JP3216627B2 - インダクタの製造方法 - Google Patents

インダクタの製造方法

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JP3216627B2 JP3535299A JP3535299A JP3216627B2 JP 3216627 B2 JP3216627 B2 JP 3216627B2 JP 3535299 A JP3535299 A JP 3535299A JP 3535299 A JP3535299 A JP 3535299A JP 3216627 B2 JP3216627 B2 JP 3216627B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はインダクタの製造方
法に関し、特に、厚膜微細加工により製造される表面実
装型のインダクタの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、感光性厚膜ペーストは、スクリ
ーンによる選択印刷法よりも微細なパターン形成が可能
であり、また、薄膜微細加工よりも簡単に高厚膜なパタ
ーン形成が可能という特徴を有している。このため、近
年、電子部品やセラミック多層基板などの微細導体や微
細ビアホールを有する絶縁層の形成に使用され始めてい
る。
【0003】しかしながら、感光性厚膜ペーストは、薄
膜微細加工で使用されているフォトレジストや感光性ポ
リイミドとは異なり、金属粉末やセラミックス粉末等の
無機物を多く含んでいるので、感光性厚膜ペーストによ
り形成した感光性厚膜を露光する際に、膜内で光の散乱
が生じる。このため、感光性厚膜ペーストは、無機物を
殆ど含んでいないものに比べて、解像度が低いという問
題があった。
【0004】このような問題を解消するため、感光性厚
膜ペーストに反射光吸収染料を添加することにより、膜
内で散乱される光を吸収し、感光性厚膜の解像度の低下
を抑えることが提案されている(例えば、特開平5−2
71576号公報参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、感光性
厚膜ペーストには無機物が多く含まれているため、感光
性厚膜ペーストにより形成された感光性厚膜の表面が粗
く、たとえ感光性厚膜内の光散乱を解消することができ
ても、感光性厚膜表面の凹凸に起因する光の乱反射の問
題が残っていた。しかも、感光性厚膜の焼成時の収縮を
抑えるには、感光性厚膜ペースト中の無機物の含有率を
さらに上げる必要があり、感光性厚膜表面の凹凸が大き
くなって乱反射が増加する傾向にある。そして、このよ
うな乱反射が多くなると、露光量が多くなって解像度が
低下し、微細なパターンを有するインダクタを製造する
ことが困難になる。
【0006】また、感光性厚膜ペーストの中には、フォ
トマスクを感光性厚膜に接触させて露光(コンタクト露
光)すると、感光性厚膜の一部がフォトマスクに付着し
易い性質を有するペースト、すなわちステッキング性が
悪いペーストがある。このような感光性厚膜ペーストを
使用した場合には、コンタクト露光毎にフォトマスクを
洗浄するか、あるいは、フォトマスクを感光性厚膜から
離して露光する、いわゆるプロキシミティ露光を行わな
ければならなかった。しかし、コンタクト露光を行うと
露光毎にフォトマスクの洗浄工程が必要となってマスク
の洗浄工数が大幅に増加し、また、プロキシミティ露光
を行うと解像度が低くなるといった問題があった。
【0007】本発明の目的は、感光性厚膜の解像度を向
上させることができるインダクタの製造方法を提供する
ことにある。
【0008】
【課題を解決するための手段及び作用】前記目的を達成
するため、本発明に係るインダクタの製造方法は、(a)絶縁基板上に金属性無機物を含む感光性導電ペー
