JP3194121B2 - 表面品質の優れた超深絞り用冷延鋼板の製造方法 - Google Patents

表面品質の優れた超深絞り用冷延鋼板の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、表面品質の優れた超深
絞り用冷延鋼板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】超深絞り用冷延鋼板は、自動車のフェン
ダーのように厳しい深絞り性が要求される外板パネルに
も多く使われ、超深絞り性の他に、スリーバ疵のような
表面欠陥のない表面品位にも優れていることが不可欠の
条件である。また同時に製造コストが安いということも
前提条件である。本発明は、このような厳しい深絞り性
が要求される用途にも適用できる表面品質の優れた超深
絞り用冷延鋼板の製造方法に関するものである。
【0003】従来技術としては、例えば特開昭63−2
10243号公報記載の方法がある。同公報記載の方法
は、鋼の組成を限定し、加熱途中に30分以上5時間以
下のステップ焼鈍付きの箱焼鈍を行うことで超加工性冷
延鋼板を製造する方法であるが、表面品質に関しては何
も言及されていないし技術の開示もなく、さらに焼鈍方
法が加熱途中に30分以上5時間以下のステップ焼鈍付
きの箱焼鈍法であるから、生産性、製造コストにおいて
課題のある技術でもあり、本発明が目的とする「厳しい
深絞り性が要求される用途にも適用できる表面品質の優
れた超深絞り用冷延鋼板」を安価な製造コストで製造す
る方法については開示されていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、製造コストが安く、より厳しい深絞り性が
要求される用途にも適用できる表面品質の優れた超深絞
り用冷延鋼板の製造方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、製造コス
トが安く、より厳しい深絞り性が要求される用途にも適
用できる表面品質の優れた超深絞り用冷延鋼板の製造方
法を提供すべく、鋭意検討を行い本発明を完成したもの
であり、その要旨とするところは下記のとおりである。
【0006】(1)C:0.0005〜0.0025w
t%、Si:≦0.30wt%、Mn:0.01〜0.
08wt%、好ましくは0.01〜0.05wt%、
P:0.006〜0.030wt%、S:≦0.005
wt%、sol.Al:0.015〜0.100wt
%、N:0.0005〜0.0100wt%、Ti:
0.020超〜0.080wt%を含み、残部は鉄およ
び不可避的不純物よりなる鋳片を、加熱炉に装入し、1
130℃以上1240℃以下の温度に加熱し、Ar3
以上で仕上圧延を行い、700〜800℃で巻取って熱
延鋼帯とし、冷間圧延を行い、連続焼鈍法で再結晶温度
〜890℃に加熱し再結晶焼鈍を行い、焼鈍板を造り、
次いで0.3〜2.0%の調質圧延を行うことを特徴と
する表面品質の優れた超深絞り用冷延鋼板の製造方法。
【0007】(2)出発鋼に、さらにB:0.0002
〜0.0010wt%を含有させて優れた二次加工性を
も付与することを特徴とする前項1記載の表面品質の優
れた超深絞り用冷延鋼板の製造方法。以下に本発明につ
いて詳細に述べる。本発明が対象とするようなTi添加
の極低炭素鋼の鋳片は、スリーバー疵等の表面疵が多
く、自動車外板のような優れた表面品質が要求されるよ
うな用途に向ける場合は、鋳片の表面手入れとか、或い
は高温スラブ加熱によってスラブ表面の疵部をスケール
オフするなどの何らかの表面疵防止対策が必須である。
一方、深絞り性を向上させる手段として、例えば、CA
MP−ISIJ Vol.3(1990),P.176
9(以下文献1)のFig.2に示されているように、
スラブの加熱温度を1000〜1050℃とすることで
顕著にr値やElが向上することが周知であり、また特
開昭62−54058号公報には実施例として940〜
1000℃のような極低温スラブ加熱を行う熱延方法が
示されている如く、本発明が意図するような超深絞り用
の冷延鋼板を製造する場合には極低温スラブ加熱が極め
