JP3188855B2 - スエード調シートの製造方法 - Google Patents
スエード調シートの製造方法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、基材シートの表面に、
スエード調の艶消し塗膜を強固に形成し、外観に高級感
があり、また手で触れたときにソフトな感触のするシー
トを、簡単に効率良く製造する方法に関する。
スエード調の艶消し塗膜を強固に形成し、外観に高級感
があり、また手で触れたときにソフトな感触のするシー
トを、簡単に効率良く製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】家具、家電製品、OA機器、文房具用品
などに対しては、その表面を艶消しの外観、特に、スエ
ード調のソフト感のあるしっとり落ち着いた外観とする
ような要求が高まっている。また、艶消し調の外観をも
つシートの製造方法としては、シートの表面に微細な凹
凸を機械的に設ける方法や、シートの表面にマット剤を
添加した塗料による印刷を施したものなどが知られてい
る。
などに対しては、その表面を艶消しの外観、特に、スエ
ード調のソフト感のあるしっとり落ち着いた外観とする
ような要求が高まっている。また、艶消し調の外観をも
つシートの製造方法としては、シートの表面に微細な凹
凸を機械的に設ける方法や、シートの表面にマット剤を
添加した塗料による印刷を施したものなどが知られてい
る。
【0003】しかし、機械的に微細な凹凸を設けたもの
は、凹凸が微細なだけに、艶消しの程度には限界があ
る。また、塗料に添加するマット剤としては、シリカ、
アルミナ、ポリエチレン等の微粉末が使用されるが、こ
れらを含む塗料による印刷を施したものは、印刷層に弾
力性がないためソフト感に乏しく、かつ、艶消し効果も
小さいため見る方向によっては、艶消し効果が出ないこ
ともある。
は、凹凸が微細なだけに、艶消しの程度には限界があ
る。また、塗料に添加するマット剤としては、シリカ、
アルミナ、ポリエチレン等の微粉末が使用されるが、こ
れらを含む塗料による印刷を施したものは、印刷層に弾
力性がないためソフト感に乏しく、かつ、艶消し効果も
小さいため見る方向によっては、艶消し効果が出ないこ
ともある。
【0004】一方近年では、上記のマット剤に代えて、
ビーズ顔料、すなわち、顔料の微粉末を合成樹脂中に分
散して粒子状にしたものを添加した塗料を、ロールコー
ト、リバースコート、キスコート、フローコート、ナイ
フコート、バーコート、スプレーコート、ディップコー
ト等の手段により塗布し、塗膜を形成したものが使用さ
れるようになってきた。このビーズ顔料を添加した塗料
による印刷を施したものは、艶消し効果が大きく、どの
方向からみても艶消し効果を発揮するものであり、か
つ、ソフトな質感をもったスエード調の外観を有するも
のとなる。特に、顔料の分散微粉末を分散させる合成樹
脂として、弾力性のあるものを使用すれば、物等が当た
っても、復元力があるため、傷が付きにくいという利点
もある。
ビーズ顔料、すなわち、顔料の微粉末を合成樹脂中に分
散して粒子状にしたものを添加した塗料を、ロールコー
ト、リバースコート、キスコート、フローコート、ナイ
フコート、バーコート、スプレーコート、ディップコー
ト等の手段により塗布し、塗膜を形成したものが使用さ
れるようになってきた。このビーズ顔料を添加した塗料
による印刷を施したものは、艶消し効果が大きく、どの
方向からみても艶消し効果を発揮するものであり、か
つ、ソフトな質感をもったスエード調の外観を有するも
のとなる。特に、顔料の分散微粉末を分散させる合成樹
脂として、弾力性のあるものを使用すれば、物等が当た
っても、復元力があるため、傷が付きにくいという利点
もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような塗料による塗膜と基材シートとの密着性は、必ず
しも十分とは言えず、塗膜の剥離が発生したり、不均一
な凹凸が発生する等の問題があり、また、塗料の塗布、
皮膜化の工程が煩雑で、かつ塗料の使用ロスが多いとい
う問題があった。
ような塗料による塗膜と基材シートとの密着性は、必ず
しも十分とは言えず、塗膜の剥離が発生したり、不均一
