JP6127680B2 - 画像形成装置、画像形成システム、画像形成方法 - Google Patents

画像形成装置、画像形成システム、画像形成方法 Download PDF

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Description

本発明は、被記録媒体を搬送させながらインクの粒を被記録媒体に着弾させて画像を形成するインクジェット方式の画像形成装置、画像形成システム、画像形成方法に関する。
被記録媒体を搬送させながらインクの粒を被記録媒体に着弾させて画像を形成するインクジェット方式の画像形成装置において、被記録媒体を搬送する方式として、例えば、以下のものが挙げられる。
搬送ローラと被記録媒体を支持する支持部品とを用いて被記録媒体を搬送する方式(以下、「搬送ローラ方式」という)や、搬送ベルトを帯電させることによる静電吸着現象を利用して、被記録媒体を搬送ベルトに密着させて搬送する方式(以下、「搬送ベルト方式」という)が挙げられる。特に、搬送ベルト方式は、ACバイアスを利用して、電荷を交互に変更する手段が知られている(例えば特許文献1参照)。
しかしながら、前者の搬送ローラ方式は、被記録媒体と支持部品との摩擦により、被記録媒体の表面に電荷が発生する。また、後者の搬送ベルト方式は、搬送ベルトの帯電により、被記録媒体の表面に電荷が発生する。
被記録媒体の表面に発生した電荷の量(電荷量)は、被記録媒体の種類や画像形成装置の動作時の環境等によって変化する。
また、その電荷量は、被記録媒体内の場所によっても異なっていることが往々にしてあり、他の領域と比較して局所的に電荷量の多い領域、すなわち、他の領域と比較して局所的に表面電位が高い領域が発生する場合がある。
その一方で、インクジェット式の画像形成装置は、大小異なるサイズのインクの粒を吐出させると共に、被記録媒体に着弾させるインクの粒の面積と被記録媒体の地肌の面積の比率を可変させて、擬似的な中間調を表現する、所謂、面積階調法を採用している。以下、インクの粒の大きさを「インクサイズ」と呼称する。
以上のことから、被記録媒体の表面電位が高い領域に小さいインクの粒を吐出する場合も有り得る。特にこのような場合、インクの粒が複数に分裂してミスト化してしまう場合がある。
ここで、図11を参照しながら、インクの粒が分裂する過程を、ACバイアスを利用した搬送ベルト方式を例にして詳述する。
ノズルNから被記録媒体S1に向けて吐出されたインクの粒P(図11(a))は、電荷をもった被記録媒体S1の表面に近づくにつれて、インクの粒Pの下部には被記録媒体S1の表面の電荷と逆の電荷が引き寄せられる。逆に、インクの粒Pの上部には被記録媒体S1の表面の電荷と同じ電荷が引き寄せられる(図11(b))。
被記録媒体S1の表面電位が高い場合には、インクの粒Pが被記録媒体S1上の狙いの着弾位置に近づくにつれ、インク中の電荷の偏りが大きくなる。その偏りが或る一定値を超えると、被記録媒体S1の着弾位置付近とは逆の電荷をもったインクの粒P1と、同じ極性の電荷をもったインクの粒P2とに分裂してミスト化する(図11(c))。
ミスト化後、被記録媒体上の狙いの位置と逆の電荷を持つインクの粒P1は、被記録媒体上の狙いの着弾位置に着弾するが、同じ極性の電荷をもつインクの粒P2は、その大きさによっては、電荷によって生じる斥力によって、狙いの着弾位置から弾かれてしまう。狙いの着弾位置から弾かれたインクの粒P2は、被記録媒体S1上の少し離れた場所に発生する逆電荷を帯びた領域に引き寄せられて着弾する(図11(d))。
また、小さいインクの粒の吐出間隔が短い場合、つまり、記録ヘッドの駆動周波数が高い場合は、さらにミスト化しやすい。その理由としては、記録ヘッドの駆動周波数が高いと、ノズルN内のインクはメニスカスが安定しなくなる。その不安定な状態で次から次へとインクの粒を吐出すると、インクの粒の状態が不安定になって、外乱の影響を受けやすくなってしまうからである。
このように、インクの粒がミスト化してしまうと、画質を劣化させたり、被記録媒体を汚したりする虞がある、という課題がある。上述したように、特に、被記録媒体の、他の領域と比較して表面電位が高い領域に小さいインクの粒を吐出する場合に、かかる課題が生じやすい。
上記課題を解決するために、本発明にかかる画像形成装置は、画像データを面積階調法に基づいた印刷用データに変換処理するデータ処理部を備え、該データ処理部で処理された前記印刷用データに基づいて、記録ヘッドに対向した被記録媒体に向かってインクの粒を前記記録ヘッドから吐出させると共に、前記記録ヘッドに対し、前記被記録媒体を相対的に移動させることで前記被記録媒体に画像を形成する画像形成装置において、前記被記録媒体の表面電位を測定する表面電位測定部と、該表面電位測定部による測定値に基づいて、前記インクの粒が分裂する大きさを判定する判定部とを備え、前記データ処理部は、前記判定部で判定された大きさの前記インクの粒の使用を回避した前記印刷用データを生成することを特徴とする。
本発明によれば、被記録媒体の表面電位が高い領域に、分裂する虞のある小さいインクの粒を吐出しないから、インクの粒がミスト化する虞を払拭して、画質を劣化させたり、被記録媒体を汚したりする虞を回避することが期待できる。
本実施の形態にかかるインクジェット方式の画像形成装置の一例を示した模式図である。 本実施の形態にかかるピエゾ方式の記録ヘッドの構成を示した模式的な縦断面図である。 本実施の形態にかかるハードウェア構成図である。 本実施の形態にかかる機能構成図である。 用紙の表面電位とミスト化するインクサイズとの関係の一例を示した線図である。 本実施の形態にかかる用紙の表面電位に応じた印刷用データの生成にかかる処理を示したフローチャートである。 実施の形態1における、インクサイズの変更と面積階調処理との関係をドットで示した模式図である。 実施の形態2における、インクサイズの変更と面積階調処理との関係をドットで示した模式図である。 実施の形態3における、インクサイズの変更と面積階調処理との関係をドットで示した模式図である。 実施の形態4における、画像形成システムの概念図である。 インクの粒が分裂する過程を示した説明図である。 ミスト化時の記録ヘッドの駆動周波数と用紙の表面電位との関係を示した線図である。 実施の形態6にかかる画像形成装置の機能構成図である。 判定部で判定された大きさのインクの粒で形成する画像を走査回数分に分解したことをドットで示した模式図である。 判定部で判定された大きさのインクの粒で形成する画像を走査回数分に分解したことをドットで示した模式図である。 実施の形態6にかかる画像形成装置の一連の動作を示したフローチャートである。 実施の形態7にかかる機能構成図である。 記録ヘッドを駆動する電圧の駆動波形の変更前と変更後をドットで示した模式図である。 記録ヘッドを駆動する電圧の駆動波形の変更前と変更後を示した線図である。 記録ヘッドを駆動する電圧の駆動波形の変更前と変更後をドットで示した模式図である。 記録ヘッドを駆動する電圧の駆動波形の変更前と変更後を示した線図である。
