JP3193361B2 - 工作機械用ワイパー - Google Patents
工作機械用ワイパーInfo
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- JP3193361B2 JP3193361B2 JP29030299A JP29030299A JP3193361B2 JP 3193361 B2 JP3193361 B2 JP 3193361B2 JP 29030299 A JP29030299 A JP 29030299A JP 29030299 A JP29030299 A JP 29030299A JP 3193361 B2 JP3193361 B2 JP 3193361B2
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- sliding
- machine tool
- fiber material
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- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B23—MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- B23Q—DETAILS, COMPONENTS, OR ACCESSORIES FOR MACHINE TOOLS, e.g. ARRANGEMENTS FOR COPYING OR CONTROLLING; MACHINE TOOLS IN GENERAL CHARACTERISED BY THE CONSTRUCTION OF PARTICULAR DETAILS OR COMPONENTS; COMBINATIONS OR ASSOCIATIONS OF METAL-WORKING MACHINES, NOT DIRECTED TO A PARTICULAR RESULT
- B23Q11/00—Accessories fitted to machine tools for keeping tools or parts of the machine in good working condition or for cooling work; Safety devices specially combined with or arranged in, or specially adapted for use in connection with, machine tools
- B23Q11/08—Protective coverings for parts of machine tools; Splash guards
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B23—MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- B23Q—DETAILS, COMPONENTS, OR ACCESSORIES FOR MACHINE TOOLS, e.g. ARRANGEMENTS FOR COPYING OR CONTROLLING; MACHINE TOOLS IN GENERAL CHARACTERISED BY THE CONSTRUCTION OF PARTICULAR DETAILS OR COMPONENTS; COMBINATIONS OR ASSOCIATIONS OF METAL-WORKING MACHINES, NOT DIRECTED TO A PARTICULAR RESULT
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- B23Q11/08—Protective coverings for parts of machine tools; Splash guards
- B23Q11/0875—Wipers for clearing foreign matter from slideways or slidable coverings
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- Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Woven Fabrics (AREA)
- Lubricants (AREA)
- Cleaning In General (AREA)
- Screen Printers (AREA)
- Brushes (AREA)