て重要な要素となっている。従って、現状では優れた表
面品質を有する超深絞り用の冷延鋼板を製造する場合に
は、先ずスラブ表面の全面手入れを行って表面疵を除去
した後、極低温スラブ加熱を行い、深絞り性を確保する
方法がとられているのであるが、スラブの表面手入れの
ための製造コストが多大となると言う問題点を有してい
る。
【0008】本発明者等は、安価で優れた表面品質を有
し、かつ超深絞り性をも確保するという両方の品質特性
を両立させる製造方法について種々検討した。両立させ
る方法は二通りあり、一つは優れた表面品質が得られる
ように連続鋳造条件を工夫する方法であり、他方は優れ
た表面品質が得られる高温スラブ加熱でも超深絞り性が
得られるようにメタラジー条件を工夫する方法である。
【0009】本発明者等は、これらの両方法について種
々検討し、後者の「優れた表面品質が得られる高温スラ
ブ加熱でも超深絞り性が得られるようにメタラジー条件
を工夫する方法」を基本にして、本発明を完成した。本
発明者等は、先ず最初に上記文献1に示されている「T
iCが析出すると微細な析出物となるので、低温スラブ
加熱を行いTi4 2 2 を析出させることでr値が向
上する」ことに着目し、よりTi4 2 2 が析出し易
いように、Sを添加する方法を検討した。その結果、期
待に反してr値は低下し、かつ高温スラブ加熱時は大き
くr値が低下することがわかり、この方法では高温スラ
ブ加熱化ができないことがわかった。しかし、この実験
から、Mn量が低く、かつS量も低めの鋼はスラブ加熱
温度の感受性が小さそうだという新しい知見を見出すこ
とができた。
【0010】そこで、本発明者等はこのことに着目して
極低MnベースでS量とスラブ加熱温度とを変化させ、
実験を行い、図1に示す結果を得た。図1は、C:0.
0015wt%、Mn:0.04wt%、P:0.00
6wt%、S:0.003wt%、sol.Al:0.
038wt%、N:0.0014wt%、Ti:0.0
35wt%を含む鋼(A)と、比較鋼としてMn:0.
15wt%、S:0.017wt%の他は、成分組成が
ほぼ同一である鋼(B)とを用い、スラブ加熱温度を変
化させ、770℃で巻取り、熱延板を製造し、連続焼鈍
法で840℃で再結晶焼鈍し、0.8%の調質圧延を施
し、冷延鋼板を製造し、表面疵の発生率と、平均r値
(以下単にr値という)を調査した結果を図に示したも
のである。
【0011】本実験の結果、本発明の鋼成分範囲の鋼
(A)は、従来成分系の比較鋼(B)に比べ、スラブ加
熱温度の影響が全く異なっており、スラブ加熱温度を1
130〜1240℃の温度範囲まで上昇させても、材質
劣化が全く認められないと言う全く新しい知見を得るこ
とができた。また、本発明のスラブ加熱温度範囲では、
表面疵の発生が殆どなく、厳しい表面品質が要求される
自動車外板にもスラブの表面手入れ無しで製造できるこ
とも確認することができた。
【0012】なお、鋼(A)の場合、1050℃スラブ
加熱温度の場合に、鋼(B)のように、r値が向上しな
かったのは、鋼(A)では熱延板の結晶粒径が粗大化傾
向となっていたことに起因していると考えられる。即
ち、一般に熱延板の結晶粒径が粗大化した場合にr値が
低下することが知られており、鋼(A)の場合は、S量
が少ないためにTiS系の析出物の総量が少ない上に、
低温スラブ加熱を行うと析出物のサイズが大きくなる結
果、熱延板の結晶粒の粗大化を阻止するためのインヒビ
ターとしてのTiS系析出物の個数が少なくなり過ぎた
こと、さらにはMn量が極めて少なすぎることとも重な
って、熱延板の結晶粒径が大きくなりr値が逆に低下し
たものと推定される。
【0013】以下に本発明対象鋼の化学成分組成の限定
理由について詳細に述べる。Cは、超深絞り性を確保す
る上で重要な元素で、0.0025wt%超になると、
r値が低下し、厳しい深絞り性が要求されるような用途
への適用ができなくなるので、0.0025wt%以下
に規制する必要がある。また、C量が0.0005wt
%未満の鋼を製造するには製鋼での真空脱ガスによる脱
炭時間が非常に長くなりコストが掛かりすぎるようにな
