JP3190026U - 生分解性木質ボード - Google Patents

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【課題】田畑の畔等に容易に敷設することができ、敷設しておくだけで、雑草の発生を防ぐことができ、そのまま放置しておけば生分解可能な生分解性木質ボードを提供する。
【解決手段】生分解性木質ボード1は、多数の木片が、生分解性硬化樹脂組成物を介して接着接合された生分解性木質ボードであって、生分解性硬化樹脂組成物が特定の生分解性組成物であることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本考案は、木質ボードに関し、詳しくは田圃の畔等に敷設して太陽光を遮断することにより、雑草の発生を防止することができ、生分解するので取除く必要がない生分解性木質ボードに関するものである。
田畑の畔は、放置しておくと雑草が伸び放題に繁茂し、畔上の通行が困難になるほか、農業機械を用いた作業への悪影響、収穫時の作物への混入、害虫の繁殖、景観の劣化等の問題があり、雑草防除が畦畔の維持管理において必要不可欠である。
前記畔の雑草防除をするために、特許文献1には、生分解性マルチフィルムを敷設する方法が開示されている。
しかし、特許文献1の生分解性マルチフィルムは、風で飛んだりばたついたりしないよう、通常T字型の杭を用い、フィルムの端部を含め適宜間隔をおいて、フィルム上から畦畔面へ打ち込んで固定しなければならないものである。更に、マルチフィルムを固定する杭は、マルチフィルムの分解が進行し、同時に被覆植物が適度に繁茂した後、撤去する必要があるものである。
従って、簡単に敷設することができ、単に敷設しておくだけで太陽光を遮断することにより、雑草の発生を防ぐことができ、そのまま放置しておけば自然に生分解する雑草防除用具があれば便利である。
特開2010−233526号公報
本考案は、田畑の畔等に容易に敷設することができ、敷設しておくだけで、雑草の発生を防ぐことができ、そのまま放置しておけば生分解可能な生分解性木質ボードを提供することを、その課題とするものである。
本考案によれば、以下に示す生分解性木質ボードが提供される。
[1]多数の木片が、生分解性硬化樹脂組成物を介して接着接合された生分解性木質ボードであって、生分解性硬化樹脂組成物が下記(1)または(2)の組成物であることを特徴とする生分解性木質ボード。
(1)該硬化樹脂組成物が、(i)ポリオール、(ii)ポリイソシアネート及び(iii)該ポリオールに溶解する可溶性生分解性物質(A)を含有する混合物の硬化反応生成物からなり、該可溶性生分解性物質の割合が該硬化樹脂組成物中10〜50重量%であり、該ポリオールに溶解する可溶性生分解性物質(A)が、可溶性リグニン系物質、糖化合物、リグニン及び糖化合物のポリカプロラクトン誘導体の中から選ばれる少なくとも1種からなる組成物である。
(2)硬化樹脂組成物が、(i)ポリオール、(ii)ポリイソシアネート、(iii)該ポリオールに溶解する可溶性生分解性物質(A)及び(iv)該ポリオールに溶解しない不溶性生分解性物質(B)を含有する混合物の硬化反応生成物からなり、該可溶性生分解性物質(A)と該不溶性生分解性物質(B)との合計量が該硬化樹脂組成物中10〜90重量%であり、該可溶性生分解性物質(A)の割合が該硬化樹脂組成物中10〜50重量%である、組成物。
[2]前記可溶性生分解性物質(A)が、リグニンスルホン酸、リグニンスルホン酸部分中和塩及び糖化合物の中から選ばれる少なくとも1種からなることを特徴とする前記1に記載の生分解性木質ボード。
[3]前記不溶性生分解性物質(B)が、不溶性リグニン系物質、植物質粉末及び植物質短繊維の中から選ばれる少なくとも1種からなることを特徴とする前記1に記載の生分解性木質ボード。
[4]前記木片が、建築用木質廃材、木材製材廃材、農産物茎部のいずれかであることを特徴とする前記1に記載の生分解性木質ボード。
[5]前記生分解性木質ボードの寸法が、高さ10〜100mm、幅300〜1800mm、長さ300〜1800mmの平板形状であることを特徴とする請求項1に記載の生分解性木質ボード。
