JP3230424U - ドレス - Google Patents

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Abstract

【課題】寝たままの姿勢にあっても着脱容易であり、装飾性の高いドレスを提供する。【解決手段】ドレス10は前身頃11と後身頃12とを有する。後身頃は、ウエストよりも上方を覆うための後方上部12aとウエストとウエストよりも下方を覆うための後方下部12bとを有し、1枚の継ぎ目のない布地により形成される。前身頃はウエストよりも上方を覆う前方上部11aと前方下部11bとを有する。前方上部の横方向の寸法は、後方上部と同じか、それよりも大きく、前方下部は横方向の寸法が後方下部よりも大きく、ひだが形成される。前身頃と後身頃は、横方向の一方が縫合され、もう一方は連結部材を介して連結される。【選択図】図1

Description

本考案は、ドレスに関し、より詳しくはドレスを着用しようとするものが寝たままの状態にあっても着脱することが容易であって、しかも高い装飾効果を発揮することのできる前記ドレスに関する。
衣服を着用させる対象者が寝たままの状態にあっても、その衣服の着用が容易となるように考案された衣服は公知である。
例えば、特許文献1に記載の介護用上着と介護用ワンピースは、ベッドや布団の上に予め開いた状態で置いておき、そのワンピースの上に要介護者を仰臥位で載せて着用させるもので、長袖の袖口から前身頃の下端部にまで延びる開閉ラインにおいて長袖から前身頃の下端部までの間を開閉することができる。また、前身頃の中央部は、袖口から下端部までが開閉可能に形成されている。
特許文献2記載の介護用衣服は、対照的な形状を有する前身頃と後身頃とが別体で作られていて、これら前身頃と後身頃とがそれぞれの肩部と左右両側縁部とに連結手段を有する。この衣服を着用した者は、寝たままの姿勢にあっても、連結手段を解くことによって、前身頃だけを交換したり、後身頃だけを交換したりすることができる。
特開2020−7664号公報 特開2007−154325号公報
特許文献1,2に記載の介護用ワンピースや介護用衣服は、いわゆる実用的なものであって、寝たままの姿勢にあっても衣服を着用して着飾りたいと思う場合にふさわしいものとは言い難い。そこで、この考案では、寝たままの姿勢にあっても着脱することが容易であって、しかも着飾ることを可能にするような高い装飾効果のあるドレスの提供を課題にしている。
前記課題を解決するために、本考案が対象とするのは、ドレス着用者身体の腹側を被覆する前身頃と背中側を被覆する後身頃とを有し、前記前身頃と前記後身頃とが肩ひもを介してつながっていて、前記前身頃と前記後身頃とのそれぞれが、互いに直交する上下方向と横方向とを有するとともに、前記身体におけるウエストよりも上方の部位を覆うための前方上部と後方上部、および前記ウエストと前記ウエストよりも下方の部位を覆うための前方下部と後方下部とのそれぞれを有するドレスである。
かかるドレスにおいて、本考案が特徴とするところは、以下のとおりである。すなわち、前記後身頃は、前記後方上部が前記肩ひもの一部分を含む継ぎ目のない少なくとも1枚の布地によって形成されている。前記前身頃は、前記前方上部が前記肩ひもの一部分を含み、前記前方下部を形成している布地とは別体の布地を前記前方下部に対して縫合することによって形成されている。前記前身頃と前記後身頃とは、前記横方向の両側のうちの一方において縫合されて一体となる一方、前記両側のうちのもう一方においては、連結部材を介して繰り返しの連結が可能に形成されるとともに、前記肩ひもの一部分どうしも連結部材を介して繰り返しの連結が可能に形成されている。前記横方向における前記前身頃と前記後身頃との間では、前記前方上部を形成している前記布地の寸法が前記後方上部を形成している前記布地の寸法と同じであるか前記布地の寸法よりも大きく、前記前方下部を形成している前記布地の寸法は前記後方下部を形成している前記布地の寸法よりも大きくて、前記前方下部が前記横方向および前記上下方向のいずれかにおいて起伏を繰り返す態様にある。
本考案の実施態様の一つにおいて、前記前方下部が前記横方向において起伏を繰り返す状態は、前記横方向に並ぶ複数条のタックおよびギャザーのいずれかによって形成されている。
本考案の実施態様の他の一つにおいて、前記ドレスは、前記後身頃を下側にして平面上に広げると、前記後身頃の全体が前記平面に倣って平坦となる一方、前記前身頃における前記前方下部が前記平面の上方に向かって凸となるように膨らんだ状態になるものである。
