JP4323611B2 - インクジェット記録装置およびインクジェット記録装置の吐出回復方法 - Google Patents

インクジェット記録装置およびインクジェット記録装置の吐出回復方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録紙等の被記録媒体にインクを吐出して記録を行うインクジェッ記録装置、および、その吐出回復方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、インクジェット記録装置は、記録ヘッドから被記録媒体にインクを吐出して記録を行うものであり、記録ヘッドのコンパクト化が容易であり、高精細な画像を高速で記録することができ、ランニングコストが安く、ノンインパクト方式であるため騒音が少なく、しかも、多色のインクを使用してカラー画像を記録するのが容易であるなどの利点を有している。中でも、例えば、被記録媒体としての紙の幅方向に沿って多数の吐出口が配列されたラインタイプの記録ヘッドを使用したフルライン型の記録装置は、記録の一層の高速化が可能である。
【0003】
ところが、このようなフルライン型の記録装置においては、記録紙の搬送方向の最も上流側位置の記録ヘッドから、最も下流側位置の記録ヘッドまでの距離がかなり長くなってしまうため、記録領域において、被記録媒体としての記録紙の浮き上がりが発生して、記録画像が乱れたり、ジャム等の原因となるおそれもある。そのため、記録紙が浮き上がらないように、それを下方へ付勢する必要がある。その手段としては、導電性の電極を設け、電荷を与えて静電気力を発生させ、記録シートを吸着させる方法が一般に多く使われている。
【0004】
また、予備吐出は、インクジェット装置において、記録ヘッドのインク吐出性能を良好に維持するために行われる処理である。すなわち、記録ヘッドから、記録に関与しないインクを例えば記録紙以外の所定の場所へ吐出させることにより、記録ヘッド内の増粘したインクや微細気泡等をインクの吐出に伴なって除去するものである。この増粘インクや微細気泡は、吐出インク量の減少、吐出方向の偏向、さらにはインクの不吐出等の吐出不良を招くおそれがあり、インク吐出が長時間なされない場合等に生じ易くなる。
【0005】
このような増粘インク等を排除する目的でなされる予備吐出は、一般的に、装置電源が投入されたときや電源が投入されている間に、一定時間間隔で行われる。例えば、電源投入直後には吐出数500の予備吐出を行い、記録直前には吐出数20の予備吐出を行う。また、カラー記録のために複数の記録ヘッドを具える場合には、インク色に対応する各記録ヘッド毎に予備吐出のタイミングを異ならせることもある。
【0006】
このようなインクジェット記録装置において、給紙装置によって給紙されてきた被記録媒体としての記録シートは、記録領域において、プラテンに設けられた静電吸着板によって搬送ベルト上面に吸着、保持され、そして、記録ヘッドによって記録されながら搬送ベルトによって搬送される。
【0007】
このようなインクジェット記録装置において、予備吐出を行うために、記録ヘッドを、搬送ベルトの外に設けられた吸着体からなる予備吐出受けの位置まで移動させる構成のものの場合は、記録ヘッドが大型化する程、その記録ヘッドの移動に長い時間がかかってしまう。このような構成の記録装置において、予備吐出を行った場合には、電源投入時の起動時間が長くなってしまったり、記録動作中における記録ページ間の予備吐出の度に記録動作が中断してしまい、記録時間が長くなってしまったりする。
【0008】
このような不具合の対応策としては、搬送ベルト上の所定位置に予備吐出をするようにして、搬送ベルト上に設けられたクリーニング機構によって、予備吐出によって汚れた搬送ベルトの表面をクリーニングする方式が知られている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のインクジェット記録装置の場合は、予備吐出を行う搬送ベルト上の位置が予め固定的に定められているために、予備吐出を行うときには、予備吐出を行うための搬送ベルトの部分(以下、「予備吐出領域」という)がヘッド直下等、記録ヘッドとの対向位置にまで搬送されている必要がある。
【0010】
このため、予備吐出を行おうとしたときに、予備吐出領域がヘッド直下にない場合には、まずヘッド直下に予備吐出領域がくるように搬送ベルトを進めてから、予備吐出を行う必要がある。カラー画像の記録に対応するような複数の記録ヘッドを有するインクジェット記録装置の場合には、各記録ヘッド毎に予備吐出を行う必要があるため、それぞれの記録ヘッドの直下に予備吐出領域を移動させながら所定量の予備吐出を行わなければならず、記録ヘッドの個数に比例して、予備吐出のための所要時間が長くなる。
【0011】
また、搬送ベルト上に設けられた予備吐出領域の数が少ない場合には、その予備吐出領域をヘッド直下までに移動させるのにも時間がかかり、最悪の場合には、搬送ベルトを一周近く進めなくてはならずに、かなりの時間を要してしまうことがある。
【0012】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、搬送ベルト等の搬送体上における予備吐出位置を可変設定することにより、予備吐出のために無駄な時間を費やすことなく、高速な記録ができるインクジェット記録装置およびインクジェット記録装置の吐出回復方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明のインクジェット記録装置は、搬送体に載置されたまま搬送される被記録媒体に、インクを吐出可能な記録ヘッドを用いて画像を記録し、かつ前記記録ヘッドから画像の記録に寄与しないインクを予備吐出することによって、前記記録ヘッドの吐出性能を回復可能なインクジェット記録装置において、前記搬送体上における前記被記録媒体の載置位置に応じて、前記搬送体上に、前記被記録媒体を避けた予備吐出位置を可変設定する設定手段と、前記予備吐出位置に、前記記録ヘッドからインクを予備吐出させる制御手段と、前記予備吐出位置に吐出されたインクを除去するクリーニング手段とを備え、前記設定手段は、前記予備吐出の形態に応じて、前記予備吐出位置を補正することを特徴とする。
