JP3196640B2 - フッ素除去装置 - Google Patents

フッ素除去装置

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JP3196640B2 JP15141496A JP15141496A JP3196640B2 JP 3196640 B2 JP3196640 B2 JP 3196640B2 JP 15141496 A JP15141496 A JP 15141496A JP 15141496 A JP15141496 A JP 15141496A JP 3196640 B2 JP3196640 B2 JP 3196640B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はフッ素含有水からフ
ッ素を除去するためのフッ素除去装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】フッ素含有水からフッ素を除去する方法
として、反応槽においてフッ素含有水に消石灰、あるい
は塩化カルシウムと水酸化ナトリウムなどのカルシウム
化合物を添加してpH6〜10に調整してフッ化カルシ
ウムを含む析出物を析出させ、凝集槽において高分子凝
集剤を添加して凝集反応を行い、沈殿槽で沈殿分離する
方法が行われている。処理目標値が厳しい場合には、さ
らに反応槽にアルミニウム化合物などの無機凝集剤を添
加し、凝集を行っている。
【0003】しかしこのような処理方法では、生成する
フロックは多量に水を含むゲル状の水酸化物であるた
め、沈降性が悪く、このため沈殿槽の水面積負荷は0.
6〜0.8m3/m2・hrとなり、沈降分離に広大な敷
地面積を必要とする。また生成する汚泥は通常汚泥濃度
が1〜3%程度で脱水性が悪く、その処理は困難であっ
た。一方、処理水フッ素濃度は15〜22mg/l程度
であり、8mg/l以下の高度処理は困難であった。
【0004】このような点を改善する方法として、沈殿
槽で得られる汚泥にカルシウム化合物およびアルカリ剤
を添加したのちフッ素含有水と反応させ、さらに凝集沈
殿処理を行う方法が提案されている(特開昭60−97
090〜1号)。この方法では汚泥の沈降性は改善され
るが、凝集汚泥は沈殿槽で沈降分離を行っているため、
水面積負荷はそれほど改善されず、なお改良の余地を残
している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は上記問
題点を解決するため、重質の析出物を析出させて沈降性
の汚泥を形成し、この汚泥の特性を利用してスラッジブ
ランケットを形成して高速で固液分離し、これにより固
液分離のための面積負荷を大きくして効率よくフッ素を
除去し、高水質の処理水を得るとともに脱水性のよい汚
泥を得ることができ、汚泥発生量も少ないフッ素除去装
置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、カルシウム化
合物を添加した汚泥を導入してフッ素含有水とカルシウ
ム化合物を反応させ、重質の析出物を析出させて沈降性
の汚泥を形成する反応槽と、この反応槽にフッ素含有水
を導入する原水路と、反応槽から反応液を移送し高分子
凝集剤を添加して凝集を行う凝集装置と、進行方向の後
側に開口部を有する回転式のディストリビュ−タから、
凝集装置において形成されるフロックを含む混合液を導
入して上向流通水によりスラッジブランケットを形成
、フロックをスラッジブランケットに捕捉させて固液
分離を行う固液分離槽と、固液分離槽で分離された汚泥
の一部にカルシウム化合物を添加して反応槽に循環させ
る循環路とを有するフッ素除去装置である。
【0007】本発明で処理の対象となるフッ素含有水
は、フッ素をフッ化物イオンの形で含含む水であり、例
えば排煙脱硫工程、アルミニウムの電解精練工程、リン
酸肥料の製造工程、半導体を含む電子部品製造工程、ウ