ストを付与し、乾燥させて、感光性導電厚膜を形成した
後、前記感光性導電厚膜表面を平滑化処理し、マスクを
通して露光及び現像して前記絶縁基板上にコイル導体パ
ターンを形成する工程と、 (b)前記コイル導体パターン上に絶縁性無機物を含む
感光性絶縁ペーストを付与し、乾燥させて、感光性絶縁
厚膜を形成した後、前記感光性絶縁厚膜表面を平滑化処
理し、マスクを通して露光及び現像して、前記感光性絶
縁厚膜にコイル導体パターンを電気的に接続するビアホ
ール用の孔を形成する工程と、 (c)前記感光性絶縁厚膜上に金属性無機物を含む感光
性導電ペーストを付与し、乾燥させて、感光性導電厚膜
を形成するとともに前記ビアホール用の孔に感光性導電
ペーストを充填した後、前記感光性導電厚膜表面を平滑
化処理し、マスクを通して露光及び現像して前記感光性
絶縁厚膜上にコイル導体パターンを形成し、前記ビアホ
ールを通して前記コイル導体パターン相互を電気的に接
続する工程と、 を備えたことを特徴とする。
【0009】以上の方法により、感光性厚膜表面が平滑
化処理されているため、フォトマスクを透過した光が感
光性厚膜の表面で乱反射することが少なくなる。
【0010】感光性厚膜表面の平滑化処理としては、感
光性厚膜と同じ現像液で溶解する樹脂を感光性厚膜の上
に付与し、平滑な表面を有する樹脂膜を形成する方法が
ある。この方法により、樹脂膜は感光性厚膜の表面の凹
凸を吸収する。樹脂膜は無機物を含まないため、その表
面が平滑になる。従って、フォトマスクを透過した光
は、乱反射が抑えられた状態で樹脂膜を通して感光性厚
膜に入射する。また、樹脂膜の介在によって、フォトマ
スクと感光性厚膜とが直接接触しなくなる。
【0011】また、別の感光性厚膜表面の平滑化処理と
しては、感光性厚膜に鏡面剛体を押し当ててプレスし、
感光性厚膜の表面を平滑にする方法がある。鏡面剛体が
感光性厚膜の表面を平滑にするため、フォトマスクを透
過した光は、乱反射が抑えられた状態で感光性厚膜に入
射する。
【0012】さらに、別の感光性厚膜表面の平滑化処理
としては、平滑な表面を有するフィルムシートを感光性
厚膜上に載置する方法がある。この方法により、フィル
ムシートは感光性厚膜の表面の凹凸を吸収する。フィル
ムシートの表面は平滑であるため、フォトマスクを透過
した光は、乱反射が抑えられた状態でフィルムシートを
通して感光性厚膜に入射する。また、フィルムシートの
介在によって、フォトマスクと感光性厚膜とが直接接触
しなくなる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るインダクタ
製造方法の実施の形態について添付の図面を参照して説
明する。
【0014】[第1実施形態、図1〜図11]本実施形
態により製造されるインダクタは、図1に示すように、
絶縁基板11と、この絶縁基板11上に設けられたスパ
イラル状のコイル導体パターン1〜4等で構成されてい
る。絶縁基板11は、誘電体もしくは磁性体等からな
る。コイル導体パターン1〜4は、ビアホール5を介し
て順次電気的に直列に接続されている。なお、コイル導
体パターン1〜4の形状は、スパイラル状の他に、蛇行
状または直線状であってもよいことはいうまでもない。
【0015】この多層スパイラルインダクタ6の製造方
法を図2〜図11を参照して説明する。なお、インダク
タ6を量産する場合には、複数のインダクタを設けたマ
ザー基板の状態で製造されるが、本第1実施形態では個
産の場合を例にして説明する。
【0016】図2に示すように、導電性の感光性厚膜ペ
ーストを印刷等の方法により、アルミナ等からなる絶縁
基板11上に付与し、乾燥させて感光性導電厚膜12を
形成する。この導電性の感光性厚膜ペーストは、例えば
50〜80体積%のAgやAu,Cu等の金属性無機物
を含むものである。従って、感光性導電厚膜12の表面
は粗く、凹凸になっている。導電性の感光性厚膜ペース