【0014】
本発明のインクジェット記録装置の吐出回復方法は、搬送体に載置されたまま搬送される被記録媒体に、インクを吐出可能な記録ヘッドを用いて画像を記録し、かつ前記記録ヘッドから画像の記録に寄与しないインクを予備吐出することによって、前記記録ヘッドの吐出性能を回復可能なインクジェット記録装置の吐出回復方法において、前記搬送体上における前記被記録媒体の載置位置に応じて、前記搬送体上に、前記被記録媒体を避けた予備吐出位置を可変設定し、前記予備吐出の形態に応じて、前記予備吐出位置を補正し、前記予備吐出位置に、前記記録ヘッドからインクを予備吐出させてから、前記予備吐出位置に吐出されたインクを除去することを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0016】
(第1の実施形態)
図1及び図2は、本発明に係るインクジェット記録装置内部の構造図である。自動給紙装置を有した記録装置1は、給紙部2、送紙部3、排紙部4、記録ヘッド部7から構成されている。図1は記録装置1の全体構成を示す断面図、図2は記録装置1の送紙部3の構成断面図である。以下、これらの図1、図2を用いて、各部2,3,7,4を項目(I)給紙部、(1I)送紙部、(III) 記録ヘッド部、(IV)排紙部に分けて説明する。
【0017】
(I)給紙部
給紙部2は、ベース20に、被記録媒体としての記録紙Pを積載する圧板21と、記録紙Pを給紙する給送回転体22を取り付けた構成となっている。圧板21は、ベース20に結合された回転軸aを中心に回転可能とされており、圧板バネ24により給送回転体22の方向に付勢される。給送回転体22と対向する圧板21の部位には、記録紙Pの重送を防止するために、人工皮等の摩擦係数の大きい材質からなる分離パッド25が設けられている。さらに、ベース20には、記録紙Pを一枚ずつ分離するために記録紙Pの一方向側の角部を覆う分離爪26と、圧板21と回転給送体22との当接を解除する不図示のリリースカムが設けられている。
【0018】
上記構成において、待機状態では、リリースカムが圧板21を所定位置まで押し下げている。これにより、圧板21と給送回転体22との当接が解除される。そして、この状態において、後述する搬送ローラ32の駆動力がギア等により給送回転体22及びリリースカムに伝達されることによって、リリースカムが圧板21から離れて圧板21が上昇し、給送回転体22に記録紙Pが当接する。そして、給送回転体22の回転に伴い、記録紙Pがピックアップされて給紙が開始し、その記録紙Pは分離爪26によって一枚ずつ分離されて送紙部3に送られる。給送回転体22が記録紙Pを送紙部3に送り込むまで回転した後、再び、記録紙Pと給送回転体22との当接を解除した待機状態となって、搬送ローラ32からの駆動力が切られる。
【0019】
90は、手差し給紙用の給送回転体である。手差しトレイ91上に設置された記録紙Pはコンピュータ等の制御部からの記録命令信号に従って給送回転体90により給紙されて、搬送ローラ32部へ搬送される。
【0020】
(II)送紙部
送紙部3は、記録紙Pを吸着して搬送する搬送ベルト31と、不図示のPEセンサーを有している。搬送ベルト31は、駆動ローラ34によって駆動されるように、従動ローラである搬送ローラ32及び圧力ローラ35に装架されている。先端に圧力ローラ35が取り付けられた支持アーム51Aは、その基端が回動自在に軸支され、かつスプリング51Bによって、圧力ローラ35を搬送ベルト31に押し付ける方向に付勢されている。
【0021】
搬送ローラ32と対向する位置には、搬送ベルト31と従動するピンチローラ33が搬送ベルトに当接して設けられている。ピンチローラ33は、図示しないバネによって搬送ベルト31に圧接されることによって、記録紙Pを記録部へと導く。さらに、記録紙Pが搬送されてくる送紙部3の入口には、記録紙Pをガイドする上ガイド27及び下ガイド28が配設されている。また、上ガイド27には、記録紙Pの先端および後端を検出するために、PEセンサー(不図示)のPEセンサーレバー29が設けられている。さらに、搬送ローラ32の記録紙搬送方向における下流側には、画像情報に基づいて記録紙P上に画像を形成する記録ヘッド7が設けられている。
【0022】
上記構成において、送紙部3に送られた記録紙Pは、上ガイド27及び下ガイド28に案内されて、搬送ローラ32とピンチローラ33とのローラ対によって送られる。この時、PEセンサーレバー29によって、搬送されてきた記録紙Pの先端を検知することにより記録紙Pの印字等の記録位置を求める。また、記録紙Pは、後述の超音波モータによって搬送ローラ32を介して搬送ベルト31が回転されることにより搬送される。
【0023】
(III) 記録ヘッド部
本実施形態の記録ヘッド7としては、記録紙Pの搬送方向と直交する方向(図1、図2の紙面の表裏方向)に複数のノズルが配列されたラインタイプのインクジェット記録ヘッドが用いられ、記録紙Pの搬送方向上流側から、黒インク吐出用記録ヘッド7K,シアンインク吐出用記録ヘッド7C,マゼンタインク吐出用記録ヘッド7M,イエローインク吐出用記録ヘッド7Yがその順に所定間隔で配置されている。記録ヘッド7は、ヘッドホルダに取り付けられている。この記録ヘッド7は、ヒータ等によりインクに熱を与えることが可能となっている。そして、この熱によりインクは膜沸騰し、この膜沸騰により気泡の成長または収縮によって生じる圧力変化によって、記録ヘッド7のノズルからインクが吐出され、そのインク滴によって記録紙P上に画像が形成される。
【0024】
記録ヘッド7は、一端が軸71によって回動可能に軸支され、他端に形成された突出部7Aとレール72とが係合することによって、ノズル面と記録紙Pとの間の距離(紙間)が規定されるようになっている。
【0025】
(IV)排紙部
排紙部4は、排紙ローラ41と拍車42とによって構成されている。記録部にて画像形成された記録紙Pは、排紙ローラ41と拍車42とに挟まれて搬送され、排紙トレー43上に排出される。
