JP3202887B2 - 排水回収方法 - Google Patents

排水回収方法

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JP3202887B2
JP3202887B2 JP08882995A JP8882995A JP3202887B2 JP 3202887 B2 JP3202887 B2 JP 3202887B2 JP 08882995 A JP08882995 A JP 08882995A JP 8882995 A JP8882995 A JP 8882995A JP 3202887 B2 JP3202887 B2 JP 3202887B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は半導体製造工業、メッキ
工業等における工業排水等の排水を処理して再利用に供
するようにした排水回収方法に関する。
【0002】
【従来の技術】工業排水等の排水を回収して再利用する
ことは水資源の節約を図るだけでなく、環境汚染防止に
も役立つものであり、排水の回収再利用は技術的にも重
要な問題である。
【0003】一般に工業排水には酸や塩が含まれている
ため排水の回収に当たっては脱塩処理を施すことが必要
となる。従来においては、工業排水をまず、逆浸透膜装
置に通して脱塩処理を行ない、次いでその透過水をイオ
ン交換樹脂装置に通して、逆浸透膜装置では除去しきれ
ない塩をこのイオン交換樹脂装置によって充分に除去
し、一定の水質を備えた脱塩水を得、この脱塩水を回収
水として再利用に供するものであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の排水回収方法は
前述した如く、逆浸透膜装置の後段にイオン交換樹脂装
置を設けて脱塩処理を行なうものであるが、イオン交換
樹脂装置を用いる脱塩処理においては、イオン交換樹脂
がイオンで飽和されたとき酸及びアルカリ水溶液によっ
て再生を行なう必要があり、処理操作が面倒である上、
再生処理を行なっている間は装置の運転を休止すること
となり、処理能率の低下を免れないという欠点があっ
た。
【0005】上記の欠点を解消するため、本発明者等は
イオン交換樹脂装置に代えて、薬剤による再生が全く不
要な電気式脱イオン水製造装置(以下、EDIという)
を用いることを検討した。このような逆浸透膜装置とE
DIを組み合わせた脱塩システムは従来公知である。そ
こで本発明者等は、逆浸透膜装置とEDIとを組み合わ
せて構成される既存の脱塩システムを利用して排水回収
を行なうことを試みた。
【0006】既存の脱塩システムは図3に示す通りであ
るが、このシステムはあくまでも市水、工業用水、河川
水等の原水から純水あるいは超純水を得ることを目的と
したものであり、従って、純水あるいは超純水製造シス
テムとしては知られているものの、排水回収システムと
しては知られていない。即ち、図3の純水あるいは超純
水製造システムを排水回収に適用した例は未だかってな
く、該システムを排水回収に適用する試みは本発明者等
によって初めてなされたのである。
【0007】図3において、1は逆浸透膜装置、2はE
DIである。この2つの装置からなる純水あるいは超純
水製造システムを用いて排水回収を行なう手順を説明す
ると次の通りである。
【0008】まず排水(原水)を逆浸透膜装置1に通し
て濃縮水(以下、RO濃縮水という)と透過水(以下、
RO透過水という)とに分離し、次いでこのRO透過水
をEDI2に通して充分な脱塩を行なう。EDI2はカ
チオン交換膜とアニオン交換膜との間にイオン交換樹脂
等のイオン交換体を充填して脱塩室を構成し、該脱塩室
の両外側に濃縮室を設け、これら脱塩室及び濃縮室を交
互に複数並設したものを陽電極と陰電極との間に配置し
てなる構造を有するものである。図中、3は脱塩室、4
は濃縮室、5は電極室をそれぞれ示す。
【0009】なお、図3では便宜上、脱塩室3、濃縮室
4がそれぞれ一つづつしか示されていないが、実際はこ
れらが交互に複数並設されていると共に、電極室5も陽
電極側および陰電極側にそれぞれ設けられている。
【0010】RO透過水をEDI2にて脱塩処理するに
当たり、EDIの脱塩室3に、被処理水としてのRO透
過水を流入する。またEDIを用いる場合、濃縮室4に
