JP2005239442A - 酸化物単結晶の製造方法 - Google Patents

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伊藤  猛
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真之 羽生
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雅公 名取
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修 中村
Yasunori Furukawa
保典 古川
Sadao Matsumura
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Abstract


【課題】 融液組成と結晶組成が異なる原料を用いて、Cz法によって、テール形成を形成することなく、直胴部に結晶欠陥のない酸化物の単結晶の製造方法を提供すること。
【解決手段】 本発明は、Cz法による融液組成と結晶組成の異なる単結晶の製造に際して、直胴部育成が終了した段階で、引上げ結晶の一部を溶融して結晶を融液から切り離すことを特徴とする単結晶の製造方法である。
具体的には、直胴部育成の終了後、結晶の引き上げを停止し融液の温度を上げて結晶の一部を溶融する方法、融液の温度上昇による結晶の融解長さが結晶の引き上げによる結晶の成長長さよりも大きくなる条件で結晶の引き上げと融液の加熱を行う方法、結晶を引き下げて結晶の下部を融液に接触させ又は一部沈み込ませる方法がある。融液組成と結晶組成の異なる単結晶として、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウム、二オブ酸ストロングチウム・バリウム等の単結晶の製造に利用できる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、強誘電体単結晶の製造方法に関する。更に詳しくは、光情報技術等の分野で用いられる光機能素子などの用途に有用な、強誘電体酸化物単結晶の効率的な製造方法に関する。
従来から、光通信技術のための光デバイスなどには種々の光学結晶や酸化物単結晶などの固体結晶材料が利用されている。これらの光学結晶や酸化物単結晶を製造する方法として、るつぼの中に充填した原料の溶融液に種結晶を接触させて、種結晶を回転させつつ上方に引き上げて、単結晶を成長させることにより、比較的簡単に大型で良質な単結晶を得ることのできるチョクラルスキー法(Cz法)が用いられている。
Cz法においては、単結晶製造装置内に設置したるつぼに所定の組成に調製した原料を充填し、前記るつぼを加熱し、るつぼ内の該原料を溶解して融液とする。そしてシード軸に取り付けた種結晶をこの融液に浸漬し、シード軸及びるつぼを支持しているるつぼ軸を互いに同方向または逆方向に回転しつつ、結晶の成長と共にシード軸を引き上げて単結晶を成長させる。
このCz法による単結晶の製造プロセスは、一般に次の4つの工程に区分される。各工程における操作内容は以下の通りである。
(i)ネッキング工程;種結晶から結晶が成長を始める部分を形成させる工程で、種結晶に存在する欠陥が育成する結晶本体に伝播しないように細く長く成長させる。
(ii)肩工程;ネック部から目的とする所定の直径の単結晶まで、結晶の直径を徐々に増大させる工程である。
(iii)直胴工程;所定の直径に達した後、その直径を維持しつつ結晶を軸方向に成長させて育成する工程である。
(iv)テール工程;目的とする結晶の直胴部の育成終了後、得られた結晶に対する熱的歪等による欠陥の発生を避けるため、結晶の直径を徐々に減少させ、単結晶インゴットを融液から切り離す工程である。
そして、Cz法による通常の単結晶の育成では、育成する結晶の種類や大きさにもよるが、一般的に、光デバイス用強誘電体単結晶の場合には、ネッキング工程に8時間程度、肩工程に60時間程度、直胴工程に100時間程度、テール工程に40時間程度の時間を必要としている。
上記の単結晶の製造工程のうち、テール工程の所要時間は一般的に単結晶引き上げサイクルタイムの約20%を占めている。テールは製品としては使用できない部分であり、これに多大な時間をかけることは生産効率の点から好ましくない。しかしながら、従来はテール部の形成工程は直胴部の欠陥の発生を避けるためには不可欠なものであるため、そのままでは省略することはできないとされてきた。そのため、テール形成時間そのものが単結晶引き上げのサイクルタイムの低減の大きな障害となっていた。
