JPH10286743A - 工作機械の工具異常検出装置及び工作機械の工具異常検出用プログラムを記録した記録媒体 - Google Patents

工作機械の工具異常検出装置及び工作機械の工具異常検出用プログラムを記録した記録媒体

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JPH10286743A
JPH10286743A JP9216597A JP9216597A JPH10286743A JP H10286743 A JPH10286743 A JP H10286743A JP 9216597 A JP9216597 A JP 9216597A JP 9216597 A JP9216597 A JP 9216597A JP H10286743 A JPH10286743 A JP H10286743A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加工位置が変更されたり、工具長が変更され
たりした場合に、作業能率が低下することを極力防止す
る。 【解決手段】 空運転状態で、主軸を加工軸(Z軸)方
向へ全ストローク移動させ、このときのZ軸モータに加
わるモータ負荷を検出し、この無負荷時基準データをZ
軸座標の関数として記憶する(ステップA1)。試し加
工を行い、設定された測定区間において、Z軸モータの
負荷に基づき試し加工値を算出し、試し加工値と無負荷
時基準データから得られた無負荷時基準値との差から実
負荷基準値を算出し、実負荷基準値に基づき評価基準値
を決定する(ステップA2)。実際の切削加工を行い、
設定された測定区間において、Z軸モータの負荷に基づ
き実加工値を算出し、実加工値と無負荷時基準値との差
から実負荷評価値を算出し、この実負荷評価値と評価基
準値とを比較して、工具の異常の有無を検出する(ステ
ップA3,A4)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、工作機械における
工具の異常を検出するための工作機械の工具異常検出装
置及び工作機械の工具異常検出用プログラムを記録した
記録媒体に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】従来より、工作機械、
例えばマシニングセンタにおいては、加工主軸の先端に
切削用の工具を固定し、その工具を、加工主軸により回
転させながら、ワーク(被削材)の方向(加工軸方向)
に移動させることにより、そのワークに対して穴明けな
どの加工を行うようになっている。
【0003】この種のマシニングセンタにおいては、工
具の刃先が摩耗したり、欠けたりした状態で加工を続け
ることは好ましくない。また、工具が折れた場合には、
それをすぐに交換する必要がある。
【0004】そこで、この種の異常を検出するために、
例えば次のような方法が考えられている。すなわち、工
具が摩耗して切れ味が低下した場合、切削加工に要する
負荷が増加する。また、工具が折れた場合には、切削加
工が行われなくなり、切削加工に要する負荷はほぼゼロ
になる。そこで、工具を加工軸方向へ移動させる送り軸
用モータに加わる負荷を検出し、そのモータ負荷が所定
値以上、または所定値以下になった場合に、工具の異常
を検出するというものである。
【0005】より具体的には、まず試し加工運転を行
い、この試し加工運転において、送り軸用モータに加わ
るモータ負荷を検出し、この検出データに基づき評価基
準値(しきい値)を設定する。そして、実際の加工運転
において、モータ負荷を検出し、この検出データに基づ
く実加工値と評価基準値とを比較することにより、工具
の異常を検出するというものである。
【0006】ところで、工具を加工軸方向へ移動させる
送り軸用モータに加わる負荷は、切削加工に要する負荷
だけではなく、次のようなものによっても変動する。例
えば、工具を加工軸方向へ移動させるボールネジの摩耗
やその製品精度、移動物をガイドするリニアガイドの製
品精度や組付け状態、ボールネジやリニアガイドに供給
される潤滑材の状態、送り軸を覆っているカバーの擦
れ、接触などがある。このなかで、例えば、リニアガイ
ドの組付け状態についてみると、図13に示すように、
移動物であるこの場合テーブル1の移動を案内するリニ
アガイド2が湾曲している場合には、そのテーブル1を
ボールネジ機構3を介して移動させる送り軸用モータ
(図示せず)に加わる負荷(モータ電流)は、その湾曲
部分で変動することになる。その他にも、ボールネジの
特性上、ボールネジが回転し、ボールが転がる周期で負
荷が変動する。なお、図13中、4はボールネジ、5は
テーブル1に固定されたナット部である。
【0007】また、前記負荷の変動要因は機械的なばら
つきとも考えられるため、たとえ同一機種であっても、
別ロットの工作機械を使用する場合には、送り軸に加わ
るモータ負荷は一定ではない。
【0008】図14の(a)及び(b)は、同一機種の
2台の工作機械(機械A,B)において、切削加工を行
っていないとき(空運転状態)の、送り軸用モータに加
わる負荷(モータ電流)を同一条件下で比較したもので
ある。図14を見ると明らかなように、負荷は一定では
なく変動しており、また、機械ごとに異なっていること
もわかる。
【0009】従って、切削加工により一定の負荷が発生
した場合でも、モータ負荷は一定ではなく、送り軸の座
標によって変動する。そのため、異常と判断する評価基
準値(しきい値)を、位置に関係なく一定とした場合に
は、正常な場合でも異常であると判定されたり、逆に、
異常がある場合でも正常であると判定される場合があ
る。
【0010】そこで、従来では、同一の加工を行う場合
でも、加工位置(送り軸の座標位置)が変化すると、そ