濃縮水を、電極室5に電極水をそれぞれ供給する必要が
あるが、この場合、濃縮水、電極水共にRO透過水が用
いられる。
【0011】而して、両電極間に電圧を印加しながら脱
塩室3、濃縮室4、電極室5にRO透過水を流入させる
と、脱塩室3においてRO透過水中の不純物イオン(即
ち、逆浸透膜装置1では除去しきれなかった酸、塩等の
不純物イオン)が除去されると共に、該不純物イオンは
電気的に吸引されて濃縮室4に移動し、濃縮室4を流れ
る濃縮水(以下、EDI濃縮水という)はこの移動して
くる不純物イオンを受け取り、濃縮室4より流出する。
【0012】このようにしてRO透過水は脱塩室3内で
脱塩処理され、それにより脱塩水が製造される。本発明
者等の実験によれば、上記の装置を用いて製造された脱
塩水はこれを生産ラインに循環して再利用する回収水と
して用いるに必要な水質を備えているとの知見が得られ
た。
【0013】しかし検討を進める中で、この従来の純水
あるいは超純水製造システムを排水回収システムとして
採り入れるには幾つかの問題点があることが判明した。
まず、電力消費量の問題である。即ち、EDIにより脱
塩を行なう場合は両電極間に電圧を印加しながら処理を
行なうため電力消費量が大きく、コスト上昇を招くとい
う問題がある。この問題を解決するため2つの方法が考
えられる。第1の方法は、EDIの濃縮室4より流出す
るEDI濃縮水を濃縮室4入口に還流して循環させ、そ
れにより濃縮室4におけるEDI濃縮水の濃度を高め、
濃縮室4の電気抵抗を低下せしめる方法であり、第2の
方法は、濃縮室4中のEDI濃縮水に酸や塩等の薬品を
添加して濃縮室4の電気抵抗を低下せしめる方法であ
る。
【0014】いずれの方法による場合も、濃縮室4の電
気抵抗を低下せしめることができる結果、同一電流条件
下で運転するときの印加電圧を小さくすることが可能と
なるが、第1の方法にあっては、EDI濃縮水を一旦貯
留するタンクと該タンクからEDI濃縮水を送り出し循
環させるためのポンプが必要となり、設備が大型化し、
運転管理も煩雑となるという欠点があり、また第2の方
法にあっては、酸や塩等の薬品を供給するための新たな
設備を設けなければならず、同様に設備が大型化すると
いう欠点があり、結局いずれの方法も有効な解決策とは
ならない。
【0015】次に、従来の純水あるいは超純水製造シス
テムを排水回収システムとして採り入れることによる他
の問題点として、RO濃縮水、EDI濃縮水及び電極水
の処理の問題がある。逆浸透膜装置より流出するRO濃
縮水はイオン濃度が高いため、そのまま放流すると環境
汚染の問題を生じる場合がある。またEDIの濃縮室お
よび電極室にRO透過水を供給した場合は、該EDIか
ら流出するEDI濃縮水及び電極水はイオン濃度が低
く、そのまま放流することも可能であるが、自然放流を
嫌う環境下においては何らかの措置を施す必要がある。
この措置として例えば蒸発乾固が考えられる。しかし、
EDIの濃縮室および電極室にRO透過水を供給する場
合は、上述のごとくEDI濃縮水及び電極水はイオン濃
度が低いため、蒸発乾固により溶質の固形分を分離する
には多大の熱エネルギーが必要となり、蒸発乾固に適し
ていない。
【0016】更に第3の問題点として水のシステム回収
率の問題がある。即ち、本発明者等の実験によれば、図
3に示す脱塩システムにおいては水のシステム回収率が
低く、該システムを排水回収システムとして採り入れる
ためには水のシステム回収率を改善する必要があるとの
知見を得た。
【0017】そこで、本発明者等は水のシステム回収率
を改善する目的で図4に示す如きシステムを採用して排
水回収を行なうことを試みた。このシステムは、濃縮室
4及び電極室5から流出するEDI濃縮水及び電極水を
原水(排水)側に還流し、循環使用するものである。こ
のような方法により或る程度、水のシステム回収率を改
善することができたが、未だ充分なものではなかった。
その上、上記循環方式を採用しているため逆浸透膜装置
に供給する供給水の流量が、図3に示すシステムに比べ
て大きく、そのため該装置にかかる負担も大きくなると
いう問題がある。
【0018】このように、本発明者等の検討結果とし
て、排水回収システムを構築するに当たっては排水回収
に特有の問題が随伴し、そのため従来の純水あるいは超
