JP2018087395A - シート状の部材からなる衣服、その衣服を着替える方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】介護用の衣服としての機能性と、身にまとう衣服としての印象を向上させることとを同時に満たすシート状の部材からなる衣服およびそれを用いた着替え方法を提供する【解決手段】前掛けになるべき部位2と、その前掛けになるべき部位とそれぞれの着衣すべき者の頭部側になるべき端部同士を連結した前後の身頃になるべき部位3とを有しているシート状の部材からなり、そのシート状の部材を前記前掛けと前後の見頃になるべき部位とが重なるように折り曲げるようにして、その折り曲げ部位6の付近から前記頭部を外に出すと共に、その者の胴部から脚部にかけて身体を挟むようにして身に着けられるものであり、それらの左右の前身頃になるべき部位5は、前記着衣すべき者の身体の両側面を隠すように左右の腕の下を通され、前記前掛けになるべき部位の上面に回り込まされて連結されるものである、シート状の部材からなる衣服1。【選択図】図1

Description

本発明は、シート状の部材からなる衣服、その衣服を着替える方法に関するものであり、さらに詳しくは介護が必要な者に着てもらうシート状の部材からなる衣服およびその衣服を着替える方法に関するものである。
一般に、活発な高齢者、あるいは必要な介護の程度が低い高齢者は、例えばルームウェアとして、着脱が容易であったり、着心地が楽であったりするなどの理由から、パジャマやワンピースなどの衣服を着用することが比較的に多い。
また、必要とされる介護の程度が高い者が着用する服としては、診察、おむつ、着替えなどのために、その者の身体を意図的にさらけ出すことが容易な構造が望まれている。そのような構造を備えた服として、例えば、特許文献1、2に開示されている服がある。
特許文献1のトレーナーあるいはズボンには、複数の面ファスナーが設けられている。それらの面ファスナーを脱着することにより、衣服を一枚の生地のように展開して着替えさせたり、診察などのために、その者の身体の一部にアクセスしたりするのが容易にされている。
さらに、この服の裏地中央には、縦方向に線が入れられており、服の中心を体の中心に合うようにし、服のシワやヨレを防止して着てもらうことができるようにされている。
特許文献2の服は、上衣であり、頭からかぶって着るプルオーバー形式で、袖付きである。この上衣には、脇下から裾に掛けて前身頃と後身頃とが分離された脇開き部が設けられており、その袖下は縫着されている。そして、後身頃の側縁には、腹帯が延設さ、前身頃の腹部上で重ね合わせ保持できるようにされている。
さらに、このものは、袖下の基端から脇部分を縫着しないことが好ましいとされ、上衣内において腕を袖に通すための大きな開口を形成することを特徴としている。これらの特徴により、脇開き部から腕を前に伸ばして袖に通すことができ、腕や肩が上がらない人でも無理な姿勢をとることなく、簡単容易に着衣できるようにされている。
特開2004−285543号公報 特開2009−249755号公報
着替えは、生活の中で日常的に行われるものであるからこそ、それを楽しむことにより、日々の生活を豊かにすることができる。本来的に、着替えには、汚れた服を着替えるということだけでなく、心をリフレッシュするとか、気分を変えるとか、他人に対して自分を表現するなど、多くの意味がある。
ここで、例えば、特許文献1に示すような面ファスナーを多く用いた服は、一般の服とは異なる、いわば介護のための特殊な服のような印象を着る者・着せる者に与える傾向にある。
さらに例えば、特許文献2の上衣では、着衣すべき者がその腕を上げなくても、楽に着替えることができることを特徴としており、例えば、脇の下の開口は大きいほど良いとされている。しかしながら、その開口から身体の側面が丸見えであるから、やはり特許文献1と同じく、介護のための特殊な服のような印象を与える傾向にある。
