JP3200416B2 - 工具脱落防止装置及びこれを備えた工作機械 - Google Patents

工具脱落防止装置及びこれを備えた工作機械

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JP3200416B2
JP3200416B2 JP09072499A JP9072499A JP3200416B2 JP 3200416 B2 JP3200416 B2 JP 3200416B2 JP 09072499 A JP09072499 A JP 09072499A JP 9072499 A JP9072499 A JP 9072499A JP 3200416 B2 JP3200416 B2 JP 3200416B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、工作機械の主軸に
芯ずれした状態で装着されたり、或いは自体アンバラン
スな状態となった工具が、主軸の回転中に当該主軸から
脱落するのを未然に防止することができる工具脱落防止
装置及びこれを備えた工作機械に関する。
【0002】
【従来の技術】工具の主軸装着部(例えばテーパ部)に
微細な切屑や鉄分などが付着した状態で当該工具が主軸
に装着されると、工具は主軸軸芯に対して芯ずれした状
態となる。このように、主軸に対し芯ずれした状態で工
具が装着されたり、或いは工具自体がアンバランスな状
態となっている場合には、主軸が正常状態よりも大きく
振動し、装着された工具が主軸から脱落したり、或いは
加工精度が悪化するといった問題を生じる。そこで、従
来、例えば特公平2−48389号公報、特公平7−1
15280号公報や特公平8−32392号公報に開示
されるような工具バランス検出装置が開発されている。
【0003】これらの装置はいずれも工具自体のバラン
ス状態を検出することができるようになっており、上記
特公平2−48389号公報に開示される装置は、主軸
のアンバランス振動を検出器により速度値として検出
し、設定器により設定された速度許容値と前記検出器に
より検出された速度値とを判別器により比較して、検出
された速度値が速度許容値よりも大きい場合に異常と判
定するように構成されている。また、上記特公平7−1
15280号公報に開示される装置は、振動計及び分析
器により主軸の振動周波数と振幅とを検出し、主軸の回
転数を段階的に増加させて前記振幅が所定の限界値を超
える直前の回転数を限界回転数として設定し、NC加工
プログラムで指令される回転数と限界回転数とを比較し
て加工指令の発令可否を判断するように構成されてい
る。また、上記特公平8−32392号公報に開示され
る装置は、主軸に標準工具を装着したとき及び指令工具
を装着したときの双方について主軸の振動振幅を計測し
てそのピーク値の平均値を算出し、指令工具装着時のピ
ーク平均値と標準工具装着時のピーク平均値とを比較し
て工具のバランス状態を判別するように構成されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述した従
来の工具バランス検出装置は、いずれも主軸の回転が定
速状態に至った後に工具のバランス状態を検出するよう
に構成されているので、工具のバランス状態がかなり悪
く、これによって主軸の回転開始から定速状態に至るま
での回転立ち上がり時から主軸が大きく振動し、工具が
主軸から脱落するおそれがある場合には、従来の工具バ
ランス検出装置ではこの回転立ち上がり時の主軸振動を
検出することができないため、適切な対応をとることが
できないという問題があった。
【0005】また、現在では工作機械の高速化が進み、
主軸を数万回転(min−1)で回転させることができ
るようになった工作機械もあり、このように高速回転す
る主軸の場合には、上述の如く工具が主軸に対して芯ず
れした状態で装着されたり、或いは工具に若干のアンバ
ランスがあっても前記回転立ち上がり時から主軸が大き
く振動し、回転立ち上がり時に主軸から工具が脱落する
おそれがある。この場合、高速で回転する工具が脱落す
ると、工具自体の破損に止まらず、工作機械やワークが
大きく損傷することとなり、極めて問題が大きい。
【0006】また、上述した従来の装置においては、主
軸の回転が定速状態になった後、工具のバランスチェッ
