JP3203951B2 - 車両用インタフェース - Google Patents

車両用インタフェース

Info

Publication number
JP3203951B2
JP3203951B2 JP9807594A JP9807594A JP3203951B2 JP 3203951 B2 JP3203951 B2 JP 3203951B2 JP 9807594 A JP9807594 A JP 9807594A JP 9807594 A JP9807594 A JP 9807594A JP 3203951 B2 JP3203951 B2 JP 3203951B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gaze
driver
sight
line
image
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP9807594A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0796803A (ja
Inventor
浩 斎藤
篤彦 木村
雅男 坂田
繁 岡林
浩 藤本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP9807594A priority Critical patent/JP3203951B2/ja
Publication of JPH0796803A publication Critical patent/JPH0796803A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3203951B2 publication Critical patent/JP3203951B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Lighting Device Outwards From Vehicle And Optical Signal (AREA)
  • Image Processing (AREA)
  • Position Input By Displaying (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は車両用インタフェースに
関し、例えば、車両などの運転者の視線方向に追従し
て、照射方向を制御したり、撮影範囲を制御する車両用
インタフェースに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、この種の車両用インタフェースに
は、移動体に適用した例として、車両用前照灯の制御装
置がある。 通常、車両用前照灯は、車両の前方付近を
最も明るく照らすように設計されており、その照射方向
は変更できない。一方、ドライバが運転時に必要とする
情報は、必ずしも車両の前方のみから入ってくる訳では
なく、直進時に側方の人影に注目したり、右左折時に斜
め前方を注目したり等、広範囲から得る必要がある。と
ころが、従来の前照灯では照射方向が固定されているた
め、広範囲から必要な情報を十分に得るのが難しい。
【0003】そこで、前照灯の、照射方向を可変にする
従来技術として、特開平2−119002号公報及び実
開平2−95101号公報等に開示されているものがあ
る。これらの従来技術は、ステアリングの操舵角に連動
して前照灯の照射方向を変更し、車両の進行方向を明る
く照らすようにしている。また最近では、右左折時のウ
インカ操作に連動して、曲がる方向に照射するコーナリ
ングランプを備えた車両が実用化されている。
【0004】しかしながら、上記の技術では、ステアリ
ングの操舵角やウインカの作動状態に応じて照射方向や
照射状態を制御するため、運転者が本当に見たい方向を
照射しているとは限らないという問題があった。また、
直進時には側方を照射することができないため、路側の
歩行者や自転車の存在を素早く認知できないおそれがあ
るという問題があった。
【0005】運転者が見たい方向という観点からは、特
開平2−54898号公報に、ドライバの視線の方向に
照明の照射方向を変える技術が開示されている。この視
線による従来の車両用インタフェースは図17に示す構
成を有する。光源81は運転者の視線方向に位置する対
象物84を照射し、電源回路82は光源81に電気を供
給する。駆動部83は光源81を駆動して、照射方向を
設定する。視線方向検出部85は運転者の視線方向を検
出し、制御部86は、視線方向検出部85で検出された
視線方向に光源81の照射方向を移動させるように、駆
動部83の動作を制御する。
【0006】視線方向検出部85には、アイマークカメ
ラ(登録商標)やEOG(登録商標)が使用されてい
る。アイマークカメラの場合には、運転者の頭部に装着
するゴーグルに、光源と、該光源から照射された光の反
射光を検知する光検知素子と検知した反射光から視線方
向を演算する回路等を具備した構成が用いられる。また
EOGの場合には、運転者の目の側部に電極を設置し
て、眼球を動かしたときに発生する電圧を検知して、こ
の電圧の変化から眼球の動きを演算し、視線方向を検出
する構成が用いられる。視線方向検出部85は、アイマ
ークカメラ、EOGのいずれの構成の場合においても、
運転者の人体に直接設置するものである。
【0007】この車両用インタフェースでは、対象物8
4に運転者の視線方向が向くと、視線方向検出部85に
より、視線方向が検出される。制御部86は、視線方向
検出部85から受けとった視線方向の情報に従って、駆
動部83に、光源81の駆動方向を指示する。駆動部8
3は、指示された駆動方向に従って光源81を駆動し、
照射方向を設定する。この際、視線の微細な運動、すな
わち、特定周波数成分を除去して、照明の照射方向を制
御するようになっている。このようにして、対象物84
は、視線方向に追随して移動する光源81から照射され
る。
【0008】車両には上述した前照灯制御のほか、快適
な運転支援のため、車両の自車位置を道路地図上にマッ
ピングして、自車の存在位置や進行方向を明確にするナ
ビゲーションシステム(以下ナビシステムという)が実
用化されており、これにより不案内な場所でも道路形状
や自車位置に関する情報が呈示され、快適な走行が促進
される。
【0009】しかし、ナビシステムでは道路形状や自車
位置情報は得られるが、道路標識、電光掲示板、特定の
建造物、個人的な興味の対象等の運転者の視点からの情
報については対応できないのが現状であり、運転者に提
供できる情報に限界がある場合、運転中に見落とされた
情報や既に通過した場所の情報が得られないこともある
ので、目的地までスムーズに運行できなくなる場合があ
る。このような運転者の視点からの情報についても、運
転者の視線方向に基づくインタフェースを用いて必要情
報を入手記録して利用を図ることが考えられる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
2−54898号公報のものでは、単に特定周波数成分
をカットしただけでは、眼球の固視微動が完全に除去で
きる保証はなく、照明の動きがぎこちなくなるおそれが
ある。さらに、ドライバの視線の方向を照射する構成に
なっているが、運転者は、まず周辺視によって注意すべ
きものの存在を見付け、その点に視線を移す眼球運動を
行っているというプロセスを考えると(視覚情報処理、
第368頁、田崎京二著、朝倉書店参照)、単に視線方
向を照射しただけの構成なので、運転者が本当に見たい
方向を照射できないおそれがあるという問題があった。
【0011】さらにまた、この装置では、視線方向を検
出するために、直接、人体に器具を設置しなければなら