さらにまた、介護が必要な者、その者の家族を含む服を着替えさせる介助者にとって、着替えは日常的な重労働であり、介護される者と家族や介助者の肉体的、精神的なストレスは日々増す傾向にある。
この着替えるという重労働において、仮に、介護される者とその家族や介助者に対し、着替えの本来の喜び、楽しみ、遊びなどの経験を与えることができると、両者の間に良好なコミュニケションを図ることができ、両者のストレスなどに基づく負担を軽減できる可能性は高まると考えられる。
ここで、例えば、介護に用いる服として、ファッション性をいくらか有する通常のパジャマやワンピースに近い構造やデザインを採用すると、着替えや診察などに用いる服としては、身体をさらけ出すような機能が劣る傾向にあり、介護する者・される者の負担は大きくなる傾向にある。
反対に、上述したような従来からの介護用の服は、着替えるのが容易であるとか、診察・おむつ替えなどのために部分的に脱がせるたり開いたりするのが容易であるといった機能的な要請は満たすが、見た目や、ファッション性に劣る傾向にある。
このように、介護としての機能性を高めようとすると、その見た目を損なうことになり、逆に見た目を重視すると、前記機能が低下することになり、これらは通常は相反する。
そこで本発明は、介護用の衣服としての機能性と、身にまとう衣服としての印象を向上させることとを同時に満たすシート状の部材からなる衣服およびその衣服に着替えてもらう方法を提供することを課題とする。
(1)本発明のシート状の部材からなる衣服は、前掛けになるべき部位と、その前掛けになるべき部位とそれぞれの着衣すべき者の頭部側の端部同士を連結した前後の身頃になるべき部位とを有しているシート状の部材からなり、そのシート状の部材を前記前掛けと前後の見頃になるべき部位とが重なるように折り曲げるようにして、その折り曲げ部位の付近から前記頭部を外に出すと共に、その者の胴部から脚部にかけての身体を挟むようにして身に着けられるものであり、前記前後の身頃になるべき部位は、前記前掛けに連結されている後身頃になるべき部位と、その後身頃の両側から延設されている左右の前身頃になるべき部位とからなり、それらの左右の前身頃になるべき部位は、前記着衣すべき者の身体の両側面を隠すように左右の腕の下を通され、前記前掛けになるべき部位の上面に回り込まされて連結されるものである、ことを特徴としている。
(2)このようなシート状の部材からなる衣服は、前前記前身頃になるべき部位が、頭部側の端縁と、脚部側に延びている外側の測縁とを備えており、前記頭部側の端縁が外向きかつ脚部側に延びているのが好ましい。
(3)また、前記後身頃になるべき部位に、幅方向の中央付近を示す目印が設けられているのが好ましい。
(4)さらに、前記シート状の部材から着衣すべき者の頭部が抜かれた状態で、かつ、側臥位状態である前記着衣すべき者が、転がって背中側で乗り越えて反対側に移動すべく、前記後身頃になるべき部位の一方の側が、前記目印付近まで折り込まれ、前記着衣すべき者の背中に沿うように配置されるものが好ましい。
(5)本発明のシート状の部材からなる衣服を着替える方法は、寝具の上に横たわった前記着替えてもらうべき者を上述のシート状の部材からなる衣服に着替えてもらう方法であって、前記後身頃になるべき部位の一方の側を前記目印付近まで折り込み、その折り込んだ部位を前記着衣すべき者の背中に沿うように配置し、前記着衣すべき者の頭部がシート状の部材から抜かれた状態で、かつ、側臥位状態である前記着衣すべき者をその背中側で転がって、前記折り込んだ部位を乗り越えさせて反対側に移動させることを特徴としている。
(1)本発明のシート状の部材からなる衣服は、左右の前身頃をそれぞれ左右の腕の下から回り込ませ、身体の正面でこれらを連結している。このため全体として、腕を通さない着物・浴衣のような構造を呈しており、着る者・着てもらう者に自然な風合いの見た目を与えることができる。そして、そのような着物のような衣服を着衣すべき者の腕をほとんど上げなくても身にまとうことができる。