るので、Cの下限を0.0005wt%に規制した。
【0014】Si,Pは、何れも含有量が多くなると、
Elを低下させたり、r値を劣化させ超深絞り性が得ら
れなくなるようになるので、Si≦0.30wt%、
P:0.006〜0.030wt%に規制する必要があ
る。Mnは、本発明においてSと共に極めて重要な元素
であり、極低Mn化することにより、極低S化効果(ス
ラブ加熱温度を高くしてもr値が低下せず超深絞り性が
得られると言う効果)が助長できる。その効果は0.0
8wt%以下になると得られるようになり、さらに、
0.05wt%以下になるとより優れた深絞り性が得ら
れる。従って、Mn含有量は上限値を0.08wt%、
好ましくは0.05wt%に規制する必要がある。な
お、Mn含有量を0.01wt%未満にすることは通常
の製鋼法では困難であるので下限値を0.01wt%と
した。
【0015】Sは、本発明の最も重要な元素で、S含有
量を0.005wt%以下に規制することによって、図
1に示すように、優れた表面品質と超深絞り性とが両立
して得られるようになるのである。従って、上限値を
0.005wt%に規制した。なお、下限値は、いくら
少なくても障害にならないので特に規制する必要がな
い。
【0016】sol.Alは、溶鋼中のフリー酸素を脱
酸するのに必要であり、sol.Al量が0.015w
t%未満では脱酸不足による鋳片表層部のスキンホール
起因の表面疵の発生が防止できなくなるので、下限値を
0.015wt%とした。また、0.100wt%超に
なると鋳造時に溶鋼の空気酸化が起こり易くなり介在物
量が増え、加工性や、表面疵も増加するようになるので
0.100wt%を上限値とした。
【0017】Nは、TiによってTiNとして固定され
無害化がなされるが、0.0100wt%超になるとT
iNが多くなりすぎr値が劣化するようになるので、上
限値を0.0100wt%とした。なお、通常の製鋼法
では0.0005wt%未満にすることは困難であるの
で下限値を0.0005wt%とした。Tiは、NやC
をTiNやTiC系の析出物として固定し、非時効性や
深絞り性を確保するのに必要な元素であり、Ti含有量
が0.020%以下になると超深絞り性が得られなくな
るので、下限値を0.020%超に規制する必要があ
る。また、0.080wt%超になると鋳造時に溶鋼の
空気酸化が起こり易くなり介在物量が増え、加工性や、
表面疵も増加するようになるので0.080wt%を上
限値とした。
【0018】Bは、特に耐二次加工性が要求されない用
途に用いる場合は添加する必要はないが、耐二次加工性
が要求される用途に用いる場合は、B量を:0.000
2〜0.0010wt%の範囲で添加すればよい。以
下、その他の製造条件について詳細に述べる。鋳片の製
造条件は各請求項の鋼の成分が得られる方法であればど
のような方法でもよく、特に規制する必要はない。
【0019】熱延条件は本発明のポイントの1つで、優
れた表面品質と超深絞り性とを両立させるために、スラ
ブの加熱温度を1130〜1240℃の範囲に規制する
必要がある。スラブ加熱温度が1130℃未満ではスラ
ブ表面のスケールオフ量が十分でないため鋳片に表面疵
が残存し、製品(冷延鋼板)に表面疵が多発することに
なってしまう。一方、スラブ加熱温度が1240℃超に
なると図1に示すようにr値が劣化するようになるが、
これはスラブ加熱温度があまりにも高すぎるため加熱時
の結晶粒の成長が著しくなりすぎ、その結果熱延板の結
晶粒径が粗大となったためと推察される。
【0020】熱延の仕上温度は特に規制する必要がなく
通常の条件であるAr3以上で仕上圧延を行えばよい。
巻取温度はCをTiC系析出物として大きく析出させる
必要があるので、700℃以上で巻取る必要がある。ま
た、巻取温度が800℃超になるとスケール厚みが厚く
なりすぎ酸洗時に十分に除去できず、最終製品にスケー
ル疵となって現れるようになるので、上限値を800℃
に規制する必要がある。
【0021】冷間圧延は特に規制する必要がなく通常の
方法でよい。連続焼鈍方法は特に規制する必要がなく、
通常行われているように再結晶温度〜890℃に加熱し
