JP2653874B2 - 粘着性シート - Google Patents

粘着性シート

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JP2653874B2 JP8825389A JP8825389A JP2653874B2 JP 2653874 B2 JP2653874 B2 JP 2653874B2 JP 8825389 A JP8825389 A JP 8825389A JP 8825389 A JP8825389 A JP 8825389A JP 2653874 B2 JP2653874 B2 JP 2653874B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は,家具,建材などの各種物品の表面に,着
色,装飾あるいは表示を目的として貼付される粘着性シ
ートに関する。
(従来の技術) 家具,建材,自動車の車体の外板,家電製品などの各
種物品の表面に,着色,装飾あるいは表示を目的として
貼付される,着色された,あるいは文字や図柄が描かれ
た粘着性シート,フィルム,テープなど(以下,まとめ
て,粘着性シートとする)が市販されている。このよう
な粘着シートは,着色された,あるいは文字や図柄が描
かれたプラスチックフィルムでなる基材の片面に粘着剤
層が形成されてなる。このような粘着シートの基材が薄
い場合,柔軟である場合,あるいは基材の面積が広い場
合には,該シートの貼付作業性を向上させるために,基
材の,粘着剤層側とは逆な面に支持シートが設けられ
る。このような粘着性シートは,所望の被着体表面に貼
付され,貼付後において支持シートが除去される。この
ようなタイプの粘着性シートであり,被着体表面の凹凸
に追従して貼付の可能な粘着性シートとして,特公昭62
−28994号に,動物を解剖したときに,組織や皮膚の固
定のために貼付される粘着性シートが開示されている。
この粘着性シートにおいては,支持シートと基材との接
着力が粘着剤層と被着体(動物の皮膚など)との接着力
よりも小さいため,粘着性シートを被着体に貼付後,支
持シートを容易に剥離することが可能である。しかし,
例えば,上記粘着性シートを誤った場所に貼付し,それ
を剥離して貼付し直そうとする場合には,支持シートの
みが剥離しやすく,粘着性シート全体を被着体からきれ
いに剥離させることが難しい。さらに,このような粘着
シートは,上記動物の解剖などを終了したときに剥離さ
れるように作成されているため,その被着体に対する粘
着力は強くなく,上記物品表面の着色や装飾のために使
用されるシートとしては適切ではない。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は,上記従来の課題を解決するものであり,そ
の目的とするところは,家具,建材などの各種物品の表
面に着色,装飾あるいは表示を目的として貼付される粘
着性シートであって,貼付作業性に優れ,貼付直後にお
いては貼付されたシートを原型のままで剥離して貼付し
直すことが容易であり,かつ,貼付後ある程度の時間が
経過したときには被着体との接着性に極めて優れる粘着
性シートを提供することにある。本発明の他の目的は,
上記性能を有する粘着性シートであって,基材に接して
支持シートが設けられているため,貼付作業性に優れ,
かつ基材表面の保護が充分になされる,粘着性シートを
提供することにある。
(課題を解決するための手段) 本発明の粘着性シートは,金属表面,プラスチック表
面,セラミックス表面,または塗装された表面に貼付す
るための粘着性シートであって,支持シート,基材およ
び粘着剤層が順次積層されてなり,該基材と該支持シー
トとの接着力をα,該粘着性シートが貼付されるべき被
着体と該粘着剤層との貼付初期の接着力をβ,そして該
被着体と該粘着剤層との貼付2時間以降の接着力をδと
