JP3224528B2 - インクジェット記録装置 - Google Patents
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Description
媒体に記録を行なうインクジェット記録装置に関する。
させることによって記録媒体(多くの場合は紙、OHP
シートあるいは布など)上に記録を行なうインクジェッ
ト記録装置が知られている。インクジェット記録装置
は、ノンインパクト型の記録装置であって、騒音が少な
いこと、普通紙に直接記録できること、多色のインクを
用いることによりカラー画像記録が容易にできることな
どの特長を有し、近年急速に普及しつつある。中でも、
記録信号に応じて熱エネルギーをインクに加えて相変化
を発生させ、そのときの作用力によってインク液滴を吐
出させる方式のインクジェット記録装置は、構造が簡単
で高密度マルチノズル化が容易であり、高解像度、高速
度のものを容易に得ることができるという利点を有して
いる。
は、インク液滴を記録ヘッドの記録媒体に対向する面
(吐出面)に設けられた微細な吐出口から直接吐出させ
るので、良好な記録を行なうためには配慮が必要とな
る。例えば、記録の品位を保つため、記録ヘッドと記録
媒体との距離を一定に保ちかつ記録媒体の送りを正確に
制御する必要がある。そのため、記録媒体を搬送手段で
あるベルトなどに静電力によって吸着保持して搬送する
ことが行なわれる。このような記録媒体の搬送方法とし
て、特開昭62-147473号公報に開示されるように、予め
ベルトを帯電させ、このベルトに記録媒体を接触させて
誘電分極による吸引力により吸着させる方法などがあ
る。
て静電力を併用するものの例が特開昭60-46257号、特開
昭62-151348号、特開昭62-225353号の各公報に開示され
ている。これらはいずれも記録媒体の背後(記録ヘッド
のない側)に電極を配してこの電極と記録用インクとの
間に電圧を印加するものである。
体を静電力により吸着保持するインクジェット記録装置
では、記録媒体表面と記録ヘッド表面との間に電界が生
じており、この電界のために記録ヘッドから吐出された
インク液滴の飛翔が乱れ、記録が良好に行なえないこと
があるという問題点がある。
て形成されたサテライト(従滴)がUターンして吐出面
の吐出口付近に付着することがある。サテライトは記録
媒体と同極性に帯電していることが多く、吐出面の吐出
口付近に付着しやすくなっている。すなわち、吐出口か
ら記録媒体に向かって飛翔するインクの量が、図15
(a)示すように前記電界のない場合、すなわち記録媒体
の吸着保持に静電力を用いない場合に比べて少なくなっ
てしまう。さらには図15(b)に示すように、前記電界
によって、飛翔中のインク液滴が分裂して形成されたサ
テライト(従滴)がUターンして吐出面の吐出口付近に
付着することがある。このように、サテライトが吐出面
の吐出口付近に付着すると、以後の正常なインクの吐出
が妨げられ、インクが曲って飛翔したり、インク吐出が
行なわれなくなったりする。インクに水性のものを使用
する場合、吐出面を溌水処理することによりある程度は
サテライトの付着を防ぐことができるが、溌水処理だけ
では十分でない。
する。図16は従来のインクジェット記録装置の構成を
示す概略側断面図である。
2から約+2kVの電圧が印加される帯電ローラ54が
記録媒体50の搬送手段である搬送ベルト51に当接す
ることにより、この搬送ベルト51が正(+)に帯電す
る。搬送ローラ53によってこの帯電した搬送ベルト5
1に記録媒体50が送り込まれると、搬送ベルト51の
静電力によって記録媒体50が搬送ベルト51に吸着、
保持され、図示矢印A方向に搬送される。この際、搬送
ベルト51によって搬送されてくる記録媒体50に当接
するよう設けられた弾性電極56を介して、記録媒体5
0が接地される。そこで、記録媒体50がより強く搬送
ベルト51に吸着、保持されて、4本の記録ヘッド57
に対向する位置まで搬送される。そして、各記録ヘッド
57(57Bk,57y,57m,57c)よりそれぞれブラック、イエ
ロ、マゼンタ、シアン各色のインクが吐出されて記録媒
体50に記録が行なわれる。
実験によれば、記録媒体50の表面に約+800Vの電
位がある。そこでこの電位による電界のために、図17
(a)〜(d)にそれぞれ示すように、各記録ヘッド57(57
Bk,57y,57m,57c)より吐出されたインク滴が分極し、ひ
いては主滴とサテライト(従滴)とに分裂することがあ
る。ここでサテライトは記録媒体50と同極性に帯電し
ていることが多い(図17(c))。そしてプラスに帯電
したサテライトは、プラス電荷が誘起されている記録媒
体50と反発して各記録ヘッド57の吐出面31の吐出
口30付近に付着しやすくなっている。このようにサテ
ライトが前記吐出面31に付着すると、正常なインクの
吐出が妨げられ、時にはインクの吐出が行なわれなくな
るおそれがある。またこのサテライトの付着は、一般
に、記録媒体の搬送速度が速いほど著しく、記録の高速
化の妨げともなっていた。
〜(d)に示したような、記録領域の全幅にわたって複数
の吐出口を備えているフルラインヘッドを用いたフルラ
イン記録あるいはカラー記録において顕著である。
クが吐出口付近に付着する現象について具体的に説明す
る。図17(a)は吐出液滴形成直前のタイミングを示す
説明図である。搬送ベルト51に対し、+2kV程度の
電圧(高圧電源52によって印加)が印加されている導
電ゴムからなる帯電ローラ54を接触させ、搬送ベルト
51上にプラス電荷を帯電させる。そこで記録媒体50
を搬送ベルト51に密着させることによって記録媒体5
0の搬送ベルト51側にマイナス電荷が誘起され、記録
