JP3203794B2 - 円盤状部品の搬送方法及びその装置 - Google Patents

円盤状部品の搬送方法及びその装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えば、半導体ウエ
ハ、ハードディスク、コンパクトディスクなどの円盤状
部品を水平状態に保持しながら或る位置から他の位置に
搬送する円盤状部品の搬送方法及びその装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】以下の説明では、円盤状部品としてシリ
コンなどの半導体ウエハ(以下、単に「ウエハ」と記
す)を採り挙げ、従来技術の円盤状部品の搬送方法及び
その装置を説明する。ウエハを、例えば、コーター・デ
ベロッパーのような半導体製造装置内で搬送する方法と
して、ウエハの裏面に付着するダストの低減を図り、コ
ーター・デベロッパーの搬送経路及びレジストコーティ
ングユニット、現像処理ユニット、熱処理ユニットへの
アクセスの自由度を向上させるため、ベルト式搬送法か
らロボット式搬送法に移行しつつある。
【0003】現在、このロボット式搬送法に基づく搬送
装置のウエハを水平状態で保持、搬送する搬送アームに
おけるウエハ検知装置には、LED光による反射型セン
サーと透過型センサーとによるものがある。
【0004】前者の反射型センサーは、その搬送装置の
スペースに余裕がないものに採用されている(東京エレ
クトロン社製、クリーントラックMARK−Vや、大日
本スクリーン製造製、SKW−60Aなどのコーター・
デベロッパー)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この反射型センサー
は、ウエハの裏面を検知するものであるが、ウエハの裏
面にCVDなどで被着されたSiN膜などの影響によ
り、膜厚によっては。光が殆ど反射されず、反射しても
その反射光のレベルは検知できないほど低く、検知エラ
ーが多発するという問題があった。
【0006】このことは、図5に示した反射型センサー
によるLP−SiN膜の膜厚と反射率との関係を示すグ
ラフから明らかである。即ち、反射型センサーのLED
に810〜970nmの波長バンド幅があっても、LP
−SiN膜の厚さが0.10〜0.12μmになると、
殆ど反射せず、特に膜厚が0.11μmの場合には全く
反射しないことが判る。
【0007】また、ウエハによって光を遮断することに
より検知する透過型センサーでは、大きな取り付けスペ
ースを必要とするだけでなく、コーター・デベロッパー
のメンテナンス時に使用するガラスウエハやLCDの基
板であるガラスウエハを使用する場合には、そのセンサ
ーが全く動作しないなどの問題を抱えている。この発明
はこのような問題点を解決することを課題とするもので
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】そのため、この発明の円
盤状部品の搬送方法では、搬送アーム支持台によって
X、Y、Z方向に移動可能に支持され、その一端に円盤
状部品を保持するのに充分な内径を有し、その一部を欠
いた円環状先端部を設けた搬送アームを備え、同搬送ア
ームの円環状先端部の内周上の少なくとも3カ所に、内
端に下方に傾斜した傾斜面を形成し後端に上方へ突出し
た押圧片を形成した保持手段を、その内端の傾斜面を円
環状先端部の内周面から内方に突出させて水平な軸回り
に回動可能に設置すると共に、同保持手段の少なくとも
1つに対応してその後端の押圧片の動作により搬送アー
ム上に円盤状部品が保持されているか否かを検知する検
知装置を設けた搬送装置を用い、円盤状部品をその周辺
エッジ部の少なくとも3点で前記保持手段の内端傾斜面
により水平状態に保持し、その保持を円盤状部品の自重
によって回動する保持手段の後端押圧片の動きを検知装
置で検知して、或る位置から他の位置に水平状態を保ち
ながら搬送する方法を採った。
【0009】また、そのための搬送装置としては、円盤
状部品を水平状態に保持して、或る位置から他の位置に
搬送する円盤状部品の搬送装置であって、搬送アーム支
持台によってX、Y、Z方向に移動可能に支持され、そ
