JP3201998B2 - (s)−ベンゾオキサジン誘導体の製造方法及び(r)−ベンゾオキサジン誘導体のラセミ化方法 - Google Patents
(s)−ベンゾオキサジン誘導体の製造方法及び(r)−ベンゾオキサジン誘導体のラセミ化方法Info
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- C07D—HETEROCYCLIC COMPOUNDS
- C07D265/00—Heterocyclic compounds containing six-membered rings having one nitrogen atom and one oxygen atom as the only ring hetero atoms
- C07D265/28—1,4-Oxazines; Hydrogenated 1,4-oxazines
- C07D265/34—1,4-Oxazines; Hydrogenated 1,4-oxazines condensed with carbocyclic rings
- C07D265/36—1,4-Oxazines; Hydrogenated 1,4-oxazines condensed with carbocyclic rings condensed with one six-membered ring
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- Heterocyclic Carbon Compounds Containing A Hetero Ring Having Nitrogen And Oxygen As The Only Ring Hetero Atoms (AREA)
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、(S)−ベンゾオ
キサジン(benzoxazine) 誘導体の製造方法及び(R)−
ベンゾオキサジン誘導体のラセミ化(racemization)方法
に関する。より具体的に本発明は、強力な抗菌作用を有
するレボフロキサシン(levofloxacin)及びその類似化合
物の製造に有用な中間体である(S)−ベンゾオキサジ
ン誘導体を、ラセミ体であるベンゾオキサジン誘導体
(RS)−1化合物と分割剤である(S)−2−(6−
メトキシナフチル−2−イル)プロピオニルクロライド
を反応させる方法で製造し、前記の(S)−ベンゾオキ
サジン誘導体の製造過程で発生する未反応の(R)−ベ
ンゾオキサジン誘導体化合物及び副生物から回収される
(R)−ベンゾオキサジン誘導体化合物をラセミ化して
上記のラセミ体であるベンゾオキサジン誘導体(RS)
−1化合物にラセミ化する方法に関する。
キサジン(benzoxazine) 誘導体の製造方法及び(R)−
ベンゾオキサジン誘導体のラセミ化(racemization)方法
に関する。より具体的に本発明は、強力な抗菌作用を有
するレボフロキサシン(levofloxacin)及びその類似化合
物の製造に有用な中間体である(S)−ベンゾオキサジ
ン誘導体を、ラセミ体であるベンゾオキサジン誘導体
(RS)−1化合物と分割剤である(S)−2−(6−
メトキシナフチル−2−イル)プロピオニルクロライド
を反応させる方法で製造し、前記の(S)−ベンゾオキ
サジン誘導体の製造過程で発生する未反応の(R)−ベ
ンゾオキサジン誘導体化合物及び副生物から回収される
(R)−ベンゾオキサジン誘導体化合物をラセミ化して
上記のラセミ体であるベンゾオキサジン誘導体(RS)
−1化合物にラセミ化する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】(S)−ベンゾオキサジン誘導体の1つ
である(S)−3−アルキル−7,8−ジハロゲノ−
2,3−ジヒドロ−4H[1,4]ベンゾオキサジン誘
導体[(S)−1化合物]を製造するための多様な方法
等が知られている。(S)−ベンゾオキサジン誘導体
は、強力な抗菌作用を有するレボフロキサシン及びその
類似化合物の製造に有用な中間体である。
である(S)−3−アルキル−7,8−ジハロゲノ−
2,3−ジヒドロ−4H[1,4]ベンゾオキサジン誘
導体[(S)−1化合物]を製造するための多様な方法
等が知られている。(S)−ベンゾオキサジン誘導体
は、強力な抗菌作用を有するレボフロキサシン及びその
類似化合物の製造に有用な中間体である。
【0003】ヨーロッパ特許第206,283号には、
L−プロリンのP−トルエンスルフォニル誘導体を用い
たラセミ体ベンゾオキサジン誘導体[(RS)−1化合
物]を光学分割する方法が記述されている。しかし前記
の方法は、要望するベンゾオキサジン誘導体[(S)−
1化合物]を高光学純度で得るためにカラムクロマトグ
ラフィーを使用しなければならないという問題がある。
また、該特許には脂肪タンパク質リパーゼを用いる光学
異性質体分離法が記述されているが、大量合成法として
は適合しない。
L−プロリンのP−トルエンスルフォニル誘導体を用い
たラセミ体ベンゾオキサジン誘導体[(RS)−1化合
物]を光学分割する方法が記述されている。しかし前記
