JP3223490B2 - 半導体集積回路製造方法 - Google Patents

半導体集積回路製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【目次】以下の順序で本発明を説明する。 産業上の利用分野 従来の技術(図7) 発明が解決しようとする課題 課題を解決するための手段(図1) 作用 実施例(図1〜図6) (1)第1の実施例(図1及び図2) (2)第2の実施例(図3) (3)第3の実施例(図4) (4)第4の実施例(図5) (5)他の実施例(図6) 発明の効果
【0002】
【産業上の利用分野】本発明は半導体集積回路製造方法
に関し、特にウエハ処理工程における半導体集積回路の
製造方法に適用して好適なものである。
【0003】
【従来の技術】従来、半導体デバイスを製造する場合、
各半導体デバイスに相当する集積回路1を1枚の基板2
上に複数並べて形成し、パターンの形成後、チツプ状に
ダイシングするのが一般的である。これら各集積回路1
はダイシングのための隙間(図7において破線で示す)
を挟んで個々独立に形成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところがこの種の基板
では一旦静電気のチヤージアツプが発生すると、基板上
に電位差ができ易く基板上に形成されている素子を静電
気破壊するおそれがあつた。特に液晶デイスプレイ(L
CD:liquid crystal display)やライセンサのように
薄膜素子が基板上に形成される透明絶縁基板は静電気の
チヤージアツプが生じ易いため問題となつている。
【0005】本発明は以上の点を考慮してなされたもの
で、静電気破壊による歩留まりの低下や信頼性の低下の
おそれのない半導体集積回路製造方法を提案しようとす
るものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
め本発明においては、透明絶縁基板からなる同一基板上
に形成される複数の半導体集積回路11、15のうち、
隣接する半導体集積回路11、15同士を導電性部材1
4A〜14C、17を介して互いに接続し、各半導体集
積回路11、15の外周に、それぞれ環状の導電性配線
パターン13Aを、隣接する他の導電性配線パターン1
3Aと導電性部材14A〜14C、17を介して1箇所
以上で接続するように形成し、各半導体集積回路11、
15における、外部との接続用に設けられた1又は複数
の端子のうち少なくとも1以上の端子を、隣接する導電
性配線パターン13Aと導電性部材14A〜14C、1
7を介して1箇所以上で接続するようにした。
【0007】
【作用】透明絶縁基板からなる同一基板上で、隣接する
半導体集積回路11、15同士、隣接する他の導電性配
線パターン13A同士、各半導体集積回路11、15と
隣接する他の導電性配線パターン13Aとのうち、少な
くとも1箇所以上をそれぞれ導電性部材14A〜14
C、17を介して互いに接続するようにしたことによ
り、静電気のチヤージアツプが生じ易い透明絶縁基板で
あつても、当該基板内に電位差が起き難くすることがで
きる。この結果、半導体集積回路11、15を構成する
素子の静電気破壊や集積回路間の特性の差異を防止する
ことができる。
【0008】
【実施例】以下図面について、本発明の一実施例を詳述
する。
【0009】(1)第1の実施例 図1において11はシリコン基板12上に形成された複
数の集積回路のうちの1つを示し、それぞれ薄膜トラン
ジスタを回路素子として形成されている。各集積回路1
1の外周には導電性材料で形成されたガードリング13
Aが周囲を取り囲むように形成されている。
【0010】ガードリング13Aは一定線幅(例えば1
〔mm〕)に加工されたアルミニウム配線パターンでな
り、集積回路11の外周に対して一定距離隔てて形成さ
れている(図2)。このガードリング13Aにより集積
回路11の周囲は等電位差に維持される。
【0011】また隣接する各ガードリング13Aは各辺
の中央付近に設けられたくさび状パターン14Aの先端
