JP2000158295A - 工作機械用切削工具の切粉詰まり検出装置 - Google Patents

工作機械用切削工具の切粉詰まり検出装置

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JP2000158295A
JP2000158295A JP10341774A JP34177498A JP2000158295A JP 2000158295 A JP2000158295 A JP 2000158295A JP 10341774 A JP10341774 A JP 10341774A JP 34177498 A JP34177498 A JP 34177498A JP 2000158295 A JP2000158295 A JP 2000158295A
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coolant
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clogging
frequency
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Hiromitsu Fukawa
宏光 府川
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Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構成により、工作機械用のドリル等の
切削工具の切粉詰まりを検出できる工作機械用切削工具
の切粉詰まり検出装置を提供する。 【解決手段】 一定速度で回転中の工具に向けてノズル
からクーラントを吐出し、クーラント吐出時の工具の機
械振動を振動センサ26で検出する。その後、FFT解
析部54で、振動センサ26からの出力データをFFT
解析して周波数モードに変換し、固有振動数検出部55
で、そのFFT解析結果に基づいて工具のクーラント衝
突時の固有振動数を検出した後、切粉詰まり判定部56
で、検出された固有振動数の特性データを所定のしきい
値と比較して、工具に切粉詰まりが発生しているか否か
を判定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、工作機械用のドリ
ル等の切削工具の切粉詰まりを検出することができる装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】被加工物(ワーク)の穴あけ加工を行う
ドリル等の切削工具(以下単に「工具」という)をモー
タで駆動する各種工作機械にあっては、切削加工中に、
生じた切粉(切りくず)が工具の歯溝に詰まることがあ
る(切粉詰まり)。切粉詰まりが発生した状態で切削加
工を継続すると、加工不良や工具折損等を生じてしまう
ことがある。特に、作業者が加工状態や加工済品を目視
できない状態にあったり、工作機械が大量数を連続加工
する自動機であった場合には、大量の不良品が発生する
ことになる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の工作
機械にあっては、ドリル等の工具の切粉詰まりを検出す
ることができないため、工具の切粉詰まりによって加工
不良や工具折損等が発生することがあった。
【0004】本発明は、上記課題に着目してなされたも
のであり、簡単な構成により、工作機械用のドリル等の
切削工具の切粉詰まりを検出することができる工作機械
用切削工具の切粉詰まり検出装置を提供することを目的
とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、下
記の手段によって達成される。 (1)本発明に係る工作機械用切削工具の切粉詰まり検
出装置は、被加工物の切削加工を行う工作機械用切削工
具の切粉詰まりを検出する装置であって、一定速度で回
転中の前記工具に対してクーラントを吐出する吐出手段
と、クーラント吐出時の前記工具の振動状態を検出する
検出手段と、前記検出手段からの出力データを周波数モ
ードに変換して前記工具の振動状態の変化を測定する測
定手段と、前記測定手段の測定結果に応じて前記工具に
切粉詰まりが発生しているか否かを判定する判定手段と
を有することを特徴とする。 (2)本発明に係る工作機械用切削工具の切粉詰まり検
出装置は、被加工物の切削加工を行う工作機械用切削工
具の切粉詰まりを検出する装置であって、一定速度で回
転中の前記工具に対してクーラントを吐出する吐出手段
と、クーラント吐出時の前記工具の機械振動を検出する
振動センサと、前記振動センサからの出力データをFF
