JP3225787U - 全包布 - Google Patents
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Abstract
【課題】布団、毛布、マットレス等の寝具類の出し入れが容易で耐久性に優れ、かつ洗濯業者等の折畳み作業を含む取扱いが簡単かつ容易に行え、寝具類を完全に覆う全包布を提供する。【解決手段】上布2と下布3との周囲を縫合して袋状になっている全包布1であって、下布3は、幅が異なり、重畳部4において所定の幅で重ねて配置されている第1下布3(31)及び第2下布3(32)からなり、重畳部4は、長さ方向に所定の間隔をあけて曲線状に縫合されていることによって、寝具を挿入する開閉自在の開口5が設けられている縫合部6を備える。第1下布3(31)は、第2下布3(32)より幅が広く、かつ第2下布3(32)の下面側に配置されていることによって、開口5は、第1下布3(31)から第2下布3(32)に向けて開閉するように設けられている。全包布1の両側縁の両端部には、さらに手差入孔7となる無縫部が設けられている。【選択図】図1
Description
本考案は、布団、毛布、マットレス等の寝具類の出し入れが容易で耐久性に優れている寝具類を完全に覆う全包布に関する。
病院や診療所等では、一般に、入院患者が使用する寝具類を清潔に保つために寝具類を覆う全包布が用いられており、院内感染を防止する観点から全包布の交換が頻繁に行われ、病院スタッフは短時間で交換することが求められている。
また、外国人旅行客が飛躍的に増えている都市部のホテルや旅館等でも、ベッドを清潔に保つために全包布が用いられており、リネン製品の交換作業を委託されているビルメンテナンス業者や清掃専門業者のスタッフやホテル従業員が短時間で交換することを求められている。
病院や診療所、ホテルや旅館等から回収された大量の全包布は、リネンサプライ事業者が回収して洗濯・滅菌、脱水、乾燥、展張、アイロンプレス、折畳み等の一連の処理を行い、再び病院や診療所、ホテルや旅館等に納品される。
また、外国人旅行客が飛躍的に増えている都市部のホテルや旅館等でも、ベッドを清潔に保つために全包布が用いられており、リネン製品の交換作業を委託されているビルメンテナンス業者や清掃専門業者のスタッフやホテル従業員が短時間で交換することを求められている。
病院や診療所、ホテルや旅館等から回収された大量の全包布は、リネンサプライ事業者が回収して洗濯・滅菌、脱水、乾燥、展張、アイロンプレス、折畳み等の一連の処理を行い、再び病院や診療所、ホテルや旅館等に納品される。
病院や診療所、ホテルや旅館等に使用される全包布には、入院患者が使用する寝具類を清潔に保つために寝具類を完全に覆い、かつ短時間に全包布を交換するために寝具類の出し入れが容易な構造が求められており、これらの要望に応える技術が知られている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
特許文献1に記載の技術は、ふとん類の出し入れが容易であり、頻繁にふとん類の出し入れをし、洗濯・滅菌処理を施しても縫合部16が裂けることが少ない全包布を提供するものである。
図7は、特許文献1記載の従来の内外両面使用可能な全包布の構成例を示す図である。
図7に示すように、特許文献1に記載の全包布11は、上布12と下布13の長辺側縁及び短辺端縁が、長辺側縁の一方に形成されている開口15及び長辺側縁の四隅に形成されている手差入孔17を除き、縫合部16により縫合されて、袋状に形成されている。
開口15の周縁には、閉塞手段19が設けられている。閉塞手段19は、上布12の外面側及び下布13の内面側に縫着されている紐部19aで構成されている。
縫合部16は、上布12の折り曲げ部より下布13の折り曲げ部を長くし、それぞれの折り曲げ部が縫い糸18で1本針縫い161される構造となっている。
したがって、特許文献1に記載の全包布11は、その縫合構造から布地にせん断力が作用し難いため、布地自体が裂けることは少なく、頻繁にふとん類を容易に出し入れできる。