本発明にかかる画像形成装置の実施の形態を説明する。
<実施の形態1>
<<装置の構成>>
図1は、インクジェット方式の画像形成装置Aの一例を示す模式図である。なお、この画像形成装置は、用紙送り方向に対して平面視直交する方向に記録ヘッドを往復移動させる、所謂、シリアルヘッド方式を例示している。
実施の形態1にかかる画像形成装置Aは、図1に示すように、給紙部1と、用紙搬送部2と、記録ヘッド部3と、表面電位センサ4と、排紙部5と、制御部6(図3、図4)とを備える。
給紙部1は、被記録媒体の一例としての用紙Sを積載する給紙トレイ11と、給紙トレイ11に積載した最上段の用紙Sに押し当てながら回転して用紙Sを送り出す給紙コロ12と、給紙コロ12に対向するように設けられ、送り出された用紙Sを一枚に分離する分離パッド13と、一枚に分離された用紙Sをガイドするガイド板14とを備える。
用紙搬送部2は、第一のローラ21と第二のローラ22とに掛け渡され、用紙を静電吸着し、反時計回りに回転することで用紙を搬送する搬送ベルト23と、給紙部1から送られた用紙Sを搬送ベルト23との間で挟んで搬送するカウンタローラ24と、上方に送られる用紙Sを水平方向に転換させて搬送ベルト23上に倣わせる搬送ガイド25とを備える。さらに、用紙を搬送ベルト23に押し当てながらガイドする加圧コロ26と、搬送ベルト23の回転に従動回転するように設けられ、後述するACバイアス供給部611から出力されたACバイアスがかけられて搬送ベルト23の表面を帯電する帯電ローラ27と、搬送ベルト23の裏側で、後述する記録ヘッドによる印写領域に対応する位置に設けられたガイド部材28とを備える。
記録ヘッド部3は、図示しない左右の側板(図1において奥行き(前後)方向)に架け渡したガイドロッド31と、ガイドロッド31より上方に、ガイドロッド31と同様に図示しない左右の側板に架け渡したステー32と、ガイドロッド31とステー32をガイドにして、図示しないキャリッジ用モータの回転によりスライド移動可能に設けられたキャリッジ33とを備える。
さらに、記録ヘッド部3は、キャリッジに取り付けられ、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの各色のインクの粒を吐出する各色用のノズル群を備えた記録ヘッド34と、キャリッジ33に取り付けられ、各色用のノズル群に対応する色のインクを供給するサブタンク35とを備える。なお、サブタンク35にはインク供給チューブ36を介して各色のメインタンクからインクが補充されるようになっている。
次に、図2を参照しながら記録ヘッド34を説明する。図2は、ピエゾ方式の記録ヘッド34の構成を示した模式的な縦断面図である。
記録ヘッド34は、ノズル容器341と、振動板342と、圧電素子(ピエゾ素子)343とを備えて構成される。
ノズル容器341は、容器の底面にノズルNが設けられていると共に、ノズルNとサブタンク35とが繋がるようにインク流路が形成されてなる。なお、上述したノズルNは、用紙搬送方向に対し平面視直交方向に、所定の間隔をおいて直線状に複数設けられていると共に、用紙搬送方向に、所定の間隔をおいて複数設けられている。
振動板342は、僅かな力で弾性変形する薄板状の部材であり、ノズルNと対向したノズル容器341の開口した上部を覆うように設けられている。
圧電素子343は、電圧を力に変換するもので、一方の面が振動板342に固定され、その一方の面と反対側の、他方の面が固定部材に固定されている。
ピエゾ方式の記録ヘッド34は、圧電素子343に電圧をかけることで、圧電素子343が歪んで、ノズル容器341と振動板342とで形成した液室の容積が小さくなる。これにより、液室に充填したインクに圧力が加わって、ノズルNを介して、ノズルN直下の用紙Sの所定位置にインクの粒Pが吐出される。
また、圧電素子343の変形量は、圧電素子343にかける電圧に応じて変化するため、このピエゾ方式の記録ヘッド34は、圧電素子343にかける電圧を、後述する印刷用データに基づいて制御することで、所望するインクサイズの吐出を可能にしている。なお、図2において、実線で示したインクの粒Pは、実線で示した振動板342の変位量に対応し、二点鎖線で示したインクの粒Pは、二点鎖線で示した振動板342の変位量に対応している。
表面電位センサ4は、用紙の表面に帯電した電荷量を非接触で検出し、その量に比例した直流電圧のアナログ信号を出力するものである。この表面電位センサ4は、ノズルNよりも用紙の搬送方向上流側で、且つ、ノズルNと帯電ローラ27との間に、少なくとも用紙の全幅(用紙の搬送方向に対し直交方向)に亘って検出可能に設けられている。さらに、表面電位センサ4は、ノズルNの位置を基点として、用紙の長さ以上、用紙Sの、搬送方向上流側に離れた位置が検出位置となるように設けられている。これにより、用紙Sの後端部(用紙Sの、搬送方向上流側)の表面電位を測定する前に、用紙Sの先端(用紙Sの、搬送方向下流側)がノズルNの直下に位置しないようになっている。
排紙部5は、図1に示すように、搬送ベルト23から用紙Sを分離するための分離爪51と、分離爪51で搬送ベルト23から分離された用紙Sを向かい入れて送り出す一対の排紙ローラ52、53と、その一対の排紙ローラ52、53で送り出された用紙Sを受ける排紙トレイ54とを備える。
次に、図3に示したハードウェア構成図を参照しながら、制御部6のハードウェア構成を説明する。
