JP3086531U - 授乳用ベスト付ドレス - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】 授乳者が乳房を容易に露出でき、かつベスト
にて乳房を隠蔽しながら授乳できる好適な授乳用衣服の
提供。 【解決手段】 首部を大きく開放したＶ型衿ぐり４に形
成してなる前身頃Ａの伸縮紐２の先端と、後身頃Ｂの肩
部３及び襞８を設けてなるベスト７または普通のベスト
をそれぞれ肩線にて一体に縫着またはベストのみ着脱自
由に取付けして、ベストをドレスの前身頃の胸部を隠蔽
するように垂れ下げ状態に構成し、かつ、前身頃とベス
トとの間に十分な空間が保持されるようにしてなる授乳
用ベスト付ドレスを提供するものである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、授乳用ベスト付ドレスに関し、さらに詳しくは、衿ぐりを大きく開 放したＶ型衿ぐりドレス、袖ぐりを大きく開放したドレス、または前身頃の胸部 を釦、ファスナーにて開閉自在の開口部を設けてなるドレスなどの前身頃の上部 に開放自由な襞入りベストまたは普通のベストを一体に縫着して、ドレスより授 乳者が乳房を容易に露出でき、かつベストの表面にて乳房を隠蔽しながら授乳で きるようにした授乳用ベスト付ドレスに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、授乳用衣服としては、着服時、乳房が位置する両側部分に縦方向に二つ の開口部を備えた前身頃と、この前身頃に前記二つの開口部を覆うカバー体が取 り付けられた授乳用衣服などがある（特開平１０−３１０９１５号公報参照）。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかれど、上記従来の授乳用衣服では構造が複雑で縫製に手間が掛かるばかり でなく、カバー体が袖ぐり下迄縫着してあるため、カバー体を上方へ僅かしか上 げられなかった。それがため授乳の際、母子共非常に窮屈な格好にて授乳させな ければならない不都合なものであった。

【０００４】 そこで、授乳者が乳房を容易に露出でき、かつベストにて乳房を隠蔽しながら 授乳できる好適な授乳用衣服の出現が強く望まれる所以がある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は、上記課題を解決するためになされたものであり、その要旨とすると ころは、首部を大きく開放したＶ型衿ぐりに形成してなる前身頃の伸縮紐の先端 と、後身頃の肩部及び襞を設けてなるベストまたは普通のベストをそれぞれ肩線 にて一体に縫着またはベストのみ着脱自由に取付けして、ベストをドレスの前身 頃の胸部を隠蔽するように垂れ下げ状態に構成し、かつ、前身頃とベストとの間 に十分な空間が保持されるようにしてなる授乳用ベスト付ドレス、及び両袖ぐり を大きく開放してなるドレスの前身頃上部へ襞を設けてなる前開きのベストまた は普通のベストを、縫着またはベストのみ着脱自由に取付けしてなる授乳用ベス ト付ドレス、及び前開き釦付ドレスの前身頃の胸部に八文字形の切条を設けて開 閉自在に構成し、該前身頃、後身頃、襞を設けたベストまたは普通のベストとを 、肩線にてそれぞれ一体に縫着またはベストのみ着脱自由に取付けしてなる授乳 用ベスト付ドレス、及び前身頃を上胸元部と下胴部とに分割し、ギャザー、フリ ル状ボレロ型のベストの３者を、それぞれ一体に縫着し、該縫着部の下方左右に 彎曲状に切条して釦、ファスナーなどにて開閉自在に構成してなる授乳用ベスト 付ドレス、並びに胸部の左右に袈裟斬り状に設けた切条を釦、ファスナーなどに て開閉自在としてなるドレスの前身頃及び後身頃並びに左右交差状のベストを、 それぞれ肩線にて一体に縫着してなる授乳用ベスト付ドレスに関するものである 。

【０００６】

【考案の実施の形態】

本考案の授乳用ベスト付ドレスの実施例を別紙図面に基いて詳細に説明する。

【０００７】 （実施例１） 図１に於て、１は前身頃Ａの首部をＶ型に大きく開放したＶ型衿ぐり４に形成 され、且つ伸縮紐２，２にて後身頃Ｂの両肩部３，３へ一体に縫着５，５されて 構成されているドレスである。７は襞８を設けて成るベストで、該ベスト７の上 部とドレス１の後身頃Ｂの肩部３，３とを縫着６，６してベスト７をドレス１の 前身頃Ａの胸部を隠蔽するように垂れ下げられた状態に構成されるものである。 この場合、ベスト７に襞８を設けたから、前身頃Ａとベスト７との間に十分な空 間が保持されるのである。なお、前身頃Ａ、後身頃Ｂ、ベスト７とはそれぞれ肩 線で一体に縫着６，６すると良い。この場合、ベストのみを着脱自由に取付けし ても良い。 以上の授乳用ベストには襞を設けて前身頃とベストとの間に十分な空間が保持 されるようにした場合を説明したが、ベストに襞が設けてなくても授乳者の胸部 は元々大きく膨らんでいるから前身頃とベストとの間に十分な空間が保持される ことがある。