図7は、特許文献1記載の従来の内外両面使用可能な全包布の構成例を示す図である。
図7に示すように、特許文献1に記載の全包布11は、上布12と下布13の長辺側縁及び短辺端縁が、長辺側縁の一方に形成されている開口15及び長辺側縁の四隅に形成されている手差入孔17を除き、縫合部16により縫合されて、袋状に形成されている。
開口15の周縁には、閉塞手段19が設けられている。閉塞手段19は、上布12の外面側及び下布13の内面側に縫着されている紐部19aで構成されている。
縫合部16は、上布12の折り曲げ部より下布13の折り曲げ部を長くし、それぞれの折り曲げ部が縫い糸18で1本針縫い161される構造となっている。
したがって、特許文献1に記載の全包布11は、その縫合構造から布地にせん断力が作用し難いため、布地自体が裂けることは少なく、頻繁にふとん類を容易に出し入れできる。
特許文献2に記載の技術は、布団を全て覆う全包布において、布の重なりによって開口を閉じるようにした構造とすることにより、布団の出し入れを容易にするものである。
図8は、特許文献2記載の従来の裏布に重なり開口を有する全包布の構成例を示す図である。
図8に示すように、特許文献2に記載の全包布21は、上布22と下布23の長辺側縁及び短辺端縁が全て連結した扁平袋状体である。下布23は、短辺幅の中程で2分割された第1下布231と第2下布232から構成され、その両分割布縁231a、232aは所要長さ重なりあって重ね合わせ部24が形成されている。重ね合わせ部24の両端部は、中央部に向かって所定長さX字状に1本針縫い261されることにより縫合部26が形成され、縫合部26の端部は特に二重縫い262され補強されている。
第1下布231及び第2下布232の両分割布縁231a、232aの少なくとも一方又は両方に、その端縁に沿ってゴム紐20が設けられている。ゴム紐20は、両分割布縁231a、232aを開くことにより形成される開口25をその収縮力により自動で閉じるように作用する。
したがって、特許文献2に記載の全包布21は、ゴム紐20の収縮力に逆らう程度のわずかな力で第1下布231及び第2下布232の両分割布縁231a、232aを開くことにより布団を容易に出し入れでき、収容後には布団全てを自動で覆い隠すことができる構造となっている。
図8は、特許文献2記載の従来の裏布に重なり開口を有する全包布の構成例を示す図である。
図8に示すように、特許文献2に記載の全包布21は、上布22と下布23の長辺側縁及び短辺端縁が全て連結した扁平袋状体である。下布23は、短辺幅の中程で2分割された第1下布231と第2下布232から構成され、その両分割布縁231a、232aは所要長さ重なりあって重ね合わせ部24が形成されている。重ね合わせ部24の両端部は、中央部に向かって所定長さX字状に1本針縫い261されることにより縫合部26が形成され、縫合部26の端部は特に二重縫い262され補強されている。
第1下布231及び第2下布232の両分割布縁231a、232aの少なくとも一方又は両方に、その端縁に沿ってゴム紐20が設けられている。ゴム紐20は、両分割布縁231a、232aを開くことにより形成される開口25をその収縮力により自動で閉じるように作用する。
したがって、特許文献2に記載の全包布21は、ゴム紐20の収縮力に逆らう程度のわずかな力で第1下布231及び第2下布232の両分割布縁231a、232aを開くことにより布団を容易に出し入れでき、収容後には布団全てを自動で覆い隠すことができる構造となっている。
しかし、特許文献1記載の全包布11では、必ず紐部19aが目立ち外観上好ましくない。特に、ホテルや旅館等で使用する全包布11としては、見栄えが良くなく使用に適していない。
また、特許文献1に記載の全包布11では、全包布11の交換時に紐部19aを解いて結ぶ手間がかかる上に、洗濯時のアイロンプレス機投入時等でその一部が破損しやすい。