また、化学量論組成のニオブ酸リチウム(LiNbO)やタンタル酸リチウム(LiTaO3)などのような融液の組成とそこから形成される結晶の組成が異なる、いわゆる非一致組成の単結晶の育成においては、Cz法によって単結晶を育成する場合に、融液と結晶の組成が異なることが原因となって、結晶育成の最後に融液から結晶を切り離す際に結晶の端面に融液が残存すると、融液の切り離しによる急激な温度変化による熱ひずみ(サーマルショック)だけでなく、組成の異なる成分が得られた結晶の端面に付着することにより結晶本体に双晶(ツイン)やマイクロクラック、グレインバウンダリーという結晶の品質に重大な影響を及ぼす欠陥が発生することが多く、このような欠陥が発生しないようにテール部を形成することが特に必要であった。
ここで、双晶(ツイン)とは、結晶学的に面を共有して面に対して鏡像に原子が配列した欠陥であり、マイクロクラックとは、結晶内に存在する組成的変動や欠陥による歪応力とか熱応力により発生する微小な割れである。グレインバウンダリとは、結晶内に存在する組成的変動や格子欠陥による歪応力により発生する原子配列の乱れた領域や、結晶の成長の段階で不安定な急成長が起こり結晶内部の原子に乱れが発生した領域のことである。これらの各種結晶欠陥は結晶内を移動し増殖し伝播する、といわれている。
しかしながらこのようなテール工程は本来の結晶の製造からは余分な工程であるため、従来から、そのサイクルタイムの短縮化と生産効率の向上のために、テールの形成を省略することがいろいろと検討されてきた。
例えば、単結晶を融液から無転位状態で切り離すために、融液から切り離す際の切り離し速度が300mm/分以上とし、かつ切り離し距離が20mm以上とする方法(例えば、特許文献1参照)や、切り離す前に結晶引き上げを停止しその位置で保持したり、切り離す前に結晶の引き上げ速度を低下させた後に結晶を融液から切り離す方法(例えば、特許文献2参照)あるいは、育成した単結晶を融液中につけ込み、その後単結晶を無転移状態のまま融液から切り離す方法(例えば、特許文献3参照)などが報告されている。
しかしながら、これらの方法はいずれもシリコンのような単一成分からなる単結晶の場合の方法であり、前述のような融液と結晶の組成が異なる非一致組成の単結晶の育成の場合には満足な効果を示す方法ではなかった。さらに、これらの方法は、結晶を熱的な導体として扱っており現実に存在する微視的な欠陥や表面の特異性を考慮していなかった。
特開平9−208376号公報 特開平9−208379号公報 特開平11−335197号公報
従って、本発明は、上記した従来の問題点に着目してなされたものであり、融液組成と結晶組成が異なるいわゆる非一致溶融組成の原料を用いて、Cz法によって酸化物の単結晶を製造するに際し、テール形成工程を省略しても直胴部に結晶欠陥の発生を防止することができるような単結晶の製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく、酸化物単結晶を得るためのテール工程を省略した効率的な製造方法につき鋭意検討を行ない、その結果本発明を完成した。
即ち、本発明は、以下の内容をその要旨とするものである。
(1)チョクラルスキー法による融液組成と結晶組成の異なる単結晶の製造方法において、直胴部育成が終了した段階で、引上げ結晶の一部を溶融することによって結晶を融液から切り離すことを特徴とする単結晶の製造方法。
(2)チョクラルスキー法による融液組成と結晶組成の異なる単結晶の製造方法において、直胴部育成が終了した段階で、結晶の引き上げを停止し、融液の温度を上げて結晶の底部の一部を溶融して融液から切り離すことを特徴とする、前記(1)記載の単結晶の製造方法。
(3)融液の温度の上昇が1〜100℃であることを特徴とする、前記(2)記載の単結晶の製造方法。
(4)チョクラルスキー法による融液組成と結晶組成の異なる単結晶の製造方法において、直胴部育成が終了した段階で、融液の温度上昇による結晶の融解長さが結晶の引き上げによる結晶の成長長さよりも大きくなる条件で、結晶の引き上げと融液の加熱を行い、結晶の切り離しを行なうことを特徴とする、前記(1)に記載の単結晶の製造方法。
(5)融液の温度上昇による結晶の融解長さが結晶の引き上げによる結晶の成長長さよりも大きくなる条件が、融液の温度を上昇させ始めてからの引き上げ長さが結晶の融解長さの50%以下であることを特徴とする、前記(4)に記載の単結晶の製造方法。
(6)チョクラルスキー法による融液組成と結晶組成の異なる単結晶の製造方法において、直胴部育成が終了した段階で、結晶を引き下げて結晶の下部を融液に接触させ又は一部沈み込ませて温度を上昇させて結晶を融液から切り離すことを特徴とする、前記(1)記載の単結晶の製造方法。
(7)使用する原料が、アルカリ金属酸化物又はアルカリ土類金属酸化物と、タンタル、ニオブから選ばれるヴァナジウム系金属の酸化物の組み合わせであることを特徴とする、前記(1)ないし(6)のいずれかに記載の単結晶の製造方法。
