JP2014147872A - 純水製造装置及びその運転方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】シリカ等の弱イオン成分の除去率の高い高性能型の電気脱イオン装置を備える純水製造装置において、電気脱イオン装置の電気抵抗の増加を確実に防止して長期に亘り安定運転を行う。
【解決手段】原水を逆浸透膜分離処理し、逆浸透膜透過水を電気脱イオン装置で処理する純水製造装置の運転方法において、該電気脱イオン装置で処理する前記透過水のシリカ濃度とスルファミン酸化合物のNSO換算濃度との合計濃度を700μg/L以下に制御する純水製造装置の運転方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、原水を逆浸透膜(RO膜)分離装置と電気脱イオン装置で処理して純水を製造する純水製造装置及びその運転方法に係り、特に、シリカ等の弱イオン成分を高度に除去することができる高性能型電気脱イオン装置を備える純水製造装置を長期に亘り安定に運転する技術に関する。
電気脱イオン装置は、カチオン交換膜とアニオン交換膜との間にイオン交換樹脂等のイオン交換体を充填して脱塩室を構成し、この脱塩室の両側に濃縮室を設け、このような脱塩室と濃縮室を陽極と陰極の間に配置して構成され、陽極と陰極との間に電圧を印加しながら、脱塩室に被処理水を、濃縮室に濃縮水をそれぞれ流入させて、脱塩室において被処理水中の不純物イオンを除去すると共に該不純物イオンを電気的に濃縮室に移動させて、脱塩室から純水を得るものである。
電気脱イオン装置は、イオン交換体が不純物イオンで飽和されることが無いため、薬剤による再生が不要であるという利点を有する。
電気脱イオン装置は、被処理水中の硬度成分が装置内で析出することを防止するために、通常、その前段にRO膜分離装置が設けられる。従って、電気脱イオン装置を利用した純水製造では、市水、工業用水、井水等の原水を凝集、濾過、活性炭処理等で前処理した後、RO膜分離装置に通水し、RO膜分離装置の透過水を電気脱イオン装置の給水としている。
また、このような処理において、RO膜分離装置におけるスライム障害(微生物による膜汚染)を防止するために、RO膜分離装置の給水にスライムコントロール剤を注入することが行われており、そのスライムコントロール剤として、膜劣化の問題のないスルファミン酸系スライムコントロール剤を用いることも提案されている(例えば、特許文献1)。
電気脱イオン装置は、電気によりイオンの除去を行うため、被処理水中の弱電解質成分、具体的にはシリカ、炭酸等の弱イオン成分の除去率が低いという欠点があったが、近年では、シリカ等の弱イオン成分の除去率を高めた高性能型電気脱イオン装置が種々提案されている(例えば、特許文献2)。
シリカ等の弱イオン成分を例えば90%以上、望ましくは95%以上、さらに望ましくは99%以上除去する電気脱イオン装置は、通常高い電流値(例えば5A以上、望ましくは10A以上)で運転されている。しかし、このような高性能型の電気脱イオン装置では、運転条件によっては、シリカ成分が単独又は他の成分と結合して、電気脱イオン装置内のイオン交換樹脂等に蓄積してしまい、電気脱イオン装置の電気抵抗を上げてしまうという問題があった。電気抵抗が上がると、運転電圧が上がり、それが限界に達すると電流が落ち、処理性能が悪化してしまう。
特許文献3には、電気脱イオン装置の被処理水のシリカ濃度を500ppb(μg/L)以下とすることで、電気抵抗の増加を抑制し、運転電圧を下げることが記載されているが、被処理水のスルファミン酸濃度についての検討はなされていない。
特許文献4には、電気式脱イオン装置の濃縮室に原水よりシリカ及びホウ素濃度の低い水を脱塩室における被処理水流水方向と反対方向に通水することによりシリカ及びホウ素を高度に除去することが記載されている。
特開2006−263510号公報 特開平11−165176号公報 特開2000−61271号公報 特開2002−205069号公報
シリカ等の弱イオン成分の除去率の高い高性能型の電気脱イオン装置において、特許文献3に記載されるように、その給水のシリカ濃度を制御することにより、電気脱イオン装置の電気抵抗の増加を防止することができるが、本発明者らによる検討の結果、電気脱イオン装置の給水のシリカ濃度を下げても電気抵抗が増加する問題があることが判明した。