また、特許文献1に記載の全包布11では、全包布11の交換時に紐部19aを解いて結ぶ手間がかかる上に、洗濯時のアイロンプレス機投入時等でその一部が破損しやすい。
特許文献2に記載の全包布21は、第1下布231及び第2下布232の両分割布縁231a、232aに沿って設けられているゴム紐20はその伸張機能より収縮機能に重きが置かれることから、布団の出し入れはそれほど容易ではない。また、全包布21は、頻繁に洗濯しなければならないため、ゴム紐20がたちまち伸びたり、切れたりして開口25を閉じる収縮機能を果たさなくなるなど耐久性に難がある。
本考案は、このような課題を解決するためになされたものであり、布団、毛布、マットレス等の寝具類の出し入れが容易で耐久性に優れ、かつ洗濯業者等の折畳み作業を含む取扱いが簡単かつ容易に行え、寝具類を完全に覆う全包布を提供することを目的とする。
請求項1に記載の全包布は、寝具を覆うために、上布と下布との周囲を縫合して袋状になっている全包布であって、前記下布は、幅が異なり、重畳部において所定の幅で重ねて配置されている第1下布及び第2下布からなり、前記重畳部は、長さ方向に所定の間隔をあけて曲線状に縫合されていることによって、寝具を挿入する開閉自在の開口が設けられている縫合部を備える。
請求項2に記載の全包布は、前記第1下布は、前記第2下布より幅が広く、かつ前記第2下布の下面側に配置されていることによって、前記開口は、前記第1下布から前記第2下布に向けて開閉するように設けられていることを特徴とすることで、全包布が裏返しになることなく、寝具を取り出すことが容易な全包布を提供することができる。また、利用者が就寝中に手足を開口に挟まれて怪我等をしないよう、全包布の外側に向けて開口が開いている安全な構造である。
請求項3に記載の全包布は、前記全包布の両側縁の両端部に、さらに手差入孔となる無縫部が設けられていることを特徴とすることで、寝具を迅速に全包布内に挿入することを可能とし、かつ全包布内の寝具の位置を容易に調整することができる。また、全包布内の空気が抜けやすいので、アイロンプレス時に皺ができにくく仕上がり品質が良好となる。
請求項4に記載の全包布は、前記重畳部で曲線状に逢着されている縫い目が、P字形状、O字形状、U字形状のいずれかを模して、前記開口の両側に左右対称で形成されていることを特徴とすることで、開口を広げる際に開口の両端にかかる力が縫い目上に分散されるので耐久性に優れ、また構造がシンプルで見栄えもよい全包布を提供することができる。
請求項5に記載の全包布は、前記開口の幅は、前記全包布の長さの略6割であることを特徴とすることで、開口縁にゴム紐を設けることなく、全包布に寝具を挿入して、寝具の位置を整えるだけで開口が自動的に閉じられる全包布を提供することができる。ゴム紐が不要となるため、頻繁に洗濯しても使用に耐えるため、耐久性に優れている。
請求項6に記載の全包布は、前記重畳部の幅は、前記全包布の幅の8%以上17%以下であることを特徴とすることで、全包布の製作に必要な生地が少なく済むので、寝具類の出し入れが容易で耐久性に優れた全包布を安価に提供することができる。
本考案によれば、寝具を覆うために、上布と下布との周囲を縫合して袋状になっている全包布であって、前記下布は、幅が異なり、重畳部において所定の幅で重ねて配置されている第1下布及び第2下布からなり、前記重畳部は、長さ方向に所定の間隔をあけて曲線状に縫合されていることによって、寝具を挿入する開閉自在の開口が設けられている縫合部を備える構成とすることにより、布団、毛布、マットレス等の寝具類の出し入れが容易で、開口を広げる際に開口の両端にかかる力が緩やかに分散されるので耐久性に優れ、かつ洗濯業者等の折畳み作業を含む取扱いが簡単かつ容易に行え、寝具類を完全に覆う全包布を提供することができる。
以下、添付図面を参照しながら本考案を実施するための形態について詳細に説明する。図1から図6は、本考案の実施の形態を例示する図であり、これらの図において、同一の符号を付した部分は同一物を表し、基本的構成及び動作は同様であるものとする。