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、工作機械及び産業
機械における摺動面に用いられ、摺動面の上に落ちた切
屑や切削油などを掻き取り、摺動面にこれらの切屑や切
削油が入り込むのを防ぐための工作機械用ワイパーに関
する。
機械における摺動面に用いられ、摺動面の上に落ちた切
屑や切削油などを掻き取り、摺動面にこれらの切屑や切
削油が入り込むのを防ぐための工作機械用ワイパーに関
する。
【０００２】
【従来の技術】従来、工作機械における切り粉、切削油
の除去に使用されるワイパーでは、そのリップ部の摺動
部にゴム材料が使用されているのが普通である。ゴム材
料を用いる理由は、その弾性を利用して、あらゆる方向
に対しての追従性、掻き取り能力を向上させるためであ
る。
の除去に使用されるワイパーでは、そのリップ部の摺動
部にゴム材料が使用されているのが普通である。ゴム材
料を用いる理由は、その弾性を利用して、あらゆる方向
に対しての追従性、掻き取り能力を向上させるためであ
る。
【０００３】しかし、近年切削油を使用しない（ドライ
切削ともいう）環境面を重視した工作システムや、高速
型の工作機械等が開発され、特にこのような場合、ワイ
パー摺動部のゴムの摩擦係数が高いため摩耗が激しく、
長期にわたるシール性は維持できないという問題点があ
った。
切削ともいう）環境面を重視した工作システムや、高速
型の工作機械等が開発され、特にこのような場合、ワイ
パー摺動部のゴムの摩擦係数が高いため摩耗が激しく、
長期にわたるシール性は維持できないという問題点があ
った。
【０００４】上記対策として、摺動部に薄肉バネ鋼を用
いたワイパーが提案されているが、その薄さのために、
段ボールに収容して輸送する際に、変形する場合があっ
て取り扱いが不便であり、また使用時には飛散した切り
粉の衝突、衝撃によってバネ鋼の反り等が起こってシー
ル性が低下するという問題があった。また、バネ鋼は金
属材料であるので、摺動面を損傷してしまう、錆が生じ
る等の問題点もあった。
いたワイパーが提案されているが、その薄さのために、
段ボールに収容して輸送する際に、変形する場合があっ
て取り扱いが不便であり、また使用時には飛散した切り
粉の衝突、衝撃によってバネ鋼の反り等が起こってシー
ル性が低下するという問題があった。また、バネ鋼は金
属材料であるので、摺動面を損傷してしまう、錆が生じ
る等の問題点もあった。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の欠点
を解消するためになされたものであり、その目的とする
ところは、リップ部の摩耗抵抗が小さく、摩耗量が少な
い工作機械用ワイパーを提供することにある。
を解消するためになされたものであり、その目的とする
ところは、リップ部の摩耗抵抗が小さく、摩耗量が少な
い工作機械用ワイパーを提供することにある。
【０００６】本発明の他の目的は、切り粉の衝突や衝撃
によって破壊したり、摺動面の損傷等を生じることがな
い工作機械用ワイパーを提供することにある。
によって破壊したり、摺動面の損傷等を生じることがな
い工作機械用ワイパーを提供することにある。
【０００７】
【課題を解決するための手段】本発明の工作機械用ワイ
パーは、摺動面に対して相対的に移動する工作機械に取
り付けられる取付部と、該取付部に一体的に形成された
弾性材料からなるワイパー本体と、を有し、該ワイパー
本体のリップ部が該摺動面に摺動し得る工作機械用ワイ
パーにおいて、該ワイパー本体のリップ部が繊維材料で
被覆され、該ワイパー本体の少なくともリップ部の摺動
面側に繊維材料が設けられおり、そのことにより上記目
的が達成される。
パーは、摺動面に対して相対的に移動する工作機械に取
り付けられる取付部と、該取付部に一体的に形成された
弾性材料からなるワイパー本体と、を有し、該ワイパー
本体のリップ部が該摺動面に摺動し得る工作機械用ワイ
パーにおいて、該ワイパー本体のリップ部が繊維材料で
被覆され、該ワイパー本体の少なくともリップ部の摺動
面側に繊維材料が設けられおり、そのことにより上記目
的が達成される。
【０００８】一つの実施態様においては、前記繊維材料
が、芳香族ポリアミド、脂肪族ポリアミドおよびポリエ
ステルからなる群から選択される少なくとも一種から形
成されている。
が、芳香族ポリアミド、脂肪族ポリアミドおよびポリエ
ステルからなる群から選択される少なくとも一種から形
成されている。
【０００９】
【００１０】また、本発明の他の工作機械用ワイパー
は、摺動面に対して相対的に移動する工作機械に取り付
けられる取付部と、該取付部に一体的に形成された弾性
材料からなるワイパー本体と、を有し、該ワイパー本体