クを完了する前に主軸頭を軸移動させ加工を開始する
と、軸移動や加工に伴う振動が検出されて工具バランス
を正確に検出することができないため、結局工具のバラ
ンスチェックを完了するまで加工を開始することができ
ず、加工のサイクル時間が長くなるという問題もあっ
た。上述の工具が芯ずれして主軸に装着されたか否かを
検出するには、工具が交換される度に上記バランスチェ
ックを行う必要があるが、マシニングセンタなどの工作
機械においては、工具を頻繁に交換して行うような加工
もあり、その度にバランスチェック時間を設定すると、
累積されるバランスチェック時間が膨大なものとなり、
加工効率が極端に低下するという問題を生じる。
【0007】本発明は以上の実情に鑑みなされたもので
あって、工具が芯ずれして主軸に装着されたことや工具
自体のアンバランスをいち早く検出し、また、加工時間
に影響を与えることなく検出して、工具が主軸から脱落
するのを防止することができる工具脱落防止装置及びこ
れを備えた工作機械の提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段及びその効果】上記目的を
達成するための本発明の請求項1に係る発明は、工作機
械の主軸に装着された工具が、主軸駆動手段により駆動
され、回転している前記主軸から脱落するのを防止する
装置であって、前記主軸の振動状態を検出する振動検出
手段と、該振動検出手段により検出された、前記主軸の
回転開始から定速状態に至るまでの間の振動信号を受信
して処理し、得られた振動データを予め設定された限界
振動値と比較して、前記振動データが限界振動値を超え
ない場合には正常信号を出力し、前記振動データが限界
振動値以上である場合には異常信号を出力する振動判定
手段と、該振動判定手段から出力された異常信号を受信
して前記主軸駆動手段に回転停止指令を出力する脱落防
止制御手段とを備えてなる
【0009】この発明によれば、主軸の回転開始から定
速状態に至るまでの間の回転立ち上がり時における主軸
の振動を検出して、その振動状態が正常であるか否かを
判別し、異常と判定された場合に主軸の回転を停止する
ようにしているので、工具が主軸に対して芯ずれした状
態で装着されたり、或いは工具自体にアンバランスがあ
るなどして重大な問題となるような場合であっても、い
ち早くこれを検出して主軸の回転を停止させることがで
き、工具が主軸から脱落するといった問題が生じるのを
未然に防止することができる。また、主軸の回転立ち上
がり時に工具のバランス状態を検出するようにしている
ので、主軸の回転が定速状態になった後は直ちに加工を
開始することができ、従来のような、バランス判定のた
めに加工時間が長くなるといった問題を生じない。
【0010】尚、本発明における上記振動検出手段に
は、加速度検出センサ,速度検出センサや変位検出セン
サなど、主軸の振動を検出することのできる各種のセン
サが含まれる。
【0011】上述した回転立ち上がり時の主軸振動を検
出するには、前記脱落防止制御手段を、前記主軸駆動手
段に入力される回転開始信号を受信して前記振動判定手
段に判定開始信号を出力し、前記主軸駆動手段から出力
される回転完了信号を受信して前記振動判定手段に判定
終了信号を出力するように構成し、前記振動判定手段
を、前記脱落防止制御手段から判定開始信号を受信して
判定処理を開始し、前記脱落防止制御手段から判定終了
信号を受信して判定処理を終了するように構成すると良
。このようにすれば、回転立ち上がり時の主軸振動を
比較的簡単に検出することができる。
【0012】また、本発明の請求項に係る発明のよ
に、前記振動判定手段を、前記振動検出手段から受信し
た振動信号を処理してその実効値を算出し、算出された
実効値を予め設定された限界振動値と比較して、前記主
軸振動の正常,異常を判定するように構成することもで
きる。
【0013】この発明によると、振動信号の実効値を算
出し、算出された実効値を基に主軸振動の正常,異常を
判定するようにしているので、主軸の回転開始から振動
判定までの間の振動全体を評価することができ、更に振
動信号中のノイズ成分を除去することができるという効
果を奏する。
【0014】また、本発明の請求項に係る発明のよう
に、前記振動判定手段を、ハイパスフィルタを備え、こ
のハイパスフィルタによって所定の低周波数成分を除去
した振動信号から前記主軸振動の正常,異常を判定する