その上で、例えば、1枚のシート状の部材から構成されているから、ベッドに敷く方向を決めればその後上下左右や表裏といった向きを間違うこともなく、全体の位置の調整もしやすく、シーツのように取り扱うことができるので、ベッドの上だけで広げて着脱の介助がしやすい。
また、後身頃から前身頃にかけて、装飾可能な大きな面積を得ることができるから、連続性のある模様を施すことができるなど、衣服のデザインバリエーションを増やすことができる。
例えば、脇の下から脚部を含む身体の側面の広範囲を左右の前身頃で閉じて隠すことができるので、見た目が良い。そして、左右の前身頃を身体の左右から巻き込んで前掛けの上で連結しているから、左右の前見頃がはだけても、身体の正面が露出するのを防止できる。
また例えば、左右の前身頃の連結を解くと、身体に容易にアクセスすることができ、さらに左右の前身頃を全開にして容易に脱がせることができる。
また例えば、前身頃の腕の下に回り込んでいる部位をずらすことにより、胃瘻やバルーンカテーテルなどの医療用パイプなどの通り道を容易に形成することができる。
また例えば、1枚のシート状の部材から構成されているから、洗濯が容易であり、乾きやすい。さらに、普通の衣服の縫製と比べて、二次元方向の直線のみで縫製されているため、溜まらず(ダマにならず)、着用者に不快感を与えたり褥瘡の原因になったりすることが少ない。
(2)このようなシート状の部材からなる衣服が、前前記前身頃になるべき部位が、頭部側の端縁と、脚部側に延びている外側の測縁とを備えており、前記頭部側の端縁が外向きかつ脚部側に延びている場合は、脇の下から斜めに延びることになる、それらをへそ付近で連結あるいは交差する構造が、着物の衿のような見栄えを与えると共に、前見頃を着衣すべき者の腕を避けて脇の下に回り込みやすい構造にしており、着衣すべき者に対する脇の下への圧迫を小さくし、腕の可動を容易にしている。そして、着やすく、あるいは着せやすい。
(3)また、前記後身頃になるべき部位に、幅方向の中央付近を示す目印が設けられているので、上下に長尺なシート状の部材であるが、位置関係がわかりやすく、着替えの作業の効率が高まる。例えば、前記目印に基づいて寝具の中央付近に前記シート状の部材からなる衣服を敷くことができる。
(4)、(5)さらに、前記シート状の部材から着衣すべき者の頭部が抜かれた状態で、かつ、側臥位状態である前記着衣すべき者が、転がって背中側で乗り越えて反対側に移動すべく、前記後身頃になるべき部位の一方の側が、前記目印付近まで折り込まれ、前記着衣すべき者の背中に沿うように配置される場合は、シーツの取り換えと同じ要領で着たり脱いだりできる、このため着替えを簡易にする。
本発明のシート状の部材からなる衣服の一例を示す正面図である。 図2はシート状の部材からなる衣服を装着する途中の状態を示す斜視図である。 図3はシート状の部材からなる衣服を装着した状態を示す斜視図である。 図4aはシート状の部材からなる衣服を脱着する様子を示す概略工程図である。 図4bは図4aに続く衣服を脱着する様子を示す概略工程図である。 図5aは図1のシート状の部材からなる衣服の他の実施形態の一例を示す正面図である。 図5bは図5aのシート状の部材からなる衣服を装着した状態を示す斜視図である。
[1.概略説明]
<第1実施形態>
(シート状の部材からなる衣服1)
まず、図1を用いて本発明の一実施形態に係るシート状の部材からなる衣服1(以下、単にシート状の衣服1という。)を説明する。
このシート状の衣服1は、前掛けになるべき部位2と、その前掛けになるべき部位とそれぞれの上端同士で連結された前後の身頃になるべき部位3とを有しているシート状の部材からなる。そして、前記前後の身頃になるべき部位3は、前記前掛けになるべき部位2に連結されている後身頃になるべき部位4と、その後身頃の両側から延設されている左右の前身頃になるべき部位5、5とからなる。
なお、図では、後身頃になるべき部位4と前身頃になるべき部位5との仮想的な境界を二点鎖線で示している。
