JP3220541B2 - 給紙装置及び画像形成装置 - Google Patents

給紙装置及び画像形成装置

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JP3220541B2
JP3220541B2 JP36120592A JP36120592A JP3220541B2 JP 3220541 B2 JP3220541 B2 JP 3220541B2 JP 36120592 A JP36120592 A JP 36120592A JP 36120592 A JP36120592 A JP 36120592A JP 3220541 B2 JP3220541 B2 JP 3220541B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】0本発明は、エア吸着によるシー
トの給紙を行う給紙装置及び画像形成装置に係り、詳し
くは複数のシートが吸着された際に該シートを分離する
ための分離手段に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真複写機等の画像形成装置
における給紙装置は、給紙ローラの回転によってシート
トレイ上に積載されたシートを下流側に搬送する、ロー
ラ給紙装置が一般的である。このローラ給紙装置は、ロ
ーラ表面がゴム等のの弾性体で構成され、且つ、その性
能はローラ表面の摩擦係数に大きく依存する。従って、
摩耗によるローラの外形変化、ローラの材質の経時変
化、紙粉の付着等によるローラ表面の摩擦係数の変化に
より給紙性能が安定しなかったり、各種の表面状態の異
なるシートに対応しきれないという問題があった。
【0003】このような問題に対し、エアの吸引力を利
用してシートを吸着、搬送する給紙装置が提案されてい
る。図14は、従来提案されている代表的な給紙装置の
側面図を示し、シートSを積載したシートトレイ101
の上方には、シート搬送部100が配置されている。シ
ート搬送部100は、シート吸引部102と複数の吸引
孔103aとを有する搬送ベルト103及び吸引孔10
3aとシート吸引部102を通してエアを吸引するブロ
ワ104とにより構成されている。また、シートSの先
端近傍には、シートSを浮上させるためにエアを噴出さ
せるノズル105及びエアを吹き付けてシートSを分離
するためのノズル106が配置されている。これらのノ
ズル105、106はブロワ107に連結されて、エア
が供給されている。
【0004】この給紙装置は以下のように作動する。ま
ず、ブロワ107により、エアをノズル105から噴出
させ、シートトレイ101上のシートSを複数浮上させ
る。そして、吸引ブロワ104により、最上位のシート
Sを搬送ベルト103に吸着させる。次に搬送ベルトを
駆動し、シートSを下流側(図14において左側)に搬
送する。このとき、ブロワ107によりノズル106か
らシートSの先端にエアが吹き付けられ、重送してきた
シートSを分離し、吹き戻す。これにより、1枚のシー
トSのみを搬送ローラ対108に給紙することが可能と
なる。
【0005】また、上記の給紙装置を備えた画像形成装
置の例を図15に示す。給紙装置により給紙されたシー
トSは、搬送ローラ対108、レジストローラ201に
より搬送されて画像形成部202に至り、所定のトナー
像を得る。その後、シートSは搬送部203により定着
装置204に搬送され、この定着装置204でトナー像
が定着される。トナー像が定着したシートSは、排紙ロ
ーラ対205により機外へ排出されて一連の画像形成動
が終了する。なお、レジストローラ201の直前、搬送
部203の入口近傍、及び、排紙ローラ対205の直前
には、それぞれジャム検知センサ50,51,52が配
置され、シートSの遅延、滞留を検知することによりシ
ートSづまり(ジャム)を検知している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た給紙装置においては、搬送すべき最上位のシートSと
分離すべき下位のシートSの間にエアを吹き付けること
が必要条件とされている。このことを図16によって詳
細に説明する。図16(a) に示すように、最上位のシー
トS1と下位のシートS2の間にエアが吹き込まれる
と、この部分は正圧となり、下位のシートS2には分離
を補助するような下向きの力が発生する。また、最上位
のシートS1には搬送ベルト103に対する吸着を助け
るような上向きの力が発生する。