の一端に円盤状部品を保持するのに充分な内径を有し、
その一部を欠いた円環状先端部を設けた搬送アームを備
え、同搬送アームの円環状先端部の内周上の少なくとも
3カ所に、内端に下方に傾斜した傾斜面を形成し後端に
上方へ突出した押圧片を形成した保持手段を、その内端
の傾斜面を円環状先端部の内周面から内方に突出させて
水平な軸回りに回動可能に設置すると共に、同保持手段
の少なくとも1つに対応してその後端の押圧片の動作に
より搬送アーム上に円盤状部品が保持されているか否か
を検知する検知装置を設けた構成とし、前記課題を解決
した。
【0010】
【作用】従って、円盤状部品であるウエハの表面状態や
円盤状部品の種類に左右されることなく円盤状部品を保
持しているか否かの検知ができ、かつ円盤状部品を搬送
アーム上の中心部に保持でき、そして更に、円盤状部品
を周辺エッジ部で線接触状態にて保持できるので、円盤
状部品の裏面へのダストの付着を殆どなくすることがで
きる。
【0011】
【実施例】以下、この発明の実施例を図1乃至図4を用
いて説明する。図1はこの発明の搬送装置におけるウエ
ハの保持手段である搬送アームの外観斜視図であり、図
2は図1の搬送アームがウエハを保持していない状態を
示した要部の拡大斜視図であり、図3は図2の状態にあ
る搬送アームがウエハを保持した状態を示した要部の拡
大斜視図であり、そして図4は搬送アームに設けた位置
決め装置によりウエハがその搬送アームの中心部に位置
した状態を示した一部断面図である。
【0012】先ず、図1を用いて、この発明の搬送装置
の構成を説明する。符号1は全体としてこの発明の搬送
装置を指す。この搬送装置1は搬送アーム2と第1の搬
送アーム支持台5(以下、単に「支持台5」と記す)と
第2の搬送アーム支持台6(以下、単に「支持台6」と
記す)とから構成されている。
【0013】前記搬送アーム2はウエハSを、段落
【0002】に記したような各処理ユニットへ出し入れ
するための装置であって、その先端部2Aは一部が欠け
た円環状に形成されており、その内径はウエハSが保持
されるのに充分な寸法になっている。また、搬送アーム
2の基部2BはL字型に、そしてそのL字型の端部を垂
直に2回折り曲げられて案内爪3が形成されている。
【0014】前記支持台5は、前記搬送アーム2の案内
爪3を、側面に形成した案内溝4によって案内し、その
搬送アーム2を矢印Xの水平方向に直線的に移動させる
機能を有し、また、前記支持台6は前記支持台5を矢印
Yの方向に回動させ、かつ矢印Z方向にも上下移動させ
る機能を有する。これら支持台5と支持台6とでウエハ
Sは或る所望する位置から他の所望する位置に移動させ
ることができ、この移動の制御は予め設定されたコンピ
ュータープログラムで行われる。
【0015】更に、前記搬送アーム2の先端部2Aに
は、120°の角間隔で、3個のウエハSの検知装置7
A、7B及び7Cと保持手段8A、8B及び8Cとが設
けられている。図2及び図3にこれらの検知装置及び保
持手段の内、検知装置7A及び保持手段8Aを取り出
し、拡大して示した。
【0016】それらの構成は、搬送アーム2の先端部2
Aの表面から側面にかけて開口凹部9が形成されてお
り、検知装置7Aを、その検知舌片7aが前記開口凹部
9の開口部に臨むように、この開口凹部9の端部の近傍
で、前記先端部2Aの表面に固定し、一方、前記開口凹
部9の中には爪状の保持手段8Aが軸10を中心に回動
できるように設置されている。そして前記保持手段8A
はその先端部には下方に傾斜した傾斜面8aを形成され
ており、そしてその少なくとも傾斜面8aが前記搬送ア
ーム2の内周面から内方に突出しており、そして保持手
段8Aの他端部には上方に突出し、前記検知舌片7aを
押し上げることができる押圧片8bが形成されている。
【0017】次に、前記構成の搬送装置1の動作を説明
する。図2の状態は、ウエハSが保持手段8A(8B、
8C)上に存在しない状態であり、全ての保持手段8
A、8B及び8Cは水平状態を保ち、従って、検知舌片
7aは下向き、検知装置7A(7B、7C)のスイッチ
(図示していない)はオフの状態になっている。このウ
