JP3224404B2 - ワイヤハーネス用グロメット - Google Patents

ワイヤハーネス用グロメット

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JP3224404B2
JP3224404B2 JP21631091A JP21631091A JP3224404B2 JP 3224404 B2 JP3224404 B2 JP 3224404B2 JP 21631091 A JP21631091 A JP 21631091A JP 21631091 A JP21631091 A JP 21631091A JP 3224404 B2 JP3224404 B2 JP 3224404B2
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淳 濱田
悦男 五十畑
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はワイヤハーネスを自動車
等に配設する場合に使用するワイヤハーネス用グロメッ
トに関し、特に、車両本体とドア等の可動部材との間に
そのボディパネルを貫通してワイヤハーネスを架け渡す
場合に好適のワイヤハーネス用グロメットに関する。
【0002】
【従来の技術】図8は従来のワイヤハーネス用グロメッ
トを示す側面図である。取付け部11a,11bは夫々
自動車のボディパネル12a,12bのワイヤハーネス
引き出し用の開口部に取付けられる。管状部13a,1
3bは夫々その一端部が取付け部11a,11bに連結
されている。ビニールチューブ14は管状部13a,1
3bの間に配置され、その略中央部に樹脂製のクリップ
15aが取付けられている。このクリップ15aは所定
のボディパネルに設けた孔部に押し付けることにより弾
性的に変形して嵌入され、これによりクリップ15aが
ボディパネルに係止される。
【0003】このように構成されるワイヤハーネス用グ
ロメットを使用してボディパネル12a,12bの間に
ワイヤハーネス17を配設する場合、ボディパネル12
a,12bのワイヤハーネス引き出し用の開口部から管
状部13a,13b及びビニールチューブ14の中にワ
イヤハーネス17を挿入した後、管状部13a,13b
とビニールチューブ14とを夫々テープ18で固定す
る。その後、クリップ15aを所定のボディパネルに設
けた孔部に係合することにより、ワイヤハーネス用グロ
メットの配置位置を固定する。
【0004】図9は従来のその他のワイヤハーネス用グ
ロメットを示す側面図である。この場合、管状部13c
はその両端が取付け部11a,11bに連結されてい
る。この管状部13cの略中央部にはテーパー形状のク
リップ15bが一体成形されている。このクリップ15
bは所定のボディパネルに設けた孔部に押し付けること
により弾性的に変形して嵌入され、これによりクリップ
15bがボディパネルに係止される。
【0005】このように構成されるワイヤハーネス用グ
ロメットを使用してボディパネル12a,12bの間に
ワイヤハーネス17を配設する場合、ボディパネル12
a,12bのワイヤハーネス引き出し用の開口部から管
状部13cの中にワイヤハーネス17を挿入する。その
後、クリップ15bを所定のボディパネルに設けた孔部
に係合することにより、ワイヤハーネス用グロメットの
配置位置を固定する。
【0006】なお、例えば、ボディパネル12aが自動
車の車両本体の一部であり、ボディパネル12bが車両
本体に取付けられたドアの一部である場合、ワイヤハー
ネス用グロメットが長尺であると、ドアの開閉に伴っ
て、この開閉の支点部近傍においてワイヤハーネス用グ
ロメットが車両本体とドアとの間に挟まれる虞がある
が、クリップ15a又はクリップ15bを使用してワイ
ヤハーネス用グロメットの配置位置を固定することによ
り、上記不都合を回避することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来のワイヤハーネス用グロメットにおいては、以下
に示す問題点がある。即ち、図8に示すワイヤハーネス
用グロメットは、部品数が多いため、各部品を正確に位
置決めしつつ組み立てることが極めて困難である。この
ため、多大な組み立て時間を要すると共に、治具等の器
材が必要になる。