本考案の実施態様のさらに他の一つにおいて、前記肩ひもは、前記ドレスとは別体のスリーブ部材の着脱が可能に形成されている。
本考案の実施態様のさらに他の一つにおいて、前記上方前部および前記上方後部のうちの少なくとも一方における内面には、前記上方前部および前記上方後部のいずれかにおける首周りに沿って、見返しが縫合されている。
本考案に係るドレスは、前身頃と後身頃とが、両側のうちの一方において互いに縫合されて一体となり、両側のうちのもう一方においては、連結部材を介しての繰り返しの連結が可能な状態にあるから、前身頃と後身頃とを横方向へ広げることによって、それを着用しようとする者が寝たきりの状態にあっても、介護者は着用させることが容易になる。また、このドレスでは、前身頃における前方下部の横方向の寸法が後身頃における後方下部の横方向の寸法よりも大きいから、その前方下部には、例えばドレスの横方向において起伏を繰り返すひだ等を作ることによって、寝たままで着用するドレスであっても、そのドレスの装飾効果を高めることができる。
図面は、本開示に係る本発明の特定の実施の形態を示し、発明の不可欠な構成ばかりでなく、選択的及び好ましい実施の形態を含む。
(A)ドレスの正面図、(B)ドレスの背面図。 (A)ドレスの右側面図、(B)ドレスの左側面図。 ドレスの前身頃と後身頃との内面を示すドレスの平面図。 着用状態にあるドレスの正面図。 図4のV−V線矢視図。 図4のVI−VI線矢視図。 前方下部のひだが消失するところまで前方下部を矢印で示す横方向へ伸展させたときのドレスの状態を仮想線で示す図3と同様な図。
添付の図面を参照して、本考案に係るドレス10の詳細を説明すると、以下のとおりである。
図1,2において、図1の(A)はドレス10の正面図であり、(B)はドレス10の背面図であり、図2の(A)はドレス10の右側面図であり、(B)は左側面図である。なお、本考案でいう右と左は、ドレス10の着用者1(図4参照)にとっての右と左とを意味している。これらの図において、ドレス10は、互いに直交する上下方向Yと横方向Xとを有し、前身頃11と後身頃12とを含んでいる。前身頃11と後身頃12とのそれぞれは、着用者1のウエスト2(図4参照)よりも上方の部分の被覆を目的とする前方上部11aと後方上部12aとを有するとともに、ウエスト2とその下方部分との被覆を目的とする前方下部11bと後方下部12bとを有する。前身頃11と後身頃12とのそれぞれはまた、横方向Xの両側にあって上下方向Yへ延びる左側縁部11e,12eと、右側縁部11d,12dとのそれぞれを有する。前身頃11と後身頃12とのそれぞれはさらにまた、左肩ひも11g,12gと右肩ひも11h,12hとを有する。前身頃11の肩ひも11g,11hのそれぞれは、後身頃12の肩ひも12g,12hのそれぞれに対して、後記するように着脱可能に形成されている。
図1の(A)において明らかなように、前身頃11の前方上部11aには、その前方上部11aの外面を形成する布地21に斜めに延びる複数条の装飾用ひだ16が形成されている。前方上部11aはまた、横方向X、換言すると胴回り方向へ延びる縫合線18においてダーツ19が形成されている前身頃11の前方下部11bに縫合されている。その前方下部11bを形成する布地22にはおおむね上下方向Yへ延びる複数条のひだ17が形成されている。ひだ17は、図における横方向Xにおいて、換言すると胴回り方向において起伏を繰り返している。すなわち、前方下部11bは、フレアースカートやギャザースカートの如き様相を呈している。
図1(B)において明らかなように、後身頃12は、後方上部12aと後方下部12bと肩ひも12g,12hとに広がる1枚の布地23によって形成されていて、着用者1の背中に接触するような折り目や縫い目が形成されておらず、肩ひも12g,12hの部分を除けば、滑らかで平坦な状態にある。前身頃11と後身頃12とは、右側縁部11dと12dとが縫合線30において縫合されて、分離することがないように一体化されている。左側縁部11e,12eとは、後記ファスナ手段31を介して分離可能に連結されている。また、右肩ひも11hと12h、および左肩ひも11gと12gも後記ファスナ手段32を介して分離可能に連結されている。