さらになお、図で表しているのは、外部から視認される外面であり、図示しない内面(たとえるなら紙面の裏面に相当)が、身体に触れている面である。
また、生地の端部は外向きに折り返されており、身体に触れる内面側には折り返し部がない。このため、着用した者に不快感を与えるのを減じたり、褥瘡に関連するかもしれない因子をなるべく減したりするようにしている。
前記シート状の衣服1は、図2に示すように、そのシート状の部材を前後が重なるように折り曲げるようにされ、その折り曲げ部位6の付近に形成された開口7から着衣すべき者20の頭部21を外に出すと共に、その者の身体の胴部22から脚部24をほぼ挟むようにして身に着けられる。
そして、左右の前身頃になるべき部位5、5は、前記着衣すべき者20の身体の両側面22を隠すように左右の腕23の下を通される。そして、前記左右の前見頃になるべき部位5、5の上端付近には、左右の紐部材8、8が延設されている。
なお、このシート状の衣服1が覆う身体の範囲としては、例えば、上端は首付近であり、下端は太ももから足首の間付近までであり、一例として挙げるなら、着物と同じような丈である。
図3に示すように、前記左右の前見頃5、5は、前掛け2の上面に回り込まされ、左右の紐部材8、8を結ぶことにより、連結されている。
なお、図ではシート状の衣服が装着されているので、前身頃および前掛けは、それぞれ前身頃になるべき部位および前掛けなるべき部位2と同じ符号を用いて表している。
このように、左右の前身頃5、5は、それぞれ左右の腕23、23の下から回り込ませ、身体の正面で連結している。このため全体として、腕を通さない着物・浴衣のような構造を呈しており、着る者・着てもらう者に自然な風合いの見た目を与えることができる。そして、そのような着物のような衣服を着衣すべき者20の腕23をほとんど動かさないで身にまとうことができる。
(シート状の衣服の生地の材質)
このシート状の衣服の生地の材質は、木綿あるいは木綿に合成繊維を混合した播州織である。生地に織物を用いると、着物や浴衣の風合いが際立ち、一枚のシート状の部材からなる機能性の高い衣服であるにもかかわらず、意匠性を高くすることができる。特に、播州織であると、やわらかく丈夫で摩擦に強い平織りで、洗濯しても色落ちの少ない先染めの織物であるため、使い勝手がよい。なお、他の公知の生地を用いてもよい。
(シート状の部材)
また、1枚のシート状の部材から構成されているから、ベッドに敷く方向を決めればその後上下左右や表裏といった向きを間違うこともなく、全体の位置の調整もしやすく、シーツのように取り扱うことができるので、ベッドの上だけで広げて着脱の介助がしやすい。
また例えば、1枚のシート状の部材から構成されているから、洗濯が容易であり、乾きやすい。さらに、普通の衣服の縫製と比べて、二次元方向の直線のみで縫製されているため、溜まらず(ダマにならず)、着用者に不快感を与えたり褥瘡の原因になったりすることが少ない。
[2.各構成の説明]
(前掛けになるべき部位2)
図1に戻って、前記前掛けになるべき部位2は、中央で切断されて左右の部位2a、2aに分かれており、それらはスナップボタン2bにより連結される。これにより、診察時あるいは緊急時に左右の部位2a、2aを左右に引き裂く様に開け広げることができる。
また、例えば前記前掛けになるべき部位2の丈は95〜145cmであり、好ましくは100〜140cmである。さらに例えば、その幅は45〜90cmであり、好ましくは50〜80cmである。
(前後の身頃になるべき部位3)
例えば後身頃になるべき部位の丈は95〜145cmであり、好ましくは100〜140cmである。さらに例えば、左右の前見頃になるべき部位5、5および後身頃になるべき部位4からなる前後の見頃になるべき部位3を開いた幅は66〜146cmであり、好ましくは76〜136cmである。
(後身頃になるべき部位4)
