JP3189457B2 - 自動二輪車の車体フレーム - Google Patents

自動二輪車の車体フレーム

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JP3189457B2
JP3189457B2 JP01488293A JP1488293A JP3189457B2 JP 3189457 B2 JP3189457 B2 JP 3189457B2 JP 01488293 A JP01488293 A JP 01488293A JP 1488293 A JP1488293 A JP 1488293A JP 3189457 B2 JP3189457 B2 JP 3189457B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動二輪車の車体フレー
ムに係り、特に整備性が向上した自動二輪車の車体フレ
ームに関する。
【0002】
【従来の技術】自動二輪車は、複数の鋼製パイプ等を溶
接結合して構成される車体フレームを有する。
【0003】また、自動二輪車は、後輪の上下動を緩
衝、吸収するリアショックアブソーバを、車体フレーム
中央部に取付けたものがある。
【0004】さらに、レース用自動二輪車においては、
レース中に前記リアショックアブソーバを頻繁に調整、
交換を行っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記リ
アショックアブソーバが車体フレーム中央部に取付けら
れていると、リアショックアブソーバは調整や交換を行
う場合、周りを車体フレーム構成部材によって覆われて
いるので、例えば運転シートやエアクリーナ等を取外さ
なければならないという問題がある。
【0006】上記問題を解決するために、例えば車体フ
レームを、エンジン等を搭載する前部フレームと運転シ
ート等を支持する後部フレームとに大別し、この後部フ
レームを前記前部フレームに着脱可能に取付け、リアシ
ョックアブソーバの調整、交換時には後部フレームを取
外してしまうという案がある(例えば、特公昭60−1
91889号公報参照)。
【0007】しかし、上記フレーム着脱方法では、後部
フレームの取外し箇所が多く手間が掛かる一方、取外さ
れた後部フレームをどこか他の場所に置くか、取外され
た後部フレームを誰かが持っていなければならないとい
う問題が起こる。
【0008】この問題を解決するために、図5に示すよ
うに、前部フレーム1の上方後端部に後部フレーム2を
ヒンジ3等を介して上下方向に回動自在に取付け、後部
フレーム2を上方に持上げてリアショックアブソーバ4
の調整、交換を行うという方法が考えられている。
【0009】しかし、この方法においても、上方に持上
げられた後部フレーム2は誰かの支えを必要とし、ま
た、リアフェンダ5に付着した泥などが落下してリアシ
ョックアブソーバ4の調整、交換を妨げる虞もある。
【0010】さらに、上記いずれの方法においても、後
部フレーム2を移動するたびに、後部フレーム2内に搭
載された機器、例えばエアクリーナ6を前部フレーム内
に搭載された機器、例えばキャブレータ7から取外さな
ければならず、手間が掛かってしまう。
【0011】本発明は上述した事情を考慮してなされた
もので、リアショックアブソーバおよびその周辺の整備
性を向上させた自動二輪車の車体フレームを提供するこ
とを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明に係る自動二輪車
の車体フレームは、上述した課題を解決するために、請
求項1に記載したように、鋼製パイプ等を組み合わせて
車体フレームを構成する自動二輪車において、上記車体
フレームを、キャブレータが接続されたエンジンを搭載
する前部フレームと、エアクリーナを搭載し、運転シー
トを支持する後部フレームとから構成し、上記キャブレ
ータと上記エアクリーナとを軟質部材で折曲自在に形成
されたサクションパイプで接続すると共に、上記車体フ
レームの略中央部にリアショックアブソーバを配置し、
このリアショックアブソーバの左右方向一側に上記サク
ションパイプを配置する一方、このサクションパイプが
配置された側の上記前部フレームに連結部を介して上記
後部フレームを左右方向に回動自在に取付けたものであ
る。
【0013】
【作用】上記の構成を有する本発明においては、鋼製パ
イプ等を組み合わせて車体フレームを構成する自動二輪
車において、上記車体フレームを、キャブレータが接続
されたエンジンを搭載する前部フレームと、エアクリー
ナを搭載し、運転シートを支持する後部フレームとから
構成し、上記キャブレータと上記エアクリーナとを軟質
部材で折曲自在に形成されたサクションパイプで接続す
ると共に、上記車体フレームの略中央部にリアショック
アブソーバを配置し、このリアショックアブソーバの左
右方向一側に上記サクションパイプを配置する一方、こ
のサクションパイプが配置された側の上記前部フレーム
に連結部を介して上記後部フレームを左右方向に回動自
在に取付けたため、リアショックアブソーバおよびその
