JP5661829B2 - 切粉の掻き出し部材を備えた工作機械 - Google Patents

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Description

本発明は工作機械に関し、特に、機械の一部の個所に堆積した切粉を掻き出す部材を備えた工作機械に関する。
工作機械において、機械の一部に堆積した切粉を掻き出す方法として、ワイパーや掻き板を使用する方法が一般的である。又、ワイパーで掻き出せない切粉は、潤滑油の流路としての空間を形成し、その空間に潤滑油を流すことによって切粉を流す方法がある。前記の従来技術は、例えば、特許文献１や特許文献２に開示されている。
特開平５−２２８７８２号公報 特許第４０５１４９９号公報
特許文献１に開示される技術では、機械の上に堆積した切粉を完全に掻き出すには、テーブルを可動域の一番端まで移動させる必要がある。実加工において可動域の一番端までテーブルを移動する頻度は非常に少なく、切粉は堆積する一方となる可能性が高い。又、特許文献２に開示される技術では、ワイパーを摺動面に接触させているので切粉の侵入を防ぐ効果は期待できる。しかし、一旦ワイパーの内側の空間に入ってしまった切粉を除去するには潤滑油で排出するしか方法がなく、構造が複雑で大掛かりになる欠点が有る。又、潤滑油が介在しても、切粉の噛み込みや摺動によるワイパーの摩耗は避けられず、定期的な部品交換が必要となる。定期的な部品交換を怠ると、隙間が発生してそこから切粉が侵入する問題がある。
そこで、本発明の目的は、上記従来技術の問題点を解決するために、簡素な構造で、不具合の心配がなく、コストも抑えることが可能な切粉の掻き出し部材を備えた工作機械を提供することである。
本発明の目的を達成するために次の構成を採用する。駆動部に切粉が侵入するのを防止するための切粉侵入防止カバーをテーブルもしくはサドルに固定し、このカバーに切粉掻き出し部材を固定する。テーブルもしくはサドルが移動すると、この切粉掻き出し部材もテーブルもしくはサドルと一緒に移動する。この時、切粉侵入防止カバーとサドル、もしくは切粉侵入防止カバーとベッドの隙間からカバーの内部に侵入して直動ガイドの近傍に堆積した切粉をカバーの外へ掻き出す。この方法では、切粉掻き出し部材はサドルもしくはベッドと非接触のため、摺動抵抗が無く、切粉掻き出し部材が摩耗する心配が無く、メンテナンスフリーを実現することできる。又、切粉掻き出し部材を複数個設け、固定位置を各々調整することにより、移動距離が短くても切粉を掻き出す効果を発揮でき、切粉を安定して掻き出すことができる。さらに、簡素な構造のため、不具合の心配が無く、コストも低く抑えることができる。
そして、本願の請求項１に係る発明は、ベッドに設けられたガイド部材に支持され、前記ベッドに対して第１の方向に相対移動するサドルと、該サドルに設けられたガイド部材に支持され、前記第１の方向と直交する第２の方向に前記サドルに対して相対移動するテーブルを有し、主軸に装着された工具と前記テーブルに設置されたワークとの間で相対移動を行なわせ、ワークを加工する工作機械において、前記テーブル又は前記サドルの移動方向と平行な側面に前記ガイド部材を切粉から防護する保護カバーを設け、前記保護カバーに前記ガイド部材近傍に堆積した切粉を掻き出すための掻き出し部材を前記サドルおよび前記ベッドと非接触に設けたことを特徴とする工作機械である。
請求項２に係る発明は、前記掻き出し部材を、前記テーブルおよび前記サドルの移動方向における位置、もしくは高さ方向における位置が異なる複数ヵ所に設けたことを特徴とする請求項１に記載の工作機械である。
本発明により、簡素な構造で、不具合の心配がなく、コストも抑えることが可能な切粉の掻き出し部材を備えた工作機械を提供できる。
工作機械の正面模式図である。 工作機械のサドル部の断面図である。 図２の破線領域の拡大図である。 切粉掻き出し部材の固定位置を説明する図である。 切粉掻き出し部材の形状例である。
以下、本発明の実施形態を図面と共に説明する。
図１は工作機械の正面模式図である。図２は工作機械のサドル部の断面図である。図３は図２の破線領域の拡大図である。工作機械２０は、ベッド８に設けられたガイド部材に支持され、ベッド８に対して第１の方向に相対移動するサドルと、サドルに設けられたガイド部材に支持され、前記第１の方向と直交する第２の方向に前記サドルに対して相対移動するテーブル１を有し、主軸１３に装着された工具１４とテーブル１に設置されたワーク１５との間で相対移動を行なわせ、ワーク１５を加工する。なお、図１では、サドルは図示されていない。