のリップ部が該摺動面に摺動し得る工作機械用ワイパー
において、該ワイパー本体の少なくともリップ部の摺動
面側に、織布又は編布からなり、その厚みが０．２５mm
以上である、繊維材料が設けられおり、そのことにより
上記目的が達成される。
は、摺動面に対して相対的に移動する工作機械に取り付
けられる取付部と、該取付部に一体的に形成された弾性
材料からなるワイパー本体と、を有し、該ワイパー本体
のリップ部が該摺動面に摺動し得る工作機械用ワイパー
において、該ワイパー本体の少なくともリップ部の摺動
面側に、織布又は編布からなり、その厚みが０．２５mm
以上である、繊維材料が設けられおり、そのことにより
上記目的が達成される。
【００１１】一つの実施態様においては、前記繊維材料
を構成する糸の太さが１００デニール以上である。
を構成する糸の太さが１００デニール以上である。
【００１２】一つの実施態様においては、前記繊維材料
を構成する糸の摩擦係数が、０．１〜０．３である。
を構成する糸の摩擦係数が、０．１〜０．３である。
【００１３】本発明の作用は以下の通りである。
【００１４】ワイパー本体の少なくともリップ部の摺動
面に繊維材料が設けられていることにより、摺動面との
摩擦係数が下がり摩耗量が軽減されるため、長期にわた
るシール性の持続が可能となる。さらに、摩擦係数が下
がったことから、高速摺動も可能となる。また、摺動部
が繊維材料で形成されることにより、金属材料を摺動部
としたときに見られる摺動面の傷等がつかず、また切り
粉の衝突、衝撃による反り等の製品不良も起こらない。
面に繊維材料が設けられていることにより、摺動面との
摩擦係数が下がり摩耗量が軽減されるため、長期にわた
るシール性の持続が可能となる。さらに、摩擦係数が下
がったことから、高速摺動も可能となる。また、摺動部
が繊維材料で形成されることにより、金属材料を摺動部
としたときに見られる摺動面の傷等がつかず、また切り
粉の衝突、衝撃による反り等の製品不良も起こらない。
【００１５】また、高速摺動により摩耗される繊維材料
（繊維層）の厚みが薄い場合、その上の層であるゴム等
の弾性材料からなるワイパー本体が表面に出てくるた
め、摩擦抵抗が高くなると共に摩耗が急激に激しくな
る。
（繊維層）の厚みが薄い場合、その上の層であるゴム等
の弾性材料からなるワイパー本体が表面に出てくるた
め、摩擦抵抗が高くなると共に摩耗が急激に激しくな
る。
【００１６】これに対して、特に、繊維材料（原反織布
等）の厚みを、０．５mm以上（特に１mm以上）あるいは
繊維材料を構成する糸の太さを１００デニール以上（特
に、摺動方向と直交する方向に長い横糸の太さを４００
デニール以上）とすることにより、高速摺動における寿
命を延ばすことができる。
等）の厚みを、０．５mm以上（特に１mm以上）あるいは
繊維材料を構成する糸の太さを１００デニール以上（特
に、摺動方向と直交する方向に長い横糸の太さを４００
デニール以上）とすることにより、高速摺動における寿
命を延ばすことができる。
【００１７】
【発明の実施の形態】以下に本発明を図面を参照して説
明する。
明する。
【００１８】図１に示すように、本発明の工作機械用ワ
イパー１は、機台表面やカバー表面等のような摺動面１
４に対して相対的に往復移動する工作機械に取り付けら
れる取付部３と、該取付部３に一体的に形成された弾性
材料からなるワイパー本体１０と、を有している。
イパー１は、機台表面やカバー表面等のような摺動面１
４に対して相対的に往復移動する工作機械に取り付けら
れる取付部３と、該取付部３に一体的に形成された弾性
材料からなるワイパー本体１０と、を有している。
【００１９】取付部３は芯金とも呼ばれるもので、通常
は金属材料にて形成されている。
は金属材料にて形成されている。
【００２０】ワイパー本体１０は横幅方向に長い長尺部
材で形成されている。ワイパー本体１０の下端部に形成
されるリップ部１１は、先端側になるにつれて順次厚み
が小さくなるように形成されている。ワイパー本体１０
は、ＮＢＲ、ウレタンゴム、フッ素ゴム、Ｈ−ＮＢＲ等
の弾性材料から形成され、耐油性を有し、硬度が７０度
〜９０度（通常は７０度）の範囲内で適度の弾性を有す
るものが好ましく選定される。
材で形成されている。ワイパー本体１０の下端部に形成
されるリップ部１１は、先端側になるにつれて順次厚み
が小さくなるように形成されている。ワイパー本体１０
は、ＮＢＲ、ウレタンゴム、フッ素ゴム、Ｈ−ＮＢＲ等
の弾性材料から形成され、耐油性を有し、硬度が７０度
〜９０度（通常は７０度）の範囲内で適度の弾性を有す
るものが好ましく選定される。
【００２１】該ワイパー本体１０の少なくともリップ部