するときに,β<α<δの関係が成立し,そのことによ
り上目的が達成される。
本発明の粘着性シートの基材の素材としては,シート
状に成形され得る樹脂であれば,いずれもが利用され得
る。本発明の粘着性シートは,特に,物品表面における
塗装の代用として,あるいは装飾,表示などに利用され
るため,染料,顔料などの着色剤の分散が良好であるよ
うな基材が好適である。もしくは,シート状に成形した
ときに,その表面に印刷インクのなじみのよい素材が好
適である。基材に好適な樹脂としては,塩化ビニル系樹
脂,酢酸ビニル系樹脂,アクリル系樹脂,スチレン系樹
脂,ウレタン系樹脂,フッ素系樹脂,これらの樹脂を構
成する単量体の共重合体,上記樹脂の混合物などがあ
る。
上記樹脂のうち塩化ビニル系樹脂としては,通常,可
塑剤を含む軟質塩化ビニルが用いられる。可塑剤として
は,ジオクチルフタレート(DOP),低分子状ポリエス
テルなどがある。可塑剤を含まない硬質ポリ塩化ビニル
も,得られた粘着性シートを貼付すべき被着体が凹凸の
ない平面である場合には,利用され得る。塩化ビニル系
樹脂としては,この他に,塩化ビニルとエチレンとの共
重合体,塩化ビニルと酢酸ビニルとの共重合体などの共
重合体が用いられ得る。塩化ビニル系樹脂と他の樹脂と
の混合物を使用する場合には,アクリル系樹脂,スチレ
ン系樹脂またはフッ素系樹脂との混合物が好適である。
酢酸ビニル系樹脂としては,ポリ酢酸ビニル,部分ケン
化ポリビニルアルコール,酢酸ビニルとエチレンとの共
重合体などが用いられ得る。
アクリル系樹脂としては,(メタ)アクリル酸エステ
ルの単独もしくは共重合体,あるいはこれらの混合物が
用いられる。上記(メタ)アクリル酸エステルとして
は,(メタ)アクリル酸メチル,(メタ)アクリル酸エ
チル,(メタ)アクリル酸ブチルなどがある。これらア
クリル系樹脂は,上記塩化ビニル系樹脂,後述のスチレ
ン系樹脂などと混合して利用され得る。スチレン系樹脂
としては,スチレンおよび/またはスチレン誘導体の単
独もしくは共重合体が用いられ得る。上記スチレン誘導
体としては,α−メチルスチレン,o−メチルスチレン,o
−クロロスチレンなどがある。さらに,上記スチレンや
スチレン誘導体とアクリル酸エステルとの共重合体も用
いられ得る。スチレン系樹脂の可撓性を向上させるため
に,上記(共)重合体に,ブタジエンラバー,スチレン
−ブタジエンラバーなどを混合した樹脂も好適に用いら
れる。
ウレタン系樹脂は,脂肪族または芳香族ジオールと;
ジイソシアネート,トリイソシアネートなどの多官能イ
ソシアネートとから得られる。上記シオールとしては,
ポリエチレングリコール,ポリプロピレングリコールな
どのポリエーテルジオール;テレフタル酸とエチレンジ
オールなどとから得られるポリエステルジオール;およ
びビスフェノールA,水添ビスフェノールA,シクロヘキサ
ンジオール,オクチレンジオールなどの低分子量ジオー
ルがある。上記イソシアネートとしては,トリレンジイ
ソシアネート,ジフェニルメタンジイソシアネート,ヘ
キサメチレンジイソシアネートなどのジイソシアネー
ト;およびトリイソシアネートが挙げられる。
フッ素系樹脂としては,フッ素含有エチレン系モノマ
ー,フッ素含有プロピレン系モノマーを含む(共)重合
体が用いられる。上記フッ素含有エチレン系モノマーと
しては,モノフルオロエチレン,ジフルオロエチレン,
トリフルオロエチレンおよびテトラフルオロエチレン
が,そしてフッ素含有プロピレン系モノマーとしては,
モノフルオロプロピレン,ジフルオロプロピレン,トリ
フルオロプロピレン,テトラフルオロプロピレン,ペン
タフルオロプロピレンおよびヘキサフルオロプロピレン
がある。
粘着性シートの基材は,上記樹脂に必要に応じて充填
剤,老化防止剤,防錆剤を配合し,押出成形法,キャス
ティング法など適当な方法により成形される。基材の厚
みは,得られる粘着性シートの用途により異なるが,通