な凹凸が発生する等の問題があり、また、塗料の塗布、
皮膜化の工程が煩雑で、かつ塗料の使用ロスが多いとい
う問題があった。
【0006】しかして、本発明の目的とするところは、
かかる欠点を解消し、塗膜が基材シート上に強固に密着
し、かつ高級感、ソフト感に富むスエード調シートを、
簡単に効率良く製造する方法を提供することを目的とす
るものである。
かかる欠点を解消し、塗膜が基材シート上に強固に密着
し、かつ高級感、ソフト感に富むスエード調シートを、
簡単に効率良く製造する方法を提供することを目的とす
るものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
になされた本発明のスエード調シートの製造方法は、ぬ
れ指数が38〜60dyne/cmの範囲となるように
表面処理をした基材シート上に、ビーズ顔料及び/又は
合成樹脂ビーズを添加し、かつ、硬化剤(トリレンジイ
ソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キ
シリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシア
ネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加キシリ
レンジイソシアネートとトリメチロールプロパンとのア
ダクト体、上記ジイソシアネートのビュレット体又はイ
ソシアヌレート体から選ばれる一種以上のポリイソシア
ネートのプレポリマー)を含む塗料を、60〜150メ
ッシュのスクリーンを用いたスクリーン印刷法にて塗布
して塗膜を形成することを特徴とするものである。
になされた本発明のスエード調シートの製造方法は、ぬ
れ指数が38〜60dyne/cmの範囲となるように
表面処理をした基材シート上に、ビーズ顔料及び/又は
合成樹脂ビーズを添加し、かつ、硬化剤(トリレンジイ
ソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キ
シリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシア
ネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加キシリ
レンジイソシアネートとトリメチロールプロパンとのア
ダクト体、上記ジイソシアネートのビュレット体又はイ
ソシアヌレート体から選ばれる一種以上のポリイソシア
ネートのプレポリマー)を含む塗料を、60〜150メ
ッシュのスクリーンを用いたスクリーン印刷法にて塗布
して塗膜を形成することを特徴とするものである。
【0008】本発明において使用する基材シートは、ポ
リプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリメタ
クリル酸メチル、ABS樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリカ
ーボネート、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート
等のプラスチックからなるシート、これらの積層体、あ
るいはこれらと金属等の他の素材との積層体であっても
よい。更には、紙、合成(人工)皮革、天然皮革等であ
ってもよい。基材シートの厚さは、強度や取り扱いの容
易さ等の理由から、一般に、50〜3000μmとする
のが望ましい。
リプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリメタ
クリル酸メチル、ABS樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリカ
ーボネート、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート
等のプラスチックからなるシート、これらの積層体、あ
るいはこれらと金属等の他の素材との積層体であっても
よい。更には、紙、合成(人工)皮革、天然皮革等であ
ってもよい。基材シートの厚さは、強度や取り扱いの容
易さ等の理由から、一般に、50〜3000μmとする
のが望ましい。
【0009】本発明において使用する上記の基材シート