ないので、運転者にとって鬱陶しく、使い勝手が悪いと
いう問題があった。したがって本発明は、このような従
来の問題点に着目し、運転者の注目する方向に対応して
付属装置を制御する場合に、運転者に非接触で、精度良
く、安定して、運転者の注目する方向を得ることができ
る車両用インタフェースを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】このため、請求項1に記
載の本発明は、運転者の顔面領域の画像データを入力す
る画像入力手段と、画像入力手段により入力された画像
データに基づいて運転者の視線方向を検出する視線方向
検出手段と、視線方向検出手段により検出された視線方
の時間的な変化量を検出する視線変化検出手段と、視
線方向の変化量に応じて車両に設置された付属装置を位
置決め制御する制御手段とを備えるものとした。
【0013】請求項2に記載の発明は、上記車両に設置
された付属装置をその照射方向を制御可能な照明手段と
し、制御手段が視線変化検出手段により検出された視線
方向の変化量に応じて上記照明手段の照射方向を制御す
るものとした。制御手段は上記変化量としてとくに視線
方向の移動平均を求め、この移動平均の方向に照射方向
に定めるものとすることができる。上記の移動平均は、
さらに運転者の正面方向に高い重みを持たせた重み付き
移動平均とすることができる。
【0014】また請求項5に記載の発明は、制御手段
が、視線方向の周辺視の方向を照明手段の照射方向に定
めるものとした。この際、視線方向の変化が小さいとき
には、その注視方向を照射方向とすることができる。さ
らには、車両前方を複数の領域に分割し、そのうち検出
された視線方向が属する領域を照明手段の照射方向とす
ることもできる。
【0015】請求項8に記載の発明は、上記車両に設置
された付属装置をその撮影条件を制御可能な撮影手段と
し、制御手段が視線変化検出手段により検出された視線
方向の変化量に応じて上記撮影手段の撮影条件を制御す
るものとした。そして請求項9に記載の発明は、さらに
撮影手段の撮影により得られた映像を映像データとして
記憶する記憶手段と、該記憶手段に記憶された映像デー
タに基づく映像を再生する再生手段とを備えるものとし
た。上記の撮影条件は、撮影方向とすることができる。
【0016】また、請求項11に記載の発明は、撮影条
件を、撮影方向に加え、画角とし、制御手段が、視線方
向の注視時間を計測する注視時間計測部を有して、注視
時間が長いときには撮影手段の画角を狭視野に、注視時
間が短いときは画角を広視野に制御するものとした。な
お、本発明における画像入力手段は、撮像手段と、該撮
像手段と共軸に配置された第1の照明と、撮像手段と非
共軸に配置された第2の照明とを有し、視線方向検出手
段は、撮像手段で撮像された上記第1および第2の照明
による運転者の眼球の反射光の位置に基づいて視線方向
を算出するものとすることができる。
【0017】
【作用】請求項1の車両用インタフェースは、車両に設
置された付属装置を位置決め制御する場合、運転者の顔
面領域の画像データを入力し、入力された画像データに
基づいて運転者の視線方向を検出し、さらに視線変化検
出手段で視線方向の時間的な変化量を検出して、制御手
段はこの視線方向の変化量に応じて付属装置を位置決め
制御する。これにより視線の微動によって不用の変動を
招くことがない。
【0018】請求項2のものは、運転者の顔面領域の画
像を入力し、入力された顔面画像に基づいて運転者の視
線方向を検出し、制御手段が視線方向の時間的な変化量
を検出し、検出された変化量に応じて例えば前照灯など
の照明手段の照射方向を制御する。これにより、例えば
運転者が注目している方向が照明される。請求項5のも
のでは、検出された視線方向の周辺視の方向が照明手段
の照射方向とされるので、運転者が注目している方向の
周辺視環境の視界が向上し、運転環境が容易に認識され
る。
【0019】請求項8に記載の発明では、車両に設置さ
れた撮影手段を制御するに際して、運転者の顔面領域の
画像を入力し、入力された顔面画像に基づいて運転者の
視線方向を検出し、さらに視線変化検出手段で視線方向
の時間的な変化量を検出し、制御手段はこの視線方向の
変化量に応じて上記撮影手段の撮影条件を制御する。こ
れにより視線の微動によって撮影条件に不用の変動を招
くことがない。
【0020】請求項9に記載の発明では、撮影手段の撮
影により得られた映像が映像データとして記憶手段に記
憶され、再生手段により映像が再生される。これにより
視線方向に関連した情報を再現し確認することができ
る。請求項11のものは、制御手段が視線方向の注視時
間を計測する注視時間計測部を有して、撮影条件として
視線方向に基づいて撮影方向を制御するとともに、注視
時間が長いときには撮影手段の画角を狭視野に、注視時
間が短いときは画角を広視野に制御する。これにより、
注視時間の長い注目方向ほど狭い範囲が大きく撮影され
る。
【0021】
【実施例】以下、この発明を図面に基づいて説明する。
図1〜図5は、この発明を車両用前照灯の制御に適用し
た第1の実施例を示す。本実施例は、補助前照灯として
照射範囲可変型灯具を用い、運転者の視線方向の時間変
化する各N個のデータから算出した移動平均の方向に補
助前照灯の照射範囲を制御し、注意の向いている方向を
より明るく照らすものである。
【0022】まず図1により構成を説明する。 車両の
運転者15に対向して配置されその顔面領域の画像を入
力するCCD(電荷結合デバイス)センサ等を有する画
像入力部1が設けられ、顔面領域のアナログの画像デー
タを出力する。近赤外LED等の不可視光を発する第1
照明2が、画像入力部1のレンズ軸中心に、画像入力部
と共軸系をなすように配される。第1照明2との相対関
係が既知の位置に第1照明2と同一仕様を有する第2照
明3が設置される。第1照明2及び第2照明3の発光は
照明発光制御部4により制御される。
【0023】画像入力部1から入力した画像信号はA/
D変換器5でディジタルデータに変換され、画像メモリ
6に格納される。画像メモリ6には眼球特徴抽出部7が
接続され、格納された画像データから視線計測に必要な
角膜反射像や瞳孔領域を抽出する。これら抽出された眼
球特徴の位置関係を基に視線方向算出部8が運転者の視
線方向を算出し、算出した視線方向データにより、移動
平均算出部9がその移動平均を算出する。
【0024】照射方向制御部10は、移動平均算出部9
からの移動平均を基に、車両前端に設置された補助前照
灯11の照射方向を制御するとともに、前照灯方向表示
部12に補助前照灯11の照射方向を伝える。補助前照
灯11は照射方向可変機能を有する灯具を具備した付属
装置で、車両前方領域を照射範囲とする。前照灯方向表
示部12は、照射方向制御部10から伝えられた照射方
向を基に補助補助前照灯11の現在の照射方向を運転者
に向けて表示する。
【0025】A/D変換器5および照明発光制御部4に
接続されて、装置全体を制御する全体制御部14が設け
られ、また全体制御部14と照射方向制御部10には、
補助前照灯11の移動平均による方向制御を解除する解
除信号を伝える制御解除スイッチ13が接続されてい
る。照射方向制御部10は、解除信号に従って、照射方
向を予め決められた所定の方向に移動させる。全体制御
部14は、装置全体を制御するCPU(中央処理装
置)、各種制御プログラムを格納したROM、各種プロ
グラムのワークエリアとして用いるRAMを具備する。
【0026】上記構成における運転者の視線方向算出ま
での処理は図2のフローにしたがって行なわれる。全体
制御部14から、図示しない前照灯スイッチに連動さ
せ、計測開始信号を出力して装置が起動されると、ま
