JP2009291899A - 切削加工装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】切削液の飛散を防止すると共に切削工具や切削工具を保持する主軸保持アーム等が干渉した場合でもこれらを保護する切削加工装置を提供する。
【解決手段】切削加工装置1の主軸保持アーム6の先端に装着したタレット7に取付けた切削工具9に切削液を供給しながら加工台12に載置した被加工部材Wを切削加工する切削加工装置において、加工台12と被加工部材Wと切削工具9を収容し、主軸保持アーム6又は切削工具9が干渉する部位に切欠部15b’,15c’,15d’が形成され被加工部材を切削加工する際に切削液の飛散を防止する切削液飛散防止カバー15と、切削液飛散防止カバーの切欠部の下端部から上方に向けて設けられ切欠部を塞いで切削液の飛散を防止すると共に主軸保持アーム6又は切削工具9が干渉したときに撓んでこれらの主軸保持アーム又は切削工具を保護するブラシ16を設けた。
【選択図】図2
【解決手段】切削加工装置1の主軸保持アーム6の先端に装着したタレット7に取付けた切削工具9に切削液を供給しながら加工台12に載置した被加工部材Wを切削加工する切削加工装置において、加工台12と被加工部材Wと切削工具9を収容し、主軸保持アーム6又は切削工具9が干渉する部位に切欠部15b’,15c’,15d’が形成され被加工部材を切削加工する際に切削液の飛散を防止する切削液飛散防止カバー15と、切削液飛散防止カバーの切欠部の下端部から上方に向けて設けられ切欠部を塞いで切削液の飛散を防止すると共に主軸保持アーム6又は切削工具9が干渉したときに撓んでこれらの主軸保持アーム又は切削工具を保護するブラシ16を設けた。
【選択図】図2
Description
本発明は、切削工具に切削液を供給しながら加工台に載置した被加工部材を加工する切削加工装置に関する。
従来の回転工具を用いて切削加工を行うマシニングセンタ等の切削加工装置では、切粉を除去する方法として切削工具に切削液を供給して切削液と共に切粉を流す方法、或いは切削部分に圧縮空気を吹き付けて切粉を吹き飛ばす方法等がある。
圧縮空気により切粉を吹き飛ばす方法を用いた切削加工装置として、ワークの切削により発生した切粉をワーク及び回転工具を含む空間に封鎖するための封鎖カバーと、封鎖カバーにより封鎖された空間内において切粉をワーク及び回転工具から分離するための分離ノズルと、分離された切粉を封鎖カバーにより封鎖された空間内から回収するための吸引ノズルとを具備した切削加工装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−131716号公報(3頁、図1)
ところで、切削液と共に切粉を流すようにした切削加工装置は、切削液の主成分が油であったため、通常の切削作業において切削液が飛散した場合でも機械が錆びることは想定されていなかった。従って、切削工具を三次元方向(X軸方向、Y軸方向、Z軸方向)に移動させる各スライドガイド(ボールねじ、直動ガイド等)に飛散した切削液がかかることは当たり前であり、特に問題はなかった。
しかしながら、例えばシリコンウェハのような脆性材の加工で用いる切削液は、水溶性(例えば、水)であり油ではないためにスライドガイドに切削液がかかると次第に錆を発生させ、更に切削液中に混じっている切粉が砥粒となって擦過腐食を引き起こしてスライドガイドの損傷を促進していた。その影響で切削加工装置が短期間(2年程度)で故障してしまうという問題が発生している。
その対処方法として切削液に防錆剤を添加する方法も試みた。シリコンウェハは、加工台に載置してワックスで貼着固定して切削加工を行うようにしている。しかしながら、防錆剤はシリコンウェハ(被加工材)を固定しているワックスを溶解、変質してしまい、加工中にシリコンウェハが固定不良となり、良好な加工を行うことができないという問題が発生した。