同士で接続されており、このくさび状パターン14Aに
よつてシリコン基板12上の全てのガードリング13A
が互いに接続されている。これによりチヤージアツプが
生じた場合にもシリコン基板12上に形成された集積回
路11間で電位差が発生しないようになされている。
【0012】またくさび状パターン14Aは約100
〔Ω〕の抵抗として機能するように抵抗値が設定されて
いる。これはくさび状パターン14Aをヒユーズとして
用いるためでチヤージアツプしたシリコン基板12が接
地して過電流が流れる場合にはガードリング13A間の
接続を断ち切つて静電ダメージの進行を最小限にくい止
めるようになされている。
【0013】以上の構成において、ガードリング13A
及びくさび状パターン14Aの果たす機能をチヤージア
ツプが生じた場合と、チヤージアツプされたシリコン基
板12の一端が接地し、過電流が流れた場合に分けて説
明する。まずチヤージアツプが生じてた場合、電荷はガ
ードリング13A及びくさび状パターン14Aを介して
基板全面に分散されるため、基板上の電位を全て同電位
にすることができる。
【0014】これによりシリコン基板12上に形成され
ている集積回路11の電位は形成されている場所によら
ず同じになり、集積回路間での特性差をなくすことがで
きる。また従来では特定の集積回路に静電破壊が生じた
であろう程度の電荷が蓄積された場合にも、シリコン基
板12にチヤージされた電荷は基板全体に分散されて集
積回路1つ当たりに加わる電位差が低減されるため、静
電気破壊に対する耐性を向上させることができる。また
素子の劣化も防止できる。
【0015】一方、チヤージアツプされたシリコン基板
12の一端が接地して過電流が流れる場合、従来では過
電流が流れる経路に位置する全ての集積回路が破壊され
ていたのに対し、この実施例の場合には、くさび状パタ
ーン14Aが切れて過電流の流れを遮断するため、ダメ
ージが生じても被害を最小限にくい止めることができ、
隣接する集積回路11に静電ダメージが波及するおそれ
を有効に回避することができる。
【0016】以上の構成によれば、シリコン基板12上
の全ての集積回路11の周囲を導電部材であるガードリ
ング13Aで取り囲み、かつ各ガードリング13Aをく
さび状パターン14Aによつて互いに接続したことによ
り、チヤージアツプに対する耐性を向上することがで
き、また過電流による静電ダメージも最小限にくい止め
ることができる。
【0017】(2)第2の実施例 この実施例では多結晶シリコンでなる蛇行パターン14
Bによつて各ガードリング13A間を接続する(図
3)。この多結晶シリコンは350〔nm〕の膜厚を有
し、かつ30〔Ω/□〕の抵抗値に形成されている。こ
の例ではパターンを蛇行させることによりパターン長を
長くし、200〔Ω〕の抵抗値を実現している。このよ
うに構成しても、チヤージアツプに対する耐性を向上す
ることができ、また過電流による静電ダメージも最小限
にくい止めることができる。
【0018】(3)第3の実施例 この実施例ではガードリング13Aの内周にさらに環状
のガードリング13Bを配置する。ここで内周側のガー
ドリング13Bは外周側のガードリング13Aとは接続
されておらず、分離独立に形成されている(図4)。
【0019】この場合にも先の2つの実施例と同様の効
果を得ることができるが、これに加えて次のような効果
が得られる。すなわち外周側のガードリング13Aの電
位と集積回路11間と電位差が大きくなつた場合の効果
である。この場合、ガードリング13Aから内部の集積
回路11に向けて過電流が流れるおそれがあるが、過電
流は内周側に配置されたガードリング13Bによつて吸
収され、過電流が内部の集積回路11を破壊するおそれ
を回避することができる。
【0020】(4)第4の実施例 この実施例の場合、液晶デイスプレイデバイス15がガ
ードリング13Aによつて囲まれているものとする(図
5)。このガードリング13Aのうち左右方向はくさび
状パターン14Aによつて互いに接続されており、左右
方向に並ぶ全てのガードリング間で電荷を分散させるよ
うになされている。