の都度試し運転を行って、評価基準値を、その座標位置
に応じて設定し直す必要があった。また、工具を交換
し、刃先の位置(工具長)が変化した場合、加工位置も
僅かではあるが変化するため、やはり、その都度試し運
転を行って、評価基準値を、その座標位置に応じて設定
し直す必要があり、それらに伴う作業による作業能率が
低下することになる。
【0011】本発明は上記した事情に鑑みてなされたも
のであり、その目的は、加工位置あるいは工具長が変更
された場合に、作業能率の低下を極力防止することがで
きる工作機械の工具異常検出装置及び工作機械の工具異
常検出用プログラムを記録した記録媒体を提供すること
にある。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1の工作機械の工
具異常検出装置は、上記した目的を達成するために、工
具が装着される加工主軸または前記工具により加工され
るワークを支持するワーク支持部を加工軸方向へ移動さ
せる送り軸用モータに加わるモータ負荷を検出するモー
タ負荷検出手段と、空運転状態で、前記加工主軸または
ワーク支持部の加工軸方向への移動可能区間のうち、少
なくとも前記工具による加工が可能な加工可能区間にお
いて検出された前記モータ負荷検出手段による無負荷時
基準データを、前記加工軸方向の座標の関数として記憶
する基準データ記憶手段と、前記工具に関するデータ及
び前記加工可能区間のうちの測定区間などに関するデー
タを入力する入力手段と、前記基準データ記憶手段に記
憶された前記無負荷時基準データに基づき、前記加工可
能区間のうちの設定された前記測定区間についての無負
荷時基準値を算出する無負荷時基準値算出手段と、試し
加工運転において、前記測定区間について検出された前
記モータ負荷検出手段による検出データに基づき試し加
工値を算出する試し加工値算出手段と、この試し加工値
算出手段により算出された試し加工値と前記無負荷時基
準値算出手段により算出された無負荷時基準値との差に
基づき実負荷基準値を算出する実負荷基準値算出手段
と、実加工運転において、前記測定区間について検出さ
れた前記モータ負荷検出手段による検出データに基づき
実加工値を算出する実加工値算出手段と、この実加工値
算出手段により算出された実加工値と前記無負荷時基準
値との差に基づき実負荷評価値を算出する実負荷評価値
算出手段と、この実負荷評価値算出手段により算出され
た実負荷評価値と、前記実負荷基準値算出手段により算
出された前記実負荷基準値に基づき設定された評価基準
値とを比較して工具の異常の有無を判定する判定手段
と、を具備する構成としたところに特徴を有する。
【0013】上記した構成においては、空運転状態で、
少なくとも工具による加工が可能な加工可能区間におい
て、送り軸用モータに加わるモータ負荷をモータ負荷検
出手段により検出し、この無負荷時基準データを、加工
軸方向の座標の関数として基準データ記憶手段に記憶さ
せている。
【0014】評価基準値を設定する際には、上記基準デ
ータ記憶手段に記憶された無負荷時基準データに基づ
き、設定された測定区間についての無負荷時基準値を算
出すると共に、試し加工運転を行い、設定された測定区
間についてのモータ負荷を検出し、この検出データに基
づき試し加工値を算出する。そして、この試し加工値と
無負荷時基準値との差に基づき、実負荷基準値を算出す
る。この実負荷基準値は、加工する位置などにより変動
する成分が取り除かれており、加工に伴う実質的な負荷
成分となる。この実負荷基準値に基づき評価基準値を設
定する。
【0015】そして、実加工運転を行い、この実加工運
転において、設定された測定区間についてのモータ負荷
を検出し、この検出データに基づき実加工値を算出す
る。この実加工値と前記無負荷時基準値との差に基づき
実負荷評価値を算出する。この実負荷評価値も、加工す
る位置などにより変動する成分が取り除かれており、加
工に伴う実質的な負荷成分となる。
【0016】この実負荷評価値と前記評価基準値とを比
較することにより、工具の異常の有無を検出する。
【0017】上記した手段おいては、評価基準値を設定
する場合には、加工する位置などにより変動する成分が
取り除かれ、加工に伴う実質的な負荷成分を基準にして
設定するようにしており、また、実加工運転において算
出される実負荷評価値も、加工する位置などにより変動
する成分が取り除かれ、加工に伴う実質的な負荷成分を
基準にして算出されている。このため、加工する位置が
変更された場合、あるいは工具長が変更されて加工する
位置が僅かに変わった場合に、試し加工を行って評価基
準値を設定し直すという必要がない。
【0018】請求項2の工作機械の工具異常検出装置
は、工具が装着される加工主軸または前記工具により加
工されるワークを支持するワーク支持部を加工軸方向へ
移動させる送り軸用モータに加わるモータ負荷を検出す
るモータ負荷検出手段と、空運転状態で、前記加工主軸
またはワーク支持部の加工軸方向への移動可能区間のう
ち、少なくとも前記工具による加工が可能な加工可能区
間において検出された前記モータ負荷検出手段による無
負荷時基準データを、前記加工軸方向の座標の関数とし
て記憶する基準データ記憶手段と、前記工具に関するデ
ータ及び前記加工可能区間のうちの測定区間などに関す
るデータを入力する入力手段と、前記基準データ記憶手
段に記憶された前記無負荷時基準データに基づき、前記
加工可能区間のうちの設定された測定区間についての無
負荷時基準値を算出する無負荷時基準値算出手段と、実
加工運転において、前記測定区間について検出された前
記モータ負荷検出手段による検出データに基づき実加工
値を算出する実加工値算出手段と、この実加工値算出手
段により算出された実加工値と、前記無負荷時基準値算