【0007】このように、搬送すべき最上位のシートS
1と分離すべき下位のシートS2との先端に、少しでも
隙間があればそこからエアが入り込んで最上位のシート
S1と下位のシートS2とを分離することが可能とな
る。しかし、シートS間の繊維の絡み付きや、シートS
の裁断不良等によるバリ等により、最上位のシートS1
と下位のシートS2の先端が密着している場合には、図
16(b) に示すように、最上位のシートS1と下位のシ
ートS2との間にエアが入り込まず、下位のシートS2
の下側が正圧の状態になる。この場合、下位のシートS
2の下側からエアが吹き上げるような形になり、最上位
のシートS1と下位のシートS2との密着を助ける力が
働いてしまう。従って、先端が完全に密着したシートS
に対しては重送を充分に防止できないという欠点があっ
た。
【0008】特に、シートSが薄い場合、最上位のシー
トS1の吸着と同時に下位のシートS2がエアの吸引に
より吸着されてしまう問題があった。また、重送を防止
しようとしてノズル106からのエア噴出を強くすれ
ば、搬送すべき最上位のシートSまで拭き戻してしまう
問題が発生してしまう。このため、上述した画像形成装
置においては、シートSの搬送不良の原因となってい
た。そこで、搬送不良が生じた場合には、ジャム検知セ
ンサ50,51,52がシートSの遅延、滞留を検知し
てジャムと判断し、画像形成装置本体の損傷を防ぐた
め、画像形成装置の作動を即座に停止させ、ジャムした
シートSや画像形成装置本体に残っているシートSを取
り除くことが行われている。
【0009】しかし、従来のジャム処理では、給紙直後
のシートS、例えば図14のaの位置で停止したシート
Sは、所定の位置にないため、シートS自体は損傷して
いないにもかかわらず、ジャム処理としてシートSを取
り除かなければならなかった。従って、不必要なジャム
処理動作をしなければならないだけでなく、まだ使用可
能なシートSもジャム処理済紙として捨てなければなら
ない問題があった。
【0010】そこで、本発明は、エアによる分離動作を
確実にする共に不必要なジャム処理を無くし、使用可能
なシートを無駄にすることがない給紙装置及画像形成装
置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述事情に鑑
みてなされたものであって、複数のシートを積載可能な
シート積載手段と、前記シート積載手段に積載されてい
るシートのシート面に対向して配置され、エアの吸引力
によりシートを吸着するための第1のシート吸着手段
と、前記シート面のシート搬送方向における先端側に対
向して配置され、エアの吸引によりシートの先端側を吸
着するための第2のシート吸着手段と、前記第1のシー
ト吸着手段及び前記第2のシート吸着手段に吸着された
シートを搬送する搬送手段と、前記第1のシート吸着手
段及び前記第2のシート吸着手段に吸着された複数のシ
ートを分離するために該シートの先端にエアを吹きつけ
るための分離エア吹きつけ手段と、を備え、前記第1の
シート吸着手段の吸着面は前記シート面に対し略平行に
配置し、前記第2のシート吸着手段の吸着面は前記シー
ト面に対して傾斜させて設け、該第2のシート吸着手段
の吸着面の傾斜角度を変更可能とし、前記第2のシート
吸着手段に、該第2のシート吸着手段の吸着面と共に動
くべく前記分離エア吹きつけ手段のエアの吹き出し口を
連結して、該吹き出し口から、前記第2のシート吸着手
段の吸着面に対し常に一定の角度でシート先端部にエア
を吹きつけることを特徴とする。
【0012】
【0013】
【0014】また、前記搬送手段は、前記各シート吸着
手段の吸着面を覆って巻つけられた回転可能な搬送ベル
トを有し、該画搬送ベルトには複数の吸引孔が設けられ
ていて、前記各シート吸着手段がエアを吸引した際に、
前記吸引孔を通してシートを吸着搬送することを特徴と
する。
【0015】また、前記シート積載手段に積載されたシ
ートを前記シート吸着手段側に浮上させるために記載さ
れているシート束の線端部にエアを吹きつけるための
エア吹きつけ手段を具備したことを特徴とする。
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【作用】以上構成に基づき、複数シートが吸着された場
合に、第2のシート吸着手段の吸着面が第1のシート
着手段の吸着面に対して傾いていることで吸着されたシ
ートが曲げられ、これによりシートの先端を捌くこと
ができ、さらに、分離給送するシートの腰の強さに応じ
