JP3187243B2 - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JP3187243B2
JP3187243B2 JP06943794A JP6943794A JP3187243B2 JP 3187243 B2 JP3187243 B2 JP 3187243B2 JP 06943794 A JP06943794 A JP 06943794A JP 6943794 A JP6943794 A JP 6943794A JP 3187243 B2 JP3187243 B2 JP 3187243B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、中間調画像を形成する
デジタル複写機やレーザビームプリンタ等の電子写真方
式の画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のデジタル複写機やレーザビームプ
リンタにおいては、原稿画像をアナログ電気信号に変換
して、この電気信号をA/D変換して1画素(1ドッ
ト)当たり0(白)〜255(黒)の階調のデジタル画
像データとして読み込み、感光体上に照射されるレーザ
光の出力幅あるいは強度を読み込まれたデジタル画像デ
ータに応じて変化させることにより、中間調画像を形成
していた。ところが、1画素当たり256階調(8bi
t)の情報が必要となるため、画像全体では膨大な情報
量となり、これらを記録するには膨大なメモリを必要と
していた。
【0003】このため、1画素当たり256階調(8b
it)の画像データを4階調(2bit)のような少な
い階調数に量子化して圧縮し、このときに生ずる階調レ
ベルの誤差を周囲の画素に分散させて濃度を保持するこ
とにより、膨大な情報量を簡略化する方法が用いられて
いた。この場合、発生する誤差の配分比率を乱数で切り
替え、配分されたレベルの総和と誤差との残差(計算上
でてきた余分なレベル)を一定方向の画素に配分して、
これにより得られた画像データの各階調に応じてレーザ
光の出力幅等を変更することにより階調性を表現してい
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来に
おいては、1画素当たり256階調の画像データを少な
い階調数に量子化する際に、余分なレベルを配分する場
所が一定であったために配分量が集中し、特定パターン
が発生する原因となって、複写される文字や写真等の再
現性が低下して画質に悪影響を及ぼす恐れがあった。
【0005】また、温度等の環境条件の変化や複写,プ
リント枚数が進むにつれて、感光体の表面電位の変化や
現像剤の特性変化が起こって画像濃度が変化したとき、
画像濃度を一定に保持するためのプロセスコントロール
のフィードバック先をレーザ光の出力幅あるいは強度と
してこれらを変更すると、特定パターン等の発生する割
合が増加する恐れが多分にあった。その上、レーザ光の
出力幅や強度の変更だけでは、濃度可変幅が少なかっ
た。例えば、プロセスコントロールのフィードバック先
をレーザ光の強度とした場合、画像濃度が低下したため
にレーザ光の強度を強くして画像濃度を一定に保持しよ
うとすると、レーザ光のレーザビーム径が大きくなって
ドットの大きさが大きくなる。このため、通常の階調表
現ではドット間に隙間があって画像に特定パターン等が
発生していないにもかかわらず、レーザビーム径が大き
くなることにより、ドット間の隙間が埋まってしまって
特定パターン等が発生する。
【0006】一方、プロセスコントロールのフィードバ
ック先を感光体の帯電量や現像バイアス電圧等とする
と、中間調画像においては階調を表現するのに不安定な
領域が用いられているため、感光体の帯電量や現像バイ
アス電圧等のプロセス条件の微妙な変更により、淡い部
分の調子が飛んだり黒い部分がつぶれてしまうといった
ことが起こりやすくなる。そこで、特開平1−1977
73号公報においては、プロセス条件を変更したとき
に、レーザ光の出力幅を決定するパターン信号の特性を
プロセス条件の変更した値に基づいて調整して画像を安
定させることが開示されている。ところが、この方法で