前記後身頃になるべき部位4には、その裏地の中央付近に幅方向の中央付近を示す目印4a(図4a参照)が設けられている。図では、その目印4aは生地の色とほぼ同じ色の糸をまっすぐに縫って形成されている。
その目印4aとしては、幅方向の中央を知らせるような目印となるものであればよい。例えば、刺繍による線、あるいは熱転写による印などである。
なお、目印が生地の模様に一体化したり、生地の模様に目立たないような模様をプリントしたりしてもよい。
この目印4aがあるおかげで、上下に長尺なシート状の部材であるにもかかわらず、位置関係がわかりやすく、着替えの作業の効率が高まる。例えば、前掛け2および後身頃4からなるシート状の部材の全長は200〜300cmにも及ぶ。このため前記目印4aがあると、向きや裏表などが配置を認識するのが容易である。
さらに寝たきりの介護が必要な者へ着てもらう場合でも、前記目印4aに基づいてベッドあるいは布団の中央付近に前記シート状の部材からなる衣服1を容易に敷くことができる。なお、着替えの方法については後述する。
(前見頃5)
前記前身頃になるべき部位5のうち、頭部側の端縁を符号5aで示し、脚側に延びている外側の測縁を符号5bで表している。
前記頭部側の端縁5aは、外向き、かつ、斜め下方に延びるように形成されている。この斜めに傾斜した形状に基づく、脇の下から斜めに延びて、へそ付近で連結あるいは交差する構造が、着物の衿のような見栄えを与えると共に、前見頃を着衣すべき者の腕を避けて脇の下に回り込みやすくしており、着衣すべき者に対する脇の下への圧迫を小さくし、腕の可動を容易にしている。そして、着やすく、あるいは着せやすい。
なお、例えば、前記側縁の長さは60〜105cmであり、好ましくは65〜100cm程度である。このように寸法は、その端縁と側縁との角部12が着衣すべき者のへその付近の高さ位置に配置されるのがよい(図3参照)。
(折り曲げ部位6、開口7、紐部材8)
前記折り曲げ部位6は、前掛け2と前後の見頃になるべき部位3を連結する部位であると共に、着衣すべき者20の肩のラインに沿って自然に湾曲する部位である。
前記開口7の内周縁はバイアステープ7aで縫製されている。その開口7の形状はV字状であるが、丸首の形状など他の形状であってもよい。
前記紐部材8は、前記角部12付近から延びている。その材質としては、種々の公知のものを用いることができるが、前掛け2や前後の見頃になるべき部位3と同じであると、デザインの統一感が出るので好ましい。
(小括)
前記シート状の衣服1は、例えば、腕23の下(脇の下)から脚部24を含む身体の側面25(図2参照)の広範囲を左右の前身頃5、5(図3参照)で閉じて隠すことができるので、服としての見た目が良い。そして、左右の前身頃5、5を身体の左右から巻き込んで前掛け2の上で連結しているから、左右の前見頃5、5がはだけても、身体の正面が露出するのを防止できる。
また例えば、左右の前身頃5、5の連結を解くと、身体に容易にアクセスすることができ、さらに左右の前身頃5、5を全開にして容易に脱がせることができる。
また例えば、前身頃5、5の腕23(図3参照)の下に回り込んでいる部位5c(図3参照)をずらすことにより、胃瘻やバルーンカテーテルなどの医療用パイプなどの通り道を容易に形成することができる。
[3.着る方法]
次に、前記シート状の衣服1を着る方法を説明する。以下に述べる着る方法を用いて前記シート状の衣服1を着衣すべき者としては、自力で服を着ることができる者である。
・工程R1:まず、前準備として、一番上あるいは上からいくつかのスナップボタン2aを外しておく(図1参照)。なお全部止めておいてもよい。
・工程R2:次いで、目印4aがある場合にはそれを頼りにして、前記シート状の衣服1の配置などを確かめる。そして前記開口7から頭部21を出すようにして、折り曲げ部位6を両肩に掛ける(図2参照)。
・工程R3:前記左右の前身頃になるべき部位5、5を、左右の腕23の下から引き出すようにして、体の正面側にもってくる。
・工程R4:左右の紐部材8、8を結んで連結する(図3参照)。