制御部6のハードウェア構成は、CPU(Central Processing Unit)601、ROM(Read Only Memory)602、RAM(Random Access Memory)603を有している。さらに、NVRAM(Non Volatile RAM)604、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)605、ホストI/F606を有している。さらに、記録ヘッド駆動部607と、ヘッドドライバ608、キャリッジ駆動部609、搬送ベルト駆動部610、ACバイアス供給部611、表面電位センサ用I/O612、給排紙駆動部613、を有している。なお、記録ヘッド駆動部607と、ヘッドドライバ608、キャリッジ駆動部609、搬送ベルト駆動部610、ACバイアス供給部611、表面電位センサ用I/O612、給排紙駆動部613を含んだ、制御部6の各構成は、電子回路である。
CPU601は、後述するROM602に記録されたプログラムに従って、データを加工・演算したり、用紙搬送部2、記録ヘッド部3、排紙部5等における各動作にかかる制御したりするものである。さらに、ASIC605に対し、用紙の表面電位に基づく印刷用データの生成にかかる制御も行なう。
ROM602は、CPU601が実行するプログラムや、固定データが記録されている。このROM602には、用紙の表面電位(測定値)とその電位でミスト化するインクサイズとの関係を表すデータが記録されている。なお、このデータの詳細は後述する。
RAM603は、プログラムの展開やデータの展開、及びメモリ印刷時の描画用メモリなどとして用いられる。また、後述する表面電位測定部653により測定された用紙上Sの表面電位の値が記録される。
NVRAM604は、プリンタモードの設定情報等、画像形成装置の電源を切っても、保持する必要のあるデータが記録されている。なお、上述した、用紙の表面電位(測定値)とその電位でミスト化するインクサイズとの関係を表すデータは、ROM602に代えて、このNVRAM604に記録しても良い。
ASIC605は、CPU601からの制御指令に基づいて、画像データを面積階調法に基づいた印刷用データへの変換処理、印刷する画像の拡大や縮小等の画像処理や、その他の処理を行なうものである。なお、本実施の形態では、ASIC605を用いて画像処理など行なうものを例示しているが、ミドルウェアで画像処理を行なっても良いものである。
ホストI/F606は、イメージスキャナ等の画像読取装置やデジタルカメラ等の撮像装置等からの画像データや、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置からの画像データ、または、印刷用データ等を、ケーブル或いはネットを介して送受信するためのインターフェースである。
記録ヘッド駆動部607は、駆動波形(駆動信号)のパターンデータを格納したROMと、このROMから読出される駆動波形のデータをD/A変換するD/A変換器を含む波形生成回路、アンプ等で構成される駆動波形発生回路を備える。
この記録ヘッド駆動部607は、印刷用データを受け取ると、印刷用データをクロック信号に同期して、ヘッドドライバ608にシリアルデータで送出し、また所定のタイミングでラッチ信号をヘッドドライバ608に送出する。
ヘッドドライバ608は、記録ヘッド駆動部607からのクロック信号及び画像データであるシリアルデータを入力するシフトレジスタと、シフトレジスタのレジスト値を記録ヘッド駆動部607からのラッチ信号でラッチするラッチ回路を備える。さらに、ラッチ回路の出力値をレベル変化するレベルシフタと、このレベルシフタでオン/オフが制御されるアナログスイッチアレイ等を備える。
このヘッドドライバ608は、アナログスイッチアレイのオン/オフを制御することで駆動波形に含まれる所要の駆動波形を選択的に記録ヘッド34の圧電素子343に通電する。これにより、インクの粒が外部に吐出される。
キャリッジ駆動部609は、CPU601からの制御指令に基づいて、ヘッドドライバ608によるインクの粒の吐出動作にキャリッジ33の移動が同期するように、キャリッジ駆動用モータを駆動するためのパルス信号を出力する。
搬送ベルト駆動部610は、CPU601からの制御指令に基づいて、搬送ベルト用モータを駆動するためのパルス信号を出力する。
ACバイアス供給部611は、CPU601からの制御指令に基づいて、帯電ローラ27にかけるACバイアスを出力する。
表面電位センサ用コントローラ612は、表面電位センサ4からのアナログ信号が入力されると共に、そのアナログ信号をデジタル信号の測定値に変換する。
給排紙駆動部613は、CPU601からの制御指令に基づいて、給紙コロ12等を回転させる給紙部モータ、一対の排紙ローラ52、53を回転させる排紙部モータを駆動するためのパルス信号を出力する。
次に、図4の機能構成図を参照しながら、実施の形態1にかかる画像形成装置の機能構成を説明する。
本実施の形態にかかる画像形成装置の機能構成は、送受信部650、入力受付部651、動作制御部652、表面電位測定部653、判定部654、データ処理部655を有する。
これらの構成は、ROM602に記録されたプログラムに従ったCPU601からの制御指令に基づいて、制御部6のハードウェア(記録ヘッド駆動部607、ASIC605、表面電位センサ用I/O612等)及びそのハードウェアと電気的に接続された機構部が動作することで実現される。
送受信部650は、ホストI/F606を用い、通信ネットワークを介して情報処理装置と画像データや印刷用データ等を受信したり、当該画像形成装置からの各種情報を送信したりする。
入力受付部651は、操作パネル7(図3)からユーザによって入力された各種情報を受け付ける。
動作制御部652は、各機構部(給紙部1と、用紙搬送部2と、記録ヘッド部3等)の動作制御を実行する。
表面電位測定部653は、表面電位センサ4と、表面電位センサ用コントローラ612とを備えており、用紙Sが表面電位センサ4を通過する際、画像データ上の一画素に対応した、用紙上Sの印刷領域を測定範囲の基本単位として、用紙Sの全域に亘って表面電位を測定する。
次に、判定部654を説明する前に、図5を参照しながら、用紙Sの表面電位とミスト化するインクサイズとの関係(一例である)を説明する。
図5は、表面電位測定部653による測定値が100V以上の場合には、概ね2pl(ピコリットル)以下のインクサイズのインクの粒が分裂してミスト化し、測定値が25V増加する度に、ミスト化するインクサイズが1pl分増加していることを示している。なお、或るインクサイズのインクの粒が分裂してミスト化する電位は、インクの種類に応じて異なるものである。また、図5に示すような、ミスト化するインクサイズが、用紙の表面電位と比例関係を持つものとは限らない。