は、所定の階調における濃度制御のみ可能であり、各階
調毎に適正な濃度制御を行うことが不可能となってい
た。したがって、コピー,プリント画質が不安定なもの
となっていた。
【0007】本出願人は特願平4−211312号にお
いて、1画素当たり256階調の画像データを少ない階
調数に量子化する際に、余分なレベルを乱数を用いて選
択された画素に配分して配分量の集中をなくし、特定パ
ターンの発生する原因を除去して、コピー,プリント画
質を安定させる提案を行っている。そこで、この提案に
基づいて、感光体の表面電位の変化や現像剤の特性変化
等による画像濃度の変化に対して、プロセスコントロー
ルのフィードバック先をレーザ光の出力幅あるいは強度
としても特定パターンが発生せずに画像濃度を修正する
ことができると考えられるが、この種の提案は行ってい
なかった。
【0008】本発明は、上記に鑑み、プロセスコントロ
ールを行った際に、画質を安定させることができ、階調
表現の異なる場合に柔軟に対応できる画像形成装置の提
供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明による課題解決手
段は、画像処理部が注目画素の濃度レベルを量子化する
ときに発生する誤差を周辺の画素に配分する手段と、配
分されたレベルの総和と誤差との残差を乱数を用いて選
択された画素に配分する手段とを備え、各階調における
画像濃度が一定になるように、各階調毎に光出力部70
からの光の出力に応じた複数のトナー像を作成して、前
記トナー像検出部47により検出されたトナー像検出結
果と基準値とを比較する手段と、基準値がトナー像検出
結果の範囲内にあるとき光出力部70からの光の出力幅
あるいは強度を各階調毎に変更する手段と、基準値がト
ナー像検出結果の範囲外にあるとき電子写真プロセス部
37によるプロセス条件を変更して、再度トナー像を作
する手段とが設けられたものである。
【0010】そして、階調表現の異なる複数の画像形成
モードが設定され、画像モードに応じて光出力部70か
らの光の出力幅のみあるいは強度のみあるいは出力幅お
よび強度の両方を各階調毎に変更する手段が設けられた
ものである。
【0011】他の課題解決手段は、各階調毎に光出力部
70からの光の出力に応じた複数のトナー像を作成し、
トナー像検出部47により検出された複数のトナー像検
出結果の変化率に応じて光出力部70からの光の出力幅
あるいは強度を各階調毎に変更する手段が設けられたも
のである。
【0012】
【作用】上記課題解決手段において、読み込まれた画像
データを少ない階調数のデータに量子化する際、注目画
素の濃度レベルを量子化するときに発生する誤差を周辺
の画素に配分し、配分されたレベルの総和と誤差との残
差を乱数を用いて選択された画素に配分する。量子化さ
れた画像データの各階調に応じて出力幅や強度が設定さ
れた光出力部70からの光を感光体38上に射出し、静
電潜像を形成する。この静電潜像が電子写真プロセス部
37によりトナー像として可視化され、コピーやプリン
ト画像として排紙される。ここで、感光体38の表面電
位の変化や現像剤の特性変化によってトナー像のトナー
濃度が変化したとき、各階調毎に光出力部70からの光
の出力幅あるいは強度を変更して、各階調における画像
濃度を一定に保持して画質を安定させる。
【0013】また、写真モードのような中間調を重視す
る画像形成モードにおいて画像濃度が変化したとき、画
質に影響を与えにくい光出力部70からの光の強度の変
更のみ行い、写真等の中間調の画質をより安定させる。
【0014】さらに、光出力部70からの光の強度や出
力幅の変更では濃度可変範囲が狭く、光出力部70から
の光の強度や出力幅の変更によって広い領域の濃度を修
正するようにすれば、コスト面およびオートパワーコン
トロール機能や書き出し位置検出機能等にも影響を及ぼ
す恐れがある。そこで、光出力部70からの光の強度や
出力幅の変更量に応じて電子写真プロセス部37におけ
るプロセス条件を変更して広範囲の画像濃度の修正を行
なう。
【0015】一方、光出力部70からの光の出力を切替
えて各階調において夫々複数のトナー像を作成し、トナ