【0026】
(記録部)
次に、記録部における吸着搬送の構成及び動作を図1および図2を用いて説明する。
【0027】
31は、記録紙Pを吸着し保持しつつ移動する搬送ベルトであり、約0.1mm〜0.2mm位の厚みのポリエチレン、ポリカーボネートなどの合成樹脂からできており、無端ベルト形状を成している。36は吸着力発生手段であり、記録ヘッド7に対向する位置に固定配備されている。この吸着力発生手段36は、約0.5V〜10kVの電圧が印加されることにより、記録ヘッド7による記録部分と対向する搬送ベルト31に吸着力を発生させるものであり、所定の高電圧を発生する高圧電源(不図示)に接続されている。
【0028】
上述したように、32,34,35は搬送ベルト31を支持して適度な張力を与えるローラであり、ローラ34は紙送りモータ50に接続されている。また、記録紙Pを搬送ベルト31側に押さえつける押圧手段として、紙押え部材39がピンチローラ33の回転軸を回転中心として回動自在に取付けられており、その紙押え部材39は、図示しない付勢手段により搬送ベルト31側に付勢されている。紙押え部材39は、導電性の金属板により構成されている。
【0029】
38はクリーニングローラ対であり、ベルト31を挟圧するように設けられている。このローラ対38は、ベルト31に付着したインク等の汚れを除去すべくインクを吸収することが可能であり、かつ耐久性において劣化を防止するために、気孔径の小さい(10μm〜30μmが好ましい)連胞のスポンジによって形成されている。
【0030】
次に、動作について説明する。
【0031】
記録紙Pは、ピンチローラ33と搬送ベルト31に挟持されて記録部へと導かれ、そして、紙押さえ部材39により搬送ベルト31側に押さえつけられた状態のまま、吸着力発生部に進入する。それから、その記録紙Pは、吸着力発生手段36から与えられた吸着力により搬送ベルト31の平面部に吸着し、記録ヘッド7によって印字等の記録されながら、紙送りモータ50およびローラ34により矢印a方向へ送られる。このとき、記録紙Pを保持する搬送ベルト31には、記録紙Pの先端及び後端部分の記録時においても記録ヘッド7側へ出張る部分がないため、記録ヘッド最端部の吐出ノズルと記録紙Pの端部とを近接させながら記録することができ、精度のよい記録画像が得られる。
【0032】
また、記録紙Pにインクが多量に吐出された場合には、記録紙Pが膨潤し、波打ち(コックリング)が発生する。この場合も、吸着力発生手段36の吸着力、及び紙押さえ部材39の押え力により、記録紙Pが搬送ベルト31側に吸着されるため、記録紙Pのヘッド7側への浮きがなくなり、記録ヘッド7と記録紙Pとの接触がない安定した記録が行える。また、温度、湿度などの環境の変化により、記録紙Pの端部が波打ったり、カールが発生した場合でも、紙押え部材39により記録紙Pを搬送ベルト31側に押し付けて、波打ちやカールを取り除いた状態で記録紙Pを吸着力発生部へ搬送することができるため、記録部において安定した吸着が行える。
【0033】
(制御部)
図3は、本発明に係るインクジェット記録装置の制御部と、その制御部により制御されるデバイスの構成を示すブロック図である。
【0034】
前述したように、7Kはブラック用記録ヘッド、7Cはシアン用記録ヘッド、7Mはマゼンダ用記録ヘッド、7Yはイエロー用記録ヘッドである。100は、クリーニングローラ38を制御するためのソレノイドである。50は、搬送ベルト31を駆動するための駆動ローラ34を駆動するモータである。102は、搬送ベルト31の基準位置を検知するためのセンサである。103は、記録紙Pの用紙端を検知するためのセンサであり、PEセンサレバー29に接続されている。なお、搬送ベルト位置検知用センサ102は、図1及び図2においては不図示であるが、搬送ローラ32と圧力ローラ35との間における搬送ベルト31の裏面側に設けられている。
【0035】
80は制御部である。80aはCPU、80bはプログラムを格納するROM、80cは制御に必要なワーク用のメモリ、80dはゲートアレイであり、それぞれはシステムバスを介して接続されている。ゲートアレイ80dは、駆動ローラ用モータ50及び給送回転体用モータ101の制御信号、クリーニングローラ用ソレノイド100の制御信号、記録ヘッド7への画像信号、記録ヘッド7の制御信号、搬送ベルト31の汚れ検知用センサ、及びPEセンサ103からの情報の読み込み、などを行う。
【0036】
図4(a),(b),(c)は、搬送ベルト31上における記録紙Pと予備吐出領域との位置関係と、予備吐出領域の設定、予備吐出およびクリーニングの状態遷移を例示する図である。Pは記録紙、I1,I2,I3は搬送ベルト31上の予備吐出領域、L1は紙間距離、L2は記録紙Pの先端と予備吐出領域I3との間の距離、L3はPEセンサーレバー29と記録ヘッド7Kとの間の距離である。予備吐出領域I1,I2,I3は、搬送ベルト31上の固定位置ではなく、記録紙Pの先端より所定間隔前方の位置として設定される。予備吐出領域の数も固定ではなく、搬送ベルト31の総延長、記録ヘッド7とクリーニング機構との間隔、搬送される記録紙Pのサイズなどによって変化する。図4(a),(b),(c)の例示においては、3箇所の予備吐出領域I1,I2,I3が存在している。図4(a)において、予備吐出領域I1は、予備吐出により搬送ベルト31に付着したインクがクリーニングローラ38によってクリーニングされる位置にあることを示している。また、図4(a)中の予備吐出領域13は、マゼンタの記録ヘッド7Mの直下にあり、ブラック,シアンの各記録ヘッド7K,7Cの予備吐出に続いて、マゼンダの記録ヘッド7Mの予備吐出が行われる位置にある。図4(b)は、搬送ベルト31上の予備吐出領域13がイエローの記録ヘッド7Yの直下まで進んだ状態を示している。
【0037】
図5,図6,図7は、本発明に係るインクジェット記録装置の制御を説明するためのフローチャートである。
【0038】