このように、一人で着る場合に、シート状の衣服1をかぶるようにして、頭部21を開口7から出し、左右の前身頃になるべき部位5、5を体の正面へもってきて、左右の紐部材8、8を結ぶだけで、容易に着衣することができる。とりわけ、高齢者や体の自由が利かない者にとって、着るための工程は1つでも少ない方が良い。
また、例えば、シート状の衣服1を脱ぐには、前記着る工程と反対の工程を行う。
<変形例>
図4a(例えばS1を参照)には、シート状の衣服1の変形例が示されている。図に示されているシート状の衣服9は、前身頃になるべき部位が裾付近に向かって次第に幅広に形成されている。これにより、立ち姿において、着衣すべき者の身体の正面をその下端付近まで閉じることができ、正面視において、装飾性の高いデザインを施すスペースを得ることができる。
なお、この変形例のシート状の衣服9は、前述したシート状の衣服1とほぼ同様であるので、同じ部分には同じ符号を付して、その説明を省略する。
[4.着てもらう/脱いでもらう方法]
ここから図4aおよび図4bを用いて、シート状の衣服9を自力で着ることができない者、それを自力で脱ぐことができない者(以下、介護が必要な者20という)に、前記衣服を着てもらったり、脱いでもらったりする方法を説明する。
なお、介護を必要とする者の具合によって、介助者の介助の程度も異なる。例えば、着てもらう/脱いでもらう、というより、着せる/脱がすとした方がより現実的な場合もあるかもしれないが、ここでは、それらを区別しておらず、脱着に何らかの介助が必要な者について、シート状の部材からなる衣服をどのようにして着ていくのか、脱いでいくのかを説明する。
(着てもらう方法)
・工程S1:まず、図4aに示すように、前準備として、開口7を広くするように、例えば前掛け2の上から一番目と二番目のスナップボタン2aを外しておく。
なお、スナップボタン2aを外すさないか、全部外すのか等の開度の具合は、介護が必要な者の状態に合わせるなど、状況に応じて判断すればよい。
・工程S2:次いで、目印4aがある場合にはそれを頼りにして、前後の身頃になるべき部位の一方の側(図では右側)を前記目印4a付近まで折り込む。例えば、蛇腹状に折ると、後で広げやすくなる。
・工程S3:介護が必要な者20に寝返りを打ってもらい、ベッド24の右側半分で側臥位状態になってもらう。そして、前記折り込んだ部位3aを前記介護が必要な者の背中に沿うように、かつ、ベッド24の中心付近に置く。
・工程S4:図4bに示すように、側臥位状態である前記介護が必要な者20に仰向けになってもらいながら、その背中側で前記折り込んだ部位3aを乗り越えて、反対側に移動してもらい、そこで側臥位状態になってもらう。そして、乗り越えた折り込んだ部位3aをベッド24の上に広げる。
・工程S5:前記介護の必要な者20に仰向けなってもらい、開口7(図4aのS1参照)に頭部21を通して、前掛け2を着用する。
・工程S6:前述した工程R3および工程R4と同様に、前記左右の前身頃になるべき部位5、5を、左右の腕23の下から引き出すようにして、体の正面側にもってきて、左右の紐部材8、8を結んで連結する。
(脱いでもらう方法)
また、シート状の衣服9を着ている介護の必要な者20からシート状の衣服9を脱いでもらう方法は、前記着てもらう方法と反対の手順で行われる。
・工程S6:介護が必要な者20にベッド24の中心付近に仰向けで寝てもらう。
・工程S5:左右の紐部材8、8を解いて、左右の前身頃になるべき部位5、5を、左右の腕23、23の下から抜いて、ベッドの上に左右に広げる。そして、開口7から頭部21を抜いて、前掛け2を脱がせる。
・工程S4:介護が必要な者20に寝返りを打たせて、ベッド24の左側半分で側臥位状態になってもらう。ベッド24の右側に広げられているシート状の衣服9を目印4a付近まで折り込む。
・工程S3:介護が必要な者20に寝返りを打ってもらいならが
その背中側で前記折り込んだ部位3aを乗り越えて、ベッド24の反対側に移動してもらい、そこで側臥位状態になってもらう。そして、折り込んだ部位3aを引き抜く。