には、ぬれ指数が38〜60dyne/cmの範囲とな
るように表面処理が施される。尚、この基材シートのぬ
れ指数とは、標準液に対する表面張力(dyne/c
m)の数値に相当する。
には、ぬれ指数が38〜60dyne/cmの範囲とな
るように表面処理が施される。尚、この基材シートのぬ
れ指数とは、標準液に対する表面張力(dyne/c
m)の数値に相当する。
【0010】基材シートのぬれ指数を38〜60dyn
e/cmの範囲とするための表面処理方法としては、コ
ロナ放電処理、プラズマ処理、火炎処理、紫外線処理、
電子線処理、放射線処理、化学薬品処理、物理的粗面処
理、表面コーティング処理等の方法、及びこれらの併用
等が挙げられ、使用する基材の材質等によって、好適な
方法を適宜選定して表面処理が行われる。
e/cmの範囲とするための表面処理方法としては、コ
ロナ放電処理、プラズマ処理、火炎処理、紫外線処理、
電子線処理、放射線処理、化学薬品処理、物理的粗面処
理、表面コーティング処理等の方法、及びこれらの併用
等が挙げられ、使用する基材の材質等によって、好適な
方法を適宜選定して表面処理が行われる。
【0011】上記の基材シートの表面に塗布される塗料
は、ウレタン系の二液型硬化性塗料等の硬化剤を含む塗
料であり、具体的には、主剤となる樹脂として、ウレタ
ン系樹脂、ウレタン変性アクリル樹脂、ウレタン変性ポ
リエステル樹脂、ウレタン変性アルキド樹脂、ウレタン
変性エポキシ樹脂等を含み、硬化剤として、トリレンジ
イソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、
キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシ
アネート、イソホロンジイソシアネート等のジイソシア
ネート、水素添加キシリレンジイソシアネートとトリメ
チロールプロパンとのアダクト体、上記ジイソシアネー
トのビュレット体又はイソシアヌレート体等のポリイソ
シアネートのプレポリマーを含み、溶媒として、メチル
エチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサ
ノン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエ
ステル系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素
系溶媒、ブチルセロソルブ等のセロソルブ系溶媒等の有
機溶媒を使用した塗料等である。また、上記の塗料は、
塗料用として公知の各種添加剤、具体的には、可塑剤、
安定剤、界面活性剤、分散剤、消泡剤、レベリング剤、
増粘剤、造膜助剤、防黴剤、老化防止剤、酸化防止剤、
紫外線吸収剤、熱安定剤、光安定剤等を加えたものであ
ってもよい。
は、ウレタン系の二液型硬化性塗料等の硬化剤を含む塗
料であり、具体的には、主剤となる樹脂として、ウレタ
ン系樹脂、ウレタン変性アクリル樹脂、ウレタン変性ポ
リエステル樹脂、ウレタン変性アルキド樹脂、ウレタン
変性エポキシ樹脂等を含み、硬化剤として、トリレンジ
イソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、
キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシ
アネート、イソホロンジイソシアネート等のジイソシア
ネート、水素添加キシリレンジイソシアネートとトリメ
チロールプロパンとのアダクト体、上記ジイソシアネー
トのビュレット体又はイソシアヌレート体等のポリイソ
シアネートのプレポリマーを含み、溶媒として、メチル
エチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサ
ノン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエ
ステル系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素
系溶媒、ブチルセロソルブ等のセロソルブ系溶媒等の有
機溶媒を使用した塗料等である。また、上記の塗料は、
塗料用として公知の各種添加剤、具体的には、可塑剤、
