JPH0812496A - フェライト単結晶の製造方法 - Google Patents

フェライト単結晶の製造方法

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JPH0812496A
JPH0812496A JP15013394A JP15013394A JPH0812496A JP H0812496 A JPH0812496 A JP H0812496A JP 15013394 A JP15013394 A JP 15013394A JP 15013394 A JP15013394 A JP 15013394A JP H0812496 A JPH0812496 A JP H0812496A
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ferrite
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Toru Matsunaga
融 松永
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 種結晶を収容するために底部が細管状に延在
されたルツボに種結晶とフェライト原材料を収容して、
温度勾配を有する炉の中を通過させることで前記フェラ
イト原材料を結晶成長させるに際して、温度の上がりに
くい前記細管状部分の温度を最適な位置において検出
し、かつ、このとき上記温度を1630〜1660℃ま
で一旦昇温した後にこれを徐々に冷却されるように、炉
体温度を制御して結晶化を進める。 【効果】 結晶粒界や結晶方位ズレのほとんどない高品
質な単結晶インゴットを歩留り良く作製することが可能
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はフェライト単結晶の製造
方法に関し、特にブリッジマン法によるフェライト単結
晶の製造方法の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、Mn−Zn系フェライト単結晶
を製造する方法としては、操作が容易で、且つ設備も簡
易なことからブリッジマン法が広く用いられている。こ
のブリッジマン法は、温度勾配を利用して結晶化を進め
るものであり、例えば、溶融した原材料の一端を冷却し
て結晶化させ、これを徐々に成長させるというものであ
る。このようなブリッジマン法によれば、Mn−Zn系
フェライト単結晶ばかりでなく、金属や塩類等の大きな
単結晶を作製することが可能で、工業的にも光学用材料
や磁性材料,半導体,各種合金等の単結晶を製造するの
に利用されている。
【0003】このうち、上述のMn−Zn系フェライト
単結晶を作製する場合には、ルツボに、予め種結晶と少
量のフェライト原材料を収容しておき、一旦融解した後
に冷却して、結晶化を開始したところに、溶融したフェ
ライト原材料を供給することで結晶成長させるのが通例
である。このように種結晶を用いると、種結晶に対して
2次元結晶核の形成が連続的に進行し、インゴットの形
にまで結晶成長する。
【0004】このような種結晶による結晶成長では、単
結晶化の確率が高く、また得られるインゴットの面方位
も安定し、同じ方向になり易い。したがって、種結晶に
よらない結晶成長よりも良質な単結晶インゴットが得ら
れることになる。なお、この種結晶は、最終的なブロッ
クの形状や面方位を考慮して、単結晶インゴット加工時
のブロックの収率や加工性に優れた、<110>結晶方
向を結晶成長面として配置されるのが一般的である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うに、種結晶を用い、これに対して2次元結晶核の形成
を連続的に進行させることで結晶成長を行う場合、種結
晶やそれに対して形成される2次元結晶核に欠陥や異常
等があると、その欠陥,異常が、その後に連続的に形成
される結晶核に受け継がれ、高品質な単結晶インゴット
が得られないといった不都合が生じる。
【0006】特に、結晶成長が、ルツボ下方の尖頭状と
なっている部分で、断面積を拡大しながら進行している
過程においては、ちょっとした温度や融液濃度のゆら
ぎ、さらには雑晶の存在が、容易に結晶方位の異なる2
次元結晶核を形成したり、結晶転位を引き起こしたりす
る。これら2次元結晶核の形成や結晶転位は、最終的に
形成されたインゴットにおいて、結晶粒界や結晶欠陥と
なり、結晶性を劣化させる。