まず、図5のフローチャートで示される予備吐出処理は、記録動作中に記録紙Pが給紙される度に、割り込みイベントにより呼び出される。ステップS101により、搬送ベルト31の上流側に配置されているPEセンサーレバー29の位置に、記録紙Pの先端がフィードされるまで待機する。PEセンサーレバー29に接続されているPEセンサー103の状態変化を監視することによって、記録紙Pの状態が検出される。
【0039】
記録紙Pの先端がPEセンサーレバー29に到達すると、搬送ベルト31上における用紙Pの先端位置を取得する(ステップS102)。搬送ベルト31の位置検出は、後述する図7のベルト位置管理処理によりカウントされるステップカウント、つまり搬送ベルト31の基準位置からの相対位置をあらわすステップカウント(以下、単に、「ステップカウント」という)を各ステップにおいて必要に応じて取得することによって行われる。よって、このステップS102の時点にて取得されるステップカウントを、搬送ベルト基準位置検知センサ102からPEセンサーレバー29までの距離に相当するステップ数で補正することによって、用紙Pの先端位置が取得できる。
【0040】
次に、予め定まっているPEセンサーレバー29と記録ヘッド7Kとの間の距離L3がROM80bより取得される(ステップS103)。また、同じく予め定められている紙間距離L1をROM80bから取得し、その紙間距離L1と距離L3とを合わせて、適正な予備吐出領域I4の位置を決定する(ステップS104)。本実施例において、予備吐出領域I4は、記録紙Pの先端からL2の距離だけ前方に設定される。距離L2は、紙間距離L1の1/2としている。
【0041】
次に、このように決定した搬送ベルト31上の予備吐出領域I4が記録ヘッド7Kの直下に到達するまで待機する(ステップS105)。つまり、記録紙Pの先端を検出したときのステップカウントから、距離L3に相当するステップ数だけ搬送ベルト31が進んだときに、設定された予備吐出領域I4が記録ヘッド7Kの直下に到達したことになる。そして、記録ヘッド7Kの直下に予備吐出領域I4が達したら、記録ヘッド7Kだけが所定の予備吐出動作を行う(ステップS106)。
【0042】
次に、このような予備吐出を行った搬送ベルト31上の予備吐出領域I4の位置を取得し(ステップS107)、その位置を図8に示される形式のRAM80cのテーブルに追加保存する(ステップS108)。このテーブル(以降、「予備吐出リスト」という)には、搬送ベルト31上に存在する予備吐出領域全てのレコードが作成されており、各レコード毎に、予備吐出領域1箇所分の情報が記録されている。レコードは、レコード番号、ステップカウントで表される予備吐出領域の位置などから構成される。なお、ベルトクリーニング処理によりクリーニングされた予備吐出領域に関するレコードは、図6に示されるフローチャートのベルトクリーニング処理により削除されるため、予備吐出リストには、常に有効な予備吐出領域の情報だけが保持される。
【0043】
続いて、記録ヘッド7Kと記録ヘッド7Cとの間の距離L5を取得する(ステップS109)。そして、ステップS105と同様に、記録ヘッド7Kが先に予備吐出した搬送ベルト31上の予備吐出領域I4が記録ヘッド7Cの直下に到達するまで待機した後(ステップS110)、予備吐出領域I4に記録ヘッド7Cだけが所定の予備吐出を行う(ステップS111)。
【0044】
続いて、記録ヘッド7Cと記録ヘッド7Mとの間の距離L6を取得する(ステップS112)。そして、記録ヘッド7Cが予備吐出した搬送ベルト31上の予備吐出領域I4が記録ヘッド7Mの直下に到達するまで待機した後(ステップS113)、予備吐出領域I4に記録ヘッド7Mだけが所定の予備吐出を行う(ステップS114)。
【0045】
続いて、記録ヘッド7Mと記録ヘッド7Yとの間の距離L7を取得する(ステップS115)。そして、記録ヘッド7Mが予備吐出した搬送ベルト31上の予備吐出領域I4が記録ヘッド7Yの直下に到達するまで待機した後(ステップS116)、予備吐出領域I4に記録ヘッド7Yだけが所定の予備吐出を行う(ステップS117)。
【0046】
このようにして、記録紙Pが給紙された時点で動的に、つまり固定的ではなく条件に応じて可変設定した予備吐出領域I4に、インクジェット記録装置に備わっている各記録ヘッドの予備吐出を、搬送ベルトの動きに合わせて順次行わせる。図4(a),(b),(c)中のI1,I2,I3は、このような予備吐出領域I4と同様に、記録紙Pが給紙された時点で動的に設定される予備吐出領域である。
【0047】
図6のフローチャートで示されるベルトクリーニング処理は、記録動作のために搬送ベルト31が動きだすときに合わせて呼び出される。
【0048】
まず、クリーニングローラ38の直下における搬送ベルト31上の位置PAを取得する(ステップS201)。クリーニングローラ38の位置は、図5の予備吐出処理の場合と同様に、搬送ベルト31の基準位置からのステップカウントを、搬送ベルト31上における搬送ベルト基準位置検知センサ102とクリーニングローラ38との間の距離に相当するステップ数で補正することにより取得される。
【0049】
次に、図8に例示される予備吐出リストから最もクリーニングローラ38に近い位置にある予備吐出領域、つまりクリーニングローラ38との対向位置に最も早く移動する予備吐出領域を取得する(ステップS202)。
【0050】
そして、ステップS201にて取得したクリーニングローラ直下の搬送ベルト31の位置と、ステップS202にて取得した予備吐出領域の搬送ベルト31上の位置PBとの間の距離を取得する(ステップS203)。図4(c)の場合で例示すると、ステップS203にて取得する距離は距離L8に相当する。
【0051】
このステップS203で取得した距離に基づいて、予備吐出領域がクリーニングローラ38直下の位置(「クリーニング位置」ともいう)に到達するまで待機した後(ステップS204)、クリーニングローラ38を用いて所定のクリーニング処理を行って(ステップS205)、搬送ベルト31の予備吐出領域に予備吐出されたインクを除去する。
【0052】
次に、図8に例示される予備吐出リストから、クリーニング完了した予備吐出領域のレコードを削除する(ステップS206)。
【0053】