ず、ステップ101において、画像入力部による画像の
取り込みが行なわれる。すなわち、照明発光制御部4か
らの照明発光信号によって、第2照明3は消灯したま
ま、第1照明2が点灯され、同時に画像入力部1で運転
者15の顔面領域の画像が取り込まれる。取り込まれた
画像は、A/D変換器5でA/D変換され、ステップ1
02で、ディジタル画像I1(x、y)として画像メモ
リ6に格納記憶される。
【0027】画像I1(x、y)が格納されたあと、ス
テップ103において、照明発光制御部4からの照明発
光信号によって、こんどは第1照明2が消灯され、第2
照明3が点灯される。そして同時に、画像入力部1によ
り再度運転者15の顔面領域の画像が取り込まれる。取
り込まれた画像は、A/D変換器5でA/D変換され
て、ステップ104で、ディジタル画像I2(x、y)
として、画像メモリ6に記憶される。
【0028】このあとステップ105において、眼球特
徴抽出部7で、画像I1(x、y)から運転者の眼球の
瞳孔領域と角膜反射像が抽出され、画像I2(x、y)
から運転者の眼球の角膜反射像が抽出される。すなわ
ち、画像I1(x,y)から画像I2(x,y)を差し
引きして、画像I1(x,y)の中にある瞳孔領域(網
膜反射像)を強調し、2値化によって瞳孔候補領域を選
択した後、円形に近いという形状特徴を利用して、瞳孔
を決定する。次に瞳孔の近傍で、輝点として観測される
角膜反射像を、画像I1(x,y)、画像I2(x,
y)からそれぞれ抽出する。
【0029】ついで、ステップ106で、視線方向算出
部8において、画像から抽出した上記各像の位置関係か
ら運転者の視線方向と眼球存在位置が算出される。すな
わち、眼球特徴抽出部7で抽出された瞳孔領域の重心位
置を基に、2つの第1、第2照明2、3の位置と整合の
とれる反射像を選択して2つの角膜反射像を求め、これ
らの角膜反射像の位置・眼球サイズ(例えば、角膜球半
径7.8mm、角膜球中心−瞳孔中心間距離4.2m
m)から演算により視線方向を決定する。 上記眼球特
徴の抽出および視線方向の算出については、すでに特願
平5−50619号においても説明している。
【0030】図3は、視線方向と照射方向との関係を平
面的に示すものである。時刻tにおいて計測された視線
方向を(X(t)、Y(t)、Z(t))とする。ここ
で、Xは運転者15の左右方向成分(x成分)、Yは運
転者15の前後方向成分(y成分)、Zは運転者15の
上下方向成分(z成分)である。各軸は、視線計測用セ
ンサである画像入力部1の設置位置、設置方向によって
規定されるものとする。なお、図3は、車載されたシス
テムを真上から見たものであり、センサのZ軸は、鉛直
に向いているものとする。
【0031】なお、運転者の眼球存在位置と補助前照灯
設置位置の間には、若干のずれが存在するが、補助前照
灯11は所定幅をもった配光パターンを有するため、多
少の方向ずれは、照射方向に影響しない。また、照射位
置までの距離に対し、運転者15と補助前照灯11間の
位置ずれは非常に小さいから、補助前照灯11の照射方
向は、視線方向と平行に設定することができる。また、
照明の照射方向を上下方向に動かすと、対向車の幻惑を
引き起こすおそれがあるから、照射の移動方向は水平方
向のみに限定する。
【0032】このようにして、視線方向が算出された後
には、移動平均算出部9において、上に算出された視線
方向の移動平均が求められる。移動平均の算出は、図4
の流れで実行される。ここでは運転者の視線計測に要す
る時間Δtとし、N(Nは自然数/固定値)回の視線計
測データX(t)、Y(t)、Z(t)の移動平均が算
出される。まず、ステップ301において、データ取込
回数のカウンタnが1にセットされ、ステップ202で
は、視線計測データの内、視線方向のx成分であるX
(t)、y成分であるY(t)を格納しておく配列Dx
(n)、Dy(n)、及びその総和を格納しておくレジ
スタDx、Dyがそれぞれ0にセットされる。
【0033】そしてステップ303で、前述した図2の
処理によって実際の視線計測が行なわれ、視線方向算出
部8で算出取得されたデータX(t)、Y(t)が配列
Dx(n)、Dy(n)に格納される。ステップ304
では、計測した視線方向取得データの総和がレジスタD
x、Dyに格納される。次のステップ305で、カウン
タnがインクリメントされ、ステップ306で、このカ
ウンタ値がNになったか否かがチェックされる。もしN
に達していないときは、ステップ303に戻り、上記ス
テップ203〜ステップ205の視線計測からレジスタ
格納までが繰り返される。
【0034】視線計測がN回繰り返されると、ステップ
307に進んで、再度視線計測が行なわれ、得られた視
線計測データX(t)、Y(t)からその時刻における
移動平均Mx(t)、My(t)が次式により算出され
る。 Mx(t)=(Dx−Dx(1)+X(t))/N My(t)=(Dy−Dy(1)+Y(t))/N そしてステップ308において、データ配列Dx
(n)、Dy(n)の内容をシフトして、最新の視線方
向が配列Dx(N)、Dy(N)にセットされるととも
に、ステップ309で、先の移動平均Mx(t)、My
(t)が照射方向制御部10に出力される。 これによ
り、Δtの時間間隔で移動平均が出力される。
【0035】照射方向制御部10では、移動平均算出部
9から入力された移動平均Mx(t)、My(t)に基
づいて、補助前照灯11の照射方向を制御する。以上の
ステップ207〜209の処理を繰り返して、補助前照
灯11の照射方向が連続的に制御される。 この間、常
に運転者15に補助前照灯11の照射方向を知らせるた
め、補助前照灯11の照射方向が前照灯方向表示部12
に表示される。これは、例えば、図5に示す照射方向R
の表示により、ヘッドアップディスプレイによってウィ
ンドシールドに示される。補助前照灯11の方向制御が
不要のときは、運転者15は制御解除スイッチ13を動
作させる。これにより、補助前照灯11はあらかじめ設
定された通常の照射方向、すなわち車両正面方向を向い
て停止される。
【0036】この実施例は以上のように構成され、運転
者15の注目する方向に追従して動作させる付属装置、
すなわち補助前照灯11を位置決め制御する場合に、運
転者に全く触れずに、視線から注目する方向を精度良
く、安定して取得することができ、運転者に鬱陶しさを
与えずに済む。運転者の視線方向から算出した移動平均
方向に向けて補助前照灯11の向きを制御するようにし
たので、視線の微動によって不用の変動を招くことなく
運転者の本当に見たい方向、すなわち注目方向が照射さ
れ、そこから十分な情報を得ることができるという効果
を有する。
【0037】なお、上記移動平均算出に際しては、図6
のテーブルに示すような重み付けを行なうことができ
る。 Wは重みを示し、W1>W2>W3の関係を持
つ。θは車両の直進方向(または正面方向)を0度とし
て右回り、左回りの方向に正負の符号を持つ。すなわ
ち、運転者の視線方向は、通常は直進方向を向いている
ため、その直進方向に高い重みW1を持たせ、この重み
付けした移動平均方向を補助前照灯の照射方向とする。
これにより、運転者が十分な注視を行わないと、照射方
向は、脇方向へは移動しにくいので、運転者の視線の微
動に追従して補助前照灯の照射方向が移動してしまうこ
とがより効果的に防止される。
【0038】さらにまた、補助前照灯の照射方向につい
ては、上述のように連続的に変化させるほか、図7に示
すように車両前方の照射範囲を複数の照射領域、例えば
6領域A、B、C、D、E、Fに分割し、上記移動平均
あるいは重み付けした移動平均により算出された視線方
向がどの領域に属しているかを判定して、予め段階的に
決めておいた領域A〜Fの内から、視線方向が属する照