常,10〜500μmである。
本発明の粘着性シートの支持シートは,粘着性シート
を被着体へ貼付するときに基材を支持して貼付作業性を
向上させる目的で,そして,被着体へ貼付後,被着体で
ある物品(例えば家具)を使用するときまで該貼付表面
を保護する目的で設けられる。この保護層を形成するシ
ートの素材は,被着体表面の凹凸に追従できる素材であ
れば,特に限定されない。保護層を形成するシートとし
ては,ポリエチレンテレフタレート(PET),ポリイミ
ド,ポリエチレン(PE),ポリプロピレン(PP)などで
調製されたシート;ポリエチレン,ポリウレタン,ポリ
塩化ビニルなどの樹脂でなる発泡体シート;ステンレ
ス,アルミニウムなどでなる金属シート;ガラスなどで
なるセラミックスシート;アクリル系樹脂,エポキシ樹
脂などで上記シートの表面を処理したハードコートシー
トなどが利用され得る。支持シートの種類は,得られる
粘着性シートの使用目的などに応じて選択される。例え
ば,粘着性シートを貼付した物品を輸送する場合には耐
衝撃性を目的として,上記樹脂発泡体シートが好適に用
いられる。粘着性シート貼付した物品表面の擦過傷を防
止するためには,上記金属シート,セラミックスシー
ト,ハードコートシートなどが好適に用いられる。被着
体表面に微細な凹凸が存在する場合には,低発泡倍率
(5〜20倍程度)の上記発泡体シート,あるいは,軟質
ポリ塩化ビニル,ポリウレタン,ポリ酢酸ビニル,塩化
ビニル−酢酸ビニル共重合体などの軟質樹脂でなるシー
トが好適に用いられる。支持シートの厚みは,得られる
粘着性シートの使用目的などにより異なるが,通常,10
〜5,000μmである。
本発明の粘着性シートに用いられる粘着剤は,粘着性
シートを構成する基材や支持シートの種類,得られる粘
着性シートの使用目的などに応じて,既知の粘着剤のな
かから適宜選択される。通常,アクリル系,シリコーン
系またはゴム系の粘着剤が用いられる。アクリル系粘着
剤としては,2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート,n
−ブチル(メタ)アクリレートなどを主成分とする
(共)重合体が用いられる。上記アクリレートを主成分
とする共重合体の共重合成分としては,メチル(メタ)
アクリレート,エチル(メタ)アクリレートなどのアル
キル(メタ)アクリレート;酢酸ビニル;アクリル酸;
ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート;グリシジル
(メタ)アクリレートなどがある。シリコーン系粘着剤
としては,ポリジメチルシロキサンを主成分とし,これ
に低分子量のジアルキルシロキサンを主成分とするシリ
コーン樹脂が配合された混合物が用いられる。上記低分
子量のジアルキルシロキサンとしては,ジメチルシロキ
サン,ジエチルシロキサンなどが挙げられる。ゴム系粘
着剤としては,ゴム成分と粘着性付与樹脂との混合物が
用いられる。上記ゴム成分としては,天然ゴム,イソプ
レンを主成分とし天然ゴムに準じた組成を有する合成天
然ゴム,スチレン−ブタジエンゴム,ブチルゴムなどが
ある。上記粘着性付与樹脂としては,ロジン,ロジン誘
導体,テルペン樹脂,石油系樹脂(石油留分として得ら
れる炭素数5〜9の化合物)などがある。これらの粘着
剤は,必要に応じて,充填剤,架橋剤,軟化剤,老化防
止剤,着色剤,防錆剤などが含有される。形成される粘
着剤層の厚みは,粘着剤や上記基材および支持シートの
素材,得られる粘着性シートの使用目的などにより異な
るが,通常5〜200μmである。
本発明の粘着性シートにおいては,通常,基材が着色
され,もしくは基材表面に文字や図柄が描かれている。
着色もしくは文字や図柄を描くための着色剤としては,
通常の塗装に用いられる顔料や染料が使用され得る。顔
料としては,酸化チタン,酸化鉄,カーボンブラック,
シアニン系顔料,キナクリドン系顔料などがある。染料