そして最後に、予備吐出リストを確認してクリーニングを行っていない予備吐出領域レコードの有無を判定する(ステップS207)。予備吐出リストは、クリーニング済みの不要なレコードがステップS206にて順次削除されるため、ステップS207の判定は、レコードの有無を確認するだけでよい。その判定により、クリーニングすべき予備吐出領域がまだある場合には、ステップS201からの処理を繰り返すことにより、連続的にクリーニング処理が行われる。そして、予備吐出リストから全てのレコードがなくなったときにクリーニング処理を終了する。
【0054】
図7のフローチャートに示されるベルト位置管理処理は、駆動ローラ用モータ50を1ステップ駆動する度に呼び出される。
【0055】
まず、ステップS301においてベルト基準位置の検知が行われる。このときの検知には、ベルト汚れを検知するために設けられている搬送ベルト汚れ検知用センサが利用され、予め搬送ベルト31の一個所にマーキングされたベルト基準位置検知用マークパターンの検知を行う。本実施例においては、光学センサによってベルト基準位置を検知してもインクなどによるベルト汚れと判別しやすいように、搬送ベルト31の幅方向に渡って引かれるように形成された特定色の実線をベルト基準位置検知用マークとしている。そして、このようなセンサの検知情報に基づいて、センサによる現在の搬送ベルト31の検知位置がベルト基準位置か否かを判定する(ステップS302)。この判定は、単純に、予め用意したベルト基準位置パターンと、センサの検知の情報すなわち読み取りパターンとの比較により行う。
【0056】
このような判定により、現在の検知位置がベルト基準位置であると判定された場合は、そのベルト基準位置からのモータ50の駆動量を示すステップカウンタをリセットする(ステップS303)。また、判定結果がベルト基準位置でない場合は、ステップカウンタをインクリメントして、駆動量をカウントする。
【0057】
このように、搬送ベルト31の特定位置を判別する手段を設けて、常時、センサ位置からの搬送ベルト31のずれ量を管理保持することにより、図5の予備吐出処理及び図6のベルトクリーニング処理において、任意のタイミングで搬送ベルト31の位置を特定することができる。
【0058】
(第2の実施形態)
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではない。
【0059】
上記の実施例においては、搬送ベルト31上の予備吐出領域の位置を、記録紙Pが給紙された時点で記録紙P毎に動的に設定していた。しかし、一度の記録処理で扱われる記録紙Pの用紙サイズが一定である場合には、一つ目の予備吐出位置を設定した以降は、記録紙Pの搬送方向サイズと紙間距離に基づいて、2つ目以降の予備吐出領域を決定することができるため、記録開始時の1ページ目が給紙された時点で複数の予備吐出領域を設定するようにしてもよい。
【0060】
このように構成することにより、記録紙Pを給紙する度に予備吐出領域を新規に設定する必要がなくなり、記録動作中の処理を軽減することができて有効である。
【0061】
(第3の実施形態)
また、上記の実施例においては、搬送ベルト31のクリーニング処理を記録動作中に逐次行っていた。
【0062】
しかし、搬送ベルト31が記録開始時から1周分駆動されて、搬送ベルト31に、その1周分の予備吐出領域が設定されたときに、それ以降の予備吐出領域の新たな設定を停止するようにしてもよい。この場合、記録動作中は、クリーニング処理を行わず、予備吐出領域の設定は保持する。そして、搬送ベルト31の1周目以降は、記録紙Pの給紙タイミングを予備吐出リストを参照しながら制御することにより、予備吐出領域に記録紙Pが載らないように、搬送ベルト31上の2つの予備吐出領域の間に記録紙Pを給紙する。そして、記録終了後に、搬送ベルト31上の予備吐出領域を、予備吐出リストを参照しながら全てクリーニングするようにしてもよい。
【0063】
このように構成することにより、クリーニング処理の回数を減らし、クリーニング処理による搬送ベルト31やクリーニングローラ38などの劣化および消耗を抑えることができる。また、記録動作中にクリーニング処理を行うことによる悪影響、つまり搬送ベルト31の振動などに起因する記録画像への悪影響を回避することができて有効である。
【0064】
(第4の実施形態)
また、上記の実施例においては、紙間距離を一定にして、その距離に基づいて記録紙の先端側前方に予備吐出領域を設定していた。
【0065】
しかし、記録に先立って、給紙しようとする記録紙Pのサイズを取得し、その用紙サイズに基づいて搬送ベルト31の全周上に適当に予備吐出領域を設定してもよい。このとき、最小の紙間距離を保って、最も多くの予備吐出領域を配置できるように設定する。そして、このように記録開始時に予め設定された予備吐出領域が紙間に位置するように、つまり搬送ベルト31上における前後の記録紙Pの間に位置するように、記録紙Pの給紙タイミングと紙間距離を制御するようにしてもよい。
【0066】
(第5の実施形態)
また、上記の実施例においては、所定の紙間距離だけに基づいて、紙間での予備吐出位置を決定していた。
【0067】
しかし、直後に処理しようとする予備吐出の処理内容(予備吐出回数や予備吐出パターンなど)に応じて、紙間における予備吐出領域の位置を補正するようにしてもよい。すなわち、予備吐出を行う際にも、搬送ベルト31が停止することなく所定の紙搬送速度で搬送され続けているため、予備吐出領域が、搬送速度及び予備吐出回数などに応じて、ある程度の幅を搬送方向にもっているからである。つまり、予備吐出領域の搬送方向における幅が広くなると、その予備吐出領域と記録紙Pとの距離が狭くなってしまい、続く記録紙Pへの記録に悪影響を与える可能性もあるからである。図8の表中の右欄に、予備吐出回数に相当するインクの打ち込み量、つまり予備吐出によるインクドットの形成数の一例を示す。
【0068】
そこで、例えば、通常よりも予備吐出回数が多い場合には、予備吐出領域の位置を搬送方向前方に補正して、予備吐出の開始タイミングを早めることにより、通常より多くの吐出回数でも記録に悪影響を及ぼすおそれもなく、記録ヘッド回復処理を行うことができてきわめて有効である。