また、スライドガイドは、通常塵埃等が付着することを防止するために蛇腹状をなすゴム製或いは金属製のカバーで覆われている。しかしながら、切削液は浸透圧が高くしてあるのでゴム製のカバーは、切削液がカバーの内部に浸入して膨潤し破損する等の不具合を来たし、金属製のカバーは、切削液が水溶性であるために錆び易い等の不具合を来たす。しかも、これらのカバーは、スライドガイドを完全に密封した構造ではなく、切削液を完全に遮蔽することは困難である。
また、特許文献1に記載されている切削加工装置は、切粉を圧縮空気で吹き飛ばしながら切削加工を行う即ち、切削液を使用しない被加工部材を対象としたものであり、上述したシリコンウェハのように水溶性の切削液を供給しながら切削加工を行う切削加工装置に適用することはできない。
本発明の目的は、切削液の飛散を防止すると共に切削工具や切削工具を保持する主軸保持アーム等が干渉した場合でもこれらを保護するようにした切削加工装置を提供することを目的とすることにある。
上述した課題を解決するために、本発明の請求項1に係る切削加工装置は、
切削加工装置の主軸保持アームの先端に装着したタレットに取付けた切削工具に切削液を供給しながら加工台に載置した被加工部材を切削加工する切削加工装置において、
前記加工台と被加工部材と切削工具を収容し、かつ主軸保持アーム又は前記切削工具が干渉する部位に切欠部が形成され前記被加工部材を切削加工する際に前記切削液の飛散を防止する切削液飛散防止カバーと、
前記切削液飛散防止カバーの前記切欠部の下端部から上方に向けて設けられ前記切欠部を塞いで前記切削液の飛散を防止すると共に、前記主軸保持アーム又は前記切削工具が干渉したときに撓んで前記主軸保持アーム又は前記切削工具を保護するブラシとを備えたことを特徴としている。
切削加工装置の主軸保持アームの先端に装着したタレットに取付けた切削工具に切削液を供給しながら加工台に載置した被加工部材を切削加工する切削加工装置において、
前記加工台と被加工部材と切削工具を収容し、かつ主軸保持アーム又は前記切削工具が干渉する部位に切欠部が形成され前記被加工部材を切削加工する際に前記切削液の飛散を防止する切削液飛散防止カバーと、
前記切削液飛散防止カバーの前記切欠部の下端部から上方に向けて設けられ前記切欠部を塞いで前記切削液の飛散を防止すると共に、前記主軸保持アーム又は前記切削工具が干渉したときに撓んで前記主軸保持アーム又は前記切削工具を保護するブラシとを備えたことを特徴としている。
切削加工装置の主軸保持アーム又は切削工具と干渉する部位に切欠部が形成された切削液飛散防止カバーにより加工台と被加工部材と切削工具を収容して切削液の飛散を防止する。そして、切削液飛散防止カバーの切欠部にブラシを設けて切削液の飛散を防止すると共に主軸保持アーム又は切削工具が干渉したときに撓ませてこれらの主軸保持アーム又は切削工具を保護する。
これにより、切削工具や主軸保持アーム等と切削液飛散防止カバーとの隙間を少なくすることができ、切削液及び切削液に混じっている切粉が飛散することを有効に防止することができる。従って、切削液が水溶性の場合飛散した切削液によるスライドガイド等の移動機構の錆の発生や切削液に混じっている切粉による擦過腐食を有効に防止することが可能となり、装置の寿命を長くすることが可能となる。更に、切削工具や主軸保持アーム等がブラシに干渉した場合でもこれらを損傷することなく有効に保護することができる。
また、本発明の請求項2に係る切削加工装置は、請求項1に記載の切削加工装置において、
前記切削液飛散防止カバーは、前記ブラシの外側に当該ブラシの隙間を通り抜けた切削液を捕捉して前記切削液飛散防止カバー内に回収する切削液捕捉回収板を設けたことを特徴としている。
前記切削液飛散防止カバーは、前記ブラシの外側に当該ブラシの隙間を通り抜けた切削液を捕捉して前記切削液飛散防止カバー内に回収する切削液捕捉回収板を設けたことを特徴としている。
切削加工時に飛散してブラシに付着した切削液は、ブラシの繊維(毛)を伝わって流下して切欠の下端部に至り、切削液捕捉回収板により切削液飛散防止カバー内に回収される。また、ブラシの付け根部分の隙間を通して外方に飛散した切削液及び切削液に混じっている切粉は切削液捕捉回収板によって止められ、かつ切削液飛散防止カバー内に回収される。これにより、切削液及び切粉が外方に飛散することが有効に防止される。