【0021】一方、ガードリング13Aのうち上下方向
は、他の実施例と異なり、外部接続電極16とガードリ
ング13A間の接続になつている。図5の場合、上下方
向に並んで配置された2つの液晶デイスプレイデバイス
のうち下側に位置する液晶デイスプレイデバイスの複数
の外部接続電極16のそれぞれが接続パターン17を介
して上側に配置された液晶デイスプレイデバイスを取り
囲むガードリング13Aに接続されている。
【0022】これにより液晶デイスプレイデバイス15
の内部電位をガードリング13Aの電位と同電位にする
ことができる。この結果、チヤージアツプ量が大きくな
つてもガードリング13Aから液晶デイスプレイデバイ
スに向けて過電流が流れるおそれをなくすことができ
る。
【0023】(5)他の実施例 なお上述の実施例においては、隣接するガードリング1
3A間を図2に示すくさび状パターン14Aによつて互
いに接続する場合について述べたが、本発明はこれに限
らず、他の形状のパターンによつて接続しても良い。例
えば長方形形状の接続パターン14Cで接続しても良
く、また図3に示すような蛇行パターン14Bによつて
接続しても良い。
【0024】また上述の実施例においては、隣接するガ
ードリング13A間をそれぞれ1箇所で接続する場合に
ついて述べたが、本発明はこれに限らず、2箇所以上で
接続しても良い(図6)。
【0025】さらに上述の実施例においては、上下左右
に隣接するガードリング13A間をそれぞれ1箇所で接
続する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、
上下方向に隣接するガードリング13A間のみをそれぞ
れ1箇所で接続しても良く、又は左右方向に隣接するガ
ードリング13A間のみを1箇所で接続しても良い。ま
た上下方向の接続と左右方向の接続を組み合わせても良
い。
【0026】さらに上述の実施例においては、ガードリ
ング13Aを環状に形成する場合について述べたが、本
発明はこれに限らず、集積回路11の周囲をほとんど取
り囲んでいればパターンの一部が断線していても良い。
【0027】さらに上述の実施例においては、ガードリ
ング13Aを1〔mm〕の線幅に加工されたアルミニウム
によつて形成する場合について述べたが、本発明はこれ
に限らず、線幅はこれより広くとも狭くとも良く、また
アルミニウム以外の導電部材によつて形成しても良い。
【0028】さらに上述の実施例においては、くさび状
パターン14Aの1本当たりの抵抗値を約100〔Ω〕
とし、蛇行パターン14Bの1本当たりの抵抗値を20
0〔Ω〕とする場合について述べたが、本発明はこれに
限らず、それぞれ1本当たり100〔Ω〕以上に形成す
れば良い。
【0029】さらに上述の実施例においては、蛇行パタ
ーン14Bを350〔nm〕の膜厚を有し、かつ30〔Ω
/□〕の抵抗値を有する多結晶シリコンによつて形成す
る場合について述べたが、本発明はこれに限らず、膜厚
条件や単位面積当たりの抵抗値は他の値でも良い。
【0030】さらに上述の実施例においては、隣接する
ガードリング13A間を導電パターンによつて接続し、
又はガードリング13Aと液晶デイスプレイデバイス1
5の外部接続電極16間を導電パターンによつて互いに
接続する場合について述べたが、本発明はこれに限ら
ず、各集積回路に設けられている外部端子のうちの1つ
を共通に接続しても良い。例えばシリコン基板12上に
形成された全ての集積回路のグランド端子を共通に接続
しても良い。
【0031】さらに上述の実施例においては、くさび状
パターン14Aをアルミニウムによつて形成し、また蛇
行パターン14Bを多結晶シリコンによつて形成する場
合について述べたが、本発明はこれに限らず、それぞれ
を他の導電性材料で形成しても良い。例えばくさび状パ
ターン14Aを多結晶シリコンで形成しても良く、また
蛇行パターン14Bをアルミニウムによつて形成しても
良い。またアルミニウム以外の金属を用いても良い。
【0032】さらに上述の実施例においては、丸型の基
板について述べたが、本発明はこれに限らず、角型の基
板の場合にも適用し得る。