て第2のシート吸着手段の傾斜角度を変更することによ
りシートの先端側をより確実に捌くことができる。
【0022】さらに、第2のシート吸着手段の吸着面
傾斜角度を変更しても分離エア吹きつけ手段から吐出
するエアが常にシートの先端部をブローすることがで
き、確実にエアを複数のシート間に入れることができる
ため、シートの分離をより一層確実にする。
【0023】
【0024】
【0025】
【実施例】<実施例1> 本発明の実施例1を図面に沿って説明する。図1はエア
給紙装置の断面構成図を示し、エア給紙装置は、複複数
のシートSを積載可能なシートトレイ1(シート積載手
段)、シート搬送部3(吸着搬送手段)及びブロワ21
分離エア吹きつけ手段、浮上エア吹きつけ手段)を有
している。シートSは、その先端がシートS揃えガイド
板2に突き当てられるように積載されている。シート搬
送部3は、第1のシート吸引部4(第1のシート吸着手
段)及び第2のシート吸引部8(第2のシート吸着手
段)からなっている。そして、第1のシート吸引部4
は、シートトレイ1に積載されたシートSの束に対向し
た第1の略平面状底面5(吸着面)を持つエア吸引用開
口6及び第1の吸引チャンバ7を有している。また、第
2の吸引部は、第1の略平面状底面5に対してシートS
搬送方向下流側に配置され、所定の角度θ(以後分離角
度θと称す)をなして第1の略平面状底面5の上方(図
1において上側)に傾いた第2の略平面状底面9(吸着
面)を持つエア吸引用開口10及び第2の吸引チャンバ
11を有している。なお、第1の吸引チャンバ7と第2
の吸引チャンバ11とは、伸縮可能なフレキシブルダク
ト29により接続され、そしてこれらは、エア吸引用の
ブロワ12に接続されている。ブロワ12の吸引は、バ
ルブ13によりon/off可能となっている。
【0026】また、第1のシート吸引部4と第2のシー
ト吸引部8との表面を覆うようにして、複数の吸引孔1
4aを備えた搬送ベルト14が掛け渡されている。な
お、搬送ベルト14は、ローラ15,16,17,18
により所定の張力で支持されており、駆動手段(不図
示)により矢印A方向に断続的に駆動されてシートSが
搬送される。先のローラ15は、第1の略平面状底面5
と第2の略平面状底面9との交わる位置に配置され、シ
ートSが下向きに凸となるように支持するための変位支
点部15aとして機能している。また、ローラ17はバ
ネ24により搬送ベルト14のテンショナーとしての機
能も有している。そして、シートSを浮上させるために
エアを噴出する第1のノズル19(浮上エア吹きつけ手
)及びシートSを1枚だけ分離するためにエアを噴出
する第2のノズル20(分離エア吹きつけ手段、吹き出
し口)がシートSの先端部に設けられている。第1、第
2のノズル19,20はエア噴出用のブロワ21に接続
され、エア噴出は、バルブ22により選択的に切り換え
可能となっている。23は搬送されてきたシートSを更
に下流側に搬送する搬送ローラ対23である。
【0027】ところで、先述した分離角度θを固定して
分離・給紙動作を行うと、第1のシート吸引部4と第2
のシート吸引部8との吸引力を弱く設定された場合に
は、コシが弱いシートSを給送すると完全に搬送ベルト
14に吸着し良好に分離可能となるが、シートSのコシ
が強い場合には、完全に搬送ベルト14に吸着しないこ
とがあり、このため変位支点部15aを支点として最上
位のシートS1が下向きに凸とならず分離の安定性を阻
害する(図2参照)ことがある。また、第1のシート吸
引部4と第2のシート吸引部8との吸引力を強く設定さ
れた場合には、コシが強いシートSを給送すると、最上
位のシートS1だけ完全に搬送ベルト14に吸着して良
好に分離出来るが、コシが弱いシートSを給送すると、
最上位のシートS1は完全に搬送ベルト14に吸着し、
且つ、下位のシートS2も吸引されてしまい(図3参
照)、シートSの重送状態が生じてしまう。また、吸引
力を強く設定した時には、吸引力を発生させるブロワ1
2の騒音が増大する問題がある。
【0028】このような、問題を防止するために、本実
施例1では分離角度θをシートSのコシに応じて可変可
能にした。図1において、25はローラ15,16を回
動自在に支持する角度調整軸支持板で、ローラ15の軸
中心を支点として回動自在になり、この角度調節支持板
25には角度調整アーム26が回動自在に取り付けられ
ている。そして、角度調整アーム26の他端にはストッ
パー軸27が設けられて、該ストッパー軸27がストッ