の方法は、要望するベンゾオキサジン誘導体[(S)−
1化合物]を高光学純度で得るためにカラムクロマトグ
ラフィーを使用しなければならないという問題がある。
また、該特許には脂肪タンパク質リパーゼを用いる光学
異性質体分離法が記述されているが、大量合成法として
は適合しない。
【0004】日本公開特許第1−175,975号にお
いて、D−プロリンのP−トルエンスルフォニル誘導体
を用いたラセミ体ベンゾオキサジン誘導体[(RS)−
1化合物]の光学分割法が記述されているが、ここで用
いられるD−プロリンは、比較的に高価であり、ラセミ
体ベンゾオキサジン誘導体[(RS)−1化合物]1モ
ル当たり1.2モル以上の過剰量を使用しなければなら
ないので、製造原価の側面で不利である。
いて、D−プロリンのP−トルエンスルフォニル誘導体
を用いたラセミ体ベンゾオキサジン誘導体[(RS)−
1化合物]の光学分割法が記述されているが、ここで用
いられるD−プロリンは、比較的に高価であり、ラセミ
体ベンゾオキサジン誘導体[(RS)−1化合物]1モ
ル当たり1.2モル以上の過剰量を使用しなければなら
ないので、製造原価の側面で不利である。
【0005】ヨーロッパ特許第304,684号には、
(R)−(−)−カンパ−10−スルフォン酸とラセミ
体ベンゾオキサジン誘導体[(RS)−1化合物]の塩
形成法を用いた光学異性体分離法が記載されているが、
該方法では高光学純度の(S)−1化合物を得ることが
できない。
(R)−(−)−カンパ−10−スルフォン酸とラセミ
体ベンゾオキサジン誘導体[(RS)−1化合物]の塩
形成法を用いた光学異性体分離法が記載されているが、
該方法では高光学純度の(S)−1化合物を得ることが
できない。
【0006】また、ヨーロッパ特許第273,399号
と第368,410号には、光学異性体合成法が記載さ
れているが、段階が複雑で収率が低いし高光学純度の
(S)−1化合物を得ることができない。
と第368,410号には、光学異性体合成法が記載さ
れているが、段階が複雑で収率が低いし高光学純度の
(S)−1化合物を得ることができない。
【0007】前記のような問題点を解決するために、本
発明者らは高光学純度を有し、安価に(S)−3−アル
キル−7,8−ジハロゲノ−2,3−ジヒドロ−4H
[1,4]ベンゾオキサジン誘導体[(S)−1化合
物]を得ることができる方法を開発するに至った。
発明者らは高光学純度を有し、安価に(S)−3−アル
キル−7,8−ジハロゲノ−2,3−ジヒドロ−4H
[1,4]ベンゾオキサジン誘導体[(S)−1化合
物]を得ることができる方法を開発するに至った。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高光
学純度を有する(S)−3−アルキル−7,8−ジハロ
ゲノ−2,3−ジヒドロ−4H[1,4]ベンゾオキサ
ジン誘導体[(S)−1化合物]を得ることができる方
法を提供することにある。
学純度を有する(S)−3−アルキル−7,8−ジハロ
ゲノ−2,3−ジヒドロ−4H[1,4]ベンゾオキサ
ジン誘導体[(S)−1化合物]を得ることができる方
法を提供することにある。
【0009】本発明の他の目的は、(S)−3−アルキ
ル−7,8−ジハロゲノ−2,3−ジヒドロ−4H
[1,4]ベンゾオキサジン誘導体[(S)−1化合
物]を安価に製造できる方法を提供することにある。
ル−7,8−ジハロゲノ−2,3−ジヒドロ−4H
[1,4]ベンゾオキサジン誘導体[(S)−1化合
物]を安価に製造できる方法を提供することにある。
【0010】本発明のまた他の目的は、(S)−3−ア
ルキル−7,8−ジハロゲノ−2,3−ジヒドロ−4H
[1,4]ベンゾオキサジン誘導体[(S)−1化合
物]の製造過程で発生する未反応の(R)−3−アルキ
ル−7,8−ジハロゲノ−2,3−ジヒドロ−4H
[1,4]ベンゾオキサジン誘導体[(R)−1化合
物]をラセミ化する方法を提供することにある。
ルキル−7,8−ジハロゲノ−2,3−ジヒドロ−4H
[1,4]ベンゾオキサジン誘導体[(S)−1化合
物]の製造過程で発生する未反応の(R)−3−アルキ
ル−7,8−ジハロゲノ−2,3−ジヒドロ−4H
[1,4]ベンゾオキサジン誘導体[(R)−1化合
物]をラセミ化する方法を提供することにある。
【0011】本発明の前記及びその他の目的等は、下記
において説明される本発明によりその全てを達成するこ
とができる。
において説明される本発明によりその全てを達成するこ
とができる。
【0012】
【課題を解決するための手段】(RS)−3−アルキル
−7,8−ジハロゲノ−2,3−ジヒドロ−4H[1,
4]ベンゾオキサジン誘導体ラセミ体化合物と(S)−
2−(6−メトキシナフチル−2−イル)プロピオニル
クロライドを1:0.5〜0.6モルの比で有機溶媒中
で混合して反応させ;次いで、酸水溶液を添加して多量
の(R)−1化合物が含有される未反応物(水層)とN
−[(2S)−2−(6−メトキシナフチル−2−イ
ル)プロピオニル](3S)−3−アルキル−7,8−
ジハロゲノ−2,3−ジヒドロ−4H[1,4]ベンゾ
オキサジンが含有された有機層を分離し;前記有機層物