本発明によれば、加工台と被加工部材と切削工具を収容し、主軸保持アーム又は切削工具が干渉する部位に切欠部が形成され切削液の飛散を防止する切削液飛散防止カバーと、切削液飛散防止カバーの切欠部に切削液の飛散を防止すると共に主軸保持アーム又は切削工具が干渉したときに撓んで主軸保持アーム又は切削工具を保護するブラシとを設けたことにより、切削工具や主軸保持アーム等との隙間を少なくすることができ、切削液及び切削液に混じっている切粉が飛散することを有効に防止することができる。従って、特に切削液が水溶性の場合飛散した切削液によるスライドガイドの錆の発生や、切削液に混じっている切粉による擦過腐食を有効に防止することが可能となり、装置の寿命を長くすることが可能となる。
また、切削工具や主軸保持アーム等がブラシに干渉した場合でもこれらを損傷することなく有効に保護することができる。更に、構成が簡単であり安価に提供することが可能である。
以下、本発明の実施形態に係る切削加工装置を図面に基づいて説明する。図1乃至図3は、本発明に係る切削加工装置の概略構成を示す。図1乃至図3に示すように切削加工装置1は、ベース2の上面後部側に移動機構3が配設されており、この移動機構3上に本体4が垂直に配設されている。移動機構3は、図示しないスライドガイド、例えばボールねじにより構成されており、本体4は、図2に矢印Xで示すX軸方向及び図3に矢印Yで示すY軸方向に水平に移動可能とされている。
本体4の前面には、主軸保持アーム6が前方に向けて水平に配設されており、移動機構8により矢印Zで示すZ軸方向(垂直方向)に昇降可能とされている。この移動機構8も移動機構3と同様にボールねじ等のスライドガイドにより構成されている。これにより、主軸保持アーム6は、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向の所定の位置に移動可能とされている。そして、移動機構3のX軸方向及びY軸方向のスライドガイド及びZ軸方向の移動機構8は、金属製の蛇腹式のカバー10により覆われ、塵埃や切削液が付着することが防止されている。
主軸保持アーム6の先端に切削工具を取付けるためのタレット7が装着されている。タレット7は、多角形状をなし複数の切削工具を取り付け可能とされており、例えば図1に示すように正面から見て六角形状をなし、6本の切削工具を取り付けることが可能とされている。尚、図1においてタレット7には切削工具9として例えばドリルが1本取り付けられている。前記主軸、切削工具9の中心には切削液を供給するための通路(穴)が連通して設けられており、切削加工時にこれらの通路を通して切削液が切削工具9の先端部に供給される。
ベース2の上面の本体4の前側略中央位置に基台11が配設されており、この基台11上に加工台12が設けられている。そして、この加工台12上に被加工部材Wが載置される。この被加工部材Wは、例えば脆性部材としてのシリコンウェハでワックスにより加工台に貼着固定される。
そして、加工台12、被加工部材W、切削工具9を収容して切削液の飛散を防止する切削液飛散防止カバー15が設けられている。この切削液飛散防止カバー15は、底部15a、後壁15b,側壁15c,15d及び前壁15eからなる略正方形状をなす箱体とされており、図1に示すように正面から見てその幅がタレット7と略同じ幅とされている。この切削液飛散防止カバー15は、底面15aが基台11に載置固定され、当該底面15aの略中央に加工台12が配置されている。
また、底面15aの所定位置に図2に示すように当該切削液飛散防止カバー15内に溜まった切削液を回収するための排出口15fが設けられている。この排出口15fは、図1に示すようにベース2の側部に配設された沈澱槽にホース14により連通されており、箱状の切削液飛散防止カバー15内に溜まった切削液及び切削液に混じっている切粉を沈澱槽13に排出する。尚、図1及び図3において切削液飛散防止カバー15は、内部が見えるように壁部の一部を省略して描いてある。