(8)融液組成が、LiOが59モル%〜62モル%、Taが41モル%〜38モル%であることを特徴とする、前記(1)ないし(7)のいずれかに記載のタンタル酸リチウム単結晶の製造方法。
(9)融液組成が、LiOが57モル%〜60モル%、Nbが43モル%〜40モル%であることを特徴とする、前記(1)ないし(7)のいずれかに記載のニオブ酸リチウム単結晶の製造方法。
(10)ニオブ酸ストロンチウム・バリウム単結晶の育成において、融液組成が、{(SrO)(BaO)1−x1−y(Nbで表した場合に、X=0.60〜0.615で、Y=0.49〜0.51であることを特徴とする、前記(1)ないし(7)のいずれかに記載のニオブ酸ストロンチウム・バリウム単結晶の製造方法。
チョクラルスキー法(Cz法)によって融液組成と結晶組成が異なる非一致溶融組成の酸化物単結晶を製造するに際して、本発明の製造方法を用いれば、目的とする結晶の直胴部の形成後にテール部を形成させることなく結晶を融液から切り離しても、結晶欠陥を発生することなく良好な品質の単結晶インゴットを得ることができる。このためCz法による結晶育成のサイクルタイムを大幅に短縮することができ、単結晶の育成の生産性を大きく向上させることができる。
ここでいう結晶欠陥とは、双晶(ツイン)、マイクロクラック、グレインバウンダリー等のような結晶の屈折率や透明度、後工程の歩留まりなどの品質に悪影響のある欠陥である。これらの結晶欠陥は、主に融液との切り離れ時の急激な熱的衝撃や、切り離し端面に付着した融液の雫が固化する時または冷却時に、育成結晶に付着した融液の雫と結晶本体の間の組成が相違し、この組成の差異による組成歪もしくは機械的歪によって導入される。特に融液組成と結晶組成が異なる場合には大きな歪を生じるが、本発明の方法によれば、単結晶の育成に際して直胴部の形成後テール部の形成を行なわなくても、単結晶本体にこのような結晶欠陥を発生させることなく優れた品質の結晶を製造することができる。
本発明は、Cz法による単結晶の育成において、融液と結晶とが切り離される直前に融液と結晶の温度を上昇させることによって、育成された結晶の一部、即ち結晶が融液と接する側の結晶インゴットを一部融解させることによって、結晶を融液から切り離す方法である。このようにすることにより、固液界面近傍の融液の組成が結晶組成と同一又は結晶組成と近い値となり、そのため切り離れ後に結晶端面に残る融液の雫か、またはその固化したものの組成も結晶の組成と同一又は近い値となり、その結果結晶に発生する歪が抑制されるか、あるいは歪の発生が小さくなるという知見に基づいてなされたものである。
以下、本発明を詳しく説明する。
図1は、Cz法によって酸化物単結晶の育成を行なう製造装置の一例の断面を示す説明図である。図2は、本発明の方法によって得た単結晶インゴットの縦断面及び底面の状態を示す説明図である。図1において、結晶の原料を充填した溶融るつぼ3(例えば白金るつぼ)は、これを収納する耐熱材料を充填したアルミナるつぼ4の中に設置され、この溶融るつぼ3とアルミナるつぼ4が回転軸を一致させてるつぼ支持台5の上に回転及び昇降自在に設置されている。アルミナるつぼ4の周囲は保温筒6と加熱用の高周波加熱コイル7が設置されている。溶融るつぼ3の中には結晶原料、例えば所定のモル組成で調合・混合された炭酸リチウム粉末と5酸化ニオブ粉末が充填され、これが加熱コイル7によって加熱溶融される。種結晶9を取り付けた引き上げ棒10が溶融るつぼ3と同一回転軸の上部に回転及び昇降自在に設置されており、溶融るつぼ3と引き上げ棒10を、互いに時計方向(CW)又は反時計方向(CCW)に相互に同じ方向又は反対方向に回転させながら、種結晶9を融液2に接触させてゆっくり引き上げて結晶の育成を開始する。そして、所定の引き上げ条件、加熱条件で、所定の形状になるように前述のネッキング工程、肩工程を終了した後、所定の直径で結晶を育成する直胴工程に入り、単結晶8を育成する。単結晶8を所定の長さに育成した段階で、従来の方法ではテール工程に入り、結晶を引き上げながら高周波加熱コイル7の出力を上げ昇温して結晶の直系を徐々に小さくしてテールを形成して、最後に融液から切り離して単結晶のインゴットを得ている。結晶の育成期間中はその重量を重量計(図示していない)によって常時モニターしており、重量の変化により切り離れたことを確認することができる。同一炉構造においては切り離れに伴う重量減少量はほぼ一定であり、炉内温度勾配が一定であれば切り離し工程における重量変化も一定のパターンをもっており、完全に切れた事を確認することは難しくない。