トにはポジ型及びネガ型があるが、本第1実施形態では
ネガ型を採用した。
【0017】その後、図3に示すように、絶縁基板11
上に形成された感光性導電厚膜12の上に、該感光性導
電厚膜12と同じ現像液で溶解する樹脂を付与し、スピ
ンコート等の手法により膜状にした後、乾燥して樹脂膜
21を形成する。感光性導電厚膜12の解像度を高くす
るには、樹脂膜21の膜厚は数μmにするのが好まし
い。これにより、樹脂膜21は感光性導電厚膜12の表
面の凹凸を吸収する。樹脂膜21は無機物を含まないた
め、その表面が平滑になる。具体的には、樹脂膜21の
平滑度は、表面粗さRaが0.5μm程度であった。
【0018】樹脂は、感光性導電厚膜12と同じ現像液
で溶解しかつ紫外線や電子線等を透過することができる
性質を有する樹脂である。樹脂としては、非感光性のも
のが好ましいが、感光性のフォトレジストや、感光性厚
膜ペーストと同組成の有機成分樹脂等であってもよい。
樹脂が感光性の場合には、感光性導電厚膜12がネガ型
であれば、樹脂もネガ型を選定しなければならない。
【0019】次いで、図4に示すように、樹脂膜21の
上に、ネガフィルムのフォトマスク30を被せる。な
お、電子線による露光の場合は、通常、フォトマスク3
0は不要であり、直接描画する。フォトマスク30は、
図1の第1層目のコイル導体パターン1に対応する光透
過部分31と、光遮光部分32とを有している。フォト
マスク30を通して紫外線等の光を照射すると、光はフ
ォトマスク30の光透過部分31のみを透過する。そし
て、その光が樹脂膜21を通して感光性導電厚膜12に
入射し、感光性導電厚膜12が露光される。このとき、
樹脂膜21の表面が平滑なので、フォトマスク30を透
過した光は、乱反射が抑えられた状態で樹脂膜21を通
して感光性導電厚膜12に入射する。
【0020】前記露光後、フォトマスク30を外して感
光性導電厚膜12を現像する。この現像により、図5に
示すように、樹脂膜21とともに感光性導電厚膜12の
未露光部分を除去する。なお、樹脂膜21が感光性樹脂
にて形成されている場合には、現像後、コイル導体パタ
ーン1上に樹脂膜21の露光部分が残るため、更にこれ
を溶剤や研磨で除去する必要がある。これにより、絶縁
基板11上には第1層目のコイル導体パターン1(図1
参照)が形成される。その後、焼成処理を行う。
【0021】次いで、図6に示すように、絶縁性の感光
性厚膜ペーストを印刷等の方法により、コイル導体パタ
ーン1を覆うように絶縁基板11上に付与し、乾燥させ
て感光性絶縁厚膜14を形成する。この絶縁性の感光性
厚膜ペーストは、例えば50〜80体積%のガラス等の
絶縁性無機物を含むものである。従って、感光性絶縁厚
膜14の表面は粗く、凹凸になっている。絶縁性の感光
性厚膜ペーストにはポジ型及びネガ型があるが、本第1
実施形態ではポジ型を採用した。
【0022】その後、図7に示すように、感光性絶縁厚
膜14の上に、該感光性絶縁厚膜14と同じ現像液で溶
解する樹脂を付与し、スピンコート等の手法により膜状
にした後、乾燥して樹脂膜22を形成する。これによ
り、樹脂膜22は感光性絶縁厚膜14の表面の凹凸を吸
収する。樹脂膜22は無機物を含まないため、その表面
が平滑になる。樹脂は、感光性絶縁厚膜14と同じ現像
液で溶解しかつ紫外線や電子線等を透過することができ
る性質を有する樹脂である。樹脂としては、非感光性の
ものが好ましいが、感光性のフォトレジストや、感光性
厚膜ペーストと同組成の有機成分樹脂等であってもよ
い。樹脂が感光性の場合には、感光性絶縁厚膜14がポ
ジ型であれば、樹脂もポジ型を選定しなければならな
い。
【0023】その後、図8に示すように、樹脂膜22の
上に、ネガフィルムのフォトマスク40を被せる。フォ
トマスク40は、図1の第1層目のコイル導体パターン
1に電気的に接続するビアホール5に対応する光透過部