１１は繊維材料５で被覆されている。
１１は繊維材料５で被覆されている。
【００２２】この繊維材料５としては、脂肪族ポリアミ
ド、芳香族ポリアミド、ポリエステル等の合成繊維、天
然繊維、ガラス繊維、比較的硬度の低い金属繊維維等の
一種または二種以上を使用することができるが、脂肪族
ポリアミド、芳香族ポリアミド、ポリエステル等の合成
繊維が好ましい。その繊維材料５の形態としては、織
布、編布等があり、織布が特に好ましい。
ド、芳香族ポリアミド、ポリエステル等の合成繊維、天
然繊維、ガラス繊維、比較的硬度の低い金属繊維維等の
一種または二種以上を使用することができるが、脂肪族
ポリアミド、芳香族ポリアミド、ポリエステル等の合成
繊維が好ましい。その繊維材料５の形態としては、織
布、編布等があり、織布が特に好ましい。
【００２３】図９に示すように、繊維材料５が織布や編
布の形態で使用される場合、繊維材料の厚みＷは０．２
５mm〜２．０mmが好ましく、さらに好ましくは０．５mm
〜１．５mmであり、特に好ましくは０．５〜１．０mmで
ある。また、繊維材料に使用する繊維の太さは５０デニ
ール〜５００デニールが好ましく、さらに好ましくは１
００デニール〜４５０デニールである。
布の形態で使用される場合、繊維材料の厚みＷは０．２
５mm〜２．０mmが好ましく、さらに好ましくは０．５mm
〜１．５mmであり、特に好ましくは０．５〜１．０mmで
ある。また、繊維材料に使用する繊維の太さは５０デニ
ール〜５００デニールが好ましく、さらに好ましくは１
００デニール〜４５０デニールである。
【００２４】特に、織布や編布の横糸５ａがリップ部１
１の摺動方向に対して直交するように繊維材料５をリッ
プ部１１の摺動面側に設ける場合、その横糸５ａの太さ
は８０デニール〜５００デニールが好ましく、さらに好
ましくは１００デニール〜４５０デニールである。縦糸
５ｂの太さは横糸５ａの太さの半分程度でよく、例え
ば、４０デニール〜２５０デニールが好ましく、さらに
好ましくは５０デニール〜２００デニールである。
１の摺動方向に対して直交するように繊維材料５をリッ
プ部１１の摺動面側に設ける場合、その横糸５ａの太さ
は８０デニール〜５００デニールが好ましく、さらに好
ましくは１００デニール〜４５０デニールである。縦糸
５ｂの太さは横糸５ａの太さの半分程度でよく、例え
ば、４０デニール〜２５０デニールが好ましく、さらに
好ましくは５０デニール〜２００デニールである。
【００２５】このように、横糸５ａの太さを縦糸５ｂに
比べて大きくすることにより、高速摺動における長寿命
化を図ることができる。また、リップ部１１のこしの剛
性を向上させすぎると、ワイパー自体の硬度が向上し、
それに伴いリップ部１１の押し付け力が大きくなるが、
縦糸５ｂの太さを横糸５ａに比べて細くすることによ
り、このような問題を防ぐことができ、さらにリップエ
ッジ線状のスケールで考えた場合、摺動面との繊維接触
面積が向上し寿命延長が期待される。
比べて大きくすることにより、高速摺動における長寿命
化を図ることができる。また、リップ部１１のこしの剛
性を向上させすぎると、ワイパー自体の硬度が向上し、
それに伴いリップ部１１の押し付け力が大きくなるが、
縦糸５ｂの太さを横糸５ａに比べて細くすることによ
り、このような問題を防ぐことができ、さらにリップエ
ッジ線状のスケールで考えた場合、摺動面との繊維接触
面積が向上し寿命延長が期待される。
【００２６】また、繊維材料５は接着処理されたり、ゴ
ム含浸処理されたものを用いてもよい。
ム含浸処理されたものを用いてもよい。
【００２７】繊維材料５は、ワイパー本体１０のリップ
部１１下面に接着剤等を用いて積層接着したり、加硫接
着することができる。
部１１下面に接着剤等を用いて積層接着したり、加硫接
着することができる。
【００２８】繊維材料５は図１に示すように、リップ部
１１を覆いさらにワイパー本体１０の側面を覆うように
ワイパー本体１０に被覆してもよい。また、図２および
図３に示すように、ワイパー本体１０のリップ部１１の
下面及び上面とワイパー本体１０の側面を被覆するよう
にしてもよい。
１１を覆いさらにワイパー本体１０の側面を覆うように
ワイパー本体１０に被覆してもよい。また、図２および
図３に示すように、ワイパー本体１０のリップ部１１の
下面及び上面とワイパー本体１０の側面を被覆するよう
にしてもよい。
【００２９】さらに、図１０に示すように、リップ部１
１の下面（摺動面）に繊維材料５を設けるようにしても
よい。
１の下面（摺動面）に繊維材料５を設けるようにしても
よい。
【００３０】このように、繊維材料５で弾性材料（例え
ば、ゴム）からなるワイパー本体１０のリップ部１１を
保護することによって、摺動面１４との摩擦係数が従来