この図5に示されるような、用紙Sの表面電位とその電位でミスト化するインクサイズとの関係を示すデータは、各色のインク毎に用意され、ROM602またはNVRAM604に記録されている。
判定部654は、RAM603内に記録された測定値(表面電位)を、用紙Sの表面電位とその電位でミスト化するインクサイズとの関係を示すデータに照らして、ノズルNから吐出されたインクの粒が分裂する大きさ、すなわち、ミスト化するインクサイズを判定し、判定情報として出力する。この判定情報は、測定範囲毎(画像データ上の一画素毎)に出力される。
また、この判定部654による判定は、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの各色のインク毎(インクの種類毎)に行ない、夫々、判定情報として出力する。
データ処理部655は、面積階調法に基づいて、ラスタイメージやベクタイメージ等の画像データを、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの各色の画像の印刷用データに変換処理する。この印刷用データとは、インクサイズを可変させると共に、用紙に着弾させるインクの粒の面積と用紙の地肌の面積の比率を可変させて、擬似的な中間調画像を得るためのデータである。なお、変換処理直後の印刷用データは、暫定的なデータである。
さらに、実施の形態1にかかるデータ処理部655は、判定部654による判定情報を用いて、暫定的な印刷用データに、インクの粒が分裂する場合があるか否かを判断する。
そして、インクの粒が分裂する場合があると判断した場合に、判定部654で判定された大きさのインクの粒の使用を回避して、改めて、印刷用データを生成する。この一連の処理は、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの各色の画像の印刷用データに対して行なう。
このようにして、実施の形態1にかかるデータ処理部655は、判定部654で判定された大きさのインクの粒の使用を回避した印刷用データを生成する。
<<動作説明>>
次に、図6の、用紙の表面電位に応じた印刷用データの生成にかかる処理を示したフローチャートと、図7の、インクサイズの変更と面積階調処理との関係を示した説明図とに基づいて、実施の形態1にかかる画像形成装置の一連の動作を説明する。
先ず、入力受付部651は、操作パネル7(図3)を介して、ユーザが入力した印刷モードを受け付ける。また、送受信部650は、外部からの画像データを受け付ける(S1)。なお、高画質の印刷モードは、インクサイズが小さいインクの粒が多く、ミスト化する虞が高くなり、逆に、高速印刷の印刷モードは、インクサイズが大きいインクの粒が多く、ミスト化する虞が高画質の印刷モードより低くなる。
データ処理部655は、送受信部650が受け付けた画像データを、面積階調法に基づいて、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの各色の画像の印刷用データに変換処理する。この印刷用データは暫定的な印刷用データである(S2)。
動作制御部652は、用紙搬送部2を介して、搬送ベルト23の回転と、ACバイアス供給部611を介して、ACバイアスを出力する。これにより、搬送ベルト23の回転に従動した帯電ローラ27を介して、搬送ベルト23の表面が帯電する。
このとき、ACバイアス供給部611から帯電ローラ27に対して、プラス出力とマイナス出力とが交互に繰り返すように、つまり交番する電圧のACバイアスがかけられ、搬送ベルト23が交番する帯電電圧パターン、すなわち、周回方向である副走査方向に、プラスとマイナスが所定の幅で帯状に交互に帯電する。
動作制御部652は、給紙部1を介して、給紙トレイ11に積載した用紙Sを送り出す。給紙部1が送り出した用紙Sは、搬送ベルト23に静電吸着し、搬送ベルト23の回転移動によって副走査方向に移動する。この移動の際、用紙Sは、表面電位センサ4を通過する。
用紙Sが表面電位センサ4を通過する際、表面電位測定部653は、画像データ上の一画素に対応した、用紙上Sの印刷領域を測定範囲の基本単位として、用紙Sの全域に亘って表面電位を測定し、RAM603に記録する(S4)。
判定部654は、RAM603内に記録された測定値(表面電位)を、用紙Sの表面電位とその電位でミスト化するインクサイズとの関係を示すデータに照らして、インクの粒が分裂する大きさを判定し、判定情報として出力する。この判定部654による判定は、画像データの一画素毎に、且つ、インクの種類毎に行ない、夫々、判定情報として出力する。
データ処理部655は、判定部654による判定情報を用いて、暫定的な印刷用データに、インクの粒が分裂する場合があるか否かを判断する(S5)。
暫定的な印刷用データに、インクの粒が分裂する虞ありの場合(S5;Yes)、データ処理部655は、判定部654で判定された大きさのインクの粒の使用を回避して、改めて、印刷用データを生成する。この一連の処理は、各色の画像の印刷用データに対して行なう。
例えば、図7に示すように、印刷に使用するインクの粒のインクサイズを3pl、9pl、27plとし、判定部654が、用紙S上の或る印刷領域に対し、「3pl以下のインクの粒は分裂」との判定情報を出力し、暫定的な印刷用データにおける当該領域に3pl以下のインクの粒を使用する場合、実施の形態1にかかるデータ処理部655は、3pl以下のインクの粒の使用を避けた印刷用データを改めて生成する。
すなわち、実施の形態1にかかるデータ処理部655は、インクサイズが9plのインクの粒を用いて、インクサイズが3plで表現される中間調領域(図7(a)における3pl領域)と同等の中間調領域(図7(b)における新たな9pl領域)となるように、改めて、印刷用データを生成する(S6)。その新たな印刷用データを正式な印刷用データとする(S7)。
暫定的な印刷用データに、インクの粒が分裂する虞なしの場合(S5;No)、データ処理部655は、暫定的な印刷用データを正式な印刷用データとする(S8、図7(a))。
動作制御部652は、用紙Sの先端が記録ヘッド34の直下に移動すると、搬送ベルト23の回転を間欠回転に切り替える。そして、ノズルに対向した用紙に向かってインクの粒をノズルから吐出する動作と、ノズルに対し、用紙を相対的に移動する動作を、上述した何れかの、正式な印刷用データに基づいて開始する。