このように、シーツの取り換えと同じ要領で衣服を着てもらったり、脱いでもらったりできるから、介助者の労力が軽減できる。そして、介護が必要な者20は転がるだけで、腕の上げ下げなどもほとんどないから、着替えにおける負担が軽減できる。このため着替えてもらうのが容易である。
[5.他の実施形態]
次に、本発明のシート状の衣服の他の実施形態を説明する。このシート状の衣服は、前述したシート状の衣服1とほぼ同様であるので、同じ部分には同じ符号を付して、その説明を省略する。
<第2実施形態>
(シート状の衣服11)
図5aに示すように、本発明のシート状の衣服11は、第1実施形態に対し、ベルト通し13、ベルト14を備えている点で異なる。また、この実施形態では、前身頃になるべき部位5、5の角部12、12同士の幅が狭く形成されている。このため、図5bに示すように、装着した状態で、正面視で左右の角部12、12が離れて配置されており、前掛け2が露出している。このため、ウエスト部が引き締まって見え、外部の人間に見られても恥ずかしくない程度にデザイン性が高くなる。
また、前記ベルト14の一端の内側には面ファスナーのオス部が設けられている。そしてベルトの他端側の外面にはメス部が胴の周長を変更可能なように、ベルトの長さ方向に延設されている。なお、公知のベルトを用いてもよい。
さらにまた、図5aの右の前身頃になるべき部位には、ベルト通し13が2つ並んで設けられている。そのうちの外側のベルト通し13は、前記メス部のうち、周方向の力のかかっていない部分を通しておくためのものである。
このシート状の衣服11のベルト14は、寝たきりの者の身体へ食い込んだり、身体に違和感があったりする可能性がある。このため、介護を必要としない活発な高齢者に適している。
[6.その他]
前述の実施形態において、前掛け2に設けられているスナップボタンの代わりに、通常のボタンや面ファスナーを設けても良い。その場合、寝たきりで日女湯の大半をすごす者を考慮して、その者が体位を変えても、それらボタンなどが身体に食い込んだり、接触したりするのを軽減できるように、その厚みや直径が小さなものを用いるのが好ましい。
さらに前記実施形態では、前掛け2はスナップボタンを外して左右の部位に分かれるようになっているが、別れない構造でもよい。
また、前述の実施形態では目印4aが設けられているが、設けなくてもよい。
また、前述の実施形態では生地の折り返しは、外向きであったが、内向きでもよい。
前述の実施形態において、前掛け2と前後の見頃になるべき部位3を部分的に連結してもよい。例えば、開口7の片側にスリットを形成して開口7へのアクセスを容易にし、そのスリットを面ファスナーやボタンで脱着自在にしてもよい。
さらに、前掛け2と前後の見頃になるべき部位3を肩ひものような部材で連結してもよい。
さらに、前記折り曲げ部位6は、前掛け2と前後の見頃になるべき部位3を面ファスナーやボタンなどの連結具を用いてで脱着自在にしてもよい。
前述の実施形態において、前身頃5に斜めに傾斜した前記端縁5aを設けなくてもよい。この場合、前身頃5の上方部分を折り込みながら脇の下を通す。
また、前述の実施形態ではでは左右の前身頃5、5は交差させていない。交差させると、内側の前身頃5の段差が着心地に影響するし、着衣すべき者が側臥位になった際に段差が身体に触れるからである。
また、交差させる場合は、帯を用いるのがよい。仮に、帯を用いない場合は、内側の前身頃5と前掛け2を連結し、外側の前身頃5と内側の前身頃5を連結するのがよい。
前記第一実施形態において、紐部材8を結んだり・ほどいたりする代わりに、紐部材の先端に面ファスナーを設けて着脱自在にしてもよい。さらに、ベルトなどの他の締結具を用いても良い。さらに、紐部材8を設けないで、前記角部12に面ファスナー、ボタンあるいはスナップボタンを設けて。左右の前身頃5、5を連結してもよい。
前述の実施形態では、角部12が着衣すべき者のへその付近の高さ位置に配置されているが、胸付近にあってもよい。