パ28の溝部28A,28Bに係止できる様になってい
る。これらは、事前に送るべきシートSのコシの強さに
応じて分離角度θを次の二つの条件を満たす角度に設定
するためのものである。第1の条件は、最上位のシート
S1だけが第2のシート吸引部8に完全に吸着されると
いうことであり、第2の条件は、下位のシートS2が最
上位のシートS1と同時に吸着されて変位支点部15a
を支点として下向きに凸となろうとする力よりも、下位
のシートS2のコシにより平面状を維持しようとする力
のほうが大きいということである。
【0029】次に、シートSのコシが強い場合の、上記
のエア給紙装置の作動を図1を用いて説明する。シート
Sのコシが強い場合、分離角度θが大きいと最上位のシ
ートS1が安定して第2のシート吸引部8に吸着されな
いので、分離角度θを小さく設定する。この場合、スト
ッパー軸27をストッパー28の溝部28Aの位置に切
り換える。この後、ソレノイド等の切り換え手段(不図
示)によりバルブ22がaの位置に切り換えられてブロ
ワ21が作動し、第1のノズル19からシートS先端に
向けてエアが噴出する。すると、複数のシートSが吹き
上げられて浮上する。そして、ソレノイド等の切り換え
手段(不図示)によりバルブ13がcの位置に切り換え
られ、ブロワ12が作動してエア吸引用開口6、10及
び吸引孔14aを通してエアを吸引する。すると、最上
位のシートS1は、第1、第2のシート吸引部4,8に
吸引され、搬送ベルト14に密着する。詳しくは、図1
に示すように、シートS1の中央部付近は第1のシート
吸引部4に吸着され、シートS1の先端付近は第2のシ
ート吸引部8に吸着される。このとき、前もって分離角
度θを前記の角度に設定しているので、シートS1はシ
ートS1のコシに抗して変位支点部15aを支点にして
屈曲し、シートS1の先端部及び中央部が搬送ベルト1
4に密着するようになる。つまり、シートS1は、略平
面状底面5、9にならい、変位支点部15aを支点とし
た下側の凸の『く』の字状になる。このとき、下位のシ
ートS2がシートS1と密着していたとする。この場
合、事前に分離角度θを前記の分離角度θに設定してい
るので、下位のシートS2は変位支点部材15aを支点
にして屈曲せずに平面状を維持し、シートSの先端は分
離し、シートS間に隙間ができる。その後、駆動手段に
より搬送ベルト14は駆動され、最上位のシートS1は
矢印A方向に搬送され、同時にバルブ22がbの位置に
切り換わることで、第2のノズル20からシートS1と
シートS2の隙間eにエアが吹き込まれ、シートS2は
安定して分離する様になる。従って、シートS1のみが
下流に向けて搬送され、搬送ローラ対23に渡される。
【0030】次に、シートSのコシが弱い場合の設定を
図4に示す。シートSのコシが弱い場合、分離角度θが
小さいと最上位のシートS1が吸着されたとき、下位の
シートS2も同時に吸着されやすいため分離角度θを大
きく設定する。この場合は、ストッパー軸27を溝部2
8Bに掛けられる。
【0031】本実施例1では、分離角度θは2段階に変
化できるようにして説明しているが、本発明はこれだけ
に限ったものでなく、何段階に変化しても、無段階に変
化しても良い。分離角度θの範囲についても0°を含め
どのような角度であってもよいことは明確である。 <実施例2>本発明の実施例2を図面に沿って説明す
る。なお、本実施例2で説明するエア給紙装置の構成に
おいて、実施例1と共通する部分は同一符号を付して説
明を省略する。
【0032】先に説明した実施例1では、第1のシート
吸引部4及び第2のシート吸引部8が吸引を開始してか
ら、搬送ベルト14の駆動が開始されるまでの時間が通
常一定である。しかし、第2のシート吸引部8とシート
トレイ1に積載されているシートSの最上面とが離間し
ているため、シートSの種類(厚・薄等)や環境等の条
件により、第2のシート吸引部8が吸引を開始してから
シートSが第2のシート吸引部8に吸着されるまでの時
間が変化してしまう。従って、シートSが第2のシート
吸引部8に吸着される前に搬送ベルト14の駆動が開始
されることにより、給紙不良を引き起こす場合があっ
た。もしくは、第2のシート吸引部8の吸引が開始して
から搬送ベルト14の駆動を開始するまでの時間を充分
長くして、確実にシートSが第2の吸引部8に吸着させ
ようとすると、給紙間隔が長くなり、単位時間あたりの
給紙枚数が減少してしまうことになる。そこで、図5に
示す様に、第2のシート吸引部8に、軸30により揺動
可能に軸支されるフラッグ31、フォトセンサ32及び