【0007】そこで、本発明は、このような従来の実情
に鑑みて提案されたものであり、結晶粒界や結晶欠陥の
少ない、高品質なMn−Zn系フェライト単結晶が歩留
り良く製造できるフェライト単結晶の製造方法を提供す
ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明のフェライト単結晶の製造方法は、種結晶
を収容するために底部が細管状に延在されたルツボに種
結晶とフェライト原材料を収容して、温度勾配を有する
炉の中を通過させることで前記フェライト原材料を結晶
成長させるに際して、種結晶が収容される前記細管状部
分の温度を検出しながら育成炉の温度を制御して、種結
晶に対する2次元結晶核成長を促し、前記細管状部分か
らルツボ底部へと結晶成長を進めることを特徴とするも
のである。
【0009】また、前記細管状部分からルツボ底部への
結晶成長を進めるにあたり、まず前記細管状部分を16
30〜1660℃まで一旦昇温し、ルツボ内に充填され
たフェライト原材料全てと種結晶の一部を完全に溶融し
た後に徐冷して、種結晶に対する2次元結晶核成長を進
めることを特徴とするものである。さらに、前記細管状
部分の温度を検出するにあたり、熱電対を細管状部分の
最上部から20〜50mm下方の位置に取り付けて温度
を検出することを特徴とするものである。
【0010】
【作用】すなわち、種結晶を収容するために底部が細管
状に延在されたルツボに種結晶とフェライト原材料を収
容して、温度勾配を有する炉の中を通過させることで前
記フェライト原材料を結晶成長させるに際して、温度の
上がりにくい前記細管状部分の温度を最適な位置におい
て検出し、かつ、このとき上記温度を1630〜166
0℃まで一旦昇温した後にこれを徐々に冷却されるよう
に、炉体温度を制御して結晶化を進めている。これによ
り、種結晶上のフェライト原材料が完全に溶解され、雑
晶の原因となるクラスターが少ない状態で種結晶に対す
る2次元結晶核形成が開始されるので、結晶粒界や結晶
方位ズレ等の発生を抑制された良質の単結晶インゴット
を育成できるのである。
【0011】
【実施例】以下、本発明のフェライト単結晶の作製方法
について、図面を参照しながら説明する。本発明の製造
方法においては、まず、図1(A)に示すように、上部
ルツボ1及び下部ルツボ2の上下2段に配置した白金製
のルツボを準備する。
【0012】上部ルツボ1は、原材料を溶融させ、その
溶融原材料を下部ルツボ2に供給するためのものであ
る。この上部ルツボ1は、上方からつり下げられること
で支持されており、上方から吊り下げられた棒状の原材
料3が挿入される円筒部と、溶融原材料を下部ルツボに
供給するための注ぎ口4を有してなっている。一方、下
部ルツボ2は、供給された溶融原材料を種結晶に対して
結晶成長させるためのものである。この下部ルツボ2
は、下方から立ち上がる支持管によって支持されてお
り、図2に示すように、円筒部2aと、この円筒部2a
の下方で径が徐々に小径となされることで外観が尖頭状
となっている尖頭部2bと、この尖頭部2bの頂点から
下方に延在された細管部2cよりなる。この下部ルツボ
2では、少量のフェライト原材料9が充填され、さらに
この細管部cに種結晶7が充填される。
【0013】以上のような上下2段のルツボによってM
n−Zn系フェライト単結晶を成長させるには、Mn−
Zn系フェライト原材料3を上方からつり下げて上部ル
ツボ1内に挿入するとともに、下部ルツボ2内に少量の
Mn−Zn系フェライト原材料9と、さらに前記細管部
2cにMn−Zn系フェライト単結晶を種結晶7として
充填する。そして、このように原材料3がセットされた
上部ルツボ1と少量の原材料9と種結晶7がセットされ
た下部ルツボ2とを互いに一定の距離を隔てた状態で炉
内にセットする。
【0014】次に、炉温を上昇させて図1(A)に示す
ような、上方から下方に向かって温度が最高温度まで徐
々に上昇し、その後降下するような温度勾配を形成す
る。このとき、少量の原材料9が収容されている部分
が、前記温度勾配において原材料の結晶晶出温度である
Y点よりも上部に位置し、かつ、最高温度となる温度勾
配中心部よりも下部に位置するようにする。
【0015】そして、ここで種結晶8が収容される前記
細管部2cの温度を検出しながら育成炉の温度を制御し
て細管部2cを1630〜1660℃までさらに一度昇
温し、下部ルツボ2内に充填されたフェライト原材料9
全てと種結晶8の一部を完全に溶融させる。次に炉温を
元の温度まで徐冷して、種結晶に対する2次元結晶核成