エハSが存在しない状態は情報として電気信号で搬送装
置1に伝えられる。
【0018】図3の状態は、保持手段8A(8B、8
C)がウエハSを取った(保持手段8A上に載せた)状
態であり、全ての保持手段8A、8B及び8Cは軸10
を中心にウエハSの重力で矢印Mの方向に回動し、前記
傾斜面8aは少し下降し、前記押圧片8bが少し上昇し
て、その先端部で前記検知舌片7aを押圧し、保持手段
8A(8B、8C)の回動が止まる。従って、検知舌片
7aは上向き、検知装置7A(7B、7C)のスイッチ
はオンの状態になる。このウエハSが存在する状態は情
報として電気信号で搬送装置1に伝えられ、搬送装置1
側でウエハSを取ったことを認識する。また、ウエハS
を所定の各処理ユニットへ渡してしまうと、図2に示し
た状態に戻り、同様に搬送装置1はウエハSが無くなっ
たことを認識する。
【0019】ウエハSを所定の各処理ユニットへ渡す場
合に、各処理ユニット、特にレジストコーティングユニ
ット、現像処理ユニット内においては、それらの所定の
位置にウエハSを精度良く配置する必要がある。通常、
搬送アーム2の動きはステッピングモーターにより行わ
れ、その位置精度は緻密に制御されるが、ウエハSが搬
送アーム2の保持手段8A、8B及び8Cに取り込ま
れ、保持される時の位置は大きく変動する。従って、所
定の処理ユニット内へのウエハSの配置精度を上げるた
めには、ウエハSを保持手段8A、8B及び8Cの定位
置に載置させることが肝心である。次に、その精度を上
げるための機構を図4を用いて説明する。
【0020】図4に示した状態は、保持手段8A、8C
(8B)とウエハSとが接触した場合の一部断面図であ
るが、前記したように保持手段8A、8B及び8Cは軸
10の回りに回動可能に設けられており、しかもその先
端部にはそれぞれウエハSが接触する部分に斜め下方に
向かう傾斜面8a、8b及び8cが形成されており、そ
してこれらの傾斜面はウエハSの中心に向いている。従
って、図4の実施例のように、少なくとも3個の保持手
段8A、8B及び8CでウエハSの外周エッジを保持す
るようにすると、ウエハSの自重によって保持手段8
A、8B及び8Cは先端傾斜面8a、8b及び8cが下
向きに回動し、ウエハSは常にその外周エッジ3点で安
定的に略水平状態に保持される。
【0021】すなわち、図3に示すように保持手段8
A、8B及び8Cが軸10回りに回動し、停止する位置
を一定に保つことによって、ウエハSが保持手段8A、
8B及び8C上に存在する場合には、ウエハSは保持手
段8A、8B及び8Cに対してその傾斜面8a、8b及
び8cにより常時一定の位置に保持される。従って、ウ
エハSを保持手段8A、8B及び8C上に載せるだけ
で、その回動動作と傾斜面8a、8b及び8cの作用に
より、ウエハSを常時一定の位置内に位置決めした状態
で、かつ略水平の状態を保って安定的に保持することが
できる。
【0022】なお、前記傾斜面8a、8b及び8cの範
囲はウエハSを載せる時、そのウエハSが位置ずれを起
こす範囲を想定して定められる。
【0023】また、保持手段8A、8B及び8Cとウエ
ハSとの接触は、ウエハSの周辺エッジ部における線接
触であり、これによって接触によるウエハSの表面に付
着するダストの問題は極めて僅かに抑えることができ
る。
【0024】この実施例では検知装置7A、7B及び7
Cと保持手段8A、8B及び8Cとを3カ所に設けた
が、検知装置は1カ所でもよく、またそれらの位置は1
20°の角間隔でなくても良い。また、検知装置の種類
は、保持手段の動きが検知できるものであればどの様な
形式のものでもよく、例えば、光センサーでもよく、そ
の配置も任意である。そして更に、保持手段の形状も検
知装置が検知し易いものに変形するとよい。更にまた、
前記実施例において円盤状部品として半導体ウエハを例
示して説明したが、この発明の搬送装置は半導体ウエハ
の搬送だけに限定されるものではなく、半導体ウエハの
他に、ハードディスク、コンパクトディスク、ミニディ
スクなどの搬送にも用いることができることは言うまで
もない。
【0025】
【発明の効果】以上、説明したように、この発明の円盤