射領域を注目方向として照射するようにしてもよい。
【0039】一般の前照灯の配光パターンによれば、照
射方向の周辺部も相当レベルの明るさを持っているか
ら、視線方向が所定範囲内に入っていれば、照射方向を
連続的に細かく変化させなくても、運転者は十分な情報
を得られる。したがってこれによれば、照射方向の変化
が頻繁になく安定して、不要の変化で運転者に違和感を
与えるおそれもない。
【0040】図8および図9には、この発明の第2の実
施例を示す。この実施例は、補助前照灯として照射方向
の異なる複数の灯具を備え、運転者の視線方向から算出
した周辺視の方向に対応した灯具のみ点灯し、周辺視方
向をより明るく照らすものである。まず、構成を図8に
より説明する。車両の運転者15の顔面領域の画像を入
力するCCDセンサ等を有する画像入力部1が設けら
れ、近赤外LED等の不可視光を発する第1照明2が画
像入力部1のレンズ中心に、画像入力部と共軸系をなす
ように配される。第1照明2との相対関係が既知の位置
に第1照明2と同一仕様を有する第2照明3が設置され
る。第1照明2及び第2照明3の発光は照明発光制御部
4により制御される。
【0041】画像入力部1から入力した画像信号はA/
D変換器5でディジタルデータに変換され、画像メモリ
6に格納される。画像メモリ6には眼球特徴抽出部7が
接続され、格納された画像データから視線計測に必要な
角膜反射像や瞳孔領域を抽出する。これら抽出された眼
球特徴の位置関係を基に、視線方向算出部8が運転者の
視線方向を算出する。視線方向算出部8には周辺視方向
算出部19が接続され、視線方向から、運転者の周辺視
方向を算出する。
【0042】車両前端には照射方向の異なる複数の補助
前照灯21a〜21eが設置され、この補助前照灯21
a〜21eの各々には、照射範囲が固定された固定型灯
具が用いられている。照明選択部20が周辺視方向算出
部19から入力される周辺視方向に対応した補助前照灯
を選択し点灯させる。A/D変換器5および照明発光制
御部4に接続されて、装置全体を制御する全体制御部2
2はCPU(中央処理装置)、各種制御プログラムを格
納したROM、各種プログラムのワークエリアとして用
いるRAMを具備する。その他の構成は第1の実施例と
同様である。
【0043】次に、上記構成における制御処理について
説明する。視線方向算出部8において視線方向が算出さ
れるまでは、図2に示した各ステップの流れと同じであ
る。視線方向算出部8において、画像から抽出した各像
の位置関係から運転者の眼球存在位置と視線方向が算出
されると、周辺視方向算出部19において、上に算出さ
れた視線方向に最も近い照射方向を持つ補助前照灯を2
1a〜21eの中から求め、その左右両側の補助前照灯
が選択される。
【0044】図9は、車載されたシステムを真上から見
たものであり、AA、BB、CC、DD、EEはそれぞ
れ補助前照灯21a、21b、21c、21d、21e
に対応した照射エリアを示す。図3におけると同様に、
時刻tにおいて計測された視線方向をX(t)、Y
(t)、Z(t)とする。ここでは、運転者の頭部位置
の変動は小さく、補助前照灯の照射エリアは図9におけ
るAA〜EEのように予め決まっているから、運転者の
視線方向が算出されればその周辺視方向に対応する補助
前照灯は一義的に決定される。
【0045】これにより、視線方向が例えば図9に示さ
れる方向の場合には、この視線方向は照射エリアBB内
に入っているから、周辺視方向は照射エリアAAとCC
でカバーされる。また、算出された視線方向が照射エリ
アAAあるいはEEに入っていたときは、それぞれ周辺
視方向として照射エリアBB、照射エリアDDのみが選
択される。なお、視線方向算出部8で算出される視線方
向は3次元成分を持っているが、補助前照灯21a〜2
1eの照射方向は前述の通り対向車への影響を考慮して
上下方向には変化させない。
【0046】このようにして、周辺視方向算出部19に
おいて、視線方向に最も近い照射方向を持つ補助前照灯
を補助前照灯21a〜21eの中から求められ、その左
右両側の補助前照灯が周辺視方向として決定されると、
照明選択部20により、周辺視方向の補助前照灯が選択
され、点灯する。以上の処理が繰り返され、視線方向に
応じて照明方向が連続的に制御される。
【0047】以上のようにこの実施例によれば、運転者
の周辺視方向を向いている補助前照灯を選択して照射す
るものとしたので、運転者が本当に注目している方向、
すなわち、周辺視環境の視界がより向上し、より良く運
転環境を認識できるという効果が得られる。前実施例で
は、補助前照灯11に可変型灯具を用いたので、可変制
御を解除するために制御解除スイッチ13が設けられて
いるが、本実施例では補助前照灯に固定型灯具を用いた
ので、特に制御解除スイッチを設定せずに済む利点があ
る。
【0048】図10には、本発明の第3の実施例を示
す。 この実施例は、運転者が視線方向を注視している
と考えられるとき、周辺視方向のかわりにその視線方向
を照明して、中心視を補助するようにしたものである。
その構成は、前実施例における視線方向算出部8と周辺
視方向算出部19の間に、算出された視線方向から視線
移動を判定する視線移動判定部24が設けられるととも
に、この視線移動判定部24と照明選択部27の間に、
周辺視方向算出部19と並列に、注視方向算出部25が
設けられている。注視方向算出部25は、視線移動が小
さいとき、注視方向を算出するものである。
【0049】上記構成において、視線方向算出部8で視
線方向が算出されるまでは、図2に示した流れと同じで
ある。 このあとの処理は、図11に示される。まずス
テップ401において、視線移動判定部24では、視線
方向算出部8で算出された時間的に連続した2つの視線
方向の差分Sが演算される。そして、ステップ402
で、差分Sを所定値と比較して視線方向の変化量がチェ
ックされる。
【0050】Sが所定値より大きいときは、視線方向が
移動し、運転者は周辺視を行っているものとして、周辺
視方向算出部19に視線方向が伝えられ、ステップ40
3に進む。ステップ403では、周辺視方向算出部19
において前述の図9で説明したと同じ要領で周辺視方向
が算出される。これに基づいてステップ404で照明選
択部27が周辺視方向に対応した補助照明灯を選択し
て、当該周辺視方向が照明される。
【0051】またステップ402でのチェックで差分S
が小さいときは、運転者が視線方向を注視しているもの
として、ステップ405に進み、注視方向算出部25に
おいて注視方向が算出される。このあとステップ404
において、照明選択部27で注視方向に対応した補助照
明灯を選択して、注視方向が照明される。以上のように
この実施例によれば、視線移動が殆どないときは、視線
方向を照明するようにしたので、周辺視による余裕のあ
る状況把握と、中心視による対象の十分な観察とが運転
者の挙動に対応して満足される。
【0052】図12は、本発明を車両用情報伝達装置に
適用した第4の実施例を示す。これは、運転者が注目し
た道路標識、電光掲示板等の情報を再度呈示して確認な
どに供するものである。車両には付属装置としてのテレ
ビカメラ(以下TVカメラという)51が車両前方領域
を撮影方向として搭載され、TVカメラ51は電動雲台
を備えてその撮影方向の可変機能を有する。このTVカ
メラ51は、撮影により得られた映像信号をA/D変換
し、ディジタルの録画データとして出力する。
【0053】画像入力部41は車両の運転者に対向して
配置されたCCD(電荷結合デバイス)センサ等の視線
計測用センサであり、運転者15の顔面領域を撮影し、
上記顔面領域のアナログの画像データを入力する。第1
照明42は、画像入力部41のレンズ中心に対して、画