分41と光遮光部分42とを有している。フォトマスク
40を通して紫外線等の光を照射すると、光はフォトマ
スク40の光透過部分41のみを透過する。そして、そ
の光が樹脂膜22を通して感光性絶縁厚膜14に入射
し、感光性絶縁厚膜14が露光される。このとき、樹脂
膜22の表面が平滑なので、フォトマスク40を透過し
た光は、乱反射が抑えられた状態で樹脂膜22を通して
感光性絶縁厚膜14に入射する。
【0024】前記露光後、フォトマスク40を外して感
光性絶縁厚膜14を現像する。この現像により、図9に
示すように、樹脂膜22とともに感光性絶縁厚膜14の
露光部分が除去され、ビアホール5用の孔5aを有する
層間絶縁層15が形成される。次いで、再び、焼成処理
を行う。なお、樹脂膜22が感光性樹脂にて形成されて
いる場合には、現像後、層間絶縁層15上に樹脂膜22
の未露光部分が残るが、必要があれば樹脂膜22を研磨
等して除去する。
【0025】その後、図10に示すように、導電性の感
光性厚膜ペーストを印刷等の方法により、層間絶縁層1
5上に付与し、乾燥させて感光性導電厚膜12を形成す
る。このとき、ビアホール用孔5aにも導電性の感光性
厚膜ペーストが充填される。さらに、感光性導電厚膜1
2の上に、該感光性導電厚膜12と同じ現像液で溶解す
る樹脂を付与し、スピンコート等の手法により膜状にし
た後、乾燥して樹脂膜21を形成する。
【0026】樹脂膜21の上に、ネガフィルムのフォト
マスク50を被せる。フォトマスク50は、図1の第2
層目のコイル導体パターン2に対応する光透過部分51
と、光遮光部分52とを有している。フォトマスク50
を通して光を照射すると、フォトマスク50の光透過部
分51を透過した光は、乱反射が抑えられた状態で樹脂
膜21を通して感光性導電厚膜12に入射する。露光
後、フォトマスク50を外して感光性導電厚膜12を現
像する。この現像により、図11に示すように、層間絶
縁層15上に第2層目のコイル導体パターン2(図1参
照)を形成する。該コイル導体パターン2は、ビアホー
ル5を通して第1層目のコイル導体パターン1に電気的
に接続している。
【0027】以下、同様にして、層間絶縁層15の形成
工程、コイル導体パターン3,4の形成工程を所定回数
繰り返した後、外装保護膜を形成する。なお、マザー基
板の状態で製造している場合には、さらに、マザー基板
をスクライブブレイクもしくはダイシング等により所定
の製品サイズ毎に切り出す。その後、図1の第1層目の
コイル導体パターン1の接続部1a及び第4層目のコイ
ル導体パターン4の接続部4aにそれぞれ接続される端
子電極を、絶縁基板11の両端部に形成する。このよう
にして、一対の端子電極間に、スパイラル状のコイル導
体パターン1〜4がビアホール5,…,5により、順
次、電気的に接続された構成を有する、図1で説明した
多層スパイラルインダクタ6を得ることができる。
【0028】本第1実施形態によれば、感光性厚膜1
2,14の上に、それぞれ表面が平滑な樹脂膜21,2
2を形成するので、フォトマスク30,40,50を透
過した光は乱反射が抑えられた状態で、樹脂膜21,2
2を通して感光性厚膜12,14に入射する。従って、
低露光量で露光でき、感光性厚膜12,14の解像度を
向上させることができる。また、樹脂膜21,22の介
在によって、フォトマスク30,40,50と感光性厚
膜12,14とが直接接触しなくなるので、ステッキン
グ性が悪い感光性厚膜ペーストを使用した場合でも、フ
ォトマスク30,40,50を樹脂膜21,22上に接
触させ、解像度を向上させたとしても、感光性厚膜1
2,14の一部がフォトマスク30,40,50に付着
する心配がない。従って、露光毎にフォトマスクを洗浄
する手間が省ける。
【0029】[第2実施形態、図12]第2実施形態の
製造方法は、前記第1実施形態において図3、図7及び
