JP3208603B2 - 単結晶の作製方法 - Google Patents
単結晶の作製方法Info
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- JP3208603B2 JP3208603B2 JP18022092A JP18022092A JP3208603B2 JP 3208603 B2 JP3208603 B2 JP 3208603B2 JP 18022092 A JP18022092 A JP 18022092A JP 18022092 A JP18022092 A JP 18022092A JP 3208603 B2 JP3208603 B2 JP 3208603B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、単結晶の作製方法に関
するものであり、さらに詳細にはブリッジマン法による
単結晶作製方法の改良に関するものである。
するものであり、さらに詳細にはブリッジマン法による
単結晶作製方法の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、各種単結晶を作製する方法とし
て、操作が容易で設備も簡単なブリッジマン法が広く用
いられている。このブリッジマン法は、温度勾配を利用
して結晶化を進めるものであり、例えば、溶融試料の一
端を冷却して結晶化させ、これを徐々に成長させるとい
うものである。
て、操作が容易で設備も簡単なブリッジマン法が広く用
いられている。このブリッジマン法は、温度勾配を利用
して結晶化を進めるものであり、例えば、溶融試料の一
端を冷却して結晶化させ、これを徐々に成長させるとい
うものである。
【0003】このようなブリッジマン法によれば、フェ
ライト単結晶ばかりでなく金属や塩類等の大きな単結晶
を作製することが可能で、工業的にも光学用材料や磁性
材料、半導体、各種合金等の単結晶を製造するのに利用
されている。
ライト単結晶ばかりでなく金属や塩類等の大きな単結晶
を作製することが可能で、工業的にも光学用材料や磁性
材料、半導体、各種合金等の単結晶を製造するのに利用
されている。
【0004】ところが、このブリッジマン法において多
成分系の原材料を用いた場合には、組成偏析を生じるこ
とにより結晶の場所によって物理的性質が異なってしま
う等の欠点があった。このため、ルツボ中の溶融帯の幅
を一定に保つことなどに依って、その改善を図った。と
ころが、溶融帯の幅を一定に制御すると、少傾角結晶粒
界が発生しやすくなったり、単結晶化が難しくなり、得
られる単結晶の結晶性に悪影響を及ぼしてしまうおそれ
があった。
成分系の原材料を用いた場合には、組成偏析を生じるこ
とにより結晶の場所によって物理的性質が異なってしま
う等の欠点があった。このため、ルツボ中の溶融帯の幅
を一定に保つことなどに依って、その改善を図った。と
ころが、溶融帯の幅を一定に制御すると、少傾角結晶粒
界が発生しやすくなったり、単結晶化が難しくなり、得
られる単結晶の結晶性に悪影響を及ぼしてしまうおそれ
があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の目的
は、上述のブリッジマン法の有する欠点を解消するため
に提案されたものであって、多成分系の単結晶の組成均
一化に伴う結晶性の劣化を改善し、高品質の単結晶の作
製方法を提供することにある。
は、上述のブリッジマン法の有する欠点を解消するため
に提案されたものであって、多成分系の単結晶の組成均
一化に伴う結晶性の劣化を改善し、高品質の単結晶の作
製方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明は、融液の状態の原材料を温度勾配を有す
る炉中を徐々に通過させることにより単結晶を育成する
単結晶の作製方法において、前記融液を保持するルツボ
を鉛直方向に対して5〜10°傾けて回転させながら単
結晶を成長させるようにしたものである。
めに、本発明は、融液の状態の原材料を温度勾配を有す
る炉中を徐々に通過させることにより単結晶を育成する
単結晶の作製方法において、前記融液を保持するルツボ
を鉛直方向に対して5〜10°傾けて回転させながら単
結晶を成長させるようにしたものである。
【0007】ここで成長される単結晶は、フェライト単
結晶である。
結晶である。
【0008】
【作用】本発明は、融液を保持するルツボを鉛直方向に
対して5〜10°傾けて回転させ、結晶成長時の融液の
攪拌を促進させるとともに、融液内の温度も均一化を図
っているので、得られた単結晶の結晶性は大幅に改善さ
れ、組成の均一性も優れたものとなる。
対して5〜10°傾けて回転させ、結晶成長時の融液の
攪拌を促進させるとともに、融液内の温度も均一化を図
っているので、得られた単結晶の結晶性は大幅に改善さ
れ、組成の均一性も優れたものとなる。
【0009】
【実施例】以下、本発明による単結晶作製方法の原理に
ついて、図面を参照しながら説明する。なお、図1
(A)〜(E)は、ブリッジマン法で一定のメルトゾー
ン幅を保ちながら単結晶作製を実現するための装置の一
例を示すものである。
ついて、図面を参照しながら説明する。なお、図1
(A)〜(E)は、ブリッジマン法で一定のメルトゾー