質を洗滌、乾燥、活性炭処理、ろ過及び減圧蒸留した
後、氷容器下で非極性溶媒を加えてろ過することによっ
て、N−[(2S)−2−(6−メトキシナフチル−2
−イル)]−(3S)−3−アルキル−7,8−ジハロ
ゲノ−2,3−ジヒドロ−4H[1,4]ベンゾオキサ
ジン[I化合物]と[II化合物]とを分離し;分離され
た前記ベンゾオキサジン化合物[I化合物]に酸を加え
て加水分解することによって、(S)−3−アルキル−
7,8−ジハロゲノ−2,3−ジヒドロ−4H[1,
4]ベンゾオキサジン誘導体[(S)−1化合物]を得
る。
−7,8−ジハロゲノ−2,3−ジヒドロ−4H[1,
4]ベンゾオキサジン誘導体ラセミ体化合物と(S)−
2−(6−メトキシナフチル−2−イル)プロピオニル
クロライドを1:0.5〜0.6モルの比で有機溶媒中
で混合して反応させ;次いで、酸水溶液を添加して多量
の(R)−1化合物が含有される未反応物(水層)とN
−[(2S)−2−(6−メトキシナフチル−2−イ
ル)プロピオニル](3S)−3−アルキル−7,8−
ジハロゲノ−2,3−ジヒドロ−4H[1,4]ベンゾ
オキサジンが含有された有機層を分離し;前記有機層物
質を洗滌、乾燥、活性炭処理、ろ過及び減圧蒸留した
後、氷容器下で非極性溶媒を加えてろ過することによっ
て、N−[(2S)−2−(6−メトキシナフチル−2
−イル)]−(3S)−3−アルキル−7,8−ジハロ
ゲノ−2,3−ジヒドロ−4H[1,4]ベンゾオキサ
ジン[I化合物]と[II化合物]とを分離し;分離され
た前記ベンゾオキサジン化合物[I化合物]に酸を加え
て加水分解することによって、(S)−3−アルキル−
7,8−ジハロゲノ−2,3−ジヒドロ−4H[1,
4]ベンゾオキサジン誘導体[(S)−1化合物]を得
る。
【0013】前記の過程で分離されたベンゾオキサジン
化学物[II化合物]に酸を加えて加水分解し、これに多
量の(R)−1化合物を含有した前記の未反応物を加
え、該混合溶液に0.1〜1モル比の酸を加えて、10
0〜150℃の温度で5〜20時間の間ラセミ化反応さ
せて、(RS)−1ラセミ体化合物を製造する。
化学物[II化合物]に酸を加えて加水分解し、これに多
量の(R)−1化合物を含有した前記の未反応物を加
え、該混合溶液に0.1〜1モル比の酸を加えて、10
0〜150℃の温度で5〜20時間の間ラセミ化反応さ
せて、(RS)−1ラセミ体化合物を製造する。
【0014】本発明による(S)−3−アルキル−7,
8−ジハロゲノ−2,3−ジヒドロ−4H[1,4]ベ
ンゾオキサジン誘導体[(S)−1化合物]、(R)−
3−アルキル−7,8−ジハロゲノ−2,3−ジヒドロ
−4H[1,4]ベンゾオキサジン誘導体[(R)−1
化合物]、及び(RS)−3−アルキル−7,8−ジハ
ロゲノ−2,3−ジヒドロ−4H[1,4]ベンゾオキ
サジン誘導体(ラセミ体化合物)[(RS)−1化合
物]は夫々下記化学式(1)、(2)及び(3)によっ
て示される:
8−ジハロゲノ−2,3−ジヒドロ−4H[1,4]ベ
ンゾオキサジン誘導体[(S)−1化合物]、(R)−
3−アルキル−7,8−ジハロゲノ−2,3−ジヒドロ
−4H[1,4]ベンゾオキサジン誘導体[(R)−1
化合物]、及び(RS)−3−アルキル−7,8−ジハ
ロゲノ−2,3−ジヒドロ−4H[1,4]ベンゾオキ
サジン誘導体(ラセミ体化合物)[(RS)−1化合
物]は夫々下記化学式(1)、(2)及び(3)によっ
て示される:
【0015】
【化学式1】
【0016】
【化学式2】
【0017】
【化学式3】
【0018】前記化学式(1)、(2)及び(3)にお
いて、X1 及びX2 は相互に同一または相異したハロゲ
ン原子であって好ましくはフッ素原子であり、Rは低級
アルキル基であって好ましくはメチル基である。
いて、X1 及びX2 は相互に同一または相異したハロゲ
ン原子であって好ましくはフッ素原子であり、Rは低級
アルキル基であって好ましくはメチル基である。
【0019】前記のベンゾオキサジン誘導体[(S)−
1化合物]は、強力な抗菌作用を有するレボフロキサシ
ン及びこの類似化合物の製造に有用な中間体である。
1化合物]は、強力な抗菌作用を有するレボフロキサシ
ン及びこの類似化合物の製造に有用な中間体である。
【0020】本発明者らは、前記のベンゾオキサジン誘
導体ラセミ体化合物[(RS)−1化合物]を(S)−
2−(6−メトキシナフチル−2−イル)プロピオニル
クロライドと反応させる場合、(S)−1化合物の方が
(R)−1化合物より相対的に反応が速く進行するので
下記化学式(4)で示されるN−[(2S)−2−(6
−メトキシナフチル−2−イル)プロピオニル]−(3
S)−3−アルキル−ジハロゲノ−2,3−ジヒドロ−
4H[1,4]ベンゾオキサジン化合物[I化合物]
が、下記化学式(5)で示されるN−[(2S)−2−
(6−メトキシナフチル−2−イル)プロピオニル]−
(3S)−3−アルキル−ジハロゲノ−2,3−ジヒド
ロ−4H[1,4]ベンゾオキサジン化合物[II化合
物]より速く生成されることを発見し、これ等のI化合
物とII化合物とを反応速度によって分割することができ
ることに着眼した。
導体ラセミ体化合物[(RS)−1化合物]を(S)−