純水製造システムをそのままの形で排水回収システムに
適用することは不可能であることが判明した。
【0019】本発明者等は逆浸透膜装置とイオン交換樹
脂装置からなる従来の排水回収システムの持つ欠点を解
消し且つ逆浸透膜装置とEDIからなる従来の純水ある
いは超純水製造システムを排水回収システムに適用する
ことに伴う技術上の問題点を解決して新しい排水回収シ
ステムを確立すべく鋭意研究したところ、RO濃縮水を
EDI濃縮室に供給して、EDI濃縮水として利用する
ようにすれば上記の欠点及び問題点を一挙に解決するこ
とができるという知見を得、この知見に基づき本発明を
完成するに至った。
【0020】従って本発明はEDIの濃縮室の電気抵抗
を低下して運転時の電力消費量を低減できる排水回収方
法を提供することを目的とする。
【0021】また本発明はEDI濃縮水、更には電極水
の自然放流を行なわない場合において、蒸発乾固に適し
た排水回収方法を提供するものである。
【0022】更に本発明の他の目的は、水のシステム回
収率を向上した排水回収方法を提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】本発明は、(1)排水を
逆浸透膜装置に供給して脱塩処理を行ない、該装置より
流出する透過水を逆浸透膜装置の後段に設けた電気式脱
イオン水製造装置の脱塩室に供給すると共に、上記逆浸
透膜装置より流出する濃縮水を、電気式脱イオン水製造
装置の濃縮室に供給し、電圧を印加して、脱塩室に供給
した上記透過水の脱塩処理を行ない、得られた脱塩水を
回収して再利用に供するようにしたことを特徴とする排
水回収方法、(2)電気式脱イオン水製造装置の濃縮室
のみならず電極室にも逆浸透膜装置から流出する濃縮水
を供給することを特徴とする上記(1)記載の排水回収
方法、(3)電気式脱イオン水製造装置の濃縮室から流
出する濃縮水を蒸発乾固処理工程に送ることを特徴とす
る上記(1)記載の排水回収方法、(4)電気式脱イオ
ン水製造装置の濃縮室から流出する濃縮水及び電極室か
ら流出する電極水を共に蒸発乾固処理工程に送ることを
特徴とする上記(2)記載の排水回収方法を要旨とす
る。
【0024】本発明は主として工業排水の回収を行なう
処理に適用されるが、酸、塩を含有する排水であれば、
仮りに工業分野に属しない排水であったとしてもその排
水回収に本発明を同様に適用することが可能である。排
水が工業排水である場合において、本発明は特に無機性
排水を回収する手段として有益であるが、もとよりこれ
に限定されるものではなく、例えば有機物を少量含有す
る排水であっても本発明の適用が可能である。
【0025】上記無機性排水を回収する場合の例として
は、半導体製造工場における、NH4 OH、HF、HN
3 、H2 SO4 等を含有する排水の回収や、メッキ工
業における排水の回収等が挙げられ、これらの場合、本
発明を実施するに当たって排水中のイオン濃度は特に制
約されないが、できれば導電率で500μS/cm以下
が好ましい。
【0026】以下、本発明を図面に基づき説明する。図
1には本発明の排水回収システムが示されており、11
は逆浸透膜装置、12は逆浸透膜装置11の後段に設け
たEDIである。図1において、EDI12は、カチオ
ン交換膜とアニオン交換膜との間にイオン交換樹脂等の
イオン交換体30を充填して脱塩室13を構成し、該脱
塩室13の両外側に濃縮室14を設け、これら脱塩室1
3及び濃縮室14を交互に複数並設したものを陽電極と
陰電極との間に配置してなる構造を有するものである。
本発明においてEDIは特別な構造を備えている必要は
なく従来公知の構造のものを用いることができる。図
中、15は電極室、16は排水供給ライン、17はRO
透過水供給ライン、18はRO濃縮水供給ライン、19
は脱塩水流出ライン、20はEDI濃縮水流出ライン、
21は電極水流出ライン、22は加熱装置である。
【0027】工業排水等の排水を回収して再利用するに
当たっては、まず排水を排水供給ライン16より逆浸透
膜装置11に供給し、脱塩処理を行なう。脱塩されたR
O透過水はRO透過水供給ライン17を経てEDI12
の脱塩室13及び電極室15に供給される。
【0028】一方、逆浸透膜装置11内でRO透過水と
分離されたRO濃縮水はRO濃縮水供給ライン18を経