長を進めるのである。
【0016】この後、育成炉の温度を一定に保ち、上部
ルツボ1と下部ルツボ2とを互いに一定の距離を隔てた
状態で炉内を徐々に降下させていく。なお、温度勾配に
おいてX点は原材料の溶融開始温度、Y点は原材料の結
晶晶出温度である。まず、各ルツボを降下させていく過
程で、図1(B)に示すように原材料3の下端がこの原
材料3の溶融開始温度となっている炉内のX点に達する
と、原材料3が溶融して上部ルツボ1の注ぎ口4から下
部ルツボ2の内壁を伝わり当該下部ルツボ2へ流れ落
ち、溶融状態のメルトゾーン5が形成される。
【0017】続いて、さらに上記各ルツボ1,2を降下
させ、図1(C)に示すように下部ルツボ2の下端が炉
内温度が晶出温度となっているY点に達すると、上記メ
ルトゾーン5の下端が結晶晶出温度以下に冷却され、こ
のメルトゾーン5の下端から単結晶が晶出し始める。す
なわち、下部ルツボ2の細管部2cに充填した種結晶7
に対して2次元結晶核の形成が連続的に起こる。
【0018】そして、さらに徐々に各ルツボ1,2を降
下させていくと、図1(D)に示すように、上部ルツボ
1から溶融した原材料3が炉内の最高温度位置を通って
次々に下部ルツボ2に供給され、メルトゾーン5の下端
から順次単結晶6が晶出し、インゴット6のかたちにま
で成長することになる。最終的には、図1(E)に示す
ような状態で上記各ルツボの移動を止め、徐々に冷却し
て下部ルツボ内から棒状のインゴット6を取り出す。
【0019】このように上部ルツボ1で原材料を溶融さ
せ、下部ルツボ2に供給するといったように原材料の溶
融と単結晶の成長を別々のルツボで行うようにすると、
単結晶が成長している下部ルツボ2のメルトゾーン5の
幅dを制御できる。このメルトゾーン5を常に一定幅に
調整しながら単結晶を成長させることで、メルトゾーン
5内を拡散する酸素量の変化に伴う組成の変動が小さく
抑えられる。
【0020】以上のように単結晶は、種結晶7が収容さ
れた下部ルツボ2に溶融原材料を供給しながら、当該ル
ツボ2を、温度勾配を有する炉の中を通過させることで
作製される。ここで、特に種結晶7の温度を規制したの
は、種結晶7の温度が上昇し難いためである。
【0021】すなわち、下部ルツボ2を、上述のような
温度勾配を有する炉の中を降下させても、種結晶7は温
度が上がり難いことから、種結晶7と、それと接触して
いるメルトゾーン5の温度は、周辺の雰囲気温度よりも
低くなる。したがって、周辺の雰囲気温度が溶融温度以
上であっても、メルトゾーン5は完全な溶融状態になら
ず、クラスターを含んだ様相を呈する。このクラスター
は結晶成長に際して雑晶の原因になり、これによってイ
ンゴット6が結晶粒界や結晶方位ズレを有して形成され
てしまう。
【0022】ここで、雰囲気温度ではなく、種結晶7の
方を一旦1630〜1660℃に昇温させ、その後冷却
されるようにすると、種結晶7が1630〜1660℃
にまで昇温した段階で、メルトゾーンがクラスターのな
い十分に溶融した状態になり、さらに冷却されること
で、クラスターの少ない状態で2次元結晶核の形成が開
始される。したがって、雑晶の発生が抑えられ、結晶粒
界や結晶方位ズレのほとんどない単結晶インゴット6が
作製されることになる。
【0023】なお、上記種結晶7の温度は、図2に示す
ように種結晶7が充填される下部ルツボ2の細管部2c
に沿うようにして熱電対8を取付け、この熱電対8によ
って検出することができる。但し、熱電対8の取付け位
置は、下部ルツボ2の尖頭部2bの頂点Aから20〜5
0mm下方に離れた位置とする必要がある。
【0024】熱電対8による温度検出において、検出さ
れた温度に実際になっているのは当該熱電対8の先端部
分と接触する部分である。したがって、尖頭部2bの頂
点に対して20mm離れた位置より近づけて取り付けら
れた熱電対で上記温度変化が検出される状況では、実際
に種結晶として有効に働くのは尖頭部の頂点近傍のほん
の短い部分に充填された種結晶のみとなる。この場合、
結晶晶出に際して、結晶方位が十分安定せず、結晶粒界
や結晶方向のずれを有してインゴットが形成されてしま
う。
【0025】また、尖頭部2bの頂点に対して50mm
離れた位置より遠くに取り付けられた熱電対で上記温度
変化が検出される状況では、種結晶のほとんどが溶融し
てしまい、単結晶を成長させることができない。次に、
実際にMn−Zn系フェライト単結晶を作製し、その結
晶性を評価した。実施例1 本実施例で単結晶の作製に用いたフェライト原材料は、