2−(6−メトキシナフチル−2−イル)プロピオニル
クロライドと反応させる場合、(S)−1化合物の方が
(R)−1化合物より相対的に反応が速く進行するので
下記化学式(4)で示されるN−[(2S)−2−(6
−メトキシナフチル−2−イル)プロピオニル]−(3
S)−3−アルキル−ジハロゲノ−2,3−ジヒドロ−
4H[1,4]ベンゾオキサジン化合物[I化合物]
が、下記化学式(5)で示されるN−[(2S)−2−
(6−メトキシナフチル−2−イル)プロピオニル]−
(3S)−3−アルキル−ジハロゲノ−2,3−ジヒド
ロ−4H[1,4]ベンゾオキサジン化合物[II化合
物]より速く生成されることを発見し、これ等のI化合
物とII化合物とを反応速度によって分割することができ
ることに着眼した。
【0021】
【化学式4】
【0022】
【化学式5】
【0023】前記化学式(4)及び(5)においてX1
及びX2 は、相互に同一または相異したハロゲン原子で
あって好ましくはフッ素原子であり、Rは低級アルキル
基であって好ましくはメチル基である。
及びX2 は、相互に同一または相異したハロゲン原子で
あって好ましくはフッ素原子であり、Rは低級アルキル
基であって好ましくはメチル基である。
【0024】本発明では(RS)−1化合物に対し
(S)−2−(6−メトキシナフチル−2−イル)プロ
ピオニルクロライドを0.5〜0.6モル比で反応させ
ることによって、I化合物をII化合物に比して多量に生
成させるようにし、所望のI化合物を固体状態で分離
し、これを酸を用いて加水分解することによって、所望
の(S)−1化合物を得ることができる。本発明では、
(S)−2−(6−メトキシナフチル−2−イル)プロ
ピオニルクロライドを分割剤として使用し、その使用量
は従来の方法で用いられた分割剤の量に比してほぼ半分
以下である。このことにより製造原価を節減することが
できる。例えば、日本公開特許第1−175,975号
において分割剤として用いられるD−プロリンは比較的
に高価であり、(RS)−1化合物1モル当たり1.2
モル以上の過剰量を用いなければならない。
(S)−2−(6−メトキシナフチル−2−イル)プロ
ピオニルクロライドを0.5〜0.6モル比で反応させ
ることによって、I化合物をII化合物に比して多量に生
成させるようにし、所望のI化合物を固体状態で分離
し、これを酸を用いて加水分解することによって、所望
の(S)−1化合物を得ることができる。本発明では、
(S)−2−(6−メトキシナフチル−2−イル)プロ
ピオニルクロライドを分割剤として使用し、その使用量
は従来の方法で用いられた分割剤の量に比してほぼ半分
以下である。このことにより製造原価を節減することが
できる。例えば、日本公開特許第1−175,975号
において分割剤として用いられるD−プロリンは比較的
に高価であり、(RS)−1化合物1モル当たり1.2
モル以上の過剰量を用いなければならない。
【0025】また本発明では、高光学純度を有する
(S)−1化合物を得ることができる。従来は廃棄され
た(R)−1化合物をラセミ化させて原料として再使用
することによって、収率及び製造原価の側面で本発明は
長所を有する。
(S)−1化合物を得ることができる。従来は廃棄され
た(R)−1化合物をラセミ化させて原料として再使用
することによって、収率及び製造原価の側面で本発明は
長所を有する。
【0026】前記のラセミ体化合物[(RS)−1化合
物]においてX1 とX2 がフッ素原子であり、Rがメチ
ル基である場合に、(S)−2−(6−メトキシナフチ
ル−2−イル)プロピオニルクロライドを反応させて
(S)−1化合物を得、未反応の(R)−1化合物をラ
セミ化反応させて再利用する本発明の反応機構を下記の
表1に示す。
物]においてX1 とX2 がフッ素原子であり、Rがメチ
ル基である場合に、(S)−2−(6−メトキシナフチ
ル−2−イル)プロピオニルクロライドを反応させて
(S)−1化合物を得、未反応の(R)−1化合物をラ
セミ化反応させて再利用する本発明の反応機構を下記の
表1に示す。
【0027】
【表1】
【0028】(RS)−3−アルキル−7,8−ジハロ
ゲノ−2,3−ジヒドロ−4H[1,4]ベンゾオキサ
ジン誘導体ラセミ体化合物[(RS)−1化合物]と、
(S)−2−(6−メトキシナフチル−2−イル)プロ
ピオニルクロライドを1:0.5〜0.6モル比で有機
溶媒中で混合して反応させる。有機溶媒としてはジクロ
ロメタン、1,2−ジクロロエタン、またはクロロフォ
ルムが利用可能であり、反応温度は−10〜40℃の範
囲が好ましい。有機溶媒中にはトリアルキルアミン類ま
たはピリジンが存在することもできる。
ゲノ−2,3−ジヒドロ−4H[1,4]ベンゾオキサ
ジン誘導体ラセミ体化合物[(RS)−1化合物]と、
(S)−2−(6−メトキシナフチル−2−イル)プロ
ピオニルクロライドを1:0.5〜0.6モル比で有機
溶媒中で混合して反応させる。有機溶媒としてはジクロ
ロメタン、1,2−ジクロロエタン、またはクロロフォ
ルムが利用可能であり、反応温度は−10〜40℃の範
囲が好ましい。有機溶媒中にはトリアルキルアミン類ま
たはピリジンが存在することもできる。