前述の実施形態ではでは、着衣すべき者20の胴部および脚部が覆われているが、上半身だけを覆うようにしてもよい。その場合には、角部12が胸の付近に配置されるようにする。
前述の実施形態における寸法値について、平均的な日本人の女性の身長や体格に基づいているが、男性、子供、乳児の体形、さらには他の国の人の身長や体格に基づいた寸法値が用いられてもよい。
さらに、どのような身長や体格の場合であっても、丈としては、首から腿の中間あたり、好ましくは首から膝と足首の間あたりの長さがあればよい。
また、本発明はファスナーなどを用いていないため、ファスナーが着用者の着心地を損なったり、開閉する際に身体の一部をはさんだりする恐れがない。さらにまた、現在の介護においては、着用者が自分の意志で脱ぎ着できず、いわゆる拘束の一種とみなされ好ましくないものとされているが、本発明のシート状の衣服では、紐部材を結ぶだけ緩い着心地である。
1 シート状の部材からなる衣服(シート状の衣服)
2 前掛けになるべき部位(前掛け)
2a 左右の部位
2b スナップボタン
3 前後の見頃になるべき部位
4 後身頃になるべき部位
4a 目印
5 前身頃になるべき部位
5c 腕の下に回り込んでいる部位
6 折り曲げ部位
7 開口
8 紐部材
9 シート状の部材からなる衣服
10 衣服を脱着する方法
11 シート状の部材からなる衣服
12 角部
13 ベルト通し
14 ベルト
20 着衣すべき者(介護が必要な者)
21 頭部
22 胴部
23 腕
24 脚部
25 側面

Claims (5)

  1. 前掛けになるべき部位と、その前掛けになるべき部位とそれぞれの着衣すべき者の頭部側になるべき端部同士を連結した前後の身頃になるべき部位とを有しているシート状の部材からなり、
    そのシート状の部材を前記前掛けと前後の見頃になるべき部位とが重なるように折り曲げるようにして、その折り曲げ部位の付近から前記頭部を外に出すと共に、その者の胴部から脚部にかけての身体を挟むようにして身に着けられるものであり、
    前記前後の身頃になるべき部位は、前記前掛けに連結されている後身頃になるべき部位と、その後身頃の両側から延設されている左右の前身頃になるべき部位とからなり、
    それらの左右の前身頃になるべき部位は、前記着衣すべき者の身体の両側面を隠すように左右の腕の下を通され、前記前掛けになるべき部位の上面に回り込まされて連結されるものである、シート状の部材からなる衣服。
  2. 前記前身頃になるべき部位が、頭部側の端縁と、脚部側に延びている外側の測縁とを備えており、前記頭部側の端縁が外向きかつ脚部側に延びている、請求項1記載のシート状の部材からなる衣服。
  3. 前記後身頃になるべき部位に、幅方向の中央付近を示す目印が設けられている、請求項2記載のシート状の部材からなる衣服。
  4. 前記シート状の部材から着衣すべき者の頭部が抜かれた状態で、かつ、側臥位状態である前記着衣すべき者が、転がって背中側で乗り越えて反対側に移動すべく、
    前記後身頃になるべき部位の一方の側が、前記目印付近まで折り込まれ、前記着衣すべき者の背中に沿うように配置されるものである、請求項3記載のシート状の部材からなる衣服。
  5. 寝具の上に横たわった前記着替えてもらうべき者を請求項1、2、3あるいは4のいずれかに記載のシート状の部材からなる衣服を着替える方法であって、
    前記後身頃になるべき部位の一方の側を前記目印付近まで折り込み、
    その折り込んだ部位を前記着衣すべき者の背中に沿うように配置し、
    前記シート状の部材から着衣すべき者の頭部が抜かれた状態で、かつ、側臥位状態である前記着衣すべき者をその背中側で転がって、前記折り込んだ部位を乗り越えさせて反対側に移動させる、シート状の部材からなる衣服を着替える方法。
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