本発明の単結晶の製造方法においては、上記の一連の工程の中で、直胴を形成する直胴工程が終了する段階で、単結晶の直胴部を所定の長さよりも少し長く、例えば5mm程度長く形成させ、次いで、この結晶の下部の融液に接する部分を一部溶融し、その後融液から切り離すことによって、テール部を形成させることなく結晶を融液から切り離すことができる。
更に具体的には、本発明の単結晶の製造方法においては、直胴工程が終了した段階で、結晶の直胴部を所定の長さよりも少し長く形成して結晶の引き上げを停止し、融液の温度を上げて結晶の底部の一部を溶融して融液から切り離すことによって、テール部を形成させることなく結晶を融液から切り離すことができる。結晶の底部と融液の表面の間はメニスカスと呼ばれる僅かな距離だけ離れた状態となっており、このメニスカスに融液が表面張力と重力のバランスによって保持されている。融液の温度を上げることによって、育成された結晶の底部の一部が溶解するため、結晶表面はこの結晶が溶解した液体、即ち結晶の組成とほぼ同一の組成の液体が接触した状態となっている。このような状態にしてから結晶を融液から切り離すと、たとえ結晶表面に融液の雫が残ったとしても、その組成が結晶の組成とほぼ同一のものであるため、結晶を切り離した際に歪が生ずることがなく、結晶本体に双晶やマイクロクラックなどの結晶欠陥が生ずることがない。このような結晶の底部の一部を溶融するためには、単結晶を作る材料の種類や単結晶の大きさによってもかわるが、融液を加熱しその温度を1℃〜100℃、好ましくは5℃〜30℃上昇させてやればよい。
尚、Cz法で単結晶を育成する場合にはその直径は温度によって制御され、融液の温度を低下させれば単結晶の直径が増加し、融液の温度を上昇させれば単結晶の直径が減少する。また、単結晶の育成中の融液の温度降下幅はその材料の種類にも依存し、単結晶の半径方向の温度勾配が緩いほど小さく、単結晶の半径方向の温度勾配が大きい場合は温度降下幅は大きくなり、成長させる単結晶材料によってその温度降下幅は異なる。本発明の方法によってメルトカットする場合には、そのために必要な温度上昇は、ほぼ単結晶育成時のネッキング工程の種結晶からの結晶の成長開始温度までの温度上昇であればよく、単結晶の育成時の上記の諸条件を考慮して適宜決定することができる。二オブ酸リチウムやタンタル酸リチウム、カリウム酸リチウムなどの場合は、5℃〜30℃、好ましくは約15℃上昇させてやればよい。
また、本発明の単結晶の製造方法においては、直胴工程が終了した段階で、融液の温度上昇による結晶の融解長さが結晶の引き上げによる結晶の成長長さよりも大きくなるような条件で、結晶の引き上げと融液の加熱を行い、結晶の切り離しを行なうことによって、テール部を形成させることなく結晶を融液から切り離すことができる。結晶を引き上げると結晶の析出が起こり結晶化界面が下方に移動し、一方、融液の温度を上げることによって結晶が溶解し結晶化界面が上方に移動する。例えば、引き上げ速度が遅すぎると結晶化界面に析出する成長速度が温度上昇による結晶化界面の後退に追いつかず融解が成長より早いという結果となる。結晶を引き上げながら温度を上げる場合は、結晶化界面が上方に移動することと結晶化界面が下方に向かって成長することの競い合いになり、結晶化界面が速度の速い方に移動することとなる。本発明の方法では、この結晶の引き上げによる結晶の下方への成長長さよりも、融液の温度上昇による結晶の上方への融解長さが大きくなるような条件で結晶を融液から切り離すことによって、テール部を形成させることなく結晶を得ることができる。
このような融液の温度上昇による結晶の融解長さが大きくなるような条件とは、具体的には、例えば結晶を0.5mm/hrで引き上げている場合、温度上昇による結晶の融解長さが5mmである場合には、10時間以内で切り離れないと育成結晶を一部融解していることにならない。例えば5時間で切り離れた場合は、2.5mm分だけ育成結晶を融解したことになる。すなわち、早く結晶が融液から切り離れれば、より多く育成結晶を融解したことになる。
また、本発明の単結晶の製造方法においては、直胴工程が終了した段階で、結晶を引き下げて結晶の下部を融液に接触させ又は一部沈み込ませ、次いで引き上げることにより結晶を融液から切り離すことによって、テール部を形成させることなく結晶を融液から切り離すことができる。
直胴工程が終了した段階で結晶の下部を温度の高い融液に接触させ又は一部沈み込ませることによって結晶の一部の融解が起こり、結晶化界面の近傍の融液は結晶組成に近い状態となる。この状態で結晶を融液から切り離せば、結晶表面に付着・残留する融液による歪が少なくなり、結晶欠陥の発生が防止できる。