[6]地面に敷設して太陽光を遮断することによる雑草防除のために用いられることを特徴とする前記1に記載の生分解性木質ボード。
[7]田畑の畔に敷設されることを特徴とする前記6に記載の生分解性木質ボード。
本考案の木質ボードは、田畑の畔等に敷設しておくだけで、太陽光を遮断することにより雑草の発生を防止できるものである。該木質ボードは、板状であることから敷設が容易であって、短期的には損傷しにくいものである。また、木片を生分解性硬化樹脂組成物で接着接合したものなので、全体が生分解性を有し、そのまま放置しておけば長期的には自然崩壊して自然界に戻るので、環境に負担をかけることがないものである。
図1は、本考案の生分解性木質ボードの一例を示す斜視図である。 図2は、実施例1〜3で用いた木片の写真である。 図3は、実施例1で得られた生分解性木質ボードを切断して得られた小片を斜め上方から写した写真である。
以下、本考案の生分解性木質ボードについて詳細に説明する。
本考案の生分解性木質ボード(以下、単に木質ボードともいう。)は、多数の木片が、生分解性硬化樹脂組成物(以下、単に硬化樹脂組成物ともいう。)を介して接着接合されたものである。該生分解性硬化樹脂組成物には、後述するように、二通りの態様がある。一の態様の硬化樹脂組成物は、(i)ポリオール、(ii)ポリイソシアネート及び(iii)該ポリオールに溶解する可溶性生分解性物質(A)を含有する混合物を硬化反応させたものである。また、他の一の態様硬化樹脂組成物は、(i)ポリオール、(ii)ポリイソシアネート、(iii)該ポリオールに溶解する可溶性生分解性物質(A)及び(iv)該ポリオールに溶解しない不溶性生分解性物質(B)を含有する混合物の硬化反応生成物からなるものである。
前記の硬化樹脂組成物を介して、多数の木片が接着接合された木質ボードは、例えば、多数の木片を特定のポリエチレングリコール中に浸漬、撹拌し、これに特定のポリイソシアネートを加え、撹拌して得られた混合物を、型枠に充填し、熱プレス処理を行い、その後、加熱を停止し室温になるまで放置することにより、得ることができる。
本考案の木質ボードを、例えば、田畑の畔等に敷設すれば、日光を遮断することにより雑草の発生を容易に防止することができる。しかも、該木質ボードを敷設するには杭を打つことは不要なので、手間がかからない。さらに、該木質ボードは、短期的には損傷しにくいものであり、木片を生分解性硬化樹脂組成物で接着接合されたものなので、全体として生分解性を有し、長期的には、自然崩壊して自然界に戻るものである。
本考案の木質ボードの形状は、図1に示すような長方形又は正方形の板状が隙間なく敷設することが容易なので好ましい。但し、本考案の木質ボードは、これらの形状に限定させるものではない。
該木質ボードが長方形の場合、敷設の容易性、製造の容易性を考慮すると、その長さは300〜1800mmが好ましく、その幅は300〜1800mmが好ましく、その厚みは10〜100mmが好ましい。
該木質ボードを構成する木片の寸法は、ポリエチレングリコールやポリイソシアネートと均一に混ぜることが容易であると共に、得られる木質ボードの強度に優れることから、最大長さが50〜1mm、最大幅が30〜0.5mm、最大厚みが10〜0.1mmであることが好ましい。該寸法が小さすぎると、木質ボードの製造が容易ではなくなり、大きすぎても製造が容易ではなくなる。
なお、最大長さ、最大幅、最大厚みとは、木片が不定形をしており、各方向での一定の長さは定まらないことから、各方向における最も長い部分の寸法をいう。
本考案の木質ボードを構成する木片は、様々な木から得られるものであれば、種類を問わず使用することができるが、入手が容易で、木質ボードの製造が容易であることから、建築用木質廃材、木材製材廃材(かんな屑、のこぎり屑など)、農産物茎部(バガス、稲わら、麦わら、トマトなど)等が好ましい。
前記木片の形状に定めはなく、例えば断面不定形な短冊状、断面不定形な薄片状、粒状、粉状などの、建築用木質廃材、木材製材廃材等で得られた不定形なものをそのまま用いることができる。