出手段により算出された前記無負荷時基準値に基き設定
された評価基準値とを比較して工具の異常の有無を判定
する判定手段と、を具備する構成としたところに特徴を
有する。
【0019】上記した構成においても、空運転状態で、
少なくとも工具による加工が可能な加工可能区間のほぼ
全区間にわたって、送り軸用モータに加わるモータ負荷
をモータ負荷検出手段により検出し、この無負荷時基準
データを、加工軸方向の座標の関数として基準データ記
憶手段に記憶させている。
【0020】ここで、工具が破損すると、工具とワーク
とが干渉しなくなり、切削加工中の加工負荷はゼロにな
ることを利用して、工具が破損したか否かを検出するよ
うにする。この場合、評価基準値を設定する際には、上
記基準データ記憶手段に記憶された無負荷時基準データ
に基づき、設定された測定区間についての無負荷時基準
値を算出し、この無負荷時基準値より、例えば若干大き
な値を評価基準値として設定する。
【0021】そして、実加工運転を行い、この実加工運
転において、設定された測定区間についてのモータ負荷
を検出し、この検出データに基づき実加工値を算出す
る。この実加工値と前記評価基準値とを比較し、実加工
値が評価基準値よりも小さくなった場合に、工具が破損
したと判定する。
【0022】この場合には、空運転時の無負荷時基準デ
ータを検出してこれを記憶させておき、この無負荷時基
準データに基づき評価基準値を設定するようにしている
ので、加工位置が変更された場合、あるいは工具長が変
更されて加工する位置が僅かに変わった場合に、上記無
負荷時基準データから評価基準値を容易に設定すること
ができ、よって、作業能率が低下することを極力防止す
ることができる。
【0023】また、評価基準値を設定する場合に、無負
荷時基準データから無負荷時基準値を算出し、この無負
荷時基準値に基づき評価基準値を算出するのであるか
ら、試し加工を行うことなく、評価基準値を設定するこ
とができる利点がある。
【0024】請求項1及び2の発明のどちらにおいて
も、入力手段により工具に関するデータが変更された場
合、その変更された工具の長さに基づき、測定区間及び
この測定区間についての無負荷時基準値を自動的に変更
するように構成することが好ましい(請求項3の発
明)。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第1実施例につい
て、図1ないし図9を参照して説明する。まず、図5及
び図6において、工作機械の一つであるマシニングセン
タ11の機械的な構成について説明する。
【0026】図5に示すように、このマシニングセンタ
11には、切削屑の飛散を防止するためのスプラッシュ
ガード12が設けられていて、このスプラッシュガード
12の内側に、ワーク(図示せず)を載置するためのテ
ーブル13、ドリルやタップなどの工具を交換するため
の自動工具交換装置14、機械本体15などが配設され
ている。
【0027】スプラッシュガード12には、操作パネル
16、ワークの出し入れやメンテナンスのためのワーク
交換口17、主にメンテナンス用の点検ハッチ18など
が設けられている。操作パネル16には、入力手段を構
成する各種のスイッチ19や液晶ディスプレイからなる
表示部20などが設けられている。
【0028】上記機械本体15は、図6に示すように、
ドリルやタップなどの工具21が装着される加工主軸と
しての主軸22を有する主軸ヘッド23、主軸22を回
転駆動するための主軸モータ24、多数の硬球を内蔵し
て主軸ヘッド23側に固着されたナット部25とこのナ
ット部25に挿入されたボールネジ26とからなるボー
ルネジ機構27、ボールネジ26を回転駆動するための
Z軸モータ28、ボールネジ26と平行に配置されてい
るガイドレール29,このガイドレール29と主軸ヘッ
ド23側とを連結するスライド30などを備えている。
この場合、Z軸モータ28が送り軸用モータを構成して
いる。
【0029】この機械本体15においては、ボールネジ
機構27とZ軸モータ28とによりZ軸方向の送りのた
めのZ軸送り機構が構成され、Z軸モータ28によりボ
ールネジ26を回転させることで、主軸ヘッド23、ひ
いては主軸22を加工軸方向であるZ軸方向へ移動させ
る構成となっている。また、図5におけるテーブル13
は、X軸及びY軸方向へ移動させることができ、主軸2
2のZ軸方向と合わせて、工具21とワークのX,Y,
Z軸方向の相対位置を変えることができる構成となって
いる。
【0030】このマシニングセンタ11は、主軸22の
回転数やZ軸方向の位置を制御するために、図7に示さ
れる構成の制御系を備えている。この制御系は、主軸2
2の回転を制御するための主軸制御系35、主軸22の
Z軸位置を制御するためのZ軸制御系36、この制御系
の中枢となるマイコン部37、操作パネル16、及び図
示はしないが、テーブル13のX軸位置及びY軸位置を
制御するためのX軸制御系及びY軸制御系などから構成
されている。
【0031】このうち、主軸制御系35は、主軸モータ
24、この主軸モータ24に電力を供給するための主軸
サーボアンプ38及び主軸サーボアンプ38の供給電力
を制御するための制御回路39からなり、制御回路39
はマイコン部37のCPU40からの指示に従って主軸
サーボアンプ38の動作を制御する構成である。Z軸制
御系36は、Z軸モータ28、このZ軸モータ28に電
力を供給するためのZ軸サーボアンプ41及びZ軸サー
ボアンプ41の供給電力を制御するための制御回路42
からなり、制御回路42はマイコン部37のCPU40
からの指示に従ってZ軸サーボアンプ41の動作を制御
する構成である。また、図示を省略したX軸制御系及び
Y軸制御系も、これら主軸制御系35ならびにZ軸制御