のゴムで形成した場合に比べて下がり、摩耗量が軽減さ
れるため、長期にわたるシール性の持続が可能となる。
また、金属材料を摺動部とした従来のワイパーは、摺動
抵抗こそ低いものの、実際の摺動において、切り粉の漏
れ量が本発明のワイパーよりも多いものである。これ
は、剛性の高い金属材料を摺動部に用いるよりもゴムの
弾性を利用し、かつ摺動抵抗を現行のものより軽減させ
た材料を摺動部材とした方が、シール性は優れているこ
とを示している。この点で、織布等の合成繊維は摩擦係
数が低く（通常は０．１〜０．３）、またそれ自体が変
形可能であり、ゴムの弾性変形を阻害しないので、シー
ル性を損なうことなく摺動可能である。
ば、ゴム）からなるワイパー本体１０のリップ部１１を
保護することによって、摺動面１４との摩擦係数が従来
のゴムで形成した場合に比べて下がり、摩耗量が軽減さ
れるため、長期にわたるシール性の持続が可能となる。
また、金属材料を摺動部とした従来のワイパーは、摺動
抵抗こそ低いものの、実際の摺動において、切り粉の漏
れ量が本発明のワイパーよりも多いものである。これ
は、剛性の高い金属材料を摺動部に用いるよりもゴムの
弾性を利用し、かつ摺動抵抗を現行のものより軽減させ
た材料を摺動部材とした方が、シール性は優れているこ
とを示している。この点で、織布等の合成繊維は摩擦係
数が低く（通常は０．１〜０．３）、またそれ自体が変
形可能であり、ゴムの弾性変形を阻害しないので、シー
ル性を損なうことなく摺動可能である。
【００３１】ワイパー本体１０のリップ部１１の外面に
は繊維材料５が接着されていて、この繊維材料５が摺動
面１４に摺接するために、ワイパー摺動部の摩擦抵抗を
下げ、摩耗を軽減させ、また摺動面１４を損傷すること
がない。
は繊維材料５が接着されていて、この繊維材料５が摺動
面１４に摺接するために、ワイパー摺動部の摩擦抵抗を
下げ、摩耗を軽減させ、また摺動面１４を損傷すること
がない。
【００３２】次に、本発明のワイパーの製造法の一例を
説明する。
説明する。
【００３３】金型内の適所に繊維材料５（例えば、合成
樹脂繊維の織布）を配置して、金型内に未加硫ゴムを充
填し、この未加硫ゴムを加硫してワイパー本体１０を形
成すると同時に繊維材料５をワイパー本体１０に加硫接
着する。ここで、未加硫ゴムの一部が繊維材料５に含浸
あるいは繊維材料５の編み目を通過した状態で加硫する
ためにワイパー本体１０と繊維材料５が一体となり接着
強度が向上する。
樹脂繊維の織布）を配置して、金型内に未加硫ゴムを充
填し、この未加硫ゴムを加硫してワイパー本体１０を形
成すると同時に繊維材料５をワイパー本体１０に加硫接
着する。ここで、未加硫ゴムの一部が繊維材料５に含浸
あるいは繊維材料５の編み目を通過した状態で加硫する
ためにワイパー本体１０と繊維材料５が一体となり接着
強度が向上する。
【００３４】なお、本発明は、図１〜図３に示すよう
に、工作機械および産業機械が稼働する際に発生する切
削屑およびクーラントを除去するために、種々サイズや
形状の異なるワイパーに適用することができる。
に、工作機械および産業機械が稼働する際に発生する切
削屑およびクーラントを除去するために、種々サイズや
形状の異なるワイパーに適用することができる。
【００３５】
【実施例】次に、本発明を実施例に基づいて具体的に説
明する。
明する。
【００３６】はじめに以下の実施例で使用するワイパー
の評価方法を説明する。
の評価方法を説明する。
【００３７】（１）ワイパー押付力測定方法 Ａ．試験方法 図４に試験機の形状を示す。図中、６はロードセル、７
はサドル、１はワイパーを示す。
はサドル、１はワイパーを示す。
【００３８】サドル７にワイパー１を固定し、ワイパー
１を下降して、ワイパー１のリップ部１１の先端がロー
ドセル６の表面に接触したところから、さらにワイパー
１をロードセル６側へ規定値の０．５mm押し付ける。そ
の時にかかる力をロードセル６が感知し、その値を押付
力と定義する。通常、押付力は単位センチメートル当た
りで表す。この押付力は次項の手動抵抗測定の際に、垂
直荷重（Ｗ）として用いる。
１を下降して、ワイパー１のリップ部１１の先端がロー
ドセル６の表面に接触したところから、さらにワイパー
１をロードセル６側へ規定値の０．５mm押し付ける。そ
の時にかかる力をロードセル６が感知し、その値を押付
力と定義する。通常、押付力は単位センチメートル当た
りで表す。この押付力は次項の手動抵抗測定の際に、垂
直荷重（Ｗ）として用いる。
【００３９】Ｂ．試験条件：潤滑油なし
【００４０】（２）ワイパー摺動抵抗測定方法 Ａ．試験方法 図５に試験機の形状を示す。図中、６はロードセル、７