図10で説明した感光性厚膜12,14の上に樹脂膜2
1,22を形成する工程に代えて、図12に示すように
表面が凹凸の感光性厚膜12,14に、表面を研磨した
金属やガラス等の鏡面剛体61を押し当ててプレスし、
感光性厚膜12,14の表面を平滑化する工程を採用す
る。
【0030】このようにすれば、感光性厚膜12,14
の表面が平滑化されて該表面での乱反射が抑えられる。
従って、低露光量で露光でき、感光性厚膜12,14の
解像度が向上する。なお、第2実施形態では、フォトマ
スクを直接、感光性厚膜12,14に接触させて露光す
るときには、ステッキング性のよい感光性厚膜ペースト
を用いるのが好ましい。
【0031】[第3実施形態、図13]第3実施形態の
製造方法は、前記第1実施形態において図3、図7及び
図10で説明した樹脂膜21,22に代えて、図13に
示すように、感光性厚膜12,14の上に表面が平滑な
フィルムシート71を配置する。フィルムシート71の
厚みは、例えば直径がφ50μmのビアホールを形成し
たい場合には、直径の1/2以下(25μm以下)に設
定するのが好ましい。フィルムシート71は、紫外線や
電子線等を透過し、かつ、弾性を有する。例えば、紫外
線透過性に優れた弾性フィルムとしては、PET(ポリ
エチレンテレフタレート)、PE(ポリエチレン)ある
いはPP(ポリプロピレン)等がある。
【0032】このようにすれば、フィルムシート71が
感光性厚膜12,14の表面の凹凸を吸収する。フィル
ムシート71の表面は平滑であるため、フォトマスクを
透過した光は、乱反射が抑えられた状態でフィルムシー
ト71を通して感光性厚膜12,14に入射する。従っ
て、フィルムシート71は、第1実施形態の樹脂膜2
1,22とほぼ同様の作用効果を奏することができる。
【0033】[他の実施形態]本発明は、前記実施形態
に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種
々の構成とすることができる。例えば、コイル導体パタ
ーンの積層数は4層に限られるものではなく、1層、2
層、もしくは5層以上であってもよい。
【0034】
【実施例】(実施例1)70体積%のガラス成分を含む
絶縁性の感光性厚膜ペーストをアルミナ基板上に30μ
mの乾燥厚みとなるように印刷した。そして、その上に
前記感光性厚膜ペーストと同じ現像液で可溶なアクリル
系樹脂を2μm厚にスピンコートしてアクリル系樹脂膜
を形成する。次に、フォトマスクをアクリル系樹脂膜上
に載せて感光性絶縁厚膜を露光し、現像することによ
り、第1実施形態の製造方法によるサンプルAを製作し
た。また、露光の際にフォトマスクをアクリル系樹脂膜
から2μm離して露光(プロキシミティ露光)すること
以外はサンプルAと同様の方法でサンプルBを製作し
た。さらに、比較のために、前記感光性厚膜ペーストを
アルミナ基板上に30μmの乾燥厚みとなるように印刷
し、フォトマスクを感光性絶縁厚膜から2μm離して露
光し、現像することにより、従来の製造方法によるサン
プルP1を製作した。
【0035】サンプルA,B,P1の製造における適正
露光量範囲と形成可能な最小ビアホール径は、次の表1
に示すとおりであった。露光量が適正露光量範囲より低
くなると、現像時に膜剥がれが発生し、適正露光量範囲
より高くなると、露光にじみが大きくなる。
【0036】
【表1】
【0037】表1から明らかなように、サンプルA,B
では感光性絶縁厚膜上に形成されたアクリル系樹脂膜の
作用により、感光性絶縁厚膜表面の乱反射が抑えられ、
適正露光量が小さく、かつ、最小ビアホール径も小さく
なっていることが分かる。
【0038】(実施例2)60体積%のガラス成分を含
む絶縁性の感光性厚膜ペーストをアルミナ基板上に30
μmの乾燥厚みとなるように印刷した後、乾燥する。こ
うして得られた感光性絶縁厚膜に、表面粗さRaが0.