媒体50と搬送ベルト51との吸着力が発生する。記録
媒体50の搬送ベルト51側でない側[記録ヘッド57
(57Bk,57y,57m,57c)と対向する側]にはプラス電荷が
誘起され、記録ヘッド57(57Bk,57y,57m,57c)と記録
媒体50との間に電位差が生じ、電界が形成される。次
いで、記録ヘッド57(57Bk,57y,57m,57c)の有する電
気熱変換体40をヒート駆動して形成したバブルによっ
て形成される液柱60に、記録媒体50上のプラス電荷
と反対電荷であるマイナス電荷が誘起される。そして空
中に液滴61が飛翔しているタイミングにおける現象を
示す図17(b)に示す通り、液滴61は前述の電界の作
用を受けて分極する。
に示す。図に示す通り、それぞれマイナスに帯電した主
滴62およびサテライト63-1と、プラスに帯電したサ
テライト63-2とに分離する。そして図17(d)に示す
通り、主滴62は運動エネルギーが大きいので、記録媒
体50に着弾する。しかしながらプラスに帯電したサテ
ライト63-2は、プラス電荷が誘起されている記録媒体
50と反発して吐出面31方向へUターンして吐出口3
0付近に付着する。そして前述した通りの問題点を生ず
る原因となる。
って維持することのできるインクジェット記録装置を提
供することにある。本発明の他の目的は、品位の高い記
録を長期にわたって維持することのできるインクジェッ
ト記録装置を提供することにある。本発明の他の目的
は、不要なインクを吐出口に付着させることなく、記録
媒体に付着させることによって、インク吐出口の目詰ま
りの発生頻度を低減することができ、メンテナンスに要
する時間を短縮することのできるインクジェット記録装
置を提供することにある。本発明の他の目的は、記録媒
体の吸着保持に静電力を利用しても、記録ヘッドの吐出
面にサテライトが付着せず、良好な記録を行なうことが
できるインクジェット記録装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、記録媒体の吸着保持に静電力を利
用するものであっても、インクの吐出不良を防止して良
好な記録を行なうことのできるインクジェット記録装置
を提供することにある。
ット記録装置は、記録ヘッドの有する吐出口から記録信
号に応じてインクを吐出して記録媒体に記録を行なうイ
ンクジェット記録装置において、前記吐出口に近接して
設けられた制御電極と、絶対値が前記記録媒体の表面電
位の絶対値とほぼ等しいかそれ以上であって、前記記録
媒体の表面電位と同極性の電圧を発生可能な電源と、前
記記録信号に応じて前記電源の電圧を前記制御電極に印
加する手段と、前記記録媒体を静電力により吸着して搬
送する搬送手段を有する。
記録信号に応じてインク液滴を記録媒体に向けて吐出、
飛翔させる吐出口が設けられた記録ヘッドと、前記記録
媒体を静電力により吸着して保持し前記記録ヘッドに対
向する位置まで搬送する搬送手段とを有するインクジェ
ット記録装置において、前記吐出口に近接し、かつ前記
記録ヘッドの前記記録媒体に対向する面上に設けられた
制御電極と、前記記録媒体の表面電位と同極性であっ
て、発生する電圧の絶対値が前記表面電位の絶対値とほ
ぼ等しいかそれ以上である電源と、前記制御電極と前記
電源との間に設けられ、前記記録信号に同期して前記電
源の電圧を前記制御電極に印加することにより、前記イ
ンク液滴の飛翔中に前記制御電極に前記電圧が印加され
るように制御する制御手段とを有する。
制御電極を設け、制御手段によって記録信号に同期して
制御電極に電圧を印加することにより、インク液滴の飛
翔中に制御電極に電圧が印加されるようになっているの
で、以下に述べるような作用によって、サテライトが吐
出面の吐出口付近に付着することを防ぐことができ、イ
ンクの吐出不良を防止することができる。すなわち制御
電極に、インク液滴の飛翔中、記録媒体の表面電位と同
極性であって絶対値が前記表面電位の絶対値より大きい
電圧を印加する場合は、サテライトは記録媒体の表面電
位と同極性に帯電しているので、制御電極と記録媒体と
の間の電界によってサテライトは制御電極と反発し記録
媒体に吸引されて着弾する。一方、制御電極に、インク
液滴の飛翔中、記録媒体の表面電位と同極性でほぼ同じ
大きさの電圧を印加する場合は、記録媒体と記録ヘッド
との間には実質的に電界が形成されないので、インク液
滴は主滴とサテライトに分裂したとしても電界の影響を
受けずそのまま記録媒体に着弾する。したがって、いず
れの場合であっても、サテライトが吐出面の吐出口付近
に付着することが防止される。さらに、飛翔中のインク
液滴が主滴とサテライトに分裂するタイミング以降に制
御電極に電圧を印加するようにすると、記録媒体と同極
性を有する微小なサテライトだけを反発するのに必要な
低電圧ですみ、サテライトの付着をより厳密に防ぐこと
ができる。
して説明する。ここではまず、本発明の理解を助けるた
め、参考例として、インク滴を記録媒体に向けて吐出さ
せる記録ヘッドと、記録媒体を静電力により吸着して保
持し記録ヘッドに対向する位置まで搬送する搬送手段
と、保持された記録媒体に摺接する電極と、保持された
記録媒体に、搬送手段が帯びる電荷と逆極性の電荷を電
極を介して注入するための電源とを備えたインクジェッ
ト記録装置について説明する。
静電力により搬送手段に吸着、保持された記録媒体に、
前記搬送手段が帯びる電荷と逆極性の電荷を電源が電極
を介して注入する。するとこの注入された電荷により、
吐出されたインク滴を分裂させるような、記録媒体上の
電界を生じさせる電荷が、中和される。したがって、イ
ンク滴は主滴とサテライトとに分裂することなく記録媒
体に着弾し、記録ヘッドの吐出面にサテライトが付着す