としては,アゾ系染料,アントラキノン系染料,インジ
ゴイド系染料,スチルベン系染料などがある。この他
に,アルミニウム粉末,ニッケル粉末,金粉末,銀粉末
などの金属粉末も使用され得,ここでは,これらの金属
粉末も着色剤に包含される。これら着色剤は,基材を構
成する樹脂100重量部に対して2〜100重量部の割合で使
用される。
本発明の粘着性シートは,第1図に示されるように,
支持シート2,基材1および粘着剤層3が順次積層されて
なる。この粘着性シートは,既知の任意の方法で調製さ
れ得る。例えば,支持シート2上にキャスティングによ
り基材1を形成し,その表面に粘着剤溶液を塗工・乾燥
して粘着性シートが得られる。あるいは,基材1となる
シートをキャスティングやカレンダー成形によって調製
し,別に作成した支持シート2をドライラミネーション
により加熱・加圧して圧着し,基材1表面に粘着剤溶液
を塗工・乾燥することにより粘着性シートが得られる。
このようにして得られた粘着性シートが貼付されるべ
き被着体の表面は,金属表面,プラスチック表面,セラ
ミックス表面あるいは塗料などにより塗工された表面で
ある。金属としては,鋼,ステンレス,クロム,ニッケ
ルなどがある。プラスチックとしては,アクリロニトリ
ル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)樹脂,ポリ
エチレン(PE),ポリプロピレン(PP),ポリ塩化ビニ
ル(PVC),ポリカーボネート(PC),:ポリスチレン(P
S),ノリル樹脂,ポリフェニレンサルファイド(PP
S),ポリエーテルエーテルケトン(PEEK),ポリエー
テルイミド(PEI),ポリアセタールなどの熱可塑性樹
脂;およびポリイミド,ユリア樹脂,ポリエステルなど
の熱硬化性樹脂がある。セラミックスとしては,SiO2,Al
2O3,ZnO2,MgOなどの成分を含む無機材料がある。これら
の金属,プラスチックおよびセラミックスでなる物品の
表面,あるいは他の材料でなる物品の表面をこれらでコ
ートした表面に粘着性シートが貼付される。上記塗工さ
れた表面とは,金属,プラスチック,セラミックス,木
材などの表面が他の物質によりコーティングされた表面
をさしていう。例えば,金属板の表面を各種樹脂で塗装
した表面が挙げられる。上記樹脂としては,アルキドメ
ラミン,アクリルウレタン,アクリルメラミン,エポキ
シ樹脂などが挙げられ,例えば,金属表面の防錆を目的
としたカチオン電着塗装やアニオン電着塗装をはじめ種
々の目的でこれらの樹脂がコートされる。さらに,木材
表面をワニス,松やになどで塗装した表面もここに包含
される。
本発明の粘着性シートを上記被着体に貼付したとき
に,基材1と支持シート2との接着力をα,粘着剤層3
と被着体(図外)との貼付初期(貼付直後から30分以
内)の接着力をβ,そして,粘着剤層3と被着体との貼
付2時間以降の接着力をδとすると,次の関係が成立す
る。
β<α<δ このような関係を成立させるためには,特に,基材1
と支持シート2との接着力を調整することが重要であ
る。基材1と支持シート2との接着力は,該基材1の支
持シート側表面と支持シート2の基材側表面の性質(臨
界表面張力)や状態(例えば,凹凸);および該基材1
と支持シート2との積層方法の相違により異なり,これ
らを調節することにより該接着力がコントロールされ
る。基材の表面を,例えば,酸,アルカリ,有機溶媒な
どで処理して表面状態を変化させることも可能である
が,得られる粘着性シートが耐候性に劣ることが多いた
め,通常,支持シートの表面の性質や状態をコントロー
ルすること(表面を制御すること),および基材と支持
シートとの積層方法を変化させることにより所望の接着
力αが得られるようにする。
支持シートの表面の制御方法としては,例えば,支持
シート表面をシリコーン樹脂やフッ素樹脂でコーティン