周辺の整備性が向上する。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0015】図1は、この発明を適用した自動二輪車の
一例を示す左側面図であり、図2は、この自動二輪車の
中央付近を拡大した側面図である。
【0016】図1において、この自動二輪車10の車体
フレーム11は、例えばセミダブルクレードルフレーム
型のもので、前部フレーム12および後部フレーム13
に大別される。前部フレーム12は、主に左右一対のメ
インフレーム14,15,タンクレール16,ヘッドパ
イプ17,ダウンチューブ18およびアンダーチューブ
19から構成される一方、後部フレーム13は、主に左
右一対のシートレール20,21および左右一対のリア
パイプ22,23から構成される。
【0017】前部フレーム12は、タンクレール16の
上端にヘッドパイプ17が接続される。このヘッドパイ
プ17の下端からダウンチューブ18が後下方に延設さ
れており、このダウンチューブ18の下端にはアンダー
チューブ19が接続される。アンダーチューブ19は、
二股に分かれて下方に延び、途中で折曲され後方に延び
る。
【0018】また。前記タンクレール16の下端にはメ
インフレーム14,15が左右に接続され、このメイン
フレーム14,15は下方に延び、前記アンダーチュー
ブ19の後端に接続される。
【0019】一方、後部フレーム13は、左右一対のシ
ートレール20,21が中央部付近および後端部付近を
ブリッジ部材24,25により接続され、また、シート
レール20,21中央部付近から左右一対のリアパイプ
22,23が前下方に延設される。
【0020】前記前部フレーム12の中央下部にはエン
ジン26が搭載され、前部フレーム12の上方には燃料
タンク27が設置される。
【0021】前記エンジン26の前側からは、エンジン
排気系である排気パイプ28が自動二輪車10の右後方
に延び、排気パイプ28の後端にはサイレンサ29が排
気パイプ28に着脱自在に取付けられる。また、サイレ
ンサ29は右側のシートレール21後部に固定されると
共に、運転シート30およびリアフェンダ31も左右の
シートレール20,21に固定される。
【0022】また、エンジン26の後側には、エンジン
吸気系であるキャブレータ32が接続され、このキャブ
レータ32は、ゴムまたはポリ塩化ビニール(PVC)
等の軟質部材で形成されたサクションパイプ33を介し
て前記後部フレーム13中央部に搭載されたエンジン吸
気系であるエアクリーナ34に接続される。
【0023】そして、前記サクションパイプ33は、後
述するリアショックアブソーバ35の左側を通るように
配置する(図3参照)。
【0024】前部フレーム12のヘッドパイプ17には
ステアリング機構36が設けられ、このステアリング機
構36には前輪37を回動自在に支持するフロントフォ
ーク38やハンドルバー39等が設けられ、左右に回動
自在に枢着される。
【0025】前部フレーム12のメインフレーム14,
15の中央下部に架設されたピボット軸40には後輪4
1を支持するスイングアーム42がピボット軸40廻り
に回動自在に枢着される。
【0026】スイングアーム42の基端部側、車体フレ
ーム11の略中央部にはリアショックアブソーバ35な
らびにリンク43から構成されるリアサスペンション機
構44が設けられる。また、リアショックアブソーバ3
5の上端部は、前記タンクレール16の下端部に回動自
在に軸支される。
【0027】図3は、図2のX矢視による車体フレーム
11の平面図である。
【0028】図2および図3において、後部フレーム1
3の前記サクションパイプ33が配置された側、本実施
形態においては左側のシートレール20および左側のリ
アパイプ22の前端部には、後部フレーム側連結部であ
る例えばパイプ状の部材45,46が設けられる。
【0029】一方、前記サクションパイプ33が配置さ
れた側、本実施形態においては左側のメインフレーム1
4には、前部フレーム側連結部である例えばコの字状の
ブラケット47,48が上下に離間して設けられ、これ
らのブラケット47,48に、後部フレーム13の左側
が前記パイプ状の部材45,46を介してボルト49,
50等により左右方向に回動自在に取付けられる。
【0030】また、後部フレーム13の右側のシートレ
ール21および右側のリアパイプ23の前端部には、詳
細には図示しないが、後部フレーム側固定部である例え
ばドーナツ状の部材51,52が設けられる。
【0031】そして、右側のメインフレーム15には、
詳細に図示しないが、前部フレーム側固定部である例え
ばドーナツ状のブラケット53,54が上下に離間して
設けられ、これらのブラケット53,54に、後部フレ
ーム13の右側が前記ドーナツ状の部材51,52を介
してボルト55,56等により着脱自在に取付けられ
る。
【0032】次に、本実施例の作用について説明する。
【0033】自動二輪車10のリアショックアブソーバ
35の調整や交換、および周辺の整備等を行う場合は、
まず、エンジン排気系のサイレンサ29を排気パイプ2
8から取り外す。次に、図4に示すように後部フレーム
13をメインフレーム15に取付けているボルト55,
56等を取外し、後部フレーム13を連結部45…48