ることが防止される例である。
装置の構成を示す概略側面図である。このインクジェッ
ト記録装置は、熱エネルギーを利用してインクを吐出す
るインクジェット方式であって、フルマルチタイプの記
録ヘッドによって多色の記録が可能である。この参考例
では、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの各色の
インクにそれぞれ対応する4個の記録ヘッド7(7Bk,
7y,7m,7c)が、ヘッド取付枠12に一括して取り付
けられ、後述する搬送ベルト1に対向するよう設けられ
ている。各記録ヘッド7(7Bk,7y,7m,7c)は、図6
に示す記録ヘッド7からそれぞれ構成されており、記録
領域の全幅にわたって吐出口30が並設されているフル
ラインタイプである。図に示す通り、各記録ヘッド7
は、それぞれ吐出口30ごとに電気熱変換体40を内蔵
し、この電気熱変換体40を通電することによって発熱
して膜沸騰を生じ、インク液路(ノズル)41内に気泡
を形成する。そしてこの気泡の成長によりインク液滴を
吐出口30より吐出させるものである。各記録ヘッド7
は、図示紙面に垂直方向に、すなわち記録媒体の搬送方
向に垂直に、多数の吐出口30が一列に並ぶように設け
られている。この例においては、400dpi(長さ1イ
ンチ当り400個)の密度で4736個の吐出口30が
それぞれの記録ヘッド7に設けられている。なお31は
吐出面、42は共通液室、43は基板である。
保持して搬送するための搬送手段であるエンドレスの搬
送ベルト1は、その表面1aが体積抵抗1014Ω・cm
以上の絶縁層からなり、2個のローラ2,3によって図
示矢印A方向に回転自在に保持されている。また、各記
録ヘッド7(7Bk,7y,7m,7c)に対向する位置におけ
る搬送ベルト1の裏面には、搬送ベルト1を平面に保つ
ためのプラテン11が設けられている。これによって記
録ヘッド7の吐出口30と記録媒体10との間隙を精度
良く維持することができ、記録品位が向上する。また供
給側のローラ3は接地され、このローラ3に対向して搬
送ベルト1にバネ4aの弾性力によって圧接する帯電ロ
ーラ4が設けられている。前記帯電ローラ4は搬送ベル
ト1の表面を帯電させるためのものであり、導電性のゴ
ム材料からなっている。そしてこの帯電ローラ4には、
高圧電源5(30μA)により約+2kVの電圧が印加
される。さらに、導電ブラシ6aと樹脂シート6bから
なりホルダー6cに取付けられた電極6の先端が、ロー
ラ3を通過直後の搬送ベルト1の表面に摺接するように
設けられている。この電極6は、搬送ベルト1に吸着、
保持されて矢印A方向に搬送される記録媒体10の先端
が4本の記録ヘッド7に対向する位置に到達する前(図
示右側)の位置で、前記記録媒体10に摺接する。電極
6の後端は、正極が接地された直流電源8の負極に接続
されている。
ラ13によって同期をとって搬送ベルト1に送り込ま
れ、記録ヘッド7からのインク吐出によって記録され、
ストッカ14上に排出される。26はヒートパイプであ
って、記録ヘッド7の蓄熱の防止と記録ヘッド7の記録
領域全幅にわたる温度の均一化とを実現するものであ
る。また17はヘッド取付け軸である。さらに18はガ
イドであり、4bはホルダである。
することにより、搬送ベルト1の表面が正に帯電する。
そして帯電した搬送ベルト1上に記録媒体10が送り込
まれると、この記録媒体10に分極が起こり、記録媒体
10が搬送ベルト1に吸着される。その後、記録媒体1
0が矢印A方向に搬送されて電極6の先端が記録媒体1
0の表面に摺接すると、電極6を介して直流電源8によ
り、記録媒体10の表面に負の電荷が注入される。そこ
でこの負の電荷によって、記録媒体10がより強く搬送
ベルト1に吸着されるとともに、正に帯電している搬送
ベルト1により生ずる電界がかなりの程度まで打消され
る。
約+2kVの電圧を印加した状態で、直流電源8より約
−1kVの電圧を印加すると、記録媒体10の表面電位
を約+200Vに抑えることができる。この状態で記録
媒体10の搬送速度を13.3cm/s程度ときわめて
高速にしてA4サイズで約4万枚の記録を行なっても、
サテライトが各記録ヘッド7の吐出面31に付着するこ
とがなく、高品位の記録を継続して得ることができ、良
い結果が得られた。また記録媒体10にサテライトイン
クが付着したとしても、微小であって記録品位を低下さ
せることはない。
の参考例のインクジェット記録装置の構成を示す概略側
断面図である。
おける直流電源8に代えて、出力電圧が可変な可変直流
電源8aを設けたものである。例えば、記録媒体10の
種類や搬送速度等に応じて記録媒体10に印加すべき電
圧を設定することができる。なおこの電圧の設定は、後
述する制御部100からの信号によって自動的に行なわ
れても良いし、あるいは操作者が手動で行なえるように
しても良い。したがって、本参考例によればより好適な
電圧を設定できるので、確実にサテライトの吐出面31
への付着を防止できる。他の構成要素については、図1
に示す参考例と同様のため、その説明を援用する。
の参考例のインクジェット記録装置の構成を示す概略側
断面図、図4はその制御部分の構成を示すブロック図、
図5はその動作の流れを示すフローチャートである。
ンクジェット記録装置に、搬送ベルト1によって搬送さ
れる記録媒体10の表面電位を計測する表面電位センサ
9を付加したものである。この表面電位センサ9は、記
録ヘッド7による記録位置の上流側であって電極6の下
流側(記録媒体10の搬送方向に対して)の地点の記録
媒体10の表面電位を計測するものである。表面電位セ
ンサ9が計測した表面電位に応じて、後述する制御部1
00からの信号によって記録媒体10に印加すべき電圧
