JP2003001259A - 超純水製造装置 - Google Patents
超純水製造装置Info
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Abstract
値が高く、シリカを高度に除去することができる超純水
製造装置を提供する。 【解決手段】 超純水製造装置は、前処理装置としての
逆浸透膜分離装置(RO装置)1,2と、このRO装置
2からの比抵抗1MΩ・cm以上の処理水を脱イオン処
理する電気脱イオン装置10とを備えている。濃縮室1
5から流出する濃縮水は、その一部が排出され、残部が
ポンプを介して濃縮室15及び電極室(陽極室17、陰
極室18)に供給される。RO装置1の透過水に電解質
としてNa 2SO4又はNaOHを添加し、この電解質
添加水を電気脱イオン装置10の循環濃縮水に対し添加
する。これにより、濃縮室15、陽極室17、及び陰極
室18に導入される濃縮水の導電率が0.5mS/m以
上とされる。
Description
を用いた超純水製造装置に係り、特に電気脱イオン装置
におけるシリカの除去率を高めるようにした超純水製造
装置に関する。
製薬工業、食品工業、電力工業等の各種の産業又は民生
用ないし研究施設等において使用される脱イオン水の製
造には、図4に示す如く、電極(陽極11、陰極12)
の間に複数のアニオン交換膜(A膜)13及びカチオン
交換膜(C膜)14を交互に配列して濃縮室15と脱塩
室16とを交互に形成し、脱塩室16にイオン交換樹
脂、イオン交換繊維もしくはグラフト交換体等からなる
アニオン交換体及びカチオン交換体を混合もしくは複層
状に充填した電気脱イオン装置が多用されている(特許
第1782943号、特許第2751090号、特許第
2699256号)。なお、図4において、17は陽極
室、18は陰極室である。
力、濃度及び移動度に基いてイオン交換体と反応し、電
位の傾きの方向にイオン交換体中を移動し、更に膜を横
切って移動し、すべての室において電荷の中和が保たれ
る。そして、膜の半浸透特性のため、及び電位の傾きの
方向性のために、イオンは脱塩室16では減少し、隣り
の濃縮室15では濃縮される。即ち、カチオンはカチオ
ン交換膜14を透過して、また、アニオンはアニオン交
換膜13を透過して、それぞれ濃縮室15内に濃縮され
る。このため、脱塩室16から生産水として脱イオン水
(純水)が回収される。
水が通液されており、一般に、この電極水としては、電
気伝導度の確保のためにイオン濃度の高い濃縮室15の
流出水(濃縮水)が通液されている。
導入され、脱塩室16からは脱イオン水(純水)が取り
出される。一方、濃縮室15から流出するイオンが濃縮
された濃縮水は、ポンプ(図示せず)により一部が水回
収率の向上のために、濃縮室15の入口側に循環され、
一部(例えば5〜30%程度)が陽極室17の入口側に
送給され、残部が系内のイオンの濃縮を防止するために
排水として系外へ排出される。そして、陽極室17の流
出水は、陰極室18の入口側へ送給され、陰極室18の
流出水は排水として系外へ排出される。
陽極室17では、水解離によるH+の生成でpHが低下
する。一方、陰極室18ではOH−の生成でpHが高く
なる。このため、pHが低下した酸性の陽極室17の流
出水を陰極室18に通液することで、陰極室18におけ
るアルカリを中和してスケール障害を抑制している。
H+イオンとOH−イオンを生成させ、脱塩室内に充填
されているイオン交換体を連続して再生することによっ
て、効率的な脱塩処理が可能であり、従来から広く用い
られてきたイオン交換樹脂装置のような薬品を用いた再
生処理を必要とせず、完全な連続採水が可能で、高純度
の水が得られるという優れた効果を発揮する。この電気