ー像検出部47により検出された複数のトナー像検出結
果の変化率から適正な光出力部70からの光の出力を算
出して変更することにより、短い時間で画像濃度の修正
を行なう。
【0016】
【実施例】
(第一実施例)本実施例のデジタル複写機10は、図2
の如く、スキャナ部11、レーザプリンタ部12、給紙
装置である多段給紙ユニット13およびソータ14を備
えている。
【0017】スキャナ部11は、透明ガラスから成る原
稿載置台15、両面対応自動原稿送り装置(RDF)1
6およびスキャナユニット17から構成されている。ま
た、スキャナ部11は、原稿載置台15に載置された原
稿を走査する場合には、原稿載置台15の下面に沿って
スキャナユニット17が移動しながら原稿画像を読み取
るように構成されており、RDF16を使用する場合に
は、RDF16の下方の所定位置にスキャナユニット1
7を停止させた状態で原稿を搬送しながら原稿画像を読
み取るように構成されている。
【0018】RDF16は、複数枚の原稿を一度にセッ
トしておき、自動的に原稿を一枚ずつスキャナユニット
17上方へ送給して、オペレータの選択に応じて原稿の
片面または両面をスキャナユニット17に読み取らせる
ように構成されている。
【0019】スキャナユニット17は、原稿を露光する
ランプリフレクタアセンブリ18、原稿からの反射光像
を光電変換素子(CCD)19に導くための複数の反射
ミラー20、原稿からの反射光像をCCD19に結像さ
せるための複数のレンズ21を備えている。
【0020】原稿画像をスキャナユニット17で読み取
ることにより得られた画像データは、後述する画像処理
部へ送られ各種処理が施された後、画像処理部のメモリ
に一旦記憶され、出力指示に応じてメモリ内の画像デー
タをレーザプリンタ部12に与えて用紙上に画像を形成
する。
【0021】前記レーザプリンタ部12は、手差し原稿
トレイ35、レーザ書き込みユニット36および画像を
形成するための電子写真プロセス部37を備えている。
【0022】レーザ書き込みユニット36は、画像処理
部のメモリからの画像データに応じたレーザ光を出射す
る光出力部である半導体レーザ70、レーザ光を等角速
度偏向するポリゴンミラー、等角速度偏向されたレーザ
光が電子写真プロセス部37の感光体ドラム38上で等
速度偏向されるように補正するf−θレンズ等を有して
いる。
【0023】感光体ドラム38の周囲には、帯電器3
9、現像器40、転写器41、剥離器42、クリーニン
グ器43、除電器44が配設され、剥離された用紙上の
トナーを加熱定着させるために搬送系に定着器46が配
設されて電子写真プロセス部37が構成されている。ま
た、感光体ドラム38の近傍には、感光体ドラム38上
のトナー付着量を読み取るトナー像検出部である反射型
光学センサ47が配設されている。そして、定着器46
の出紙側には、複写用紙の進路をソータ14側とレーザ
プリンタ部12の下方に配置された多段給紙ユニット1
3側のいずれかに切り換えるゲートフラッパー48が配
されている。
【0024】したがって、レーザ書き込みユニット36
および電子写真プロセス部37において、画像処理部の
メモリから読み出された画像データは、レーザ書き込み
ユニット36によってレーザ光線を走査させることによ
り感光体ドラム38の表面上に静電潜像として形成さ
れ、トナーにより可視像化されたトナー像は多段給紙ユ
ニット13から搬送された用紙の面上に静電転写され定
着される。このようにして画像が形成された用紙は、ソ
ータ14へ送られたり、再び多段給紙ユニット13へ搬
送される。
【0025】前記多段給紙ユニット13は、定着器46
の下方に配された反転搬送路59と、該反転搬送路59
の下方に配された両面/合成搬送路60と、該両面/合
成搬送路60の下方に配され、用紙収納部とされた第
一,第二,第三カセット61,62,63と、選択によ
り追加可能な第四カセット64と、各カセット61,6
2,63,64からの用紙を感光体ドラム38に搬送す
る搬送路65とを備えている。
【0026】ここで、前記画像処理部を図3に基づいて
説明する。この画像処理部は、画像データ入力部30、
画像データ処理部31、画像データ出力部32、RAM