【0008】一方、図9に示すワイヤハーネス用グロメ
ットは、中子を使用した金型で一体成形されるため、特
に長尺であると、成形圧力により金型の中子が変形し、
屈曲する。そうすると、グロメットが偏肉状態になり、
ワイヤハーネスを保護する機能が低下する。このため、
ワイヤハーネス用グロメットの内径を細径化することが
できない。
【0009】また、一体成形で設けたテーパー形状のク
リップ15bは孔部に完全には嵌入しにくい。即ち、図
10及び図11に示すように、ボディパネル12cの孔
部19にクリップ15bを押し込んだ場合、クリップ1
5bはその基端部が変形するため、ボディパネル12c
への係合が不十分になる。これにより、ワイヤハーネス
用グロメットの配置位置を固定することができなくなる
場合がある。
【0010】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであって、組み立て作業が容易であると共に、その内
径を細径化することができるワイヤハーネス用グロメッ
トを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明に係るワイヤハー
ネス用グロメットは、パイプ状をなし内部にワイヤハー
ネスが挿入され互いに連結される複数個の部材を有し、
前記複数個の部材のうち互いに隣り合う部材間におい
て、一方の部材は、他方の部材に連結される側の端部に
設けられた溝を有し、前記他方の部材は、前記一方の部
材に連結される側の端部に設けられ前記溝に嵌入される
突起を有し、前記複数個の部材が連結されたときにその
両端に位置する部材は、前記ワイヤハーネスが取り付け
られる車両のボディパネルに設けられたワイヤハーネス
引き出し用の開口部に取り付けられる取り付け部を有
し、前記溝前記突起嵌入することにより互いに隣り
合う部材間の連結部の位置決めが行われることを特徴と
する。
【0012】
【作用】本発明においては、ワイヤハーネスを収納する
部分が複数個のパイプ状部材で構成されるため、ワイヤ
ハーネス用グロメットの全長が長尺であっても、短尺の
パイプ状部材として個別的に成形することができる。こ
のため、成形時に金型の中子が変形しにくいので、ワイ
ヤハーネス用グロメットの内径を従来に比して細径化す
ることができる。また、ワイヤハーネスを収納する部分
が複数個の部材に分割されているため、ワイヤハーネス
を各部材に挿入する作業が容易である。更に、パイプ状
部材は、互いに隣り合うパイプ状部材間において、一方
の部材の他方の部材に連結される側の端部に溝が設けら
れ、前記他方の部材の前記一方の部材に連結される側
端部に突起が設けられていて、その溝突起嵌入する
ことにより連結部の位置決めが行われるため、複数個の
パイプ状部材を正確な位置に迅速に配置することができ
る。このため、ワイヤハーネス用グロメットの組み立て
作業が容易である。また、組み立て後においては、複数
個のパイプ状部材は相互に嵌合して連結されているた
め、ワイヤハーネス用グロメットの防水性を向上させる
こともできる。
【0013】なお、本発明においては、少なくとも1個
のパイプ状部材には、前記ボディパネルに形成された孔
部に嵌入して係止される係止部と、この係止部の先端に
突設された把手部とを設けることが好ましい。この場
合、把手部を使用して係止部を孔部内に引き込むことが
できるので、前記係止部を前記孔部に確実に係合するこ
とができる。これにより、ワイヤハーネス用グロメット
の配置位置を確実に固定することができる。
【0014】
【実施例】次に、本発明の実施例について添付の図面を
参照して説明する。
【0015】図1は本発明の実施例に係るワイヤハーネ
ス用グロメットを示す側面図、図2はその嵌合部分を抽
出して示す部分拡大平面図、図3はその係止部を抽出し
て示す部分拡大側面図、図4は本発明の実施例に係るワ
イヤハーネス用グロメットの実装状態を示す側面図であ
る。
【0016】取付け部1aは自動車のドア等の可動側ボ
ディパネルのワイヤハーネス引き出し用の開口部に取付
けられる。管状部2aはその一端部が取付け部1aに連
結されている。管状部2aの略中央には屈曲可能の蛇腹
部3が設けられている。管状部2aはその他端部が他の
部分に比して太径になるように段差状に成形されてい
て、この太径部分にはその長さ方向に位置決め用キー溝