本発明は、シリカ等の弱イオン成分の除去率の高い高性能型の電気脱イオン装置を備える純水製造装置において、電気脱イオン装置の電気抵抗の増加を確実に防止して長期に亘り安定運転を行える純水製造装置及びその製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、電気脱イオン装置の給水中のシリカのみならず、スルファミン酸も、電気脱イオン装置の電気抵抗の増加に関与しており、電気脱イオン装置の電気抵抗の増加を確実に防止するためには、電気脱イオン装置の給水のシリカ濃度とスルファミン酸化合物濃度の合計濃度を制御する必要があることを知見した。
本発明はこのような知見に基いて達成されたものであり、以下を要旨とする。
[1] 原水を逆浸透膜分離処理し、逆浸透膜透過水を電気脱イオン装置で処理する純水製造装置の運転方法において、該電気脱イオン装置で処理する前記透過水のシリカ濃度とスルファミン酸化合物のNSO換算濃度との合計濃度を700μg/L以下に制御することを特徴とする純水製造装置の運転方法。
[2] [1]において、前記電気脱イオン装置の運転期間における前記合計濃度の平均値を700μg/L以下とすることを特徴とする純水製造装置の運転方法。
[3] [1]において、前記電気脱イオン装置の運転期間中の50%以上の期間において前記合計濃度を700μg/L以下とすることを特徴とする純水製造装置の運転方法。
[4] [1]ないし[3]のいずれかにおいて、前記原水にスルファミン酸系スライムコントロール剤が注入されていることを特徴とする純水製造装置の運転方法。
[5] [4]において、前記原水へのスルファミン酸系スライムコントロール剤の注入量を制御することにより、前記合計濃度を制御することを特徴とする純水製造装置の運転方法。
[6] [5]において、前記スルファミン酸系スライムコントロール剤を間欠注入することにより、注入量を制御することを特徴とする純水製造装置の運転方法。
[7] [1]ないし[6]のいずれかにおいて、前記電気脱イオン装置の電流値が5A以上であることを特徴とする純水製造装置の運転方法。
[8] 原水を逆浸透膜分離処理する逆浸透膜分離装置と、該逆浸透膜分離装置の透過水を処理する電気脱イオン装置とを備える純水製造装置において、該電気脱イオン装置の給水のシリカ濃度とスルファミン酸化合物のNSO換算濃度を求め、該シリカ濃度とNSO換算濃度の合計値を700μg/L以下に制御する制御手段を備えることを特徴とする純水製造装置。
[9] [8]において、前記原水にスルファミン酸系スライムコントロール剤を連続的に又は間欠的に注入するスライムコントロール剤注入手段を有し、前記制御手段により、該スライムコントロール剤注入手段のスライムコントロール剤注入量及び/又は間欠注入間隔が制御されることを特徴とする純水製造装置。
本発明によれば、シリカ等の弱イオン成分の除去率の高い高性能型の電気脱イオン装置を備える純水製造装置において、電気脱イオン装置の電気抵抗の増加を確実に防止して長期に亘り安定運転を行うことができる。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明する。
本発明の純水製造装置は、RO膜分離装置とRO膜分離装置の透過水を処理する電気脱イオン装置とを備えるものであるが、好ましくは、RO膜分離装置の前段に凝集処理手段、凝集処理水を固液分離する濾過装置等の固液分離手段、固液分離水を処理する活性炭塔等の前処理手段を備える。
原水としては、市水、工業用水、井水などが用いられ、これらの原水が前処理手段で処理された後、RO膜分離装置でRO膜分離処理される。通常、RO膜分離装置に供給される前処理水のシリカ濃度は、20〜30mg/L程度である。
前述の如く、RO膜分離装置では、スライム障害を防止するために、RO膜分離装置の給水(前処理水)にスライムコントロール剤が注入される。
スライムコントロール剤としては塩素系のスライムコントロール剤もあるが、本発明では、このスライムコントロール剤として好ましくは膜劣化の問題のないスルファミン酸系スライムコントロール剤を用いる。
スルファミン酸系スライムコントロール剤とは、塩素系酸化剤とスルファミン酸化合物、或いは塩素系酸化剤とスルファミン酸化合物とからなる結合塩素剤を含むものである。