ン幅を保ちながら単結晶作製を実現するための装置の一
例を示すものである。
【0010】まず、図1(A)に示すように、上部ルツ
ボ1及び下部ルツボ2の上下二段に配置した白金製のル
ツボを用意する。また、上部ルツボ1は上方から吊り下
げ、下部ルツボ2は支持管によって下から支えられるよ
うにし、前記両方のルツボが独立に動作できるような構
造をとっている。このとき前記上部ルツボ1には、棒状
の原材料3を吊るしておくとともに、底部に溶融した原
材料3を前記下部ルツボ2に供給するための注ぎ口4を
設けておく。
ボ1及び下部ルツボ2の上下二段に配置した白金製のル
ツボを用意する。また、上部ルツボ1は上方から吊り下
げ、下部ルツボ2は支持管によって下から支えられるよ
うにし、前記両方のルツボが独立に動作できるような構
造をとっている。このとき前記上部ルツボ1には、棒状
の原材料3を吊るしておくとともに、底部に溶融した原
材料3を前記下部ルツボ2に供給するための注ぎ口4を
設けておく。
【0011】次に、これら上部ルツボ1及び下部ルツボ
2を図1(A)右側に模式的に示すような温度勾配を有
する炉内を徐々に降下させていく。なお、このとき上部
ルツボ1と下部ルツボ2は一定の距離を隔てたまま、育
成中は常にその動作を同期させる。
2を図1(A)右側に模式的に示すような温度勾配を有
する炉内を徐々に降下させていく。なお、このとき上部
ルツボ1と下部ルツボ2は一定の距離を隔てたまま、育
成中は常にその動作を同期させる。
【0012】そして、図1(B)に示すように原材料3
の下端がこの原材料3の溶融開始温度となっている炉内
のX点に達すると、前記原材料3が溶融して前記ルツボ
2へ流れ落ち、溶融状態のメルトゾーン5が形成され
る。
の下端がこの原材料3の溶融開始温度となっている炉内
のX点に達すると、前記原材料3が溶融して前記ルツボ
2へ流れ落ち、溶融状態のメルトゾーン5が形成され
る。
【0013】続いて、さらに前記各ルツボ1、2を降下
させると、図1(C)に示すように下部ルツボ2の下端
が炉内温度が晶出温度となっているY点に達し、前記メ
ルトゾーン5の下端が結晶晶出温度以下に冷却され、こ
のメルトゾーン5の下端から単結晶6が晶出し始める。
させると、図1(C)に示すように下部ルツボ2の下端
が炉内温度が晶出温度となっているY点に達し、前記メ
ルトゾーン5の下端が結晶晶出温度以下に冷却され、こ
のメルトゾーン5の下端から単結晶6が晶出し始める。
【0014】さらに、徐々に各ルツボ1、2を降下させ
ていくと、上部ルツボ1から溶融した原材料3が次々に
供給されるとともにメルトゾーン5の下端から順次単結
晶6が晶出し、図1(D)に示すように前記メルトゾー
ン5が常に一定幅dとなるように制御されて単結晶6が
成長する。
ていくと、上部ルツボ1から溶融した原材料3が次々に
供給されるとともにメルトゾーン5の下端から順次単結
晶6が晶出し、図1(D)に示すように前記メルトゾー
ン5が常に一定幅dとなるように制御されて単結晶6が
成長する。
【0015】最終的には、図1(E)に示すような状態
で前記各ルツボ1、2の移動を止め、徐々に冷却して下
部ルツボ2内から棒状の単結晶6を取り出す。−実施例
1、2−このとき、本発明の実施例1、2においては、
前記下部ルツボ2を鉛直方向に対して5〜10°傾けた
状態で図中矢印R方向へ回転させながら単結晶を成長さ
せるのである。
で前記各ルツボ1、2の移動を止め、徐々に冷却して下
部ルツボ2内から棒状の単結晶6を取り出す。−実施例
1、2−このとき、本発明の実施例1、2においては、
前記下部ルツボ2を鉛直方向に対して5〜10°傾けた
状態で図中矢印R方向へ回転させながら単結晶を成長さ
せるのである。
【0016】この方法によれば、ブリッジマン法により
単結晶を育成する際、融液を保持するルツボを鉛直方向
に対して5〜10°傾けて回転させているので、結晶成
長時の融液の撹拌が促進され、なおかつ融液内の温度も
均一化されるので、得られる単結晶の結晶性は大幅に改
善され、組成の均一性も優れたものとなるのである。
単結晶を育成する際、融液を保持するルツボを鉛直方向
に対して5〜10°傾けて回転させているので、結晶成
長時の融液の撹拌が促進され、なおかつ融液内の温度も
均一化されるので、得られる単結晶の結晶性は大幅に改
善され、組成の均一性も優れたものとなるのである。
【0017】次に、本発明の具体的な実施例について説
明する。なお、本発明がこの実施例に限定されるもので
ないことは言うまでもない。原材料として酸化第二鉄
(Fe2O3)55モル%、酸化マンガン(MnO)2
2.5モル%、酸化亜鉛(ZnO)22.5モル%から
なるフェライト原料を用い、最高温度1670℃に保っ
た炉内を毎時3mmの速度でルツボを降下した。なお、
このときの炉内の雰囲気は酸素98kPaとし、下部ル
ツボ2の回転数は2rpmとした。そして、以下に示す
条件でフェライト単結晶を作製した。
明する。なお、本発明がこの実施例に限定されるもので
ないことは言うまでもない。原材料として酸化第二鉄
(Fe2O3)55モル%、酸化マンガン(MnO)2
2.5モル%、酸化亜鉛(ZnO)22.5モル%から
なるフェライト原料を用い、最高温度1670℃に保っ
た炉内を毎時3mmの速度でルツボを降下した。なお、