すなわち、動作制御部652は、キャリッジ33を移動させながら印刷用データに応じて記録ヘッド34を駆動することにより、停止している用紙Sにインクの粒を吐出して1行分を印刷し、用紙Sを所定量搬送後、次の行の印刷を実行する。この印刷の動作は、印刷終了の信号、または、用紙Sの後端が記録領域に到達した信号を受けるまで繰り返す。
動作制御部652は、印刷が終了したら、搬送ベルト23の間欠回転を解除して通常の回転に移行する。そして、動作制御部652は、排紙部5を介して用紙Sを排紙トレイ54に排紙する(S9)。
なお、この実施の形態1は、インクの粒が分裂する虞が一箇所でもあると、印刷用データを改めて生成するものを例示しているが、インクの粒が分裂する虞が所定数に達したら印刷用データを改めて生成するようにしても良い。この場合、インクの粒が分裂する虞があるとした印刷領域が所定数隣接するような場合が好ましい。
<<効果>>
実施の形態1にかかる画像形成装置によれば、用紙S上の或る印刷領域に対して分裂するインクサイズを判定し、暫定的な印刷用データにおける当該領域で、分裂するインクサイズがあると判断したら、中間調を保持し、且つ、分裂するインクサイズのインク粒の使用を避けた印刷用データを改めて生成し、その新たな印刷用データを用いて印刷を実行するように構成したから、ミスト化を防ぐことができ、かつ、画質への影響が少ない印刷ができる。
<実施の形態2>
実施の形態2は、実施の形態1において例示したデータ処理部655による処理のうち、分裂するインクサイズのインクの粒の使用を避けた印刷用データの生成にかかる処理(図6;S6)の他の例を示している。実施の形態1と共通する他の構成にかかる説明は省略する。
<<データ処理部の機能>>
実施の形態2にかかるデータ処理部による、分裂するインクサイズのインクの粒の使用を避けた印刷用データの生成にかかる処理について、図8を参照しながら説明する。
実施の形態2にかかるデータ処理部は、先ず、実施の形態1と同様に、画像データを面積階調法に基づいた処理をして暫定的な印刷用データを生成する。
次いで、暫定的な印刷用データに対し、判定部で判定された大きさに対応した照合用パターンを用いてパターンマッチングを行なう。
例えば、印刷に使用するインクの粒のインクサイズを3pl、9pl、27plとし、判定部654が、用紙S上の或る印刷領域に対し、「3pl以下のインクの粒は分裂」との判定情報を出力した場合、データ処理部は、暫定的な印刷用データに対し、図8(c)の左図に示した3pl用の照合用パターン(2×2のドット)を用いて、図8(a)に対してパターンマッチングを行なう。
図8(a)の3plの領域は6×6のドットで示された領域であるため、かかる領域の全てが3plの照合用パターンに合致する。
データ処理部は、照合用パターンに対応づけられた変換用パターン(判定部で判定された大きさのインクの粒の使用を避けた変換用パターン)を用いて、パターンマッチングで合致した領域を変換して、印刷用データを生成する。
変換用パターンは、面積階調法により、照合用パターンと同一、または、近似した中間調が得られるように構成される。
例えば、3pl用の照合用パターンに対応づけられた変換用パターンを、図8(c)の右図に示すように、2×2のマトリクスの左下と右上の2箇所を9plのドットとした場合、図8(a)の3plの領域は、図8(b)に変換される。
上述した照合用パターンのデータ、その照合用パターンに対応づけられた変換用パターンのデータは、ROM602またはNVRAM604に予め記録されている(図3)。
<<効果>>
この実施の形態2にかかるデータ処理部は、暫定的な印刷用データに対し、判定部が判定したインクサイズの照合用パターンを用いてパターンマッチングし、そのパターンマッチングで合致した領域を変換用パターンに変換することで印刷用データを生成する。したがって、実施の形態2にかかる画像形成装置は、実施の形態1と同様に、ミスト化を防ぐことができ、かつ、画質への影響が少ない印刷ができる。
<実施の形態3>
実施の形態3は、実施の形態2と同様に、分裂するインクサイズのインクの粒の使用を避けた印刷用データの生成にかかる処理(図6;S6)の他の例を示している。実施の形態1と共通する他の構成にかかる説明は省略する。
<<データ処理部の機能>>
実施の形態3にかかるデータ処理部による、分裂するインクサイズのインクの粒の使用を避けた印刷用データの生成にかかる処理について、図9を参照しながら説明する。
実施の形態3にかかるデータ処理部は、例えば、印刷に使用するインクの粒のインクサイズを3pl、9pl、27plとし、判定部654が、用紙S上の或る印刷領域(他の領域より表面電位が高い領域)に対し、「3pl以下のインクの粒は分裂」との判定情報を出力し、暫定的な印刷用データにおける当該領域に3pl以下のインクの粒を使用する場合(図9(a))、3pl以下のインクの粒を、分裂しない大きさのインクの粒、例えば、9plのインクの粒に単純に置き換えた印刷用データを生成する(図9(b))。
<<効果>>
この実施の形態3にかかるデータ処理部によれば、実施の形態1、2と比較して、高速なインクの粒の変換処理を行うことができる。なお、この実施の形態3にかかるデータ処理部による処理は、特に線やベタ塗りが多いパターンで有効性が高い。
<実施の形態4>
上述した実施の形態1〜3は画像形成装置を例示したが、この実施の形態4は画像形成システムを例示している。
すなわち、実施の形態4にかかる画像形成システムA1は、図10に示すように、情報処理装置(例えばパーソナルコンピュータ)A2と、その情報処理装置A2と双方向通信可能に接続された画像形成装置A3とを備える。
情報処理装置A2側に、上述した判定部とデータ処理部とを備えて構成し、画像形成装置A3側に、上述した表面電位測定部を備えて構成している。
これらの各構成、効果は、上述したものと実質的に同一であるため詳細な説明は省略する。
<実施の形態5>
この実施の形態5は画像形成方法を例示している。
すなわち、実施の形態5にかかる画像形成方法は、画像データを面積階調法に基づいた印刷用データに処理し、その印刷用データに基づいて、ノズルに対向した用紙に向かってインクの粒をノズルから吐出すると共に、ノズルに対し、用紙を相対的に移動することで用紙に画像を形成する。