本発明で用いる塩素系酸化剤に特に制限はなく、例えば、塩素ガス、二酸化塩素、次亜塩素酸又はその塩、亜塩素酸又はその塩、塩素酸又はその塩、過塩素酸又はその塩、塩素化イソシアヌル酸又はその塩などを挙げることができる。これらのうち、塩形のものの具体例としては、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カリウムなどの次亜塩素酸アルカリ金属塩、次亜塩素酸カルシウム、次亜塩素酸バリウムなどの次亜塩素酸アルカリ土類金属塩、亜塩素酸ナトリウム、亜塩素酸カリウムなどの亜塩素酸アルカリ金属塩、亜塩素酸バリウムなどの亜塩素酸アルカリ土類金属塩、亜塩素酸ニッケルなどの他の亜塩素酸金属塩、塩素酸アンモニウム、塩素酸ナトリウム、塩素酸カリウムなどの塩素酸アルカリ金属塩、塩素酸カルシウム、塩素酸バリウムなどの塩素酸アルカリ土類金属塩などを挙げることができる。これらの塩素系酸化剤は、1種を単独で用いても良く、2種以上を組み合わせて用いても良い。これらの中で、次亜塩素酸塩は取り扱いが容易なので、好適に用いることができる。
一方、スルファミン酸化合物としては、下記一般式[1]で表される化合物又はその塩が挙げられる。
Figure 2014147872
(ただし、一般式[1]において、R及びRは、各々独立に、水素原子又は炭素数1〜8の炭化水素基である。)
このようなスルファミン酸化合物としては、例えば、RとRがともに水素原子であるスルファミン酸のほかに、N−メチルスルファミン酸、N,N−ジメチルスルファミン酸、N−フェニルスルファミン酸などを挙げることができる。本発明に用いるスルファミン酸化合物のうち、前記化合物の塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩、カルシウム塩、ストロンチウム塩、バリウム塩などのアルカリ土類金属塩、マンガン塩、銅塩、亜鉛塩、鉄塩、コバルト塩、ニッケル塩などの他の金属塩、アンモニウム塩及びグアニジン塩などを挙げることができ、具体的には、スルファミン酸ナトリウム、スルファミン酸カリウム、スルファミン酸カルシウム、スルファミン酸ストロンチウム、スルファミン酸バリウム、スルファミン酸鉄、スルファミン酸亜鉛などを挙げることができる。これらのスルファミン酸及びスルファミン酸塩は、1種を単独で用いることもでき、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
次亜塩素酸塩等の塩素系酸化剤とスルファミン酸塩等のスルファミン酸化合物を混合すると、これらが結合して、クロロスルファミン酸塩を形成して安定化し、従来のクロラミンのようなpHによる解離性の差、それによる遊離塩素濃度の変動を生じることなく、水中で安定した遊離塩素濃度を保つことが可能となる。
塩素系酸化剤とスルファミン酸化合物との使用割合には特に制限はないが、塩素系酸化剤の有効塩素1モルあたりスルファミン酸化合物を0.5〜5.0モルとすることが好ましく、0.5〜2.0モルとすることがより好ましい。
このようなスルファミン酸系スライムコントロール剤は、塩素系酸化剤とスルファミン酸化合物とを含む水溶液として好適に用いられるが、何らこの混合水溶液の形態に限らず塩素系酸化剤とスルファミン酸化合物とは別々に提供されるものであっても良い。
従来、このようなスルファミン酸系スライムコントロール剤の注入量は、通常、mg/Lオーダーであり、例えば、前述の特許文献1では、有効塩素濃度1〜8重量%、好ましくは3〜6重量%の塩素系酸化剤と、1.5〜9重量%、好ましくは4.5〜8重量%のスルファミン酸化合物を含む、pH≧12水溶液を、水中の塩素系酸化剤の濃度として0.1〜1000mg/L、好ましくは1〜200mg/Lとなるように添加することが好ましいとされている。
ここで、スルファミン酸系スライムコントロール剤水溶液中のスルファミン酸化合物濃度は、塩素系酸化剤濃度の1.1〜1.5倍程度であるので、スルファミン酸化合物の添加濃度は好ましくは1.1〜300mg/Lとなる。
本発明では、好ましくは、このスルファミン酸系スライムコントロール剤の注入量を後述のように制御する。