像入力部1と共軸系をなすように配され、近赤外LED
(発光ダイオード)等のように不可視光を発する。第2
照明43は第1照明42と同一仕様を有し、第1照明4
2と相対関係が既知の位置に設置される。
【0054】照明発光制御部44は第1照明42及び第
2照明43の発光を制御し、A/D変換器45は画像入
力部41から入力された画像データをアナログ−ディジ
タル変換する。画像メモリ46はA/D変換器45に接
続され、A/D変換されたディジタル画像データを格納
する。眼球特徴抽出部47は画像メモリ46に接続さ
れ、格納された画像データから視線計測に必要な角膜反
射像や瞳孔領域を抽出する。視線方向算出部48は眼球
特徴抽出部47に接続され、抽出された眼球特徴(角膜
反射像や瞳孔領域)の位置関係を基に視線方向を算出す
る。
【0055】視線方向算出部48で算出された視線方向
データはカメラ方向制御部50に入力され、ここでは、
視線方向を基に車両前方を撮影するTVカメラ51の撮
影条件である撮影方向を制御する。全体制御部54は、
装置全体を制御するCPU(中央処理装置)、各種制御
プログラムを格納したROM、各種プログラムのワーク
エリアとして用いるRAMを具備する。
【0056】TVカメラ51には映像録画部56が接続
され、TVカメラ51からの出力(映像)を録画する。
この映像録画部56からの録画データは映像メモリ57
に送られて格納され、映像メモリ57は一定時間毎にそ
のメモリ内容を更新する。映像メモリ57は、例えば、
512×512画素の半導体メモリを20枚持ち、サン
プリングレートを0.5secとする。このサンプリン
グレートにより、10sec分の映像データが録画可能
であるが、10sec後からの0.5sec分の録画デ
ータは、最初に書き込まれた半導体メモリに上書きして
格納される。すなわち、映像メモリ57では、10se
c毎に、録画データが更新される。
【0057】映像メモリ57には映像再生部58が接続
され、映像メモリ57に格納された録画データを読み出
して映像を再生する。そして、映像再生部58で再生さ
れた映像は、センターコンソール等に設置されたCRT
や液晶パネル等からなるモニタの構成を有する映像表示
部59に表示されるようになっている。映像メモリ57
には再生開始スイッチ(以下再生開始SWという)60
が接続されており、映像メモリ57に格納された映像デ
ータを基にした映像の再生開始を起動する。この再生開
始SW60は、例えば、ステアリングに設置され、運転
の邪魔にならずに容易に操作できる。
【0058】次に動作について説明する。第1照明4
2、第1照明43を用いて画像入力部41で運転者の顔
面領域を撮影しそのデータから視線方向を求めるまで
は、図2で説明したフローと同じである。この視線方向
のデータを受けてカメラ方向制御部50ではTVカメラ
の観測方向を制御する。
【0059】図13は、視線方向と観測方向との関係を
平面的に示しており、同図において、時刻tにおいて計
測された視線方向、すなわち、視線計測データをX
(t)、Y(t)、Z(t)とする。ここで、Xは運転
者15の左右方向成分(x成分)、Yは運転者15の前
後方向成分(y成分)、Zは運転者15の上下方向成分
(z成分)である。各X、Y、Z軸は、画像入力部41
の設置位置、設置方向によって規定されるものとする。
なお、図13は、車載された車両インタフェースのシス
テムを真上から見たものであり、画像入力部41のZ軸
は、鉛直に向いているものとする。
【0060】なお、運転者15の眼球存在位置とTVカ
メラ51の設置位置との間には、若干のずれが存在する
が、TVカメラ51の撮影範囲は、ある広さを持ってい
るため、多少の方向ずれは観測方向に影響せず、また観
測点までの距離に対して、運転者15とTVカメラ51
との位置ずれは非常に小さい。したがって、少なくとも
2軸方向に制御可能な電動雲台を備えたTVカメラ51
は、視線方向と同一方向に観測方向を位置決め制御され
る。すなわち、カメラ方向制御部50は、視線方向算出
部48から入力された視線方向X(t)、Y(t)、Z
(t)に基づいてTVカメラ51の観測方向Mx
(t)、My(t)、Mz(t)を制御する。以上の処
理を繰り返して、TVカメラ51の観測方向が連続的に
制御される。
【0061】次に録画・再生処理について図14により
説明する。まず、ステップ601において、TVカメラ
51から出力された映像信号は、映像録画部56で記録
され、逐次映像メモリ57に格納される。この映像メモ
リ57に格納される録画データは、10sec間隔で更
新される。その間、ステップ602で、再生開始SW6
0の操作の有無が常にチェックされる。
【0062】運転者15は、車外情報の見落としに気付
いたとき、あるいは、過去(本実施例では過去10se
c分の映像)の情報をもう一度見たいときに、再生開始
SW60をONする。ステップ602でこのスイッチ操
作が確認されると、ステップ603に進んで、映像メモ
リ57から映像再生部58に過去10sec分の映像デ
ータが順次読み出され、ステップ604において、映像
表示部59で再生映像が表示される。そしてステップ6
05で、過去10sec分の情報の再生表示が終了した
ことが確認されると。ステップ601に戻り、新たな映
像録画とその映像メモリ57への格納が行なわれる。
【0063】この実施例は以上のように構成され、運転
者の注意の向いている注目方向を観測方向としてTVカ
メラの映像を録画し、必要に応じて再生表示できるよう
にしたので、目を向けたにも拘らず、見落としてしまっ
た情報や理解できなかった情報を再生して確認すること
ができる。これにより、情報の見落としや曖昧な理解に
よる心理的不安を取り除くことができるので、運転操作
に安心して集中できるという効果が得られる。そして、
運転者15の注目する方向として、運転者に全く触れず
に、その視線方向を精度良く、安定して取得するので運
転者に鬱陶しさを与えずに済む。
【0064】次に図15は、第5の実施例を示す。これ
は、前実施例についてさらにTVカメラの撮影条件であ
るレンズの画角をも制御するようにしたものである。具
体的には、運転者の注視時間の大小に応じて、TVカメ
ラの画角を制御し、注視時間が長いときには視線方向の
狭視野の画像を記録し、注視時間が短いときには視線方
向の広視野の画像を記録するものである。第4の実施例
と同様の機能及び構成を有する部位には、図13で使用
した符号と同様の符号を用いて、説明を省略する。
【0065】この実施例においては、視線方向算出部4
8に、カメラ方向制御部50に加えて注視時間計測部6
1が接続され、視線方向を基に注視時間を計測するよう
になっている。そして、注視時間計測部61にはレンズ
画角制御部62が接続され、注視時間に応じてTVカメ
ラ64のレンズの画角を制御する。TVカメラ64は電
動雲台を備えて撮影方向が制御可能であるとともに、ズ
ーム機能によって画角を可変にするズームレンズ65を
有する。このズームレンズ65がレンズ画角制御部62
により制御される。その他の構成は前実施例と同じであ
る。
【0066】次に動作について説明する。 第1照明4
2、第1照明43を用いて画像入力部41で運転者の顔
面領域を撮影しそのデータから視線方向を求めるまで
は、図2で説明したフローと同じである。視線方向算出
部48で運転者の視線方向が求められたあとの、TVカ
メラのレンズ画角の制御処理が図16に示される。ま
ず、ステップ701において、注視回数m(mは自然
数)が0にセットされて、注視時間計測部61での視線
方向の時間変化、すなわち、変化量の計測が開始され
る。
【0067】ステップ702で、視線方向算出部48か
らの視線方向が入力され、ステップ703で、その視線