ように構成することもできる。
【0015】通常、主軸頭はサーボモータなどの駆動手
段により駆動されて軸移動するが、サーボモータの回転
数は主軸駆動モータの回転数に比べて格段に低いもので
ある。したがって、主軸頭の軸移動により前記主軸振動
が受ける影響はその比較的低い周波数成分についてのも
のとなる。この発明によれば、振動信号から所定の低周
波数成分を除去し、除去後の振動信号を基に主軸の振動
状態を判定するようにしているので、主軸頭の軸移動と
同時に主軸の振動状態を判定することができ、これによ
り更に加工時間の短縮を図ることができる。
【0016】斯くして、上記請求項1乃至請求項に記
載のいずれかの工具脱落防止装置を備えた工作機械にお
いては、アンバランスなどによって工具が主軸から脱落
するのを確実に防止することができ、工具の脱落に伴っ
て機械やワークが損傷するのを未然に防止することがで
きることから、安定した加工の実現を図ることができ
る。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の具体的な実施形態
について添付図面に基づき説明する。図1は、本実施形
態に係る工作機械の概略構成を示すブロック図である。
【0018】図1に示すように、この工作機械1は立形
のマシニングセンタに本発明を具現化したものであり、
ベッド3,コラム4,このコラム4に支持され上下方向
に移動可能となった主軸頭5及びこの主軸頭5に支持さ
れた主軸ユニット6などをその基本的な構成として備え
ている。主軸ユニット6は主軸6a及びこの主軸6aを
回転駆動する駆動モータ(図示せず)を備えており、そ
の上端部には主軸6aに接続されその回転速度を検出す
る主軸速度検出器7が設けられている。
【0019】前記主軸ユニット6は、NC加工プログラ
ムの内容を解析するプログラム解析部11、主軸駆動/
工具脱落防止制御部12及び主軸駆動アンプ13により
その作動が制御されるようになっている。前記プログラ
ム解析部11は数値制御装置内に記憶された加工プログ
ラムを指令ブロック毎に解析して、主軸正転,主軸逆
転,主軸停止や回転数などの主軸回転に関する指令を抽
出し、抽出した指令を前記主軸駆動/工具脱落防止制御
部12に出力する。前記主軸駆動/工具脱落防止制御部
12は、図2に示した手順を実行する機能を備えてお
り、主軸6aの回転制御に関する機能と、後述する工具
脱落防止制御に関する機能とを併せ備えている。尚、こ
の主軸駆動/工具脱落防止制御部12における詳しい処
理手順については後述する。
【0020】前記主軸駆動アンプ13は、前記主軸駆動
/工具脱落防止制御部12から出力された主軸回転に関
する指令を受信して、主軸6aを回転させる指令である
場合には主軸ユニット6の駆動モータ(図示せず)を駆
動し、主軸速度検出器7からのフィードバック信号を得
て当該駆動モータ(図示せず)をフィードバック制御し
て、主軸6aの回転数が指令回転数となるように駆動,
制御する一方、主軸6aを停止させる指令である場合に
は、駆動モータ(図示せず)の駆動を停止する。尚、前
記主軸速度検出器7からフィードバックされる主軸回転
数に関するデータは、この主軸駆動アンプ13を介して
前記主軸駆動/工具脱落防止制御部12に送信されるよ
うになっており、主軸回転数が指令回転数に達するとこ
れについての動作完了信号が主軸駆動/工具脱落防止制
御部12から前記NCプログラム解析部11に送信さ
れ、NCプログラム解析部11は次の指令ブロックの解
析を行う。
【0021】通常、上述した主軸駆動/工具脱落防止制
御部12の主軸制御に関する機能部分、プログラム解析
部11及び主軸駆動アンプ13は数値制御装置に組み込
まれており、本例においてもそのように構成されてい
る。また、通常、数値制御装置には、加工プログラムや
主軸6aに装着された工具Tの加工座標値などを表示す
る表示手段が設けられているが、本例においてもそのよ
うに構成された表示手段14が設けられており、この表
示手段14は更に主軸駆動/工具脱落防止制御部12か
ら出力されるアラーム内容を表示することができるよう
になっている。
【0022】また、前記主軸頭5には加速度検出器8が
付設されており、主軸6aを回転させたときに発生する
主軸頭5の振動がこの加速度検出器8によって振動加速
度として検出され、検出された振動加速度信号が振動加