RO膜分離装置の透過水は、電気脱イオン装置で脱イオン処理されて純水が製造される。本発明で用いる電気脱イオン装置は、好ましくは、シリカ等の弱イオン成分を通常90%以上、好ましくは95%以上、より好ましくは99%以上除去し得る高性能型の電気脱イオン装置であって、その電流値は好ましくは5A以上、より好ましくは10A以上、例えば、10〜15Aである。また、この電気脱イオン装置では、脱塩室から取り出される処理水の一部を濃縮室にカウンターフローで通水する、即ち、処理水の一部を脱塩室の通水方向とは逆方向に濃縮室に通水することにより、脱イオン性能を高めることが好ましい。
本発明においては、このような電気脱イオン装置に導入される被処理水(電気脱イオン装置の給水)、即ち、RO膜分離装置の透過水のシリカ濃度とスルファミン酸化合物のNSO換算濃度の合計濃度(以下「SiO/NSO合計濃度」と称す場合がある。)が700μg/L以下となるように制御する。
即ち、本発明者らの検討の結果、電気脱イオン装置の給水中のシリカのみならず、スルファミン酸化合物も、電気脱イオン装置の電気抵抗の上昇に影響することが判明した。このため、本発明では、電気脱イオン装置の給水のSiO/NSO合計濃度を制御する。
スルファミン酸化合物が電気脱イオン装置の電気抵抗上昇に影響を与える理由の詳細は明らかではないが、スルファミン酸化合物がシリカと結合するか、或いは、シリカと共に電気脱イオン装置内のイオン交換体等に蓄積することによると考えられる。
電気脱イオン装置の給水のSiO/NSO合計濃度は、700μg/L以下であればよく、SiO/NSO合計濃度を過度に低く保つことは、後述するSiO/NSO合計濃度の制御のためのRO膜の交換を頻繁に行う必要があったり、スルファミン酸系スライムコントロール剤の注入量を少なくする結果、RO膜分離装置におけるスライム障害の問題が起きたりするため、好ましくない。
このため、電気脱イオン装置の給水のSiO/NSO合計濃度は600〜700μg/L程度とすることが好ましい。
また、電気脱イオン装置の給水のSiO/NSO合計濃度は、運転期間中、常に700μg/L以下である必要はなく、一時的に或いは短期的に700μg/Lを超えても、その後、給水のSiO/NSO合計濃度を700μg/L以下に下げることにより、電気脱イオン装置内の蓄積成分は水中に徐々に放出されて電気抵抗は回復することが本発明者らの検討により判明した。
従って、SiO/NSO合計濃度の程度にもよるが、総運転期間の50%以上、例えば50〜80%の期間において、電気脱イオン装置の給水のSiO/NSO合計濃度を700μg/L以下とし、その他の期間は700μg/Lを超え、例えば700μg/Lを超えて800μg/L以下であってもよく、運転期間中の電気脱イオン装置の給水のSiO/NSO合計濃度の平均値が700μg/L以下、好ましくは600〜700μg/Lであれば、本発明の効果を得ることができる。
このようなSiO/NSO合計濃度の制御を実施するためには、電気脱イオン装置の給水のシリカ濃度を測定する手段と、スルファミン酸化合物濃度を測定する手段を設け、給水のSiO/NSO合計濃度が700μg/L以下であることを確認し、700μg/Lを超える場合には、以下の(1)又は(2)により、給水のSiO/NSO合計濃度を下げる方法が挙げられる。
(1) RO膜分離装置のRO膜を交換する。
RO膜分離装置の透過水のシリカ濃度は通常200〜600μg/Lであるが、RO膜分離装置のRO膜は経年劣化や前処理不良による酸化剤の混入などにより劣化し、透過水のシリカ濃度が上昇する。電気脱イオン装置の給水のSiO/NSO合計濃度が700μg/Lを超える場合、RO膜の劣化で透過水のシリカ濃度が上昇したことが考えられ、この場合には、RO膜分離装置のRO膜を交換する。
(2) スルファミン酸系スライムコントロール剤の注入量を制御する。
RO膜分離装置の給水にスルファミン酸系スライムコントロール剤を注入している場合、電気脱イオン装置の給水のスルファミン酸化合物濃度は、通常、このスルファミン酸系スライムコントロール剤の注入濃度に等しくなることから、RO膜分離装置の給水へのスルファミン酸系スライムコントロール剤の注入量を制御して、電気脱イオン装置の給水のSiO/NSO合計濃度を700μg/L以下とする。なお、この場合、スルファミン酸系スライムコントロール剤の注入手段に設けられた注入量の制御手段を、電気脱イオン装置の給水のスルファミン酸化合物濃度の測定手段とすることができるが、別途、定期的にサンプリングを行い、系内の水を持ち出してスルファミン酸化合物の濃度を分析することにより、電気脱イオン装置の給水のスルファミン酸化合物濃度を測定する手段を設けてもよい。また、スルファミン酸系スライムコントロール剤の注入量から計算した値を用いても良い。