T解析して周波数モードに変換するFFT解析部と、F
FT解析結果に基づいて前記工具のクーラント衝突時の
固有振動数を検出する固有振動数検出部と、検出された
固有振動数の特性データを所定のしきい値と比較して前
記工具に切粉詰まりが発生しているか否かを判定する判
定部とを有することを特徴とする。 (3)前記所定のしきい値は、正常時におけるピーク周
波数を含む周波数範囲に関するものである。 (4)前記所定のしきい値は、正常時におけるピーク周
波数を含む周波数範囲に関するものと、正常時における
ピーク周波数のレベルに関するものの二種類ある。 (5)前記吐出手段は、複数のノズルを有する。 (6)前記複数のノズルは、前記工具の先端から所定の
ピッチ数分だけ設けられている。 (7)前記所定のピッチ数は、3または4ピッチであ
る。 (8)前記クーラントは、前記工具の軸心に向かって垂
直に吐出される。
【0006】
【発明の効果】したがって、本発明によれば、一定速度
で回転中の工具にクーラントを吐出した時の工具の振動
状態の変化を検出して、または、一定速度で回転中の工
具にクーラントを吐出した時の工具の固有振動数を検出
し、その特性データを所定のしきい値と比較して、工具
に切粉詰まりが発生しているか否かを判定するので、従
来検出できなかった工具の切粉詰まりの検出が可能とな
る。よって、切粉詰まりを検出した際に掻き出し作業
(ドレッシング)を行うことで、工具の切粉詰まりに起
因する加工不良や工具折損等の発生を防止することがで
き、加工不良率の低減と工具折損の確率の低減が図られ
る。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。
【0008】図1は、本発明を適用した工作機械のシス
テム構成を示すブロック図である。
【0009】この工作機械1は、いわゆるNC工作機械
であって、大別して、工具(切削工具)が取り付けられ
る工作機械本体2と、ワーク(被加工物)3を固定する
図示しない治具と、液状のクーラント(冷却材)を供給
する冷却系4と、システム全体を制御する制御盤5とで
構成されている。
【0010】工作機械本体2は、同一の工具(例えば、
ドリル)を用いて作業領域内の一または複数の作業位置
で連続して順次所定の作業(穴あけ加工)を行うことが
できるものであって、ベッド21上に直立するコラム2
2に加工ヘッド23を取り付け、この加工ヘッド23に
ホルダー24を介して所定の工具(例えば、ドリル)2
5を取り付けて構成されている。加工ヘッド23は、図
示しないX軸モータとY軸モータによって工具25の送
り方向と垂直な平面内を移動し、図示しないZ軸モータ
によって工具25の送り方向に移動するように構成され
ている。また、加工ヘッド23には、図示しない主軸モ
ータが内蔵されている。この主軸モータによって工具2
5が回転駆動される。さらに、加工ヘッド23には、工
具25の切粉詰まりを検出するために振動センサ26が
取り付けられている。振動センサ26は、周知のよう
に、機械振動を電気信号に変換して出力するものであっ
て、この出力により加速度を測定することができる。
【0011】なお、ここでは、工具25としてドリルを
例にとって説明するが、工具の種類はこれに限定される
わけではなく、歯溝を有するために切粉詰まりが生じう
るものであれば、もちろん、どのような工具であっても
よい。
【0012】冷却系4は、上記のようにクーラント(冷
却材)を供給する装置であって、図示しない電動ポンプ
を内蔵したクーラント供給源41と、クーラントを導く
配管42とで構成されている。分岐後の一方の配管42
aは、切削加工中に発生した熱をクーラントによって運
び出すためのものであって、ここから出るクーラントは
加工中にはワーク3(の加工部位)に向かって吐出され
る。また、分岐後のもう一方の配管42bは、工具25
の切粉詰まりを検出するためのものであって、ここから
出るクーラントは常時工具25に向かって吐出される。
この点については、後で詳述する。
【0013】制御盤5は、所定のNCプログラムに従っ
て工作機械1全体を総合的に制御するものであって、上
記した各種モータや電動ポンプ、振動センサ26等は、
この制御盤5に接続されている。本実施の形態では、後
で詳述するように、一旦加工プログラムが起動すると、
一連の各種動作の中において、工具25に切粉詰まりや
折損といった異常が発生していないかどうかを監視し、
切粉詰まりを検出した場合にはそれを解消する作業(ド
レッシング)をも自動的に行うようになっている。例え
ば、工具25の切粉詰まりの検出は、工具25が原位置
またはある作業位置から次の作業位置まで移動する間に