状部品の搬送装置は、ウエハの自重による検知システム
であるので、ウエハの表面状態やウエハの種類に左右さ
れることなくウエハの検知ができ、その信頼性が飛躍的
に向上する。そして更に、ウエハの周辺エッジ部を線接
触で保持するようにしたので、ウエハの裏面にダストが
付着することを極力防ぐことができ、しかも同時に保持
手段上でウエハを常時一定の位置内に位置決めした状態
で、かつ略水平の状態を保って安定的に保持することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の搬送装置における円盤状部品の保持
手段である搬送アームの外観斜視図である。
【図2】図1の搬送アームが円盤状部品を保持していな
い状態を示した要部の拡大斜視図である。
【図3】図2の状態にある搬送アームが円盤状部品を保
持した状態を示した要部の拡大斜視図である。
【図4】搬送アームに設けた位置決め装置により円盤状
部品がその搬送アームの中心部に位置した状態を示した
一部断面図である。
【図5】反射型センサーによるLP−SiN膜の膜厚と
反射率との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
S ウエハ 1 搬送装置 2 搬送アーム 2A 搬送アーム2の先端部 2B 搬送アーム2の基部 3 案内爪 4 案内溝 5 第1の搬送アーム支持台 6 第2の搬送アーム支持台 7A 検知装置 7B 検知装置 7C 検知装置 7a 検知舌片 7b 検知舌片 7c 検知舌片 8A 保持手段 8B 保持手段 8C 保持手段 8a 押圧片 8b 押圧片 8c 押圧片 9 開口凹部 10 軸
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/68 B65G 49/07 B23Q 7/04

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】搬送アーム支持台によってX、Y、Z方向
    に移動可能に支持され、その一端に円盤状部品を保持す
    るのに充分な内径を有し、その一部を欠いた円環状先端
    部を設けた搬送アームを備え、同搬送アームの円環状先
    端部の内周上の少なくとも3カ所に、内端に下方に傾斜
    した傾斜面を形成し後端に上方へ突出した押圧片を形成
    した保持手段を、その内端の傾斜面を円環状先端部の内
    周面から内方に突出させて水平な軸回りに回動可能に設
    置すると共に、同保持手段の少なくとも1つに対応して
    その後端の押圧片の動作により搬送アーム上に円盤状部
    品が保持されているか否かを検知する検知装置を設けた
    搬送装置を用い、円盤状部品をその周辺エッジ部の少な
    くとも3点で前記保持手段の内端傾斜面により水平状態
    に保持し、その保持を円盤状部品の自重によって回動す
    る保持手段の後端押圧片の動きを検知装置で検知して、
    或る位置から他の位置に水平状態を保ちながら搬送する
    ことを特徴とする円盤状部品の搬送方法。
  2. 【請求項2】円盤状部品を水平状態に保持して、或る位
    置から他の位置に搬送する円盤状部品の搬送装置であっ
    て、搬送アーム支持台によってX、Y、Z方向に移動可
    能に支持され、その一端に円盤状部品を保持するのに充
    分な内径を有し、その一部を欠いた円環状先端部を設け
    た搬送アームを備え、同搬送アームの円環状先端部の内
    周上の少なくとも3カ所に、内端に下方に傾斜した傾斜
    面を形成し後端に上方へ突出した押圧片を形成した保持
    手段を、その内端の傾斜面を円環状先端部の内周面から
    内方に突出させて水平な軸回りに回動可能に設置すると
    共に、同保持手段の少なくとも1つに対応してその後端
    の押圧片の動作により搬送アーム上に円盤状部品が保持
    されているか否かを検知する検知装置を設けたことを特
    徴とする円盤状部品の搬送装置。
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