安定剤、界面活性剤、分散剤、消泡剤、レベリング剤、
増粘剤、造膜助剤、防黴剤、老化防止剤、酸化防止剤、
紫外線吸収剤、熱安定剤、光安定剤等を加えたものであ
ってもよい。
【0012】上記の塗料には、ビーズ顔料及び/又は合
成樹脂ビーズが添加される。このビーズ顔料は、二酸化
チタン、黄色酸化鉄、ベンガラ、紺青、クロムグリー
ン、カーボンブラック、ハンザイエロー、レーキレッ
ド、キナクリドンバイオレッド、銅フタロシアニン、炭
酸カルシウム、硫酸バリウム、タルク、クレー等の無機
或いは有機顔料の微粉末を、ポリウレタン樹脂、アクリ
ル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド
樹脂、フッ素樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂等の弾力性のある樹
脂、またはこれらに可塑剤、安定剤、界面活性剤等を、
必要に応じて加えたものに分散し、5〜300μm程度
の粒子状としたものである。上記のビーズ顔料を含む塗
料としては、例えば、日本油脂(株)社製のベルソフト
(商品名)等がある。
成樹脂ビーズが添加される。このビーズ顔料は、二酸化
チタン、黄色酸化鉄、ベンガラ、紺青、クロムグリー
ン、カーボンブラック、ハンザイエロー、レーキレッ
ド、キナクリドンバイオレッド、銅フタロシアニン、炭
酸カルシウム、硫酸バリウム、タルク、クレー等の無機
或いは有機顔料の微粉末を、ポリウレタン樹脂、アクリ
ル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド
樹脂、フッ素樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂等の弾力性のある樹
脂、またはこれらに可塑剤、安定剤、界面活性剤等を、
必要に応じて加えたものに分散し、5〜300μm程度
の粒子状としたものである。上記のビーズ顔料を含む塗
料としては、例えば、日本油脂(株)社製のベルソフト
(商品名)等がある。
【0013】また、上記の合成樹脂ビーズは、ポリウレ
タン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル
樹脂、ポリアミド樹脂、フッ素樹脂、塩化ビニル樹脂、
酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂等
の弾力性のある樹脂、またはこれらに可塑剤、安定剤、
界面活性剤等を、必要に応じて加えたものを、5〜30
0μm程度の粒子状としたものであって、顔料を添加、
分散させていないものである。従って、略無色透明なビ
ーズとすることもできるものである。
タン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル
樹脂、ポリアミド樹脂、フッ素樹脂、塩化ビニル樹脂、
酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂等
の弾力性のある樹脂、またはこれらに可塑剤、安定剤、
界面活性剤等を、必要に応じて加えたものを、5〜30
0μm程度の粒子状としたものであって、顔料を添加、
分散させていないものである。従って、略無色透明なビ
ーズとすることもできるものである。
【0014】上記のビーズ顔料の色は、所望に応じて選
択することができ、二種類以上の色のビーズ顔料を組み
合わせて使用することも可能である。二種類以上の色の
ビーズ顔料を組み合わせて使用することにより、変化に
富んだ塗膜を形成することができる。また、上記の略無
色透明な合成樹脂ビーズを用いることにより、深みのあ
る艶消し塗膜を形成することができる。
択することができ、二種類以上の色のビーズ顔料を組み
合わせて使用することも可能である。二種類以上の色の
ビーズ顔料を組み合わせて使用することにより、変化に
富んだ塗膜を形成することができる。また、上記の略無
色透明な合成樹脂ビーズを用いることにより、深みのあ
る艶消し塗膜を形成することができる。
【0015】上記の硬化剤を含み、かつビーズ顔料及び
/又は合成樹脂ビーズが添加された塗料は、スクリーン
印刷法により、予め表面処理を施された基材シートの表