さらに、実施の形態5にかかる画像形成方法は、用紙の表面電位を測定する測定工程と、ノズルから吐出したインクの粒が分裂する大きさを、測定工程において取得した測定値に基づいて判定する判定工程と、その判定工程で判定した大きさのインクの粒の使用の使用を回避した印刷用データを生成する生成工程とを有する。
この画像形成方法によれば、ミスト化を防ぐことができ、かつ、画質への影響が少ない印刷ができる。
<実施の形態6>
実施の形態6では、所要の駆動周波数で駆動される記録ヘッドを備え、印刷用データに基づいて、前記記録ヘッドに対向した被記録媒体に向かってインクの粒を前記記録ヘッドから吐出させると共に、前記記録ヘッドに対し、前記被記録媒体を相対的に移動させることで前記被記録媒体に画像を形成する画像形成装置において、前記被記録媒体の表面電位を測定する表面電位測定部と、該表面電位測定部による測定値に基づいて、前記インクの粒が分裂する大きさを判定する判定部と、画像データを面積階調法に基づいた前記印刷用データに変換処理すると共に、前記判定部による判定情報を用いて、前記印刷用データに、インクの粒が分裂する場合があるか否かを判断するデータ処理部と、該データ処理部が、前記印刷用データにインクの粒が分裂する場合があると判断した場合に、前記駆動周波数を落として画像形成を実行させる記録ヘッド駆動制御部とを備えたことを特徴としている。
上述したように、用紙Sの表面電位が高い領域に小さいインクの粒を吐出する場合、インクの粒が複数に分裂してミスト化してしまうが、その小さいインクの粒の吐出間隔が短い場合、つまり、記録ヘッドの駆動周波数(圧電素子343を駆動させる周波数)が高い場合は、さらにミスト化しやすい。その理由としては、記録ヘッドの駆動周波数が高いと、ノズルN内のインクのメニスカスが安定しなくなる。その不安定な状態で次から次へとインクの粒を吐出すると、インクの粒の状態が不安定になって、外乱の影響を受けやすくなってしまうからである。
図12に、3plのインクの粒がミスト化する際の記録ヘッドの駆動周波数と用紙の表面電位との関係を示す。
この図12は、記録ヘッドの駆動周波数と用紙の表面電位の関係が比例関係を持つインクでの例であり、例えば、用紙の表面電位が100Vのときは、記録ヘッドの駆動周波数が約20KHzでミスト化したことを意味している。
実施の形態6は、判定部654で判定された大きさのインクの粒を吐出する際、記録ヘッドの駆動周波数を落とすことでミスト化を回避または減少させる例である。
実施の形態6にかかる画像形成装置は、図13に示すように、送受信部650、入力受付部651、動作制御部652、表面電位測定部653、判定部654、データ処理部655b、記録ヘッド駆動制御部656を備えて構成される。なお、表面電位測定部653や判定部654等、上述した他の実施の形態で例示した構成と実質的に同じ機能部の詳細な説明は省略する。
データ処理部655bは、画像データを面積階調法に基づいた前記印刷用データに変換処理すると共に、判定部654による判定情報を用いて、印刷用データに、インクの粒が分裂する場合があるか否かを判断する。
記録ヘッド駆動制御部656は、印刷用データにインクの粒が分裂する場合があるとデータ処理部655bが判断した場合に、記録ヘッドの駆動周波数を落として用紙に画像を形成する。この記録ヘッド駆動制御部656は、動作制御部652による各機構部の動作制御のうち、記録ヘッド部の動作制御の一機能である。
記録ヘッドの駆動周波数を落とす具体例として、以下のものが挙げられる。
(1)キャリッジの移動速度を落とし(キャリッジ用モータの駆動を遅くする)、そのキャリッジの移動速度に合わせて記録ヘッドの駆動周波数を落とす。
(2)本来、一回のキャリッジ走査で事足りるのをキャリッジの走査回数を増やし、判定部654で判定された大きさのインクの粒(ミスト化する大きさのインクの粒)で形成する画像を走査回数分に分解することで、記録ヘッドの駆動周波数を実質的に落とす。
ここで(2)の具体例を図14、図15を参照しながら説明する。
図14(a)は、一回のキャリッジ走査による吐出で吐出されるインクの粒の吐出パターンの一例を示している。この例では、27pl(ピコリットル)のインクサイズのインクの粒、9plのインクサイズのインクの粒、3plのインクサイズのインクの粒が、一回のキャリッジ走査で記録ヘッドから複数吐出されることを想定している。
判定部654で判定された大きさのインクの粒が3plのインクサイズのインクの粒の場合、記録ヘッド駆動制御部656は、3plのインクサイズのインクの粒で形成する画像部分を走査回数分に分解する。この例では走査回数を2回とし、3plのインクサイズのインクの粒で形成する6×6のドットの画像部分に対し、図14において横方向に奇数数と偶数列の2つに分解する。
記録ヘッド駆動制御部656は、1回目のキャリッジ走査において、27plのインクサイズのインクの粒、9plのインクサイズのインクの粒、偶数列の3plのインクサイズのインクの粒が吐出されるように制御する(図14(b))。
記録ヘッド駆動制御部656は、2回目のキャリッジ走査において、奇数列の3plのインクサイズのインクの粒が吐出されるように制御する(図14(c))。
判定部654で判定された大きさのインクの粒で形成する画像部分を2つに分解する他の例としては、市松模様状に分解する例が挙げられる。この場合、図15に示すように、3plのインクサイズのインクの粒で形成する6×6のドットの画像部分を、ピッチをずらした2つの市松模様状に分解する。
なお、キャリッジの走査回数は2回に限定されない。また、判定部654で判定された大きさのインクの粒で形成する画像部分の分解パターンは、上述したものに限定されない。
この実施の形態6にかかる画像形成装置の一連の動作を、図16のフローチャートを参照しながら説明する。
先ず、入力受付部651は、操作パネル7(図3)を介して、ユーザが入力した印刷モードを受け付ける。また、送受信部650は、外部からの画像データを受け付ける(S11)。
データ処理部655bは、送受信部650が受け付けた画像データを、面積階調法に基づいて、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの各色の画像の印刷用データに変換処理する(S12)。
動作制御部652は、用紙搬送部2を介して、搬送ベルト23の回転と、ACバイアス供給部611を介して、ACバイアスを出力する。これにより、搬送ベルト23の回転に従動した帯電ローラ27を介して、搬送ベルト23の表面が帯電する。