はサドル、１はワイパー、８は摺動ベッドを示す。
はサドル、１はワイパー、８は摺動ベッドを示す。
【００４１】ワイパー１をサドル７に固定している状態
で、摺動ベッド８が矢印の方向に動く。その際に働く水
平方向の力Ｆをロードセル６が感知する。この値と、入
力した垂直荷重Ｗの値（ワイパーを規定値０．５mm押し
付けたときの力）とから、Ｆ＝μＷの式に基づいて摩擦
係数μが算出される。
で、摺動ベッド８が矢印の方向に動く。その際に働く水
平方向の力Ｆをロードセル６が感知する。この値と、入
力した垂直荷重Ｗの値（ワイパーを規定値０．５mm押し
付けたときの力）とから、Ｆ＝μＷの式に基づいて摩擦
係数μが算出される。
【００４２】Ｆ＝μＷ ここで、Ｆは摺動抵抗(Kgf)、μは摩擦係数、Ｗは押付
力（Kgf）を示す。
力（Kgf）を示す。
【００４３】Ｂ.試験条件 潤滑油なし、 摺動速度：１０ｍ／min
【００４４】（３）ワイパー摺動試験方法 Ａ．試験方法 図６に試験体及び試験器の形状を示す。図中、７はサド
ル、１はワイパー、８は摺動ベッド、３はワイパー１の
芯金を示す。
ル、１はワイパー、８は摺動ベッド、３はワイパー１の
芯金を示す。
【００４５】ワイパー１をサドル７の両側に図のように
固定し、両ワイパー１の間に切り粉９を封入している状
態で、摺動ベッド８が往復運動する。その摺動ストロー
クより摺動距離を算出し、ワイパー１のリップ部１１か
ら漏れて摺動ベッド８の両端部にある粉量を各距離で計
測した。
固定し、両ワイパー１の間に切り粉９を封入している状
態で、摺動ベッド８が往復運動する。その摺動ストロー
クより摺動距離を算出し、ワイパー１のリップ部１１か
ら漏れて摺動ベッド８の両端部にある粉量を各距離で計
測した。
【００４６】使用したワイパー１の断面形状は規格品と
同形状とし、幅１２０mmのものを使用した。押し付け代
は規定値の０．５mmとした。（但し、バネ鋼付加タイプ
のワイパーについては、規定値３mmとした。）
同形状とし、幅１２０mmのものを使用した。押し付け代
は規定値の０．５mmとした。（但し、バネ鋼付加タイプ
のワイパーについては、規定値３mmとした。）
【００４７】Ｂ.試験条件 潤滑油 なし 摺動速度 ２５m/min 摺動ストローク ２１５mm 試験環境 室温
【００４８】（比較例１）金型内に芯金を配置すると共
に未加硫のＮＢＲを充填して加硫し、図７に示す芯金３
とワイパー本体１０とを有するワイパーを得た。
に未加硫のＮＢＲを充填して加硫し、図７に示す芯金３
とワイパー本体１０とを有するワイパーを得た。
【００４９】このワイパーを用いて、押付力、摺動抵抗
および切り粉の漏れ量を測定した。その結果を表１に示
す。
および切り粉の漏れ量を測定した。その結果を表１に示
す。
【００５０】（比較例２）ＮＢＲにてワイパー本体１０
を形成し、ワイパー本体１０のリップ部１１下面に金属
薄板１２を加硫接着して図８に示すような形状のワイパ
ー１を構成した。
を形成し、ワイパー本体１０のリップ部１１下面に金属
薄板１２を加硫接着して図８に示すような形状のワイパ
ー１を構成した。
【００５１】このワイパーを用いて、押付力、摺動抵抗
および切り粉の漏れ量を測定した。その結果を表１に示
す。
および切り粉の漏れ量を測定した。その結果を表１に示
す。
【００５２】（実施例１）金型内に芯金と合成繊維で形
成した織布を配置すると共に未加硫のＮＢＲを充填して
加硫し、図１に示す芯金とワイパー本体１０とを有する
ワイパー１を得た。このワイパー本体１０のリップ部１
１は織布５で覆われている。
成した織布を配置すると共に未加硫のＮＢＲを充填して
加硫し、図１に示す芯金とワイパー本体１０とを有する
ワイパー１を得た。このワイパー本体１０のリップ部１
１は織布５で覆われている。
【００５３】このワイパーを用いて、押付力、摺動抵抗
および切り粉の漏れ量を測定した。その結果を表１に示
す。
および切り粉の漏れ量を測定した。その結果を表１に示
す。
【００５４】
【表１】
【００５５】表１の結果から、以下のことがわかる。
【００５６】比較例１ではゴムだけで形成したワイパー
のリップ部は摺動抵抗が大きく、長期の使用でシール性
が低下し切り粉の漏れ量が増大している。また、比較例
２のように、金属材料を摺動部としたワイパーは、摺動
抵抗は低いが、切り粉の漏れ量が実施例１に比べて多
い。これは、剛性の高い金属材料を摺動部に用いるより
もゴムの弾性を利用し、かつ摺動抵抗を比較例１（現行
のもの）より軽減させた材料を摺動部材とした方がシー
ル性は優れていることを示している。
のリップ部は摺動抵抗が大きく、長期の使用でシール性
が低下し切り粉の漏れ量が増大している。また、比較例
２のように、金属材料を摺動部としたワイパーは、摺動