図1は、本考案の実施例1に係る全包布の下面側から見た構成例を示す図である。
図1に示す全包布1は、上布2と下布3とが上下に重ね合わされ、それらの長辺側縁及び短辺端縁が1本針縫い61により縫合されて縫合部6が設けられることにより、袋状に形成されている。
下布3は、幅の異なる第1下布3(31)と第2下布3(32)とからなり、所定の幅で重ねて配置されて重畳部4が設けられている。そして、図1のA−A断面図に示すように、幅の広い第1下布3(31)が幅の狭い第2下布3(32)の下面側に配置され、重畳部4において、長さ方向に所定の間隔をあけて曲線状縫い63により縫合されて縫合部6が設けられることにより、寝具類を出し入れするための開口5が第1下布3(31)から第2下布3(32)に向けて開閉するように形成されている。
なお、開口5の両側に形成されている曲線状縫い63により縫合されている縫い目は、例えば、P字形状を模して左右対称の形状に形成されている。
また、開口5を形成している第1下布3(31)と第2下布3(32)の端縁は、それぞれ縫い代を内側に一つ折りされたうえで、1本針縫い61により縫合されて縫合部6が設けられ、第1下布縁31aと第2下布縁32aが形成されている。
さらに、全包布1の長辺側縁の両端部には、それぞれ無縫合部である手差入孔7が形成されている。
図1に示す全包布1は、上布2と下布3とが上下に重ね合わされ、それらの長辺側縁及び短辺端縁が1本針縫い61により縫合されて縫合部6が設けられることにより、袋状に形成されている。
下布3は、幅の異なる第1下布3(31)と第2下布3(32)とからなり、所定の幅で重ねて配置されて重畳部4が設けられている。そして、図1のA−A断面図に示すように、幅の広い第1下布3(31)が幅の狭い第2下布3(32)の下面側に配置され、重畳部4において、長さ方向に所定の間隔をあけて曲線状縫い63により縫合されて縫合部6が設けられることにより、寝具類を出し入れするための開口5が第1下布3(31)から第2下布3(32)に向けて開閉するように形成されている。
なお、開口5の両側に形成されている曲線状縫い63により縫合されている縫い目は、例えば、P字形状を模して左右対称の形状に形成されている。
また、開口5を形成している第1下布3(31)と第2下布3(32)の端縁は、それぞれ縫い代を内側に一つ折りされたうえで、1本針縫い61により縫合されて縫合部6が設けられ、第1下布縁31aと第2下布縁32aが形成されている。
さらに、全包布1の長辺側縁の両端部には、それぞれ無縫合部である手差入孔7が形成されている。
次に、本考案の実施例1に係る全包布のサイズ及び縫製構成について図1及び図2を用いて説明する。
図2は、本考案の実施例1に係る全包布の寸法関係を示す図である。
全包布1の仕上がりサイズW×Lは、収容する寝具類により異なるが、例えば掛布団の寸法と同寸法で、シングルサイズ150cm×210cm〜キングサイズ230cm×210cm等である。また、全包布1の素材は、吸湿性や素材の軽重を考慮して、例えば綿100%やポリエステル/綿混紡の織物がよく、より好ましくは速乾性の観点から、例えば綿70%/ポリエステル30%〜綿50%/ポリエステル50%混紡の平織物がよい。
図2は、本考案の実施例1に係る全包布の寸法関係を示す図である。
全包布1の仕上がりサイズW×Lは、収容する寝具類により異なるが、例えば掛布団の寸法と同寸法で、シングルサイズ150cm×210cm〜キングサイズ230cm×210cm等である。また、全包布1の素材は、吸湿性や素材の軽重を考慮して、例えば綿100%やポリエステル/綿混紡の織物がよく、より好ましくは速乾性の観点から、例えば綿70%/ポリエステル30%〜綿50%/ポリエステル50%混紡の平織物がよい。
上布2の素材としては、全包布1の仕上がりサイズW×Lの周囲に1cm程度の縫い代を考慮した布地を用意する。例えば、シングルサイズ152cm×212cm〜キングサイズ232cm×212cm程度となる。