【０００８】 そこで、授乳者１３がドレス１を着用したならば、図４に示すように、ベスト ７を持ち上げてＶ型衿ぐり４を手繰り寄せして乳房を表出する。しかるのち、授 乳させるものである。 このとき、図７に示すように、ベスト７にて授乳者１３の胸部全体が隠蔽され る。なお、乳房を正面より表出する代わりに、袖ぐり１０より表出して乳児１４ に授乳しても勿論差支えない。

【０００９】 （実施例２） 図５に示すように、１ａは両袖ぐり１０ａ，１０ａを大きく開放した丸首の前 身頃Ａａの上部を、後身頃Ｂａの肩部３ａ，３ａへ一体に縫着６ａ，６ａされて 構成されているドレスである。７ａは前開き釦９付のベストで、該ベスト７ａの 上部が後身頃Ｂａの肩部３ａ，３ａへ縫着６ａ，６ａされ、前身頃Ａａ胸部を隠 蔽するように垂れ下げられた状態に構成されていることは前記実施例１と同様で ある。尚且つ、ベスト７ａにて前身頃Ａａとベスト７ａとの間に十分な空間が保 たれていることも同様である。なお、前身頃Ａａ、後身頃Ｂａ、ベスト７ａとは それぞれ肩線で同時に縫着６ａ，６ａ、またはベストのみを着脱自由に取付けす ると良い。

【００１０】 実施例２のドレス１ａにて授乳するときには、図６，図７に示すように、袖ぐ り１０ａより乳房を表出して授乳させるのである。この際、ベスト７ａにて授乳 者１３の胸部全体が隠蔽されるものであることは実施例１の場合と同様である。

【００１１】 （実施例３） 図８，図９に示すように、前開き釦９ａ付ドレス１ｂの前身頃Ａｂの胸部に八 文字形に切条１１，１１を設けて、ホック１２，１２にて開閉自在に構成する。 そして、該ドレス１ｂの前身頃Ａｂ、後身頃Ｂｂと同時に肩部３ｂ，３ｂにてベ スト７ｂとをそれぞれ一体に縫着６ｂ，６ｂ、またはベストのみを着脱自由に取 付けする。

【００１２】 実施例３のドレス１ｂにて授乳するときには、図９に示すように、ホック１２ を外して前身頃Ａｂの胸部を開放する。開放された空隙Ｃより乳房を表出して授 乳させるのである。この際、ベスト７ｂにて授乳者の胸部が隠蔽されるものであ ることは実施例１，２の場合と同様である。

【００１３】 （実施例４） 図１０，図１１に示すように、前身頃Ａｃを上胸元部Ｙと下胴部Ｘとで２分割 して構成しておいて、該上胸元部Ｙ、下胴部Ｘとフリル状のベスト７ｃとの３者 を一体に縫着１５する。そして、その縫着１５の左右稍下方の前身頃Ａｃに彎曲 状に切条１１ａ，１１ａして、ホック１２ａ，１２ａにて開閉自在に構成する。

【００１４】 そこで、実施例４のドレス１を着用して授乳するときには、図１１に示すよう に、ホック１２ａを外して前身頃Ａｃの胸部を開放する。開放された空隙Ｃａよ り乳房を表出して授乳させるのである。この際、フリル状のベスト７ｃにて授乳 者の胸部が隠蔽されるものであることは実施例１，２，３の場合と同様である。

【００１５】 （実施例５） 図１２に示すように、ドレス１ｄの前身頃Ａｄの胸部を袈裟斬り状に切条１１ ｂ，１１ｂを設けて、ホック１２ｂ，１２ｂにて開閉自在に構成されている。そ して、左右交差状のベスト７ｄを前身頃Ａｄ、後身頃Ｂｄと同時に肩部３ｄ，３ ｄにて一体に縫着６ｄ，６ｄするものである。

【００１６】 実施例５のドレスを着用して授乳するときには、図１３に示すように、先ずホ ック１２ｂを外して前身頃Ａｄの胸部を開放する。開放された空隙Ｃｂより乳房 を表出させたのち、左右交差するベスト７ｄから図１４に示すように授乳させる ものである。このとき、左右交差するベスト７ｄにて授乳者１３の胸部は隠蔽さ れるものである。

【００１７】

【考案の効果】

本考案は、ドレスの前身頃の各部位にて容易に乳房を表出して授乳ができ、然 かも授乳者の胸部全体がベストにて隠蔽でき、授乳者にとって非常に利便なもの である。

【００１８】 ベストに襞を設けたので美麗にして立体感に富み、然かも前身頃とベストとの 間に十分な空間が保持されるので、授乳がし易い。且又、ベストを上方へ大きく 持上げることができ、授乳に利便である。

【００１９】 また、ドレスの前身頃、後身頃と同時に肩部にてベストを一体に縫着またはベ ストのみを着脱自由に取付けできるようにしたから、着用・取替えが甚だ容易で ある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例１の授乳用ベスト付ドレスの正
面図である。