ストッパ33とからなるシート検知部35(検知手段)
を設け、シートSが第2のシート吸引部8に吸着された
か否を検知可能にした。
【0033】図6は本実施例2におけるエア給紙装置の
制御ブロック図を示しており、シート検知部35の検知
信号が制御手段36に入力され、そして制御手段36は
搬送ベルト駆動手段37、バルブ切り換え手段38を制
御する。
【0034】第2のシート吸引部に吸着されたシートS
がフラッグ31を揺動してfの状態にし、これによりシ
ートSの吸着をフォトセンサ32が検知する。フォトセ
ンサ32から出力された検知信号が制御手段36に入力
されて搬送ベルト駆動手段37により搬送ベルト14が
駆動され、シートS1は矢印A方向に搬送される。それ
と同時に、バルブ切換手段38によりバルブ22がbの
位置に切り換わり、第2のノズル20からシートS1と
シートS2との隙間eにエアが吹き込まれ、シートS2
は安定して分離される様になる。従って、シートS1の
みが下流に向けて搬送され、搬送ローラ対23に渡され
る。
【0035】本実施例2においては搬送ベルト14の駆
動開始のタイミングは、シート検知部35がシートSを
検知したタイミングであるが、本発明はこれに限定され
るものではない。例えば、バルブ13がcの状態に切り
換わった時をt=0、シート検知部24がシートSを検
知するまでの経過時間をt=T2 、バルブ13がcの状
態に切り換わった時からの任意の時間をt=T1 とする
と、T2 <T1 の時はt=T1 で搬送ベルト14の駆動
を開始し、T2 >T1 のときはt=T2 で搬送ベルト1
4の駆動を開始するようにしてもよい。これにより、T
1 をある程度大きめに設定すれば、通常のシートSの給
紙動作では時刻t=T1 で搬送ベルト14の駆動が開始
し、突発的にシートSが第2のシート吸引部8に吸着さ
れるのが遅れたときのみ時刻t=T2 で搬送ベルト14
の駆動が開始されるので、安定した給紙動作を得ること
が可能となる。
【0036】なお、本実施例2では、分離角度θを一定
の場合に付いて説明しているが、この構造に限定される
ものではない。 〈実施例3〉本発明の実施例3を図面に沿って説明す
る。なお、本実施例3で説明するエア給紙装置の構成に
おいて、実施例2と共通する部分は同一符号を付して説
明を省略する。本実施例3では、図7に示すように制御
手段36が制御するものとして先述したバルブ切換手段
38、搬送ベルト駆動手段37の他にブロワ12の出力
を調整するブロワ出力調整手段39を設ける。そして、
バルブ13がcの状態に切り換わった時をt=0、シー
ト検知部24がシートSを検知するまでの経過時間をt
=T2 、バルブ13がcの状態に切り換わった時からの
任意の時間をt=T1 とすると、T2 >T1 の場合、制
御手段36によりブロワ12の出力を高めて第2のシー
ト吸引部8の吸着力を高めるようにする。つまり、第2
のシート吸引部8に吸着し難いシートSも確実、且つ、
迅速に吸着できるようになる。その後、先述した実施例
2と同様にして、搬送ベルト駆動手段37により搬送ベ
ルト14が駆動されて給紙動作が開始する。
【0037】また、ブロワ12の代わりにブロワ21に
出力調整手段を設け、第1のノズル19の吹き付け力を
増大させて、シートSを第2のシート吸引部8に吸着さ
せるようにしてもよい。更に、当然のことながら、ブロ
ワの出力調整のかわりに、切り換え弁等により、それぞ
れの吸着力及び吹き付け力を調整してもよい。
【0038】なお、本実施例2では、分離角度θを一定
の場合に付いて説明しているが、この構造に限定される
ものではない。 <実施例4>本発明の実施例4を図面に沿って説明す
る。なお、本実施例4で説明するエア給紙装置の構成に
おいて、実施例1と共通する部分は同一符号を付して説
明を省略する。先に説明した実施例1においては、第2
のノズル20からの吹き付けエアを第2のシート吸引部
8に吸着されたシートSの先端付近部B(図8参照)に
エアを吹き付けて下位のシートS2を分離しており、第
2のシート吸引部8に対する第2のノズル20の吹き付
け位置を精度良く調整する必要があった。特に、第2の
シート吸引部8が可動である場合は、第2のノズル20
が、第1のノズル19及びブロワ21と一体であるの
で、第1のシート吸引部4と第2のシート吸引部8とが
なす分離角度θの変化に対応して、第2のノズル20の
位置がシートSの先端付近部Bとずれる様になる問題が
あった。
【0039】そこで、図8に示す様に、角度調整支持板