次に、本考案の木質ボードを構成する生分解性硬化樹脂組成物について説明する。
本考案で用いられる硬化樹脂組成物には、前記の通り二通りの態様がある。
その一つの態様は、(i)ポリオール、(ii)ポリイソシアネート及び(iii)該ポリオールに溶解する可溶性生分解性物質(A)を含有する混合物(X)の硬化反応生成物からなり、該可溶性生分解性物質(A)の割合が該硬化反応生成物中10〜50重量%、好ましくは10〜30重量%である、硬化樹脂組成物である。
本考案で用いられる硬化樹脂組成物層の他の態様は、(i)ポリオール、(ii)ポリイソシアネート、(iii)該ポリオールに溶解する可溶性生分解性物質(A)及び(iv)該ポリオールに溶解しない不溶性生分解性物質(B)を含有する混合物(Y)の硬化反応生成物からなり、該可溶性生分解性物質(A)と該不溶性生分解性物質(B)との合計量が該硬化反応生成物中10〜90重量%であり、該可溶性生分解性物質(A)の割合が該硬化反応生成物中10〜50重量%、好ましくは10〜30重量%である硬化樹脂組成物である。
前記ポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン、トリエタノールアミン、ソルビトール等の低分子量ポリオール:ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、エチレンオキシド/プロピレンオキシド共重合体等のポリエーテルポリオール:ポリカプロラクトン、ポリ−β−メチル−δ−プチロラクトン、ジオールと二塩基酸からのポリエステル等が挙げられる。その他、水酸基含有液状ポリブタジエン、ポリカーボネートジオール、アクリルポリオール、ひまし油変性物、やし油変性物等が挙げられる。
前記ポリイソシアネートとしては、脂肪族系ポリイソシアネート、脂環族系ポリイソシアネートおよび芳香族系ポリイソシアネートの他、それらの変性体が包含される。脂肪族系ポリイソシアネートとしては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、リジントリイソシアネート等が挙げられ、脂環族系ポリイソシアネートとしては、例えば、イソホロンジイソシアネートが挙げられる。芳香族系ポリイソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメリックジフェニルメタンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオホスフェート等が挙げられる。ポリイソシアネート変性体としては、例えば、ウレタンプレポリマー、ヘキサメチレンジイソシアネートビューレット、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリマー、イソホロンジイソシアネートトリマー等が挙げられる。
本考案において用いる好ましいポリイソシアネートは、(i)ジイソシアネート又は(ii)ジイソシアネートと、3〜6価、好ましくは3〜4価のポリイソシアネートとの混合物である。この混合物において、該ポリイソシアネートの割合は、ジイソシアネート換算モル量で、即ち、n(n:3〜4の数)価のポリイソシアネート1モルを、n/2モルのジイソシアネートと換算(例えば、3価のポリイソシアネート1モルは、1.5モルのジイソシアネートとして換算する)して、0.5〜2モル、好ましくは0.7〜1.5モルである。
本考案で用いるポリオールに溶解する可溶性生分解性物質(A)としては、前記一つの態様の場合には、可溶性リグニン系物質(リグニンスルホン酸、リグニンスルホン酸部分中和塩)、糖化合物、リグニン及び糖化合物のポリカプロラクトン誘導体の中から選ばれる少なくとも1種であり。前記他の態様の場合には、従来公知の各種のものが用いられる。このようなものには、可溶性リグニン系物質(リグニンスルホン酸、リグニンスルホン酸部分中和塩)の他、糖化合物、可溶性天然高分子、リグニン及び糖化合物のポリカプロラクトン誘導体等が包含される。