上記(1),(2)の方法は一方を採用してもよく、双方を採用することもできるが、RO膜の交換には多大な手間とコストを要するため、通常は、スルファミン酸系スライムコントロール剤の注入量の制御で対応し、この注入量の制御では対応し得ない場合にRO膜の交換を行うことが好ましい。
なお、RO膜分離装置の給水のスルファミン酸系スライムコントロール剤を注入し、その注入量と、電気脱イオン装置の給水のシリカ濃度の測定値とで、電気脱イオン装置の給水のSiO/NSO合計濃度を監視する場合、或いは、電気脱イオン装置の給水のシリカ濃度の測定値とスルファミン酸化合物濃度の測定値とで電気脱イオン装置の給水のSiO/NSO合計濃度を監視する場合、これらの濃度測定は、常時行ってもよいが、定期的に、例えば、一週間に1回の頻度で間欠的に行ってもよい。また、本発明者らの検討により、電気脱イオン装置の給水のSiO/NSO合計濃度の上昇に先行して電気脱イオン装置でのシリカ除去率が低下する傾向があることが判明したことから、シリカ除去率が低下したらこれらの濃度測定を行って、SiO/NSO合計濃度を700μg/L以下に制御するようにしてもよい。
また、本発明者らの検討により、電気脱イオン装置の給水のシリカ濃度及びスルファミン酸化合物濃度の有効値は、好ましくはシリカ濃度400〜650μg/L、スルファミン酸化合物のNSO換算濃度50〜300μg/Lで、特に、シリカとスルファミン酸化合物濃度がこの範囲であって、スルファミン酸化合物のNSO換算濃度/シリカ濃度が0.1〜0.5程度であることが判明した。このような範囲で電気脱イオン装置の給水のSiO/NSO合計濃度を制御する場合、例えば、RO膜分離装置の給水へのスルファミン酸系スライムコントロール剤の注入量を常に低く制御すると、RO膜分離装置でのスライム障害が発生する恐れがある。一方で、前述の如く、電気脱イオン装置の給水のSiO/NSO合計濃度は、常に700μg/L以下とする必要はなく、間欠的に700μg/L以下となる運転であっても、全運転期間中の50%以上において700μg/L以下であればよく、電気脱イオン装置での電気抵抗の上昇を十分に抑えることができる。
従って、RO膜分離装置の給水へのスルファミン酸系スライムコントロール剤の注入量の制御で電気脱イオン装置の給水のSiO/NSO合計濃度を制御する場合、RO膜分離装置の給水へのスルファミン酸系スライムコントロール剤の注入を間欠的に行い、スルファミン酸系スライムコントロール剤の注入を行っている期間は、電気脱イオン装置の給水のSiO/NSO合計濃度が700μg/Lを超えても、スルファミン酸系スライムコントロール剤の注入を行っていない期間において、電気脱イオン装置の給水のSiO/NSO合計濃度を700μg/L以下とし、この非注入期間中において、電気脱イオン装置の電気抵抗を回復させるようにすることもでき、この場合には、全運転期間に亘って、スルファミン酸系スライムコントロール剤の注入量を少なくすることによるRO膜分離装置のスライム障害を防止することができる。
このようなスルファミン酸系スライムコントロール剤の間欠注入を行う場合、例えば、3〜6時間の注入期間と、3〜24時間の非注入期間とを交互に繰り返し、注入期間でのスルファミン酸系スライムコントロール剤のNSO換算注入量は150〜600μg/L、RO膜分離装置の給水のNSO換算濃度/シリカ濃度比を0.1〜0.5程度とし、全運転期間中の非注入期間の割合を50%以上とする方法が挙げられる。また、このような間欠注入に限らず、スルファミン酸系スライムコントロール剤をNSO換算で20〜300μg/L注入する高濃度注入期間と200〜500μg/L注入する低濃度注入期間とを交互に繰り返す方法を採用することもできる。
本発明によれば、このように、電気脱イオン装置の給水のSiO/NSO合計濃度を制御することにより、電気脱イオン装置での電気抵抗の上昇を防止して長期に亘り安定運転を行える。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
[比較例1]