酸化第二鉄Fe2 354mol%,酸化マンガンMn
O24mol%,酸化亜鉛ZnO22mol%なる組成
のMn−Zn系フェライト原材料である。
【0026】上部ルツボにこのMn−Zn系フェライト
原材料を、下部ルツボに種結晶をそれぞれセットし、こ
の上部ルツボと下部ルツボとを、温度が1720℃(最
高温度)まで徐々に上昇し、その後降下するような温度
勾配を有する炉内を降下させることで単結晶インゴット
を育成した。このとき、ルツボの径は、上部下部ルツボ
とも70mmで、種結晶を収容する部分はφ6×120
mmとした。
【0027】なお、炉内は、酸素を1リットル/min
の流量で導入することで酸素分圧98kPaとした。ま
た、下部ルツボは、溶融材料を攪拌し、組成の偏析を抑
えるために2rpmの回転数で回転させた。またメルト
ゾーンの幅dは40mmに設定した。種結晶の最高温度
は1630℃であった。この種結晶の最高温度は、ルツ
ボ尖頭部の頂点Aから20mm離れた位置に取り付けら
れた熱電対によって検出されたものである。実施例2 ルツボ尖頭部から20mm離れた位置に取り付けられた
熱電対によって検出された最高温度が、1660℃であ
ったこと以外は実施例1と同様にして単結晶インゴット
を育成した。実施例3 ルツボ尖頭部から50mm離れた位置に取り付けられた
熱電対によって検出された最高温度が、1630℃であ
ったこと以外は実施例1と同様にして単結晶インゴット
を育成した。比較例1 ルツボ尖頭部から20mm離れた位置に取り付けられた
熱電対によって検出された最高温度が、1600℃であ
ったこと以外は実施例1と同様にして単結晶インゴット
を育成した。比較例2 ルツボ尖頭部から20mm離れた位置に取り付けられた
熱電対によって検出された最高温度が、1620℃であ
ったこと以外は実施例1と同様にして単結晶インゴット
を育成した。比較例3 ルツボ尖頭部から20mm離れた位置に取り付けられた
熱電対によって検出された最高温度が、1670℃であ
ったこと以外は実施例1と同様にして単結晶インゴット
を育成した。比較例4 ルツボ尖頭部から0mmの位置に取り付けられた熱電対
によって検出された最高温度が、1630℃であったこ
と以外は実施例1と同様にして単結晶インゴットを育成
した。比較例5 ルツボ尖頭部から10mmの位置に取り付けられた熱電
対によって検出された最高温度が、1630℃であった
こと以外は実施例1と同様にして単結晶インゴットを育
成した。比較例6 ルツボ尖頭部から60mmの位置に取り付けられた熱電
対によって検出された最高温度が、1630℃であった
こと以外は実施例1と同様にして単結晶インゴットを育
成した。
【0028】このようにして得られた各単結晶インゴッ
トについて、表面および中央部断面を塩酸で腐食させ、
その結晶性を調査した。図3(A)〜(D)にインゴッ
トの中央部断面及び表面の代表的な様子を模式的に示
す。また、結晶性の評価結果を表1に示す。
【0029】
【表1】
【0030】まず、ルツボ尖頭部から20mm離れた位
置に取り付けられた熱電対によって検出された最高温度
が1600℃であった比較例1では、この最高温度が低
いために、種結晶や原材料が十分溶解せず、単結晶が育
成できなかった。ルツボ尖頭部から20mm離れた位置
に取り付けられた熱電対によって検出された最高温度が
1620℃であった比較例2も、同様に、この最高温度
が低いために、種結晶が十分溶融せず、単結晶インゴッ
トに結晶粒界が発生した。
【0031】一方、ルツボ尖頭部から20mm離れた位
置に取り付けられた熱電対によって検出された最高温度
が1670℃であった比較例3では、この最高温度が高
過ぎて種結晶がすべて溶融してしまい、単結晶が育成で
きなかった。また、ルツボ尖頭部から0mmの位置に取
り付けられた熱電対によって検出された最高温度が16
30℃であった比較例4では、有効に働く種結晶が少な
いことから、結晶方位が十分に安定せず、単結晶インゴ
ットが結晶方位のズレや結晶粒界を有して形成されてし
まった。
【0032】ルツボ尖頭部から10mmの位置に取り付
けられた熱電対によって検出された最高温度が1630
℃であった比較例5でも、比較例4よりも若干は緩和さ
れているものの、単結晶インゴットの結晶性が比較例4
と同じ傾向で劣化していた。さらに、ルツボ尖頭部から
60mmの位置に取り付けられた熱電対によって検出さ
れた最高温度が1630℃であった比較例6では、種結
晶がすべて溶融してしまい、単結晶が育成できなかっ
た。