【0029】前記の反応溶液に酸水溶液を添加し、多量
の(R)−1化合物が含有された未反応物と、反応生成
物であるN−[(2S)−2−(6−メトキシナフチル
−2−イル)プロピオニル]−(3S)−7,8−ジフ
ルオロ−2,3−ジヒドロ−3−メチル−4H[1,
4]ベンゾオキサジン化合物[I及びII化合物]が含有
された有機層物質を分離する。前記の(R)−1化合物
が含有された未反応物は水層を形成するが、これを回収
してラセミ化反応に再使用する。
の(R)−1化合物が含有された未反応物と、反応生成
物であるN−[(2S)−2−(6−メトキシナフチル
−2−イル)プロピオニル]−(3S)−7,8−ジフ
ルオロ−2,3−ジヒドロ−3−メチル−4H[1,
4]ベンゾオキサジン化合物[I及びII化合物]が含有
された有機層物質を分離する。前記の(R)−1化合物
が含有された未反応物は水層を形成するが、これを回収
してラセミ化反応に再使用する。
【0030】前記の有機層物質を洗滌、乾燥、活性炭処
理、ろ過及び減圧蒸留した後、氷容器下で非極性溶媒を
加えてろ過することによって、N−[(2S)−2−
(6−メトキシナフチル−2−イル)]−(3S)−
7,8−ジフルオロ−2,3−ジヒドロ−3−メチル−
4H[1,4]ベンゾオキサジン化合物であるI化合物
とII化合物とを分離する。前記の有機層物質は水で洗滌
し乾燥剤で乾燥させて、活性炭で処理した後ろ過し、溶
媒は減圧蒸留して除去する。その後、氷容器下で非極性
溶媒を加えて生成した固体をろ過すると、前記のベンゾ
オキサジン化合物[I化合物]が分離される。非極性溶
媒に溶解・含有されたII化合物は回収してラセミ化反応
に再使用する。ここにおいて使用された非極性溶媒とし
てはヘキサンが好ましい。
理、ろ過及び減圧蒸留した後、氷容器下で非極性溶媒を
加えてろ過することによって、N−[(2S)−2−
(6−メトキシナフチル−2−イル)]−(3S)−
7,8−ジフルオロ−2,3−ジヒドロ−3−メチル−
4H[1,4]ベンゾオキサジン化合物であるI化合物
とII化合物とを分離する。前記の有機層物質は水で洗滌
し乾燥剤で乾燥させて、活性炭で処理した後ろ過し、溶
媒は減圧蒸留して除去する。その後、氷容器下で非極性
溶媒を加えて生成した固体をろ過すると、前記のベンゾ
オキサジン化合物[I化合物]が分離される。非極性溶
媒に溶解・含有されたII化合物は回収してラセミ化反応
に再使用する。ここにおいて使用された非極性溶媒とし
てはヘキサンが好ましい。
【0031】前記において得られたベンゾオキサジン化
合物[I化合物]に酸を加えて加水分解することによっ
て、(S)−7,8−ジフルオロ−2,3−ジヒドロ−
3−メチル−4H[1,4]ベンゾオキサジン誘導体
[(S)−1化合物]を得る。ここにおいて使用される
酸は、塩酸、硫酸、酢酸またはこれ等の混合酸がある。
前記のベンゾオキサジン化合物[I化合物]に酸を加え
て加熱しつつ環流させる。酢酸を用いた場合は、減圧蒸
留して酢酸を除去して、氷容器下で水を添加する。生成
される固体をろ過して水で洗滌する。ろ過液は水酸化ナ
トリウム水溶液でpHを調節する。ジクロロメタンによ
り前記の溶液を抽出して塩水で洗滌し、有機層物質を乾
燥剤で乾燥させてろ過する。溶媒を減圧蒸留により除去
して、黄色いオイル状の目的物である(S)−1化合物
を得る。
合物[I化合物]に酸を加えて加水分解することによっ
て、(S)−7,8−ジフルオロ−2,3−ジヒドロ−
3−メチル−4H[1,4]ベンゾオキサジン誘導体
[(S)−1化合物]を得る。ここにおいて使用される
酸は、塩酸、硫酸、酢酸またはこれ等の混合酸がある。
前記のベンゾオキサジン化合物[I化合物]に酸を加え
て加熱しつつ環流させる。酢酸を用いた場合は、減圧蒸
留して酢酸を除去して、氷容器下で水を添加する。生成
される固体をろ過して水で洗滌する。ろ過液は水酸化ナ
トリウム水溶液でpHを調節する。ジクロロメタンによ
り前記の溶液を抽出して塩水で洗滌し、有機層物質を乾
燥剤で乾燥させてろ過する。溶媒を減圧蒸留により除去
して、黄色いオイル状の目的物である(S)−1化合物
を得る。
【0032】前記の過程で分離されたベンゾオキサジン
化合物[II化合物]に酸を加えて加水分解し、これに多
量に(R)−1化合物を含有した前記の未反応物を加え
る。この場合にも、塩酸、硫酸、酢酸またはこれ等の混
合酸が使用され得る。前記の混合溶液に0.1〜1モル
比の酸を加えて、100〜150℃の温度で5〜20時
間の間ラセミ化反応させて、(RS)−1ラセミ体化合
物を製造する。ここにおいて用いられる酸としては、メ
チルスルフォン酸、硫酸またはこれ等の混合酸とがあ
り、好ましくは120±10℃の温度で8〜14時間の
間ラセミ化反応させる。
化合物[II化合物]に酸を加えて加水分解し、これに多
量に(R)−1化合物を含有した前記の未反応物を加え
る。この場合にも、塩酸、硫酸、酢酸またはこれ等の混
合酸が使用され得る。前記の混合溶液に0.1〜1モル
比の酸を加えて、100〜150℃の温度で5〜20時
間の間ラセミ化反応させて、(RS)−1ラセミ体化合
物を製造する。ここにおいて用いられる酸としては、メ