面に塗布される。このとき使用されるスクリーンは、シ
ルク、ナイロン、テトロン、ステンレス、ニッケル、ア
ルファ等からなり、60メッシュ(250μm)〜15
0メッシュ(105μm)のものである。60メッシュ
以下の粗いものでは、塗料の付着量が多くなりすぎ、印
刷精度が低下し、また、150メッシュ以上の細かいも
のでは、塗料の付着量が少なすぎ、所望の塗膜を形成す
ることができない。
/又は合成樹脂ビーズが添加された塗料は、スクリーン
印刷法により、予め表面処理を施された基材シートの表
面に塗布される。このとき使用されるスクリーンは、シ
ルク、ナイロン、テトロン、ステンレス、ニッケル、ア
ルファ等からなり、60メッシュ(250μm)〜15
0メッシュ(105μm)のものである。60メッシュ
以下の粗いものでは、塗料の付着量が多くなりすぎ、印
刷精度が低下し、また、150メッシュ以上の細かいも
のでは、塗料の付着量が少なすぎ、所望の塗膜を形成す
ることができない。
【0016】基材シート表面に塗布された塗料は、架橋
反応(キュア)が起こり、硬化して塗膜となる。この架
橋反応は、加熱下にて行わせるようにしてもよいし、常
温下で行わせるようにしてもよいが、常温下で架橋反応
をさせた場合は、溶媒の蒸発、架橋反応の進行が遅く、
時間がかかる。また、架橋反応を加熱下で行わせるとき
の加熱条件としては、塗膜の厚さ、基材シートの材質等
によって異なり一概には決められないが、一般には、7
0〜100℃で、5〜30分間加熱することにより行わ
れる。
反応(キュア)が起こり、硬化して塗膜となる。この架
橋反応は、加熱下にて行わせるようにしてもよいし、常
温下で行わせるようにしてもよいが、常温下で架橋反応
をさせた場合は、溶媒の蒸発、架橋反応の進行が遅く、
時間がかかる。また、架橋反応を加熱下で行わせるとき
の加熱条件としては、塗膜の厚さ、基材シートの材質等
によって異なり一概には決められないが、一般には、7
0〜100℃で、5〜30分間加熱することにより行わ
れる。
【0017】基材シート上に形成される塗膜の厚さは、
5μm以上とするのが望ましい。5μm以下の塗膜を形
成した場合であっても、艶消し効果は得られるが、目視
又は手触によるソフト感が不足するため、全体として、
しっくりと落ち着いた外観をもつシートが得られない。
5μm以上とするのが望ましい。5μm以下の塗膜を形
成した場合であっても、艶消し効果は得られるが、目視
又は手触によるソフト感が不足するため、全体として、
しっくりと落ち着いた外観をもつシートが得られない。
【0018】本発明においては、得られるスエード調シ
ート表面の光沢度が、グロスメーター(入射角、受光角
とも60°)にて測定して、その数値が1.0%以下、
更に好ましくは0.5%と以下となるようにするのが望
ましい。表面の光沢度が1.0%以下であれば、完全に
近い艶消し状態でかつソフト感に優れた外観を有するシ
ートとなるが、表面の光沢度が1.0%以上であれば、
光沢があって、ソフト感に乏しいシートとなる。
ート表面の光沢度が、グロスメーター(入射角、受光角
とも60°)にて測定して、その数値が1.0%以下、
更に好ましくは0.5%と以下となるようにするのが望
ましい。表面の光沢度が1.0%以下であれば、完全に
近い艶消し状態でかつソフト感に優れた外観を有するシ
ートとなるが、表面の光沢度が1.0%以上であれば、
光沢があって、ソフト感に乏しいシートとなる。
【0019】
【作用】ビーズ顔料や合成樹脂ビーズは、シリカ、アル
ミナ、ポリエチレン等の微粉末などの従来のマット剤に
くらべて粒子径が大きく、それを添加した塗料を用いた
場合には、ビーズ顔料や合成樹脂ビーズの大径の粒子が
表面に突出して凹凸を形成することにより、光の乱反射
が生じ、極めて良好な艶消し効果が発現する。また、ビ
ーズ顔料や合成樹脂ビーズは、弾力性のある合成樹脂か
らなり、外力を加えられても、粒子が変形してそれを吸
収し、外力が除かれれば粒子の形状が復元するから、艶
消しの外観が変化することはなく、更に、それを添加し
た塗料によって形成された塗膜は、軟らかいソフトな感
触をもつので、外観的にも、触感的にも、高級なスエー
ド調の感じを有するものとなる。
ミナ、ポリエチレン等の微粉末などの従来のマット剤に
くらべて粒子径が大きく、それを添加した塗料を用いた