このときの炉内の雰囲気は酸素98kPaとし、下部ル
ツボ2の回転数は2rpmとした。そして、以下に示す
条件でフェライト単結晶を作製した。
【0018】実施例1) ルツボの傾きが鉛直方向に対
し、5°の場合。
し、5°の場合。
【0019】実施例2) ルツボの傾きが鉛直方向に対
し、10°の場合。
し、10°の場合。
【0020】比較例1) ルツボの傾きが鉛直方向に対
し、0°の場合。
し、0°の場合。
【0021】比較例2) ルツボの傾きが鉛直方向に対
し、15°の場合。
し、15°の場合。
【0022】こうして得られた各単結晶インゴットの表
面を塩酸で腐食し、その外観及び結晶性を調べた。この
結果を図2に示す。
面を塩酸で腐食し、その外観及び結晶性を調べた。この
結果を図2に示す。
【0023】また、それぞれの単結晶インゴットについ
て組成偏析の状態も調べた。その結果を図3に示す。こ
れら図2及び図3から、組成均一化に伴う結晶性の劣化
が改善され、高品質の単結晶を得られたことは明かであ
る。
て組成偏析の状態も調べた。その結果を図3に示す。こ
れら図2及び図3から、組成均一化に伴う結晶性の劣化
が改善され、高品質の単結晶を得られたことは明かであ
る。
【0024】
【発明の効果】上述したように、本発明の方法によれ
ば、融液を保持するルツボを鉛直方向に対して5〜10
°傾けて回転させ、結晶成長時の融液の撹拌を促進させ
るとともに、融液内の温度も均一化を図っているので、
得られる単結晶の結晶性は大幅に改善され、組成の均一
性も優れたものとなるのである。
ば、融液を保持するルツボを鉛直方向に対して5〜10
°傾けて回転させ、結晶成長時の融液の撹拌を促進させ
るとともに、融液内の温度も均一化を図っているので、
得られる単結晶の結晶性は大幅に改善され、組成の均一
性も優れたものとなるのである。
【図1】(A)〜(E)は、ブリッジマン法で一定のメ
ルトゾーン幅を保ちながら単結晶を作製する方法を説明
する模式図である。
ルトゾーン幅を保ちながら単結晶を作製する方法を説明
する模式図である。
【図2】本発明の実施例1、2並びに比較例1、2で得
られた単結晶の外観及び結晶性の状態をそれぞれ示すも
のである。
られた単結晶の外観及び結晶性の状態をそれぞれ示すも
のである。
【図3】本発明の実施例1、2並びに比較例1、2で得
られた単結晶の組成偏析の状態をそれぞれ示すものであ
る。
られた単結晶の組成偏析の状態をそれぞれ示すものであ
る。
1 上部ルツボ、 2 下部ルツボ、 3 原材料、
4 注ぎ口、 5 メルトゾン、 6 単結晶
4 注ぎ口、 5 メルトゾン、 6 単結晶
Claims (2)
- 【請求項1】 融液の状態の原材料を温度勾配を有する
炉中を徐々に通過させることにより単結晶を育成する単
結晶の作製方法において、前記融液を保持するルツボを
鉛直方向に対して5〜10°傾けて回転させながら単結
晶を成長させることを特徴とする単結晶の作製方法。 - 【請求項2】 前記単結晶はフェライト単結晶であるこ
とを特徴とする請求項1記載の単結晶の作製方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18022092A JP3208603B2 (ja) | 1992-07-08 | 1992-07-08 | 単結晶の作製方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18022092A JP3208603B2 (ja) | 1992-07-08 | 1992-07-08 | 単結晶の作製方法 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001146935A Division JP2001316194A (ja) | 2001-05-16 | 2001-05-16 | 単結晶の作製方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0624892A JPH0624892A (ja) | 1994-02-01 |
JP3208603B2 true JP3208603B2 (ja) | 2001-09-17 |
Family
ID=16079504
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18022092A Expired - Fee Related JP3208603B2 (ja) | 1992-07-08 | 1992-07-08 | 単結晶の作製方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3208603B2 (ja) |
-
1992
- 1992-07-08 JP JP18022092A patent/JP3208603B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0624892A (ja) | 1994-02-01 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20010605 |
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