1μm以下に研磨した金属製の鏡面剛体を1Kg/cm
2以上の力で押し当てながらプレスし、感光性絶縁厚膜
の表面を平滑にする。次に、フォトマスクを感光性絶縁
厚膜上に載せて露光(コンタクト露光)し、現像するこ
とにより、第2実施形態の製造方法によるサンプルCを
製作した。さらに、比較のために、前記感光性厚膜ペー
ストをアルミナ基板上に30μmの乾燥厚みとなるよう
に印刷し、フォトマスクを感光性絶縁厚膜に接触させて
露光し、現像することにより、従来の製造方法によるサ
ンプルP2を製作した。
【0039】サンプルC及びサンプルP2の製造におけ
る適正露光量範囲と形成可能な最小ビアホール径は、次
の表2に示すとおりであった。
【0040】
【表2】
【0041】表2から明らかなように、第2実施形態の
製造方法は、従来の製造方法と比較して、適正露光量が
約1/5になっている。つまり、従来方法では、露光量
全体の4/5に相当する光が感光性絶縁厚膜の表面で反
射(ロス)していたことがわかる。
【0042】(実施例3)70体積%のガラス成分を含
む絶縁性の感光性厚膜ペーストをアルミナ基板上に30
μmの乾燥厚みとなるように印刷した後、乾燥する。こ
うして得られた感光性絶縁厚膜の上に、表面が平滑でか
つ厚さ20μmのPET(ポリエチレンテレフタレー
ト)フィルムシートを載置し、該PETフィルムシート
にフォトマスクを接触させて感光性絶縁厚膜を露光し、
現像することにより、第3実施形態の製造方法によるサ
ンプルDを製作した。また、露光の際にフォトマスクを
PETフィルムシートから2μm離して露光(プロキシ
ミティ露光)すること以外はサンプルDと同様の方法で
サンプルEを製作した。さらに、比較のため、前記感光
性厚膜ペーストをアルミナ基板上に30μmの乾燥厚み
となるように印刷し、フォトマスクを感光性絶縁厚膜か
ら10μm離して露光し、現像することにより、従来の
製造方法によるサンプルP3を製作した。
【0043】サンプルD,E,P3の製造における適正
露光量範囲と形成可能な最小ビアホール径は、次の表3
に示すとおりであった。
【0044】
【表3】
【0045】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明によれば、感光性厚膜表面を平滑化処理したので、フ
ォトマスクを透過した光が感光性厚膜の表面で乱反射す
ることが少なくなり、低露光量で露光でき、感光性厚膜
の解像度を向上させることができる。また、無機成分比
率を高くして焼成による収縮を少なくした感光性厚膜ペ
ーストに対しても、低露光量で高解像度を実現すること
ができ、高精度の導体パターンやビアホールを有する
ンダクタを製造することができる。
【0046】そして、感光性厚膜表面の平滑化処理とし
て、感光性厚膜の上に樹脂膜を形成したり、あるいは感
光性厚膜の上に表面が平滑なフィルムシートを配置する
ことにより、感光性厚膜の露光の際にフォトマスクと感
光性厚膜との間には樹脂膜やフィルムシートが介在され
るため、フォトマスクが感光性厚膜に接触せず、ステッ
キング性が悪い感光性厚膜ペーストにも対応でき、用途
に合わせた感光性厚膜ペーストの選択範囲が広がる。
【0047】また、感光性厚膜表面の平滑化処理とし
て、感光性厚膜に鏡面剛体を押し当ててプレスし、感光
性厚膜の表面を平滑化することにより、感光性厚膜の露
光の際にフォトマスクを感光性厚膜の表面に接触して露
光できるので、導体パターンやビアホールをさらに高精
度に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るインダクタの製造方法により製造
されるインダクタの一例の構成を示す斜視図。
【図2】本発明に係るインダクタの第1実施形態の製造
工程を示す断面図。
【図3】図2の工程に続く製造工程を示す断面図。
【図4】図3の工程に続く製造工程を示す断面図。