ラン製練工程、表面処理洗浄工程等の排水などがあげら
れる。
【0008】反応槽は原水路、循環路および移送路が連
絡し、原水路から導入するフッ素含有水と、循環路から
循環する汚泥に担持されたカルシウム化合物とを反応さ
せるように構成される。具体的には槽内液を急速攪拌す
る攪拌装置、および槽内液のpHを測定するpH計を設
置し、pHが一定範囲を維持するように、必要によりp
H調整剤を注入して、急速攪拌しながら反応させるよう
に構成することができる。pHとしては5.5〜7とす
るのが好ましい。反応槽は連続式が好ましいが、バッチ
式でもよく、公知のものが使用できる。
【0009】凝集装置は反応槽の反応液に高分子凝集剤
を添加して凝集させ、フロックを成長させるものであれ
ばよく、ラインミキサなどによってもよいが、凝集槽が
好ましい。凝集槽は高分子凝集剤注入路および移送路が
連絡し、さらに緩速攪拌用の攪拌機を備え、反応槽から
移送路を通して移送される反応液に高分子凝集剤を注入
して緩速攪拌し、フロックを形成して成長させるように
構成される。凝集槽も連続式のものが好ましいが、バッ
チ式でもよく、公知のものが使用できる。
【0010】固液分離槽はスラッジブランケットを形成
するために上向流を形成する必要があり、このために槽
内の下部に、進行方向の後側に開口部を有する回転式の
ディストリビュータを備えたものが使用される。ディス
トリビュータは汚泥を膨張させてスラッジブランケット
を形成するように槽内に均一に液を分配する必要があ
り、このためには槽底部に管状のディストリビュータを
回転式に配置し、その長手方向に給液口を均一に開口さ
せるのが好ましい。一般には給液口は下向きに開口し、
その下側にバッフル板を設ける構造のディストリビュー
タが使用されてるが、回転方の後側に給液口が開口
し、その上側にバッフル板を有するものが好ましい。
【0011】固液分離槽の下部には凝集槽からディスト
リビュータに移送路が連絡し、上部には処理水路が連絡
する。また固液分離槽のスラッジブランケット形成部の
任意の位置、一般的には底部に汚泥濃縮部を設け、これ
に排泥路および循環路が連絡する。
【0012】循環路は反応槽に連絡し、固液分離槽で分
離した汚泥の一部を反応槽に循環する際、カルシウム化
合物を混合して反応させるように混合装置を設ける。混
合装置としてはラインミキサのように移送中に混合反応
を行うものでもよいが、攪拌器を備えた混合槽のよう
に、ある程度滞留して混合、吸着を行うものが好まし
い。混合槽にはカルシウム化合物注入路および必要によ
りアルカリ剤注入路を連絡し、これらには制御弁を設け
て、反応槽のpH計に連動させて薬注量を制御するもの
が好ましい。
【0013】カルシウム化合物としては消石灰、塩化カ
ルシウムなどが使用でき、アルカリ剤としては水酸化ナ
トリウム、水酸化マグネシウム、消石灰などが使用でき
るが、消石灰を使用すると両者を兼用できる。これらは
反応槽と混合装置の両方に分割注入するようにしてもよ
いが、全部を混合装置に注入するようにするのが好まし
い。
【0014】反応槽にアルミニウム化合物を注入する
と、凝集の効果が上がるが、アルミニウム化合物注入路
を原水路に連絡して、反応槽に入る前の原水にアルミニ
ウム化合物を注入すると、凝集効果はさらに高くなり、
処理水質が向上するので好ましい。アルミニウム化合物
としては、硫酸バンド、塩化アルミニウム、アルミン酸
ナトリウムなどが使用できる。
【0015】上記の装置によるフッ素除去方法は次のよ
うに行われる。まず原水路から反応槽にフッ素含有水を
導入する際、アルミニウム化合物を注入して原水と混合
し、反応槽に導入する。反応槽では循環路から循環する
汚泥とカルシウム化合物およびpH調整剤の混合反応物
を、原水とアルミニウム化合物の混合物に添加し、急速
攪拌により混合して反応させ、これにより中和を行うと
ともにフッ化カルシウム、さらには水酸化アルミニウム
を含む析出物を析出させる。