前記リグニンスルホン酸部分中和塩は、スルホン酸基とスルホン酸塩基の両方を有し、ポリオールに可溶性のリグニン物質を意味する。リグニンスルホン酸塩は、従来、サルファイトパルプ製造工程で副産される安価なものであるが、通常のポリオールには不溶性であるため、リグニンスルホン酸塩をそのまま原料とするポリウレタンは知られていない。これまでは、リグニンスルホン酸塩を、ヒドロキシメチル化してポリオール可溶として、分子内に組み込んだポリウレタンが知られている程度である。このようなポリウレタンはコスト高となり、安価なリグニンスルホン酸塩の特徴が生かされていない。
前記リグニンスルホン酸塩を酸で部分的に加水分解して部分中和塩型とすると、このリグニンスルホン酸部分中和塩は容易にポリオールに溶解し、このリグニンスルホン酸部分中和塩を溶解状で含むポリオール溶液をポリイソシアネートと縮合反応させることにより、リグニンスルホン酸成分をポリウレタン分子鎖に含むすぐれた物性を有する生分解性ポリウレタンが得られる。
前記リグニンスルホン酸部分中和塩は、リグニンスルホン酸塩を、酸を用いて部分的に加水分解することあるいはイオン交換法で部分的に陽イオン交換することにより得ることができる。この場合、そのリグニンスルホン酸塩には、ナトリウム塩やカリウム塩、アンモニウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等が包含される。その部分加水分解の程度は、通常その5%水溶液のpHが1〜8、好ましくは2.5〜6、より好ましくは3〜4を示す程度であり、ポリオールに溶解する程度であればよい。
前記リグニンスルホン酸部分中和塩において、そのスルホン酸基は、部分的に脱スルホン化することができる。この脱スルホン化は、リグニンスルホン酸塩を部分的に加水分解する前に行うことができる。この場合の脱スルホン化は、例えば、そのリグニンスルホン酸塩をアルカリ性条件下、高圧高温で酸化反応することにより行うことができる。この部分スルホン化率は、リグニン物質に結合する全スルホン酸基の5〜90%、好ましくは10〜50%程度である。
可溶性リグニン系物質としては、前記可溶性リグニン系物質(リグニンスルホン酸、リグニンスルホン酸部分中和塩)の他、ソルボリシスリグニンを挙げることができる。
前記糖化合物には、糖蜜、単糖、少糖、多糖、糖アルコール等が包含され、ポリオールに可溶性のものであれば任意のものが用いられる。このような糖化合物には、例えば、グルコース、ガラクトース、キシロース、乳糖、マンノース、タロース、ラムノース、アラビノース、グルコシルマンノース、リキソース、アロース、アルトロース、グロース、イドース、リボース、エリトロース、トレオース、プシコース、フルクトース、ソルボース、タガトース、ペンツロース、テトロース、スクロース、マルトース、イソマルトース、セロビオース、ラクトース、トレハロース、コウジビオース、ソホロース、ニゲロース、ラミナリビオース、イソマルトース、ゲンチオビオース、メリビオース、ブランテオビオース、ツラノース、ビシアノース、アガロビオース、シラビオース、ルチノース、プリメプロース、キシロビオース、ロジメナビオース、エリトリトール、メソエリトリトール、マルチトール、ラクチトール、D−トレイトール、D−アラビニトール、リビトール、キシリトール、ソルビトール、ガラクチトール、D−マンニトール、アリトール、高級アルジトール等の他、デンプン、デキストラン、マンナン、ペクチン、ペクチン酸、アルギン酸、キトサン、(上記糖化合物のポリカプロラクトン誘導体)等が挙げられる。
前記糖蜜としては、精糖蜜や廃糖蜜が用いられる。
前記ポリオールに溶解しない不溶性生分解性物質(B)としては、従来公知の各種のものが用いられる。このようなものには、ヒドロキシル基含有植物質粉末や、ヒドロキシル基含有植物質短繊維の他、生分解性樹脂(ポリエステル、ポリ乳酸等)が包含される。