速度判定部16に入力されるようになっている。この振
動加速度判定部16は、図示するように、ハイパスフィ
ルタ20,A/D変換部19,実効値算出部18及び比
較判定部17からなり、加速度検出器8から入力された
振動加速度信号を処理して、主軸頭5、即ち主軸6aの
振動状態が正常であるか、異常であるかを判定する。
尚、上述した主軸駆動/工具脱落防止制御部12の工具
脱落防止制御に関する機能部分、及びこれら加速度検出
器8,振動加速度判定部16により工具脱落防止装置1
5が構成されている。
【0023】主軸6aを回転させているときに、主軸頭
5を上下方向に移動させると、その送り駆動モータであ
るサーボモータなどの振動が主軸頭5に伝達され、これ
が付加された振動加速度が前記加速度検出器8により検
出される。したがって、振動加速度判定部16において
判定処理を行っているときに、主軸頭5を移動させる
と、主軸頭5の移動に伴って発生する振動の付加された
振動加速度が前記加速度検出器8によって検出され、振
動加速度判定部16において、このように付加された振
動加速度信号に基づいて判定処理が行われるため、この
ような場合には正確な判定を行うことができない。ハイ
パスフィルタ20は、主軸頭5を上下方向に駆動した際
に発生する振動をノイズ成分として除去し、正確な判定
を行うことができるようにするために設けられている。
この意味で、ハイパスフィルタ20は、前記送り駆動モ
ータを駆動した際の前記振動加速度を予め測定し、高調
波成分を含めてその影響のある周波数領域を十分に除去
することができる特性を備えたものを選定するのが好ま
しい。
【0024】このようにして、ノイズの除去された振動
加速度信号はA/D変換部19においてデジタル信号に
変換され、ついで実効値算出部18においてその実効値
(自乗平均値の平方根)が算出され、比較判定部17に
おいて予め設定された限界振動値と算出された実効値と
が比較され、振動状態の正常,異常が判定される。即
ち、実効値が限界振動値より小さい場合には正常である
と判定され、実効値が限界振動値以上である場合には異
常であると判定される。
【0025】前記比較判定部17は、主軸6aの所定回
転数(判定回転数)毎(例えば1000回転毎)に予め
設定された限界振動値を記憶しており、前記主軸駆動/
工具脱落防止制御部12から入力された判定指令及び主
軸6aの実回転数に基づいて、その回転数における限界
振動値と前記算出実効値との比較判定を行い、判定結果
を主軸駆動/工具脱落防止制御部12にフィードバック
する。尚、前記限界振動値は、次のようにしてこれを設
定することができる。即ち、許容される最大のアンバラ
ンス量を有する工具Tを芯ずれのない状態で主軸6aに
装着してこれを回転させ、これによって検出される振動
加速度の実効値を算出し、算出された実効値のn倍(例
えば1.5倍)を前記限界振動値に設定する。
【0026】因みに、このようにして測定した振動加速
度を図3に、これから算出された実効値を図4に示す。
この例では、主軸6aの回転数が2000min−1
ときの振動加速度実効値が0.07m/secであ
り、回転数が3000min のときの振動加速度実
効値が0.08m/secであり、回転数が4000
min−1のときの振動加速度実効値が0.09m/s
ecであった。したがって、例えば、主軸6aの回転
数が2000min−1のときの限界振動値を0.10
5m/secに設定し、回転数が3000min−1
のときの限界振動値を0.120m/secに設定
し、回転数が4000min−1のときの限界振動値を
0.135m/secに設定する。尚、工具の個体差
により限界振動値を一律に設定できないときには、工具
毎に限界振動値を設定し、主軸駆動/工具脱落防止制御
部12から工具種別を比較判定部17に入力し、使用す
べき限界振動値を指定するようにしても良い。
【0027】また、限界振動値を算出する際に用いた工
具Tと同じ工具Tを用いて、その主軸装着部(テーパ
部)に切粉を付着させた状態でこれを主軸6aに装着し
て、同様に振動加速度を測定した。その結果を図5に示
し、これから算出された実効値を図6に示す。この場
合、主軸6aの回転数が2000min−1のときの振
動加速度実効値が0.13m/secとなり、回転数
が3000min−1のときの振動加速度実効値が0.