第1下布3(31)の仕上がり幅W1は、利用者が就寝中に手足を開口5に挟まれないように、できるだけ長辺側縁寄りであることが好ましいことから、例えば次式のようになる。
W1≒全包布1の仕上がり幅W×93% …(1)
したがって、第1下布3(31)の素材としては、第1下布3(31)の仕上がり幅W1×全包布1の仕上がり長さLの周囲に1cm程度の縫い代を考慮した布地を用意する。例えば、第1下布3(31)の仕上がり幅W1が、シングルサイズ140cm〜キングサイズ215cm程度の場合、シングルサイズ142cm×212cm〜キングサイズ217cm×212cm程度となる。
W1≒全包布1の仕上がり幅W×93% …(1)
したがって、第1下布3(31)の素材としては、第1下布3(31)の仕上がり幅W1×全包布1の仕上がり長さLの周囲に1cm程度の縫い代を考慮した布地を用意する。例えば、第1下布3(31)の仕上がり幅W1が、シングルサイズ140cm〜キングサイズ215cm程度の場合、シングルサイズ142cm×212cm〜キングサイズ217cm×212cm程度となる。
一方、第2下布3(32)の仕上がり幅W2は、重畳部4の幅W3を決定した後に決める必要がある。
重畳部4の幅W3は、寝具類の出し入れの容易さ及び収納した寝具類が容易に露出しないようになることを考慮して、例えば次式のようになる。
20cm≦W3≦25cm …(2)
したがって、第2下布3(32)の仕上がり幅W2は、例えば次式のようになる。
W2≒全包布1の仕上がり幅W×7%+重畳部4の幅W3 …(3)
よって、第2下布3(32)の素材としては、第2下布3(32)の仕上がり幅W2×全包布1の仕上がり長さLの周囲に1cm程度の縫い代を考慮した布地を用意する。例えば、第2下布3(32)の仕上がり幅W2がシングルサイズ30cm〜キングサイズ40cm程度の場合、シングルサイズ32cm×212cm〜キングサイズ42cm×212cm程度となる。
重畳部4の幅W3は、寝具類の出し入れの容易さ及び収納した寝具類が容易に露出しないようになることを考慮して、例えば次式のようになる。
20cm≦W3≦25cm …(2)
したがって、第2下布3(32)の仕上がり幅W2は、例えば次式のようになる。
W2≒全包布1の仕上がり幅W×7%+重畳部4の幅W3 …(3)
よって、第2下布3(32)の素材としては、第2下布3(32)の仕上がり幅W2×全包布1の仕上がり長さLの周囲に1cm程度の縫い代を考慮した布地を用意する。例えば、第2下布3(32)の仕上がり幅W2がシングルサイズ30cm〜キングサイズ40cm程度の場合、シングルサイズ32cm×212cm〜キングサイズ42cm×212cm程度となる。
上布2には、長辺側縁の両端部に形成される手差入孔7を考慮して、予め長辺側縁の端部から15cm程度を裁ち目から1cm程度で一つ折りして1本針縫い61され、先端側が閂止め縫いにより補強され、その他の周囲には裁ち目かがり縫いが施される(図示せず)。
第1下布3(31)及び第2下布3(32)には、予め手差入孔7が形成される長辺側縁の端部から15cm程度に上布2同様の処理が施され、その他の長辺側縁及び両短辺端縁には裁ち目かがり縫いが施される(図示せず)。一方、開口5が形成される長辺側縁については、予め裁ち目から1cm程度で一つ折りして1本針縫い61により縫合されて縫合部6が設けられる。
第1下布3(31)及び第2下布3(32)には、予め手差入孔7が形成される長辺側縁の端部から15cm程度に上布2同様の処理が施され、その他の長辺側縁及び両短辺端縁には裁ち目かがり縫いが施される(図示せず)。一方、開口5が形成される長辺側縁については、予め裁ち目から1cm程度で一つ折りして1本針縫い61により縫合されて縫合部6が設けられる。
そして本来裏側の生地面が外側に見えるように、上布2、第1下布3(31)及び第2下布3(32)の順に積み重ねられ、まず上布2及び第1下布3(31)の手差入孔7が形成される長辺側縁が位置合わせされ、長辺側縁の端から1cm程度内側を縫い糸8により1本針縫い61されて縫合部6が設けられる。同様に上布2及び第2下布3(32)の手差入孔7が形成される長辺側縁が位置合わせされ、長辺側縁の端から1cm程度内側を縫い糸8により1本針縫い61されて縫合部6が設けられる。