行われ、工具25の折損の検出は、切削加工中に行われ
る。
【0014】本発明による工具25の切粉詰まりの検出
原理は、次のとおりである。
【0015】一定速度で回転している工具25に向けて
適当な圧力のクーラントを吐出することによって、工具
25が正常であれば、吐出されたクーラントが回転中の
工具25の歯溝に当たった時の衝撃により工具25に振
動が加えられ、その振動がレスポンスとして主軸の回転
周期で現れるが、工具25に切粉詰まりの異常が生じる
と、工具25の歯溝が埋まって工具25表面の凹凸形状
が変わるためにクーラントが工具25の歯溝に当たった
時の衝撃状態が変化して工具25に加えられる振動も変
化する。したがって、工具25の振動状態の変化(具体
的には、後述するピーク周波数の位置やレベルの変化)
を監視することで、工具25の切粉詰まりを検出するこ
とができる。
【0016】図2は、切粉詰まりを検出するための工具
25へのクーラントの当て方の一例を示す要部拡大図で
あって、例えば、同図(A)は、工具25と配管42b
との位置関係を示す平面図、同図(B)は、その側面図
である。
【0017】上記の検出原理によれば、クーラントは、
正常時と切粉詰まり発生時とで工具25の振動状態が変
化するような形態で当てなければならない。ここでは、
切粉詰まりの検出に適したクーラントの当て方として、
配管42bの先端部に複数(ここでは3個)のノズル4
3a,43b,43cが設けられている。各ノズル43
a〜43cは、工具25の先端から加工に使用する位置
(加工時切込み部位)までの範囲内で、工具25の歯溝
27の各ピッチごとに、等間隔で設けられている。使用
部位全体での検出を行うために前記範囲をカバーするよ
うに各ピッチごとにノズルを設けてもよいが、加工によ
り生じた切粉は工具25の先端から詰まり出すため、実
際には、工具25の先端から所定のピッチ数分(ここで
は3ピッチ分)だけのノズル43a〜43cを設けれ
ば、検出可能である。通常は、最低限3または4ピッチ
分のノズルを設ければよい。また、各ノズル43a〜4
3cは、クーラントが工具25の歯溝27に当たった時
の衝撃力を極大化するため、好ましくは、クーラントが
工具25の軸心に向かって垂直に吐出されるように配置
されている。このときのクーラントの吐出圧力は、例え
ば、8〜15kg/cm2くらいである。
【0018】なお、図2の例では、各ノズル43の主軸
方向の寸法は、工具25の歯溝27の幅と同じである
が、これに限らず、図3の例に示すように、工具25が
一回転する間中クーラントが工具25の対応する歯溝2
7に常時当たるように各ノズル44の主軸方向の寸法を
設定してもよい。さらには、前者を最小値、後者を最大
値としてそれらの中間値であってもよい。
【0019】図4は、工具25の切粉詰まりや折損を検
出するための回路構成を示すブロック図である。
【0020】工具25の切粉詰まりや折損を検出するた
め、制御盤5には、振動センサ26からの出力を入力し
て工具25の振動状態を検出する振動検出部51と、振
動検出部51で入力した振動センサ26の出力(振動)
に基づいて工具25に加わった加速度を検出する加速度
検出部52と、加速度検出部52の検出結果に基づいて
工具25の折損の有無を判定する折損判定部53と、加
速度検出部52の結果データをFFT解析して振動セン
サ26の検出データを加速度モードから周波数モードに
変換するFFT解析部54と、FFT解析部54の解析
結果に基づいてクーラントが工具25(の歯溝27)に
当たった時の固有振動数を検出しこれらの中のピーク値
を持つ固有振動数(以下「ピーク周波数」という)を測
定する固有振動数検出部55と、固有振動数検出部55
の検出結果に基づいて工具25の切粉詰まりの有無を判
定する切粉詰まり判定部56と、折損判定部53や切粉
詰まり判定部56の判定結果を入力して外部の装置を制
御する制御部57とが設けられている。制御部57に
は、前記外部装置として、工具25の折損異常を作業者
に警報するアラーム6、工作機械本体2に設けられた各
種モータ(X軸モータ、Y軸モータ、Z軸モータ、主軸
モータ)27、クーラント供給源41に内蔵された電動
ポンプ44、工具25に切粉詰まりが発生したときに工
具25のドレッシング(切粉の掻き出し作業)を自動的
に行う掻き出し機構7などが接続されている。
【0021】折損判定部53は、加速度検出部52から
の出力(振動センサ26の加速度モードデータ)をあら
かじめ設定されたしきい値と比較して、加速度のピーク
ピーク値(ピーク加速度)がしきい値以上であれば、工
具25に折損の異常が生じたものと判断する。例えば、
図5は、シミュレーションによる折損検出時の加速度デ