4が切り込まれている。中間固定片5はその基端部が括
れその先端部がテーパー形状をなしており、管状部2a
の他端部と蛇腹部3との間に突設されている。この中間
固定片5は所定のボディパネルに設けた孔部に押し付け
ることにより弾性的に変形して嵌入され、これにより中
間固定片5がボディパネルに係止される。中間固定片5
の先端には把手部6が突設されている。
【0017】一方、取付け部1bは自動車の車両本体等
の固定側ボディパネルのワイヤハーネス引き出し用の開
口部に取付けられる。管状部2bはその一端部が取付け
部1bに連結されている。管状部2bの他端部には管状
部2aの位置決め用キー溝4に嵌入する位置決め用キー
7が突設されている。
【0018】このように構成されるワイヤハーネス用グ
ロメットを使用して固定側ボディパネルと可動側ボディ
パネルとの間にワイヤハーネスを配設する場合、ボディ
パネルのワイヤハーネス引き出し用の開口部に1対の取
付け部1a,1bを取付け、このワイヤハーネス引き出
し用の開口部から管状部2a,2bの中にワイヤハーネ
スを挿入した後、位置決め用キー溝4と位置決め用キー
7とを整合させて、管状部2a,2bを相互に嵌合させ
ることにより連結する。その後、蛇腹部3を屈曲させて
中間固定片5を中間固定用のボディパネル8に設けた孔
部に係合することにより、ワイヤハーネス用グロメット
の配置位置を固定する。
【0019】本実施例によれば、ワイヤハーネスを収納
する部分が2個の管状部2a,2bで構成されるため、
ワイヤハーネス用グロメットの全長が長尺であっても、
管状部2a,2bは短尺に成形することができる。この
ため、成形時に金型の中子が変形しにくいので、ワイヤ
ハーネス用グロメットの内径を従来に比して細径化する
ことができる。
【0020】また、ワイヤハーネスを収納する部分が2
個に分割されているため、ワイヤハーネスを管状部2
a,2bに挿入する作業が容易である。更に、管状部2
a,2bの連結部の位置決めは、位置決め用キー溝6を
位置決め用キー7に嵌入することにより行われるので、
管状部2a,2bを正確な位置に迅速に配置することが
できる。このため、ワイヤハーネス用グロメットの組み
立て作業が容易である。
【0021】なお、組み立て後においては、管状部2
a,2bは相互に嵌合して連結されているため、ワイヤ
ハーネス用グロメットの防水性を向上させることができ
る。
【0022】また、管状部2aの中間固定片をボディ
パネル8の孔部に嵌入させる際に、中間固定片の先端
に設けられた把持部6をボディパネル8の裏側から引っ
張ることにより、従来の押し込み方式とは異なって、中
間固定片をボディパネル8に確実に係合することがで
きる。これにより、ワイヤハーネス用グロメットの配置
位置を確実に固定することができ、ワイヤハーネス用グ
ロメットが自動車のドア等に挟まれることを防止でき
る。
【0023】図5乃至7は本発明の実施例に係るワイヤ
ハーネス用グロメットの変形例を示す斜視図である。
【0024】先ず、図5においては、管状部2aはその
他端部が他の部分に比して太径になるように段差状に成
形されていて、位置決め用キー溝4は管状部2aの太径
部分の内面に凹状に形成されている。この場合、管状部
2bを管状部2aに嵌合すると、管状部2aの位置決め
用キー7は管状部2aの他端部を弾性的に押し広げ、管
状部2a,2bが所定の連結位置になると位置決め用キ
ー7が位置決め用キー溝4に嵌入する。次に、図6にお
いては、管状部2aはその他端部が他の部分と同径であ
って、逆に管状部2bはその他端部が他の部分よりも細
径になるように段差状に成形されている。このように、
管状部2a,2bはその連結部の形状が特に限定される
ことはない。
【0025】次に、図7においては、管状部2aと管状
部2bとの間には、樹脂製のジョイント9が連結され
る。このジョイント9は管状をなし、その両端部が他の
部分に比して細径になるように段差状に成形されてい
る。ジョイント9の両端部の細径部分には夫々位置決め
用キー7が設けられている。また、ジョイント9の略中
央部には、クリップ10が一体成形されている。このク
リップ10は所定のボディパネルに設けた孔部に押し付
けることにより弾性的に変形して嵌入され、これにより
クリップ10がボディパネルに係止される。一方、管状
部2a,2bはその他端部の内面に凹状の位置決め用キ
