JP2005246534A - 旋盤及び主軸モータの運転制御方法 - Google Patents

旋盤及び主軸モータの運転制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 オープン制御での旋削回転時における旋盤の主軸モータの運転制御方法に関し、主軸モータ16と主軸15とがベルト伝動装置17で連結されている旋盤において、ベルトが滑っている状態で主軸モータ16の回転が継続されることに起因して、ベルトの消耗やワークの加工不良の発生などの不具合が生ずるのを防止する。
【解決手段】制御装置10の指令回転数aと主軸15の実回転数bとを比較し、その比が許容値を超える状態が許容時間継続したときに、主軸モータ16を停止させる。制御装置10に設定する許容回転率は、例えば0.1などの値であり、サーボモードで検出する指令値と実回転数の差に比べて遥かに大きな差である。従って、この発明の制御によるモータ停止が生ずるのは、オープン制御で主軸モータが回転する旋削モード時のみである。
【選択図】 図1

Description

この発明は、NC装置で制御される旋盤、特に旋削回転時における主軸モータの運転制御方法に関するもので、異常時における主軸モータの停止制御に関するものである。
旋盤は、主軸モータでワークを高速回転してワークの周面や端面の旋削加工を行う工作機械であるが、NC技術やサーボ技術の進歩によって高い精度でワークを回転させることが可能になったことから、刃物台のZ軸移動と主軸回転とを電気的に同期させてワークを高速回転するリジットモード、主軸を任意の角速度で低速回転するC軸輪郭制御、対向する2本の主軸を駆動する2個の主軸モータを同期回転させる2主軸同期制御などの各種の制御を、NC装置の制御の切換えによって可能にした旋盤が広く用いられるようになっている。
主軸モータと刃物台の送りモータなどの複数のモータを同期駆動する制御モードにおいては、主軸の回転角を正確に制御する必要があるため、主軸に高精度の回転センサを設け、このセンサの信号を制御系にフィードバックして主軸の実際の回転角がNC装置の指令値と正確に一致するように主軸モータの回転を制御している。
一方、ワークの旋削加工を行うときは、ワークの回転数が若干変動しても加工に支障が生じず、また主軸回転が高速になるためサーボモードでは制御が追従できなくなるなどの理由により、主軸の実回転数をフィードバック信号として取り込まない、いわゆるオープン制御で主軸モータの回転制御を行っている。
図3は従来の主軸モータの制御系を示すブロック図で、15は主軸、16は主軸駆動用のスピンドルモータ、17はスピンドルモータ16と主軸15とを連結しでいる回転伝達装置、18は回転検出器、5はスピンドルアンプ、10はNC部4とPMC(プログラマブルコントローラ)部1とを備えた制御装置である。NC部4にロードされた加工プログラムから主軸回転数指令が出されると、その指令aがスピンドルアンプ5を経てスピンドルモータ16に与えられ、主軸15を当該指令回転数で回転させる。スピンドルアンプ5には、指令回転数aと回転検出器18が検出する主軸の実回転数bとが入力されており、主軸の実回転数bは、スピンドルアンプ5からNC部4に送られている。
主軸モータ16を他のモータと同期回転させるサーボモードにおいては、NC装置4は受信した主軸の実回転数bを前記他のモータで駆動される要素(例えば刃物台の送り量や対向する主軸の実回転数)と同期させるようにスピンドルモータ16を制御している。しかし、旋削モードにおいては、制御装置10は、主軸の実回転数bを単に受信しているのみで制御には用いておらず、いわゆるオープン制御でスピンドルモータ16を制御している。
特開平10‐143216号公報
従来の旋削モードにおけるオープン制御においても、プログラムミスなどにより工具が主軸に衝突してスピンドルモータ16が停止したときなどは、スピンドルモータの過負荷検出器(トルクリミタ)が作動してスピンドルモータ16を停止させる。しかし、図3に例示したような主軸モータ16と主軸15とがベルト伝動装置17で連結されているような旋盤であって、ベルトの緩みやベルトへの油の付着などによりベルトが滑りやすくなっていると、主軸15に過負荷が作用したときに、スピンドルモータ16のトルクリミタが働く前にベルトが滑って、スピンドルモータ16の回転が継続される。従って、ベルトがスリップした状態でスピンドルモータ16が回り続け、ベルトの消耗や加工不良の発生などの不具合が生ずる。
この発明は、オープン制御の旋削モードで主軸を回転させているときに生ずる上述のような問題を解決することを課題としている。
上記課題を解決したこの発明の旋盤における主軸モータの運転制御方法は、制御装置10の指令回転数aと主軸15の実回転数bとを比較し、その比が許容値を超える状態が許容時間継続したときに、主軸モータ16を停止させることを特徴とするものである。