ータの波形例を示す図面であり、図6は、良否判定に用
いられる折損検出用のしきい値Cを示す説明図である。
ここでは、折損検出を加速度データの波形のピークピー
ク値(波高値)に基づいて行うため、折損検出用のしき
い値Cは、ピークピーク値(波高値)のしきい値となっ
ている。なお、このしきい値Cは、あらかじめ、実験な
どを行って求めておく。
【0022】図7は、シミュレーションによるFFT解
析部54のFFTデータの波形例を示す図面であり、同
図(A)は、切粉詰まりが発生していない正常時のFF
Tデータの一例を示し、同図(B)は、切粉詰まりが発
生している異常時のFFTデータの一例を示している。
【0023】正常時のピーク周波数F0 を基準とすると
(図7(A)参照)、切粉詰まり発生時のピーク周波数
Fp は、通常、基準ピーク周波数F0 に対して移動する
(図7(B)参照)。これは、切粉詰まりが発生すると
工具25の歯溝27が埋まって工具25表面の凹凸形状
が変わるためである。したがって、測定されたFFTデ
ータのピーク周波数Fp が基準ピーク周波数F0 から移
動しているか否かを見ることによって、切粉詰まりを検
出することができる。ただし、切粉が工具25の周囲に
もしゃもしゃに絡み付いているような場合には、測定さ
れるピーク周波数Fp は基準ピーク周波数F0 の位置に
あってただそのレベルが小さくなっているだけである場
合があるので、切粉詰まりを完全に検出するためには、
ピーク周波数Fp の位置(値)とレベルの両方を見る必
要がある。
【0024】このため、切粉詰まり判定部56は、固有
振動数検出部55からの出力(ピーク周波数Fp の位置
とレベル)をあらかじめ設定された二種類のしきい値と
それぞれ比較して、ピーク周波数Fp の位置が基準ピー
ク周波数F0 を含む所定範囲の外にあるか、または、ピ
ーク周波数Fp のレベルが所定値未満であれば、工具2
5に切粉詰まりの異常が生じたものと判断する。図8
に、その良否判定に用いられる二種類の切粉詰まり検出
用のしきい値A、Bを示してある。ここで、しきい値A
は、測定されたFFTデータのピーク周波数Fp が基準
ピーク周波数F0から移動しているか否かを判断するた
めのものであり、しきい値Bは、測定されたFFTデー
タのピーク周波数Fp が基準ピーク周波数F0 のレベル
よりも低下しているか否かを判断するためのものであ
る。なお、これらのしきい値A,Bは、あらかじめ実験
などで求めておく。
【0025】掻き出し機構7は、例えば、図示しない
が、ツールタッチセンサなどにより工具25の先端をと
らえ、歯溝掻き出し用の爪を工具25に押し付け、タッ
ピングの要領で主軸を送って、歯溝27に詰まっている
切粉を掻き出す装置である。
【0026】図9は、以上のように構成された工作機械
1の全体動作を示すフローチャートである。なお、この
フローチャートに示す処理手順は、制御盤5による制御
の下で実行される。
【0027】作業者により起動スイッチが押されるなど
して制御盤5に記憶されているNC加工プログラムがス
タートすると(S1)、工作機械本体2は、使用する工
具(例えば、穴あけ加工の場合はドリル)を準備した後
(S2)、主軸モータを駆動して主軸つまり工具の回転
を開始させ(S3)、冷却系4は、電動ポンプ44を駆
動して分岐後の二つの配管42a,42bのノズルから
それぞれ冷却用と検出用のクーラントの吐出を開始する
(S4)。
【0028】その後、振動センサ26の検出値のデータ
の取り込みを開始し(S5)、X軸とY軸モータを駆動
して工具25の作業位置(穴位置)への位置決め動作を
行い(S6)、位置決め完了と同時に振動センサ26の
検出値のデータの取り込みを終了する(S7)。すなわ
ち、次の作業位置に到達するまでの工具25の移動中に
振動センサ26の検出値データの取り込みが行われる。
【0029】ステップS7で工具移動中の振動センサ2
6の検出値データの取り込みが終了すると、FFT解析
部54で、取り込んだデータのFFT解析を行った後
(S8)、固有振動数検出部55で、ピーク周波数Fp
の位置とレベルの測定を行う(S9)。
【0030】その後、切粉詰まり判定部56で、ステッ
プS9で測定したピーク周波数Fpの位置がしきい値A
である所定範囲内にあるか否か(図8参照)を判断し
(S10)、YESであれば、さらに、ステップS9で
測定したピーク周波数Fp のレベルが所定のしきい値B
以上であるか否か(図8参照)を判断する(S11)。
前者によって、工具25の歯溝27が切粉で埋まってい
るか否かが判断され、後者によって、工具25の周囲に
切粉がもしゃもしゃに絡み付いているか否かが判断され
る。よって、これら二つの判断を行うことで、工具25