グすること,支持シート表面を酸やアルカリ(希硫酸,
希塩酸,水酸化ナトリウム溶液,水酸化カリウム溶液な
どを用いる)で処理すること,または金属やセラミック
スなどを蒸着することにより行なわれる。このような処
理を行なうことにより,支持シート表面の臨界表面張力
および微細な凹凸状態を変化させることができる。ここ
で,支持シート表面の臨界表面張力をγCS,そして基材
の支持シートと接する側の表面の臨界表面張力をγCD
すれば,γCS=(0.5〜1.5)×γCDの関係が成立するこ
とが望ましい。
基材と支持シートとの積層方法にはいくつかの方法が
あり,その方法の選択,および該方法における種々のフ
ァクターの選択により所望の接着力αが得られる。基材
と支持シートとの積層体を得る方法としては,例えば,
支持シート上にキャスティングにより基材を形成する
方法(あるいは基材上にキャスティングにより支持シー
トを形成する方法);共押出法あるいはカレンダー成
形法;および基材と支持シートとを別々に成形し,こ
れらを加熱ロールで圧着する方法がある。のキャステ
ィングにより支持シート上に基材を形成する方法では,
基材を構成する樹脂を含む溶剤と支持シートとの濡れの
度合により接着力αがコントロールされるため,基材樹
脂および溶剤の種類,基材樹脂の濃度などにより上記コ
ントロールが可能である。樹脂を含む溶液の表面張力と
支持シートの臨界表面張力が近いほど支持シートへの接
触の度合は大きくなり,接着力αが大きくなる。の共
押出法,カレンダー成形法など溶融した状態の樹脂をシ
ート状にして積層する方法においては,溶融した樹脂そ
れぞれの粘度が近いほど接着力が大きくなる。の方法
においては,基材および支持シートのうちの少なくとも
一方を構成する樹脂のTg(ガラス転移点)または軟化点
以上に加熱ロールの温度が設定され,通常,2kg/cm2以上
の加圧下で積層が行なわれる。このような方法において
は,加熱ロールの温度および圧力により接着力がコント
ロールされる。基材と支持シールとの接着力は,該支持
シートを基材から剥離するときの作業性を考慮すると,1
0mm幅で1.5kg f以上であることが望ましい。
粘着性シートと,該粘着性シートが貼付されるべき被
着体との初期接着力(貼付直後から30分までの接着力)
βは,通常,約500g/cm2の力で圧着したときの接着力で
あり,10mm幅で1.5kg f以下である。この接着力βは,貼
付時間が経過すると,被着体表面に対する粘着剤のアン
カー効果により徐々に大きくなる。貼付2時間以降の接
着力δはβよりも大きくなるが,さらに,上記基材と支
持シートとの接着力αよりも大きくなるように設定され
る。
上記以外で粘着性シートの性質をコントロールするフ
ァクターとしては,(1)支持体の強度(PS),(2)
支持シートの強度(FP)および(3)基材と粘着剤層と
の接着力(PSA)がある。(1)の支持体強度(PS)つ
いては,FS>α;(2)の支持シートの強度(FP)につ
いては,FP>α;そして(3)の基材と粘着剤層との接
着力(PSA)については,FSA>δであるように設定され
る。
本発明の粘着性シートにおいては,上記のように,基
材と支持シートとの接着力,粘着性シートと被着体との
初期接着力および粘着性シートと被着体との貼付2時間
以降における接着力の間に所定の関係が成立する。その
ため,上記粘着性シートを被着体表面に貼付したとき,
貼付初期においては支持シートを支持体から剥離させる
ことなく,粘着性シート全体を被着体から剥離すること
が可能であり,従って容易に貼付し直すことができる。
貼付後,ある程度の時間が経過すると,支持シートのみ
を容易に剥離させることが可能となる。支持シートは,
支持体表面を保護する作用を有するため,粘着性シート
を例えば,建材や家具表面に貼付後,これらの物品を運
搬するときにも支持体表面が傷つくことがない。このよ
うな粘着性シートは,各種物品に長時間貼付しておくよ