【0033】さらに上述の実施例においては、シリコン
基板12上に薄膜トランジスタによつて形成される集積
回路11を形成する場合について述べたが、本発明はこ
れに限らず、ホウケイ酸ガラスや石英等の透明絶縁基板
上に形成しても良く、また他の半導体基板上に形成して
も良い。
【0034】さらに上述の実施例においては、集積回路
を薄膜トランジスタによつて形成する場合について述べ
たが、本発明はこれに限らず、薄膜トランジスタ以外の
能動素子や受動素子によつて形成する場合に広く適用し
得る。
【0035】さらに上述の実施例においては、集積回路
として液晶デイスプレイデバイスを形成する場合につい
て述べたが、本発明はこれに限らず、ラインセンサ等、
各種のデバイスを形成する場合に広く適用し得る。
【0036】さらに上述の実施例においては、基板上に
多数の集積回路を形成する場合について述べたが、本発
明はこれに限らず、少なくとも2つ以上の半導体集積回
路を形成する場合に広く適用し得る。
【0037】
【発明の効果】上述のように本発明によれば、透明絶縁
基板からなる同一基板上で、隣接する半導体集積回路同
士、隣接する他の導電性配線パターン同士、各半導体集
積回路と隣接する他の導電性配線パターンとのうち、少
なくとも1箇所以上をそれぞれ導電性部材を介して互い
に接続するようにしたことにより、静電気のチヤージア
ツプが生じ易い透明絶縁基板であつても、当該基板内に
電位差が起き難い半導体集積回路製造方法を容易に実現
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による半導体集積回路製造方法の一実施
例を示す略線的平面図である。
【図2】ガードリング間の接続の説明に供する部分拡大
図である。
【図3】他の実施例の説明に供する部分拡大図である。
【図4】他の実施例の説明に供する略線的平面図であ
る。
【図5】他の実施例の説明に供する略線的平面図であ
る。
【図6】他の実施例の説明に供する部分拡大図である。
【図7】ウエハ上に並ぶ半導体集積回路の配置例を示す
略線的平面図である。
【符号の説明】
1、11……集積回路、2……基板、12……シリコン
基板、13A、13B……ガードリング、14A……く
さび状パターン、14B……蛇行パターン、14C、1
7……接続パターン、15……液晶デイスプレイデバイ
ス、16……外部接続電極。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 27/04 H01L 21/301 H01L 21/822 H01L 23/60

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透明絶縁基板からなる同一基板上に形成さ
    れる複数の半導体集積回路のうち、隣接する上記半導体
    集積回路同士を導電性部材を介して互いに接続し、 各上記半導体集積回路の外周に、それぞれ環状の導電性
    配線パターンを、隣接する他の上記導電性配線パターン
    と上記導電性部材を介して1箇所以上で接続するように
    形成し、 各上記半導体集積回路における、外部との接続用に設け
    られた1又は複数の端子のうち少なくとも1以上の端子
    を、隣接する上記導電性配線パターンと上記導電性部材
    を介して1箇所以上で接続することを特徴とする請求項
    1に記載の半導体集積回路製造方法。
  2. 【請求項2】 上記導電性部材は1本当たり100〔Ω〕
    以上の抵抗値を有する ことを特徴とする請求項1に記載
    の半導体集積回路製造方法。
  3. 【請求項3】 上記導電性部材は少なくとも1部が多結晶
    シリコンによつて形成される ことを特徴とする請求項1
    に記載の半導体集積回路製造方法。
  4. 【請求項4】 上記導電性部材は少なくとも1部が金属材
    料によつて形成される ことを特徴とする請求項1に記載
    の半導体集積回路製造方法。
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