ヒドロキシル基含有植物質粉末としては、従来公知のもの、例えば、パルプ粉末、クラフトリグニン粉末、バガス粉末、木粉末、茶殻粉末、コーヒー豆がら粉末、コーヒー豆粉末等の各種天然高分子粉末が挙げられる。この植物質高分子粉末の平均粒径は、0.01〜3mm、好ましくは0.1〜2mmである。植物質高分子粉末の平均粒径が前記範囲より大きくなると、混合が不均一となり、ポリイソシアネートとの反応性も悪くなり、又前記範囲より小さくなると得られるポリウレタン複合体の圧縮強度や弾性率が低下する。本発明において用いるヒドロキシル基含有植物質短繊維としては、木綿繊維、麻繊維、バナナ繊維、パルプ、木材、ヤシ殻繊維等の植物質天然高分子繊維が挙げられる。この植物質高分子繊維の平均の太さは、0.01〜2mm、好ましくは0.02〜1mmである。繊維の長さは5mm以下、好ましくは3mm以下であり、その下限値は1mm程度である。植物質高分子短繊維の寸法は前記より大きくなると、混合が不均一となり、ポリイソシアネートとの反応性も悪くなり、また前記範囲より小さくなると得られるポリウレタン複合体の圧縮強度や弾性率が低下する。
本考案で用いられる硬化樹脂組成物においては、ポリオールとポリウレタンとをウレタン化反応させるために、従来公知のウレタン化反応触媒を用いるのが好ましい。ウレタン化反応触媒としては、通常、金属系やアミン系の触媒が用いられる。
前記の中では、アミン系触媒の使用が好ましい。このアミン系触媒としては、例えば、トリエチレンジアミン、ビス(ジメチルアミノエチル)エーテル、テトラメチルヘキサメチレンジアミン、テトラメチルプロパン−1,3−ジアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、トリメチルアミノエチルピペラジン、1−メチルイミダゾール、1−イソブチル−2−メチルイミダゾ−ル等が挙げられる。
前記金属系ウレタン化触媒には、鉛系やスズ系の触媒が包含される。その具体例としては、例えば、ジブチルチンジラウレート等が挙げられる。
ウレタン化反応触媒の使用割合は、前記した反応混合物X中又は前記した反応混合物Y中、アミン系触媒の場合、0.1〜5重量%、好ましくは0.1〜20重量%であり、金属系触媒の場合、0.1〜5重量%、好ましくは0.1〜2重量%である。
本考案の木質ボードを製造するには、次のように行えばよい。
木片(好ましくは乾燥木片)95〜50重量部に前記ポリオール5〜50重量部(但し、木片とポリオールの合計が100重量部である。)を加え、容器内で、撹拌しながら混合物とする。次に、前記ポリイソシアネートを必要量加えて、発熱が観測されるまで、混合物を撹拌する。得られた混合物を、型枠に均一に充填して、加熱によりウレタン化反応(硬化反応)させながら、加圧下で熱プレス処理を行う。その後、加熱を停止し室温になるまで放置すれば、本考案の木質ボードが得られる。
前記加熱温度は、20〜150℃、好ましくは50〜150℃、より好ましくは60〜130℃である。加圧圧力は、好ましくは60〜160MPa、より好ましくは80〜140MPa、更に好ましくは100〜130MPaである。
前記ウレタン化反応においては、ポリオールとポリイソシアネートとの硬化反応(ウレタン化反応)が生起し、そして、生分解性物質(A)又は(B)がヒドロキシル基を持つ物質の場合には、それらのヒドロキシル基とポリイソシアネートとの間のウレタン化反応も生起する。この硬化反応によって多数の木片間には硬化樹脂組成物層が形成される。
ポリイソシアネートの使用割合は、混合物X又はY中に存在する反応性ヒドロキシル基の当量数に対し、そのイソシアネート当量数で、0.5〜1.5倍当量、好ましくは0.7〜1.3倍当量である。ポリイソシアネートは、通常、混合物X又はY中、1〜30重量%、好ましくは5〜25重量%である。
本考案の木質ボードにおいて、そのボード間に存在する硬化樹脂組成物の層(接着剤層)は、発泡体層とすることもできる。この場合には、発泡剤としての水を、前記混合物XやYに適量加えればよい。
以下、実施例により本考案の生分解性木質ボードについて説明する。但し、本考案は実施例に限定されるものではない。
実施例1
5Lの容器内で、乾燥木片(長さ 50 〜 2 mm、断面不定形な薄片状、図2)70重量部に、糖蜜ポリオール(33wt%廃糖蜜を含有するポリエチレングリコール200溶液)30重量部を加え、室温で、高トルク攪拌機を用いてよく撹拌して、木片と糖蜜ポリオールを含有する第1混合物を得た。