ところで、切削液飛散防止カバー15は、切削工具に切削液を供給して切削する際に切削液の飛散を極力少なくするために側壁を出来る限り高くすることが好ましい。しかしながら、後壁を高くすると切削加工を行う際に主軸保持アーム6を加工高さ位置まで下降させたときに当該主軸保持アーム6の下面が後壁15bの上端部に干渉してしまう。また、加工工程において切削工具を切り替えるべく主軸保持アーム6を所定の位置に移動させてタレット7を回転させたときに切削工具の先端部(刃先)が両側壁15c,15dの上部に干渉してしまう。
そこで、本発明は切削液飛散防止カバー15の壁部、即ち後壁15b、両側壁15c,15d及び前壁15eの高さをできるだけ高くし、かつこれらの壁部の主軸保持アーム6又は切削工具9と干渉する虞のある部位(箇所)を切り欠いて干渉を防止すると共に、切り欠いた部分から切削液が飛散することを防止するようにしている。
即ち、切削液飛散防止カバー15は、主軸保持アーム6を図4に2点鎖線で示すように被加工部材Wの加工高さ位置まで下降した位置、及びこの加工高さ位置において図5に2点鎖線で示す位置或いは最大前進位置まで移動させたときに、主軸保持アーム6の下面6aが干渉する後壁15bの上部15b’(2点鎖線で示す)が切り欠かれて取り除かれている(以下「切欠部15b’」という)。
更に、切削液飛散防止カバー15は、図5の実線で示す後退位置及び2点鎖線で示す所定位置(切削工具の切替位置)においてタレット7を回転させたときに今まで使用していた切削工具、即ち図1に示す切削工具9の先端部、或いは次に使用する切削工具、例えば切削工具9の右隣又は左隣の図示しない切削工具の先端部が干渉する両側壁15c,15dの部位、例えば略中央近傍から後壁までの上部15c’,15d’(2点鎖線で示す)が切り欠かれて取り除かれている(以下「切欠部15c’,切欠部15d’」という)。尚、本実施例においては切欠部15b’,15c,15d’の高さは同じとされている。
即ち、切削液飛散防止カバー15は、後壁15bの上部及び両側壁15c,15dの略中央近傍位置から後端の後壁15bまでの各上部が切り欠かれて切欠部15b’,15c’,15d’が形成されている。これにより、上述したような主軸保持アーム6の下面6a及びタレット7に装着された切削工具の先端部(刃先)が切削液飛散防止カバー15の後壁15b、側壁15c,15dの各上部に干渉することが防止される。
そして、これらの後壁15b、側壁15c,15dの切欠部15b’,15c’,15d’に図6及び図7に示すようにブラシ16が設けられている。このブラシ16は、直線ブラシで図8及び図9に示すように棒状の保持部材(ブラシ束ね金)17の上面17aに可撓性を有する合成樹脂、例えばナイロン製の繊維(毛)18が直線状に密集して植設されて形成されている。このブラシ16は、高さが切欠部15b’の高さと同一とされ,長さが切欠部15b’の長さ(後壁15bの幅)と同一とされている。
ブラシ16は、図9に示すように保持部材17の下面17bがブラシ固定アングル21の上面21aに載置固定され、繊維18の穂先(毛先)が上方に向けて側壁15cの壁面に沿って垂直に取り付けられている。そして、保持部材17、ブラシ固定アングル21の側面と切削液飛散防止カバー15の側面15cの切欠部15c’の下端内側面との間に後述する切削液捕捉回収板20の下部20aが挟持されてボルト22、防水ワッシャ23、ナット24により固定されている。これにより、側壁15cの切欠部15c’がブラシ16により塞がれる。即ち、ブラシ16は、可撓性を有する壁として機能し、側壁15cの切欠部15c‘を塞いで切削液の飛散を防止する。同様にして後壁15b、側壁15dの切欠部15b’,15d’もブラシ16により塞がれている。
また、図1乃至図3に示すように側壁15c、後壁15b、側壁15dの各切欠部15c’,15b’,15d’の下端部の外側縁部にこれらを取り囲むように切削液捕捉回収板20が設けられている。この切削液捕捉回収板20は、図9に示すように上部20bが外側かつ斜め上方に向かって拡開して断面略三角形状の雨樋状をなしている。そして、上部20bは、主軸保持アーム6又は切削工具9と干渉しない程度の高さに、かつブラシ16の付け根部分の隙間19よりも高く設定されており、例えば図9に示すようにブラシ16の長さ(高さ)の略1/3程度の高さとされている。