原水(工業用水)を凝集、濾過した後、活性炭塔に通水して得られた前処理水に、スルファミン酸系スライムコントロール剤(栗田工業社製「IK110」、次亜塩素酸ナトリウム2重量%(as有効塩素濃度)とスルファミン酸ナトリウム8重量%を含有する水溶液)をスルファミン酸ナトリウムのNSO換算注入量が300μg/Lとなるように注入し、RO膜分離装置(栗田工業社製「KROA2031」)でRO膜分離処理し、RO膜透過水を電気脱イオン装置(栗田工業社製「KCPI−UPz」、電流値10A、処理水の20%を濃縮室にカウンターフローで通水する。)に通水して脱イオン処理した。
このときの電気脱イオン装置の給水のシリカ濃度は500μg/L、スルファミン酸ナトリウムのNSO換算濃度は300μg/Lであり、電気脱イオン装置の処理水のシリカ濃度は1μg/Lでシリカ除去率は99.8%であった。
この処理を継続したところ、5年間は安定運転を行えたが、その後1ヶ月で電気脱イオン装置の電圧値が300Vから450Vにまで上昇した(電流値は10A、電気脱イオン装置の処理水のシリカ濃度は1μg/L、シリカ除去率は99.8%)。
[実施例1]
上記の比較例1の運転後、スルファミン酸系スライムコントロール剤の注入量を比較例1の場合の1/2(NSO換算注入量として150μg/L)として運転を継続した。このときの電気脱イオン装置の給水のシリカ濃度は500μg/L、スルファミン酸ナトリウムのNSO換算濃度は150μg/L、合計濃度は650μg/Lとなった。
この条件で、0.5ヶ月間運転を継続したところ、電気抵抗の上昇は起こらず、0.5ヵ月後の電気脱イオン装置の電圧値は440V(電流値は10A)であった。
次に、スルファミン酸系スライムコントロール剤の注入量をNSO換算濃度で300μg/Lに戻し、3時間毎にスルファミン酸系スライムコントロール剤を3時間注入する間欠注入(3時間注入、3時間非注入を交互に繰り返す。)を行ったところ、0.5ヶ月間の運転で電気脱イオン装置の電圧値は430Vまで下がった(電流値は10A、電気脱イオン装置の処理水のシリカ濃度は1μg/L、シリカ除去率は99.8%)。

Claims (9)

  1. 原水を逆浸透膜分離処理し、逆浸透膜透過水を電気脱イオン装置で処理する純水製造装置の運転方法において、該電気脱イオン装置で処理する前記透過水のシリカ濃度とスルファミン酸化合物のNSO換算濃度との合計濃度を700μg/L以下に制御することを特徴とする純水製造装置の運転方法。
  2. 請求項1において、前記電気脱イオン装置の運転期間における前記合計濃度の平均値を700μg/L以下とすることを特徴とする純水製造装置の運転方法。
  3. 請求項1において、前記電気脱イオン装置の運転期間中の50%以上の期間において前記合計濃度を700μg/L以下とすることを特徴とする純水製造装置の運転方法。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項において、前記原水にスルファミン酸系スライムコントロール剤が注入されていることを特徴とする純水製造装置の運転方法。
  5. 請求項4において、前記原水へのスルファミン酸系スライムコントロール剤の注入量を制御することにより、前記合計濃度を制御することを特徴とする純水製造装置の運転方法。
  6. 請求項5において、前記スルファミン酸系スライムコントロール剤を間欠注入することにより、注入量を制御することを特徴とする純水製造装置の運転方法。
  7. 請求項1ないし6のいずれか1項において、前記電気脱イオン装置の電流値が5A以上であることを特徴とする純水製造装置の運転方法。
  8. 原水を逆浸透膜分離処理する逆浸透膜分離装置と、該逆浸透膜分離装置の透過水を処理する電気脱イオン装置とを備える純水製造装置において、該電気脱イオン装置の給水のシリカ濃度とスルファミン酸化合物のNSO換算濃度を求め、該シリカ濃度とNSO換算濃度の合計値を700μg/L以下に制御する制御手段を備えることを特徴とする純水製造装置。
  9. 請求項8において、前記原水にスルファミン酸系スライムコントロール剤を連続的に又は間欠的に注入するスライムコントロール剤注入手段を有し、前記制御手段により、該スライムコントロール剤注入手段のスライムコントロール剤注入量及び/又は間欠注入間隔が制御されることを特徴とする純水製造装置。
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