を自動的に設定することができる。したがって、記録媒
体10の表面電位に応じて印加電圧を設定できるので、
さらに確実にサテライトの吐出面31への付着を防止で
きる。他の構成要素については、図2に示す参考例と同
様のため、その説明を援用する。
参考例において、周囲環境として気温や湿度等を計測す
るセンサ102(図4)あるいは搬送ベルト表面の電位
を計測するセンサ103(図4)を付加し、これらセン
サ102,103が検出した周囲環境等に応じて電極6
に印加すべき電圧を制御部100(図4)からの信号に
よって自動的に設定するようにすれば、一層確実にサテ
ライトの吐出面31への付着を防止できる。
源は、直流のみに限られず、直流に交流を重畳させた電
圧を印加する構成であってもよい。例えば、 直流分 +700V 交流分 300Vp-p、1kHz のような構成であってもよい。
れた記録媒体に、搬送手段が帯びる電荷と逆極性の電荷
を電極を介して注入するための電源は、出力電圧が可変
なものとすることができる。また前述した通り、記録媒
体の表面電位を計測するセンサ9を備えたものはより効
果的である。さらに前述した通り、搬送手段の表面電位
を計測するセンサ103を備えたものもより効果的であ
る。さらに前述した通り、周囲環境を計測するセンサ1
02を備えたものもより効果的である。
幅にわたって、複数の吐出口を備えているフルラインタ
イプの記録ヘッドとすることができる。またさらに、記
録ヘッドは、熱エネルギーを利用して吐出口からインク
を吐出させるものであって、熱エネルギーを発生させる
手段として電気熱変換体を有しているものとすることが
できる。
録装置における制御部分の構成について説明する。ここ
では図4を用い、図3のインクジェット記録装置におけ
る制御部分を中心として説明するが、他の参考例におけ
る制御部分の構成も図4に示したものと同様である。
の制御を行なう制御部である。この制御部100は、例
えばマイクロプロセッサ等のCPU100a、図5に示すフ
ローチャートで示されるCPU100aの制御プログラムや
各種データを格納しているROM100b、CPU100aのワ
ークエリアとして使用されるとともに、各種データの一
時保存等を行なうRAM100cなどを備えている。
媒体10の有無や記録ヘッド7の温度等を検知するセン
サ群101からの信号が入力インターフェース部(図示
せず)を介して入力される。さらに記録媒体10の表面
電位を計測する表面電位センサ9、周囲環境を計測する
センサ102および搬送手段の表面電位を計測するセン
サ103からの信号が前記入力インターフェース部を介
して入力される。
フェース部(図示せず)を介して各種信号を出力して、
以下の動作制御を行なっている。まず直流電源8(ある
いは8a)の制御を行ない電極6のオン,オフを行なっ
ている。またヘッドコントローラ104を介して記録ヘ
ッド7(7Bk,7y,7m,7c)の電気熱変換体40のオ
ン,オフを行なっている。同様に制御部100は、出力
インターフェース部(図示せず)を介して、記録紙搬送
系(例えば、搬送ローラ114a,114b、ピックア
ップローラ115、レジストローラ13、搬送ベルト
1、排出ローラ123a,123bなど)の制御、定着
系(ヒータ124a、ファン124b)の制御、キャッ
ピングユニット126の制御およびヘッドユニット12
1の制御、あるいはポンプ駆動によるインク循環、ヘッ
ド吸引・加圧等のヘッド回復動作系105の制御などを
行なっている。
図5を用いて説明する。
示せず)が押下されてコピー動作がスタートする。次い
でステップS2で、ホームポジションにおいて記録ヘッ
ド7(7Bk,7y,7m,7c)の初期化、例えばポンプ駆動
によるインク循環、ヘッド吸引・加圧等の回復動作が行
なわれる。なおこれら回復動作は、記録工程においても
適宜行なわれる。次にステップS3で、記録ヘッド7は
記録時の待機位置でスタンバイする。一方、ステップS
4で記録媒体10の給送が開始される。次いでステップ
S5で搬送ベルト1の矢示A方向への回転を開始し、同
時に高圧電源5がオンして帯電ローラ4による搬送ベル
ト1の帯電も開始する。次いでステップS6で、センサ
群101からの信号で記録媒体10の所定位置への到達
を検出すると、直流電源8(8a)への通電を行ない電
極6を介して記録媒体10に電荷を注入する。そしてス
テップS7で記録を開始し、記録情報に応じて電気熱変
換体40のON/OFF制御が行なわれる。次いでステ
ップS8で所定領域の記録が終了すると、ステップS9
で記録ヘッド7がホームポジションへ復帰する。そして
移動手段(図示せず)が駆動して、キャッピングユニッ
ト126によって記録ヘッド7のキャッピングが行なわ
れる。そしてステップS10で直流電源8(8a)がオ
フする。次いでステップS11でベルト1の駆動が停止
し、また高圧電源5がオフして帯電ローラ4により帯電
も停止する。そしてステップS12でコピー動作が終了
する。
記録媒体の吸着保持に静電力を利用しても、サテライト
が記録ヘッドの吐出面に付着することを防止できる。そ
こでこれら参考例によれば吐出口からインクが正常に吐
出され、良好な画像記録を安定して行なうことができ
る。その結果、インクが吐出されなくなった際の修理に
要する時間を削減できる効果がある。また、記録媒体の
搬送速度を高速にすることができ、記録の高速化を図る
ことができる効果もある。さらに電源の出力電圧が可変
な実施例においては、記録媒体の種類や搬送速度に応じ
て電圧設定することができ、より確実に前記効果を奏す
る。
いて説明する。以下に説明する実施例では、吐出口に近
接して制御電極を設け、制御回路によって記録信号に同