再結晶焼鈍を行い、その後室温まで冷却する方法でよ
い。なお、本発明の製造法では熱延板の状態でCはTi
C系析出物として完全に固定されているので、過時効処
理は必要がないが、過時効処理を行っても何等差し支え
がない。なお、焼鈍温度は、再結晶温度未満では十分な
r値が得られず、890℃超では良好な形状の鋼板が得
られないので、再結晶温度〜890℃に規制した。
【0022】調質圧延は、0.3%未満では十分な形状
矯正能力が得られず、良好な形状が得られなくなるので
下限値を0.3%とした。また、2.0%超では延性の
劣化が大きくなりすぎるので上限値を2.0%に規制す
る必要がある。
【0023】
【実施例】以下に本発明の効果を実施例により説明す
る。表1に示す成分の鋳片を造り、表2に示す連続熱延
条件で板厚4.0mmの熱延板を製造し、酸洗後板厚
0.75mmに冷間圧延を行い、連続焼鈍法で表2に示
す焼鈍温度で再結晶焼鈍を行い、0.8%の調質圧延を
施して冷延鋼板を製造した。製造した冷延鋼板の材質を
調査し、表2に示す。
【0024】Y.P、T.S、El、r値は調質圧延後
の特性値、YP−Elは100℃×1Hrの時効処理を
施した後の値、二次加工性は絞り比2.52でカップを
絞り−40℃でカップを押しつぶしたときの脆性破断の
長さで評価し、全く割れなかったものを◎、5mm以下
のものを○、それ以上を×として評価した。また、表面
疵の検査を行い、表2に疵評価結果として表示した。
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】鋼A,C,Dは、何れも本発明の成分範囲
内の鋼である。鋼Aは、Mn含有量が0.03wt%と
好ましい極低Mn含有量の範囲で、Bを添加しない請求
項1の成分の鋼である。鋼Cは、Mn含有量が0.07
wt%の範囲で、Bを添加しない請求項1の成分の鋼の
例である。
【0028】鋼Dは、Mn含有量が0.04wt%と好
ましい極低Mn含有量の範囲で、本発明の請求項2にし
たがってBを添加し、優れた二次加工性をも付加する鋼
成分の例である。鋼E,Fは、比較例で本発明の成分範
囲を外れた例で、鋼EはMn含有量が0.22wt%
と、鋼FはS含有量が0.020wt%と高すぎた鋼成
分の例である。
【0029】鋼Gは、Mn,S含有量がそれぞれ0.1
9wt%、0.018wt%と通常工業的に行われてい
る従来成分系の例である。鋼Hは、前述の超加工性冷延
鋼板を製造する特開昭63−210243号公報の鋼成
分範囲の例で、C,Mn,P,S,Ti含有量が同公報
記載の鋼の成分範囲を満足するが、本発明のMn,S,
Ti含有量の成分範囲を外れる従来法の成分に準じた鋼
成分の例である。
【0030】試料1,2,3は、Mn含有量が0.03
wt%と好ましい極低Mnの本発明の鋼の成分範囲の鋼
Aのスラブを、加熱温度を変えて熱間圧延を行い、加熱
温度の影響を比較した実施例で、試料1は1050℃
と、試料3は1260℃と本発明のスラブ加熱温度の範
囲を外れた比較例で、試料2は1180℃と本発明の実
施例である。本発明の実施例である試料2は深絞り性を
示すr値、表面品質、共に優れた特性を有する超深絞り
用冷延鋼板が得られている。一方、比較例であるスラブ
加熱温度が本発明の範囲を低く外れている試料1は表面
疵が、スラブ加熱温度が高く外れている試料3はr値
が、それぞれ不十分な特性値しか得られていない。
【0031】試料5は、Mn含有量が0.07wt%で
ある本発明対象鋼の成分範囲の鋼Cを、試料2と同じ条
件で製造した本発明の実施例で、2.34のr値が得ら
れており、Mn含有量が本発明の範囲の0.08wt%
以下であれば、優れた深絞り性が得られることがわか
る。なお、Mn含有量が好ましい範囲の実施例の試料
2,6は、試料5より優れたr値が得られており、本発
明のMn含有量の好ましい範囲にMn含有量を規制する
ことによって、より優れた深絞り性が得られることがわ
かる。
【0032】試料6は、B含有量を0.0003wt%
とした本発明の請求項2の実施例で、優れた二次加工性
をも有する超深絞り用冷延鋼板が得られている。試料