【0016】反応槽の反応液は移送路から凝集装置に導
入し、凝集剤注入路から高分子凝集剤を注入して凝集を
行い、フロックを成長させる。凝集槽を用いる場合は攪
拌器により緩速攪拌を行いフロックの成長を促進する。
高分子凝集剤としては、ポリアクリルアミド等のノニオ
ン性高分子凝集剤、ポリアクリルアミドの加水分解物等
のアニオン性高分子凝集剤、アミノアクリル四級化物等
のカチオン性高分子凝集剤などが使用できる。
【0017】凝集によりフロックを形成した混合液は固
液分離槽に導入して上向流通水によりスラッジブランケ
ットを形成し、フロックをスラッジブランケットに捕捉
させて分離し、高水質の処理水を上部から処理水路に排
出する。回転式のディストリビュータを用いる場合、混
合液は槽内に均一に導入されて汚泥の局部的な沈降がな
くなり、均一なスラッジブランケットが形成される。下
向に開口部を有する場合は上向流によりスラッジブラン
ケットが乱れる場合があるが、進行方向の後側に開口部
を有する場合は乱れはなく、均一なスラッジブランケッ
トが形成される。
【0018】汚泥濃縮部に濃縮された汚泥は、一部を排
泥路から排出し、残部を循環路から反応槽に循環させ
る。このときカルシウム化合物注入路からカルシウム化
合物を注入しまた必要によりアルカリ剤注入路からアル
カリ剤を注入し、混合装置において混合し、これらを汚
泥に吸着させる。汚泥の循環量は原水Qに対して0.1
〜0.5Qとする。
【0019】本発明では装置の立上げ時、他の装置から
種汚泥を導入すると、立上げ時点から定常運転を開始す
ることができるが、種汚泥がない状態から立上げる場合
には、初期の時点で反応槽にカルシウム化合物およびア
ルカリ剤を注入して中和およびフッ化カルシウムの析出
を行う。そして凝集槽で凝集、フロックの生長を行い、
固液分離槽でスラッジブランケットを形成して固液分離
を行う。
【0020】固液分離槽の汚泥はフッ化カルシウム、水
酸化アルミニウム、フッ化アルミニウム等が複合した汚
泥となっているが、混合装置においてこの汚泥にカルシ
ウム化合物およびアルカリ剤が混合されると、カルシウ
ム化合物およびアルカリ剤は汚泥に吸着されて一部が結
晶に取り込まれ結晶が生長するとともに結晶表面がカル
シウム化合物過剰の状態となる。
【0021】この状態で反応槽に循環した汚泥が原水と
接触すると、原水中のフッ化物イオンは汚泥の表面のカ
ルシウム化合物と反応し、汚泥表面でフッ化カルシウム
が生成するため、結晶が生長する。原水中に添加された
アルミニウム化合物はアルカリ剤と反応して水酸化アル
ミニウムとなるほか、一部はアルカリ状態でフッ化アル
ミニウムとなり、結晶に取り込まれる。
【0022】汚泥が反応槽と固液分離槽との間を循環す
る間に汚泥は生長して重質化し、沈降性が高くなる。本
発明ではこの沈降性を利用して固液分離槽において安定
なスラッジブランケットを形成することにより、高速で
固液分離を行い、しかも高水質の処理水を得る。すなわ
ち従来は汚泥を循環して沈降性のよい汚泥を形成して
も、単なる沈殿分離を行っていたが、一部結晶の外で析
出する微細な汚泥は沈降性が悪いため、これらの微細な
析出物を沈殿させるためには長い滞留時間を必要とし、
固液分離効率はあまり改善されず、大型の沈殿槽が必要
であった。
【0023】本発明では上向流によりスラッジブランケ
ットを形成することにより、密度の高い汚泥により安定
したスラッジブランケットを形成して高速で固液分離を
行うことができる。微細な析出物は上昇する際スラッジ
ブランケットに捕促されて結晶生長の核となり、スラッ
ジブランケットから流出する処理水の水質も高くなる。
汚泥の重質化により汚泥濃度も20〜30%と高くな
り、汚泥発生量が少なくなる。
【0024】原水中のフッ素がカルシウム化合物のみの
添加により析出する場合は、カルシウム化合物のみを添
加するだけでよいが、通常原水は酸性であるため、一般
的にはカルシウム化合物とアルカリ剤とを添加し、フッ