を軸にして図の矢印の方向に回動操作する。
【0034】エンジン吸気系を構成するキャブレータ3
2およびエアクリーナ34を接続しているサクションパ
イプ33は、前部フレーム12と後部フレーム13との
連結部45…48側に配置されているため、後部フレー
ム13を回動操作してもキャブレータ32とエアクリー
ナ34との相対距離の変化は少なく、また、サクション
パイプ33はゴムやPVC等の軟質部材で形成されてい
て折曲自在なので、リアショックアブソーバ35等の整
備時にキャブレータ32およびエアクリーナ34を車体
フレーム11に取付けたままで後部フレーム13を回動
操作可能である。
【0035】上述したように、自動二輪車10の車体フ
レーム11に本発明を適用すれば、リアショックアブソ
ーバ35の調整や交換等の整備を行う場合、運転シート
30やエアクリーナ34等を取外すことなく容易に整備
が行える。
【0036】なお、本発明を適用した自動二輪車10の
車体フレーム11は、上述したように、車体フレーム1
1が前部フレーム12と後部フレーム13とに分割して
構成されているため、例えば車体フレームの製造段階に
おいて、溶接作業のための溶接治具は前部、後部の各フ
レームについて分離したものとして用意すればよいた
め、溶接治具の小型化を図ることができ、取扱い等が容
易になる。
【0037】また、従来の自動二輪車の車体フレームは
一体的に構成されていたため、車体フレームの材料とし
て溶接可能なもの、例えばスチールに限定されていた
が、本発明では車体フレーム11が前部フレーム12と
後部フレーム13に分割して構成されているため、例え
ば後部フレーム13の材料に非溶接材料、例えば合成樹
脂を用いることができるようになり、車体重量の軽減化
を実現できる。
【0038】さらに、前部、後部のフレームのいずれか
一方を自動二輪車の異車種について共用したものとする
ことができ、汎用性、流用性が得られる。
【0039】上述したように、本発明を自動二輪車の車
体フレームに適用すれば、量産工場における組立てライ
ンの簡素化、量産性向上を図ることができる。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る自動
二輪車の車体フレームによれば、鋼製パイプ等を組み合
わせて車体フレームを構成する自動二輪車において、上
記車体フレームを、キャブレータが接続されたエンジン
を搭載する前部フレームと、エアクリーナを搭載し、運
転シートを支持する後部フレームとから構成し、上記キ
ャブレータと上記エアクリーナとを軟質部材で折曲自在
に形成されたサクションパイプで接続すると共に、上記
車体フレームの略中央部にリアショックアブソーバを配
置し、このリアショックアブソーバの左右方向一側に上
記サクションパイプを配置する一方、このサクションパ
イプが配置された側の上記前部フレームに連結部を介し
て上記後部フレームを左右方向に回動自在に取付けたた
め、リアショックアブソーバおよびその周辺の整備性が
向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る自動二輪車の車体フレームの一実
施例を示す自動二輪車の左側面図。
【図2】図1の自動二輪車の中央付近を拡大した側面
図。
【図3】図2のX矢視による車体フレームの平面図。
【図4】本発明の作用を示す自動二輪車の中央付近の平
面図。
【図5】従来の車体フレームの一例を示す図。
【符号の説明】
10 自動二輪車 11 車体フレーム 12 前部フレーム 13 後部フレーム 14,15 メインフレーム 20,21 シートレール 22,23 リアパイプ 26 エンジン 30 運転シート 32 キャブレータ 33 サクションパイプ 34 エアクリーナ 35 リアショックアブソーバ 45,46 後部フレーム側連結部 47,48 前部フレーム側連結部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B62K 11/04 B62J 39/00 B62K 15/00 B62K 19/24 B62K 25/20

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼製パイプ等を組み合わせて車体フレー
    ムを構成する自動二輪車において、上記車体フレーム
    を、キャブレータが接続されたエンジンを搭載する前部
    フレームと、エアクリーナを搭載し、運転シートを支持
    する後部フレームとから構成し、上記キャブレータと上
    記エアクリーナとを軟質部材で折曲自在に形成されたサ
    クションパイプで接続すると共に、上記車体フレームの
    略中央部にリアショックアブソーバを配置し、このリア
    ショックアブソーバの左右方向一側に上記サクションパ
    イプを配置する一方、このサクションパイプが配置され
    た側の上記前部フレームに連結部を介して上記後部フレ
    ームを左右方向に回動自在に取付けたことを特徴とする
    自動二輪車の車体フレーム。
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