チルスルフォン酸、硫酸またはこれ等の混合酸とがあ
り、好ましくは120±10℃の温度で8〜14時間の
間ラセミ化反応させる。
【0033】本発明は下記の実施例によってより具体化
されるものであり、下記の実施例は本発明を例示するた
めのもので、本発明の保護範囲を制限しようとするもの
ではない。
されるものであり、下記の実施例は本発明を例示するた
めのもので、本発明の保護範囲を制限しようとするもの
ではない。
【0034】
【発明の実施の形態】実施例1a:(S)−2−(6−
メトキシナフチル−2−イル)プロピオニルクロライド
(分割剤)の製造 (S)−2−(6−メトキシナフチル−2−イル)プロ
ピオン酸19.0gを250mlの1,2−ジクロロエ
タンに溶かし、0.1mlのジメチルフォルムアミドと
7.8mlのチオニルクロライドを加えた。40℃で
2.5時間の間撹拌した後、溶媒と過量のチオニルクロ
ライドを減圧蒸留、除去して、20.5gの目的生成物
を固体状で収得した。分析結果は以下の通り:1 H−NMR(CDCl3 )δ(ppm):1.66
(3H、d)、3.71(3H、s)、4.24(1
H、q)、7.12〜7.76(6H、m) 実施例1b:N−[(2S)−2−(6−メトキシナフ
チル−2−イル)プロピオニル]−(3S)−7,8−
ジフルオロ−2,3−ジヒドロ−3−メチル−4H
[1,4]ベンゾオキサジン化合物[I化合物]の製造 30mlのジクロロメタンに3.95gの(RS)−
7,8−ジフルオロ−2,3−ジヒドロ−3−メチル−
4H[1,4]ベンゾオキサジン誘導体ラセミ体化合物
[(RS)−1化合物]を溶かした。ここに30mlの
ジクロロメタンに溶かした2.91gの(S)−2−
(6−メトキシナフチル−2−イル)プロピオニルクロ
ライドを室温で滴加した。8時間の間撹拌した後、30
mlの12%塩酸溶液を加えた。水層は回収してラセミ
化に用いる。そして有機層は水で洗滌した後MgSO4
で乾燥させて活性炭を処理した後ろ過した。溶媒を減圧
蒸留除去して、氷容器下で50mlのヘキサンを加えて
生成された固体をろ過して2.55gの目的生成物を収
得した。そしてヘキサンろ過液は回収してラセミ化に用
いる。分析結果は以下の通り: m.p.: 113〜114℃ [α]D 20+66.5(c=1.4,CHCl3 ) UV,λ(nm):2321 H−NMR(DMSO−d6 )δ(ppm):0.4
9(3H、d)、1.42(3H、d)、3.83(3
H、s)、4.1〜4.3(2H、m)、4.54(1
H、q)、4.8(1H、m)、6.80〜7.81
(8H、m)19 F−NMR(DMSO−d6 )δ(ppm、C
6 F6 ):20.3(1F)、1.57(1F) 元素分析値: C23H21F2 NO3 実測値%: C69. 70 H5. 33 N3. 53
F9. 54 計算値%: C69. 54 H5. 33 N3. 52
F9. 56 実施例1c:(S)−7,8−ジフルオロ−2,3−ジ
ヒドロ−3−メチル−4H[1,4]ベンゾオキサジン
誘導体[(S)−1化合物]の製造 20mlの酢酸に20mlの塩酸と1.3gのN−
[(2S)−2−(6−メトキシナフチル−2−イル)
プロピオニル]−(3S)−7,8−ジフルオロ−2,
3−ジヒドロ−3−メチル−4H[1,4]ベンゾオキ
サジン誘導体[I化合物]を加えて9時間の間加熱環流
した。酢酸を減圧蒸留除去した後、氷容器下で水を添加
した。この時生成される固体をろ過して水で洗滌した。
ろ過液を10N水酸化ナトリウム水溶液でpH9に合わ
せた。ジクロロメタンで抽出した後塩水で洗滌し、有機
層をMgSO4 で乾燥させてろ過した。溶媒を減圧蒸留
除去して、0.61gの目的物を黄色いオイル状で収得
した。分析結果は以下の通り: [α]D 20−8.9(c=3.5,CHCl3 ) UV,λ(nm):244、2971 H−NMR(DMSO−d6 )δ(ppm):1.0
9(3H、d)、3.42(1H、m)、3.67(1
H、dd)、4.24(1H、dd)、5.9(1H、
s)、6.31(1H、ddd)、6.66(1H、d
dd)19 F−NMR(DMSO−d6 )δ(ppm、C
6 F6 ):9.36(1F)、0.37(1F) 元素分析値: C9 H9 F2 NO 実測値%: C58. 45 H4. 78 N7. 72
F20. 30 計算値%: C58. 38 H4. 90 N7. 57
F20. 52 実施例2:(RS)−7,8−ジフルオロ−2,3−ジ
ヒドロ−3−メチル−4H[1,4]ベンゾオキサジン
誘導体[(RS)−1化合物]の製造 実施例1bで回収したヘキサンろ過液を濃縮して、実施
例1cのような方法により反応、ろ過して得た水層を、
実施例1bで回収した水層と混合した。水溶液を10N
水酸化ナトリウム水溶液でpH9に合わせた。ジクロロ
メタンで抽出した後塩水で洗滌して、有機層をMgSO
4 で乾燥させてろ過した。溶媒を減圧蒸留除去して2.
37gの(R)−7,8−ジフルオロ−2,3−ジヒド
ロ−3−メチル−4H[1,4]ベンゾオキサジン
((S)−ナフロキセン)誘導体に転換した後、(R
S)−1化合物(HPLC分析R:S=86:14)を
回収した。
メトキシナフチル−2−イル)プロピオニルクロライド