7,8は、比較例で、試料7はMn含有量が0.22w
t%と、試料8はS含有量が0.020wt%と、本発
明の範囲を高く外れた比較例で、何れもr値が本発明の
実施例のものに比べ劣っている。
【0033】試料9は、Mn含有量が0.19wt%、
S含有量が0.018wt%と、本発明の範囲を高く外
れた従来から製造されている連続焼鈍用の深絞り用冷延
鋼板の成分範囲の従来例で、r値が本発明の実施例のも
のに比べ劣っている。試料10は、前述の超加工性冷延
鋼板を製造する方法を開示した特開昭63−21024
3号公報に示された成分範囲の例で、C,Mn,P,
S,Ti含有量が同公報記載の鋼の成分範囲を満足する
が、本発明のMn,S,Ti含有量の成分範囲を外れる
従来法の成分に準じた鋼成分の例で、r値が本発明の実
施例に比べ大きく劣っている。これは同公報記載のもの
がステップ加熱付きの箱焼鈍法用の鋼成分を前提として
いるのに対し、本発明の焼鈍条件が連続焼鈍法であるこ
とに起因しているものと推定される。
【0034】以上の実施例の結果から明らかなように、
本発明の請求項1記載の製造方法によって表面品質の優
れた超深絞り用冷延鋼板が、請求項2記載の製造方法に
よって耐二次加工性に優れた特性をも付与することがで
き、本発明は工業的価値が極めて高いことがわかる。な
お、本発明を、電気亜鉛メッキ等の各種の表面処理鋼板
の原板の製造方法において、また溶融亜鉛メッキ鋼板の
製造方法において適用しても同様な効果が奏される。
【0035】
【発明の効果】以上、詳細に説明したとおり、本発明に
よれば、安価に表面品質の優れた超深絞り用冷延鋼板を
製造できるので、その工業的価値はきわめて大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】S含有量並びにスラブ加熱温度とr値、表面疵
発生率との関係を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大西 博和 兵庫県姫路市広畑区富士町1番地 新日 本製鐵株式会社広畑製鐵所内 (72)発明者 大貫 一雄 兵庫県姫路市広畑区富士町1番地 新日 本製鐵株式会社広畑製鐵所内 (72)発明者 田中 俊一 兵庫県姫路市広畑区富士町1番地 新日 本製鐵株式会社広畑製鐵所内 (56)参考文献 特開 平1−177322(JP,A) 特開 平6−158175(JP,A) 特開 平3−170618(JP,A) 特開 平5−239554(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C21D 9/46 - 9/48 C21D 8/04 C22C 38/00 - 38/60

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 C:0.0005〜0.0025wt
    %、Si:≦0.30wt%、Mn:0.01〜0.0
    8wt%、P:0.006〜0.030wt%、S:≦
    0.005wt%、sol.Al:0.015〜0.1
    00wt%、N:0.0005〜0.0100wt%、
    Ti:0.020超〜0.080wt%を含み、残部は
    鉄および不可避的不純物よりなる鋳片を、加熱炉に装入
    し、1130℃以上1240℃以下の温度に加熱し、A
    3 点以上で仕上圧延を行い、700〜800℃で巻取
    って熱延鋼帯とし、冷間圧延を行い、連続焼鈍法で再結
    晶温度〜890℃に加熱し再結晶焼鈍を行い、焼鈍板を
    造り、次いで0.3〜2.0%の調質圧延を行うことを
    特徴とする表面品質の優れた超深絞り用冷延鋼板の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 出発鋼に、さらにB:0.0002〜
    0.0010wt%を含有させて優れた二次加工性をも
    付与することを特徴とする請求項1記載の表面品質の優
    れた超深絞り用冷延鋼板の製造方法。
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