ブラシ16は、図8に示すように構造上繊維18の付け根部分に僅かな隙間19が形成される。従って、切削液がこの隙間19を通して僅かながら外方に飛散する。切削液捕捉回収板20は、飛散してブラシ16に付着した切削液やブラシ16の付け根部分の隙間19を通して外方に飛散する切削液を捕捉して切削液飛散防止カバー15内に流し込んで回収する。即ち、ブラシ16の繊維18に付着した切削液及び切削液に混じっている切粉は、当該繊維18の表面を伝わって付け根部分まで流れ落ちて保持部材17の上面17aに溜まる。
切削液捕捉回収板20は、繊維18に沿って付け根部分まで流れ落ちて保持部材17の上面17aに溜まった切削液を切削液飛散防止カバー15内に流し込んで外方に流れ出ることを防止する。更に、切削液捕捉回収板20は、ブラシ16の付け根部分の隙間19を通して外方に飛散した切削液を捕捉して(反射させて)切削液飛散防止カバー15内に流し込んで当該切削液飛散防止カバー15の外方に流れ出ることを防止する。このようにして切削液飛散防止カバー15が形成されている。
上記構成において図10に示すように加工台12に載置固定されたシリコンウェハ等の脆性材である被加工部材Wを加工すべく主軸保持アーム6が下降して下面6aが後壁15bのブラシ16に干渉すると、ブラシ16は、主軸保持アーム6の下面6aと干渉する部位の繊維18(毛)が左右に或いは前後に撓んで当該下面6aに隙間無く接触する。また、主軸保持アーム6の両側面にもブラシ16の繊維18が隙間無く接触する。即ち、主軸保持アーム6は、下面6a及び両側面がブラシ16により隙間無く取り囲まれる。また、側壁15c,15dのブラシ16も切削液の飛散を防止する。これにより、切削液が切削液飛散防止カバー15の外方に飛散することが防止される。
切削液捕捉回収板20は、各ブラシ16の繊維18に沿って付け根部分まで流れ落ちた切削液を切削液飛散防止カバー15内に導くと共に、ブラシ16の付け根部分の隙間19を通して外方に飛散した切削液を捕捉して切削液飛散防止カバー15内に導く。これにより、切削液が切削液飛散防止カバー15の外方に飛散することが防止される。切削液飛散防止カバー15内に溜まった切削液及び切削液に混じった切粉は、図2に示す排出口15fから沈澱槽13に回収される。
また、作業内容に応じて切削工具を切り替える場合、例えば図5の2点鎖線で示す位置においてタレット7を回転させた際に、切削工具9の先端部(刃先)がブラシ16の繊維18を撓ませながら、或いは左右にかき分けながら切削液飛散防止カバー15の外方に移動する。これにより、切削工具9の先端部(刃先)が損傷することを防止することができる。
これにより、シリコンウェハ等の脆性部材の被加工部材Wを水溶性の切削液(例えば、水)を供給しながら切削加工する場合でも主軸保持アーム6を移動させる移動機構3,8等のスライドガイドに切削液及び切削液に混じった切粉が飛散して付着することを有効に防止することができる。従って、水溶性の切削液による移動機構3,8のスライドガイドの錆の発生や砥粒として作用する切粉による擦過腐食を有効に抑えることが可能となる。これにより、切削加工装置1の故障を少なくすることができると共に耐用年数を長くすることが可能となる。尚、図6、図10において切削液飛散防止カバー15は、内部が見えるように壁部の一部を省略して描いてある。
上記実施形態においては、切削液が切削液飛散防止カバー15の側壁15c,15dの切欠部15c’,15d’の大きさを後壁15bから略中央部までとしたが、これに限るものではなく側壁15c,15dの後端部から前端部まで、即ち側壁15c,15dの上部全体を切り欠いてブラシ16を設けるようにしても良い。このように構成することで、任意の位置においてタレットを回転させて切削工具の切り換えを行うことが可能である。勿論、これに伴い切削液捕捉回収板20も長くすることは言うまでもない。