化カルシウムを析出させる。消石灰を用いる場合は、カ
ルシウム化合物とアルカリ剤の両方の性格を有するた
め、他の薬剤を添加しなくてもよい。アルミニウム化合
物は必ずしも添加しなくてもよいが、これを添加すると
処理水質が向上する。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
により説明する。図1は実施形態のフッ素除去装置を示
す系統図、図2(a)(b)はディストリビュータの断
面図である。図1において、1は反応槽、2は凝集槽、
3は固液分離槽、4は混合槽である。
【0026】反応槽1には原水路5、循環路6および移
送路7が連絡しており、槽内液を急速攪拌する攪拌器8
およびpHを測定するpH計9が設けられている。凝集
槽2には移送路7、10および凝集剤注入路11が連絡
しており、また槽内液を緩速攪拌する攪拌器12が設け
られている。固液分離槽3には回転式のディストリビュ
ータ13が下部に設けられ、その中空のシャフト14を
介して連通するフィードウエル15が上部に設けられて
おり、移送路10はフィードウエル15に連絡してい
る。
【0027】ディストリビュータ13は図2(a)に示
すように、シャフト14を中心にして回転する管状体1
6の回転方向Rの後側に円形の開口部17を長手方向に
ほぼ均一に有し、その上側を覆うようにバッフル板18
が設けられている。バッフル板18の長さは開口部17
の口径の3〜5倍が好ましい。ディストリビュータ13
としては図2(b)に示すように、開口部17が下向に
開口し、その下側にバッフル板18が設けられている従
来形式のものは好ましくない
【0028】固液分離槽3ではディストリビュータ13
の開口部17から混合液を導入して上向流を形成するこ
とにより、スラッジブランケット19を形成するように
なっている。固液分離槽3の上部には溢流部20が設け
られていて処理水路21が連絡し、底部には汚泥濃縮部
22が設けられていて、循環路6および排泥路23が連
絡している。
【0029】循環路6には攪拌器24を有する混合槽4
が設けられていて、カルシウム化合物注入路25が連絡
している。カルシウム化合物注入路25には制御弁26
が設けられていて、pH計9のpH検出値を一定にする
ように開閉し、カルシウム化合物の注入量を制御するよ
うに構成されている。カルシウム化合物としては消石灰
が使用される。原水路5にはアルミニウム化合物注入路
27が連絡している。アルミニウム化合物としては硫酸
バンドが使用されるようになっている。
【0030】上記の装置によるフッ素除去方法は次のよ
うに行われる。まず、原水路5から反応槽1に原水(フ
含有水)を導入する際、アルミニウム化合物注入路
27からアルミニウム化合物を注入して原水と混合した
のち、反応槽1に導入する。反応槽1では循環路6から
循環する汚泥とカルシウム化合物(消石灰)の混合反応
物を、原水とアルミニウム化合物の混合物に添加し、攪
拌器8により急速攪拌して反応させ、これにより中和を
行うとともに、フッ化カルシウム、さらには水酸化アル
ミニウムを含む析出物を析出させる。
【0031】反応槽1の反応液は移送路7から凝集槽2
へ導入し、凝集剤注入路11から高分子凝集剤を注入し
て凝集を行い、フロックを成長させる。凝集槽2では攪
拌器12により緩速攪拌を行い、粒子を衝突させてフロ
ックの成長を促進する。高分子凝集剤としては、ポリア
クリルアミドの加水分解物等のアニオン性高分子凝集剤
が使用される。
【0032】凝集によりフロックを形成した混合液は移
送路10から固液分離槽3のフィードウエル15に導入
し、シャフト14を通して回転するディストリビュータ
13の開口部17から槽内に噴出させて上向流通水によ
りスラッジブランケット19を形成する。これにより混
合液中のフロックをスラッジブランケット19に捕捉さ
せて分離し、高水質の処理水を上部の溢流部20から処
理水路21に排出する。ディストリビュータ13の回転