抵抗は低いが、切り粉の漏れ量が実施例１に比べて多
い。これは、剛性の高い金属材料を摺動部に用いるより
もゴムの弾性を利用し、かつ摺動抵抗を比較例１（現行
のもの）より軽減させた材料を摺動部材とした方がシー
ル性は優れていることを示している。
【００５７】実施例１においては、織布等の剛性繊維は
摩擦係数が低く、またそれ自体が変形可能であり、ゴム
の弾性変形を阻害しないので、シール性を損なうことな
く摺動可能である。
摩擦係数が低く、またそれ自体が変形可能であり、ゴム
の弾性変形を阻害しないので、シール性を損なうことな
く摺動可能である。
【００５８】比較例２のように、摺動面に摺接する摺動
材料として金属材料を使用した場合には、金属材料はゴ
ムに比べて摩耗量が少ないので摩耗寿命は優れていると
いう利点はあるものの、シール性は剛性の高い金属材料
に比べて弾性力の高いゴムの方が優れている。
材料として金属材料を使用した場合には、金属材料はゴ
ムに比べて摩耗量が少ないので摩耗寿命は優れていると
いう利点はあるものの、シール性は剛性の高い金属材料
に比べて弾性力の高いゴムの方が優れている。
【００５９】（実施例２）金型内に芯金と合成繊維（ナ
イロン６，６繊維）で形成した織布を配置すると共に未
加硫のＮＢＲを充填して加硫し、図１０に示す芯金とワ
イパー本体１０とを有するワイパー１を得た。このワイ
パー本体１０のリップ部１１の摺動面側は織布５で覆わ
れている。
イロン６，６繊維）で形成した織布を配置すると共に未
加硫のＮＢＲを充填して加硫し、図１０に示す芯金とワ
イパー本体１０とを有するワイパー１を得た。このワイ
パー本体１０のリップ部１１の摺動面側は織布５で覆わ
れている。
【００６０】織布は、原反厚みが０．５ｍｍのものを使
用し、その横糸の太さは１００デニール、縦糸の太さは
５０デニールであった。横糸が摺動方向と直交するよう
に織布をリップ部下面に設けた。
用し、その横糸の太さは１００デニール、縦糸の太さは
５０デニールであった。横糸が摺動方向と直交するよう
に織布をリップ部下面に設けた。
【００６１】このワイパーを用いて、以下の条件で高速
摺動時の耐摩耗性を測定した。
摺動時の耐摩耗性を測定した。
【００６２】Ａ．試験方法 図６に示した試験器を用いた。図中、７はサドル、１は
ワイパー、８は摺動ベッド、３はワイパー１の芯金を示
す。
ワイパー、８は摺動ベッド、３はワイパー１の芯金を示
す。
【００６３】ワイパー１をサドル７の両側に図のように
固定し、両ワイパー１の間に切り粉９を封入している状
態で、摺動ベッド８が往復運動する。その摺動ストロー
クより摺動距離を算出し、異音発生時に走行距離の寿命
と判断した。
固定し、両ワイパー１の間に切り粉９を封入している状
態で、摺動ベッド８が往復運動する。その摺動ストロー
クより摺動距離を算出し、異音発生時に走行距離の寿命
と判断した。
【００６４】使用したワイパー１の断面形状は規格品と
同形状とし、幅１２０mmのものを使用した。押し付け代
は規定値の０．５mmとした。
同形状とし、幅１２０mmのものを使用した。押し付け代
は規定値の０．５mmとした。
【００６５】Ｂ.試験条件 潤滑油 なし 摺動速度 ８０m/min 摺動ストローク ２１５mm 試験環境 室温
【００６６】その結果、異音が発生し始めた走行距離は
６５０Ｋｍであった。
６５０Ｋｍであった。
【００６７】（実施例３）繊維材料（繊維層の原反）の
厚みを１．０ｍｍとし、横糸の太さ４２０デニール、縦
糸の太さ２１０デニールの繊維材料を用いたこと以外
は、実施例２と同様にして耐摩耗性を測定した。
厚みを１．０ｍｍとし、横糸の太さ４２０デニール、縦
糸の太さ２１０デニールの繊維材料を用いたこと以外
は、実施例２と同様にして耐摩耗性を測定した。
【００６８】その結果、異音が発生し始めた走行距離は
２０００Ｋｍであった。
２０００Ｋｍであった。
【００６９】（比較例３）繊維材料を使用せず、比較例
１で得られたワイパーを使用したこと以外は、実施例２
と同様にして耐摩耗性を測定した。
１で得られたワイパーを使用したこと以外は、実施例２
と同様にして耐摩耗性を測定した。
【００７０】その結果、異音が発生し始めた走行距離は
３０Ｋｍであった。
３０Ｋｍであった。
【００７１】
【発明の効果】本発明によれば、ワイパー本体の少なく
ともリップ部が繊維材料で被覆されているので、リップ
部の摩耗抵抗を小さくでき高速摺動も可能となり、また
切り粉の漏れ量が長期の使用にわたって少ない。また、
摺動部材が繊維材料で形成されていることから、金属材
料を摺動部材としたときに見られる摺動面の傷等がつか
ず、また切り粉の衝突衝撃による反り等の製品不良も起
こらない。
ともリップ部が繊維材料で被覆されているので、リップ