16m/secとなり、回転数が4000min −1
のときの振動加速度実効値が0.19m/secとな
った。これから分かるように、上記のように限界振動値
を設定した場合、主軸6aの回転数が2000min
−1となったときに、主軸振動の異常が前記比較判定部
によって検出される。
【0028】上述したように、前記主軸駆動/工具脱落
防止制御部12は工具脱落防止制御に関する機能を備え
ており、次に、その具体的な処理手順について、図2に
基づいて説明する。
【0029】処理が開始されると、前記主軸駆動/工具
脱落防止制御部12は、まず、前記プログラム解析部1
1から主軸回転指令(M3又はM4)が入力されたどう
かを確認し(ステップS1)、入力されていない場合に
は、更に主軸停止指令(M5)が入力されたかどうかを
確認し(ステップS3)、その入力がなされていない場
合には、再度ステップS1の処理を繰り返し、入力がさ
れている場合には、主軸駆動アンプ13に主軸停止指令
を出力して(ステップS4)、ステップS10に進む。
斯くして、主軸駆動/工具脱落防止制御部12から主軸
停止指令を受信した主軸駆動アンプ13は、主軸ユニッ
ト6の駆動モータ(図示せず)の駆動を停止する。
【0030】一方、上記ステップS1において主軸回転
指令(M3又はM4)の入力が確認された場合には、ス
テップS2において主軸駆動アンプ13に主軸回転指令
及び指令回転数を出力した後、ステップS5に進む。主
軸駆動/工具脱落防止制御部12から主軸回転指令を受
信した主軸駆動アンプ13は、主軸ユニット6の駆動モ
ータ(図示せず)を駆動し、主軸6aの回転数が指令回
転数となるようにこれを回転させるとともに、主軸速度
検出器7からフィードバックされる主軸回転数に関する
データを主軸駆動/工具脱落防止制御部12に送信す
る。
【0031】ステップS5では、上記のようにして主軸
駆動アンプ13から入力される主軸回転数が予め設定さ
れた判定回転数に到達したかどうかを確認し(ステップ
S6)、判定回転数に達した場合には、前記比較判定部
17に判定指令及び主軸6aの実回転数を出力する(ス
テップS6)。そして、この入力を受けた比較判定部1
7は、上述のように、その回転数に該当する限界振動値
と算出された実効値とを比較して、主軸6aの振動状態
が正常であるか、異常であるかを判定し、その結果を主
軸駆動/工具脱落防止制御部12にフィードバックす
る。
【0032】次に、主軸駆動/工具脱落防止制御部12
は、前記比較判定部17からフィードバックされた判定
結果が、正常とする判定であるか、異常とする判定であ
るかを識別し(ステップS7)、正常とする判定である
場合には、前記比較判定部17への上記判定指令の出力
をOFFして(ステップS8)、主軸6aの実回転数が
上記指令回転数に達したかどうか及び次に判定すべき回
転数が設定されているかどうかを確認し(ステップS
9)、主軸6aの実回転数が指令回転数に達しておらず
且つ次に判定すべき回転数が設定されている場合には、
ステップS5以降の処理を繰り返し、主軸6aの実回転
数が指令回転数に達し、次に判定すべき回転数が設定さ
れていない場合には、動作完了信号をプログラム解析部
11に出力して(ステップS10)、ついで、処理を継
続する場合にはステップS1以降の処理を繰り返し、処
理を継続しない場合には当該処理を終了する(ステップ
S11)。一方、ステップS7において異常とする判定
であると確認された場合には、主軸駆動/工具脱落防止
制御部12は、主軸駆動アンプ13に対する主軸回転指
令の出力をOFFしてこれに主軸停止指令を出力し、比
較判定部17に対する判定指令の出力をOFFするとと
もに、表示手段14にアラームを出力してこれに所定の
アラーム内容を表示させ(ステップS12)、処理を終
了する。
【0033】以上の処理を行うことにより主軸6aの回
転開始から定速状態に至るまでの間の回転立ち上がり時
における主軸6aの振動状態を判別することができ、し
かも主軸6aの振動が異常であると判断された場合に
は、主軸6aの回転が定速状態に至る前にこれを停止さ
せるようにしているので、主軸6aが大きく振動して、
当該主軸6aから工具Tが脱落するといった事態が生じ
るのを未然に防止することができる。
【0034】また、加速度検出器8により検出された振
動加速度信号からその実効値を算出し、算出された実効
値を予め設定された限界振動値と比較して、主軸振動の
正常,異常を判定するようにしているので、主軸6aの
回転開始から振動判定までの間の振動全体を評価するこ
とができ、更に信号中のノイズ成分を除去することがで
きるという効果を奏する。また、所定の主軸回転数毎に
主軸振動の正常,異常を判断するようにしているので、
その判断を早期かつ正確に行うことができる。
【0035】また、ハイパスフィルタ20により、主軸
頭5の上下動に伴うノイズ成分を除去するようにしてい
るので、主軸頭5の軸移動と同時に主軸6aの振動状態
を判定することができ、加工時間の短縮を図ることがで
きる。尚、主軸頭5の上下動に伴うノイズ成分が主軸6
aの振動判定にあまり影響を与えない場合や、主軸頭5
の軸移動と主軸6aの振動判定とを同時に行わない場合
には、前記ハイパスフィルタ20は、特これを設けるに
は及ばない。
【0036】以上、本発明の一具体的な実施形態につい
て説明したが、本発明の具体的な態様がこれに限られる
ものでないことは言うまでもない。例えば、本例では、
主軸6aの振動状態を検出する手段として加速度検出器
8を用いたが、この他に、速度検出器や変位検出器を用
いることもできる。
【0037】また、本例では、実効値に基づいて主軸6