期して前記制御電極に電圧を印加することにより、イン
ク液滴の飛翔中に制御電極に電圧が印加されるようにな
っている。そこで以下に述べるような作用によって、サ
テライトが吐出面の吐出口付近に付着することを防ぐこ
とができ、インクの吐出不良を未然に防止することがで
きる。
中、記録媒体の表面電位と同極性であって絶対値が前記
表面電位の絶対値より大きい電圧を印加する場合には、
サテライトは記録媒体の表面電位と同極性に帯電してい
るので、前記制御電極と記録媒体との間の電界によって
サテライトは前記制御電極と反発し記録媒体に吸引され
て着弾する。一方、前記制御電極に、インク液滴の飛翔
中、記録媒体の表面電位と同極性でほぼ同じ大きさの電
圧を印加する場合には、記録媒体と記録ヘッドとの間に
は実質的に電界が形成されないので、インク液滴は主滴
とサテライトに分裂したとしても電界の影響を受けずそ
のまま記録媒体に着弾する。したがって、いずれの場合
であっても、サテライトが吐出面の吐出口付近に付着す
ることを防止できる。さらに、飛翔中のインク液滴が主
滴とサテライトに分裂するタイミング以降に制御電極に
電圧を印加するようにすると、記録媒体と同極性を有す
る微小なサテライトだけを反発するのに必要な低電圧で
すみ、サテライトの吐出面の吐出口付近への付着をより
厳密に防ぐことができる。
7はこのインクジェット記録装置の構成を示す概略側断
面図、図8はこのインクジェット記録装置の要部の構成
を説明する図、図9はこのインクジェット記録装置の制
御部分の構成を示すブロック図、図10はこのインクジ
ェット記録装置の動作を説明する流れ図、図11は制御
電極71に印加される電圧の波形図、図12(a),(b)は
それぞれこのインクジェット記録装置の動作を説明する
図である。
って、接地されたブラシ状の電極であり、記録媒体10
の搬送方向に対して記録位置の上流側で搬送ベルト1の
表面に接触するように設けられている。16aはブラシ
部、16bはホルダーであり、取付け部16cに固設さ
れている。取付け部16cは接地されている。
の符号を付して説明を援用する。
細について図8により説明する。各記録ヘッド7(7B
k,7y,7m,7c)の搬送ベルト1に対向する面(吐出面
31)には、上述のように多数の吐出口30が設けられ
ている。さらに各吐出口30ごとに当該吐出口30を取
り囲む円環状の制御電極71が設けられている。各制御
電極71は、後述する制御回路73を介して+1kVの
正の電源72に接続されている。吐出口30に引き続く
ノズル(インク液路)41部分には、ノズル41内のイ
ンク74を加熱するための電気熱変換体40が設けられ
ている。電気熱変換体40は、後述する駆動回路76に
よって駆動される。ここで搬送ベルト1上に静電力によ
って記録媒体10が吸着保持されている場合、記録媒体
10と記録ヘッド7との間隔は、約0.5mm〜1mm
である。
て説明する。
応する信号であり、制御回路73と駆動回路76の双方
に供給されている。記録信号Sが立ち上がると、直ちに
駆動回路76は電気熱変換体40を駆動する。この結
果、この実施例の装置では、前記の立ち上がりから30
μs後にインク液滴は吐出口30から完全に離れて飛翔
を開始し、前記の立ち上がりから100μs後にインク
液滴が記録媒体10の表面に着弾する。一方、制御回路
73は、遅延回路、パルス電圧印加手段を介し、記録信
号Sの立ち上がりより30μs後から150μs後まで
の間、電源72の電圧を制御電極71に印加し、これ以
外のときには印加しないように作動する。したがって、
電源72の電圧が+1kVであるので、記録信号Sの立
ち上がりを0μsとしたときの制御電極71に印加され
る電圧の変化は、図11に示すようになる。
する。帯電ローラ4には高圧電源5により約+1.5k
Vの電圧が印加される。これによって搬送ベルト1の表
面は正に帯電している。記録開始の操作が行なわれる
と、記録媒体10が一対のレジストローラ13によって
引き込まれて搬送ベルト1上に送り出される。記録媒体
10が搬送ベルト1に接触すると、搬送ベルト1の表面
が正に帯電しているため、誘電分極により記録媒体10
の下側(搬送ベルト側)に負の電荷が誘起され、記録媒
体10は搬送ベルト1に吸着される。搬送ベルト1を駆
動して記録媒体10を図示矢印A方向に搬送すると、記
録媒体10の表面は除電ブラシ16に接触し、前記誘電
分極によって表面に誘起された正の電荷は中和される。
このことによって記録媒体10はより強く搬送ベルト1
に吸着される。このとき、記録媒体10の表面電位は+
700〜+800V程度である。記録媒体10が記録ヘ
ッド7の下方まで到達したら、インクの吐出により記録
が行なわれ、記録の済んだ記録媒体10はストッカ14
上に排出される。
図8および図12(a),(b)によりさらに詳細に説明す
る。
り、制御電極71には電圧は印加されていない。このた
め、記録媒体10から記録ヘッド7に向かう電界が形成
されている[図12(a)]。
駆動回路76は電気熱変換体40を駆動し、電気熱変換
体40によってノズル41内のインク74の一部が加熱
され発泡する。この発泡により、吐出口30からインク
液滴が吐出され、記録媒体10に向かって飛翔を開始す
る。間もなくインク液滴は相対的に大きい体積と速度と
を有する主滴51と相対的に小さい体積と速度とを有す
るサテライト(従滴)52に分裂する。主滴51はサテ
ライト52に比べ記録媒体10に向かい先行して飛翔す
る。上述のように、記録媒体10から記録ヘッド7に向
かう電界があるので、主滴51は負に、サテライト52
は正に帯電することになる。
(インク液滴が吐出口30から完全に分離するタイミン
グ)以降になると、制御回路73によって、各制御電極