【0069】
(第6の実施形態)
さらに加えて、本発明のインクジェット記録装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の画像出力端末として用いられるものの他、リーダ等と組合せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシミリ装置の形態を採るもの、また布等へのプリントが可能な装置等であってもよい。
【0070】
(その他)
なお、本発明は、特にインクジェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために利用されるエネルギとして熱エネルギを発生する手段(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エネルギによりインクの状態変化を生起させる方式の記録ヘッド、記録装置において優れた効果をもたらすものである。かかる方式によれば記録の高密度化,高精細化が達成できるからである。
【0071】
その代表的な構成や原理については、例えば、米国特許第4723129号明細書,同第4740796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型,コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持されているシートや液路に対応して配置されている電気熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギを発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体(インク)内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成長,収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐出が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信号としては、米国特許第4463359号明細書,同第4345262号明細書に記載されているようなものが適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許第4313124号明細書に記載されている条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことができる。
【0072】
記録ヘッドの構成としては、上述の各明細書に開示されているような吐出口,液路,電気熱変換体の組合せ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示する米国特許第4558333号明細書,米国特許第4459600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるものである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示する特開昭59−123670号公報や熱エネルギの圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示する特開昭59−138461号公報に基いた構成としても本発明の効果は有効である。すなわち、記録ヘッドの形態がどのようなものであっても、本発明によれば記録を確実に効率よく行うことができるようになるからである。
【0073】
さらに、記録装置が記録できる記録媒体の最大幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録ヘッドに対しても本発明は有効に適用できる。そのような記録ヘッドとしては、複数記録ヘッドの組合せによってその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。
【0074】
加えて、上例のようなシリアルタイプのものでも、装置本体に固定された記録ヘッド、あるいは装置本体に装着されることで装置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。
【0075】
また、本発明の記録装置の構成として、記録ヘッドの吐出回復手段、予備的な補助手段等を付加することは本発明の効果を一層安定できるので、好ましいものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧或は吸引手段、電気熱変換体或はこれとは別の加熱素子或はこれらの組み合わせを用いて加熱を行う予備加熱手段、記録とは別の吐出を行なう予備吐出手段を挙げることができる。
【0076】
また、搭載される記録ヘッドの種類ないし個数についても、例えば単色のインクに対応して1個のみが設けられたものの他、記録色や濃度を異にする複数のインクに対応して複数個数設けられるものであってもよい。すなわち、例えば記録装置の記録モードとしては黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによるかいずれでもよいが、異なる色の複色カラー、または混色によるフルカラーの各記録モードの少なくとも一つを備えた装置にも本発明は極めて有効である。
【0077】