系36とほぼ同様の構成である。
【0032】マイコン部37は、制御プログラムなどを
格納しているROMや入出力ポートなどを内蔵するワン
チップ型のCPU40、及びCPU40のワークエリア
となるRAM43などからなり、周知のマイクロコンピ
ュータとして構成されている。また、マイコン部37
(厳密にはCPU40)は、制御プログラムにしたがっ
て主軸制御系35、Z軸制御系36などを制御して、ワ
ークに対する所定の加工を行うようになっている。さら
に、マイコン部37は、操作パネル16に接続されてお
り、各種のスイッチ19からの信号を取得したり、表示
部20の表示を制御したり、LEDなどのランプの点滅
などを制御したりすることができる。
【0033】CPU40は、Z軸サーボアンプ41によ
ってZ軸モータ28に供給される電流(モータ電流)に
対応する電流値データを、制御回路42を介して取得す
ることができる。つまり、CPU40は、モータ電流を
リアルタイムで知ることができる。また、CPU40
は、一定の周期、例えば1/1000秒ごとにカウント
値をインクリメントするカウンタを内蔵していて、その
カウンタを使用することにより、例えばある加工の開始
から終了までの所要時間のような、経過時間を計測する
こともできる。
【0034】ここで、CPU40は、工具異常検出用プ
ログラムを記録した記録媒体を構成すると共に、モータ
負荷検出手段、無負荷時基準値算出手段、加工値算出手
段、実負荷基準値算出手段、実加工値算出手段、実負荷
評価値算出手段、判定手段として機能し、また、RAM
43は基準データ記憶手段として機能するが、その詳細
については後述する。
【0035】次に、このマシニングセンタ11における
工具の異常を検出する手順について、主に図1〜図4の
CPU40の制御内容を示すフローチャートを参照して
説明する。図1は全体の流れを示すメインのフローチャ
ートを示しており、まず、実際の切削加工を行う前に、
空運転状態において、無負荷時基準データ取込みモード
(ステップA1)を行う。この無負荷時基準データ取込
みモードについては、図2にその詳細を示している。
【0036】図2において、工具21が装着される主軸
22を、Z軸方向へ一定の送り速度、例えば600mm
/分で、移動可能区間の全区間(全ストロークで約20
0mm)にわたって移動させ(ステップB1)、この時
のZ軸モータ28のモータ負荷、この場合モータ電流に
ついて、制御回路42から例えば0.01秒ごとに送ら
れてくる電流値データを取得し(ステップB2)、この
電流値データを、無負荷時基準データとしてRAM43
に記憶する(ステップB3)。
【0037】この場合、無負荷時基準データは、図8に
示すように、加工軸方向であるZ軸の座標の関数として
記憶する。すなわち、送り速度とサンプリング周期より
1回のサンプリング中に移動する距離を求めることが可
能であり(この場合では、0.1mm)、これを積算す
ることでサンプリング中のZ軸座標(機械座標)を知る
ことができる。このようにして、無負荷時基準データ
を、Z軸座標の関数として記憶する。言い換えるなら
ば、無負荷時基準データは、Z軸座標がある任意の値の
ときのZ軸モータ28の電流値として記憶する。
【0038】なお、この場合、記憶する無負荷時基準デ
ータは、実際の電流値をそのまま記憶することも可能で
あるが、ノイズの影響が大きいなどの場合は、移動平均
を求め、ノイズの影響を緩和してその結果を基本電流値
としてRAM43に記憶することも可能である。
【0039】次に、評価基準値を決定するモード(ステ
ップA2)を行う。このモードについては、図3にその
詳細を示している。図3において、まず、実際にワーク
を加工するための加工プログラム、工具21の長さ、及
び加工プログラム上の測定区間に関するデータなどを、
スイッチ19などを操作して入力する(ステップC1〜
C3)。この場合、加工プログラム上の測定区間に関す
るデータとは、加工プログラムのどの工程のどの区間で
工具の異常を検出するかを指定するデータである。
【0040】ここで、どの区間とは、工程中のどのタイ
ミングでZ軸モータ28の電流値を取り込むかを指定す
るものである。いわゆるサンプリング区間(測定区間)
であり、この測定区間の入力は、切削送り開始後、何秒
後から何秒後までとか、切削送り開始後、何ミリ移動し
た後から何ミリ間などの方法で入力し、その入力データ
に基づき、CPU40でZ軸座標Zs1〜Ze1に変換され
る(ステップC4)。つまり、Z軸座標のZs1の位置か
らZe1の位置までの間で、Z軸モータ28の電流値を取
り込むということを指定することになる。
【0041】なお、工具の異常を検出するための測定区
間は、加工プログラム中に1箇所でも複数箇所でも良
い。複数箇所で工具異常を検出する場合には、その箇所
ごとに測定区間を指定する。また、工具異常検出に関す
るデータは、加工プログラムとは別画面に表示されるも
のとは限らず、例えば加工プログラム中に、Gコード、
Mコードなどを用いて入力するようにしても良い。
【0042】上記ステップC4においてZ軸座標におけ
る測定区間が算出されると、その測定区間に対応する無
負荷時基準データを呼び出し(ステップC5)、この無
負荷時基準データに基づいて無負荷時基準値I0を算出
する(ステップC6)。この無負荷時基準値I0は、図
9(a)に示すように、指定された測定区間における平
均値としている。
【0043】次に、主軸22に工具21を装着すると共
に、テーブル13にワークを固定した状態で、そのワー
クを工具21により実際に加工する試し加工運転を行う
(ステップC7)。このとき、設定された上記測定区間
で、Z軸制御系36の制御回路42から例えば1/10
00秒ごとに送られてくる電流値データを取得し、この