てEDI12の濃縮室14に供給される。
【0029】なお、上記電極室15内にRO透過水を供
給する代わりに、排水(原水)やRO濃縮水を供給する
こともできるが、後述のごとくRO濃縮水を供給するの
が最も好ましい。
【0030】図示しない陽極、陰極間に電圧を印加し、
脱塩室13内におけるRO透過水(更には濃縮室14内
におけるRO濃縮水)の流れの方向に対して直角方向に
直流電流を通じる。
【0031】脱塩室13内を流れる被処理水(RO透過
水)は該脱塩室13内のイオン交換樹脂充填層を通過す
る際に不純物イオンが除かれ、それにより脱塩水が得ら
れ、この脱塩水は脱塩水流出ライン19より流出する。
【0032】脱塩室13内で除去されたRO透過水中の
不純物イオンは電気的に吸引されてカチオン交換膜又は
アニオン交換膜を通って濃縮室14に移動する。即ち、
不純物イオンのうち陽イオンは陰極側に吸引され、カチ
オン交換膜を通って濃縮室14に移動し、また陰イオン
は陽極側に吸引され、アニオン交換膜を通って濃縮室1
4に移動する。濃縮室14を流れる濃縮水(RO濃縮
水)はこの移動してくる不純物イオンを受け取り、不純
物イオンを濃縮した濃縮水(EDI濃縮水)としてED
I濃縮水流出ライン20より流出する。
【0033】また電極室15を流れる電極水(RO透過
水)は電極水流出ライン21より流出する。
【0034】脱塩水流出ライン19より流出する脱塩水
が本発明の目的とする回収水となるのであり、該脱塩水
は図示しない回収水送液ラインに送られて再利用に供せ
られる。EDI濃縮水流出ライン20より流出するED
I濃縮水については以下に述べる如く蒸発乾固処理を行
なうことが好ましい。
【0035】一般に、EDIを用いて脱塩を行なう場
合、濃縮室の入口側に供給された濃縮水は濃縮室を通過
する間にイオン濃度が高まり、濃縮室出口側より流出し
た濃縮水はかなり高いイオン濃度の状態になっている。
本発明はEDI12の濃縮室14に供給する濃縮水とし
てRO濃縮水が用いられるため、濃縮室14の入口側に
供給された濃縮水はもともと高いイオン濃度を有してお
り、そのため濃縮室14の出口側より流出する濃縮水は
極めて高いイオン濃度を有することとなる。このイオン
濃度は従来法に比べて飛躍的に高い数値を示す。
【0036】而して、EDI濃縮水流出ライン20より
流出するEDI濃縮水は高い濃度を有しているので蒸発
乾固を行なうためには好適な条件となっている。従っ
て、上記EDI濃縮水については、蒸発乾固処理を行な
うことが好ましい。この蒸発乾固を行なえば、溶質を固
形化した状態で廃棄できるので、環境汚染防止の見地か
らも好適である。
【0037】しかし本発明は、EDI濃縮水を蒸発乾固
することを必須とするものではなく、蒸発乾固せずに放
流してもよい。但し、イオン濃度が高いのでそのまま放
流することが適当でない場合は、例えば水等で希釈して
放流する等の措置を講ずる必要がある。尚、イオン濃度
が高いといっても仮りにそれが許容範囲内のものであれ
ば、そのまま放流することが可能であることはいうまで
もない。
【0038】蒸発乾固処理を行なう場合は、EDI濃縮
水は加熱装置22に送られ、ここで蒸発乾固が行なわれ
る。蒸発乾固によって得られた固形分(EDI濃縮水に
含有される無機物等の溶質)は回収され、安全な方法に
よって廃棄される。
【0039】一方、この場合の電極水はRO透過水が用
いられているため濃度が比較的低く、そのため蒸発乾固
処理を行なうには適当ではない。またイオン濃度が比較
的低いためそのまま放流しても支障はない。従って、本
実施例の場合、電極水流出ライン21より流出する電極
水は通常、自然放流される。
【0040】なお、電極室は陽電極側と陰電極側との2
室しか存在しないのに対して、濃縮室は通常これより多
数設置されるものであるから、EDI装置から流出する
電極水の量は濃縮水の量に比べて著しく少量であり、し
たがって、このような場合は電極水を濃縮水と共に蒸発
乾固してもよい。
【0041】本発明はEDI12の濃縮室14にRO濃
縮水を供給するものであるから、該RO濃縮水中の不純
物イオンの種類によってはイオン交換膜(カチオン交換
膜、アニオン交換膜)の性能に影響を及ぼす場合があ
る。例えばRO濃縮水中にCaイオン、Mgイオン等の
硬度成分が含まれている場合において、その濃度が高い