速度は先端部で0.5〜1.5m/分、混合液の吹出速
度は1〜3m/分程度とする。
【0033】回転式のディストリビュータ13を用いる
ことにより、混合液は槽内に均一に導入されて汚泥の局
部的な沈降がなくなり、均一なスラッジブランケット1
9が形成される。図2(b)のように下向に開口部17
を有する場合は上向流によりスラッジブランケットが乱
れる場合があるが、図2(a)のように進行方向Rの後
側に開口部17を有する場合は乱れはなく、均一なスラ
ッジブランケット19が形成される。
【0034】汚泥濃縮部22で濃縮された汚泥は一部を
排泥路23から排出し、残部を循環路6から反応槽1に
循環させる。このとき混合槽4においてカルシウム化合
物注入路25から、カルシウム化合物およびアルカリ剤
として消石灰を注入し、攪拌器24により攪拌、混合し
て消石灰を汚泥に吸着させるとともに、一部反応させ
る。消石灰の注入量はpH計9のpH検出値が一定値を
保つように制御弁26の開度を調整して制御する。
【0035】上記の装置の立上げ時、他の装置から種汚
泥を導入すると、立上げ時点から定常運転を開始するこ
とができるが、種汚泥がない状態から立上げる場合に
は、初期の時点で反応槽1にカルシウム化合物およびア
ルカリ剤として消石灰を注入して中和およびフッ化カル
シウムの析出を行う。そして凝集槽2で凝集、フロック
の生長を行い、固液分離槽3でスラッジブランケットを
形成して固液分離を行う。
【0036】固液分離槽3の汚泥はフッ化カルシウム、
水酸化アルミニウム、フッ化アルミニウム等が複合した
汚泥となっているが、混合槽4においてこの汚泥にカル
シウム化合物およびアルカリ剤として消石灰が混合され
ると、消石灰は汚泥に吸着されて一部が反応して結晶に
取り込まれ結晶が生長するとともに、結晶表面がカルシ
ウム化合物過剰の状態となる。
【0037】この状態で反応槽1に循環した汚泥が原水
と接触すると、原水中のフッ化物イオンは汚泥の表面の
消石灰と反応し、汚泥表面でフッ化カルシウムが生成す
るため、結晶が生長する。原水中に添加されたアルミニ
ウム化合物としての硫酸バンドは消石灰と反応して水酸
化アルミニウムとなるほか、一部はアルカリ状態でフッ
化アルミニウムとなり、結晶に取り込まれる。
【0038】汚泥が反応槽1と固液分離槽3との間を循
環する間に汚泥は生長して重質化し、沈殿性が高くな
る。このような汚泥の沈降性を利用して、固液分離槽3
において安定なスラッジブランケット19を形成するこ
とにより、高速で固液分離を行い、しかも高水質の処理
水を得ることができる。
【0039】従来のように汚泥を循環して沈降性のよい
汚泥を形成しても、単なる沈殿分離を行うと、一部結晶
の外で析出する微細な汚泥は沈降性が悪いため、これら
の微細な析出物を沈殿させるためには長い滞留時間を必
要とし、固液分離効率はあまり改善されず、大型の沈殿
槽が必要であったが、上向流によりスラッジブランケッ
ト19を形成することにより、沈降性の高い汚泥により
安定したスラッジブランケットを形成して高速で固液分
離を行うことができる。微細な析出物は上昇する際スラ
ッジブランケットに捕捉されて結晶生長の核となり、ス
ラッジブランケットから流出する処理水の水質も高くな
る。
【0040】
【実施例】以下、実施例について説明する。 実施例1 pH1.5〜1.8、F:100〜200mg/l、P
4−P:20〜30mg/l、NH4−N:30〜40
mg/l、NO3−N:40〜60mg/lのフッ素含
有水(Q:10m3/hr)を図1の装置で処理した。
反応槽1として2m3容のものを用い、原水路に硫酸バ
ンド1000mg/lを注入し、pH計の設定pHを
6.5として反応を行った。凝集槽2として2m3容の
ものを用い、ポリアクリルアミド加水分解物を注入して
凝集を行った。固液分離槽3として、直径1.6m高さ
3.5mのものを用い、ディストリビュータ13として