電流値データに基づいて試し加工値I1を算出する(ス
テップC8)。この試し加工値I1は、図9(b)に示
すように、指定された測定区間における平均値としてい
る。
【0044】ここで、この試し加工値I1は、切削加工
の負荷成分だけではなく、加工する位置などによって変
動する負荷を含んでいる。つまり、ボールネジ機構27
の摩耗やその製品精度、移動物をガイドするガイドレー
ル29の製品精度や組付け状態、それらボールネジ機構
27やガイドレール29に供給される潤滑材の状態、移
動物とカバーのこすれや接触などである。
【0045】そこで、この試し加工値I1が、切削加工
の負荷成分のみを表すように補正する。すなわち、この
試し加工値I1と上記無負荷時基準値I0との差により
実負荷基準値I2を算出する(I2=I1−I0)(ス
テップC9)(図9(c)参照)。これらの計算はすべ
てCPU40において行い、その結果は表示部20に表
示される。なお、試し加工は複数回行い、平均あるいは
標準偏差などを求めるようにしても良い。
【0046】そして、上記実負荷基準値I2を基にし
て、評価基準値L(いわゆる、しきい値)を決定する。
この評価基準値Lは、使用者がスイッチ19を操作して
入力により決定する。なお、評価基準値Lは、CPU4
0において、自動的に決定するようにもできる。複数箇
所で工具異常の検出を行う場合には、その箇所ごとに評
価基準値Lを指定する。ここで、同一の工具、同一の切
削条件で加工を行う場合には、加工位置に関係なく、同
一の評価基準値Lを使用することができる。
【0047】以上のようにして評価基準値Lを決定した
ら、実際の切削加工運転を行い(ステップA3)、工具
の異常の有無を検出する(ステップA4)。実切削加工
運転のモードについては、図4にその詳細を示してい
る。
【0048】まず、加工位置あるいは工具の長さに変更
があるか否かを判別する(ステップD1)。加工プログ
ラムが変更された場合には、加工位置が変更される場合
があり、また、工具が交換された場合には、工具長が変
更される場合がある。加工位置及び工具長、共に変更が
ない場合には、ステップC6で算出した無負荷時基準値
をI0として、ステップD5へ移行することになる。加
工位置もしくは工具長が変更された場合には、その変更
されたデータに基づいて、Z軸座標における測定区間Z
S2〜Ze2を算出し(ステップD2)、その測定区間に対
応する無負荷時基準データを呼び出し(ステップD
3)、この無負荷時基準データに基づいて無負荷時基準
値I3を算出する(ステップD4)。この無負荷時基準
値I3も、前記I0と同様に、指定された測定区間にお
ける平均値としている。
【0049】この後、実際の切削加工を行う(ステップ
D5)。ステップD1において、加工位置及び工具長、
共に変更されていない場合には、上記したように、無負
荷時基準値としてはI0を用い、ステップD5へ移行し
て実際の切削加工を行う。このとき、設定された測定区
間で、Z軸制御系36の制御回路42から例えば1/1
000秒ごとに送られてくる電流値データを取得し、こ
の電流値データに基づいて実加工値I4を算出する(ス
テップD6)。この実加工値I4は、試し加工値I1と
同様に、指定された測定区間における平均値としてい
る。
【0050】この実加工値I4も、試し加工値I1と同
様に、切削加工の負荷成分だけではなく、加工する位置
などによって変動する負荷を含んでいる。そこで、実加
工値I4が、切削加工の負荷成分のみを表すように補正
する。すなわち、この実加工値I4と上記無負荷時基準
値I0またはI3との差により実負荷評価値I5を算出
する(I5=I4−I0またはI3)(ステップD
7)。
【0051】そして、この実負荷評価値I5と、ステッ
プC10で決定した評価基準値Lとを比較し(ステップ
D8)、この結果に基づき、工具に異常があるか否かを
判別する(ステップA4)。ここで、工具に異常がある
と判別された場合には、異常信号を出力して、その旨を
表示部20に表示すると共に、アラームにより報知し、
また、機械を停止する。これに基づき、オペレータは、
工具に異常があったことを知ることができ、工具を交換
するなどの適宜の処理を行うことができる。工具に異常
がないと判別された場合には、加工を続けて行う。
【0052】上記した第1実施例によれば、次のような
効果を得ることができる。評価基準値Lを設定する場合
には、試し加工運転を行うことに基づき得られた試し加
工値I1と、空運転時の無負荷時基準データに基づき得
られた無負荷時基準値I0との差に基づき実負荷基準値
I2を算出し、この実負荷基準値I2を基にして評価基
準値Lを設定している。この評価基準値L(実負荷基準
値I2)は、加工する位置などにより変動する成分が取
り除かれ、加工に伴う実質的な負荷成分を基準にして設
定されている。また、実加工運転を行うことに基づき得
られる実負荷評価値I5は、実加工運転を行うことに基
づき得られた実加工値I4と、空運転時の無負荷時基準
データに基づき得られた無負荷時基準値I0またはI3
との差に基づき算出している。この実負荷評価値I5
も、加工する位置などにより変動する成分が取り除か
れ、加工に伴う実質的な負荷成分を基準にして算出され
ている。
【0053】このため、加工位置が変更された場合、あ
るいは工具長が変更されて加工する位置が僅かに変わっ
た場合に、試し加工を行って評価基準値を設定し直すと
いう必要がなく、よって、そのような作業によって能率
が低下するということを極力防止することができる。
【0054】また、加工位置が変更された場合、あるい
は工具長が変更された場合、その変更に基づきZ軸座標
における測定区間及びその測定区間に対応する無負荷時
基準値I3が自動的に変更されるので、それらを設定し