(分割剤)の製造 (S)−2−(6−メトキシナフチル−2−イル)プロ
ピオン酸19.0gを250mlの1,2−ジクロロエ
タンに溶かし、0.1mlのジメチルフォルムアミドと
7.8mlのチオニルクロライドを加えた。40℃で
2.5時間の間撹拌した後、溶媒と過量のチオニルクロ
ライドを減圧蒸留、除去して、20.5gの目的生成物
を固体状で収得した。分析結果は以下の通り:1 H−NMR(CDCl3 )δ(ppm):1.66
(3H、d)、3.71(3H、s)、4.24(1
H、q)、7.12〜7.76(6H、m) 実施例1b:N−[(2S)−2−(6−メトキシナフ
チル−2−イル)プロピオニル]−(3S)−7,8−
ジフルオロ−2,3−ジヒドロ−3−メチル−4H
[1,4]ベンゾオキサジン化合物[I化合物]の製造 30mlのジクロロメタンに3.95gの(RS)−
7,8−ジフルオロ−2,3−ジヒドロ−3−メチル−
4H[1,4]ベンゾオキサジン誘導体ラセミ体化合物
[(RS)−1化合物]を溶かした。ここに30mlの
ジクロロメタンに溶かした2.91gの(S)−2−
(6−メトキシナフチル−2−イル)プロピオニルクロ
ライドを室温で滴加した。8時間の間撹拌した後、30
mlの12%塩酸溶液を加えた。水層は回収してラセミ
化に用いる。そして有機層は水で洗滌した後MgSO4
で乾燥させて活性炭を処理した後ろ過した。溶媒を減圧
蒸留除去して、氷容器下で50mlのヘキサンを加えて
生成された固体をろ過して2.55gの目的生成物を収
得した。そしてヘキサンろ過液は回収してラセミ化に用
いる。分析結果は以下の通り: m.p.: 113〜114℃ [α]D 20+66.5(c=1.4,CHCl3 ) UV,λ(nm):2321 H−NMR(DMSO−d6 )δ(ppm):0.4
9(3H、d)、1.42(3H、d)、3.83(3
H、s)、4.1〜4.3(2H、m)、4.54(1
H、q)、4.8(1H、m)、6.80〜7.81
(8H、m)19 F−NMR(DMSO−d6 )δ(ppm、C
6 F6 ):20.3(1F)、1.57(1F) 元素分析値: C23H21F2 NO3 実測値%: C69. 70 H5. 33 N3. 53
F9. 54 計算値%: C69. 54 H5. 33 N3. 52
F9. 56 実施例1c:(S)−7,8−ジフルオロ−2,3−ジ
ヒドロ−3−メチル−4H[1,4]ベンゾオキサジン
誘導体[(S)−1化合物]の製造 20mlの酢酸に20mlの塩酸と1.3gのN−
[(2S)−2−(6−メトキシナフチル−2−イル)
プロピオニル]−(3S)−7,8−ジフルオロ−2,
3−ジヒドロ−3−メチル−4H[1,4]ベンゾオキ
サジン誘導体[I化合物]を加えて9時間の間加熱環流
した。酢酸を減圧蒸留除去した後、氷容器下で水を添加
した。この時生成される固体をろ過して水で洗滌した。
ろ過液を10N水酸化ナトリウム水溶液でpH9に合わ
せた。ジクロロメタンで抽出した後塩水で洗滌し、有機
層をMgSO4 で乾燥させてろ過した。溶媒を減圧蒸留
除去して、0.61gの目的物を黄色いオイル状で収得
した。分析結果は以下の通り: [α]D 20−8.9(c=3.5,CHCl3 ) UV,λ(nm):244、2971 H−NMR(DMSO−d6 )δ(ppm):1.0
9(3H、d)、3.42(1H、m)、3.67(1
H、dd)、4.24(1H、dd)、5.9(1H、
s)、6.31(1H、ddd)、6.66(1H、d
dd)19 F−NMR(DMSO−d6 )δ(ppm、C
6 F6 ):9.36(1F)、0.37(1F) 元素分析値: C9 H9 F2 NO 実測値%: C58. 45 H4. 78 N7. 72
F20. 30 計算値%: C58. 38 H4. 90 N7. 57
F20. 52 実施例2:(RS)−7,8−ジフルオロ−2,3−ジ
ヒドロ−3−メチル−4H[1,4]ベンゾオキサジン
誘導体[(RS)−1化合物]の製造 実施例1bで回収したヘキサンろ過液を濃縮して、実施
例1cのような方法により反応、ろ過して得た水層を、
実施例1bで回収した水層と混合した。水溶液を10N
水酸化ナトリウム水溶液でpH9に合わせた。ジクロロ
メタンで抽出した後塩水で洗滌して、有機層をMgSO
4 で乾燥させてろ過した。溶媒を減圧蒸留除去して2.
37gの(R)−7,8−ジフルオロ−2,3−ジヒド
ロ−3−メチル−4H[1,4]ベンゾオキサジン
((S)−ナフロキセン)誘導体に転換した後、(R
S)−1化合物(HPLC分析R:S=86:14)を
回収した。
【0035】ここに0.81mlのメタンスルフォン酸
を加え、110℃で13時間の間撹拌した。反応物にエ
チルアセテートを加え、炭酸水素ナトリウム水溶液と塩
水で洗滌した。有機層をMgSO4 で乾燥させてシリカ
ゲルを敷いてろ過した後、溶媒を減圧蒸留除去して2.
13gの目的物を黄色いオイル状で収得した。
を加え、110℃で13時間の間撹拌した。反応物にエ
チルアセテートを加え、炭酸水素ナトリウム水溶液と塩
水で洗滌した。有機層をMgSO4 で乾燥させてシリカ
ゲルを敷いてろ過した後、溶媒を減圧蒸留除去して2.