方向のずれ角が算出される。そしてステップ704にお
いて、そのずれ角が所定の範囲(例えば、X,Y,Z各
軸方向のずれ角が2度以下)に入るかどうかがチェック
される。ずれ角が上記所定範囲に入る場合には、ステッ
プ705でmがインクリメントされたあと、また所定範
囲に入らない場合には、そのままステップ706に進
む。ステップ706では、あらかじめ設定された一定時
間Δtが経過したかどうかがチェックされ、当該一定時
間の間視線方向の計測ごとに上記のステップ702〜7
05が繰り返される。
【0068】そして一定時間Δtが経過すると、ステッ
プ707において、注視回数mがあらかじめ設定された
基準値M(自然数)と比較され、m>Mのときにはステ
ップ708に進んで、レンズ画角制御部62がレンズ画
角を狭視野とするようTVカメラ64のズームレンズ6
5を制御して焦点距離を長くする。また、m≦Mのとき
にはステップ709に進んで、レンズ画角制御部がTV
カメラを広視野とする。以上のステップ701〜709
の処理を繰り返すことで、注視時間に応じて、長いとき
にはTVカメラ64の画角が狭視野に、短いときは広視
野に制御される。
【0069】以上のようにこの実施例によれば、第4の
実施例と同様の効果を得られるとともに、注視されてい
る注目方向ほど狭い範囲が大きく高解像度の映像として
得られ、とくに関心の大きかったものが鮮明に再生呈示
されるという効果が得られる。
【0070】なお、上記第4および第5の実施例では、
映像メモリ57を20枚の半導体メモリで構成されるも
のとしたが、メモリ容量は、再生映像の時間に応じて、
任意に設定可能である。さらには、映像メモリ57に
は、半導体メモリのほか、光磁気ディスクやリアルタイ
ムディスク等の記憶媒体から構成されたものを用いるこ
ともできる。
【0071】なお、第4および第5の実施例では視線方
向算出部48からの視線方向計測データをそのままカメ
ラ方向制御部50へ入力するものとしたが、第1の実施
例におけると同じく、移動平均算出部を設けて視線方向
計測データの移動平均を求めたうえカメラ方向制御部5
0へ入力するようにして、視線の微動によって、観測方
向の不要の変動の発生を確実に抑さえるようにすること
ができる。さらに、視線の移動によりTVカメラ51の
観測方向を制御することが不要のときは、第1の実施例
の制御解除スイッチ13に相当するスイッチを設けてこ
れにより解除するようにしてもよい。これに連動して、
TVカメラ51は、予め設定された通常の観測方向、す
なわち、車両正面方向を向いて、停止する。
【0072】
【発明の効果】以上のとおり、本発明は、車両に設置さ
れた付属装置を位置決め制御するインターフェースにお
いて、運転者の顔面領域の画像データを入力し、入力さ
れた画像データに基づいて運転者の視線方向を検出し、
この視線方向の時間的な変化量に応じて、制御手段が上
記付属装置の位置決め制御を行うものとしたので、運転
者にまったく触れることなく、精度良く、安定して、運
転者の注目する方向に関連させて付属装置を制御するこ
とができ、運転者に鬱陶しさを与えないという効果を有
するとともに、視線の微動によって不用の変動を招くこ
とがなく、より安定した制御が行なわれる。
【0073】また、上記付属装置として車両の前照灯な
ど照明手段の照明方向を視線方向の時間的な変化量に基
づいて制御することにより、運転者が本当に注目してい
る方向、例えば、周辺視や中心視の方向に対応した照射
範囲を得ることができるという効果が得られる。さら
に、運転者の顔面領域の画像データに基づいてその視線
方向を検出し、視線方向の時間的な変化量に応じて車両
に設置した撮影手段の撮影方向など撮影条件を制御する
ことにより、運転者に非接触で運転者の注目する方向に
関連させた撮影を行なうことができる。
【0074】そして、とくに撮影条件として視線方向
時間的な変化量に基づいて撮影方向を制御するととも
に、、注視時間が長いときには撮影手段の画角を狭視野
に、注視時間が短いときは画角を広視野に制御するよう
にしたときには、通常は広い範囲が撮影され、関心が大
きく注視時間が長くなるとその注目する狭い範囲が大き
く撮影されるので、精度良くしかも注目度に応じて大き
な画像が得られるという効果がある。さらに、撮影手段
で撮影した映像を映像データとして記憶手段に記憶させ
るようにしこれを再生する再生手段を設けることによ
り、目を向けたにも拘らず、見落としてしまった道路標
識、電光掲示板、特定の建造物などの情報を必要に応じ
て再生して確認することができる。これにより、情報の
見落としや曖昧な理解による心理的不安を取り除くこと
ができるので、運転操作に安心して集中できるという効
果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の構成を示すブロック図
である。
【図2】視線方向算出処理の流れを示すフローチャート
である。
【図3】視線方向と補助前照灯の照射方向との関係を示
す図である。
【図4】視線方向の移動平均算出処理の流れを示すフロ
ーチャートである。
【図5】補助前照灯の照射方向の表示例を示す図であ
る。
【図6】視線方向の移動平均算出における重み付けの一
例を示す図である。
【図7】照射方向の領域分割例を示す図である。
【図8】本発明の第2の実施例の構成を示すブロック図
である。
【図9】周辺視方向に対応して補助前照灯を選択する要
領を示す説明図である。
【図10】本発明の第3の実施例の構成を示すブロック
図である。
【図11】補助前照灯選択処理の流れを示すフローチャ
ートである。
【図12】第4の実施例の構成を示すブロック図であ
る。
【図13】視線方向とテレビカメラの観測方向との関係
を示す図である。
【図14】録画・再生処理の流れを示すフローチャート
である。
【図15】発明の第5の実施例の構成を示すブロック図
である。
【図16】レンズ画角制御処理の流れを示すフローチャ
ートである。
【図17】従来例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1、41 画像入力部 2、42 第1照明 3、43 第2照明 4、44 照明発光制御部 5、45 A/D変換器 6、46 画像メモリ 7、47 眼球特徴抽出部 8、48 視線方向算出部 9 移動平均算出部 10 照射方向制御部 11 補助前照灯(付属装置) 12 前照灯方向表示部 13 制御解除スイッチ 14、22、54 全体制御部 15 運転者 19 周辺視方向算出部 20、27 照明選択部 21a〜21e 補助前照灯(付属装置) 24 視線移動判定部 25 注視方向算出部 51、64 テレビカメラ(付属装置) 50 カメラ方向制御部 56 映像録画部 57 映像メモリ 58 映像再生部 59 映像表示部 60 再生開始スイッチ 61 注視時間計測部 62 レンズ画角制御部 65 ズームレンズ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡林 繁 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日 産自動車株式会社内 (72)発明者 藤本 浩 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日 産自動車株式会社内 (56)参考文献 特開 昭60−179357(JP,A) 特開 平2−54898(JP,A) 特開 平4−225478(JP,A) 特開 平3−42337(JP,A) 特開 昭64−13675(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60R 16/02 B60Q 1/18 G06F 3/033 G06T 1/00