71に電源72の+1kVの電圧が印加される。この電
圧は記録媒体10の表面電位より高いため、今度は記録
ヘッド7から記録媒体10に向かう電界が形成される。
このとき、サテライト52は、この電界によって記録媒
体10に吸引されて着弾する。一方、負に帯電した主滴
51は、体積(すなわち質量)、速度とも大きく、慣性
が大きいのでこの電界の影響をほとんど受けずに記録媒
体10上に着弾する[図12(b)]。
には、インク液滴のうち主滴は記録媒体10上に着弾す
る。未だ浮遊中のサテライトも、上述の記録ヘッド7か
ら記録媒体10上に向かう電界のために、記録信号Sの
立ち上がりから150μs後までには記録媒体10上に
着弾する。
以降は、制御回路73の働きにより、各制御電極71に
は電圧は印加されない[図12(a)]。このままの状態
でノズル41内のインク74の回復を待つことにより、
上記の動作を反復することが可能となる。この例の場
合、最短500μsの間隔で反復することが可能であっ
た。
する記録媒体10に対し、インク液滴が飛翔しているタ
イミング中、吐出口30を取り囲む制御電極71に前記
表面電位より高い電圧を印加することにより、サテライ
トを記録媒体10上に着弾させるものである。この結
果、サテライトが吐出面31の吐出口30付近に付着す
ることが防止され、インクの吐出不良を防ぐことができ
る。
を有する場合のものであるが、勿論記録媒体10の表面
電位が負の場合にも適用することができる。その場合
は、電源72を負の電源とすればよい。ただし、記録媒
体10の表面電位と電源72の電圧のそれぞれの絶対値
を比べたとき、電源72の電圧の絶対値の方が大きくし
ておく。
制御部分の構成について、図9を用いて説明する。この
制御部分に構成は、後述する第2および第3の実施例に
おいても同様である。
ク図と実質的に相違する点は、制御部100からの記録
信号によって、制御回路73を介して制御電極71(第
3の実施例では制御電極71a)のON/OFF制御を
行なうことである。
ついて図10を用いて説明する。
実質的に相違する点は、本実施例ではステップS6にお
いて、制御部100からの記録信号Sによって電気熱変
換体40がヒート駆動されたのと対応する制御電極71
(71a)[電気熱変換体40のヒート駆動によってイ
ンクが吐出する吐出口30の周縁に設けられた制御電極
71(71a)]が、電気熱変換体40がヒート駆動し
てから約30μs後からヒート駆動を開始して、約15
0μs後までの間ヒート駆動を持続し、その後ヒート駆
動をオフすることである。なお本実施例においては、前
述した通り、電気熱変換体40がヒート駆動しないノズ
ル41の吐出口30の周縁に設けられた制御電極71は
ヒート駆動しない。
る。
出口30から完全に分離するタイミング(記録信号Sの
立ち上がりから30μs後)より、遅延回路、パルス電
圧印加手段を介し、制御電極71に電圧を印加するよう
にしているが、このタイミングでは主滴とサテライトが
まだ分離していない虞れがある。主滴とサテライトが分
離する前に制御電極71に電圧を印加すると、主滴とサ
テライトの帯電の極性が、前述した説明とは逆になり、
このためサテライトが吐出面31の吐出口30付近に付
着してしまう虞れがある。そこで、第2の実施例では、
各制御電極71に電圧を印加するタイミングを遅らせ
る。
置の場合、記録信号Sの立ち上がりから50μs後には
飛翔中のインク液滴が主滴とサテライトに完全に分離し
ている。そこで、第2の実施例としては、記録信号Sの
立ち上がりより50μs後から150μs後までの間、
各制御電極71に電圧を印加するようにするとよい。こ
のようにすることによって、サテライトの吐出面の吐出
口付近への付着を厳密に防ぐことができる。
る。
電極71は吐出口30を取り囲む円環状の形状であり、
かつ制御電極71に印加される電圧の絶対値は記録媒体
10の表面電位の絶対値より大きいが、本発明はこれに
限定されるものではない。図13は、本発明の第3の実
施例における記録ヘッド7の正面図である。
と同様に、多数の吐出口30が一列に並ぶように設けら
れている。各吐出口30には、吐出口30の下半分を取
り囲むように半円周状の制御電極71aがそれぞれ設け
られている。各制御電極71aには、前述の実施例と同
様に、制御回路73を介して電源72の電圧がインク液
滴の飛翔するタイミングに合わせて印加される。ただ
し、電源72の電圧は、記録媒体10の表面電位とほぼ
等しいものである。
飛翔している間は、記録媒体10と記録ヘッド7との間
には電位差がほとんどないので電界が形成されず、イン
ク液滴は主滴とサテライトに分離したとしても電界の影
響を受けずにそのまま記録媒体10上に着弾する。この
ため、サテライトが吐出面31の吐出口30付近に付着
することはなく、インクの吐出不良を防ぐことができ
る。
円環状もしくは半円周状のものに限られるものではな
い。電圧を印加することによって、記録媒体と記録ヘッ
ドとの間の電界を実質的に制御できるものであれば、任
意の形状が許される。また、制御電極に電圧を印加する
タイミングは、記録ヘッドの構造や記録ヘッドと被記録
媒体との間隔によって種々に変化するインク液滴の飛翔
のタイミングに応じて決定すればよい。
実施例は、吐出口に近接して制御電極を設け、記録媒体
の表面電位と同極性であって前記表面電位の絶対値とほ
ぼ等しいかこれより大きい絶対値の電圧を記録信号に同
期して制御電極に印加し、インク液滴の飛翔中に制御電
極に電圧が印加されるようにすることにより、飛翔中の
インク液滴が電界の影響を受けなくなりあるいはサテラ
イトが制御電極に反発するようになって記録媒体に着弾
する。これによって、吐出面の溌水処理を行なわなくて
も、サテライトが吐出面の吐出口付近に付着することを