(ランダムアクセスメモリ)等から構成されるメモリ3
3および中央処理演算装置(CPU)34を備えてい
る。
【0027】画像データ入力部30は、CCD部30
a、ヒストグラム処理部30bおよび誤差拡散処理部3
0cを備えている。画像データ入力部30は、CCD1
9から読み込まれた原稿の画像データを2値化変換し
て、2値のデジタル量としてヒストグラムをとりなが
ら、誤差拡散法により画像データを処理して、メモリ3
3に一旦記憶するように構成されている。
【0028】CCD部30aでは、画像データの各画素
濃度に応じたアナログ電気信号がA/D変換された後、
MTF補正、白黒補正またはガンマ補正が行われ、25
6階調(8ビット)のデジタル信号としてヒストグラム
処理部30bへ出力される。
【0029】ヒストグラム処理部30bでは、CCD部
30aから出力されたデジタル信号が256階調の画素
濃度別に加算され濃度情報(ヒストグラムデータ)が得
られるとともに、このヒストグラムデータは必要に応じ
てCPU34へ送られるか、または、画素データとして
誤差拡散処理部30cへ送られる。
【0030】誤差拡散処理部30cでは、擬似中間処理
の一種である誤差拡散法すなわち2値化の誤差を隣接画
素の2値化判定に反映させる方法により、CCD部30
aから出力された8ビット/画素のデジタル信号が1ビ
ット(2値)に変換され、原稿における局所領域濃度を
忠実に再現するための再配分演算が行われる。
【0031】画像データ処理部31は、多値化処理部3
1aおよび31b、合成処理部31c、濃度変換処理部
31d、変倍処理部31e、画像プロセス部31f、誤
差拡散処理部31g並びに圧縮処理部31hを備えてい
る。
【0032】画像データ処理部31は、入力された画像
データをオペレータが希望する画像データに最終的に変
換する処理部であり、メモリ33に最終的に変換された
出力画像データとして記憶されるまでこの処理部にて処
理するように構成されている。但し、画像データ処理部
31の各処理部は、必要に応じて機能するものであり、
機能しない場合もある。
【0033】多値化処理部31aおよび31bでは、誤
差拡散処理部30cで2値化されたデータが再度256
階調に変換される。合成処理部31cでは、画素毎の論
理演算、すなわち論理和、論理積または排他的論理和の
演算が選択的に行われる。この演算の対象となるデータ
は、メモリ33に記憶されている画素データおよびパタ
ーンジェネレータ(PG)からのビットデータである。
濃度変換処理部31dでは、256階調のデジタル信号
に対して、所定の階調変換テーブルに基づいて入力濃度
に対する出力濃度の関係が任意に設定される。変倍処理
部31eでは、指示された変倍率に応じて、入力される
既知データにより補間処理を行なうことによって、変倍
後の対象画素に対する画素データ(濃度値)が求めら
れ、副走査が変倍された後に主走査が変倍処理される。
画像プロセス部31fでは、入力された画素データに対
して様々な画像処理が行われ、また、特徴抽出等データ
列に対する情報収集が行われ得る。誤差拡散処理部31
gでは、画像データ入力部30の誤差拡散処理部30c
と同様な処理が行われる。圧縮処理部31hでは、ラン
レングスという符号化により2値データが圧縮される。
また、画像データの圧縮に関しては、最終的な出力画像
データが完成した時点で最後の処理ループにおいて圧縮
が機能する。
【0034】画像データ出力部32は、復元部32a、
多値化処理部32b、誤差拡散処理部32cおよびレー
ザ出力部32dを備えている。画像データ出力部32
は、圧縮状態でメモリ33に記憶されている画像データ
を復元し、もとの256階調に再度変換し、2値データ
より滑らかな中間調表現となる4値データの誤差拡散を
行い、レーザ出力部32dへデータを転送するように構
成されている。
【0035】復元部32aでは、圧縮処理部31hによ
って圧縮された画像データが復元される。多値化処理部
32bでは、画像データ処理部31の多値化処理部31
aおよび31bと同様な処理が行われる。誤差拡散処理
部32cでは、画像データ入力部30の誤差拡散処理部
30cと同様な処理が行われる。レーザ出力部32dで