直すという作業を行う必要がなく、作業能率が低下する
ことを一層防止できるようになる。
【0055】図10ないし図12は本発明の第2実施例
を示し、この第2実施例は、上記した第1実施例とは次
の点が異なっている。この第2実施例では、工具が破損
した場合、工具とワークとは干渉しなくなるため、切削
加工中の加工負荷はゼロになることを利用して、工具の
破損のみを検出する場合を対象としている。
【0056】まず、図10における無負荷時基準データ
取込みモード(ステップE1)の具体的内容については
示されていないが、第1実施例の無負荷時基準データ取
込みモード(ステップB1〜B3)と同じであり、すな
わち、工具21が装着される主軸22を、Z軸方向へ一
定の送り速度で、移動可能区間の全区間(全ストロー
ク)にわたって移動させ、この時のZ軸モータ28のモ
ータ負荷、この場合モータ電流について、制御回路42
から送られてくる電流値データを取得し、この電流値デ
ータを、無負荷時基準データとしてRAM43に記憶す
る。
【0057】次に評価基準値を決定するモード(ステッ
プE2)を行うのであるが、これの具体的内容が第1実
施例の場合とは異なっており、その内容は図11に示さ
れている。図11において、まず、実際にワークを加工
するための加工プログラム、工具21の長さ、及び加工
プログラム上の測定区間に関するデータなどを、スイッ
チ19などを操作して入力する(ステップF1〜F
3)。加工プログラム上の測定区間の入力に基づき、Z
軸座標での測定区間Zs1〜Ze1を算出する(ステップF
4)。
【0058】Z軸座標における測定区間が算出される
と、その測定区間に対応する無負荷時基準データを呼び
出し(ステップF5)、この無負荷時基準データに基づ
いて、無負荷時基準値I0を算出する(ステップF
6)。この無負荷時基準値I0は、図9(a)に示すよ
うに、指定された測定区間における平均値としている。
【0059】そして、この無負荷時基準値I0を基にし
て、評価基準値L1を決定する(ステップF7)。この
場合、評価基準値L1は、無負荷時基準値I0に任意の
値kを加えた値とし(L1=I0+k)、使用者がスイ
ッチ19を操作して決定する。なお、評価基準値L1
は、CPU40において、自動的に決定するようにもで
きる。
【0060】以上のようにして評価基準値L1を決定し
たら、実際の切削加工運転を行い(ステップE3)、工
具の異常の有無を検出する(ステップE4)。実切削加
工運転のモードについては、図12にその詳細を示して
いる。
【0061】まず、加工位置あるいは工具の長さに変更
があるか否かを判別する(ステップG1)。加工プログ
ラムが変更された場合には、加工位置が変更される場合
があり、また、工具が交換された場合には、工具長が変
更される場合がある。加工位置及び工具長、共に変更が
ない場合には、ステップF7で設定した評価基準値をL
1として、ステップG6へ移行することになる。加工位
置もしくは工具長が変更された場合には、その変更され
たデータに基づいて、Z軸座標における測定区間ZS2〜
Ze2を算出し(ステップG2)、その測定区間に対応す
る無負荷時基準データを呼び出し(ステップG3)、こ
の無負荷時基準データに基づいて無負荷時基準値I3を
算出する(ステップG4)。この無負荷時基準値I3
も、前記I0と同様に、指定された測定区間における平
均値としている。
【0062】そして、この無負荷時基準値I3を基にし
て、評価基準値L2を決定する(ステップG5)。この
場合、評価基準値L2は、無負荷時基準値I3に任意の
値kを加えた値とし(L2=I3+k)、使用者がスイ
ッチ19を操作して決定する。なお、評価基準値L2
も、CPU40において、自動的に決定するようにもで
きる。
【0063】この後、実際の切削加工を行う(ステップ
G6)。ステップG1において、加工位置及び工具長、
共に変更されていない場合には、上記したように、評価
基準値としてはL1を用い、ステップG6へ移行して実
際の切削加工を行う。このとき、設定された測定区間
で、Z軸制御系36の制御回路42から送られてくる電
流値データを取得し、この電流値データに基づいて実加
工値I4を算出する(ステップG7)。この実加工値I
4は、指定された測定区間における平均値としている。
【0064】そして、この実加工値I4と、評価基準値
L1またはL2とを比較し(ステップG9)、この結果
に基づき、工具が破損しているか否かを判別する(ステ
ップE4)。ここで、工具が破損していると判別された
場合には、異常信号を出力して、その旨を表示部20に
表示すると共に、アラームにより報知し、また、機械を
停止する。これに基づき、オペレータは、工具が破損し
ていることを知ることができ、工具を交換するなどの適
宜の処理を行うことができる。工具に異常がないと判別
された場合には、加工を続けて行う。
【0065】上記した第2実施例によれば、空運転時の
無負荷時基準データを検出してこれを記憶させておき、
この無負荷時基準データに基づき評価基準値L1を設定
するようにしているので、加工位置が変更されたり、あ
るいは工具長が変更されて加工する位置が僅かに変わっ
た場合に、上記無負荷時基準データから評価基準値L2
を容易に設定することができ、よって、作業能率が低下
することを極力防止することができる。
【0066】また、評価基準値L1(L2)を設定する
場合に、無負荷時基準データから無負荷時基準値I0
(I3)を算出し、この無負荷時基準値I0(I3)に
基づき評価基準値L1(L2)を算出するのであるか
ら、試し加工を行うことなく、評価基準値L1(L2)
を設定することができる利点がある。
【0067】本発明は、上記した各実施例にのみ限定さ
れるものではなく、次のように変形または拡張すること