図3は、図1におけるドレス10の前身頃11と後身頃12との左側縁部11eと12eとの連結および右肩ひも11gと12g、左肩ひも11hと12hとの連結を解いて、前身頃11と後身頃12とをほぼ平坦となる状態にまで伸展させたときの前身頃11と後身頃12との内面を示すドレス10の平面図であって、後身頃12の横方向Xの中心は縦方向に延びる線Yに平行している。前身頃11の左側縁部11eの内面11jには、ファスナ手段31の一例である面ファスナのフック部材31aが縫い付けられている。後身頃12における左側縁部12eの外面12jには、ファスナ手段31の一例である面ファスナのループ部材31bが取り付けられている。また、前身頃11の肩ひも11g,11hの内面11jには、ファスナ手段の一例である雄型フック部材32aが取り付けられ、後身頃12の肩ひも12g,12hの外面12jには、雌型フック部材32bが取り付けられている。図3から明らかなように、後身頃12は、継ぎ目のない1枚のシートによって形成されていて、例えばベッドで使用するシーツと同様に、平坦に広げることが可能であって、着用者1がベッドで寝ているときであっても、その背中に当接するような縫い目や起伏がない。また、図示のように展開することのできるドレス10は、ベッドで寝たきりの状態にある着用者1に対して、例えばおむつや寝間着を着用させるときの要領で、容易に着用させることができる。このような可能性のある場合には、後見頃12を縫い目のない同じ大きさの複数枚のシートで重ね合わせて形成することもできる。
図4は、着用者1によって着用されているドレス10の前身頃11を示す図であって、ドレス10は図1の(A)におけるドレス10と同じ状態にある。ドレス10は、着用者1が寝たきりの状態にあっても、前身頃11の前方上部11aにおける装飾用のひだ16や、前方下部11bにおけるひだ17によって、着飾ったときの気持ちを味わうことができる。ドレス10においての装飾要素は、ひだ16やひだ17に限定されるわけではない。装飾用のボタンやリボンを付けたり、適宜の色に染色されていたり、適宜の色彩や織模様を有する布地を合わせて使用することによって、ドレス10の装飾効果をさらに高めることができる。
図5は、図4におけるV−V線矢視図であって、着用者1の身体の胸部における断面形状41とドレス10の前方上部11aと後方上部12aとが示されている。仮想線で示された前身頃11における前方上部11aと後身頃12における後方上部12aとは、それぞれの横方向Xにおける寸法を示すとともに、連結部材31の取り付け位置とを示している。図示例の前方上部11aは、装飾用ひだ16が形成されていて、前方上部11aの外面を形成する第1布地21aと、図3において平坦に広がって前方上部11aの内面を形成する第2布地21bを含んでいる。図示例では、前方上部11aと後方上部12aにおける横方向Xの寸法がほぼ同じとなるように作られていて、胸囲の側方部分において、前身頃11と後身頃12とが分離可能に連結されている。胸囲の大きさにもよるが、前方上部11aと後方上部12aとの横方向Xの寸法がほぼ同じであって、図示の位置において、すなわち胸囲の側方において前方上部11aと後方上部12aとを連結させることができるときには、連結部材31aと連結部材31bとを重ね合わせて押圧すればよいから、連結させるための作業、すなわち圧着させる作業は容易である。そのような位置と状態とにあるときの連結部材31aと31bとは、長く伸ばした時の腕に隠れやすく、人目につきにくく、ドレス10の美観やドレス10で着飾ったときの状態を損ねることがない。なお、ドレス10において、前方上部11aの横方向Xの寸法は、後方上部12aの横方向Xの寸法よりも大きくすることが可能である。
図6は、図4におけるVI−VI線矢視図である。前方下部11bと後方下部12bとの間において、ひだ17を有する前方下部11bは、ひだ17が消失するように横方向Xに伸展させたときの横方向Xにおける寸法は、後方下部11bを横方向Xへ伸展させたときの横方向Xの寸法よりもはるかに大きいが、前方上部11aと後方上部12aとは、図示されているように、着用者1が使用している布団の上面60の近くで連結することができる。ドレス10を着用しているときに、連結手段31が布団の上面60または上面60の近くにあるときには、連結手段31は人目につくということもなく、ドレス10で着飾ったときの状態を損ねることがない。ただし、本考案は、前身頃11の前方上部11aおよび前方下部11bにおける装飾要素を図示例のひだ16やひだ17、ダーツ19に限定するものではない。ひだは、横方向Xへ延びるものであってもよく、また、ひだ16やひだ17とともに、適宜形状のレース飾りや造花を使用することもできる。ただし、前方下部11bの横方向Xの寸法は、図6に示されるように、後方下部12bの横方向Xの寸法よりも大きく作られる。