aの振動状態を判別するようにしたが、これを振動信号
のピーク値により判別するように構成しても良い。この
場合、振動加速度検出部16を、図7に示すように構成
することができる。即ち、上例の実効値算出部18に代
えてピークホールド部28を設け、比較判定部27に
は、上例と同様に実験に基づいて得られた主軸6aの所
定回転数毎の限界振動ピーク値を記憶させ、比較判定部
27において、ピークホールド部28により検出された
振動加速度のピーク値と設定した限界振動ピーク値とを
比較して主軸振動の正常,異常を判定するように構成す
る。尚、図7において、図1と同じ構成部分について
は、同一の符号を付している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る工具脱落防止装置を
備えた工作機械を示すブロック図である。
【図2】本実施形態に係る主軸駆動/工具脱落防止制御
部における処理手順を示すフローチャートである。
【図3】標準となる工具を正確に主軸に装着し測定して
得られた振動加速度と主軸回転数の関係を示すグラフで
ある。
【図4】図3に示す振動加速度データから算出して得ら
れた振動加速度実効値と主軸回転数との関係を示すグラ
フである。
【図5】標準となる工具を芯ずれさせた状態で主軸に装
着し測定して得られた振動加速度と主軸回転数の関係を
示すグラフである。
【図6】図5に示す振動加速度データから算出して得ら
れた振動加速度実効値と主軸回転数との関係を示すグラ
フである。
【図7】本発明の他の実施形態に係る工具脱落防止装置
を備えた工作機械を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 工作機械 7 主軸速度検出器 8 加速度検出器 11 プログラム解析部 12 主軸駆動/工具脱落防止制御部 13 主軸駆動アンプ 15 工具脱落防止装置 16 振動加速度判定部 17 比較判定部 18 実効値算出部 20 ハイパスフィルタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (73)特許権者 000006013 三菱電機株式会社 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 (72)発明者 藤嶋 誠 奈良県大和郡山市北郡山町106番地 株 式会社森精機製作所内 (72)発明者 大坪 寿 岡山県浅口郡里庄町1160番地 安田工業 株式会社内 (72)発明者 中川 秀夫 兵庫県伊丹市北伊丹8丁目10番地 大阪 機工株式会社内 (72)発明者 山岡 義典 愛知県丹羽郡大口町大字小口字乗船1番 地 ヤマザキマザック株式会社内 (72)発明者 竹下 虎男 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三菱電機株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−35952(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23Q 17/12 B23Q 17/00 B23Q 5/04 530

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 工作機械の主軸に装着された工具が、主
    軸駆動手段により駆動され、回転している前記主軸から
    脱落するのを防止する装置であって、 前記主軸の振動状態を検出する振動検出手段と、 該振動検出手段により検出された、前記主軸の回転開始
    から定速状態に至るまでの間の振動信号を受信して処理
    し、得られた振動データを予め設定された限界振動値と
    比較して、前記振動データが限界振動値を超えない場合
    には正常信号を出力し、前記振動データが限界振動値以
    上である場合には異常信号を出力する振動判定手段と、 該振動判定手段から出力された異常信号を受信して前記
    主軸駆動手段に回転停止指令を出力する脱落防止制御手
    段とを備えてなり、 前記脱落防止制御手段が、前記主軸駆動手段に入力され
    る回転開始信号を受信して前記振動判定手段に判定開始
    信号を出力し、前記主軸駆動手段から出力される回転完
    了信号を受信して前記振動判定手段に判定終了信号を出
    力するように構成され、 前記振動判定手段が、前記脱落防止制御手段から判定開
    始信号を受信して判定処理を開始し、前記脱落防止制御
    手段から判定終了信号を受信して判定処理を終了するよ
    うに構成されてなる 工具脱落防止装置。
  2. 【請求項2】 前記振動判定手段が、前記振動検出手段
    から受信した振動信号を処理してその実効値を算出し、
    算出された実効値を予め設定された限界振動値と比較し
    て、前記主軸振動の正常,異常を判定するように構成さ
    れてなる請求項1記載の工具脱落防止装置。
  3. 【請求項3】 前記振動判定手段がハイパスフィルタを
    備え、該ハイパスフィルタにより所定の低周波数成分を
    除去した振動信号から前記主軸振動の正常,異常を判定
    するように構成されてなる請求項1又は2記載の工具脱
    落防止装置。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至請求項に記載のいずれか
    の前記工具脱落防止装置を備えた工作機械。
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