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 運転者の顔面領域の画像データを入力す
    る画像入力手段と、該画像入力手段により入力された画
    像データに基づいて前記運転者の視線方向を検出する視
    線方向検出手段と、該視線方向検出手段により検出され
    た視線方向の時間的な変化量を検出する視線変化検出手
    段と、前記視線変化検出手段により検出された変化量
    応じて車両に設置された付属装置を位置決め制御する制
    御手段とを備えたことを特徴とする車両用インタフェー
    ス。
  2. 【請求項2】 車両に設置され、その照射方向を制御可
    能な照明手段と、運転者の顔面領域の画像データを入力
    する画像入力手段と、該画像入力手段により入力された
    画像データに基づいて前記運転者の視線方向を検出する
    視線方向検出手段と、該視線方向検出手段により検出さ
    れた視線方向の時間的な変化量を検出する視線変化検出
    手段と、該視線変化検出手段により検出された変化量に
    応じて前記照明手段の照射方向を制御する制御手段とを
    備えたことを特徴とする車両用インタフェース。
  3. 【請求項3】 前記制御手段は、前記運転者の視線方向
    の移動平均の方向を前記照射方向に定めるものであるこ
    とを特徴とする請求項2記載の車両用インタフェース。
  4. 【請求項4】 前記移動平均を、運転者の正面方向に高
    い重みを持たせた重み付き移動平均としたことを特徴と
    する請求項3記載の車両用インタフェース。
  5. 【請求項5】 前記制御手段は、前記運転者の視線方向
    の周辺視の方向を前記照射方向に定めるものであること
    を特徴とする請求項2記載の車両用インタフェース。
  6. 【請求項6】 前記制御手段は、前記運転者の視線方向
    変化が小さいときには、注視方向を前記照射方向に定
    めるものであることを特徴とする請求項5記載の車両用
    インタフェース。
  7. 【請求項7】 前記照射方向は、車両前方を複数の領域
    に分割し、該領域のうち前記検出された視線方向が属す
    る領域とすることを特徴とする請求項2、3、4、5ま
    たは6記載の車両用インタフェース。
  8. 【請求項8】 車両に設置され、その撮影条件を制御可
    能な撮影手段と、運 転者の顔面領域の画像データを入力
    する画像入力手段と、該画像入力手段により入力された
    画像データに基づいて前記運転者の視線方向を検出する
    視線方向検出手段と、該視線方向検出手段により検出さ
    れた視線方向の時間的な変化量を検出する視線変化検出
    手段と、該視線変化検出手段により検出された変化量に
    応じて前記撮影手段の撮影条件を制御する制御手段とを
    備えたことを特徴とする車両用インタフェース。
  9. 【請求項9】 車両に設置され、その撮影条件を制御可
    能な撮影手段と、運転者の顔面領域の画像データを入力
    する画像入力手段と、該画像入力手段により入力された
    画像データに基づいて前記運転者の視線方向を検出する
    視線方向検出手段と、該視線方向検出手段により検出さ
    れた視線方向の時間的な変化量を検出する視線変化検出
    手段と、該視線変化検出手段により検出された変化量
    応じて前記撮影手段の撮影条件を制御する制御手段と
    前記撮影手段の撮影により得られた映像を映像データと
    して記憶する記憶手段と、該記憶手段に記憶された映像
    データに基づく映像を再生する再生手段とを備えたこと
    を特徴とする車両用インタフェース。
  10. 【請求項10】 前記撮影条件が撮影手段の撮影方向で
    あることを特徴とする請求項8または9記載の車両用イ
    ンタフェース。
  11. 【請求項11】 前記撮影条件が撮影手段の撮影方向と
    画角であり、前記制御手段は、前記視線方向検出手段に
    より検出された運転者の視線方向の注視時間を計測する
    注視時間計測部を有して、注視時間が長いときには撮影
    手段の画角を狭視野に、注視時間が短いときは画角を広
    視野に制御するものであることを特徴とする請求項8ま
    たは9記載の車両用インタフェース。
  12. 【請求項12】 前記画像入力手段は、撮像手段と、該
    撮像手段と共軸に配置された第1の照明と、撮像手段と
    非共軸に配置された第2の照明とを有し、前記視線方向
    検出手段は、前記撮像手段で撮像された前記第1および
    第2の照明による運転者の眼球の反射光の位置に基づい
    て前記視線方向を算出するものであることを特徴とする
    請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10また
    は11記載の車両用インタフェース。
JP9807594A 1993-08-04 1994-04-11 車両用インタフェース Expired - Fee Related JP3203951B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9807594A JP3203951B2 (ja) 1993-08-04 1994-04-11 車両用インタフェース