防げ、インクの吐出不良を防止することができるという
効果がある。さらに、飛翔中のインク液滴が主滴とサテ
ライトとに分裂するタイミング以降に制御電極に電圧を
印加することにより、サテライトの吐出面の吐出口付近
への付着をより厳密に防ぐことができ、インクの吐出不
良を一層防止することができる。
用可能なインクジェット記録装置の他の実施例について
説明する。
記録装置の全体の構成を示す模式的側面図である。なお
図14においては、第1の参考例あるいは第2の参考例
に適用した場合を例にあげて図示しているが、上述した
各実施例に適用できること勿論である。また前述の各実
施例、各参考例と同一の部材には同一の符号を付してあ
る。
111の底部には、所定の大きさに切断された記録紙な
どの記録媒体10を納める給紙カセット113が着脱自
在に装着されている。この給紙カセット113の図示右
側には、少なくとも1個が強制回転される一対の搬送ロ
ーラ114a,114bがそれぞれ回転自在に軸支され
ている。そしてこの一対の搬送ローラ114a,114
bの回転に伴い、給紙カセット113からピックアップ
ローラ115により1枚ずつ押し出された記録媒体10
が挟み付けられて搬送される。そして2枚のわん曲した
ガイド板115a,115bおよび2枚のレジ前ガイド
板116a,116bの各間に順次案内されて一対のレ
ジストローラ13まで送り出される。
れ回転自在に軸支され、少なくとも1個が所定の回転速
度で強制回転されるものである。その回転に伴い前記記
録媒体10が挟み付けられて送り出され、2枚のレジ後
ガイド板118a,118bの間に順次案内されて帯電
吸着ベルトである搬送ベルト1上に送り出される。
軸支された4個のローラ2,2a,3,3aにかけまわさ
れており、少なくとも1個のローラが所定の回転速度で
強制回転されることにより図示矢印A方向に回転するも
のである。この搬送ベルト1のうち図示上側の走行路の
直下にはバックプラテン120aが配設されており、こ
のバックプラテン120a上を走行する搬送ベルト1が
平面を形成するようになっている。
トに圧接する帯電ローラ4により電荷が与えられて帯電
する。そして静電気により前記記録媒体10を吸着して
後述する4個の記録ヘッド7Bk,7y,7m,7cの下方を搬
送する。さらに、この吸着された記録媒体10に電荷を
注入するための電極4が搬送ベルト1の表面に接触する
ように設けられている。
記録ヘッド7Bk,7y,7m,7cは、インクを吐出する吐出
口30が記録媒体10の記録領域の全幅にわたって40
0dpi(1インチあたり400個)の密度でそれぞれ4
736個配列されたフルラインタイプであり、図示しな
い公知の移動手段に装着されたヘッドユニット121に
等間隔でそれぞれ取り付けられている。
出口30は、記録時には搬送ベルト1から所定の間隙だ
け離反した位置にある。また、非記録時には前記移動手
段(図示せず)によりヘッドユニット121と共に搬送
ベルト1の図示上方の図中一点鎖線で示す位置まで上昇
する。そして連動して移動してきたキャッピングユニッ
ト126により吐出口30が密封される構成となってい
る。
記密封時に各記録ヘッド7Bk,7y,7m,7cの各吐出口3
0から排出された廃インクを回収して廃インクタンク
(図示せず)に導く手段が設けられている。
複数のガイド板122および一対の排出ローラ123
a,123bが順に列設されており、記録が行なわれた
記録媒体10が搬送ベルト1から必要に応じてヒータ1
24aにより加熱されたファン124bの風を受けなが
ら定着排紙部124を通過して、トレイ125へ排出さ
れるように構成されている。
式の中でも熱エネルギーを利用して飛翔的液滴を形成し
記録を行なうインクジェット記録方式の記録ヘッド、記
録装置において、優れた効果をもたらすものである。
ば、米国特許第4723129号明細書、同第4740796号明細書
に開示されている基本的な原理を用いて行なうものが好
ましい。この方式は所謂オンデマンド型、コンティニュ
アス型のいずれにも適用可能であるが、特に、オンデマ
ンド型の場合には、記録液(インク)が保持されている
シートや液路に対応して配置されている電気熱変換体
に、記録情報に対応していて、記録液に核沸騰を越える
急速な温度上昇を与える少なくとも一つの駆動信号を印
加する。これによって、電気熱変換体に熱エネルギーを
発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面近傍の記録液を膜沸
騰させて、結果的にこの駆動信号に一対一で対応して記
録液内に気泡を形成出来るので有効である。この気泡の
成長,収縮過程において生ずる作用力によって吐出口を
介して記録液を大気中に吐出させて、少なくとも一つの
滴を形成する。この駆動信号をパルス形状とすると、即
時適切に気泡の成長収縮が行なわれるので、特に応答性
に優れた記録液(インク)の吐出が達成でき、より好ま
しい。このパルス形状の駆動信号としては、米国特許第
4463359号明細書、同第4345262号明細書に記載されてい
るようなものが適している。なお、上記熱作用面の温度
上昇率に関する発明の米国特許第4313124号明細書に記
載されている条件を採用すると、さらに優れた記録を行
なうことができる。
書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体
の組み合わせ構成(直線状液流路または直角液流路)の
他に熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開
示する米国特許第4558333号明細書、米国特許第4459600
号明細書にそれぞれ記載の構成でもよい。
