JP3189782B2 - 導電性金属酸化物焼結体及びその用途 - Google Patents

導電性金属酸化物焼結体及びその用途

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、導電性金属酸化物
焼結体及びその用途に関する。更に詳しくは、スパッタ
リング法、CVD法等により形成される透明導電性金属
酸化物薄膜及びその原材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、太陽電池やディスプレー機器の透
明電極や、帯電防止用の導電性コーティングとして透明
導電性薄膜の需要が高まっている。このような透明導電
性薄膜は、導電性金属酸化物組成物のスパッタリング
法、CVD法等により形成されている。
【0003】従来、このような透明導電性金属酸化物と
しては異種添加元素として錫をドープした酸化インジウ
ム(以下ITOと記述)、異種添加元素としてアンチモ
ンをドープした酸化スズが主に用いられている。
【0004】しかし異種添加元素としてアンチモンをド
ープした酸化スズは抵抗が高く(比抵抗:10mΩ・c
m程度)、一方比較的低抵抗なITOでも、比抵抗で
0.2mΩ・cm程度までしか達成されない。このよう
な状況において、近時より低抵抗な透明導電膜材料が熱
望されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】これまで酸化インジウ
ムのドーパントとしては錫が最も多く用いられている
が、錫以外にもモリブデン、タングステン、チタン(特
開昭59−204625)、亜鉛、セリウム、コバル
ト、ニッケル(特開昭60−220505)、トリウム
(特開昭59−198602)、ルテニウム、鉛、銅
(特開昭59−163707)、硼素、ヒ素、アンチモ
ン、ビスマス(特開昭59−90307)、シリコン、
ゲルマニウム(特開昭62−202415)、アルミニ
ウム、ガリウム(特開昭62−84567)、ハロゲン
元素(特開昭62−142774)、テルル(特開昭6
3−178414)等が検討されている。しかしいずれ
のドーパントにおいても得られる物の導電性は必ずしも
十分ではなかった。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は酸化インジ
ウムに異種添加元素をドープした導電性金属酸化物に関
して鋭意検討を重ねた結果、少なくともハフニウム又は
ニオブ成分をドーパントの一部として含有する酸化イン
ジウムにおいて極めて低抵抗な透明導電膜が形成可能で
あることを見出だし、本発明を完成させるに至ったもの
である。
【0007】酸化インジウムに異種添加元素をドープす
ることによって導電性を向上させる場合、その導電性は
酸化インジウム中の電子密度と電子移動度によって規定
される。酸化インジウムに異種添加元素をドープしてい
くと電子密度が増加し、導電性が向上するが、ドーパン
トの含有量が必要以上に増大すると、電子の移動度が低
下し、導電性は再び低下する。
【0008】ハフニウム及び/又はニオブは、錫同様に
酸化インジウムにドープすることによりその電子密度を
向上させるだけでなく、ドープすることによる酸化イン
ジウム中の電子移動度の低下を抑制するのでドーパント
として極めて優れている。
【0009】本発明のハフニウム及び/又はニオブ成分
の含有量は酸化インジウムに対してこれらの酸化物換算
0.52wt%〜5wt%の範囲が好ましい。一方、
これらの成分を酸化インジウムにドープする場合、錫成
分と併用して用いることが得られる物の低抵抗化に極め
て効果的であることを見出だした。この際の酸化インジ
ウム中の錫成分及びハフニウム及び/又はニオブ成分の
含有量としては、重量換算で酸化インジウム中のこれら
の酸化物の含量が1wt%〜20wt%、特に3wt
%〜12wt%が好ましい。また錫成分に対するハフニ
ウム及び/又はニオブ成分の比率にも特別の制限は無い
が、特に3wt%〜30wt%程度が好ましい。前記し
た量が少なすぎるとこれらの添加の効果がなく、又必要
以上に多すぎると、得られるものの低抵抗化に悪影響を
及ぼす。
【0010】このような組成の透明導電膜は極めて低抵
抗であり、かつ透明性に優れている。従来ITOによる
透明導電膜においては比抵抗で0.2mΩ・cm程度が
限界であったが、本発明組成の透明導電膜においてはそ
れ以下、特に0.18mΩ・cm以下が可能となった。
又、透明性についても、膜の光透過率が550nmに於