尚、上記実施形態においては被加工部材として脆性を有するシリコンウェハについて説明したが、これに限るものではなく、石英ガラス、パイレックス(登録商標)ガラス等の脆性加工や、半導体の治具に使用されるカーボン等の加工においても同様に擦過腐食を引き起こすことが考えられ、これらの切削加工にも適用することが可能である。
更に、設備としては鋳物等の鋳鉄等も黒鉛を含むため摺動部の摩擦が問題となるが、これらの設備に対しても適用することが可能であり、今後の増える可能性が高い脆性材料の切削加工に適用することが可能となる。
更に、マシニングセンタ等の切削加工装置によっては、切削液の飛散を防止するため装置全体をカバーで覆われているものもあるが、本発明の切削液飛散防止カバーによれば、これらの大掛かりなカバーは不要であり、装置の必要部位にのみカバーを設けるだけで良く、設備投資を大幅に抑制することが可能となる。
以上説明したように本発明によれば、加工台と被加工部材と切削工具を収容し、主軸保持アーム又は切削工具と干渉する部位に切欠部を形成した切削液飛散防止カバーと、切削液飛散防止カバーの切欠部に切削液の飛散を防止すると共に主軸保持アーム又は切削工具が干渉したときに撓んで主軸保持アーム又は切削工具を保護するブラシとを設けたことにより、切削工具や主軸保持アーム等との隙間を少なくすることができ、切削液及び切削液に混じっている切粉が飛散することを有効に防止することができる。従って、特に切削液が水溶性の場合飛散した切削液による錆の発生や、切削液に混じっている切粉によるスライドガイド等の移動機構の擦過腐食を有効に防止することが可能となり、装置の寿命を長くすることが可能となる。
また、切削工具や主軸保持アーム等と干渉した場合でもこれらを損傷することなく有効に保護することができる。更に、構成が簡単であり安価に提供することが可能である。
更に、ブラシの外側に切削液捕捉回収板を設けたことにより、切削加工時に飛散してブラシに付着し当該ブラシの繊維(毛)を伝わって流下した切削液及び切削液に混じっている切粉を切削液飛散防止カバー内に回収することができる。また、切削液捕捉回収板は、ブラシの付け根部分の隙間を通して外方に飛散した切削液及び切削液に混じっている切粉を止めて切削液飛散防止カバー内に回収させる。これにより、切削液及び切粉が切削液飛散防止カバーの外方に飛散することを更に有効に防止することが可能となる。
1 切削加工装置
2 ベース
3 移動機構
4 本体
6 主軸保持アーム
6a 下面
7 タレット
8 移動機構
9 切削工具(ドリル)
10 カバー
11 基台
12 加工台
13 沈澱槽
14 ホース
15 切削液飛散防止カバー
15a 底面
15b 後壁
15b’ 切欠部(上部)
15b” 下端面
15c,15d 側壁
15c’,15d’ 切欠部(上部)
15e 前壁
15f 排出口
16 ブラシ
17 保持部材
17a 上面
17b 下面
18 ナイロン製の繊維
19 隙間
20 切削液捕捉回収板
20a 下部
20b 上部
21 ブラシ固定アングル
21a 上面
22 ボルト
23 防水ワッシャ
24 ナット
W 被加工部材
2 ベース
3 移動機構
4 本体
6 主軸保持アーム
6a 下面
7 タレット
8 移動機構
9 切削工具(ドリル)
10 カバー
11 基台
12 加工台
13 沈澱槽
14 ホース
15 切削液飛散防止カバー
15a 底面
15b 後壁
15b’ 切欠部(上部)
15b” 下端面
15c,15d 側壁
15c’,15d’ 切欠部(上部)
15e 前壁
15f 排出口
16 ブラシ
17 保持部材
17a 上面
17b 下面
18 ナイロン製の繊維
19 隙間
20 切削液捕捉回収板
20a 下部
20b 上部
21 ブラシ固定アングル
21a 上面
22 ボルト
23 防水ワッシャ
24 ナット
W 被加工部材
Claims (2)
- 切削加工装置の主軸保持アームの先端に装着したタレットに取付けた切削工具に切削液を供給しながら加工台に載置した被加工部材を切削加工する切削加工装置において、
前記加工台と被加工部材と切削工具を収容し、かつ主軸保持アーム又は前記切削工具が干渉する部位に切欠部が形成され前記被加工部材を切削加工する際に前記切削液の飛散を防止する切削液飛散防止カバーと、