つぎに、上布2、第1下布3(31)及び第2下布3(32)の両短辺端縁について、短辺端縁から1cm程度内側を縫い糸8により1本針縫い61されて縫合部6が設けられる。
そして、重畳部4に、長辺長さ方向に所定の間隔をあけて曲線状縫い63により縫合されて縫合部6が設けられる。重畳部4の幅は、前述したように寝具類の出し入れの観点等から20cm〜25cmであることが好ましいことから、例えば、曲線状縫い63により直径略20cm〜25cmの円形状に縫合するとともに、当該円に接して第1下布縁31aに沿って短辺端縁まで縫合することにより、縫合部6はP字形状を模した形状が開口5を挟んで左右対称に配置される。
また開口5の長さLcは、寝具100の出し入れの容易さとゴム紐等を設けることなく開口5が自動的に閉じられる構造となることを考慮して、全包布1の仕上がり長さLの略6割となるようにするのが好ましい。全包布1の仕上がり長さLは、シングルサイズ〜キングサイズまで同じで210cm程度であるので、開口5の長さLcは120cm〜130cmとすればよい。そこで、上述した曲線状縫い63により縫合される直径略20cm〜25cmの円形の中心位置を重畳部4の幅中央で短辺端縁から内側30cm〜32.5cmとすればよく、このとき曲線状縫い63による縫合部6の長さLtは40cm〜45cmとなる。
最後に本来表側の生地面が外側に見えるように、形成された開口5の内側から表裏を裏返すことにより、図1に示す全包布1が完成される。
つぎに、上布2、第1下布3(31)及び第2下布3(32)の両短辺端縁について、短辺端縁から1cm程度内側を縫い糸8により1本針縫い61されて縫合部6が設けられる。
そして、重畳部4に、長辺長さ方向に所定の間隔をあけて曲線状縫い63により縫合されて縫合部6が設けられる。重畳部4の幅は、前述したように寝具類の出し入れの観点等から20cm〜25cmであることが好ましいことから、例えば、曲線状縫い63により直径略20cm〜25cmの円形状に縫合するとともに、当該円に接して第1下布縁31aに沿って短辺端縁まで縫合することにより、縫合部6はP字形状を模した形状が開口5を挟んで左右対称に配置される。
また開口5の長さLcは、寝具100の出し入れの容易さとゴム紐等を設けることなく開口5が自動的に閉じられる構造となることを考慮して、全包布1の仕上がり長さLの略6割となるようにするのが好ましい。全包布1の仕上がり長さLは、シングルサイズ〜キングサイズまで同じで210cm程度であるので、開口5の長さLcは120cm〜130cmとすればよい。そこで、上述した曲線状縫い63により縫合される直径略20cm〜25cmの円形の中心位置を重畳部4の幅中央で短辺端縁から内側30cm〜32.5cmとすればよく、このとき曲線状縫い63による縫合部6の長さLtは40cm〜45cmとなる。
最後に本来表側の生地面が外側に見えるように、形成された開口5の内側から表裏を裏返すことにより、図1に示す全包布1が完成される。
このように本考案の実施例1に係る全包布1は、製作に必要な生地が少なくて済み、構造がシンプルで見栄えもよく、容易に製造できる縫製構造となっている。
続けて、本考案の実施例1に係る全包布1の使用方法について図3を用いて説明する。
図3(A)〜(D)は、本考案の実施例1に係る全包布の装着手順例を示す図である。
図3(A)〜(D)は、本考案の実施例1に係る全包布の装着手順例を示す図である。
図3(A)は、全包布1の下面が上側になっている状態である。第1下布縁31aを上に引き上げることによって全包布1の開口5を大きく広げて、寝具100の短辺を開口5に向けて内部に入れる。さらに、寝具100の短辺隅を2点鎖線の矢印方向に90度回転させながら全包布1の内部深くへ挿入していく。開口5の両端部に設けられている縫合部6には、曲線状縫い63されているため、第1下布縁31aを強く引っ張っても、力が縫い目のどこかに集中してかかることなく緩やかに分散されるため、耐久性に優れている。