13gの目的物を黄色いオイル状で収得した。
【0036】[α]D 200(c=3.5,CHCl3 ) 本発明の単純な変形乃至変更は、この分野の通常の知識
を有する者により容易に利用され得、このような変形ま
たは変更の全ては、本発明の領域に含まれるものと見な
すことができる。
を有する者により容易に利用され得、このような変形ま
たは変更の全ては、本発明の領域に含まれるものと見な
すことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (73)特許権者 598071389 San 222−2,Dokkot−li, Taesan−eup,Seosan− kun,Chungnam,Korea (72)発明者 クラスノフ・ビクター・パブロビッチ ロシア連邦 エカテリンブルク 620149 ナチジバ・オヌフリーバ・ストリート 16 アパート 109 (72)発明者 レビット・ガリナ・ルボブナ ロシア連邦 エカテリンブルク 620075 レニナ・ストリート 69 アパート 251 (72)発明者 チャルシン・バレリー・ニコラエビッチ ロシア連邦 エカテリンブルク 620055 キュビシェバ・ストリート 78 アパ ート 26 (72)発明者 コロリョーワ・マリアナ・アナトリーフ ナ ロシア連邦 エカテリンブルク 620134 ビリンバエフスカヤ・ストリート 34 −3 アパート 40 (72)発明者 トゾイ・エリザベータ・フラジミロフナ ロシア連邦 エカテリンブルク 620000 シレネビー・ブルバード 16 アパー ト 19 (72)発明者 リー・ホー・セオン 大韓民国 テジョン ユーソン・ク シ ンソン・ドン (無番地)ラッキー・ハ ナ・アパート 103−305 (72)発明者 パク・ヨン・ジュン 大韓民国 テジョン ユーソン・ク ジ ョンミン・ドン(無番地) セジョン・ アパート 102−605 (72)発明者 キム・ミン・フワン 大韓民国 テジョン ユーソン・ク シ ンソン・ドン (無番地)デリム・デュ レ・アパート 102−602 (72)発明者 キム・キュン・チュル 大韓民国 ウルサン ナム・ク ユェウ ム・ドン 375−42 (56)参考文献 特開 平1−180867(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 265/36 CA(STN) REGISTRY(STN)
Claims (7)
- 【請求項1】 下記化学式(4)によって示される化合
物: 【化学式4】 前記式においてX1 及びX2 は、相互に同一または相異
したハロゲン原子であり、Rは低級アルキル基である。 - 【請求項2】 X1 とX2 はフッ素原子であり、Rはメ
チル基であることを特徴とする請求項1記載の化合物。 - 【請求項3】 下記化学式(3)によって示される(R
S)−3−アルキル−7,8−ジハロゲノ−2,3−ジ
ヒドロ−4H[1,4]ベンゾオキサジンラセミ体化合
物に、(S)−2−(6−メトキシナフチル−2−イ
ル)プロピオニルクロライドを有機溶媒中で反応させ; 下記化学式(4)によって示されるN−[(2S)−2
−(6−メトキシナフチル−2−イル)−(3S)−3
−アルキル−7,8−ジハロゲノ−2,3−ジヒドロ−
4H[1,4]ベンゾオキサジン化合物を分離し; 上記分離された化合物を加水分解して、下記化学式
(1)によって示される(S)−3−アルキル−7,8
−ジハロゲノ−2,3−ジヒドロ−4H[1,4]ベン
ゾオキサジン誘導体を製造するステップ及び下記化学式
(2)によって示される副成(R)−ベンゾオキサジン
誘導体化合物を酸処理して、下記化学式(3)によって
示される上記(RS)−3−アルキル−7,8−ジハロ
ゲノ−2,3−ジヒドロ−4H[1,4]ベンゾオキサ
ジンラセミ体化合物にラセミ化するステップからなるこ
とを特徴とする下記化学式(1)によって示される
(S)−3−アルキル−7,8−ジハロゲノ−2,3−
ジヒドロ−4H[1,4]ベンゾオキサジン誘導体の製
造方法: 【化学式3】 【化学式4】 【化学式1】 【化学式2】 前記化学式(1)、(2)、(3)及び(4)において
X1 及びX2 は、相互に同一または相異したハロゲン原
子であり、Rは低級アルキル基である。 - 【請求項4】 X1 及びX2 がフッ素原子であり、Rが
メチル基であることを特徴とする(S)−3−アルキル
−7,8−ジハロゲノ−2,3−ジヒドロ−4H[1,
4]ベンゾオキサジン誘導体を得る請求項3記載の
(S)−ベンゾオキサジン誘導体の製造方法。 - 【請求項5】 前記ラセミ体化合物と(S)−2−(6
−メトキシナフチル−2−イル)プロピオニルクロライ
ドを、1:0.5〜0.6モルの比で混合反応すること
を特徴とする(S)−3−アルキル−7,8−ジハロゲ
ノ−2,3−ジヒドロ−4H[1,4]ベンゾオキサジ
ン誘導体を得る請求項3記載の(S)−ベンゾオキサジ
ン誘導体の製造方法。 - 【請求項6】 前記の酸処理がメチルスルフォン酸、硫
酸またはこれ等の混合酸により行われることを特徴とす
る請求項3記載の方法。 - 【請求項7】 前記の酸処理が100〜150℃の温度
範囲で5〜20時間の間行われることを特徴とする請求
項3記載の方法。
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JP35791098A JP3201998B2 (ja) | 1998-12-16 | 1998-12-16 | (s)−ベンゾオキサジン誘導体の製造方法及び(r)−ベンゾオキサジン誘導体のラセミ化方法 |
KR1019990016338A KR100320772B1 (ko) | 1998-12-16 | 1999-05-07 | (s)-벤족사진 유도체의 제조방법 및 (r)-벤족사진 유도체의 라세미화 방법 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35791098A JP3201998B2 (ja) | 1998-12-16 | 1998-12-16 | (s)−ベンゾオキサジン誘導体の製造方法及び(r)−ベンゾオキサジン誘導体のラセミ化方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2000178265A JP2000178265A (ja) | 2000-06-27 |
JP3201998B2 true JP3201998B2 (ja) | 2001-08-27 |
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KR100397491B1 (ko) * | 2000-12-05 | 2003-09-13 | 이수화학 주식회사 | 광학활성 (s)-벤즈옥사진 유도체 및 그의 제조방법 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR0131914B1 (ko) * | 1992-10-07 | 1998-04-17 | 조아퀸 가리데 센트멘나트 | 오플로옥사진, 레보플로옥사진과 이 유도체의 합성에 이용될 수 있는 벤조옥사진의 수득과정 |
CN1109880A (zh) * | 1994-02-03 | 1995-10-11 | 合成实验室公司 | 3-(2-氨基乙基)-4-[3-(三氟甲基)苯甲酰基]-3,4-二氢-2h-1,4-苯并噁嗪衍生物、制备及其应用 |
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1998
- 1998-12-16 JP JP35791098A patent/JP3201998B2/ja not_active Expired - Fee Related
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- 1999-05-07 KR KR1019990016338A patent/KR100320772B1/ko not_active IP Right Cessation
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KR100320772B1 (ko) | 2002-01-17 |
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