部の摩耗抵抗を小さくでき高速摺動も可能となり、また
切り粉の漏れ量が長期の使用にわたって少ない。また、
摺動部材が繊維材料で形成されていることから、金属材
料を摺動部材としたときに見られる摺動面の傷等がつか
ず、また切り粉の衝突衝撃による反り等の製品不良も起
こらない。
【００７２】従って、高速で移動する工作機械のワイパ
ーとして使用でき、また切削油を使用しない作業でも掻
き取りが良好に行えるため、アルミニウム切屑等の特殊
作業にも対応することができる。
ーとして使用でき、また切削油を使用しない作業でも掻
き取りが良好に行えるため、アルミニウム切屑等の特殊
作業にも対応することができる。
【図１】本発明のワイパーの一実施態様の断面図であ
る。
る。
【図２】本発明のワイパーの他の実施態様の断面図であ
る。
る。
【図３】本発明のワイパーのさらに他の実施態様の断面
図である。
図である。
【図４】ワイパー押付力測定方法を説明する図である。
【図５】ワイパー摺動抵抗測定方法を説明する図であ
る。
る。
【図６】ワイパー摺動試験方法を説明する図である。
【図７】従来のワイパーの断面図である。
【図８】従来の他のワイパーの断面図である。
【図９】本発明のワイパーの他の実施態様の断面図であ
る。
る。
【図１０】図９で示すワイパーの要部断面図である。
１ 工作機械用ワイパー ３ 取付部 ５ 繊維材料 １０ ワイパー本体 １１ リップ部 １４ 摺動面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平５−42443（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) B23Q 11/08
Claims (5)
- 【請求項１】 摺動面に対して相対的に移動する工作機
械に取り付けられる取付部と、該取付部に一体的に形成
された弾性材料からなるワイパー本体と、を有し、該ワ
イパー本体のリップ部が該摺動面に摺動し得る工作機械
用ワイパーにおいて、該ワイパー本体のリップ部が繊維
材料で被覆され、該ワイパー本体の少なくともリップ部
の摺動面側に繊維材料が設けられている工作機械用ワイ
パー。 - 【請求項２】 摺動面に対して相対的に移動する工作機
械に取り付けられる取付部と、該取付部に一体的に形成
された弾性材料からなるワイパー本体と、を有し、該ワ
イパー本体のリップ部が該摺動面に摺動し得る工作機械
用ワイパーにおいて、該ワイパー本体の少なくともリッ
プ部の摺動面側に、織布又は編布からなり、その厚みが
０．２５mm以上である、繊維材料が設けられている工作
機械用ワイパー。 - 【請求項３】 前記繊維材料が、芳香族ポリアミド、脂
肪族ポリアミドおよびポリエステルからなる群から選択
される少なくとも一種から形成されている請求項１又は
２に記載の工作機械用ワイパー。 - 【請求項４】 前記繊維材料を構成する糸の太さが５０
デニール以上である請求項１〜３のいずれかの項に記載
の工作機械用ワイパー。 - 【請求項５】 前記繊維材料を構成する糸の摩擦係数
が、０．１〜０．３である請求項１〜４のいずれかの項
に記載の工作機械用ワイパー。
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|---|---|
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| JP2011225224A (ja) * | 2010-04-16 | 2011-11-10 | Nitta Corp | 分包装置用スクレーパー |
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| CN106574724B (zh) * | 2014-09-11 | 2022-09-02 | 斯凯孚公司 | 动态密封件 |
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| USD1001853S1 (en) * | 2021-02-04 | 2023-10-17 | Keyarrow (Taiwan) Co., Ltd. | Wiper blade holder for a protective cover of a machine tool |
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-
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-
2000
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