図2(a)のものを回転速度1.5m/分、吹出速度2
m/分、で用いた。混合槽4として0.2m3容のもの
を用い、汚泥循環量を0.2Qとし、pH計9に連動し
て消石灰を注入して処理を行った。
【0041】比較例1 実施例1において、ディストリビュータ13として図2
(b)のものを回転速度5m/分、吹出速度5m/分で
用いた他は同条件で処理した。
【0042】実施例 実施例1において、硫酸バンドを反応槽に直接注入した
他は同条件で処理した。
【0043】比較例 実施例1において、汚泥循環を行わない他は同条件で処
理した。
【0044】比較例 実施例1において固液分離槽として直径4mの従来型の
沈殿槽を用いた他は同条件で処理した。
【0045】比較例 実施例1において、固液分離槽として直径2mの従来型
の沈殿槽を用いた他は同条件で処理した。
【0046】上記各例の結果を表1に示す。
【0047】
【表1】
【0048】上記の結果より同じ薬注量では処理水SS
は実施例1が実施例3、比較例2より低くなっている
が、実施例3では硫酸バンドの汚泥改質が起きない割合
だけ、汚泥濃度が低くなっており、比較例2では設置面
積が大きくなる。比較例3では汚泥ゾーンがないため処
理水水質は最も悪い。実施例2では処理水SSが悪くな
っているが、汚泥ゾーンの安定性が悪いためである。比
較例1は汚泥返送を行なっていないため、汚泥改質が起
きずその結果、溶解度の低減効果が発生しないため、処
理水SSは低いがフッ素は高くなっている。
【0049】
【発明の効果】本発明によれば、汚泥にカルシウム化合
物を混合して循環し、スラッジブランケット形の固液分
離槽で高速固液分離するようにしたので、重質の析出物
を析出させて沈降性の汚泥を形成し、この汚泥の特性を
利用してスラッジブランケットを形成して高速で固液分
離し、これにより固液分離のための面積負荷を大きくし
て効率よくフッ素を除去し、高水質の処理水を得るとと
もに脱水性のよい汚泥を得ることができ、汚泥発生量も
少ないフッ素除去装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態のフッ素除去装置の系統図である。
【図2】(a)、(b)はそれぞれディストリビュータ
の断面図である。
【符号の説明】
1 反応槽 2 凝集槽 3 固液分離槽 4 混合槽 5 原水路 6 循環路 7、10 移送路 8、12、24 攪拌器 9 pH計 11 凝集剤注入路 13 ディストリビュータ 14 シャフト 15 フィードウエル 16 管状体 17 開口部 18 バッフル板 19 スラッジブランケット 20 溢流部 21 処理水路 22 汚泥濃縮部 23 排泥路 25 カルシウム化合物注入路 26 制御弁 27 アルミニウム化合物注入路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C02F 1/58 B01D 21/02

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カルシウム化合物を添加した汚泥を導入
    してフッ素含有水とカルシウム化合物を反応させ、重質
    の析出物を析出させて沈降性の汚泥を形成する反応槽
    と、 この反応槽にフッ素含有水を導入する原水路と、 反応槽から反応液を移送し高分子凝集剤を添加して凝集
    を行う凝集装置と、進行方向の後側に開口部を有する回転式のディストリビ
    ュ−タから、 凝集装置において形成されるフロックを含
    む混合液を導入して上向流通水によりスラッジブランケ
    ットを形成し、フロックをスラッジブランケットに捕捉
    させて固液分離を行う固液分離槽と、 固液分離槽で分離された汚泥の一部にカルシウム化合物
    を添加して反応槽に循環させる循環路とを有するフッ素
    除去装置。
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