ができる。無負荷時基準データを求める場合、主軸22
の移動可能区間の必ずしも全区間について測定する必要
はなく、その移動可能区間のうち、主軸22に装着した
工具21による切削加工が可能な区間である加工可能区
間のほぼ全区間について測定するようにすれば良い。ま
た、無負荷時基準データは、データの取込み動作を複数
回行い、その平均を無負荷時基準データとすることもで
きる。
【0068】無負荷時基準値I0,I3、試し加工値I
1、実加工値I4などは、測定区間における平均値を用
いたが、積分値を用いることもできる。Z軸モータ28
にかかるモータ負荷としては、モータ電流に代えて、Z
軸モータ28の電力あるいはトルクなどを検出するよう
にしても良い。
【0069】上記した実施例では、工具21が装着され
る主軸22を移動させてワークを加工する例を示した
が、ワークを支持するワーク支持部を加工軸方向へ移動
させて加工する場合にも適用できる。
【0070】また、上記した実施例では、ドリル加工或
いはタップ加工を考え、Z軸モータ28にかかるモータ
負荷を測定して工具の異常を検出するようにしたが、例
えばエンドミルを用いてミーリング加工を行う場合、X
軸、Y軸の駆動モータの負荷を同様に測定することで、
工具の異常を検出することも可能である。
【0071】
【発明の効果】請求項1,4の発明によれば、評価基準
値を設定する場合には、加工する位置などにより変動す
る成分が取り除かれ、加工に伴う実質的な負荷成分を基
準にして設定するようにしており、また、実加工運転に
おいて算出される実負荷評価値も、加工する位置などに
より変動する成分が取り除かれ、加工に伴う実質的な負
荷成分を基準にして算出されている。このため、加工位
置が変更されたり、工具長が変更されて加工する位置が
僅かに変わった場合に、試し加工を行って評価基準値を
設定し直すという必要がなく、作業能率の低下を極力防
止することができる。
【0072】請求項2,5の発明によれば、工具の破損
を検出する場合において、空運転時の無負荷時基準デー
タを検出してこれを記憶させておき、この無負荷時基準
データに基づき評価基準値を設定するようにしているの
で、加工位置が変更されたり、あるいは工具長が変更さ
れて加工する位置が僅かに変わったとしても、上記無負
荷時基準データから評価基準値を容易に設定することが
でき、よって、作業能率が低下することを極力防止する
ことができる。また、評価基準値を設定する場合に、無
負荷時基準データから無負荷時基準値を算出し、この無
負荷時基準値に基づき評価基準値を算出するのであるか
ら、試し加工を行うことなく、評価基準値を設定するこ
とができる利点がある。
【0073】請求項3の発明によれば、工具長が変更さ
れた場合、その変更に基づき測定区間及びその測定区間
に対応する無負荷時基準値が自動的に変更されるので、
それらを設定し直すという作業を行う必要がなく、作業
能率が低下することを一層防止できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示すもので、CPUの制
御内容のうちのメインルーチンのフローチャート
【図2】無負荷時基準データ取込みモードのフローチャ
ート
【図3】評価基準値を決定するモードのフローチャート
【図4】実切削加工モードのフローチャート
【図5】マシニングセンタの外観斜視図
【図6】主軸ヘッド付近の側面図
【図7】制御系の構成を示すブロック図
【図8】無負荷時基準データの例を示す図
【図9】(a)は無負荷時(空運転時)のモータ電流の
測定結果を示す図、(b)は試し加工運転時のモータ電
流の測定結果を示す図、(c)は実負荷基準値を示す図
【図10】本発明の第2実施例を示す図1相当図
【図11】図3相当図
【図12】図4相当図
【図13】(a)リニアガイドが湾曲している状態を示
す図、(b)はその場合の送り軸用モータのモータ電流
を示す図
【図14】(a),(b)は同一機種の工作機械で、切
削加工を行っていない場合(空運転状態)の送り軸用モ
ータのモータ電流の測定結果を示す図
【符号の説明】
11はマシニングセンタ(工作機械)、13はテーブ
ル、15は機械本体、16は操作パネル、19はスイッ
チ(入力手段)、21は工具、22は主軸(加工主
軸)、23は主軸ヘッド、27はボールネジ機構、28
はZ軸モータ(送り軸用モータ)、37はマイコン部、
40はCPU(記録媒体、モータ負荷検出手段、無負荷
時基準値算出手段、試し加工値算出手段、実負荷基準値
算出手段、実加工値算出手段、実負荷評価値算出手段、
判定手段)、43はRAM(基準データ記憶手段)であ
る。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 工具が装着される加工主軸または前記工
    具により加工されるワークを支持するワーク支持部を加
    工軸方向へ移動させる送り軸用モータに加わるモータ負
    荷を検出するモータ負荷検出手段と、 空運転状態で、前記加工主軸またはワーク支持部の加工
    軸方向への移動可能区間のうち、少なくとも前記工具に
    よる加工が可能な加工可能区間において検出された前記
    モータ負荷検出手段による無負荷時基準データを、前記
    加工軸方向の座標の関数として記憶する基準データ記憶
    手段と、 前記工具に関するデータ及び前記加工可能区間のうちの
    測定区間などに関するデータを入力する入力手段と、 前記基準データ記憶手段に記憶された前記無負荷時基準
    データに基づき、前記加工可能区間のうちの設定された
    前記測定区間についての無負荷時基準値を算出する無負
    荷時基準値算出手段と、 試し加工運転において、前記測定区間について検出され