の切粉詰まりの異常を完全に検出することができる。
【0031】そして、ステップS10およびステップS
11の判断結果として共にYESである場合には、工具
25に切粉詰まりの異常は発生していないものと判断し
て、直ちに次のステップS13に進むが、ステップS9
で測定したピーク周波数Fpの位置が所定範囲A内にな
い場合(S10:NO)、または、ステップS9で測定
したピーク周波数Fp のレベルが所定値B以上でない場
合には(S11:NO)、工具25に切粉詰まりの異常
が発生しているものと判断して、掻き出し機構7で、切
粉詰まりを解消するためのドレッシング作業を自動的に
行った後、ステップS13に進む。
【0032】このようにして切粉詰まりのチェックとそ
の解消作業が終了すると、再度、振動センサ26の検出
値のデータの取り込みを開始し(S13)、Z軸を駆動
して主軸を送って所定の切削加工(穴あけ加工)を行い
(S14)、加工完了と同時に振動センサ26の検出値
のデータの取り込みを終了する(S15)。すなわち、
加工中に振動センサ26の検出値データの取り込みが行
われる。
【0033】ステップS15で切削加工中の振動センサ
26の検出値データの取り込みが終了すると、加速度検
出部52で、工具25に加わった加速度を検出してその
ピーク加速度の測定を行い(S16)、折損判定部53
で、ステップS16で測定したピーク加速度が所定のし
きい値C以上であるか否か(図6参照)を判断し(S1
7)、YESであれば、工具25に折損の異常が発生し
たものと判断して、その旨を作業者に知らせるためにア
ラーム6を作動させた後(S18)、工具交換のため一
連の動作を終了するために直ちにステップS20に進
む。
【0034】ステップS17の判断結果としてNOであ
れば、工具25に折損異常は発生していないものと判断
して、引き続き、予定された全ての作業位置での加工が
完了したか否かを判断する(S19)。全ての加工が完
了していない場合には(S19:NO)、次の加工を行
うためにステップS5に戻り、全ての加工が完了した場
合には(S19:YES)、一連の動作を終了するため
にステップS20に進む。
【0035】全加工が完了するかまたは工具25の折損
が発生した場合には、電動ポンプ44を停止してクーラ
ントの吐出を停止するとともに(S20)、X軸とY軸
モータを駆動して工具25を準備位置へ復帰させ(S2
1)、当該加工プログラムを終了する(S22)。
【0036】したがって、本実施の形態では、工具25
の振動状態を検出する振動センサ26を設けて、工具2
5に向けて吐出されたクーラントが一定速度で回転中の
工具25の歯溝27に当たった時に加わる振動を振動セ
ンサ26で取り込んでそのデータのFFT解析を行い、
周波数モードでピーク周波数Fp の位置とレベルを測定
し、得られた測定値を所定のしきい値A,Bと比較し
て、ピーク周波数Fp の位置が基準幅(所定範囲)に入
っているか否か、また、ピーク周波数Fp のレベルが基
準レベル(所定値)以上か否かを監視することにより、
工具25の歯溝27の異常(切粉詰まり)を検出するよ
うにしたので、従来検出できなかった工具の切粉詰まり
の検出が可能となる。よって、切粉詰まりを検出した際
に掻き出し作業(ドレッシング)を行うことにより、工
具の切粉詰まりに起因する加工不良や工具折損等の発生
を防止することができ、加工不良率の低減と工具折損の
確率の低減が図られる。
【0037】また、ある切削加工(穴あけ加工)が完了
した後同じ工具(ドリル)25で次の切削加工(穴あけ
加工)を行うための工具移動中に切粉詰まりの検出処理
を行うようにしたので、主軸等を停止させることなく、
つまり時間的な増加をもたらすことなく切粉詰まりを検
出することができ、サイクルタイムの増加なしに全ての
加工部位(加工穴)に対する工具の切粉詰まりによる加
工不良を防止することができる。
【0038】また、従来、一般のマシニングセンターで
は、工具再生のための専用機を用意してオフラインで工
具のドレッシング作業を行うようにしているが、本実施
の形態では、オフラインでのドレッシング作業、つま
り、工具の交換作業や、段取り作業(機械を調整中に
し、工具交換、工具はね出し操作、工具ドレッシ
ング作業、工具投入作業、工具データ入力作業、の
一連の作業が必要)を行うことなく、同一システム内で
自動的に掻き出し作業(ドレッシング)を行うようにし
たので、たとえ工具25の切粉詰まりを検出したときで
も、その掻き出し作業(ドレッシング)を終えた後、次
の加工を続けて行うことができる。これにより、オフラ
インでのドレッシング作業が不要となり、切粉詰まりが
発生した場合に大幅な工数削減を図ることができ、製品