うな目的,例えば,該シートによる表面の着色,装飾,
表示を目的として広く利用される。
(実施例) 以下に本発明を実施例につき説明する。
実施例1 (A)粘着性シートの調製:表面処理されていない厚さ
38μmのポリエチレンテレフタレート(PET)シート
〔支持シート;帝人社製;臨界表面張力(γCS)38dyn/
cm〕に,支持体樹脂組成物溶液をキャスティングし,厚
さ60μmの基材層を形成した。上記支持体樹脂組成物溶
液は,フッ素樹脂(フロロトップ201;旭硝子製;臨界表
面張力26dyn/cm)の60%メチルエチルケトン溶液に,キ
ナクリドンレッドを上記フッ素樹脂100重量部に対して1
2重量部の割合で添加して得られる溶液である。形成さ
れた基材層表面に粘着剤の酢酸エチル溶液(SKダイン13
10;綜研化学社製;固形分約40%)をキャスティング
し,乾燥して厚さ25μmの粘着性シートを形成した。
(B)粘着性シートの性能評価:(A)項で得られた粘
着性シートを,アルキドメラミン塗装した鋼板の該塗装
表面に貼付した。貼付15分後にこれを剥離し,再度上記
塗装表面への貼付を行なった。このときの再貼付性を調
べた。その結果を下表に示す。下表の再貼付性の項にお
いて,○は,再貼付時において,基材と支持シートとの
剥離がなく,かつ基材や支持シートが伸びないことを示
す。×は,再貼付時において基材と支持シートとが剥離
し,基材が伸びたことを示す。次に,新たに貼付された
粘着性シートの支持シート表面硬度を,9Hの鉛筆を用い
ての引っかき試験により調べた。下表の鉛筆硬度試験の
項において,○は表面に傷のつかないことを示す。別
に,テーバー摩耗試験(1000回)を行ない,支持シート
表面の変化の有無を調べた。下表のテーパー摩耗試験の
項において○は表面状態に変化のないことを,×は支持
シートが剥離し,基材表面に傷が生じたことを示す。
次に,新たな粘着性シートを用い,上記と同様に塗装
表面に貼付し,貼付15分後の該塗装表面との接着力を測
定した。この接着力はJIS Z 0237の180゜剥離試験(10m
m幅)により行なった。別に,新たに粘着性シートを貼
付し,貼付2時間後に同様の方法で接着力を測定した。
さらにこれとは別に,粘着性シートの基材と支持シート
との接着力を測定した。上記結果をあわせて下表に示
す。
実施例2 (A)粘着性シートの調製:表面をシリコーン処理した
厚さ38μmのPETシート〔支持シート;創研加工社製,38
C;臨界表面張力(γCS)28dyn/cm〕に,支持体樹脂組成
物溶液をキャスティングし,厚さ50μmの基材βを形成
した。上記支持体樹脂組成物溶液は,ウレタン樹脂(ヘ
キサンメチレンジイソシアネートとテトラメチレングリ
コールとのプレポリマー;重量平均分子量2500;両末端
ジオール型)100重量部;トリフェニルメタントリイソ
シアネート37重量部;テトラエチレングリコール10重量
部,酢酸エチル150重量部および酸化鉄15重量部を含有
する。上記樹脂組成物において,OH価:NCO価=1:1であ
り,形成された基材層表面の臨界表面張力は36dyn/cmで
あった。次に,形成された基材層表面に粘着剤の酢酸エ
チル溶液(SKダインP103;綜研化学社製;固形分30%)
をキャスティングし,乾燥して厚さ30μmの粘着性シー
トを形成した。
(B)粘着性シートの性能評価:本実施例(A)項で得
られた粘着性シートを用い,実施例1(B)項と同様に
性能評価を行なった。この結果を下表に示す。後述の実
施例3,および比較例1および2の結果もあわせて下表に
示す。
実施例3 (A)粘着性シートの調製:ポリ塩化ビニルを100重量
部,そして酸化チタンを20重量部の割合で配合し,カレ
ンダー成形して得られる厚さ50μmの基材(三宝樹脂工
業社製;臨界表面張力38dyn/cm)シートに,厚さ,2mmの
ポリエチレンフォームでなるシート(支持シート)(積