さらに加えて、以上説明した本発明実施例においては、インクを液体として説明しているが、室温やそれ以下で固化するインクであって、室温で軟化もしくは液化するものを用いてもよく、あるいはインクジェット方式ではインク自体を30℃以上70℃以下の範囲内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあるように温度制御するものが一般的であるから、使用記録信号付与時にインクが液状をなすものを用いてもよい。加えて、熱エネルギによる昇温を、インクの固形状態から液体状態への状態変化のエネルギとして使用せしめることで積極的に防止するため、またはインクの蒸発を防止するため、放置状態で固化し加熱によって液化するインクを用いてもよい。いずれにしても熱エネルギの記録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状インクが吐出されるものや、記録媒体に到達する時点ではすでに固化し始めるもの等のような、熱エネルギの付与によって初めて液化する性質のインクを使用する場合も本発明は適用可能である。このような場合のインクは、特開昭54−56847号公報あるいは特開昭60−71260号公報に記載されるような、多孔質シート凹部または貫通孔に液状又は固形物として保持された状態で、電気熱変換体に対して対向するような形態としてもよい。本発明においては、上述した各インクに対して最も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するものである。
【0078】
さらに加えて、本発明インクジェット記録装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の画像出力端末として用いられるものの他、リーダ等と組合せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシミリ装置の形態を採るもの等であってもよい。
【0079】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、搬送ベルト等の搬送体上の予備吐出位置を可変に設定し、その可変設定した予備吐出位置に、記録ヘッドからインクを予備吐出し、そして、その予備吐出されたインクを除去するため、画像の記録処理を中断することなく、また記録速度を落とすことなく、画像を記録することができる。
【0080】
また、任意の位置に予備吐出位置を可変設定できるため、搬送ベルト等の搬送体による搬送開始ともに、記録紙等の被記録体を供給することができる。よって、例えば、搬送ベルト等の搬送体の冗長な位置出し処理が不要となり、記録紙等の被記録媒体1枚目の出力時間(ファーストプリント)を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態におけるインクジェット記録装置の全体構成を示す断面図である。
【図2】図1のインクジェット記録装置における送紙部の拡大図である。
【図3】図1のインクジェット記録装置における制御部のブロック図である。
【図4】(a),(b),(c)は、図1のインクジェット記録装置における予備吐出領域の遷移の説明図である。
【図5】図1のインクジェット記録装置における予備吐出処理を説明するためのフローチャートである。
【図6】図1のインクジェット記録装置におけるベルトクリーニング処理を説明するためのフローチャートである。
【図7】図1のインクジェット記録装置におけるベルト位置管理処理を説明するためのフローチャートである。
【図8】図1のインクジェット記録装置における予備吐出領域管理テーブルの構成図である。
【符号の説明】
1 記録装置
2 給紙部
3 送紙部
4 排紙部
7 記録ヘッド部
21 圧板
22 給送回転体
24 バネ
25 分離パッド
26 分離爪
27 上ガイド
28 下ガイド
29 PEセンサーレバー
30 プラテン
31 搬送ベルト
32 搬送ローラ
33 ピンチローラ
34 駆動ローラ
35 圧力ローラ
36 吸着力発生手段
38 クリーニングローラ対
39 紙押え部材
41 排紙ローラ
42 拍車
43 排紙トレイ
52 給電ブラシ
53 保持部材

Claims (30)

  1. 搬送体に載置されたまま搬送される被記録媒体に、インクを吐出可能な記録ヘッドを用いて画像を記録し、かつ前記記録ヘッドから画像の記録に寄与しないインクを予備吐出することによって、前記記録ヘッドの吐出性能を回復可能なインクジェット記録装置において、
    前記搬送体上における前記被記録媒体の載置位置に応じて、前記搬送体上に、前記被記録媒体を避けた予備吐出位置を可変設定する設定手段と、
    前記予備吐出位置に、前記記録ヘッドからインクを予備吐出させる制御手段と、
    前記予備吐出位置に吐出されたインクを除去するクリーニング手段と
    を備え
    前記設定手段は、前記予備吐出の形態に応じて、前記予備吐出位置を補正する
    ことを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記設定手段によって設定された前記予備吐出位置を管理する管理手段を備え、
    前記クリーニング手段は、前記管理手段の管理情報に基づいて、前記予備吐出位置に吐出されたインクを除去することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記設定手段は、前記搬送体上において搬送方向の前後に位置する前記被記録媒体の間に、前記予備吐出位置を設定することを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記設定手段は、前記搬送体上に前記被記録媒体が供給される毎に、前記予備吐出位置を設定することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記設定手段は、前記搬送体上に前記被記録媒体が供給される前に、前記被記録媒体の大きさに応じて前記予備吐出位置を設定することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  6. 前記設定手段は、一旦設定した後の前記予備吐出位置を変更しないように固定設定可能であることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  7. 前記設定手段は、前記予備吐出におけるインクの吐出回数またはインクの吐出パターンの内の少なくとも一方に応じて、前記予備吐出位置を補正することを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  8. 