場合には、ビーズ顔料や合成樹脂ビーズの大径の粒子が
表面に突出して凹凸を形成することにより、光の乱反射
が生じ、極めて良好な艶消し効果が発現する。また、ビ
ーズ顔料や合成樹脂ビーズは、弾力性のある合成樹脂か
らなり、外力を加えられても、粒子が変形してそれを吸
収し、外力が除かれれば粒子の形状が復元するから、艶
消しの外観が変化することはなく、更に、それを添加し
た塗料によって形成された塗膜は、軟らかいソフトな感
触をもつので、外観的にも、触感的にも、高級なスエー
ド調の感じを有するものとなる。
【0020】基材シートと塗膜との密着性においては、
基材シートの表面を、特定範囲のぬれ指数となるように
表面処理をし、かつ、硬化剤を含む塗料を用いているこ
とにより著しく向上し、また、塗膜の耐摩耗性も良好で
ある。
基材シートの表面を、特定範囲のぬれ指数となるように
表面処理をし、かつ、硬化剤を含む塗料を用いているこ
とにより著しく向上し、また、塗膜の耐摩耗性も良好で
ある。
【0021】更にまた、本発明のスエード調シートの製
造方法においては、塗料の塗布方法として、特定範囲の
メッシュのスクリーンを用いたスクリーン印刷法を採用
しているので、上記のような特性を有するスエード調シ
ートを、簡単に効率良く製造することができるのみなら
ず、塗料のロスが減少して歩留りが向上し、小ロット多
品種生産に対応可能であり、また、基材シート上に所望
のデザインの印刷ができ、かつ、多色重ね塗り(多色印
刷)ができる等の利点がある。
造方法においては、塗料の塗布方法として、特定範囲の
メッシュのスクリーンを用いたスクリーン印刷法を採用
しているので、上記のような特性を有するスエード調シ
ートを、簡単に効率良く製造することができるのみなら
ず、塗料のロスが減少して歩留りが向上し、小ロット多
品種生産に対応可能であり、また、基材シート上に所望
のデザインの印刷ができ、かつ、多色重ね塗り(多色印
刷)ができる等の利点がある。
【0022】
〔実施例〕厚さ0.5mmのポリプロピレンシートを3
枚準備し、これらの片面を、それぞれ、38〜42dy
ne/cm、47〜51dyne/cm、56〜60d
yne/cmの範囲に入るように、コロナ放電処理し
た。
枚準備し、これらの片面を、それぞれ、38〜42dy
ne/cm、47〜51dyne/cm、56〜60d
yne/cmの範囲に入るように、コロナ放電処理し
た。
【0023】コロナ放電処理を施したポリプロピレンシ
ートのコロナ放電処理面に、艶消し塗料として、硬化剤
を含むウレタン系二液型硬化性塗料にウレタン系樹脂ビ
ーズを添加した塗料〔ベルベックス;商品名、藤倉化成
(株)社製〕に、印刷し易いようにシンナーを適宜量加
えたものを使用し、100メッシュのステンレススクリ
ーンを用いて厚さが20μmとなるように印刷し、80
℃で20分間加熱して乾燥・硬化させ塗膜を形成した。
ートのコロナ放電処理面に、艶消し塗料として、硬化剤
を含むウレタン系二液型硬化性塗料にウレタン系樹脂ビ
ーズを添加した塗料〔ベルベックス;商品名、藤倉化成
(株)社製〕に、印刷し易いようにシンナーを適宜量加
えたものを使用し、100メッシュのステンレススクリ
ーンを用いて厚さが20μmとなるように印刷し、80
℃で20分間加熱して乾燥・硬化させ塗膜を形成した。
【0024】このようにして得られたシートに、その表
面の光沢度が、グロスメーターで測定したところ、いず
れも0.2であり、視覚的にも、触感的にも、高級なス
エード調の表面を有していた。また、得られたシートの
塗膜剥離の試験を、粘着シートをその表面に強固に貼り
付けた後、これを剥がす方法により行なったが、いずれ
のシートにおいても、塗膜はポリプロピレンシート側に
密着しており、全く剥がれるようなことはなかった。
面の光沢度が、グロスメーターで測定したところ、いず
れも0.2であり、視覚的にも、触感的にも、高級なス
エード調の表面を有していた。また、得られたシートの
塗膜剥離の試験を、粘着シートをその表面に強固に貼り
付けた後、これを剥がす方法により行なったが、いずれ
のシートにおいても、塗膜はポリプロピレンシート側に
密着しており、全く剥がれるようなことはなかった。
【0025】〔比較例〕上記実施例と同様の、厚さ0.