また上記の運転制御を行うこの発明の旋盤は、主軸15を駆動するスピンドルモータ16と、このスピンドルモータの回転を制御する制御装置10と、当該スピンドルモータの回転を主軸15に伝達するベルト伝動装置17と、主軸の回転角を検出するセンサ18とを備えた旋盤において、前記制御装置が、許容回転率の設定手段2と、許容継続時間の設定手段3a、3bと、前記制御装置の指令回転数aと主軸の実回転数の比を許容回転率の設定値と比較する比較手段6と、回転比が許容回転率を超えている時間を計時するタイマ7とを備え、前記指令回転数aと実回転数bの比が許容回転率から外れた状態が許容継続時間続いたときに主軸が停止するというものである。
制御装置10に設定する許容回転率は、例えば0.1(主軸の実回転数bが指令回転数aの10分の1)などの値であり、サーボモードで検出する指令値と実回転数の差に比べて遥かに大きな差である。従って、サーボモードにおいては、この発明の方法に基づく主軸モータの停止指令が発せられる前にアラームやモータ停止が行われるので、この発明の制御によるモータ停止が生ずるのは、オープン制御で主軸モータが回転する旋削モード時のみである。
この発明の運転制御方法及び当該制御を行う旋盤では、主軸モータ16と主軸15との間に介在する摩擦型の回転伝達装置17に大きなスリップが生じたとき、主軸モータ16が停止することとなるので、ベルト等のスリップによる回転伝達系の損傷、主軸15の停止ないし所定回転数に比べて遥かに低速でワークが回転することによる不良ワークの発生や工具の損傷などのトラブルを防止することができるという効果がある。
図1は、図3に示した主軸回転の制御装置にこの発明を採用した例を示すブロック図である。図中、図3と同一の機器ないし信号には、同一の符号を付してその説明を省略する。図1の例では、制御装置10のPMC部1に許容回転率の設定手段2、第1と第2の2つの許容継続時間設定手段3a、3b、NC部4から出力される主軸の指令回転数aとスピンドルアンプ5から送られてくる主軸の実回転数bとの比b/aと許容回転率の設定値cとを比較する比較手段6及び上記b/aが許容回転率の設定値cを超えている時間を計時するためのタイマ7とを備えている。
制御装置10は、設定値を表示するためのディスプレイや設定値を入力するテンキーなどを備えているので、許容回転率や許容継続時間の設定手段2、3a、3bは、それらの入力画面と設定値の記憶領域とを登録することによって実現できる。比較手段6やタイマ7もプログラムとして設けられるものである。制御装置のNC部4で生成される指令回転数a及びスピンドルアンプ5からNC部4に入力される主軸の実回転数bは、PMC部1に登録される下記の制御プログラムから要求されたときにPMC部1のメモリに読み込まれる。
図2は、この発明の方法による制御手順の一例を示したフローチャートである。図の例では、許容継続時間として第1と第2の2つの設定値を登録できるようになっており、異常状態(指令値と実回転数の比が許容回転率を越えた状態)が第1の設定値を超えたときに警報を鳴らし、更に異常状態が継続して第2の許容継続時間を越えたときにスピンドルモータ16を停止させるようにしている。また、異常状態が生じても、正常状態に戻ったときには、タイマ7がリセットされるようにして、異常状態が所定時間継続したときにのみ警報やモータ停止が実行されるようになっている。
以上のように、この発明は、制御装置10に幾つかの設定と簡単な制御プログラムを登録するのみで実施することが可能で、かつそれにより旋削モード時における主軸回転の異常を検出して、回転伝達系の損傷や工具の折損、不良品の発生などの重大な障害が生ずるのを未然に防止できるという効果がある。
この発明の一実施形態を示す主軸回転の制御ブロック図 この発明の制御手順の一例を示すフローチャート 従来装置における主軸回転の制御ブロック図
符号の説明
2 許容回転率の設定手段
3a,3b 許容継続時間設定手段
6 比較手段
7 タイマ
10 制御手段
15 主軸
16 スピンドルモータ
17 回転伝達装置
18 回転検出器
a 指令回転数
b 実回転数

Claims (2)

  1. 制御装置(10)の指令回転数(a)と主軸(15)の実回転数(b)とを比較し、その比が許容値を超える状態が許容時間継続したときに、主軸モータ(16)を停止させることを特徴とする、旋盤における主軸モータの運転制御方法。
  2. 主軸(15)を駆動するスピンドルモータ(16)と、このスピンドルモータの回転を制御する制御装置(10)と、当該スピンドルモータの回転を主軸(15)に伝達するベルト伝動装置(17)と、主軸の回転角を検出するセンサ(18)とを備えた旋盤において、前記制御装置が、許容回転率の設定手段(2)と、許容継続時間の設定手段(3a,3b)と、前記制御装置の指令回転数(a)と主軸の実回転数の比を許容回転率の設定値と比較する比較手段(6)と、回転比が許容回転率を超えている時間を計時するタイマ(7)とを備え、前記指令回転数(a)と実回転数(b)の比が許容回転率から外れた状態が許容継続時間続いたときに主軸が停止する、旋盤。
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