字先端
100 寝具
110 寝具基台

Claims (2)

  1. 長方形の寝具の上面を覆う織物生地からなる織物部と、
    前記寝具の端部下面を覆う伸縮部材からなる2つの伸縮部と、を備え、
    前記2つの伸縮部は、
    略コの字形状を有し、コの字背部が前記織物部の両短辺端縁にそれぞれ縫着され、
    前記織物部に縫着されている一方が前記寝具の上面の一部を覆うようになっていること、
    を特徴とするシーツ。
  2. 前記織物部は、
    両端部を除く長辺側縁の両側に短冊状の織物側縁部が設けられ、
    前記2つの伸縮部は、
    コの字上辺及び下辺がそれぞれ前記織物部の側縁端縁に逢着され、
    コの字先端がそれぞれ前記織物側縁部の端縁に逢着されることにより、
    シーツの下面中央部に設けられている開口から前記寝具を出し入れ自在とし、前記寝具の下面を円環状に覆う円環部を備えること、
    を特徴とする請求項1記載のシーツ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP7001894B1 (ja) * 2021-04-02 2022-01-20 リポス株式会社 マットレス用のシーツ

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