【図２】図１の授乳用ベスト付ドレスの背面図である。

【図３】図１の授乳用ベスト付ドレスの右側面図であ
る。

【図４】図１の授乳用ベスト付ドレスの衿ぐりを手繰り
寄せて乳房を表出した状態を示す参考説明図である。

【図５】本考案の実施例２のベストを袖ぐりを大きく開
放したドレスに一体に縫着した授乳用ベスト付ドレスの
正面図である。

【図６】図５のドレスの袖ぐりより乳房を表出した状態
を示す要部の拡大参考説明図である。

【図７】実施例１，２の授乳用ベスト付ドレスにて授乳
している状態を示す参考使用状態図である。

【図８】本考案の実施例３の前身頃の胸部に八文字形の
切条を設けて、ホックにて開閉自在に構成したドレスに
ベストを縫着した授乳用ベスト付ドレスの正面図であ
る。

【図９】図８の前身頃に向けた切条をホックを外して開
放した状態を示す拡大参考説明図である。

【図１０】前身頃を上胸元部と下胴部とに分割してフリ
ル状のベストとの３者で一体に縫着してなる授乳用ベス
ト付ドレスの正面図である。

【図１１】図１０のドレスの前身頃に向けた切条をホッ
クを外して開放した状態を示す拡大参考説明図である。

【図１２】前身頃の胸部に袈裟斬り状の切条を設けてホ
ックにて開閉自在としたドレスの胸部に、左右交差状の
ベストを一体に縫着してなる授乳用ベスト付ドレスの正
面図である。

【図１３】図１２のドレスの前身頃に設けた袈裟斬り状
の切条を、ホックを外して開放した状態を示す要部の拡
大参考説明図である。

【図１４】図１２，図１３の授乳用ベスト付ドレスを着
用して授乳している状態を示す要部の参考使用説明図で
ある。

【符号の説明】

１ ドレス １ａ ドレス １ｂ ドレス １ｃ ドレス １ｄ ドレス ２ 伸縮紐 ３ 肩部 ３ａ 肩部 ３ｂ 肩部 ３ｃ 肩部 ３ｄ 肩部 ４ Ｖ型衿ぐり ５ 縫着 ６ 縫着 ６ａ 縫着 ６ｂ 縫着 ６ｃ 縫着 ６ｄ 縫着 ７ ベスト ７ａ ベスト ７ｂ ベスト ７ｃ ベスト ７ｄ ベスト ８ 襞 ８ａ 襞 ９ 前開き釦 ９ａ 前開き釦 １０ 袖ぐり １０ａ 袖ぐり １１ 切条 １１ａ 切条 １１ｂ 切条 １２ ホック １２ａ ホック １２ｂ ホック １３ 授乳者 １４ 乳児 １５ 縫着 Ａ 前身頃 Ａａ 前身頃 Ａｂ 前身頃 Ａｃ 前身頃 Ａｄ 前身頃 Ｂ 後身頃 Ｂａ 後身頃 Ｂｂ 後身頃 Ｂｃ 後身頃 Ｂｄ 後身頃 Ｃ 空隙 Ｃａ 空隙 Ｃｂ 空隙 Ｘ 下胴部 Ｙ 上胸元部

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 首部を大きく開放したＶ型衿ぐりに形成
   してなる前身頃の伸縮紐の先端と、後身頃の肩部及び襞
   を設けてなるベストまたは普通のベストをそれぞれ肩線
   にて一体に縫着またはベストのみ着脱自由に取付けし
   て、ベストをドレスの前身頃の胸部を隠蔽するように垂
   れ下げ状態に構成し、かつ、前身頃とベストとの間に十
   分な空間が保持されるようにしてなる授乳用ベスト付ド
   レス。
2. 【請求項２】 両袖ぐりを大きく開放してなるドレスの
   前身頃上部へ襞を設けてなる前開きのベストまたは普通
   のベストを、縫着またはベストのみ着脱自由に取付けし
   てなる請求項１に記載の授乳用ベスト付ドレス。
3. 【請求項３】 前開き釦付ドレスの前身頃の胸部に八文
   字形の切条を設けて開閉自在に構成し、該前身頃、後身
   頃、襞を設けたベストまたは普通のベストとを、肩線に
   てそれぞれ一体に縫着またはベストのみ着脱自由に取付
   けしてなる請求項１に記載の授乳用ベスト付ドレス。
4. 【請求項４】 前身頃を上胸元部と下胴部とに分割し、
   ギャザー、フリル状ボレロ型のベストの３者を、それぞ
   れ一体に縫着し、該縫着部の下方左右に彎曲状に切条し
   て釦、ファスナーなどにて開閉自在に構成してなる請求
   項１に記載の授乳用ベスト付ドレス。
5. 【請求項５】 胸部の左右に袈裟斬り状に設けた切条を
   釦、ファスナーなどにて開閉自在としてなるドレスの前
   身頃及び後身頃並びに左右交差状のベストを、それぞれ
   肩線にて一体に縫着してなる請求項１に記載の授乳用ベ
   スト付ドレス。