の不良率を下げることができる。
【0039】また、本実施の形態では、工具25の折損
の検出と警報を含めて、工具25の切粉詰まりを検出す
ることからそれを解消することまでを自動化して、既存
の通常の加工プログラムに組み込んだので、それら全体
を一つのNCプログラムとしてユーザーに提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を適用した工作機械のシステム構成を
示すブロック図である。
【図2】 切粉詰まりを検出するための工具へのクーラ
ントの当て方の一例を示す要部拡大図である。
【図3】 ノズルの他の一例を示す図2と同様の要部拡
大図である。
【図4】 工具の切粉詰まりや折損を検出するための回
路構成を示すブロック図である。
【図5】 シミュレーションによる折損検出時の加速度
データの波形例を示す図面である。
【図6】 工具折損の良否判定に用いられる折損検出用
のしきい値を示す説明図である。
【図7】 シミュレーションによるFFT解析部のFF
Tデータの波形例を示す図面である。
【図8】 工具切粉詰まりの良否判定に用いられる二種
類の切粉詰まり検出用のしきい値を示す説明図である。
【図9】 図1の工作機械の全体動作を示すフローチャ
ートである。
【図10】 図9に続くフローチャートである。
【符号の説明】
1…工作機械、 2…工作機械本体、 3…ワーク(被加工物)、 4…冷却系、 5…制御盤、 25…ドリル(切削工具)、 26…振動センサ(検出手段)、 27…歯溝、 42b…配管、 43,44…ノズル(吐出手段)、 54…FFT解析部(測定手段)、 55…固有振動数検出部(測定手段)、 56…切粉詰まり判定部(判定手段)。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被加工物の切削加工を行う工作機械用切
    削工具の切粉詰まりを検出する装置であって、 一定速度で回転中の前記工具に対してクーラントを吐出
    する吐出手段と、 クーラント吐出時の前記工具の振動状態を検出する検出
    手段と、 前記検出手段からの出力データを周波数モードに変換し
    て前記工具の振動状態の変化を測定する測定手段と、 前記測定手段の測定結果に応じて前記工具に切粉詰まり
    が発生しているか否かを判定する判定手段と、 を有することを特徴とする工作機械用切削工具の切粉詰
    まり検出装置。
  2. 【請求項2】 被加工物の切削加工を行う工作機械用切
    削工具の切粉詰まりを検出する装置であって、 一定速度で回転中の前記工具に対してクーラントを吐出
    する吐出手段と、 クーラント吐出時の前記工具の機械振動を検出する振動
    センサと、 前記振動センサからの出力データをFFT解析して周波
    数モードに変換するFFT解析部と、 FFT解析結果に基づいて前記工具のクーラント衝突時
    の固有振動数を検出する固有振動数検出部と、 検出された固有振動数の特性データを所定のしきい値と
    比較して前記工具に切粉詰まりが発生しているか否かを
    判定する判定部と、 を有することを特徴とする工作機械用切削工具の切粉詰
    まり検出装置。
  3. 【請求項3】 前記所定のしきい値は、正常時における
    ピーク周波数を含む周波数範囲に関するものであること
    を特徴とする請求項2記載の工作機械用切削工具の切粉
    詰まり検出装置。
  4. 【請求項4】 前記所定のしきい値は、正常時における
    ピーク周波数を含む周波数範囲に関するものと、正常時
    におけるピーク周波数のレベルに関するものの二種類あ
    ることを特徴とする請求項2記載の工作機械用切削工具
    の切粉詰まり検出装置。
  5. 【請求項5】 前記吐出手段は、複数のノズルを有する
    ことを特徴とする請求項1または2記載の工作機械用切
    削工具の切粉詰まり検出装置。
  6. 【請求項6】 前記複数のノズルは、前記工具の先端か
    ら所定のピッチ数分だけ設けられていることを特徴とす
    る請求項5記載の工作機械用切削工具の切粉詰まり検出
    装置。
  7. 【請求項7】 前記所定のピッチ数は、3または4ピッ
    チであることを特徴とする請求項6記載の工作機械用切
    削工具の切粉詰まり検出装置。
  8. 【請求項8】 前記クーラントは、前記工具の軸心に向
    かって垂直に吐出されることを特徴とする請求項1また
    は2記載の工作機械用切削工具の切粉詰まり検出装置。
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