前記切削液飛散防止カバーの前記切欠部の下端部から上方に向けて設けられ前記切欠部を塞いで前記切削液の飛散を防止すると共に、前記主軸保持アーム又は前記切削工具が干渉したときに撓んで前記主軸保持アーム又は前記切削工具を保護するブラシとを備えたことを特徴とする切削加工装置。 - 前記切削液飛散防止カバーは、前記ブラシの外側に当該ブラシの隙間を通り抜けた切削液を捕捉して前記切削液飛散防止カバー内に回収する切削液捕捉回収板を設けたことを特徴とする、請求項1に記載の切削加工装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2008148965A JP2009291899A (ja) | 2008-06-06 | 2008-06-06 | 切削加工装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2008148965A JP2009291899A (ja) | 2008-06-06 | 2008-06-06 | 切削加工装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2009291899A true JP2009291899A (ja) | 2009-12-17 |
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ID=41540559
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|---|---|---|---|
| JP2008148965A Pending JP2009291899A (ja) | 2008-06-06 | 2008-06-06 | 切削加工装置 |
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| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2009291899A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2011039779A3 (en) * | 2009-09-22 | 2011-06-16 | Thomas Hughen Gerrard | A work zone specific enclosure |
| JP2012045689A (ja) * | 2010-08-30 | 2012-03-08 | Disco Corp | 切削装置 |
| CN103419074A (zh) * | 2013-09-06 | 2013-12-04 | 安庆市阳光机械制造有限责任公司 | 一种机床防护装置 |
| JP2015020239A (ja) * | 2013-07-18 | 2015-02-02 | 東芝機械株式会社 | 立型加工機 |
-
2008
- 2008-06-06 JP JP2008148965A patent/JP2009291899A/ja active Pending
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2011039779A3 (en) * | 2009-09-22 | 2011-06-16 | Thomas Hughen Gerrard | A work zone specific enclosure |
| JP2012045689A (ja) * | 2010-08-30 | 2012-03-08 | Disco Corp | 切削装置 |
| JP2015020239A (ja) * | 2013-07-18 | 2015-02-02 | 東芝機械株式会社 | 立型加工機 |
| CN103419074A (zh) * | 2013-09-06 | 2013-12-04 | 安庆市阳光机械制造有限责任公司 | 一种机床防护装置 |
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