場合にはイオン交換膜にスケールが析出する虞れがあ
る。この場合、酸で洗浄することによりスケールを除去
することはできるが、長期的にはスケール析出はイオン
交換膜を劣化させる要因となる。
【0042】従って、本発明に適用する排水は硬度成分
を含まないか、或いは含んでいてもRO濃縮水を得たと
きにそのRO濃縮水中の硬度成分の濃度がEDI装置内
においてスケール析出を生じさせない程度の濃度となる
ようなものであることが好ましい。ここにおいて、スケ
ール析出を生じさせない濃度について正確に規定するこ
とは困難であるが、例えばRO濃縮水中の硬度成分が炭
酸カルシウム換算値で1mg/L以上となる場合はスケ
ール析出を生じる虞れがあるといえる。
【0043】本発明はRO濃縮水の全量をEDI12の
濃縮室14に供給するが、このRO濃縮水を濃縮室14
へ流入させるときの流量との関係によって、RO濃縮水
の供給量が過剰量となる場合がある。この場合、その過
剰分についてはEDI12に送らず、図示しない送液ラ
インを通して直接、加熱装置22に送り、ここでEDI
12の濃縮室14より流出し、加熱装置22に送られた
EDI濃縮水と共に一緒に加熱され、蒸発乾固が行なわ
れる。
【0044】本発明はEDI12の濃縮室14にRO濃
縮水を供給するので、濃縮室14を流れる濃縮水のイオ
ン濃度が高くなり、それにより濃縮室14の電気抵抗が
低下し、導電性が高められる。その結果、従来法におけ
るよりも印加電圧を低下せしめても同一処理水質の脱塩
水を得ることができ、電力消費量の低減化を図ることが
できる。
【0045】また本発明はRO濃縮水をEDI12の濃
縮室14における濃縮水として供給するので図3、図4
に示す排水回収システムと異なりRO透過水を濃縮室1
4に供給する必要がなく、従ってその分だけ脱塩室13
に供給するRO透過水の供給量を増やすことができ、こ
のことは回収水として有効に利用することのできる水の
量を増やすことができることを意味している。その結
果、本発明によれば、水のシステム回収率を向上できる
という利点を生じる。
【0046】上記した本発明の実施例においては、RO
濃縮水をEDI12の濃縮室14のみに供給したが、本
発明の他の実施例として図2に示すように、RO濃縮水
をEDI12の濃縮室14及び電極室15の双方に供給
するようにしてもよい。
【0047】この実施例においては、濃縮室14におけ
る濃縮水としてRO濃縮水が用いられる他、電極室15
における電極水としてもRO濃縮水が用いられる。従っ
て、電極水流出ライン21より流出する電極水は高い濃
度を有しており、蒸発乾固処理に好適である。そのため
通常、電極水はEDI濃縮水と共に加熱装置22に送ら
れ、蒸発乾固処理が行なわれる。
【0048】尚、EDI濃縮水の場合と同様、電極水に
蒸発乾固処理が施されることは必ずしも必須ではなく、
蒸発乾固を行なわずに水等で希釈して(或いは濃度が許
容範囲内であれば希釈せずして)放流してもよい。
【0049】本実施例のように、RO濃縮水をEDI1
2の濃縮室14及び電極室15の双方に供給する場合
は、濃縮室14のみならず電極室15の電気抵抗をも低
下せしめることができるので、RO濃縮水を濃縮室14
のみに供給する場合に比べてより一層電気抵抗の低下を
図ることができる利点がある。従って、電力消費量の低
減を図る観点からは、RO濃縮水を濃縮室14のみに供
給する前記実施例よりも本実施例の方が好ましい。
【0050】また本実施例によれば、EDI12におけ
る濃縮水及び電極水としてRO濃縮水が用いられるの
で、RO透過水の全量を脱塩室13に供給することがで
き、従って、RO透過水の全量を脱塩してこれを回収水
として有効に利用することができる。その結果、RO透
過水を脱塩室13以外に電極室15にも供給するように
した前記実施例に比べて本実施例の方が水のシステム回
収率を高めることができる。
【0051】
【実施例】
実施例1 図1に示す本発明の排水回収システムにより排水を処理
して回収水を得た。排水としては、純水にCuSO4
びNiSO4 を溶解して調製した導電率100μS/c
mの模擬排水(以下、原水という)を用いた。この原水
中に含まれる硬度成分の濃度(炭酸カルシウム換算値)
を測定したところ、定量下限値(0.05mgCaCO