25に第2のノズル20をノズル取付板40により固着
し、フレキシブルダクト41によりブロワ21に取り付
けることで、第2のノズル20から吹き出すエアが常に
シートSの先端付近部Bに当たる様にすることで上記問
題を解決した。図9は図8の第2のノズル20近傍の概
略上視図であり、図10は図9を矢印C方向からみた概
略断面図を示している。第2のノズル20はノズルステ
ー45,46により挟持されビス47で固定される。ま
た、ノズルステー45,46はノズル取付板40にビス
48で留められ、更にノズル取付板40はビス49で角
度調整支板25に固定されている。図11は、分離角度
θを大きくした時の様子を示したもので、角度調整支持
板25の移動に伴い第2のノズル20も動き、且つ、第
2のノズルと第2の略平面底面9とのなす角度が変化し
ないので、分離角度θに関係なく分離が行うことが可能
となる。 <実施例5>本発明の実施例5を図面に沿って説明す
る。なお、本実施例5で説明するエア給紙装置の構成に
おいて、実施例1と共通する部分は同一符号を付して説
明を省略する。画像形成装置本体内でジャムが発生した
場合は、ジャム検知センサ50(あるいは51,52)
がシートSの遅延、滞留を検知し、画像形成装置本体の
画像形成動作を即座に停止する(この際、ブロワ21の
送風も停止する)。このとき、シートS1が図12に示
すxの位置で停止しているとする。この位置は、シート
トレイ1からは排出され、且つ、搬送ローラ対23には
挟持されていない状態である(この位置にあるシートS
は搬送ローラ対23等に挟持されていないため、シワに
なるなどの損傷を受けていない)。つまり、エア給送装
置に設けられた検知センサ53(検知手段)ではシート
S有りを検知し、検知センサ54(検知手段)ではシー
トS無しの状態を検知している。この状態にあるとき
は、ジャム検知センサ50(あるいは51,52)のジ
ャム検知により画像形成装置本体の作動が停止しても、
ブロワ12は作動を続け、シートS1は搬送ベルト14
に吸着され続ける。その後、モータM(駆動手段)が逆
転し、搬送ベルト14は搬送方向とは逆方向(矢印D方
向)に駆動され、シートS1を上流側へ搬送する。そし
てシートS1がシートトレイ1の略上方まで戻され、シ
ートS1の先端が検知センサ53を通過して検知センサ
53がシートS無しを検知すると、モータMが停止して
搬送ベルト14も停止する。その後、ブロワ12も停止
し、シートS1はシートトレイ1上に落下して次の画像
形成動作に向けて待機状態になる。この一連の動作の後
に画像形成装置本体内の不用なシートSをジャム処理す
れば、シートS1を捨てる無駄もなく、ジャム処理する
手間も少なくなる。
【0040】ジャム検知したとき、検知センサ54がシ
ートSを検知していれば、上述した一連の動作は行われ
ず、画像形成装置は即座に動作を停止する。なぜなら、
シートSが搬送ローラ対23に挟持されており、シート
Sに何らかの損傷のある可能性があるからである。
【0041】ジャム検知したとき、検知センサ53,5
4が同時にシートSを検知しなければ、やはり上述した
一連の動作は行われず、画像形成装置は即座に動作を停
止する。なぜならこの領域にはシートSは存在しないか
らである。 <実施例6>本発明の実施例6を図面に沿って説明す
る。なお、本実施例6で説明するエア給紙装置の構成に
おいて、実施例1と共通する部分は同一符号を付して説
明を省略する。図13は本実施例6の説明に適用した第
2のエア給紙装置の断面構成図を示している。55は第
2のシート吸引部である。第2のシート吸引部55は、
第1のシート吸引部4に対しシートS搬送方向下流側に
配置される。第2のシート吸引部55は、表面に複数の
吸引孔57を有する中空の吸引ローラ56(円筒部
材)、吸引チャンバ部58、吸引ローラ56のシートS
を吸引する部分以外を概略覆うカバー59により構成さ
れている。吸引ローラ56のシートSを吸着する面は、
曲率がついているため、実質的に第1のシート吸引部4
より上方に位置している。第1のシート吸引部4及び第
2のシート吸引部55はブロワ12に接続され、これら
の表面を覆うようにして、搬送ベルト14が掛け渡され
ている。搬送ベルト14は、ローラ15,16,17,
18により所定の張力で支持されており、駆動手段(不
図示)により矢印A方向に断続的に駆動されてシートS
を搬送する。また、シートトレイ1の下流直後にはシー
ト検知センサ53が、搬送ローラ対23の下流直後には
シート検知センサ54が配置されている。