【図5】図4の工程に続く製造工程を示す断面図。
【図6】図5の工程に続く製造工程を示す断面図。
【図7】図6の工程に続く製造工程を示す断面図。
【図8】図7の工程に続く製造工程を示す断面図。
【図9】図8の工程に続く製造工程を示す断面図。
【図10】図9の工程に続く製造工程を示す断面図。
【図11】図10の工程に続く製造工程を示す断面図。
【図12】本発明に係るインダクタの第2実施形態の製
造工程を示す断面図。
【図13】本発明に係るインダクタの第3実施形態の製
造工程を示す断面図。
【符号の説明】
1〜4…コイル導体パターン 5…ビアホール 5a…ビアホール用の孔 6…多層スパイラルインダクタ 11…絶縁基板 12…感光性導電厚膜 14…感光性絶縁厚膜 15…層間絶縁層 21,22…樹脂膜 30,40,50…フォトマスク 61…鏡面剛体 71…フィルムシート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭52−79275(JP,A) 特開 昭59−204215(JP,A) 特開 昭54−8646(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H05K 3/02 H01F 41/04 H05K 1/16 H05K 3/46

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁基板上に金属性無機物を含む感光性
    導電ペーストを付与し、乾燥させて、感光性導電厚膜を
    形成した後、前記感光性導電厚膜表面を平滑化処理し、
    マスクを通して露光及び現像して前記絶縁基板上にコイ
    ル導体パターンを形成する工程と、 前記コイル導体パターン上に絶縁性無機物を含む感光性
    絶縁ペーストを付与し、乾燥させて、感光性絶縁厚膜を
    形成した後、前記感光性絶縁厚膜表面を平滑化処理し、
    マスクを通して露光及び現像して、前記感光性絶縁厚膜
    にコイル導体パターンを電気的に接続するビアホール用
    の孔を形成する工程と、 前記感光性絶縁厚膜上に金属性無機物を含む感光性導電
    ペーストを付与し、乾燥させて、感光性導電厚膜を形成
    するとともに前記ビアホール用の孔に感光性導電ペース
    トを充填した後、前記感光性導電厚膜表面を平滑化処理
    し、マスクを通して露光及び現像して前記感光性絶縁厚
    膜上にコイル導体パターンを形成し、前記ビアホールを
    通して前記コイル導体パターン相互を電気的に接続する
    工程と、 を備えたことを特徴とするインダクタの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記感光性導電厚膜表面の平滑化処理
    び前記感光性絶縁厚膜表面の平滑化処理が、それぞれ感
    光性の前記厚膜と同じ現像液で溶解する樹脂を前記厚膜
    の上に付与し、平滑な表面を有する樹脂膜を形成する方
    法であることを特徴とする請求項1記載のインダクタ
    製造方法。
  3. 【請求項3】 前記感光性導電厚膜表面の平滑化処理
    び前記感光性絶縁厚膜表面の平滑化処理が、それぞれ感
    光性の前記厚膜に鏡面剛体を押し当ててプレスし、前記
    厚膜の表面を平滑にする方法であることを特徴とする請
    求項1記載のインダクタの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記感光性導電厚膜表面の平滑化処理
    び前記感光性絶縁厚膜表面の平滑化処理が、平滑な表面
    を有するフィルムシートをそれぞれ感光性の前記厚膜上
    に載置する方法であることを特徴とする請求項1記載の
    インダクタの製造方法。
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