JP3220294B2 - 皮膚保護剤組成物 - Google Patents
皮膚保護剤組成物Info
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Description
等における肌荒れを防止し、皮膚を保護する皮膚保護剤
組成物に関し、詳細には、刺激やべたつきが少なく、使
用感が良好な皮膚保護剤組成物に関する。
を保護する目的でハンドクリームが汎用されている。ハ
ンドクリームは水仕事などにより失われた皮脂を補給
し、更に保湿剤の配合により、皮膚に適度な水分を補給
するなどの働きにより皮膚を保護するものである。
用後の肌にべたつき感を与える傾向があり、また水洗に
よって容易に洗い流されてしまうため、皮膚保護効果は
必ずしも満足できるものではなかった。このために、炊
事、洗濯などの水仕事を頻度高く行なうために手荒れで
悩んでいる主婦は多い。また、美容師などの中にも、度
重なるシャンプーによる手荒れに加え、染毛剤、パーマ
液等による炎症を訴える人が少なくない。
改善した皮膚保護剤としては、例えばアクリル酸エチル
及びメタアクリル酸からなるアクリル系ポリマー並びに
セルロース誘導体を含水アルコールに溶解せしめたもの
が提案されている(特公平2−9006号公報)。しか
しながら、この皮膚保護剤は、その主成分であるアクリ
ル系ポリマーがアルカリ可溶性であるため、皮膚洗浄剤
の基剤として汎用されている石鹸で皮膚を洗浄する場合
や、液性が通常アルカリ性であるパーマ液に触れる場合
などには、その保護機能が充分ではないという欠点を有
していた。
びが良くべたつき感の少ない使用感の良好な被膜を形成
し、水仕事や石鹸を用いた皮膚洗浄過程などによっても
容易に洗い流されず、長時間にわたって皮膚を保護し得
る皮膚保護剤組成物を提供することを目的とする。
発明者らは鋭意研究を行なった結果、油性成分として特
定の油性物質と特定のオルガノポリシロキサンを特定の
割合で組み合わせて用いることにより、上記要件を満た
す皮膚保護剤組成物が得られることを見出し、本発明を
完成した。
ン酸ステアリル、パルミチン酸セチル、パルミチン酸ミ
リスチル、ミリスチン酸セチル、ミリスチン酸ミリスチ
ル、トリパルミチン酸グリセリン、トリミリスチン酸グ
リセリン、イソステアリン酸コレステリル、セチルアル
コール、ステアリルアルコール、パルミチン酸、ステア
リン酸及びジパルミチン酸グリセリンの1種以上から選
ばれる油性物質、 (B)分子中に
ルキル基を示し、R3は炭素数1〜40の直鎖、分岐鎖
もしくは環状のアルキル基又はアルケニル基を示し、R
4は炭素数7〜40の直鎖、分岐鎖もしくは環状のアル
キル基又はアルケニル基を示し、lは2以上の数を示
し、mは3以上の数を示し、更にl+m=200〜30
00である)を有するオルガノポリシロキサン、を全油
性成分中に20重量%以上含有し、(A):(B)が重
量比で10:1〜1:5であることを特徴とする皮膚保
護剤組成物を提供するものである。
軟化点が25℃以上であり、有機性/無機性の値が2以
上であるものであるが、ここで「軟化点」とは、「環球
法」(化粧品原料基準一般試料法30,一定の厚さの試
料の上に一定の重さの鋼球を載せて加熱し、該鋼球が一
定距離を垂下したときの温度を測定する方法)により測
定した値をいう。また、「有機性/無機性」とは、藤田
が「化学の領域11巻10号,719ないし725ペー
ジ(1957年)」において示した有機概念における値
をいう。これは、有機化合物の性状を、共有結合の集積
に基づく炭化水素の「有機性」と、置換基に存在する静
電性の影響「無機性」との二因子によって成立すると解
するものである。計算法は、有機性は20に炭素数を乗
じた数値とし、無機性は置換基ごとに定められた数値
(例えば水酸基100、カルボキシル基150)を加算
するというのが概略である。
としては、例えばワセリン、固形パラフィン、セレシン
(以上、無機性値0のため、有機性/無機性の値は無限
大。以下、カッコ内は有機性/無機性の値を示す。)、
ステアリン酸ステアリル(12.0)、パルミチン酸セ
チル(10.7)、パルミチン酸ミリスチル(10.
0)、ミリスチン酸セチル(10.0)、ミリスチン酸
ミリスチル(9.3)、トリパルミチン酸グリセリン
(5.7)、トリミリスチン酸グリセリン(5.0)、
イソステアリン酸コレステリル(8.8)、セチルアル
コール(3.2)、ステアリルアルコール(3.6)、
パルミチン酸(2.1)、ステアリン酸(2.4)、ジ
パルミチン酸グリセリン(3.2)等が挙げられる。こ
れらは単独で、又は2種以上を組み合わせて使用するこ
とができる。
ポリシロキサンは、(A)成分の油性物質ののびの悪
さ、べたつき感、洗浄後の皮膚の感触の悪さ等を改善す
ると共に、組成物の耐水性、持続性を向上させる作用を
有するものであり、1分子中に少なくとも3個の炭素数
7〜40の炭化水素基を有するものである。このオルガ
ノポリシロキサンは、分岐鎖状でも環状であってもよ
い。
1及びR2で示されるアルキル基としては、メチル基、エ
チル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル
基等が挙げられるが、就中メチル基が好ましい。また、
R3及びR4で示されるアルキル、アルケニル基は、直鎖
状、分岐鎖状及び環状のいずれであってもよいが、R3
が炭素数1〜4のアルキル基であり、かつR4が炭素数
7〜40(より好ましくは12〜22、特に好ましくは
16〜18)のアルキル基、アルケニル基であることが
好ましい。R4の具体例としてはオクチル、ノニル、デ
シル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシ
ル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オク
タデシル、ノナデシル、エイコシル、ヘンエイコシル、
ドコシル、テトラコシル、ペンタコシル、ヘキサコシ
ル、ヘプタコシル、オクタコシル、トリアコンチル、テ
トラトリアコンチル、オクタトリアコンチル、テトラコ
ンチル、2−ヘプチルウンデシル、2−ウンデシルペン
タデシル、2−デシルテトラデシル、2−デシルペンタ
デシル、2−エチルヘキシル、2−オクチルドデシル、
2−ウンデシルテトラデシル、メチル分岐イソステアリ
ル、メチル分岐ドデシル(プロピレンテトラマー)、メ
チル分岐ノニル(プロピレントリマー)基等が挙げられ
る。また、l+mは200〜3000であるが更には、
l=m=150〜750でl+mが300〜1500で
あることが好ましい。ここでl、mは重量平均分子量か
ら算出した平均重合度として求められる。
その融点が10〜50℃、特に20〜40℃であるもの
が好ましい。なお、当該オルガノポリシロキサンの融点
は、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定した。
ポリシロキサン単位を分子中のいずれの位置に有してい
る構造であってもよいが、製造の容易性の観点からは、
両単位1ブロックずつが直接に結合しており、これに両
末端残基が結合した単純な構造であるのが好ましい。ま
た、この両末端残基は−OSiR5R6R7(R5〜R7は炭素数
1〜4のアルキル基を示す)であることが好ましい。オ
ルガノポリシロキサン(B)の具体例としては、次の一
般式(1)で表わされるものが挙げられる。
を示す。) この一般式(1)で表わされるものの市販品としては、
東芝シリコーン(株)製のXF42−A7154、XF
42−A5048及びXF42−A5047等が挙げら
れる。
保護剤組成物中に10:1ないし1:5の範囲の重量比
で配合されるが、好ましい配合比は3:1ないし1:3
である。(A)成分の量が(B)成分の量の10倍を超
える場合には、のび、べたつき等の使用感が悪化し、
(B)成分の量が(A)成分の量の5倍を超える場合に
は、本発明の皮膚保護剤組成物の保存安定性が低下して
しまう。また、本発明の皮膚保護剤組成物中には、
(A)成分と(B)成分を双方の合計で全油性成分中の
20重量%以上配合するのが好ましい。なお、ここでモ
ノステアリン酸グリセリン等の乳化を目的として配合さ
れる両親媒性物質は油性物質には含めない。
成分のほかに、目的に応じ本発明の効果を損なわない範
囲で、水性成分、乳化剤、防腐剤、酸化防止剤、香料、
粉体等の任意成分を適宜配合して、固型状、ペースト
状、油中水型あるいは水中油型の乳化物等の種々の形態
とすることができる。
が、本発明はこれらに限定されるものではない。 実施例1 表1〜表3に示す組成のハンドクリームを製造した。す
なわち、表1〜表3に示す成分のうち精製水を除く全成
分を70〜80℃で攪拌溶解後、攪拌下、70〜80℃
の精製水を添加し、攪拌を続けながら冷却して各ハイド
クリームを得た。得られた各ハンドクリームについて、
以下の試験方法に基づいて実用テスト及び皮膚保護効果
試験を行なった。これらの結果を表1〜表3に示す。 (1)実用テスト(パネルテスト) 専門パネラー10名により各ハンドクリームを実際に手
に使用し、その実用評価を行なった。評価項目は、塗布
時のさっぱり感及びべたつきの少なさの2項目である。
評価結果は次の4段階の基準に従った。
れたガラス製カップ(内径2cm)を装着し、10分間脱
脂処理を行ない、荒れ肌を誘発させた。荒れ肌部に表1
に示す4種のサンプルを均一に塗布(20μl/3.1
4cm2)し、10分間かけて乾燥させた。次いで、荒れ
肌への皮膚保護剤溶液塗布部位と未塗布部位とに再度カ
ップを装着し、界面活性剤溶液(0.1%ポリオキシエ
チレン(40E.O.)硬化ヒマシ油)1.0mlを入
れ、テフロン棒で1分間皮膚表面をこする。処理液を回
収後、はがれてきた角質細胞を塩基性フクシン−クリス
タルバイオレットを用いて染色し、顕微鏡で細胞数を測
定した。比較として脱脂処理を行なっていない部位(健
常肌)についても同様の測定を行なった。測定は5回ず
つ行ない、この平均値を算出した。結果は細胞数×10
4個/cm3で示した。なお、細胞数は脱落細胞数であるた
め、この数値が小さい程、皮膚を保護する効果が高い。
すなわち、この数値が0.8以下であると、皮膚の健常
度が非常に高いことを示し、0.8を超え1.4以下で
あると皮膚の健常度が普通であることを示し、1.4を
超えると肌荒れが生じていることを示す。
皮膚保護剤組成物は、比較品に比して使用感が良く、か
つ皮膚保護効果が優れていることが判る。
溶解後、成分(5)を攪拌下添加し、攪拌を続けながら
冷却して皮膚保護軟膏を得た。得られた軟膏はのびが良
く、べたつき感が少ないものであり、かつ石鹸で3回洗
浄しても肌のなめらかさを維持していた。
50、m=750、R4 =C18H37〕
0℃に保ち油相部とする。別に(7)〜(9)を加熱溶
解して70℃に保ち水相部とする。この水相部に油相部
を添加して乳化機により十分に乳化する。乳化後、かき
まぜながら冷却し製品とする。本乳液はさっぱりとした
使用感を有する乳液であった。
50、m=750、R4 =C18H37〕
せる。本エッセンスはさっぱり、しっとりとした使用感
を有するエッセンスであった。
50、m=750、R4 =C16H33〕 2):東レ・ダウ・コーニング・シリコーン社製(BY−
22−012)
相部とする。別に(8)〜(10)を加熱溶解して70
℃に保ち水相部とする。この水相部に油相部を添加して
乳化機より十分に乳化する。乳化後かきまぜながら冷却
し製品とする。本クリームはべたつかずしっとりとした
使用感触を有するクリームであった。
物は、水仕事、皮膚洗浄過程等から皮膚を保護する効果
が高く、かつのびの良さ、べたつき感の少なさ等の使用
感においても優れている。
Claims (1)
- 【請求項1】 次の成分(A)及び(B): (A)ワセリン、固形パラフィン、セレシン、ステアリ
ン酸ステアリル、パルミチン酸セチル、パルミチン酸ミ
リスチル、ミリスチン酸セチル、ミリスチン酸ミリスチ
ル、トリパルミチン酸グリセリン、トリミリスチン酸グ
リセリン、イソステアリン酸コレステリル、セチルアル
コール、ステアリルアルコール、パルミチン酸、ステア
リン酸及びジパルミチン酸グリセリンの1種以上から選
ばれる油性物質、 (B)分子中に 【化1】 (R1及びR2はそれぞれ炭素数1〜4のアルキル基を示
し、R3は炭素数1〜40の直鎖、分岐鎖もしくは環状
のアルキル基又はアルケニル基を示し、R4は炭素数7
〜40の直鎖、分岐鎖もしくは環状のアルキル基又はア
ルケニル基を示し、lは2以上の数を示し、mは3以上
の数を示し、更にl+m=200〜3000である)を
有するオルガノポリシロキサン、 を全油性成分中に20重量%以上含有し、(A):
(B)が重量比で10:1〜1:5であることを特徴と
する皮膚保護剤組成物。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP15916093A JP3220294B2 (ja) | 1992-07-02 | 1993-06-29 | 皮膚保護剤組成物 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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JP4-175676 | 1992-07-02 | ||
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JPH0672854A JPH0672854A (ja) | 1994-03-15 |
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Family
ID=26486041
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15916093A Expired - Lifetime JP3220294B2 (ja) | 1992-07-02 | 1993-06-29 | 皮膚保護剤組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3220294B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
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---|---|---|---|---|
JPH0977653A (ja) * | 1995-09-14 | 1997-03-25 | Advance Co Ltd | 化粧料 |
JPH09301842A (ja) * | 1996-05-09 | 1997-11-25 | Tokyo Aroe Kk | 肌用クリーム |
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-
1993
- 1993-06-29 JP JP15916093A patent/JP3220294B2/ja not_active Expired - Lifetime
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