【0042】上記構成において、まずソレノイド等の切
り換え手段(不図示)によりバルブ22がaの位置に切
り換えられ、ブロワ21が作動して、ノズル19からシ
ートSの先端部に向けてエアが噴出する。すると、複数
のシートSが吹き上げられて浮上する。そして、ブロワ
12が作動し、吸引用開口6及び吸引孔57,14aを
通してエアが吸引される。すると、シートS1は第1、
第2のシート吸引部4,55に吸引され、搬送ベルト1
4に密着する。図13に示すように、シートS1の中央
部付近は第1のシート吸引部4に吸着され、シートSの
先端部付近は第2のシート吸引部55に吸着される。第
2のシート吸引部55の表面は所定の曲率を有している
ので、シートS1の先端は、シートSのコシに抗して曲
率に概ね沿って上方に持ち上がり、搬送ベルト14に密
着する。つまりシートS1は、搬送ベルト14に曲率が
つき始める部分、すなわち吸引ローラ56と搬送ベルト
14が接する部分60(部位)を支点として下側に凸の
「く」の字状になる。この後、シートS間の隙間eにエ
アが吹き込まれてシートSを分離することで、シートS
は重送することなく下流側に搬送される。
【0043】次に、図17に基づいて本発明に係る給紙
装置を備えた画像形成装置の実施例を説明する。装置本
体200には、原稿載置台206、光源207、レンズ
系208、給紙部209、画像形成部202等を備えて
いる。給紙部209は、シートを収納して装置本体20
0に着脱自在なカセット210,211及びペディスタ
ル212に配置されたデッキ213を有している。
【0044】画像形成部202には、円筒状の感光体2
14、トナーを内蔵した現像器215、転写用帯電器2
16、分離帯電器217、クリーナ218、一次帯電器
219等がそれぞれ配設されている。画像形成部202
の下流側には、搬送装置220、定着装置204、排出
ローラ205等が配設されている。
【0045】この画像形成装置の作動を説明する。装置
本体側200に設けられている図示しない制御装置から
給紙信号が出力されると、カセット210,211また
はデッキ213からシートSが給送される。一方、光源
207から原稿載置台206に載置されている原稿Dに
当てられて反射した光は、レンズ系208を介して感光
体214に照射される。感光体214は、あらかじめ一
次帯電器219により帯電されており、光が照射される
ことによ静電潜像が形成され、次いで現像器215によ
りトナー像が形成される。
【0046】給紙部209から給送されたシート材Sは
レジストローラ210で斜行が補正され、さらにタイミ
ングが合わされて画像形成部202へ送られる。画像形
成部202では、転写用帯電器216によって送られて
きたシートSに感光体214のトナー像が転写され、転
写されたシートSは分離帯電器217によって転写用帯
電器216と逆極性に帯電されて感光体214から分離
される。
【0047】そして、分離されたシートSは、搬送装置
220により定着装置204に搬送されて、定着装置2
04によりシートSに未定着転写画像が永久定着され
る。画像が定着されたシート材Sは排出ローラ205に
より装置本体200から排出される。
【0048】このようにして、給紙部209から給送さ
れたシート材Sは画像が形成されて排出される。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によると、
分離給送するシートの腰の強さに応じて第2のシート吸
着手段の傾斜角度を変更することにより給紙するシート
とその次のシートとの先端側を確実に捌くことができ、
さらに、第2のシート吸着手段に連結された分離エア吹
きつけ手段のエアの吹き出し口から常にシートの先端側
に分離エアを吹きつけることができるため、より一層確
実にシートを1枚ずつ分離することができ、給紙装置の
信頼性を向上させることができる。
【0050】
【0051】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1に適用される給紙装置の側面
図。
【図2】本発明の実施例1の説明に適用される第2の吸
引部の説明図。
【図3】本発明の実施例1の説明に適用される第2の吸
引部の説明図。
【図4】本発明の実施例1に適用される給紙装置の側面
図。
【図5】本発明の実施例2に適用される給紙装置の側面
図。
【図6】本発明の実施例2に適用される制御ブロック
図。
【図7】本発明の実施例3に適用される制御ブロック
図。