このとき、ACバイアス供給部611から帯電ローラ27に対して、プラス出力とマイナス出力とが交互に繰り返すように、つまり交番する電圧のACバイアスがかけられ、搬送ベルト23が交番する帯電電圧パターン、すなわち、周回方向である副走査方向に、プラスとマイナスが所定の幅で帯状に交互に帯電する。
動作制御部652は、給紙部1を介して、給紙トレイ11に積載した用紙Sを送り出す。給紙部1が送り出した用紙Sは、搬送ベルト23に静電吸着し、搬送ベルト23の回転移動によって副走査方向に移動する(S13)。この移動の際、用紙Sは、表面電位センサ4を通過する。
用紙Sが表面電位センサ4を通過する際、表面電位測定部653は、画像データ上の一画素に対応した、用紙上Sの印刷領域を測定範囲の基本単位として、用紙Sの全域に亘って表面電位を測定し、RAM603に記録する(S14)。
判定部654は、RAM603内に記録された測定値(表面電位)を、用紙Sの表面電位とその電位でミスト化するインクサイズとの関係を示すデータに照らして、インクの粒が分裂する大きさを判定し、判定情報として出力する。この判定部654による判定は、画像データの一画素毎に、且つ、インクの種類毎に行ない、夫々、判定情報として出力する。
データ処理部655bは、判定部654による判定情報を用いて、印刷用データにインクの粒が分裂する場合があるか否かを判断する(S15)。
印刷用データに、インクの粒が分裂する虞ありの場合(S15;Yes)、上述したように、記録ヘッドの駆動周波数を落として(S16)、印刷を実行する(S18)。
印刷用データに、インクの粒が分裂する虞なしの場合(S15;No)、記録ヘッドの駆動周波数は通常として(S17)、印刷を実行する(S18)。
この実施の形態6にかかる画像形成装置によれば、印刷用データに、分裂するインクサイズを使用する場合があると判断したら、記録ヘッドの駆動周波数を落として印刷を実行する。これにより、ノズルN内のインクのメニスカスが安定し、外乱の影響を受けにくいインクの粒が吐出されて、ミスト化を回避またはミスト化の減少が期待できる。
<実施の形態7>
実施の形態7では、所要の駆動波形の電圧で駆動される記録ヘッドを備え、印刷用データに基づいて、前記記録ヘッドに対向した被記録媒体に向かってインクの粒を前記記録ヘッドから吐出させると共に、前記記録ヘッドに対し、前記被記録媒体を相対的に移動させることで前記被記録媒体に画像を形成する画像形成装置において、前記被記録媒体の表面電位を測定する表面電位測定部と、該表面電位測定部による測定値に基づいて、前記インクの粒が分裂する大きさを判定する判定部と、画像データを面積階調法に基づいた前記印刷用データに変換処理すると共に、前記判定部による判定情報を用いて、前記印刷用データに、インクの粒が分裂する場合があるか否かを判断するデータ処理部と、該データ処理部が、前記印刷用データに、インクの粒が分裂する場合があると判断した場合に、前記駆動波形の波高を大きくして前記被記録媒体に画像を形成する第二の記録ヘッド駆動制御部とを備えたことを特徴としている。
この実施の形態7にかかる画像形成装置は、記録ヘッドを駆動させる電圧の駆動波形の波高を大きくして、ミスト化を回避または減少が期待できる程度のインクの粒の大きさにさせる例である。
実施の形態7にかかる画像形成装置は、図17に示すように、送受信部650、入力受付部651、動作制御部652、表面電位測定部653、判定部654、データ処理部655b、第二の記録ヘッド駆動制御部657を備えて構成される。なお、表面電位測定部653や判定部654等、上述した他の実施の形態で例示した構成と実質的に同じ機能部の詳細な説明は省略する。
第二の記録ヘッド駆動制御部657は、印刷用データにインクの粒が分裂する場合があるとデータ処理部655bが判断した場合に、記録ヘッドを駆動させる電圧の駆動波形の波高を大きくして用紙に画像を形成する。この第二の記録ヘッド駆動制御部657は、動作制御部652による各機構部の動作制御のうち、記録ヘッド部の動作制御の一機能である。
記録ヘッドを駆動させる電圧の駆動波形の波高を大きくする具体例として、以下の例が挙げられる。
(1)判定部654で判定された大きさのインクの粒(ミスト化する大きさのインクの粒)を吐出させる駆動波形の波高のみ大きくする。
その具体例を、図18、図19を参照しながら説明する。
図18(a)は、記録ヘッドから吐出されるインクの粒の吐出パターンの一例を示している。この例では、27plのインクサイズのインクの粒、9plのインクサイズのインクの粒、3plのインクサイズのインクの粒が、記録ヘッドから複数吐出されることを想定している。
図19(a)は、図18(a)に示した夫々のインクサイズを記録ヘッドから吐出させる場合における電圧の駆動波形を示す。すなわち、図19(a)は、27plのインクサイズのインクの粒一つ分の電圧の駆動波形、9plのインクサイズのインクの粒一つ分の電圧の駆動波形、3plのインクサイズのインクの粒一つ分の電圧の駆動波形、のみを図示している。
判定部654で判定された大きさのインクの粒が3plのインクサイズのインクの粒の場合、第二の記録ヘッド駆動制御部657は、3plのインクサイズのインクの粒を吐出させる場合における電圧の駆動波形の波高のみ大きくして、例えば、4plのインクサイズのインクの粒が吐出されるようにする(図18(b)、(図19(b))。
(2)駆動波形全体の波高を大きくする。
その具体例を、図20(図18(a)と同一である)、図21を参照しながら説明する。
判定部654で判定された大きさのインクの粒が3plのインクサイズのインクの粒の場合、第二の記録ヘッド駆動制御部657は、27plのインクサイズのインクの粒、9plのインクサイズのインクの粒、3plのインクサイズのインクの粒を吐出させる場合における電圧の駆動波形の波高を大きくして、例えば、30plのインクサイズのインクの粒、11plのインクサイズのインクの粒、4plのインクサイズのインクの粒が吐出されるようにする(図20(b)、図21)。
なお、この実施の形態7にかかる画像形成装置の一連の動作は、図16のフローチャートにおいてS16の「記録ヘッドの駆動周波数を落とす」を「記録ヘッドを駆動させる電圧の駆動波形の波高を大きくする」に置き換えるのみのため、上述した説明をもって一連の動作の説明を省略する。