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21227493 1993-08-04
JP5-212274 1993-08-04
JP9807594A JP3203951B2 (ja) 1993-08-04 1994-04-11 車両用インタフェース

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0796803A JPH0796803A (ja) 1995-04-11
JP3203951B2 true JP3203951B2 (ja) 2001-09-04

Family

ID=26439282

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9807594A Expired - Fee Related JP3203951B2 (ja) 1993-08-04 1994-04-11 車両用インタフェース

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3203951B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9245179B2 (en) 2013-03-29 2016-01-26 Hyundai Motor Company Driver recognition system and recognition method for vehicle
WO2016045911A1 (en) * 2014-09-25 2016-03-31 Philips Lighting Holding B.V. Control of lighting.

Families Citing this family (22)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09301054A (ja) * 1996-05-20 1997-11-25 Honda Motor Co Ltd 車両用前照灯装置
JP4321450B2 (ja) * 2004-07-26 2009-08-26 株式会社デンソー 視覚認識支援装置
JP4742695B2 (ja) * 2005-06-27 2011-08-10 トヨタ自動車株式会社 視線認識装置、及び視線認識方法
JP4894300B2 (ja) * 2006-03-01 2012-03-14 トヨタ自動車株式会社 車載装置調整装置
JP2008013070A (ja) * 2006-07-06 2008-01-24 Toyota Motor Corp 車両用表示装置
JP2008114714A (ja) * 2006-11-03 2008-05-22 Denso Corp 前照灯スイブル制御装置
JP2008137494A (ja) * 2006-12-01 2008-06-19 Denso Corp 車両用視界支援装置
JP4798015B2 (ja) * 2007-02-07 2011-10-19 株式会社デンソー 防眩制御装置
JP4999653B2 (ja) * 2007-11-19 2012-08-15 アイシン精機株式会社 車両用ランプ制御システム
JP2009184640A (ja) * 2008-02-08 2009-08-20 Mazda Motor Corp 車両の前照灯装置
JP4492725B2 (ja) * 2008-03-25 2010-06-30 株式会社デンソー ライト制御装置
JP5288606B2 (ja) * 2008-10-22 2013-09-11 パナソニック株式会社 照明システム
US8503737B2 (en) 2010-09-27 2013-08-06 Panasonic Corporation Visual line estimating apparatus
JP5466610B2 (ja) * 2010-09-27 2014-04-09 パナソニック株式会社 視線推定装置
KR101235949B1 (ko) * 2010-12-31 2013-02-28 대성전기공업 주식회사 보조 전조등 장치 및 이의 제어 방법
US9043042B2 (en) * 2011-07-19 2015-05-26 GM Global Technology Operations LLC Method to map gaze position to information display in vehicle
JP6236210B2 (ja) * 2013-03-29 2017-11-22 株式会社Subaru 輸送機器用表示装置
JP6236211B2 (ja) * 2013-03-29 2017-11-22 株式会社Subaru 輸送機器用表示装置
JP6298599B2 (ja) * 2013-06-17 2018-03-20 株式会社Subaru 車両用表示装置
KR101601548B1 (ko) * 2014-12-01 2016-03-08 현대자동차주식회사 이동하는 조명을 구비한 시선추적장치 및 그의 조명반사점 검출방법
JP6187775B2 (ja) * 2014-12-08 2017-08-30 マツダ株式会社 ヘッドライトの制御装置
CN112959939A (zh) * 2021-03-17 2021-06-15 新阳荣乐(重庆)汽车电子有限公司 一种加强型智能车灯控制方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9245179B2 (en) 2013-03-29 2016-01-26 Hyundai Motor Company Driver recognition system and recognition method for vehicle
WO2016045911A1 (en) * 2014-09-25 2016-03-31 Philips Lighting Holding B.V. Control of lighting.
CN106716305A (zh) * 2014-09-25 2017-05-24 飞利浦灯具控股公司 照明的控制
US9942966B2 (en) 2014-09-25 2018-04-10 Philips Lighting Holding B.V. Control of lighting

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0796803A (ja) 1995-04-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3203951B2 (ja) 車両用インタフェース
JP3324295B2 (ja) 車両用視線方向計測装置
JPH07257228A (ja) 車両用表示装置
JP5604146B2 (ja) 車載照明装置、画像処理装置、画像表示システム及び照明方法
JP5523954B2 (ja) 画像表示システム
US8542129B2 (en) Parking aid system
JP5503259B2 (ja) 車載照明装置、画像処理装置及び画像表示システム
EP1962509B1 (en) Vehicle surrounding display device
US6373378B1 (en) Arrangement for visualizing the illumination of a zone in front of a vehicle by a headlight
US20090040196A1 (en) Method of controlling the display of various data in a vehicle and Opto-acoustic data unit
CN107960989B (zh) 脉搏波计测装置以及脉搏波计测方法
JPH11263145A (ja) 夜間運転視界支援装置
JP2008022125A (ja) 運転支援装置
JP4536889B2 (ja) 車両の運転支援装置
JP3228086B2 (ja) 運転操作補助装置
JPH06230132A (ja) 車両用障害物検出装置
JP2008018760A (ja) 運転支援装置
JPH0883397A (ja) 車両用経路誘導装置
JP2011216979A (ja) 画像生成装置、画像表示システム及び画像生成方法
JP2018038553A (ja) 車載表示装置、車載表示装置の制御方法、及び、プログラム
JPH11151975A (ja) 死角範囲表示装置
JP2017056909A (ja) 車両用画像表示装置
JPH09167049A (ja) コンソール用視線入力装置
JP2000351339A (ja) 運転装置の制御装置
JPH0953917A (ja) 車両用視線方向計測装置

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20010529

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080629

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090629

Year of fee payment: 8

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees