JP3217711U - 大引構造体、及び大引受け具 - Google Patents
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Abstract
【課題】専用の固定具を必要とせずに大引同士の相対位置決め処理や、大引に対する根太の仮止め処理を行うことができ、スラブ仮設工事の作業効率性の向上及びコストの削減を実現可能な大引構造体、及び大引受け具を提供する。【解決手段】第1方向Xに延伸する横臥姿勢で配置される大引2と、大引の所定箇所をそれぞれ支持する複数のパイプサポート3と、各パイプサポートの上端に装着した状態で大引を支持する大引受け具4とを備えた大引構造体1において、第1方向Xに直交する第2方向Yに並べた鋼管21及び桟木22によって大引を構成し、大引受け具4は、下方にU字状に突出してパイプサポート3の上端に挿入可能な挿入部と、底片と左右一対の起立片を有して鋼管21及び桟木22を第2方向Yに接触または接近させた状態で保持する保持部とを備える。【選択図】図1
Description
本考案は、多層構造物の床スラブを建築する場合に使用可能な大引構造体、及び大引受け具に関するものである。
多層構造物の床スラブを建築する場合、複数のパイプサポート(支保工サポート)で支持した長尺の大引を所定方向に等間隔または所定の間隔で並べて配置し、これらの大引上に根太を大引の長手方向と直交する方向に載置し、その上に型枠パネルを敷設した状態で、各種配筋を行ってコンクリートを打設するのが一般的である。パイプサポートの上端に大引を載置しただけであれば、大引の位置や根太の位置がずれてしまい、大きな事故につながり得る。そこで、従来より、パイプサポートの上端に、大引を支持する大引受け具を取り付け、大引の両端を含む複数箇所を受け具で支持する工法が採用されている。
形状やサイズ、機能性を考慮した各種大引受け具が考え出されているが、実際の建築現場では、挟み込み部で大引をその両側面から挟む姿勢で保持可能なU字状の挟み込み部と、パイプサポートの上端に差し込み可能な差し込み部とを有する大引受け具が使用されていることが多い(特許文献1参照)。この大引受け具は、挟み込み部の形状から「チューリップ」と称される場合があり、比較的単純な形状でありながら、受け具としての機能を発揮し、使い勝手に優れ、使い回すこと(再利用)も可能であり、コスト面においても有利なものである。
ここで、大引の材料としては、断面90×90mmの角材(ばた(端太)角と称される)や鋼管が挙げられる。そして、角材に対して釘を打つことが可能である一方、鋼管に対して釘を打つことが不可能であるため、建築場所によって大引の材料が必然的に決定される場合がある。例えば、階上の室外に張り出すバルコニーを建築する場合、大引の両端のうち室外側の端をパイプサポート及び大引受け具で支持することが不可能であり、フリーな状態になる。このような片方の端がフリーな状態にある大引は、振れ易く、大引同士の間隔がずれたり、根太の設置に悪影響を及ぼす。そこで、このような建築場所では、大引として角材(ばた角)を適用し、所定方向に並ぶ大引のフリーな状態にある片方の端同士に桟木を架け渡して、桟木を角材に釘で固定(仮止め)することで、大引の振れを防止・抑制する対策が講じられている。
ところで、多層構造物の床スラブの建築現場で使用される大引は、コンクリートの打設後、スラブ型枠の解体作業に伴って取り外され、また次の建築現場で再利用されることが多い。角材(ばた角)は、室外に放置しておくと朽ちるため、再利用されるまでの期間は室内に保管されることが望ましい。しかしながら、ただでさえ長尺の角材(ばた角)を大量に積み上げた状態で室内保管することになるため、倉庫内に大引専用の広大な保管スペースを確保することが要求され、このことが負担になっているのが実状である。さらには、角材(ばた角)の所定箇所を切断することで所定のサイズの大引として使用することができるが、一度切断された角材(ばた角)は、当然のことながら切断前よりも短くなるため、スラブ型枠の解体作業後に、切断前のサイズの大引として再利用することは不可能である。特に、断面90×90mmの「ばた角」と称される角材は、専ら大引として使用されるものであり、他の建材として活用されることはほぼ無い。
一方、鋼管は、朽ちることがなく、大引以外の建材(例えば足場を組む単管パイプ)として利用することが可能である。しかしながら、上述の通り、鋼管には釘を打つことが不可能であるため、バルコニー等、大引の一方の端部がフリーになる建築場所での使用は回避される傾向にあり、使用場所が限定される。
また、所定方向に並べた大引上に載置される根太の材料も現場に応じて選択可能であるが、鋼管である単管パイプを適用することが多く、このような根太は、大引の長手方向と直交する姿勢で複数の大引を跨ぐように架設される。その際、大引上に単に載置されているだけの根太は不安定であり、転がり易い。特に、大引を所定角度傾斜させた姿勢で配置し、その上に根太を載置しただけであれば、根太は当然滑り落ちることになる。
そこで、専用の留め具(ワイヤ、バンドなど)を用いて大引に対する根太の仮止め(転がり防止)処理を行う場合もあるが、留める作業が面倒であり、コストも掛かる。したがって、このような場合には、大引として角材(ばた角)を適用し、角材の所定箇所に釘を打ち込むことで大引に対する根太の仮止め(転がり防止)を行うことができる。
しかしながら、このような釘を使った根太の仮止め処理は、大引として鋼管を使用した現場では採用することができず、専用の留め具を用いたり、仮止め処理自体が省略される場合がある。また、大引として角材(ばた角)を用いた場合には角材(ばた角)特有の上述の不具合を回避することができない。なお、大引として使用される鋼管の種類は、地域でも異なり、例えば関東圏では丸パイプの鋼管が適用されることが多く、関西圏では角パイプの鋼管が適用されることが多い。
木製の根太(木製根太)を適用すれば、釘打ちが可能になり、大引の材料の依らずに木製根太自体に打ち込んだ釘の頭部を大引に接触させることによって大引に対する根太の仮止めを行うことは可能であると考えられる。しかし、釘の頭部と大引との接触は点接触に近いため、大引の傾斜が比較的急な勾配であれば、木製根太がずれ落ちるおそれがある。
本考案は、このような点に着目してなされたものであって、主たる目的は、専用の固定具を必要とせずに大引同士の相対位置決め処理や、大引に対する根太の仮止め処理を行うことができ、スラブ仮設工事の作業効率性の向上及びコストの削減を実現可能な大引構造体、及び大引受け具を提供することにある。
すなわち、本考案に係る大引構造体は、第1方向に延伸する横臥姿勢で配置される大引と、大引の所定箇所をそれぞれ支持する複数のパイプサポートと、各パイプサポートの上端に装着した状態で大引を支持する大引受け具とを備え、平面視において第1方向に直交する方向である第2方向に横臥姿勢で並べた鋼管及び桟木によって大引を構成し、大引受け具として、パイプサポートの上端に挿入可能な挿入部と、鋼管及び桟木を第2方向に接触または接近させた状態で保持する保持部とを備えたものを適用していることを特徴としている。
このような本考案に係る大引構造体であれば、鋼管及び桟木によって構成した大引を、パイプサポートの上端に装着した大引受け具で支持する構造であるため、大引の長手方向全域に亘って鋼管及び桟木が並列した状態にあり、桟木に対して釘を打つことが可能である。したがって、片方の端がパイプサポート及び大引受け具で支持することが不可能でフリーな状態にある大引の振れを防止することが要求される場合、例えば、バルコニーを建築する場合、大引として角材(ばた角)を用意せずとも、大引のフリーな状態にある片方の端同士に架け渡した固定用の桟木を、大引を構成する桟木に釘で固定(仮止め)することで、大引の振れを防止・抑制することができる。また、大引に対する根太の仮止め処理が必要な建築現場においても、大引を構成する桟木に釘を打つことで対処することが可能である。
ここで、桟木は、建築資材として幅広い用途で利用されるものであり、同じ木材であっても用途が大引に限定される「ばた角」と称される角材と比較して安価であり、コンクリート打設後の型枠解体作業完了時点から、次の床スラブ建築時まで保管しておくことが必ずしも要求されるわけではなく、保管スペースの確保や、保管に要するコスト等の問題も解消・抑制することができる。
特に、本考案に係る大引構造体では、大引をパイプサポートの上端に装着する大引受け具として、従来から床スラブ建築現場で利用されているいわゆる「チューリップ」と称される大引受け具と比べて、保持部が、鋼管及び桟木の両方を第2方向(大引の長手方向と一致する第1方向に対して平面内で直交する方向)に接触または接近させた状態で保持可能な形状である点で異なり、その他の形状は従来のものと同じか、従来のものに準じた形状に設定したものを適用することが可能である。このような大引受け具は、複雑な構造を回避した比較的単純な形状でありながらも、鋼管及び桟木を第2方向に接触または接近させた状態で保持するというこれまでに着想されなかった斬新な技術的思想を具体化するものであり、大引受け具としての機能を発揮するとともに、専用の固定具を必要とせずに大引同士の相対位置決め処理や、大引に対する根太の仮止め処理を行うことができ、スラブ仮設工事の作業効率性の向上及びコストの削減を実現可能な大引構造体を実現することができる。
さらに、本考案に係る大引構造体は、鋼管及び桟木によって大引を構成するという新規有用な技術的思想を実現するにあたって、パイプサポートの設置箇所に関連付けて設けられる大引受け具で鋼管及び桟木を第2方向に接触または接近させた状態で保持するように構成しているため、鋼管及び桟木を束ねて保持するための専用の保持具が大引受け具とは別に必須である態様と比較して、部品点数の削減及び作業効率の向上を図ることができる。
本考案において、大引受け具の保持部は、鋼管及び桟木を第2方向に接触または接近させた状態で保持可能なものであればよく、特に形状は限定されないが、保持部の少なくとも一部に、円筒状をなす鋼管の外周面に面接触可能な湾曲部を設ければ、鋼管が単管パイプと称される円筒状のものであっても良好な保持状態を維持することができる。
また、本考案に係る大引受け具は、第1方向に延伸する大引を支持するものであって、パイプサポートの上端に挿入可能な挿入部と、大引を構成する鋼管及び桟木を平面視において第1方向に直交する第2方向に接触または接近させた状態で保持する保持部とを備えていることを特徴としている。このような大引受け具であれば、大引構造体に関して言及した上述の作用効果と同様またはほぼ同様の作用効果を奏する。
本考案に係る大引受け具に関して、保持部の形状は特に限定されないが、円筒状をなす鋼管の外周面に面接触可能な湾曲部を少なくとも一部に有する保持部であれば、大引を構成する鋼管として単管パイプと称される円筒状のものを適用した場合にも良好な保持状態を維持することができる。
本考案によれば、接触または略接触する姿勢で並べた鋼管及び桟木によって大引を構成するというこれまでの建築現場では採用されることの無かった斬新なアイデアを採用し、このような大引を、パイプサポートの上端に装着した大引受け具によって支持可能に構成したことにより、専用の固定具を用いずに大引同士の相対位置決め処理や、大引に対する根太の仮止め処理を行うことができ、スラブ仮設工事の作業効率性の向上及びコストの削減を実現可能な大引構造体、及び大引受け具を提供することができる。
以下、本考案の一実施形態を、図面を参照して説明する。
本実施形態に係る大引構造体1は、図1に示すように、第1方向Xに延伸する横臥姿勢で配置される大引2と、大引2の所定箇所をそれぞれ支持する複数のパイプサポート3と、各パイプサポート3の上端に装着した状態で大引2を保持する大引受け具4とを備えたものである。
本実施形態に係る大引構造体1は、図1に示すように、第1方向Xに延伸する横臥姿勢で配置される大引2と、大引2の所定箇所をそれぞれ支持する複数のパイプサポート3と、各パイプサポート3の上端に装着した状態で大引2を保持する大引受け具4とを備えたものである。
本実施形態の大引2は、鋼管21及び桟木22によって構成したものである。本実施形態に係る大引構造体1では、これら鋼管21及び桟木22を平面視において第1方向Xに直交する方向である第2方向Yに並ぶ姿勢で配置することで、全体として第1方向Xに延伸する大引2を構成している。本実施形態では、図1及び図6に示すように、単管パイプと称される円筒状の鋼管21を用いている。断面矩形状の桟木22は、鋼管21の外径と同じまたは同程度の上下寸法となる適宜の横臥姿勢で配置される。本実施形態では、直径48.6mmの単管パイプ21と、断面形状が30mm×48mmの桟木22によって大引2を構成している。
本実施形態に係る大引構造体1では、パイプサポート3として、従来から使用されている一般的なものを使用している。パイプサポート3は、図1及び図2に示すように、高さ方向に延伸する柱部31と、柱部31の下端部に設けたベース部32と、柱部31の上端部に設けた鍔部33とを備えている。柱部31は、相対的に小さい径の上側円筒状柱部311と、相対的に大きい径の下側円筒状柱部312とを入れ子状に配置し、下側円筒状柱部312に差し込んだ上側円筒状柱部311を固定可能な高さ調整部(図示省略)を下側円筒状柱部312の上端部近傍部分に設け、この高さ調整部を操作することで、下側円筒状柱部312に対する上側円筒状柱部311の差し込み量を調整して柱部31全体の高さ寸法を調整可能なものである。鍔部33の中央部分には上側円筒状柱部311の中空の内部空間に連通する開口部331が形成されている。
大引受け具4は、図3乃至図5(図3(a)、(b)は大引受け具4を相互に異なる角度から示す斜視図であり、図4(a)、(b)はそれぞれ大引受け具4の平面図、底面図であり、図5(a)、(b)はそれぞれ大引受け具4の正面図、側面図である)に示すように、パイプサポート3の上端に挿入可能な挿入部41と、大引2を構成する鋼管21及び桟木22を第2方向Yに接触または接近させた状態で保持する保持部42とを備えたものである。本実施形態では、単一の金属板を折り曲げ加工により所定形状に成形した大引受け具4を適用している。
保持部42は、フラットな底片421と、底片421の両端からそれぞれ上方に起立する左右一対の起立片422とを有し、起立片422の一部(本実施形態では起立片422の高さ方向中央部分)に、円筒状をなす鋼管21の外周面に面接触可能な湾曲部423を設定したものである。各起立片422の上端部424は、上方に向かって漸次外方に開く形状に設定されている。起立片422同士の直線部分における内寸L1(図5(a)参照)は、大引2を構成する鋼管21及び桟木22のサイズに応じて適宜選択・変更することができる。本実施形態では、起立片422同士の直線部分における内寸L1を76mmに設定している。
挿入部41は、保持部42のうち底片421の中央部から下方にU字状に突出するものである。本実施形態の大引受け具4は、保持部42のうち底片421の幅方向(第2方向Y)中央部分に挿入部41を形成したことにより、底片421は、幅方向(第2方向Y)中央部分に形成された開口によって第1底片421aと第2底片421bとに分断されている。このような保持部42の底片421に、大引2を構成する単管パイプ(鋼管21)及び桟木22を載置した状態において、図6に示すように、単管パイプ(鋼管21)の重心21gが第1底片421aまたは第2底片421bの何れか一方の底片(図示例では第1底片421a)上に位置付けられ、桟木22の重心22gが他方の底片(図示例では第2底片421b)上に位置付けられるように設定している。また、本実施形態の大引受け具4は、挿入部41の高さ寸法を、保持部42の高さ寸法と同程度、または保持部42の高さ寸法よりも若干短い値に設定している。
このような大引構造体1は、図1に示すように、第1方向Xに延伸する横臥姿勢で配置される大引2の複数箇所をパイプサポート3で支持するとともに、パイプサポート3の上端に装着した大引受け具4によって、大引2を構成する単管パイプ(鋼管21)及び桟木22を保持する。なお、パイプサポート3の上端に大引受け具4を装着する処理は、大引受け具4の挿入部41を、パイプサポート3の鍔部33の中央部分に形成した開口部331に上方から差し込む処理で完了する。この差込状態で、大引受け具4の挿入部41が開口部331の開口縁に部分的に接触する嵌合状態になり、がたつきの無い装着状態、またはがたつきの程度が低い装着状態を維持することができる。
そして、本実施形態では、図1に示すように、大引2を第2方向Yに所定の間隔で並べて配置し、これら大引2上に載置した根太5が不意に転がって移動する事態を防止する対処として、大引2を構成する桟木22のうち根太5の載置箇所近傍に釘6を打ち込む処理を行うことが可能である。このような処理によって、桟木22に打ち込んだ釘6が根太5に接触または近接することで、大引2上における根太5の転動を規制することができる。
特に、水勾配を確保する場合等、大引2を所定角度傾斜させた姿勢で配置してその上に根太5を載置する場合には、根太5が自重で転がる事態を防止する必要がある。この場合、釘6が根太5に水下側から当たるように桟木22の任意の位置に釘6を打つことで、根太5の転動を防止できる。なお、釘6の打ち込み処理は、型枠解体時の作業性を考慮して釘6の頭部及び上方部分が露出する程度の打ち込み処理であればよい。
また、大引2の両端のうち片方の端がパイプサポート3及び大引受け具4で支持することが不可能でフリーな状態にある大引2の振れを防止することが要求される場合(例えばバルコニーを建築する場合)、第2方向Yに並ぶ大引2のフリーな状態にある片方の端同士に架け渡した固定用の桟木(図示省略)を、大引2を構成する桟木22に釘6で固定(仮止め)することで、大引2の振れを防止・抑制することができる。
第2方向Yに所定の間隔で並べて配置した大引2上に根太5を載置する処理前後の適宜のタイミングで桟木22に対する釘6の打ち込み処理を行い、第1方向Xに相互に離間して配置した根太5の上にスラブ成形用の型枠パネル(図示省略)を敷設し、根太5で型枠パネルを支持した状態で、各種配筋を行ってコンクリートを打設することによって床スラブを建築することができる。
このように、本実施形態に係る大引構造体1によれば、第1方向Xに直交する第2方向Yに並べた鋼管21及び桟木22によって構成した大引2を、パイプサポート3の上端に装着した大引受け具4で支持する構造であるため、大引2の長手方向全域に亘って延伸する鋼管21及び桟木22が並列した状態にあり、桟木22に対して釘6を打つことが可能である。したがって、片方の端がパイプサポート3及び大引受け具4で支持することが不可能でフリーな状態にある大引2の振れを防止することが要求される建築現場において、大引2として角材(ばた角)を用意せずとも、第2方向Yに並ぶ大引2のフリーな状態にある片方の端同士に架け渡した固定用の桟木を、大引2を構成する桟木22に釘6で固定(仮止め)することで、大引2の振れを防止・抑制することができる。また、大引2に対する根太5の仮止め処理が必要な建築現場においても、大引2を構成する桟木22に釘6を打つことで対処することが可能である。
ここで、桟木22は、建築資材として幅広い用途で利用されるものであり、同じ木材であっても用途が大引に限定される「ばた角」と称される角材と比較して安価であり、コンクリート打設後の型枠解体作業完了時点から、次の床スラブ建築時まで保管しておくことが必ずしも要求されるわけではなく、保管スペースの確保や、保管に要するコスト等の問題も解消・抑制することができる。したがって、本実施形態によれば、床スラブ建込み時の作業効率が向上するのみならず、「ばた角」と称される角材を使用しないことにより、材料費の削減及び残材の減少を実現できる。
特に、本考案に係る大引構造体1は、大引2をパイプサポート3の上端に装着する大引受け具4として、従来から床スラブ建築現場で利用されているいわゆる「チューリップ」と称される大引受け具と比べて、保持部42の形状が、鋼管21及び桟木22の両方を一度に保持可能な形状である点のみが異なるものを適用することが可能であり、複雑な構造を回避した比較的単純な形状でありながらも、鋼管21及び桟木22を第2方向Yに接触または接近させた状態で保持するというこれまでに着想されなかった斬新な技術的思想を採用したことで、大引受け具としての機能を発揮するとともに、専用の固定具を必要とせずに大引2同士の相対位置決め処理や、大引2に対する根太5の仮止め処理を行うことができ、スラブ仮設工事の作業効率性の向上及びコストの削減を実現できる。
さらに、本考案に係る大引構造体1は、パイプサポート3の設置箇所に関連付けて設けられる大引受け具4で鋼管21及び桟木22を第2方向Yに接触または接近させた状態で保持するように構成しているため、鋼管21及び桟木22を束ねて保持するための専用の保持具が大引受け具4とは別に必須である態様と比較して、部品点数の削減及び作業効率性の向上を図ることができる。
本実施形態では、大引受け具4として、保持部42の少なくとも一部に、円筒状をなす鋼管21の外周面に面接触可能な湾曲部423を有するものを適用しているため、単管パイプと称される円筒状の鋼管21に対してもフィットした良好な保持状態を維持することができる。
また、本考案に係る大引受け具4は、第1方向Xに延伸する大引2を支持するものであって、パイプサポート3の上端に挿入可能な挿入部41と、大引2を構成する鋼管21及び桟木22を平面視において第1方向Xに直交する第2方向Yに接触または接近させた状態で保持する保持部42とを備えていることを特徴としている。このような大引受け具4であれば、大引構造体1に関して言及した上述の作用効果と同様またはほぼ同様の作用効果を奏する。
なお、本考案は上述した実施形態に限定されるものではない。例えば、本考案における大引は、鋼管と桟木によって構成したものであればよく、鋼管として、円筒状の鋼管(単管パイプ)に代えて、角筒状の鋼管を適用することができる。大引を構成する鋼管や桟木の断面形状、サイズは適宜選択・変更することが可能である。大引受け具の保持部の幅寸法(本考案における「第2方向に沿った寸法」)は、大引を構成する鋼管や桟木のサイズに応じて適宜変更することができる。保持部の幅寸法調整機能を有する大引受け具を適用しても構わない。
上述の実施形態では、単一の金属板を折り曲げて保持部及び挿入部を一体に有する大引受け具を例示したが、保持部と挿入部を別々の金属板で形成し、溶接等の適宜の接合手段によって両部(保持部、挿入部)を一体的に設けた大引受け具であってもよい。
大引受け具が、樹脂製または木製等、金属製以外の材料からなるものであっても構わない。また、大引受け具の挿入部は、パイプサポートの挿入口(上述の実施形態における開口部331)の開口サイズに応じて適宜の形状に設定・変更することができる。本考案では、大引受け具の挿入部をパイプサポートの上端に挿入した状態で挿入部が不意に抜け外れることを防止するために、適宜の固定具で挿入部の挿入状態をロックする構成を採用することもできる。
また、大引受け具と桟木とを固定するために、図7(同図(a)、(b)は一変形例に係る大引受け具4の斜視図、側面図である)に示すように、大引受け具4の保持部42の所定部分に、釘等の適宜の固定具が差し込み可能な貫通孔425を形成した構成を採用することもできる。図7には、起立姿勢で向かい合う一対の起立片422の中央部分に、釘が打てる程度の貫通孔425(例えば直径4mmの丸孔)を形成した大引受け具1を示す。このような大引受け具4であれば、保持部42に鋼管21及び桟木22を第2方向Yに接触または接近させた状態で保持させた状態で、一対の起立片422のうち桟木22が接触または近接する起立片422の貫通孔425に釘を挿して当該釘の先端部分を桟木22に打ち込むことによって、大引受け具4と桟木22とを相互に固定(仮止め)することができる。貫通孔の形状や位置は適宜選択・変更することができる。
その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではなく、本考案の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
1…大引構造体
2…大引
21…鋼管(単管パイプ)
22…桟木
3…パイプサポート
4…大引受け具
41…挿入部
42…保持部
423…湾曲部
2…大引
21…鋼管(単管パイプ)
22…桟木
3…パイプサポート
4…大引受け具
41…挿入部
42…保持部
423…湾曲部
また、本考案に係る大引受け具は、第1方向に延伸する大引を支持するものであって、大引の所定箇所を支持するパイプサポートの上端に挿入可能な挿入部と、大引を構成する鋼管及び桟木を平面視において第1方向に直交する第2方向に接触または接近させた状態で保持する保持部とを備えていることを特徴としている。このような大引受け具であれば、大引構造体に関して言及した上述の作用効果と同様またはほぼ同様の作用効果を奏する。
Claims (4)
- 第1方向に延伸する横臥姿勢で配置される大引と、前記大引の所定箇所をそれぞれ支持する複数のパイプサポートと、前記各パイプサポートの上端に装着した状態で前記大引を支持する大引受け具とを備えた大引構造体であって、
前記大引を、平面視において前記第1方向に直交する第2方向に横臥姿勢で並ぶ鋼管及び桟木によって構成し、
前記大引受け具が、前記パイプサポートの上端に挿入可能な挿入部と、前記鋼管及び前記桟木を前記第2方向に接触または接近させた状態で保持する保持部とを備えたものであることを特徴とする大引構造体。 - 前記保持部の少なくとも一部に、円筒状をなす前記鋼管の外周面に面接触可能な湾曲部を設けている請求項1に記載の大引構造体。
- 第1方向に延伸する大引を支持する大引受け具であって、
前記パイプサポートの上端に挿入可能な挿入部と、前記大引を構成する鋼管及び桟木を平面視において前記第1方向に直交する第2方向に接触または接近させた状態で保持する保持部とを備えていることを特徴とする大引受け具。 - 前記保持部の少なくとも一部に、円筒状をなす前記鋼管の外周面に面接触可能な湾曲部を設けている請求項3に記載の大引受け具。
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JP2018001968U JP3217711U (ja) | 2018-05-29 | 2018-05-29 | 大引構造体、及び大引受け具 |
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