脱イオン装置は、連続再生式電気脱イオン装置、電気再
生式電気脱イオン装置等と称されている。
置にあっては、シリカの除去が若干不十分であった。
炭酸ガス(CO2)、シリカなどの弱電解物質を除去す
るためには、下記のようなイオン化反応を脱塩室内で生
起させ、イオンを発生させる必要がある。 CO2+OH−→HCO3 − (pKa=6.35) SiO2+OH−→HSiO3 − (pKa=9.86) これらの弱電解物質のうち、CO2のように解離定数p
Ka値が低い物質は印加電圧を高めて水解離を起こさせ
れば除去することができるが、シリカなどの解離定数が
高い物質は印加電圧を上げても高度には除去することが
できない。
aClを添加し、電気伝導度を上げる方法も採用されて
いる。しかし、濃縮水の一部を電極水に用いているた
め、電極水にClイオンの酸化による残留Clが生成し
たり、H+イオン発生によりHClが生成し、腐食トラ
ブル発生要因となっている。
カを高度に除去することができる電気脱イオン装置を用
いた超純水製造装置を提供することを目的とする。
は、原水を前処理する前処理手段と、該前処理手段で処
理された水を電気脱イオン処理する電気脱イオン装置と
を有する超純水製造装置であって、該電気脱イオン装置
は、陽極を有する陽極室と、陰極を有する陰極室と、こ
れらの陽極室と陰極室との間に複数のアニオン交換膜及
びカチオン交換膜を交互に配列することにより交互に形
成された濃縮室及び脱塩室と、該脱塩室に充填されたイ
オン交換体と、該陽極室及び陰極室にそれぞれ電極水を
通水する手段と、該濃縮室に濃縮水を通水する濃縮水通
水手段と、該脱塩室に被処理水を通水して脱イオン水を
取り出す手段とを有する電気脱イオン装置である超純水
製造装置において、前記前処理手段は、原水を処理して
比抵抗を1MΩ・cm以上の被処理水とするものであ
り、前記濃縮室に供給される濃縮水及び前記電極室に供
給される電極水の導電率を0.5mS/m以上にする導
電率調節手段と、を備えたことを特徴とするものであ
る。
装置に導入される被処理水の比抵抗が1MΩ・cm以上
の場合に、濃縮室に供給される濃縮水及び電極室に供給
される電極水の導電率を0.5mS/m好ましくは1m
S/m以上とすることにより、電気脱イオン装置におい
て低電圧でも高電流を流すことができるようにし、これ
によってシリカの除去を高度に行うようにしたものであ
る。
水の導電率を高めるために、前処理手段で処理された水
の一部を分取し、この水に電解質(好ましくはNa2S
O4及び/又はNaOH)を添加し、これを濃縮水及び
電極水に補給する。
水の導電率を高めるために、前処理手段から得られる導
電率0.5mS/m以上の水を濃縮水及び電極水に補給
する。この場合、前処理手段は、原水を処理して比抵抗
1MΩ・cm以上の高比抵抗水を生成させると共に、こ
の処理によって高導電率水を発生させる処理手段であ
り、前記導電率調節手段は、この高導電率水を前記濃縮
水及び電極水に補給するものであることが好ましい。
浸透膜分離装置と、該第1逆浸透膜分離装置の処理水が
導入される第2逆浸透膜分離装置を備えており、前記導
電率調節手段は、該第1逆浸透膜分離装置の透過水の一
部及び/又は該第2逆浸透膜分離装置の濃縮水の一部を
前記濃縮水及び電極水に補給するものが例示される。ま
た、前処理手段としては、逆浸透膜分離装置と、該逆浸
透膜分離装置の処理水が導入される前処理用の連続再生
式脱イオン装置とを備えており、前記導電率調節手段
が、該逆浸透膜手段の処理水の一部及び/又は該前処理
用の連続再生式脱イオン装置の濃縮水の一部を前記濃縮
水及び電極水に補給するものであってもよい。
について説明する。図1は実施の形態に係る超純水製造