3 /L)以下であった。
【0052】逆浸透膜装置としては東レ(株)製のポリ
アミド系合成膜,SU−720を装着したものを用い、
またEDIとしては12セルペア(脱塩室の数が12の
もの)構造のものを用いた。
【0053】まず、原水を1m3 /hの流量で逆浸透膜
装置に供給し、水温25℃、設定回収率80%の条件で
処理した。
【0054】次いで、以下の流量にてRO透過水及びR
O濃縮水をEDIに供給し、表1に示す電圧を印加して
脱塩処理を行なった。 脱塩室へ供給されるRO透過水の流量: 0.77m3 /h 濃縮室へ供給されるRO濃縮水の流量: 0.2m3 /h 電極室へ供給されるRO透過水の流量: 0.03m3 /h
【0055】EDIの脱塩室、濃縮室、電極室から流出
するそれぞれ脱塩水、濃縮水、電極水の流量は、上記各
室への供給時の流量と同一であった。
【0056】EDI濃縮水と電極水を混合した水(即ち
脱塩水以外の、系外に排出される水)の濃度を測定し、
原水の濃度との関係において濃縮倍率を求めた。ここで
濃縮倍率は、系外に排出される水(但し、脱塩水を除
く)の濃度を原水の濃度で除した値をいい、この濃縮倍
率を求めることによって、系外に排出される水の濃度が
原水の濃度に対してどれだけ高められたかを判定するこ
とができる。
【0057】また原水の流量と脱塩水の流量との関係に
おいて水のシステム回収率を求めた。更に得られた脱塩
水の比抵抗を測定し、回収水として再利用するに必要な
水質を備えているかどうか評価した。これらの結果を表
1に示す。
【0058】実施例2 図2に示す本発明の排水回収システムにより排水を処理
して回収水を得た。図2の排水回収システムを用いた点
及びEDI印加電圧を表1に示す通りとした点、更には
各供給水の流量を以下の通りとした点を除いて実施例1
と同一の条件にて処理を行なった。 脱塩室へ供給されるRO透過水の流量: 0.8m3 /h 濃縮室へ供給されるRO濃縮水の流量: 0.17m3 /h 電極室へ供給されるRO濃縮水の流量: 0.03m3 /h
【0059】EDIの脱塩室、濃縮室、電極室から流出
するそれぞれ脱塩水、濃縮水、電極水の流量は、上記各
室への供給時の流量と同一であった。
【0060】実施例1と同様の方法により濃縮倍率を求
めた。結果を表1に示す。また水のシステム回収率、脱
塩水の比抵抗を併せて表1に示す。
【0061】比較例1 図3に示す排水回収システムにより排水を処理して回収
水を得た。図3の排水回収システムを用いた点及びED
I印加電圧を表1に示す通りとした点、更には各供給水
の流量を以下の通りとした点を除いて実施例1と同一の
条件にて処理を行なった。 脱塩室へ供給されるRO透過水の流量: 0.64m3 /h 濃縮室へ供給されるRO透過水の流量: 0.14m3 /h 電極室へ供給されるRO透過水の流量: 0.02m3 /h
【0062】EDIの脱塩室、濃縮室、電極室から流出
するそれぞれ脱塩水、濃縮水、電極水の流量は、上記各
室への供給時の流量と同一であった。
【0063】RO濃縮水、EDI濃縮水及び電極水を混
合した水(即ち脱塩水以外の、系外に排出される水)の
濃度を測定し、原水の濃度との関係において濃縮倍率を
求めた。結果を表1に示す。また水のシステム回収率、
脱塩水の比抵抗を併せて表1に示す。
【0064】比較例2 図4に示す排水回収システムにより排水を処理して回収
水を得た。図4の排水回収システムを用いた点及びED
I印加電圧を表1に示す通りとした点、更には各供給水
の流量を以下の通りとした点を除いて実施例1と同一の
条件にて処理を行なった。尚、本システムは濃縮水及び
電極水を逆浸透膜装置を介して循環する方式なので、逆
浸透膜装置へ供給される供給水の流量は原水流量に濃縮
水及び電極水の合計循環流量を加算した量となる。 原水の流量: 1m3 /h 濃縮水及び電極水の合計循環流量: 0.19m3 /h 逆浸透膜装置へ供給される供給水の流量: 1.19m3 /h 脱塩室へ供給されるRO透過水の流量: 0.76m3 /h 濃縮室へ供給されるRO透過水の流量: 0.16m3 /h 電極室へ供給されるRO透過水の流量: 0.03m3 /h
【0065】EDIの脱塩室、濃縮室、電極室から流出
するそれぞれ脱塩水、濃縮水、電極水の流量は、上記各
室への供給時の流量と同一であった。