この実施の形態7にかかる画像形成装置によれば、印刷用データに、分裂するインクサイズを使用する場合があると判断したら、記録ヘッドを駆動させる電圧の駆動波形の波高を大きくして印刷を実行する。これにより、ミスト化を防ぐことができる。
以上、本実施の形態にかかる画像形成装置、画像形成システム、画像形成方法を説明したが、上述した実施の形態は、本発明の好適な実施の形態の一例を示すものであり、本発明はそれに限定されるものではなく、種々変形実施が可能である。
例えば、本実施の形態では、シリアルヘッド方式の画像形成装置を例示したが、ラインヘッド方式の画像形成装置に本発明を適用しても良い。
また、本実施の形態では、表面電位測定部が、画像データ上の一画素に対応した、用紙上の印刷領域を測定範囲の基本単位として、用紙の全域に亘って表面電位を測定するものを例示した。この測定値が得られた領域、すなわち、表面電位センサによる測定範囲は、このものに限定されず、例えば、用紙上、あるいは、画像データ上の任意の数のドット単位としたり、用紙上で任意の数の平方ミリメートル(あるいは平方センチメートル)単位としたりしても良い。この場合も、当然のことながら、判定部654は、ミスト化するインクサイズを、設定した測定範囲毎に判定し、測定範囲毎に判定情報として出力する。
A 画像形成装置
N ノズル
S 用紙(被記録媒体)
P インクの粒
653 表面電位測定部
654 判定部
655 データ処理部
656 記録ヘッド駆動制御部
657 第二の記録ヘッド駆動制御部
特許3804928号公報

Claims (7)

  1. 画像データを面積階調法に基づいた印刷用データに変換処理するデータ処理部を備え、該データ処理部で処理された前記印刷用データに基づいて、記録ヘッドに対向した被記録媒体に向かってインクの粒を前記記録ヘッドから吐出させると共に、前記記録ヘッドに対し、前記被記録媒体を相対的に移動させることで前記被記録媒体に画像を形成する画像形成装置において、
    前記被記録媒体の表面電位を測定する表面電位測定部と、
    該表面電位測定部による測定値に基づいて、前記インクの粒が分裂する大きさを判定する判定部と
    を備え、
    前記データ処理部は、前記判定部で判定された大きさの前記インクの粒の使用を回避した前記印刷用データを生成すること
    を特徴とする画像形成装置。
  2. 当該画像形成装置は、複数の色の前記インクを用いて、前記被記録媒体に画像を形成可能に構成され、
    前記判定部は、前記インクの粒が分裂する大きさを前記インクの色毎に判定し、
    前記データ処理部は、前記判定部で判定された大きさの前記インクの粒の使用を回避した前記印刷用データを前記インクの色毎に生成すること
    を特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記データ処理部は、
    前記画像データに面積階調法に基づいた処理をして暫定的な印刷用データを生成し、
    前記判定部による判定情報を用いて、前記暫定的な印刷用データに、前記インクの粒が分裂する場合があるか否かを判断し、
    前記インクの粒が分裂する場合があると判断した場合に、前記判定部で判定された大きさの前記インクの粒の使用を回避した印刷用データを改めて生成すること
    を特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
  4. 前記データ処理部は、
    前記画像データに面積階調法に基づいた処理をして暫定的な印刷用データを生成し、
    該暫定的な前記印刷用データに対し、前記判定部で判定された大きさに対応した照合用パターンを用いてパターンマッチングをし、
    前記判定部で判定された大きさの前記インクの粒の使用を回避した変換用パターンが前記パターンマッチングに対応して設けられ、前記変換用パターンを用いて前記パターンマッチングにより合致した部分を変換して、前記印刷用データを生成すること
    を特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
  5. 前記データ処理部は、
    前記画像データを面積階調法に基づいた処理をして暫定的な印刷用データを生成し、
    前記判定部による判定情報を用いて、前記暫定的な印刷用データに、前記インクの粒が分裂する場合があるか否かを判断し、
    前記インクの粒が分裂する場合があると判断した場合に、分裂するとした前記インクの粒の配置のままで、分裂するとした前記インクの粒を分裂しない大きさのインクの粒に置換する処理を実行して前記印刷用データを生成すること
    を特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
  6. 画像データを面積階調法に基づいた印刷用データに変換処理するデータ処理部を備えた情報処理装置と、該情報処理装置の前記データ処理部で処理された前記印刷用データに基づいて、記録ヘッドに対向した被記録媒体に向かってインクの粒を前記記録ヘッドから吐出させると共に、前記記録ヘッドに対し、前記被記録媒体を相対的に移動させることで前記被記録媒体に画像を形成する画像形成装置とを備えた画像形成システムにおいて、
    前記画像形成装置は、前記被記録媒体の表面電位を測定する表面電位測定部を備え、
    前記情報処理装置は、前記表面電位測定部による測定値に基づいて、前記インクの粒が分裂する大きさを判定する判定部を備え、
    前記データ処理部は、前記印刷用データを、前記判定部で判定された大きさの前記インクの粒の使用を回避して生成すること
    を特徴とする画像形成システム。
  7. 画像データを面積階調法に基づいた印刷用データに処理し、該印刷用データに基づいて、記録ヘッドに対向した被記録媒体に向かってインクの粒を前記記録ヘッドから吐出すると共に、前記記録ヘッドに対し、前記被記録媒体を相対的に移動することで前記被記録媒体に画像を形成する画像形成方法において、
    前記被記録媒体の表面電位を測定する測定工程と、
    前記記録ヘッドから吐出した前記インクの粒が分裂する大きさを、前記測定工程において取得した測定値に基づいて判定する判定工程と、
    前記判定工程で判定した大きさの前記インクの粒の使用を回避した前記印刷用データを生成する生成工程と
    を有することを特徴とする画像形成方法。
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