装置の系統図である。
の逆浸透膜分離装置(以下、RO装置という)1,2
と、このRO装置の処理水を脱イオン処理する電気脱イ
オン装置10とを備えている。RO装置1,2は直列に
接続されており、RO装置1の透過水がRO装置2にて
さらに脱塩処理される。
電気脱イオン装置と同じく、電極(陽極11、陰極1
2)の間に複数のアニオン交換膜(A膜)13及びカチ
オン交換膜(C膜)14を交互に配列して濃縮室15と
脱塩室16とを交互に形成し、脱塩室16にイオン交換
樹脂、イオン交換繊維もしくはグラフト交換体等からな
るアニオン交換体及びカチオン交換体を混合もしくは複
層状に充填したものである。
の比抵抗を有している。この透過水はこの電気脱イオン
装置10の各脱塩室16に通水され、脱塩処理されて生
産水となる。即ち、脱塩室16に流入したイオンはその
親和力、濃度及び移動度に基いてイオン交換体と反応
し、電位の傾きの方向にイオン交換体中を移動し、更に
膜を横切って移動し、全ての室において電荷の中和が保
たれる。そして、膜の半浸透特性のため、及び電位の傾
きの方向性のために、イオンは脱塩室16では減少し、
隣りの濃縮室15では濃縮される。カチオンはカチオン
交換膜14を透過して、また、アニオンはアニオン交換
膜13を透過して、それぞれ濃縮室15内に濃縮され
る。このため、脱塩室16から生産水として脱イオン水
(純水)が回収される。
部が排出され、残部がポンプ(図示略)を介して濃縮室
15及び電極室(陽極室17、陰極室18)に供給され
る。
過水に電解質好ましくはNa2SO 4又はNaOHを添
加し、この電解質添加水を、循環される濃縮水に対し補
給する。これにより、濃縮室15、陽極室17、及び陰
極室18に導入される濃縮水の導電率が0.5mS/m
以上とされる。この結果、陽極11と陰極12との間の
印加電圧が低くても、濃縮室15及び脱塩室16におけ
る電流値が増大し、シリカを高度に除去することができ
る。
置の系統図である。この実施の形態でも前処理装置とし
て直列に接続した2基のRO装置1,2を用いている。
原水は第1段目のRO装置1にて脱塩処理され、その透
過水が第2段目のRO装置2に通水され、比抵抗1MΩ
・cm以上とされた透過水が電気脱イオン装置10の各
脱塩室16に供給される。この電気脱イオン装置10の
構成は図1の電気脱イオン装置10と同一である。
の透過水の一部A又は第2段目のRO装置の濃縮水の一
部Bを循環濃縮水に添加している。これにより、電気脱
イオン装置10の濃縮室15、陽極室17及び陰極室1
8に通水される濃縮水及び電極水の導電率が0.5mS
/m以上とされ、シリカの高度除去が可能とされてい
る。
純水製造装置の系統図である。この実施の形態では、前
処理装置としてRO装置1と連続再生式電気脱イオン装
置(CDI)3とが設置されている。この電気脱イオン
装置3の構成は電気脱イオン装置10と同一である。電
気脱イオン装置10の構成は図1,2のものと同じであ
る。
過水が電気脱イオン装置3で脱イオン処理されて比抵抗
1MΩ・cm以上のものとされる。この水が電気脱イオ
ン装置10の各脱塩室16に通水される。
透過水の一部a又は電気脱イオン装置3の循環濃縮水の
一部bが電気脱イオン装置10の循環濃縮水に添加さ
れ、これにより電気脱イオン装置10の脱塩室16、陽
極室17及び陰極室18に通水される水の導電率を0.
5mS/m以上とし、シリカの高度除去を可能としてい
る。
発明は図示以外の形態をもとり得ることは明らかであ
る。
なお、以下の実施例及び比較例では18mS/m、pH
7.4の市水をUF膜処理及び膜脱気処理した水を原水
としている。この原水のCO2濃度は60μg−C/
L、SiO2濃度23μg/Lである。原水流量は2.