【0066】RO濃縮水(即ち脱塩水以外の、系外に排
出される水)の濃度を測定し、原水の濃度との関係にお
いて濃縮倍率を求めた。結果を表1に示す。また水のシ
ステム回収率、脱塩水の比抵抗を併せて表1に示す。
【0067】
【表1】
【0068】表1に示す通り、各実施例、比較例共、脱
塩水の比抵抗は10MΩ・cmであり、良好な水質の回
収水が得られた。また同表から、実施例の場合は比較例
よりも低い印加電圧(EDI電圧)で同一水質の回収水
が得られることが判る。更に実施例は比較例よりも濃縮
倍率、水のシステム回収率において優れた値を示してい
る。
【0069】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は排水を逆
浸透膜装置に供給して脱塩処理を行なうと共に、この脱
塩処理時に逆浸透膜装置より流出するRO濃縮水を廃棄
することなくEDIの濃縮室に供給し、濃縮水として使
用するものであるため、該濃縮室を流れる濃縮水はイオ
ン濃度の高いものとなり、その結果、濃縮室の電気抵抗
を低下せしめることができ、従来より低い印加電圧でも
水質良好な回収水を得ることができる。従って、本発明
によれば運転時の電力消費量を低減することができ、経
済的に有利な排水回収方法を提供できる効果がある。
【0070】また濃縮室より流出する濃縮水は高濃度の
ものであるから、濃縮水の蒸発乾固処理に好適であり、
必要に応じて蒸発乾固処理を行なうことにより、濃縮水
中の溶質を固形化して分離し、これを安全な方法で廃棄
することができ、それにより環境汚染防止の問題を解決
することができる。
【0071】更に本発明によれば上記濃縮室に供給する
濃縮水としてRO透過水を用いる必要がなくなるので、
その分、脱塩室に供給するRO透過水の供給量が増え、
このことは、脱塩水(回収水)として得られる量が増え
ることを意味し、その結果、本発明によれば水のシステ
ム回収率を向上できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法の排水回収システムを示す説明図で
ある。
【図2】本発明の他の実施例を示す説明図である。
【図3】従来の純水あるいは超純水製造システムを排水
回収システムに応用した例を示す説明図である。
【図4】従来の純水あるいは超純水製造システムを排水
回収システムに応用した他の例を示す説明図である。
【符号の説明】
11 逆浸透膜装置 12 電気式脱イオン水製造装置 13 脱塩室 14 濃縮室 15 電極室
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−100141(JP,A) 特開 昭54−8180(JP,A) 特開 平4−244288(JP,A) 特開 昭50−37266(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01D 61/00 - 61/54

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 排水を逆浸透膜装置に供給して脱塩処理
    を行ない、該装置より流出する透過水を逆浸透膜装置の
    後段に設けた電気式脱イオン水製造装置の脱塩室に供給
    すると共に、上記逆浸透膜装置より流出する濃縮水を、
    電気式脱イオン水製造装置の濃縮室に供給し、電圧を印
    加して、脱塩室に供給した上記透過水の脱塩処理を行な
    い、得られた脱塩水を回収して再利用に供するようにし
    たことを特徴とする排水回収方法。
  2. 【請求項2】 電気式脱イオン水製造装置の濃縮室のみ
    ならず電極室にも逆浸透膜装置から流出する濃縮水を供
    給することを特徴とする請求項1記載の排水回収方法。
  3. 【請求項3】 電気式脱イオン水製造装置の濃縮室から
    流出する濃縮水を蒸発乾固処理工程に送ることを特徴と
    する請求項1記載の排水回収方法。
  4. 【請求項4】 電気式脱イオン水製造装置の濃縮室から
    流出する濃縮水及び電極室から流出する電極水を共に蒸
    発乾固処理工程に送ることを特徴とする請求項2記載の
    排水回収方法。
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