前記設定手段によって設定された前記予備吐出位置に基づいて、該予備吐出位置を避けた前記搬送体上の位置に前記被記録媒体を供給する供給手段を備えたことを特徴とする請求項1からのいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  9. 前記設定手段は、前記搬送体上に前記予備吐出位置を複数設定可能であることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  10. 前記クリーニング手段は、前記記録ヘッドによる画像の記録動作中に、前記予備吐出位置のインクの除去が可能であることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  11. 前記クリーニング手段は、前記記録ヘッドによる画像の記録動作終了後に、前記予備吐出位置のインクの除去が可能であることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  12. 前記搬送体上に前記被記録媒体を吸着させる手段を備えたことを特徴とする請求項1から11のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  13. 前記搬送体は、循環移動する搬送ベルトであることを特徴とする請求項1から12のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  14. 前記記録ヘッドは、前記被記録媒体の搬送方向にずれて位置しかつ異なるインクを吐出可能な複数の記録ヘッドであり、
    前記制御手段は、前記被記録媒体の搬送位置に応じて、前記複数の記録ヘッドから順次に前記予備吐出位置にインクを予備吐出させる
    ことを特徴とする請求項1から13のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  15. 前記記録ヘッドは、インクを吐出させるためのエネルギーとして熱エネルギーを発生する電気熱変換体を有することを特徴とする請求項1から14のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  16. 搬送体に載置されたまま搬送される被記録媒体に、インクを吐出可能な記録ヘッドを用いて画像を記録し、かつ前記記録ヘッドから画像の記録に寄与しないインクを予備吐出することによって、前記記録ヘッドの吐出性能を回復可能なインクジェット記録装置の吐出回復方法において、
    前記搬送体上における前記被記録媒体の載置位置に応じて、前記搬送体上に、前記被記録媒体を避けた予備吐出位置を可変設定し、
    前記予備吐出の形態に応じて、前記予備吐出位置を補正し、
    前記予備吐出位置に、前記記録ヘッドからインクを予備吐出させてから、
    前記予備吐出位置に吐出されたインクを除去する
    ことを特徴とするインクジェット記録装置の吐出回復方法。
  17. 設定された前記予備吐出位置を管理する管理手段を用い、前記管理手段の管理情報に基づいて、前記予備吐出位置に吐出されたインクを除去することを特徴とする請求項16に記載のインクジェット記録装置の吐出回復方法。
  18. 前記予備吐出位置は、前記搬送体上において搬送方向の前後に位置する前記被記録媒体の間に設定することを特徴とする請求項16または17に記載のインクジェット記録装置の吐出回復方法。
  19. 前記予備吐出位置は、前記搬送体上に前記被記録媒体が供給される毎に設定することを特徴とする請求項16から18のいずれかに記載のインクジェット記録装置の吐出回復方法。
  20. 前記予備吐出位置は、前記搬送体上に前記被記録媒体が供給される前に、前記被記録媒体の大きさに応じて設定することを特徴とする請求項16から18のいずれかに記載のインクジェット記録装置の吐出回復方法。
  21. 前記予備吐出位置は、一旦設定した後は変更しないように固定設定可能であることを特徴とする請求項16から20のいずれかに記載のインクジェット記録装置の吐出回復方法。
  22. 前記予備吐出におけるインクの吐出回数またはインクの吐出パターンの内の少なくとも一方に応じて、前記予備吐出位置を補正することを特徴とする請求項16から21のいずれかに記載のインクジェット記録装置の吐出回復方法。
  23. 設定された前記予備吐出位置に基づいて、該予備吐出位置を避けた前記搬送体上の位置に前記被記録媒体を供給することを特徴とする請求項16から22のいずれかに記載のインクジェット記録装置の吐出回復方法。
  24. 前記予備吐出位置は、前記搬送体上に複数設定することを特徴とする請求項16から23のいずれかに記載のインクジェット記録装置の吐出回復方法。
  25. 前記記録ヘッドによる画像の記録動作中に、前記予備吐出位置のインクを除去することを特徴とする請求項16から24のいずれかに記載のインクジェット記録装置の吐出回復方法。
  26. 前記記録ヘッドによる画像の記録動作終了後に、前記予備吐出位置のインクを除去することを特徴とする請求項16から24のいずれかに記載のインクジェット記録装置の吐出回復方法。
  27. 前記搬送体上に前記被記録媒体を吸着させることを特徴とする請求項16から26のいずれかに記載のインクジェット記録装置の吐出回復方法。
  28. 前記搬送体は、循環移動する搬送ベルトであることを特徴とする請求項16から27のいずれかに記載のインクジェット記録装置の吐出回復方法。
  29. 前記記録ヘッドは、前記被記録媒体の搬送方向にずれて位置しかつ異なるインクを吐出可能な複数の記録ヘッドであり、
    前記被記録媒体の搬送位置に応じて、前記複数の記録ヘッドから順次に前記予備吐出位置にインクを予備吐出させる
    ことを特徴とする請求項16から28のいずれかに記載のインクジェット記録装置の吐出回復方法。
  30. 前記記録ヘッドは、インクを吐出させるためのエネルギーとして熱エネルギーを発生する電気熱変換体を有することを特徴とする請求項16から29のいずれかに記載のインクジェット記録装置の吐出回復方法。
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