本発明の方法は、既に述べたように、結晶組成と融液組成が異なるいわゆる非一致溶融組成の材料用いた場合の単結晶の製造に特に有用である。このような結晶としては強誘電体金属酸化物の単結晶が挙げられる。このような金属酸化物としては、例えば、アルカリ金属酸化物又はアルカリ土類金属酸化物と、タンタル、ニオブから選ばれるヴァナジウム系金属の酸化物とから形成される金属酸化物の単結晶が挙げられる。具体的には、例えば酸化リチウム(LiO)と5酸化ニオブ(Nb)から形成されるニオブ酸リチウム(LiNbO)、酸化カリウム(KO)と5酸化ニオブ(Nb)から形成されるニオブ酸カリウム(KNbO)、酸化リチウム(LiO)と5酸化タンタル(Ta)から形成されるタンタル酸リチウム(LiTaO)、酸化カリウム(KO)と5酸化タンタル(Ta)から形成されるタンタル酸カリウム(KTaO)、酸化リチウムと酸化カリウムと5酸化ニオブから形成されるニオブ酸カリウム・リチウム(KLi1−x(NbO))、酸化カリウムと5酸化タンタルと5酸化ニオブから形成されるタンタル酸・ニオブ酸カリウム(KNbTa1−x)、酸化リチウムと酸化カリウムと5酸化タンタルと5酸化ニオブから形成されるタンタル酸・ニオブ酸カリウム・リチウム(KLi1-x・NbTa1-y)、酸化ストロンチウムと酸化バリウムと5酸化ニオブから形成されるニオブ酸ストロンチウム・バリウム{(SrO)(BaO)1−x1−y(Nbなどが挙げられる。
これらのうちでも、タンタル酸リチウム(LiTaO)、ニオブ酸リチウム(LiNbO)及びニオブ酸ストロンチウム・バリウム({(SrO)(BaO)1−x1−y(Nb)の単結晶の製造の場合に特に好ましい。そして、タンタル酸リチウムの場合には、酸化リチウム(LiO)が59〜62モル%の範囲の融液組成の場合が、ニオブ酸リチウムの場合には、酸化リチウム(LiO)が57〜60モル%の範囲の融液組成の場合が、ニオブ酸ストロンチウム・バリウムの場合には、酸化リチウム(LiO)が59〜62モル%の範囲の融液組成の場合が、融液組成を({(SrO)(BaO)1−x1−y(Nb)で表した場合に、xが0.60〜0.615で、yが0.49〜0.51の範囲の場合の単結晶の育成が特に好ましい。
図2は、このようにして本発明の方法によって得た単結晶の切り離し端面の状態を示す説明図である。図2(a)は得られた単結晶インゴットの縦断面を模式的に示したものであるが、ここに示すように、本発明の方法によりテールを形成せずに得た単結晶21はその下部端面に融液の雫22が残留し、固化することがある。また、(b)及び(c)はインゴットの底面の様子を模式的に示したものであるが、ここに示すように、その端面に同心円状の盛り上がり23や不定形の楕円状の盛り上がり24が見られる。端面の凹凸の模様は結晶化界面に対応して変化する。結晶化界面が凸の場合には連続的に重量が減少し最後のみ急激に減少して一定となる。結晶化界面が凹の場合は階段状に重量が減少し最後に一定となる。結晶化界面は融液内の等温面であり結晶化界面と融液の液面との間(メニスカス)にある液体の重量は融液の表面張力で支えられている。温度をあげて等温面が上に移動すれば当然メニスカスにある融液の重量が増えて表面張力で支えきれなくなる。表面張力は結晶化界面と液面との間にある融液の外周の長さに比例するから表面張力と重量が等しくなる外周と重量までメニスカスの液量は減少する。結晶化界面が下方に凸であれば常に等温面の連続的温度上昇による等温面の上昇によってメニスカスの径は連続的に減少するが、結晶化界面(等温面)が凹の場合は融液の温度上昇により外周部の界面が先に上方に移動するので、メニスカス中央部の融液の重量が表面張力を上回り、ある瞬間に一瞬にして育成結晶と融液が切り離れる。
このように本発明の方法で得られた単結晶のインゴットは、その端面に融液の雫が付着・固化したり、端面が盛り上がり等があっても、単結晶本体の中に双晶などの結晶欠陥が発生することがない。
次に、本発明を実施例によって更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。また、実施例中の「%」および「部」は、特に注記しない限りモル基準である。
図1に示す装置を使用して、ニオブ酸リチウムの単結晶の育成を行なった。
白金るつぼ3に、LiCO59%、Nb41%の割合で予め混合し、所定温度で焼結した出発原料を充填し、これを高周波加熱コイル7により加熱溶解した。その後、ニオブ酸リチウムのZ軸方位の種結晶9を取り付けた引き上げ棒10を用い、引き上げ速度0.8mm/hr、結晶回転速度(CW)5rpm、るつぼ回転速度(CCW)5rpmにより所定の形状になるように、ネッキング工程、肩工程を行い、次いで、結晶を育成する直胴工程に入り、直径88mmの単結晶8の育成を開始し、全部で120時間かけて長さが60mmのニオブ酸リチウムの単結晶を育成した。肩工程と直胴工程の結晶の直径の制御は自動直径制御装置(ADC)によって行なわれる。引き上げ棒10に取り付けられたロードセル(図示せず)が読む重量信号の差分と引き上げ速度からその時点での直径を計算し、前以って計算されたプロファイルと比較しながら高周波加熱コイル7の出力を制御して常に所定の直径になるようにコントロールしている。