【0033】これに対して、ルツボ尖頭部から20mm
あるいは50mm離れた位置に取り付けられた熱電対に
よって検出された最高温度が1630〜1660℃であ
った実施例1〜実施例3では、メルトゾーンにおいて良
好な結晶晶出が起こり、結晶粒界や結晶方位ズレのない
良質な単結晶インゴットが得られた。このことから、ル
ツボ尖頭部から20〜50mm離れた位置に取り付けら
れた熱電対によって検出される温度変化が、1630〜
1660℃まで一旦温度上昇した後、降下するような履
歴を経て単結晶を成長させることは、良質な単結晶イン
ゴットを得る上で有効であることがわかった。
【0034】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明のフェライト単結晶の製造方法では、種結晶を収容す
るために底部が細管状に延在されたルツボに種結晶とフ
ェライト原材料を収容して、温度勾配を有する炉の中を
通過させることで前記フェライト原材料を結晶成長させ
るに際して、温度の上がりにくい前記細管状部分の温度
を最適な位置において検出し、かつ、このとき上記温度
を1630〜1660℃まで一旦昇温した後にこれを徐
々に冷却されるように、炉体温度を制御して結晶化を進
めている。これにより、種結晶上のフェライト原材料が
完全に溶解され、雑晶の原因となるクラスターが少ない
状態で種結晶に対する2次元結晶核形成が開始されるの
で、結晶粒界や結晶方位ズレ等の発生を抑制された良質
な単結晶インゴットを育成できるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (A)〜(B)は、本発明の製造方法の原理
を説明する模式図であり、(A)は原材料の準備状態、
(B)が原材料の溶融開始状態、(C)は単結晶晶出開
始状態、(D)は単結晶成長状態、(E)は単結晶晶出
終了状態をそれぞれ示す。
【図2】 本発明の製造方法で用いられるルツボの一例
を示す模式図である。
【図3】 (A)〜(D)は、育成されたインゴットの
表面及び中央部断面の様子を模式的に示す模式図であ
り、(A)は結晶性が良好なインゴット、(B)は結晶
粒界を有して育成されたインゴット、(C)は少傾角結
晶粒界を多数有して育成されたインゴット、(D)は結
晶粒界を多数有しており、単結晶化しなかったインゴッ
トをそれぞれ示す。
【符号の説明】
1 上部ルツボ 2 下部ルツボ 3 フェライト原材料 4 注ぎ口 5 メルトゾーン 6 単結晶 7 種結晶 8 熱電対 9 少量のフェライト原材料

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 種結晶を収容するために底部が細管状に
    延在されたルツボに種結晶とフェライト原材料を収容し
    て、温度勾配を有する炉の中を通過させることで前記フ
    ェライト原材料を結晶成長させるに際して、 種結晶が収容される前記細管状部分の温度を検出しなが
    ら育成炉の温度を制御して、種結晶に対する2次元結晶
    核成長を促し、前記細管状部分からルツボ底部へと結晶
    成長を進めることを特徴とするフェライト単結晶の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 前記細管状部分からルツボ底部への結晶
    成長を進めるにあたり、まず前記細管状部分を1630
    〜1660℃まで一旦昇温し、ルツボ内に充填されたフ
    ェライト原材料全てと種結晶の一部を完全に溶融した後
    に徐冷して、種結晶に対する2次元結晶核成長を進める
    ことを特徴とする請求項1記載のフェライト単結晶の製
    造方法。
  3. 【請求項3】 前記細管状部分の温度を検出するにあた
    り、熱電対を細管状部分の最上部から20〜50mm下
    方の位置に取り付けて温度を検出することを特徴とする
    請求項1記載のフェライト単結晶の製造方法。
JP15013394A 1994-06-30 1994-06-30 フェライト単結晶の製造方法 Withdrawn JPH0812496A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN102758255A (zh) * 2012-08-02 2012-10-31 元亮科技有限公司 顶部籽晶温度梯度法生长大尺寸高温氧化物晶体的方法

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