図3(B)は、全包布1の下面が上側になっている状態である。寝具100の両角を、2点鎖線の矢印方向に移動し、全包布1の一方の長辺側縁の両端部に設けられている手差入孔7に近づけ、外から手差入孔7に手を差し込んで僅かに外に出すことにより寝具が展張し、寝具100の片側の位置が調整される。
図3(C)は、図3(B)で位置調整を終えた長辺側縁を1点鎖線の矢印のように向かって右側に180度回転させ、全包布1の上面が上側になっている状態である。左下面に位置する開口5から手を差し込んで、寝具100の残りの両角を、2点鎖線の矢印方向に移動し、全包布1の他方の長辺側縁の両端部に設けられている手差入孔7に近づけ、外から手差入孔7に手を差し込んで僅かに外に出すことにより寝具が展張し、寝具100の反対側の位置が調整される。同時に第1下布縁31a及び第2下布縁32aも展張されることから、開口5が自動的に閉じられる。これにより、全包布1の寝具100への装着手順が完了する。
図3(D)は、図3(C)のA−A断面図で、寝具100への装着が完了した全包布1の状態を表している。第1下布縁31aと第2下布縁32aが展張されて重なり合うため、寝具100が露出しないように開口5が塞がっている。
図3(D)に示すように、第1下布縁31aと第2下布縁32aとの関係から、開口5は全包布1の一方の長辺側縁のすぐ近くで外側に向けて開くので、利用者が就寝中に手足を開口5に挟むこともなく安全な構造となっている。
寝具100を全包布1から取り出す際も、第1下布縁31a及び第2下布縁32aにゴム紐等がないので、第1下布縁31aを上に引き上げて開口5を大きく広げて、開口5付近の寝具100を掴んで手前外側に引き戻すことによって、全包布1が裏返ることなく、寝具100を容易に取り出すことができる。
また全包布1は、紐やゴム紐等もなく、シンプルな構造で扁平な袋形状であることから、繰り返し洗濯をしても使用に耐え、リネンサプライ事業者による洗濯等の一連の作業の取り扱いが容易である。また、両長辺側縁の両端部に手差入孔7が設けられていることから、アイロンプレス時に全包布1内の空気が抜けやすいので、皺ができにくく仕上がり品質が良好となる。
このように、本考案の実施例1によれば、上記構成を採用することで、布団、毛布、マットレス、枕等の寝具類の出し入れが容易で、開口を広げる際に開口の両端にかかる力が緩やかに分散されるので耐久性に優れ、かつ洗濯業者等の折畳み作業を含む取扱いが簡単かつ容易に行え、寝具類を完全に覆う全包布を提供することができる。
<変形例>
以上、本考案の全包布1について、具体的な実施の形態を示して説明したが、本考案はこれらに限定されるものではない。当業者であれば、本考案の要旨を逸脱しない範囲内において、上記各実施形態又は他の実施形態にかかる考案の構成及び機能に様々な変更・改良を加えることが可能である。
以上、本考案の全包布1について、具体的な実施の形態を示して説明したが、本考案はこれらに限定されるものではない。当業者であれば、本考案の要旨を逸脱しない範囲内において、上記各実施形態又は他の実施形態にかかる考案の構成及び機能に様々な変更・改良を加えることが可能である。
例えば図4は、本考案の変形例に係る全包布の下面側から見た構成例を示す図である。
図4では、曲線状縫い63により縫合される縫合部6は、O字形状を模した形状が開口5を挟んで左右対称に配置されている。
図4では、曲線状縫い63により縫合される縫合部6は、O字形状を模した形状が開口5を挟んで左右対称に配置されている。
また、例えば図5は、本考案の別の変形例に係る全包布の下面側から見た構成例を示す図である。
図5では、曲線状縫い63により縫合される縫合部6は、U字形状を模した形状が開口5を挟んで左右対称に配置されている。