単結晶8を所定の長さより5mm長く育成した時点で引き上げを停止する。次いで高周波加熱コイル7の出力を上げ、融液の温度を上昇させると同時に、育成された結晶インゴットの底部の一部を融解させて、結晶の切り離しを行なった。ロードセルにより結晶の重量をモニターして切り離れたことを確認する。この結晶の切り離し操作を、表1に示すように、結晶8の引き上げ速度と高周波加熱コイル7の出力上昇勾配を種々変えて行なった。
このようにして得られた単結晶インゴット8の切り離し端面の直径を測定し、それらの直胴部の結晶の結晶欠陥である、ツイン、マイクリクラック、及びグレインバウンダリーの発生率を調べた。その結果を表1に示す。なお、本実施例の場合は表1の加熱コイルの出力において、出力上昇0.1%は融液温度の約3℃の上昇に相当する。
Figure 2005239442
Aはゆっくり引き上げながら温度もゆっくり上昇させる従来のテール形成法であり、50時間を要してテールを形成し、直径26mmの時に自然に融液から切り離された。図3(a)はこの結晶インゴットの正面及び(b)は端面のスケッチである。切り離され端面は切り離れる直前まで結晶が成長しておりその時の結晶組成と平衡のよりリチウムの濃い融液と接している。そのため切り離され後に端面に残存する雫状の液体組成は結晶組成と異なっているため固化冷却の際に歪を生じて、非常に高い割合でツインやマイクロクラック等の結晶欠陥が発生した。図3の25,26が発生したツインである。
Bは結晶を引き上げながら瞬時にパワーを上げて、結晶の成長をさせずに融解して切り離す方法で行った場合である。通常パワーを瞬時に0.4%あげてもすぐに切れることはなく、完全に切り離れるまで約2時間かかった。Cは引き上げを停止してから温度調節器のプログラム機能を使って徐々に温度を上げていく方式で切り離した場合であり、10時間かけて加熱コイル出力を0.3%上げた。本発明の方法であるB及びCのいずれの場合でもツインやマイクロクラック等の結晶欠陥の発生がややみられたが、Eの結晶を高速で引き上げて切断する方法に比べて良好なものが得られた。この方法でメルトカットした場合のメニスカスの部分の融液組成は、結晶化した結晶の組成と同一かまたはるつぼ内の融液本体の組成と混合しつつある組成であり、混合の時間が短い程また混合の程度が弱いほど切り離し後に残る雫状付着液が固化冷却した際の組成の違いが少なく、そのための歪が小さく、結晶欠陥の発生も少なかった。即ち、Cの場合には10時間をかけて結晶を切り離すため、短時間で加熱して切り離す場合(BまたはD)に比べて、ややツインやマイクロクラックの発生が多くなった。
本発明の方法であるDの場合は、引き上げを停止して瞬時に高周波過熱コイルの出力を上げたもので、ツインやマイクロクラック等の結晶欠陥の発生率が非常に低かった。すなわち、20回中19回はツインが発生しなかった。ロードセルの重量信号をモニターして表面張力分を差し引いて計算したところ直胴部の約5mmが結晶化界面から融けて融液に戻っているがわかった。Dの場合には、切り離しに要するパワー(温度上昇)はおおよそCと同じだが速く切り離すことによって歩留まりが向上した。切り離しに要した時間は約2時間であった。
Eは所定直胴長になった時点で高速引き上げで育成結晶を融液からすばやく切り離して育成を終了させた場合である。この場合は、前述のように結晶組成と大きく異なる組成の融液が結晶表面に付着して固化するため、組成歪や機械的歪によりほとんどすべての場合に各種結晶欠陥が発生した。
次に、上記の実施例において、使用する融液組成として、LiCO57.5%、Nb42.5%の割合で予め混合し、所定温度で焼結した出発原料を使用した場合について、同様の結晶引き上げ育成を行なった。この場合、上記のB条件すなわち、1.5mm/hrで引き上げながら瞬時にパワーを0.4%上げて結晶成長させずに融解して切り離した場合、得られた単結晶のツインやマイクロクラック等の結晶欠陥はゼロであった。
図1と類似した酸化物単結晶製造装置を用いて、定比組成タンタル酸リチウム単結晶の製造を行なった。定比タンタル酸リチウム製造の場合、その結晶育成用融液の融点が高いため図1の溶融るつぼ3として、白金るつぼの代わりにイリジウム(Ir)るつぼを用いて、窒素雰囲気中で製造した。このイリジウムるつぼに、LiCOが61%、Taが39%の割合で予め混合した原料を所定温度で焼結した出発原料を充填し、高周波加熱コイル7により加熱溶解した。その後、ニオブ酸リチウムのZ軸方位の種結晶9を取り付けた引き上げ棒10を用い、引き上げ速度0.8mm/hr、結晶回転速度(CW)5rpm、るつぼ回転速度(CCW)5rpmにより所定の形状になるように、ネッキング工程、肩工程を行い、次いで、結晶を育成する直胴工程に入り、直径58mmの単結晶8の育成を開始し、全部で150時間かけて長さが75mmのニオブ酸リチウムの単結晶を育成した。