図２に示されるように、ベッド８にＹ軸ガイドレール１２が取り付けられ、Ｙ軸ガイドレール上を移動するＹ軸ガイドブロック１１によってサドル５が支持される。サドル５の上部にはＸ軸ガイドレール４が取り付けられ、Ｘ軸ガイドレール４上を移動するＸ軸ガイドブロック３によってテーブル１が支持される。サドル５は図示しないナットを備えており、該ナットと螺合するＸ軸ボールネジ２を回動することにより、サドル５を移動させる。テーブル１を支持するガイド部材には、Ｘ軸ガイドブロック３及びＸ軸ガイドレール４が該当し、サドル５を支持するガイド部材には、Ｙ軸ガイドブロック１１及びＹ軸ガイドレール１２が該当する。
Ｘ軸切粉侵入防止カバー６は、テーブル１を支持するガイド部材（Ｘ軸ガイドブロック３、Ｘ軸ガイドレール４）を切粉から防護する保護カバーである。また、Ｙ軸切粉侵入防止カバー９は、サドル５を支持するガイド部材（Ｙ軸ガイドブロック１１、Ｙ軸ガイドレール１２）を切粉から防護する保護カバーである。
Ｘ軸切粉掻き出し部材７は、テーブル１を支持するガイド部材（Ｘ軸ガイドブロック３、Ｘ軸ガイドレール４）の近傍に堆積した切粉１６を掻き出すための掻き出し部材として、Ｘ軸切粉侵入防止カバー６に取り付けられている。Ｙ軸切粉掻き出し部材１０は、サドル５を支持するガイド部材（Ｙ軸ガイドブロック１１、Ｙ軸ガイドレール１２）の近傍に堆積した切粉を掻き出すための掻き出し部材として、Ｙ軸切粉侵入防止カバー９に取り付けられている。
具体的には、加工によって発生した切粉１６が、サドル５とＸ軸切粉侵入防止カバー６の隙間を通過して、テーブル１を支持しているＸ軸ガイドブロック３及びＸ軸ガイドレール４近傍の、サドル表面に堆積する。同じ現象がベッド８とＹ軸切粉侵入防止カバー９の隙間を通過した切粉によって、サドル５を支持しているＹ軸ガイドブロック１１及びＹ軸ガイドレール１２の近傍においても発生するが、以下では代表してテーブル１に関して説明を行なう。
テーブル１を支持しているＸ軸ガイドブロック３及びＸ軸ガイドレール４の近傍の、サドル表面に堆積した切粉１６を除去するため、Ｘ軸切粉侵入防止カバー６にＸ軸切粉掻き出し部材７を取り付ける。テーブル１が移動するとこのＸ軸切粉掻き出し部材７も一緒に移動し、サドル表面に堆積した切粉１６を掻き出して、移動方向延長上の空間もしくはサドル５とＸ軸切粉侵入防止カバー６の隙間から排出することができる。
図４は切粉掻き出し部材の固定位置を説明する図である。切粉侵入防止カバーに切粉掻き出し部材を取り付ける時、その位置は移動方向、高さ方向、ガイド部材との距離について、調整可能とする。又、切粉掻き出し部材は複数使用することも可能とすることによって、切粉掻き出し部材相互の位置関係、サドル表面との距離、ガイド部材との距離を任意に設定することができ、テーブルの移動距離が短い場合でも、切粉排出に最も効果の有る切粉掻き出し部材の配置をとる事が可能となる。切粉掻き出し部材をテーブル１の両側に設けてもよい。又、切粉掻き出し部材を切粉侵入防止カバーに取り付けるのに替えて、テーブル１に直接固定して取り付け位置を調整可能とすることもできる。また、図５は切粉掻き出し部材の形状例である。種々の断面形状を有する切粉掻き出し部材を用いることができる。以上の説明は、サドルとベッドの関係においても、同様の手法が実施可能である。
１ テーブル
２ Ｘ軸ボールネジ
３ Ｘ軸ガイドブロック
４ Ｘ軸ガイドレール
５ サドル
６ Ｘ軸切粉侵入防止カバー
７ Ｘ軸切粉掻き出し部材
８ ベッド
９ Ｙ軸切粉侵入防止カバー
１０ Ｙ軸切粉掻き出し部材
１１ Ｙ軸ガイドブロック
１２ Ｙ軸ガイドレール
１３ 主軸
１４ 工具
１５ ワーク
１６ 切粉

Claims (2)

  1. ベッドに設けられたガイド部材に支持され、前記ベッドに対して第１の方向に相対移動するサドルと、該サドルに設けられたガイド部材に支持され、前記第１の方向と直交する第２の方向に前記サドルに対して相対移動するテーブルを有し、主軸に装着された工具と前記テーブルに設置されたワークとの間で相対移動を行なわせ、ワークを加工する工作機械において、
    前記テーブル又は前記サドルの移動方向と平行な側面に前記ガイド部材を切粉から防護する保護カバーを設け、
    前記保護カバーに前記ガイド部材近傍に堆積した切粉を掻き出すための掻き出し部材を前記サドルおよび前記ベッドと非接触に設けたことを特徴とする工作機械。
  2. 前記掻き出し部材を、前記テーブルおよび前記サドルの移動方向における位置、もしくは高さ方向における位置が異なる複数ヵ所に設けたことを特徴とする請求項１に記載の工作機械。
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