図7は、前方下部11bのひだ17が消失するところまで前方下部11bを矢印Pで示す横方向へ伸展させたときのドレス10の状態を仮想線で示す図3と同様な図である。前方下部11bの横方向Xの寸法W1は、後方下部12bの横方向Xの寸法よりもはるかに大きく、着用状態にあるドレス10を図6の如くに観察したとき、前方下部11bは連結部材31を使用する後方下部12bとの連結部位を隠蔽するのに十分な大きな寸法W1を有している。また、図7のドレス10では、前方上部11aと後方上部12aとの内面に襟周りと肩ひも11g,11h,12g,12hとを覆うことのできる見返し42,43のそれぞれが取り付けられている。ただし、ドレス10が、前方上部11aや後方上部12aの内面において見返し42や43が作る段差を嫌うものである場合には、見返し42や43を使用することのなくドレス10を作ることができる。図7のドレス10ではまた、ドレス10とは別体の袖部材50a,50bを用意することができる。袖部材50aと50bとには、ドレス10の後身頃12の肩ひも12g,12hに向かって延びる延出部51a,51bがあり、延出部51a,51bのそれぞれには連結手段であるフック部材52a,52bが取り付けられている。また、肩ひも12g,12hのそれぞれにはフック部材52a,52bのそれぞれが離脱可能に係合するフック部材53,54が取り付けられている。したがって、着用者1の好みに応じて、またはドレス10のデザインに応じて袖部材50a,50bをドレス10に取り付けることができる。
1 ドレス着用者
10 ドレス
11 前身頃
11a 前方上部
11b 前方下部
11g、11h 肩ひも
12 後身頃
12a 後方上部
12b 後方下部
12g、12h 肩ひも
16 ひだ
17 ひだ
31 、31a、31b 連結部材
32 連結部材
X 横方向
Y 上下方向

Claims (5)

  1. ドレス着用者身体の腹側を被覆する前身頃と背中側を被覆する後身頃とを有し、前記前身頃と前記後身頃とが肩ひもを介してつながっていて、前記前身頃と前記後身頃とのそれぞれが、互いに直交する上下方向と横方向とを有するとともに、前記身体におけるウエストよりも上方の部位を覆うための前方上部と後方上部、および前記ウエストと前記ウエストよりも下方の部位を覆うための前方下部と後方下部とのそれぞれを有するドレスであって、
    前記後身頃は、前記後方上部が前記肩ひもの一部分を含む継ぎ目のない少なくとも1枚の布地によって形成されており、
    前記前身頃は、前記前方上部が前記肩ひもの一部分を含み、前記前方下部を形成している布地とは別体の布地を前記前方下部に対して縫合することによって形成されており、
    前記前身頃と前記後身頃とは、前記横方向の両側のうちの一方において縫合されて一体となる一方、前記両側のうちのもう一方においては、連結部材を介して繰り返しの連結が可能に形成されるとともに、前記肩ひもの一部分どうしも連結部材を介して繰り返しの連結が可能に形成されており、
    前記横方向における前記前身頃と前記後身頃との間では、前記前方上部を形成している前記布地の寸法が前記後方上部を形成している前記布地の寸法と同じであるか前記布地の寸法よりも大きく、前記前方下部を形成している前記布地の寸法は前記後方下部を形成している前記布地の寸法よりも大きくて、前記前方下部が前記横方向および前記上下方向のいずれかにおいて起伏を繰り返す態様にあることを特徴とする前記ドレス。
  2. 前記前方下部が前記横方向において起伏を繰り返す状態は、前記横方向に並ぶ複数条のタックおよびギャザーのいずれかによって形成されている請求項1記載のドレス。
  3. 前記ドレスは、前記後身頃を下側にして平面上に広げると、前記後身頃の全体が前記平面に倣って平坦となる一方、前記前身頃における前記前方下部が前記平面の上方に向かって凸となるように膨らんだ状態になるものである請求項1又は2記載のドレス。
  4. 前記肩ひもは、前記ドレスとは別体のスリーブ部材の着脱が可能に形成されている請求項1−3のいずれかに記載のドレス。
  5. 前記上方前部および前記上方後部のうちの少なくとも一方における内面には、前記上方前部および前記上方後部のいずれかにおける首周りに沿って、見返しが縫合されている請求項1−4のいずれかに記載のドレス。
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