【図8】本発明の実施例4に適用される給紙装置の側面
図。
【図9】本発明の実施例4に適用されるノズルの取り付
け説明図。
【図10】本発明の実施例4に適用されるノズルの取り
付け説明図。
【図11】本発明の実施例4に適用される給紙装置の側
面図。
【図12】本発明の実施例5に適用される給紙装置の側
面図。
【図13】本発明の実施例6に適用される給紙装置の側
面図。
【図14】従来の技術の説明に適用される給紙装置の側
面図。
【図15】従来の技術の説明に適用される給紙装置を備
えた画像形成装置の構成図。
【図16】従来の技術の問題点を説明するための説明
図。
【図17】本発明にかかる給紙装置を備えた画像形成装
置の側面図。
【符号の説明】
1 シートトレイ(シート積載手段) 3 シート搬送部(吸着搬送手段) 4 第1のシート吸引部(第1のシート吸着
手段) 5 第1の略平面状底面(吸着面) 8 第2のシート吸引部(第2のシート吸着
手段) 9 第2の略平面状底面(吸着面) 14 搬送ベルト 14a 吸引孔 19 ノズル(浮上エアー吹きつけ手段) 20 ノズル(分離エアー吹きつけ手段) 21 ブロワ(浮上エアー吹きつけ手段、分離
エアー吹きつけ手段) 22 バルブ 23 搬送ローラ 35 シート検知部 36 制御手段 53,54 検知センサ 57 孔 60 部分(部位) S シート M モータ(駆動手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 青山 武史 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 昭55−156141(JP,A) 特開 平4−358637(JP,A) 実開 平3−72538(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B65H 1/00 - 3/68

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のシートを積載可能なシート積載手
    段と、前記シート積載手段に積載されているシートのシ
    ート面に対向して配置され、エアの吸引力によりシート
    を吸着するための第1のシート吸着手段と、前記シート
    面のシート搬送方向における先端側に対向して配置さ
    れ、エアの吸引によりシートの先端側を吸着するための
    第2のシート吸着手段と、前記第1のシート吸着手段及
    び前記第2のシート吸着手段に吸着されたシートを搬送
    する搬送手段と、前記第1のシート吸着手段及び前記第
    2のシート吸着手段に吸着された複数のシートを分離す
    るために該シートの先端にエアを吹きつけるための分離
    エア吹きつけ手段と、を備え、 前記第1のシート吸着手段の吸着面は前記シート面に対
    し略平行に配置し、前記第2のシート吸着手段の吸着面
    は前記シート面に対して傾斜させて設け、該第2のシー
    ト吸着手段の吸着面の傾斜角度を変更可能とし、前記第
    2のシート吸着手段に、該第2のシート吸着手段の吸着
    面と共に動くべく前記分離エア吹きつけ手段のエアの吹
    き出し口を連結して、該吹き出し口から、前記第2のシ
    ート吸着手段の吸着面に対し常に一定の角度でシート先
    端部にエアを吹きつけることを特徴とする給紙装置。
  2. 【請求項2】 前記搬送手段は、前記各シート吸着手段
    の吸着面を覆って巻つけられた回転可能な搬送ベルトを
    有し、該搬送ベルトには複数の吸引孔が設けられてい
    て、前記各シート吸着手段がエアを吸引した際に、前記
    吸引孔を通してシートを吸着搬送することを特徴とする
    請求項記載の給紙装置。
  3. 【請求項3】 前記シート積載手段に積載されたシート
    を前記シート吸着手段側に浮上させるために記載されて
    いるシート束の線端部にエアを吹きつけるための浮上
    ア吹きつけ手段を具備したことを特徴とする請求項1
    は2記載の給紙装置。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3の内、いずれか1項に記
    載の給紙装置と、前記給紙装置の前記搬送手段により搬
    送されたシートに画像を形成する画像形成手段と、備え
    たことを特徴とする画像形成装置。
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