    た前記モータ負荷検出手段による検出データに基づき試
    し加工値を算出する試し加工値算出手段と、 この試し加工値算出手段により算出された試し加工値と
    前記無負荷時基準値算出手段により算出された無負荷時
    基準値との差に基づき実負荷基準値を算出する実負荷基
    準値算出手段と、 実加工運転において、前記測定区間について検出された
    前記モータ負荷検出手段による検出データに基づき実加
    工値を算出する実加工値算出手段と、 この実加工値算出手段により算出された実加工値と前記
    無負荷時基準値との差に基づき実負荷評価値を算出する
    実負荷評価値算出手段と、 この実負荷評価値算出手段により算出された実負荷評価
    値と、前記実負荷基準値算出手段により算出された前記
    実負荷基準値に基づき設定された評価基準値とを比較し
    て工具の異常の有無を判定する判定手段と、 を具備したことを特徴とする工作機械の工具異常検出装
    置。
  2. 【請求項2】 工具が装着される加工主軸または前記工
    具により加工されるワークを支持するワーク支持部を加
    工軸方向へ移動させる送り軸用モータに加わるモータ負
    荷を検出するモータ負荷検出手段と、 空運転状態で、前記加工主軸またはワーク支持部の加工
    軸方向への移動可能区間のうち、少なくとも前記工具に
    よる加工が可能な加工可能区間において検出された前記
    モータ負荷検出手段による無負荷時基準データを、前記
    加工軸方向の座標の関数として記憶する基準データ記憶
    手段と、 前記工具に関するデータ及び前記加工可能区間のうちの
    測定区間などに関するデータを入力する入力手段と、 前記基準データ記憶手段に記憶された前記無負荷時基準
    データに基づき、前記加工可能区間のうちの設定された
    測定区間についての無負荷時基準値を算出する無負荷時
    基準値算出手段と、 実加工運転において、前記測定区間について検出された
    前記モータ負荷検出手段による検出データに基づき実加
    工値を算出する実加工値算出手段と、 この実加工値算出手段により算出された実加工値と、前
    記無負荷時基準値算出手段により算出された前記無負荷
    時基準値に基き設定された評価基準値とを比較して工具
    の異常の有無を判定する判定手段と、 を具備したことを特徴とする工作機械の工具異常検出装
    置。
  3. 【請求項3】 入力手段により工具に関するデータが変
    更された場合、 その変更された工具の長さに基づき、測定区間及びこの
    測定区間についての無負荷時基準値を自動的に変更する
    ことを特徴とする請求項1または2記載の工作機械の工
    具異常検出装置。
  4. 【請求項4】 工具が装着される加工主軸または前記工
    具により加工されるワークを支持するワーク支持部を送
    り軸用モータにより加工軸方向へ移動させて加工を行う
    構成の工作機械の工具異常検出用プログラムを記録した
    記録媒体であって、 空運転状態で、前記加工主軸またはワーク支持部の加工
    軸方向への移動可能区間のうち、少なくとも前記工具に
    よる加工が可能な加工可能区間において、前記送り軸用
    モータに加わるモータ負荷を無負荷時基準データとして
    検出させ、この無負荷時基準データを前記加工軸方向の
    座標の関数として記憶させ、 前記無負荷時基準データに基づき、前記加工可能区間の
    うちの設定された測定区間についての無負荷時基準値を
    算出させ、 試し加工運転において、前記測定区間について前記送り
    軸用モータに加わるモータ負荷を検出させ、その検出デ
    ータに基づき試し加工値を算出させ、 この試し加工値と前記無負荷時基準値との差に基づき実
    負荷基準値を算出させ、 実加工運転において、前記測定区間について前記送り軸
    用モータに加わるモータ負荷を検出させ、その検出デー
    タに基づき実加工値を算出させ、 この実加工値と前記無負荷時基準値との差に基づき実負
    荷評価値を算出させ、 この実負荷評価値と、前記実負荷基準値に基づき設定さ
    れた評価基準値とを比較して工具の異常の有無を判定さ
    せることを特徴とする工作機械の工具異常検出用プログ
    ラムを記録した記録媒体。
  5. 【請求項5】 工具が装着される加工主軸または前記工
    具により加工されるワークを支持するワーク支持部を送
    り軸用モータにより加工軸方向へ移動させて加工を行う
    構成の工作機械の工具異常検出用プログラムを記録した
    記録媒体であって、 空運転状態で、前記加工主軸またはワーク支持部の加工
    軸方向への移動可能区間のうち、少なくとも前記工具に
    よる加工が可能な加工可能区間において、前記送り軸用
    モータに加わるモータ負荷を無負荷時基準データとして
    検出させ、この無負荷時基準データを前記加工軸方向の
    座標の関数として記憶させ、 前記無負荷時基準データに基づき、前記加工可能区間の
    うちの設定された測定区間についての無負荷時基準値を
    算出させ、 実加工運転において、前記測定区間について前記送り軸
    用モータに加わるモータ負荷を検出させ、その検出デー
    タに基づき実加工値を算出させ、 この実加工値と、前記無負荷時基準値に基き設定された
    評価基準値とを比較して工具の異常の有無を判定させる
    ことを特徴とする工作機械の工具異常検出用プログラム
    を記録した記録媒体。
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