0m3/hrである。電気脱イオン装置としては栗田工
業株式会社製P−30型を採用した。
て原水を処理した。1段目RO装置1の透過水の導電率
は0.3mS/m、2段目RO装置透過水の比抵抗は
1.6MΩ・cm、2段目RO装置濃縮水の導電率は
0.8mS/mである。
3/hr、生産水量を1.6m3/hr、濃縮水排水量
を0.3m3/hr、電極水排水量を0.1m3/hr
とした(回収率80%)。
hrで分取し、NaOHを添加後の循環濃縮水の導電率
が0.7mS/mとなるように添加した。
したときの電流値と、シリカ除去率は、表1に示す通り
82%であった。
の添加量を添加後の循環濃縮水の導電率が1.3mS/
mとなるように増大させたこと以外は実施例1と同様に
して通水を行った。結果を表1に示す。循環濃縮水の導
電率が高いので、シリカ除去率が88%にまで向上し
た。
を添加しなかったこと以外は実施例1と同様にして通水
を行った。結果を表1に示す。NaOHを添加しないた
め、循環濃縮水の導電率は0.3mS/mであった。こ
のためシリカ除去率が72%と低い。
を310Vとしたこと以外は比較例1と同様にして通水
を行った。結果を表1に示す。表1の通り、印加電圧を
高めたことにより、シリカ除去率が高い。
よって原水を処理した。なお、実施例3では1段目RO
装置の透過水(A)を0.4m3/hrの割合で循環濃
縮水に添加した。実施例4では2段目RO装置の濃縮水
(B)を0.4m3/hrの割合で循環濃縮水に添加し
た。結果を表1に示す。
よって原水を処理した。なお、実施例5では1段目RO
装置の透過水(a)を0.4m3/hrの割合で循環濃
縮水に添加した。実施例6ではCDI装置の濃縮水
(b)を0.4m3/hrの割合で循環濃縮水に添加し
た。結果を表1に示す。
気脱イオン装置の印加電圧が低くても電流値が高く、シ
リカを高度に除去することができる。
ン装置の印加電圧が低くしてもシリカを高度に除去した
超純水を製造することができる。
る。
である。
系統図である。
Claims (7)
- 【請求項1】 原水を前処理する前処理手段と、該前処
理手段で処理された水を電気脱イオン処理する電気脱イ
オン装置とを有する超純水製造装置であって、 該電気脱イオン装置は、 陽極を有する陽極室と、 陰極を有する陰極室と、 これらの陽極室と陰極室との間に複数のアニオン交換膜
及びカチオン交換膜を交互に配列することにより交互に
形成された濃縮室及び脱塩室と、 該脱塩室に充填されたイオン交換体と、 該陽極室及び陰極室にそれぞれ電極水を通水する手段
と、 該濃縮室に濃縮水を通水する濃縮水通水手段と、 該脱塩室に被処理水を通水して脱イオン水を取り出す手
段とを有する電気脱イオン装置である超純水製造装置に
おいて、 前記前処理手段は、原水を処理して比抵抗を1MΩ・c
m以上の被処理水とするものであり、 前記濃縮室に供給される濃縮水及び前記電極室に供給さ
れる電極水の導電率を0.5mS/m以上にする導電率
調節手段と、を備えたことを特徴とする超純水製造装
置。 - 【請求項2】 請求項1において、前記濃縮室から取り
出された水の一部を前記濃縮水及び電極水として濃縮室
及び電極室に供給する手段と、 前記前処理手段で処理された水の一部を該濃縮水及び電
極水に補給する水補給手段と、を備えており、 前記導電率調節手段は、この水補給手段によって補給さ
れる水に電解質を添加するものであることを特徴とする
超純水製造装置。 - 【請求項3】 請求項2において、該電解質はNa2S
O4及び/又はNaOHであることを特徴とする超純水
製造装置。 - 【請求項4】 請求項1において、前記濃縮室から取り
出された水の一部を前記濃縮水及び電極水として濃縮室
及び電極室に供給する手段が設けられており、 前記導電率調節手段は、前記前処理手段から得られる導
電率が0.5mS/m以上の水を前記濃縮水及び電極水
に補給する手段であることを特徴とする超純水製造装
置。 - 【請求項5】 請求項4において、前記前処理手段は、
原水を処理して比抵抗1MΩ・cm以上の高比抵抗水を
生成させると共に、この処理によって高導電率水を発生
させる処理手段であり、 前記導電率調節手段は、この高導電率水を前記濃縮水及
び電極水に補給するものであることを特徴とする超純水
製造装置。 - 【請求項6】 請求項5において、前記前処理手段は、
第1逆浸透膜分離装置と、該第1逆浸透膜分離装置の処
理水が導入される第2逆浸透膜分離装置を備えており、 前記導電率調節手段は、該第1逆浸透膜分離装置の透過
水の一部及び/又は該第2逆浸透膜分離装置の濃縮水の
一部を前記濃縮水及び電極水に補給するものであること
を特徴とする超純水製造装置。 - 【請求項7】 請求項5において、前記前処理手段が逆
浸透膜分離装置と、該逆浸透膜分離装置の処理水が導入
される前処理用の連続再生式脱イオン装置とを備えてお
り、 前記導電率調節手段が、該逆浸透膜手段の処理水の一部
及び/又は該前処理用の連続再生式脱イオン装置の濃縮
水の一部を前記濃縮水及び電極水に補給するものである
ことを特徴とする超純水製造装置。
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