単結晶8を所定の長さより5mm長く育成した時点で引き上げを停止した。次いで、高周波加熱コイル7の出力を上げ、融液の温度を上昇させると同時に、育成された結晶インゴットの底部の一部を融解させて、結晶の切り離しを行なった。ロードセルにより結晶の重量をモニターして切り離れたことを確認した。この結晶の切り離し操作を、表2に示すように、結晶8の引き上げ速度と高周波加熱コイル7の出力上昇勾配を種々変えて行なった。
このようにして得られたタンタル酸リチウムの単結晶インゴット8の切り離し端面の直径を測定し、それらの直胴部の結晶の結晶欠陥であるツインの発生状況を調べた。その結果を表2に示す。なお、本実施例の場合は表2の加熱コイルの出力において、出力上昇0.1%は融液温度の約2℃の上昇に相当する。
Figure 2005239442
Fはゆっくり引き上げながら温度を上昇させる従来のテール形成法であり、50時間を要してテールを形成し、直径を減少させてゆき、切断端面の相当直径が7mmの時に自然に融液から切り離された。このようにテールを形成して切り離しを行なえば、端面が小さくなりツインは発生しない。
Gは引き上げながら瞬時に高周波加熱コイル7の出力を上げた。この場合には切り離し端面からツインの発生がやや見られた。結晶を引き上げることは結晶成長を促し融解を抑制するため、引き上げ動作は停止する方がより望ましい。即ち、結晶を引き上げることによって時間当たりの融解量が減り、融液の拡散や対流によるるつぼ内の融液との混合によってメニスカスの融液組成は結晶組成と異なってしまうこととなる。
Hは引き上げを停止して徐々に温度を上げて結晶を融かして融液と結晶を切り離した。切り離した端面の雫の凝固あとから少しツインが発生した。融液の移動が早い場合はメニスカスの結晶が融解して生成した結晶組成と同一の融液がるつぼ内の融液と混じりやすく、長い時間をかけるとメニスカスの融液組成はるつぼ内の融液と混じり結晶の組成と異なってしまうこととなる。
Iは引き上げを停止したまま瞬時に誘導加熱コイルの出力を上げて短時間で温度を上昇させて結晶を融かして結晶を融液から切り離した。この工程は約2時間で終了した。この場合はツインは全く発生しなかった。
Jは所定直胴長になった時点で高速引き上げで育成結晶を融液からすばやく切り離して育成を終了させた場合である。この場合は、前述のように結晶組成と大きく異なる組成の融液が結晶表面に付着して固化するため、ほとんどすべての場合に組成歪や機械的歪により各種結晶欠陥が発生した。
温度上昇によって再融解した結晶と同一組成の融液が時間の経過とともに拡散するため、切り離しが完了するまでの時間は短い程切り離れ端面に残る雫の組成は結晶組成に近づき、切り離し工程にかかる所要時間は短い程、結晶欠陥の発生が少なく歩留まりは向上する。テール工程を省略することにより、従来と同じ直胴部長さの単結晶を育成する場合のサイクルタイムは、従来よりも約20%短縮された。また、テール形成に必要な原料を直胴形成に振り向けることも可能である。
図1と類似した酸化物単結晶製造装置を用いて、二オブ酸ストロングチウム・バリウム単結晶製造のを行なった。
白金るつぼ3に、融液組成が、{(SrO)(BaO)1−x1−y(Nbで表した場合にX=0.61で、Y=0.50になるように予め混合調製し、所定温度で焼結した出発原料を充填し、高周波加熱コイル7により加熱溶解した。その後、二オブ酸ストロングチウム・バリウム単結晶のZ軸方位の種結晶9を取り付けた引き上げ棒10を用い、引き上げ速度0.8mm/hr、結晶回転速度(CW)5rpm、るつぼ回転速度(CCW)5rpmにより所定の形状になるように、ネッキング工程、肩工程を行い、次いで、結晶を育成する直胴工程に入り、直径30mmの単結晶8の育成を開始した。全部で130時間かけて長さが50mmの二オブ酸ストロングチウム・バリウムの単結晶を育成した。
単結晶8を所定の長さより3mm長く育成した時点で引き上げを停止する。次いで、高周波加熱コイル7の出力を上げ、融液の温度を上昇させると同時に、育成された結晶インゴットの底部の一部を融解させて、結晶の切り離しを行なった。この結晶の切り離し操作を、表3に示すように、結晶8の引き上げ速度と高周波加熱コイル7の出力上昇勾配を種々変えて行なった。
このようにして得られた単結晶インゴット8について、実施例1と同様に結晶欠陥の発生状況を調べた。その結果を表3にまとめて示す。なお、本実施例の場合は表3の加熱コイルの出力において、出力上昇0.1%は融液温度の約2℃の上昇に相当する。
Figure 2005239442