体の幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録
ヘッドとしては、上述した明細書に開示されているよう
な複数記録ヘッドの組み合わせによって、その長さを満
たす構成や一体的に形成された一個の記録ヘッドとして
の構成のいずれでも良いが、いずれの場合でも本発明
は、上述した効果を一層有効に発揮することができる。
置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給
が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッド、あ
るいは記録ヘッド自体にインク供給タンクが一体的に設
けられたカートリッジタイプの記録ヘッドを用いた場合
にも本発明は有効である。
られる、記録ヘッドに対しての回復手段、予備的な補助
手段等を付加することは本発明の効果を一層安定できる
ので好ましいものである。これらを具体的に挙げれば、
記録ヘッドに対しての、キャピング手段、クリーニング
手段、加圧あるいは吸引手段、電気熱変換体あるいはこ
れとは別の加熱素子あるいはこれらの組み合わせによる
予備加熱手段である。また記録とは別の吐出を行なう予
備吐出モードを行なうことも安定した記録を行なうため
に有効である。
色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘッ
ドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによってで
もよいが、前述で説明した通りの異なる色の複色カラー
または、混色によるフルカラーの少なくとも一つを備え
た装置にも本発明は極めて有効である。
インクを液体として説明しているが、室温やそれ以下で
固化するインクであって、使用記録信号付与時に液状イ
ンクであれば良い。
ドを使用する記録機構を備えた記録装置の形態として
は、コンピュータ等の情報処理機器の画像出力端末とし
て用いられるものの他、リーダ等と組み合わせた複写装
置、さらには送受信機能を有するファクシミリ装置の形
態を採るものであってもよい。
な記録を長期にわたって維持することのできるインクジ
ェット記録装置を提供できるという効果が得られる。
を示す概略側断面図である。
を示す概略側断面図である。
を示す概略側断面図である。
成を示すブロック図である。
る流れ図である。
に使用される記録ヘッドの構成を示す斜視図である。
を示す概略側断面図である。
説明する図である。
成を示すブロック図である。
する流れ図である。
電極に印加される電圧の波形図である。
ット記録装置の動作を説明する図である。
す正面図である。
全体の構成を示す模式的側面図である。
状態を説明する図である。
概略側断面図である。
ット記録装置における記録状態を説明する図である。
Claims (8)
- 【請求項1】 記録ヘッドの有する吐出口から記録信号
に応じてインクを吐出して記録媒体に記録を行なうイン
クジェット記録装置において、 前記吐出口に近接して設けられた制御電極と、 絶対値が前記記録媒体の表面電位の絶対値とほぼ等しい
かそれ以上であって、 前記記録媒体の表面電位と同極性の電圧を発生可能な電
源と、 前記記録信号に応じて前記電源の電圧を前記制御電極に
印加する手段と、 前記記録媒体を静電力により吸着して搬送する搬送手段
とを有することを特徴とするインクジェット記録装置。 - 【請求項2】 前記制御電極は前記吐出口を取り囲む円
環状である請求項1に記載のインクジェット記録装置。 - 【請求項3】 前記制御電極は前記吐出口の下半分を取
り囲む半円周状である請求項1に記載のインクジェット
記録装置。 - 【請求項4】 記録信号に応じて前記電源の電圧を前記
制御電圧に印加する手段は、吐出口からインクが吐出す
るタイミングに合せて前記電源の電圧を前記制御電圧に
印加するものである請求項1に記載のインクジェット記
録装置。 - 【請求項5】 記録信号に応じてインク液滴を記録媒体
に向けて吐出、飛翔させる吐出口が設けられた記録ヘッ
ドと、前記記録媒体を静電力により吸着して保持し前記
記録ヘッドに対向する位置まで搬送する搬送手段とを有
するインクジェット記録装置において、 前記吐出口に近接し、かつ前記記録ヘッドの前記記録媒
体に対向する面上に設けられた制御電極と、 前記記録媒体の表面電位と同極性であって、発生する電
圧の絶対値が前記表面電位の絶対値とほぼ等しいかそれ
以上である電源と、 前記制御電極と前記電源との間に設けられ、前記記録信
号に同期して前記電源の電圧を前記制御電極に印加する
ことにより、前記インク液滴の飛翔中に前記制御電極に
前記電圧が印加されるように制御する制御手段とを有す
ることを特徴とするインクジェット記録装置。 - 【請求項6】 前記制御手段は、飛翔中のインク液滴が
主滴とサテライトに分裂するタイミング以降に、前記制
御電極に電源の電圧を印加する請求項5に記載のインク
ジェット記録装置。 - 【請求項7】 前記記録ヘッドは、記録媒体の記録域の
全幅にわたって複数の吐出口を備えているフルラインタ
イプの記録ヘッドである請求項1ないし6いずれか1項
に記載のインクジェット記録装置。 - 【請求項8】 前記記録ヘッドは、熱エネルギーを利用
して吐出口からインクを吐出させるものであって、熱エ
ネルギーを発生させる手段として電気熱変換体を備えて
いる請求項1ないし7いずれか1項に記載のインクジェ
ット記録装置。
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1999
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