水化学工業(株)製;臨界表面張力28dyn/cm)を熱圧着
した。熱圧着は,120℃でローラー圧15kgの熱ロールを用
いて行なった。別に離型紙を準備し,この離型紙表面に
シリコーン粘着剤(信越化学社製;KR−120)の層(25μ
m)をキャスティングにより形成した。上記基材表面と
上記粘着剤層表面とを密着させ,ドライラミネートによ
り圧着し,粘着性シートを得た。
(B)粘着性シートの性能評価:本実施例(A)項で得
られた粘着性シートの離型紙を外し,これを用いて実施
例1(B)項と同様に性能評価を行なった。
比較例1 (A)粘着性シートの調製:表面をシリコーン処理した
厚さ38μmのPETシート(支持シート;創研加工社製,38
01;臨界表面張力25dyn/cm)に,支持体樹脂組成物溶液
をキャスティングし,厚さ80μmの基材層を形成した。
上記支持体樹脂組成物溶液は,アクリル系樹脂(デルペ
ットG1P8,旭化成社製;臨界表面張力43dyn/cm)の酢酸
エチル溶液(固形分15%)100重量部(固形分換算)に
対して,酸化チタンを20重量部含有する。形成された基
材層表面に粘着剤の酢酸エチル溶液(SKダイン1310;綜
研化学社製;固形分40%)をキャスティングし,乾燥し
て厚さ25μmの粘着性シートを形成した。
(B)粘着性シートの性能評価:本比較例(A)項で得
られた粘着性シートを用い,実施例1(B)項と同様に
性能評価を行なった。
比較例2 (A)粘着性シートの調製:ポリ塩化ビニルを100重量
部,そして酸化鉄を15重量部の割合で配合し,カレンダ
ー成形して得られる厚さ50μmの基材(三宝樹脂工業社
製;臨界表面張力38dyn/cm)シートに,厚さ,2mmのポリ
エチレンフォームでなるシート(支持シート)(積水化
学工業(株)製;臨界表面張力28dyn/cm)を熱圧着し
た。熱圧着は,50℃でローラー圧10kgの熱ロールを用い
て行なった。別に離型紙を準備し,この離型紙表面にア
クリル系粘着剤(綜研化学社製;SKダイン96)の層(25
μm)をキャスティングにより形成した。上記基材表面
と上記粘着剤層表面とを密着させ,ドライラミネートに
より圧着し,粘着性シートを得た。
(B)粘着性シートの性能評価:本比較例(A)項で得
られた粘着性シートの離型紙を外し,これを用いて実施
例1(B)項と同様に性能評価を行なった。
(発明の効果) 本発明によれば,このように,物品表面の着色,装
飾,表示などに用いられる優れた性質の粘着性シートが
得られる。このシートは,貼付作業性に優れ,貼付直後
においては貼付されたシートを原型のままで剥離して貼
付し直すことが容易であり,かつ,貼付後ある程度の時
間が経過したときには被着体との接着性に極めて優れ
る。このようなシートは,支持シートを有するため表面
保護性に優れ,シートが貼付された物品を運搬,移動し
ても,貼付されたシートの基材表面が傷つくことがな
い。このような粘着性シートは,自動車車体,家電製
品,建材など各種物品表面に着色(塗装の代替),装
飾,表示などを目的として貼付される。
【図面の簡単な説明】
第1図は,本発明の粘着性シートの一例を示す断面図で
ある。 1……基材,2……支持シート,3……粘着剤層。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属表面,プラスチック表面,セラミック
    ス表面,または塗装された表面に貼付するための粘着性
    シートであって, 支持シート,基材および粘着剤層が順次積層されてな
    り, 該基材と該支持シートとの接着力をα,該粘着性シート
    が貼付されるべき被着体と該粘着剤層との貼付初期の接
    着力をβ,そして該被着体と該粘着剤層との貼付2時間
    以降の接着力をδとするときに, β<α<δの関係が成立する, 粘着性シート。
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