図5では、曲線状縫い63により縫合される縫合部6は、U字形状を模した形状が開口5を挟んで左右対称に配置されている。
加えて、例えば図6は、さらに本考案の別の変形例に係る全包布の下面側から見た構成例を示す図である。
図6では、図4の構造を向かって右に90度回転したもので、長辺方向を幅、短辺方向を長さとする。使用方法は、図3(A)とは異なり、寝具100の短辺を開口5に向けて全包布1の内部に入れ、そのまま内部深くに挿入していけばよい。以降の手順は図3(B)、図3(C)と同様に、全包布1の短辺側縁の両端部に設けられている手差入孔7に手を差し込んで寝具100の四隅の位置調整を行う。
図6では、図4の構造を向かって右に90度回転したもので、長辺方向を幅、短辺方向を長さとする。使用方法は、図3(A)とは異なり、寝具100の短辺を開口5に向けて全包布1の内部に入れ、そのまま内部深くに挿入していけばよい。以降の手順は図3(B)、図3(C)と同様に、全包布1の短辺側縁の両端部に設けられている手差入孔7に手を差し込んで寝具100の四隅の位置調整を行う。
さらに本考案の実施例によれば、布団、毛布、マットレス等の寝具類だけでなく、座布団やクッションのカバーにも適用することができる。
1 全包布
2 上布
3 下布
3(31) 第1下布
3(32) 第2下布
31a 第1下布縁
32a 第2下布縁
4 重畳部
5 開口
6 縫合部
7 手差入孔
8 縫い糸
11 全包布
12 上布
13 下布
15 開口
16 縫合部
17 手差入孔
18 縫い糸
19 閉塞手段
19a 紐部
20 ゴム紐
21 全包布
22 上布
23 下布
24 重ね合わせ部
25 開口
26 縫合部
61 1本針縫い
62 二重縫い
63 曲線状縫い
100 寝具
161 1本針縫い
23(231) 第1下布
23(232) 第2下布
231a 第1下布縁
232a 第2下布縁
261 1本針縫い
262 二重縫い
2 上布
3 下布
3(31) 第1下布
3(32) 第2下布
31a 第1下布縁
32a 第2下布縁
4 重畳部
5 開口
6 縫合部
7 手差入孔
8 縫い糸
11 全包布
12 上布
13 下布
15 開口
16 縫合部
17 手差入孔
18 縫い糸
19 閉塞手段
19a 紐部
20 ゴム紐
21 全包布
22 上布
23 下布
24 重ね合わせ部
25 開口
26 縫合部
61 1本針縫い
62 二重縫い
63 曲線状縫い
100 寝具
161 1本針縫い
23(231) 第1下布
23(232) 第2下布
231a 第1下布縁
232a 第2下布縁
261 1本針縫い
262 二重縫い
Claims (6)
- 寝具を覆うために、上布と下布との周囲を縫合して袋状になっている全包布であって、
前記下布は、幅が異なり、重畳部において所定の幅で重ねて配置されている第1下布及び第2下布からなり、
前記重畳部は、長さ方向に所定の間隔をあけて曲線状に縫合されていることによって、寝具を挿入する開閉自在の開口が設けられている縫合部を備えること、
を特徴とする全包布。 - 前記第1下布は、前記第2下布より幅が広く、かつ前記第2下布の下面側に配置されていることによって、
前記開口は、前記第1下布から前記第2下布に向けて開閉するように設けられていることを特徴とする、請求項1記載の全包布。 - 前記全包布の両側縁の両端部に、さらに手差入孔となる無縫部が設けられていることを特徴とする、請求項1又は2記載の全包布。
- 前記重畳部で曲線状に逢着されている縫い目が、P字形状、O字形状、U字形状のいずれかを模して、前記開口の両側に左右対称で形成されていることを特徴とする、請求項1乃至3いずれかに記載の全包布。
- 前記開口の幅は、前記全包布の長さの略6割であることを特徴とする、請求項1乃至4いずれかに記載の全包布。
- 前記重畳部の幅は、前記全包布の幅の8%以上17%以下であることを特徴とする、請求項1乃至5いずれかに記載の全包布。
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