次に、前記容器内の混合物に、NCO/OH比1.2に相当する重量のポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート(MDI)を加えて、発熱が観測されるまで撹拌して、木片とポリエチレングリコールとポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート(MDI)の第2混合物を得た。得られた第2混合物を、ステンレス製型枠(150×150×20mm)に均一となるように充填して、これを120℃で120MPaの加圧下で120分間熱プレス処理を行った。その後、加熱を停止し室温になるまで放置して、木質ボードを作製した。
得られた木質ボードを切断して得られた小片を斜め上方から写した写真を図3に示す。
実施例2
実施例1において、乾燥木片84重量部に、糖蜜ポリオール(33wt%廃糖蜜のポリエチレングリコール200 溶液)16重量部をくわえたこと以外は、実施例1と同様にして木片ボードを作製した。
実施例3
実施例1において、乾燥木片90重量部に、糖蜜ポリオール(33wt%廃糖蜜のポリエチレングリコール200 溶液)10重量部をくわえたこと以外は、実施例1と同様にして木片ボードを作製した。
実施例1−3において得られた木片ボードの曲げ強度、弾性率及び密度を表1に示す。
試験は、150mm×30mm×20mmの試験片を用いて、JIS Z 2101−1994 に準じて行った。




1 生分解性木質ボード
2 木片

Claims (7)

  1. 多数の木片が、生分解性硬化樹脂組成物を介して接着接合された生分解性木質ボードであって、生分解性硬化樹脂組成物が下記(1)または(2)の組成物であることを特徴とする生分解性木質ボード。

    (1)該硬化樹脂組成物が、(i)ポリオール、(ii)ポリイソシアネート及び(iii)該ポリオールに溶解する可溶性生分解性物質(A)を含有する混合物の硬化反応生成物からなり、該可溶性生分解性物質の割合が該硬化樹脂組成物中10〜50重量%であり、該ポリオールに溶解する可溶性生分解性物質(A)が、可溶性リグニン系物質、糖化合物、リグニン及び糖化合物のポリカプロラクトン誘導体の中から選ばれる少なくとも1種からなる組成物である。
    (2)硬化樹脂組成物が、(i)ポリオール、(ii)ポリイソシアネート、(iii)該ポリオールに溶解する可溶性生分解性物質(A)及び(iv)該ポリオールに溶解しない不溶性生分解性物質(B)を含有する混合物の硬化反応生成物からなり、該可溶性生分解性物質(A)と該不溶性生分解性物質(B)との合計量が該硬化樹脂組成物中10〜90重量%であり、該可溶性生分解性物質(A)の割合が該硬化樹脂組成物中10〜50重量%である、組成物。
  2. 前記可溶性生分解性物質(A)が、リグニンスルホン酸、リグニンスルホン酸部分中和塩及び糖化合物の中から選ばれる少なくとも1種からなることを特徴とする請求項1に記載の生分解性木質ボード。
  3. 前記不溶性生分解性物質(B)が、不溶性リグニン系物質、植物質粉末及び植物質短繊維の中から選ばれる少なくとも1種からなることを特徴とする請求項1に記載の生分解性木質ボード。
  4. 前記木片が、建築用木質廃材、木材製材廃材、農産物茎部のいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の生分解性木質ボード。
  5. 前記生分解性木質ボードの寸法が、高さ10〜100mm、幅300〜1800mm、長さ300〜1800mmの平板形状であることを特徴とする請求項1に記載の生分解性木質ボード。
  6. 地面に敷設して太陽光を遮断することによる雑草防除のために用いられることを特徴とする請求項1に記載の生分解性木質ボード。
  7. 田畑の畔に敷設されることを特徴とする請求項1に記載の生分解性木質ボード。



JP2014000455U 2014-01-30 生分解性木質ボード Expired - Lifetime JP3190026U (ja)

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