いて85%以上で優れたものである。本発明中に存在す
る各成分は酸化物の形で存在する。
【0011】このような低抵抗の透明導電膜を形成する
方法の一つとしてスパッタリング法が考えられるが、本
発明の組成を有する焼結体は、上述した優れた透明導電
膜を形成するターゲットとして用いることが可能であ
る。
【0012】本発明の組成を有する焼結体はこれをスパ
ッタリングすることによって極めて低抵抗な透明導電膜
を形成することが可能であるが、当該焼結体は可能な限
り高密度であることが好ましい。高密度のターゲットは
単に機械的強度が強いだけでなく、スパッタリングによ
る組成ずれが起り難く、導電結晶面配向性の強い、低抵
抗な透明導電膜を形成しやすい。異種元素をドーパント
とした酸化インジウムの見掛けの焼結体密度は約7g/
cm3程度であるが、本発明の組成の焼結体の密度とし
ては、5g/cm3以上である。
【0013】このような焼結体を調製するための酸化物
粉末としては、本発明の組成を満足していれば特に制限
はないが、上述したようになるべく高密度な焼結体を得
るために微細で高分散性であることが好ましい。また本
発明の焼結体製造用の原料粉末の製造法としては必要な
各成分の酸化物を混合する方法、各成分を含む溶液を用
いてそれらの成分を共沈させ、共沈物を焼成するなどし
て複合酸化物とする方法等いずれも適用可能である。
【0014】このようにして得られた酸化物粉末は予備
成型し焼結処理を行なう。この際の焼結は、温度:13
00〜1500℃、時間:5〜20時聞で大気中又は不
活性雰囲気中で行なう。
【0015】
【発明の効果】このような組成の金属酸化物焼結体は、
透明導電膜の形成材として用いた場合、特に導電性にお
いて極めて優れた性能を持つ膜を形成させることができ
る。
【0016】
【実施例】以下実施例に基づき本発明を説明するが、本
発明は実施例になんら限定されるものではない。
【0017】(実施例1)酸化インジウムに対し、異種
元素酸化物ドーパントを5wt%及び10wt%添加し
た2種類の複合酸化物(平均粒径0.5μm)を、予備
成型(100mmφ×10mm厚さ)し1400℃で焼
結して焼結体ペレットを調製した。それぞれのドーパン
ト組成での同一密度における比抵抗を表1に示した。表
1より酸化ハフニウム及び/又は酸化ニオブをドーパン
トの一部として含有する酸化インジウムは酸化スズ単独
をドーパントとして含有する場合に比べ、より低抵抗で
あることが判る。
【0018】
【表1】
【0019】(実施例2)酸化インジウム、酸化ハフニ
ウム、酸化ニオブ、酸化スズの複合酸化物ターゲットを
用いDCマグネトロンスパッタリングにより透明導電膜
を調製した。透明導電膜におけるドーパント量としては
5〜8wt%程度が最適であるが、これを用いてスパッ
タリングすると、得られる膜中のドーパント量はターゲ
ット中のそれより低下する傾向があるため、ターゲット
中のドーパントとして全量で10wt%含有するものを
用いた。用いたターゲットは密度約5g/cm3、直径
10cmの焼結体ターゲット(焼結温度1400℃)を
用い、スパッタガスには純アルゴン、圧力は0.6P
a、投入電力は4w/cm2とした。また基板には石英
ガラスを用い、成膜中は基板は350℃に加熱した。こ
のような条件において約3000Aの透明導電膜を調製
した。得られた透明導電膜の特性を表2に示した。これ
らの異種元素をドーパントの一部として用いた場合、酸
化インジウムに酸化スズのみをドープした場合のものに
比べ、より低抵抗な透明導電膜が得られた。さらに膜の
光透過率は550mmにおいて全て85%以上で、透明
性においても従来のものに比べて優れたものであった。
【0020】
【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01B 1/08 C04B 35/01 C23C 14/08 C23C 14/34 H01B 5/14

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハフニウム及び錫成分を含む酸化インジ
    ウムを主成分とする導電性金属酸化物焼結体。
  2. 【請求項2】 ハフニウム及び錫成分を含む酸化インジ
    ウムを主成分とするスパッタリングターゲット。
  3. 【請求項3】 ハフニウム及び錫成分を含む酸化インジ
    ウムを主成分とする透明導電性膜。
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