ー溝4が設けられている。 この場合、ワイヤハーネス
を管状部2a,2b及びジョイント9の中に挿入した
後、位置決め用キー溝4及び位置決め用キー7に基づい
てジョイント9の両端部に夫々管状部2a,2bを嵌合
して連結する。このように、ワイヤハーネスを収納する
部分は管状部2a,2b及びジョイント9で構成するこ
とができる。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、ワ
イヤハーネスを収納する部分を複数個のパイプ状部材で
構成するから、ワイヤハーネス用グロメットの全長が長
尺であっても、ワイヤハーネス用グロメットの内径を従
来に比して細径化することができる。また、前記複数個
のパイプ状部材にはその連結部の位置決め用の溝又は突
起を設けたから、ワイヤハーネス用グロメットの組み立
て作業が容易である。
【0027】更に、少なくとも1個のパイプ状部材に係
止部を設け、この係止部の先端に把持部を突設した場
合、この把持部を使用して前記係止部を前記ワイヤハー
ネスが取り付けられる車両のボディパネルに形成された
孔部内に引き込むことができ、ワイヤハーネス用グロメ
ットの配置位置を確実に固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係るワイヤハーネス用グロメ
ットを示す側面図である。
【図2】本発明の実施例に係るワイヤハーネス用グロメ
ットの嵌合部分を抽出して示す部分拡大平面図である。
【図3】本発明の実施例に係るワイヤハーネス用グロメ
ットの係止部を抽出して示す部分拡大側面図である。
【図4】本発明の実施例に係るワイヤハーネス用グロメ
ットの実装状態を示す側面図である。
【図5】本発明の実施例に係るワイヤハーネス用グロメ
ットの変形例を示す斜視図である。
【図6】本発明の実施例に係るワイヤハーネス用グロメ
ットの変形例を示す斜視図である。
【図7】本発明の実施例に係るワイヤハーネス用グロメ
ットの変形例を示す斜視図である。
【図8】従来のワイヤハーネス用グロメットを示す側面
図である。
【図9】従来のワイヤハーネス用グロメットを示す側面
図である。
【図10】図9のワイヤハーネス用グロメットのクリッ
プを抽出して示す側面図である。
【図11】図9のワイヤハーネス用グロメットのクリッ
プの係合状態を示す側面図である。
【符号の説明】
1a,1b,11a,11b;取付け部 2a,2b,13a,13b;管状部 3;蛇腹部 4;位置決め用キー溝 5;中間固定片 6;把手部 7;位置決め用キー 8;中間固定用のボディパネル 9;ジョイント 10,15a,15b;クリップ 12a,12b,12c;ボディパネル 14;ビニールチューブ 17;ワイヤハーネス 18;テープ 19;孔部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01B 17/58 B60R 16/02 H02G 3/22

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パイプ状をなし内部にワイヤハーネスが
    挿入され互いに連結される複数個の部材を有し、前記複
    数個の部材のうち互いに隣り合う部材間において、一方
    の部材は、他方の部材に連結される側の端部に設けられ
    た溝を有し、前記他方の部材は、前記一方の部材に連結
    される側の端部に設けられ前記溝に嵌入される突起を有
    し、前記複数個の部材が連結されたときにその両端に位
    置する部材は、前記ワイヤハーネスが取り付けられる車
    両のボディパネルに設けられたワイヤハーネス引き出し
    用の開口部に取り付けられる取り付け部を有し、前記溝
    前記突起嵌入することにより互いに隣り合う部材間
    連結部の位置決めが行われることを特徴とするワイヤ
    ハーネス用グロメット。
  2. 【請求項2】 少なくとも1個の前記部材には、前記ボ
    ディパネルに形成された孔部に嵌入して係止される係止
    部と、この係止部の先端に突設された把手部とが設けら
    れていることを特徴とする請求項1に記載のワイヤハー
    ネス用グロメット。
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