Kはゆっくり引き上げながら温度を上昇させる従来のテール形成法であり、50時間を要してテールを形成し、直径を減少させてゆき、切断端面の相当直径が5mmの時に自然に融液から切り離された。このようにテールを形成して切り離しを行なえば、端面が小さくなりツインは発生しない。
Lは引き上げながら瞬時に高周波加熱コイル7の出力を上げた。この場合には切り離し端面からのツインの発生がやや見られた。Mは引き上げを停止して徐々に温度を上げて結晶を融かして融液と結晶を切り離した。切り離した端面の雫の凝固あとから少しツインが発生した。Nは引き上げを停止したまま瞬時に誘導加熱コイルの出力を上げて短時間で温度を上昇させて結晶を融かして結晶を融液から切り離した。この工程は約2時間で終了した。この場合はツインの発生は全く見られなかった。
Oは所定直胴長になった時点で高速引き上げで育成結晶を融液から切り離して育成を終了させた場合である。この場合は、前述のように結晶組成と大きく異なる組成の融液が結晶表面に付着して固化するため、組成歪や機械的歪によりほとんど全ての場合に各種結晶欠陥が発生した。
本発明の方法によって、ニオブ酸リチウムなど単結晶において、ツインなどの結晶欠陥の少ない優れた光学特性を有する強誘電体酸化物の単結晶を効率よく製造することができる。このような強誘電体酸化物の単結晶は、光通信技術などに広く使用される種々の光デバイスへの利用に特に有用である。
本発明の方法による単結晶の製造を行なうための製造装置の一例の断面の概念図である。 実施例1で得た単結晶の縦断面と端面の状態を示すスケッチである。 実施例1のAの方法で得た結晶インゴットのツインの状態を示す正面及び端面のスケッチである。
符号の説明
1 メインチャンバー
2 融液
3 溶融るつぼ
4 アルミナるつぼ
5 るつぼ支持台
6 保温筒
7 高周波加熱コイル
8 結晶本体
9 種結晶
10 引き上げ棒
21 結晶インゴット
22 融液の雫
23 同心円状の盛り上がり
24 楕円状の盛り上がり
25 双晶
26 双晶


Claims (10)

  1. チョクラルスキー法による融液組成と結晶組成の異なる単結晶の製造方法において、直胴部育成が終了した段階で、引上げ結晶の一部を溶融することによって結晶を融液から切り離すことを特徴とする単結晶の製造方法。
  2. チョクラルスキー法による融液組成と結晶組成の異なる単結晶の製造方法において、直胴部育成が終了した段階で、結晶の引き上げを停止し、融液の温度を上げて結晶の底部の一部を溶融して融液から切り離すことを特徴とする、請求項1記載の単結晶の製造方法。
  3. 融液の温度の上昇が1〜100℃であることを特徴とする、請求項2記載の単結晶の製造方法。
  4. チョクラルスキー法による融液組成と結晶組成の異なる単結晶の製造方法において、直胴部育成が終了した段階で、融液の温度上昇による結晶の融解長さが結晶の引き上げによる結晶の成長長さよりも大きくなる条件で、結晶の引き上げと融液の加熱を行い、結晶の切り離しを行なうことを特徴とする、請求項1記載の単結晶の製造方法。
  5. 融液の温度上昇による結晶の融解長さが結晶の引き上げによる結晶の成長長さよりも大きくなる条件が、融液の温度を上昇させ始めてからの引き上げ長さが結晶の融解長さの50%以下であることを特徴とする、請求項4記載の単結晶の製造方法。
  6. チョクラルスキー法による融液組成と結晶組成の異なる単結晶の製造方法において、直胴部育成が終了した段階で、結晶を引き下げて結晶の下部を融液に接触させ又は一部沈み込ませてから温度を上昇させて結晶を融液から切り離すことを特徴とする、請求項1記載の単結晶の製造方法。
  7. 使用する原料が、アルカリ金属酸化物又はアルカリ土類金属酸化物と、タンタル、ニオブから選ばれるヴァナジウム系金属の酸化物の組み合わせであることを特徴とする、請求項1ないし6のいずれかに記載の単結晶の製造方法。
  8. 融液組成が、LiOが59モル%〜62モル%、Taが41モル%〜38モル%であることを特徴とする、請求項1ないし7のいずれかに記載のタンタル酸リチウム単結晶の製造方法。
  9. 融液組成が、LiOが57モル%〜60モル%、Nbが43モル%〜40モル%であることを特徴とする、請求項1ないし7のいずれかに記載のニオブ酸リチウム単結晶の製造方法。
  10. ニオブ酸ストロンチウム・バリウム単結晶の育成において、融液組成が、{(SrO)(BaO)1−x1−y(Nbで表した場合に、X=0.60〜0.615で、Y=0.49〜0.51であることを特徴とする、請求項1ないし7のいずれかに記載のニオブ酸ストロンチウム・バリウム単結晶の製造方法。

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