5mmのポリプロピレンシートを2枚準備し、その内の
1枚のシートにのみ、31〜35dyne/cmの範囲
に入るように、コロナ放電処理し、以下、前記実施実施
例と同様の塗料を、同様の方法で塗布して塗膜を形成し
た。得られたシートについて、実施例と同様にして、塗
膜剥離の試験を行なったところ、いずれのシートにおい
ても、粘着シート側に塗膜の一部が取られてしまった。
5mmのポリプロピレンシートを2枚準備し、その内の
1枚のシートにのみ、31〜35dyne/cmの範囲
に入るように、コロナ放電処理し、以下、前記実施実施
例と同様の塗料を、同様の方法で塗布して塗膜を形成し
た。得られたシートについて、実施例と同様にして、塗
膜剥離の試験を行なったところ、いずれのシートにおい
ても、粘着シート側に塗膜の一部が取られてしまった。
【0026】
【発明の効果】以上、本発明のスエード調シートの製造
方法によれば、光の乱反射が大きく、艶消し効果も大き
く、しかも、外観的にも触感的にも高級なスエード調の
感じを持つスエード調シートを簡単に効率良く製造する
ことができる。そして、基材シートと塗膜の密着性は良
好であり、かつ塗膜は耐摩耗性にも優れているので、耐
久性を求められる製品にも適用可能なスエード調シート
を得ることができる。
方法によれば、光の乱反射が大きく、艶消し効果も大き
く、しかも、外観的にも触感的にも高級なスエード調の
感じを持つスエード調シートを簡単に効率良く製造する
ことができる。そして、基材シートと塗膜の密着性は良
好であり、かつ塗膜は耐摩耗性にも優れているので、耐
久性を求められる製品にも適用可能なスエード調シート
を得ることができる。
【0027】更に、塗料の塗布手段として、特定範囲の
メッシュのスクリーンを用いたスクリーン印刷法を採用
しているので、塗料のロスが減少して歩留りが向上し、
小ロット多品種生産に対応可能であり、また、基材シー
ト上に所望のデザインの印刷ができ、かつ、多色重ね塗
り(多色印刷)ができる等の利点がある。
メッシュのスクリーンを用いたスクリーン印刷法を採用
しているので、塗料のロスが減少して歩留りが向上し、
小ロット多品種生産に対応可能であり、また、基材シー
ト上に所望のデザインの印刷ができ、かつ、多色重ね塗
り(多色印刷)ができる等の利点がある。
Claims (2)
- 【請求項1】 ぬれ指数が38〜60dyne/cmの
範囲となるように表面処理をした基材シート上に、ビー
ズ顔料及び/又は合成樹脂ビーズを添加した塗料をスク
リーン印刷法にて塗布して塗膜を形成するスエード調シ
ートの製造方法において、 ビーズ顔料及び/又は合成樹脂ビーズを添加する塗料
が、硬化剤を含む塗料であり、該硬化剤が、トリレンジ
イソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、
キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシ
アネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加キシ
リレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンとの
アダクト体、上記ジイソシアネートのビュレット体又は
イソシアヌレート体から選ばれる一種以上のポリイソシ
アネートのプレポリマーであり、 該塗料を塗布するときに用いるスクリーンのメッシュ
が、60〜150メッシュの範囲である、 ことを特徴とするスエード調シートの製造方法。 - 【請求項2】 基材シートの表面処理方法が、コロナ放
電処理、プラズマ処理、火炎処理、紫外線処理、電子線
処理、放射線処理、化学薬品処理、物理的粗面処理及び
表面コーティング処理から選ばれる一種以上である請求
項1記載のスエード調シートの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15923097A JP3188855B2 (ja) | 1997-06-02 | 1997-06-02 | スエード調シートの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15923097A JP3188855B2 (ja) | 1997-06-02 | 1997-06-02 | スエード調シートの製造方法 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19835890A Division JPH0482736A (ja) | 1990-07-25 | 1990-07-25 | スエード調シートおよびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1057882A JPH1057882A (ja) | 1998-03-03 |
JP3188855B2 true JP3188855B2 (ja) | 2001-07-16 |
Family
ID=15689192
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15923097A Expired - Fee Related JP3188855B2 (ja) | 1997-06-02 | 1997-06-02 | スエード調シートの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3188855B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP4276880A1 (fr) * | 2022-05-10 | 2023-11-15 | Rubattel et Weyermann S.A. | Procédé de modification de l état de surface d'une pièce par bombardement ionique |
-
1997
- 1997-06-02 JP JP15923097A patent/JP3188855B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH1057882A (ja) | 1998-03-03 |
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Date | Code | Title | Description |
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