は、図示しないシーケンスコントローラからの制御信号
に基づき、デジタル画素データが半導体レーザ70のオ
ンオフ信号に変換され、半導体レーザ70がオンオフ状
態となる。
【0036】なお、画像データ入力部30および画像デ
ータ出力部32において扱われるデータは、メモリ33
の容量の削減のため、基本的には2値のデータの形でメ
モリ33に記憶されているが、画像データの劣化を考慮
して4値のデータの形で処理することも可能である。
【0037】したがって、画像処理部においては、1画
素当たり256階調の画像データを量子化して1画素当
たり4階調の画像データに圧縮し、この量子化した画像
データに基づいて1画素(1ドット)毎の半導体レーザ
70からのレーザ光の出力幅(点灯時間)を決定するこ
とになる。すなわち、1画素当たり4階調の画像データ
は、半導体レーザ70からのレーザ光の出力幅の変更に
よって階調表現されることになる。また、画像処理部
は、画像データを圧縮する際に、1画素当たり256階
調の画像データにおける注目画素の濃度レベルと予め設
定されている量子化値との誤差(レベル差)を所定の配
分規則に従い周辺の画素に配分する機能と、配分された
レベルの総和と誤差との残差を乱数を用いて選択された
画素に配分する機能とを備えている。
【0038】さらに、画像処理部の構成部材であるメモ
リ33およびCPU34は、デジタル複写機10におい
て画像形成プロセスや給紙搬送プロセス等を実行する制
御部とされている。この制御部には、環境条件の変化や
ライフ等によって起こる感光体ドラム38の表面電位の
変化や現像剤の特性変化により影響を受ける画像濃度を
一定に保持するために、複写枚数が2000枚を越える
毎に半導体レーザ70からのレーザ光の出力幅あるいは
強度のいずれか一方を固定して他方を切替えて4階調の
各階調毎にトナーパッチを作成する機能と、作成された
トナーパッチおよび感光体ドラム38の素地における光
学センサ47の出力値から最終トナー像検出結果を求め
る機能と、最終トナー像検出結果と予め設定されている
基準値とを比較する機能と、最終トナー像検出結果が基
準値になるようレーザ光の出力幅あるいは強度を各階調
毎に変更する機能と、予め設定されている文字モードや
写真モード等の階調表現の異なる画像形成モードに応じ
て半導体レーザ70からのレーザ光の出力幅のみあるい
は強度のみあるいは出力幅および強度の両方を各階調毎
に変更する機能と、レーザ光の出力幅あるいは強度の変
更量に応じて電子写真プロセス部37におけるプロセス
条件を変更する機能と、プロセス条件の変更量が予め設
定されているリミットに達したときエラーメッセージ等
の情報を報知する機能とを備えている。
【0039】上記構成において、スキャナ部11で読み
取られた原稿画像は、1画素当たり0(白)〜255
(黒)のレベル(256階調)のデジタル画像データと
して読み込まれる。読み取られた画像データは、図4に
示すD0(0),D1(84),D2(170),D3
(255)の4個の濃度レベルすなわち4階調に量子化
される。この量子化は固定の閾値、T1(64),T2
(128),T3(192)を設定することで行う。入
力データの濃度レベルをFとしてその関係を以下に示
す。
【0040】255≧F>T3のとき D3 T3≧F>T2のとき D2 T2≧F>T1のとき D1 T1≧F>0のとき D0 しかし、単に量子化を行っただけでは、小領域における
元の画像データの濃度保存ができていないため、画質の
滑らかさが失われる。これを改善するために、元の画像
データの濃度レベルと量子化値との差を誤差分とし、こ
の誤差分を処理注目画素の周りの画素に配分(誤差拡
散)して、小領域での濃度保存を確保する。
【0041】ここで、誤差分の配分すなわち誤差拡散動
作について説明する。まず、図5に示すように、処理注
目画素をEとしたときに発生する誤差をεとすると、誤
差εを注目画素Eの1つ前のライン方向左上、真上、右
上の各画素と処理注目ライン上の左側の画素に夫々ある
配分比率で配分する。この工程をステップ1とし、より
具体的な配分例を図6に示す。
【0042】この配分で、図5のようにiライン目の画
素がi+1ライン目から誤差の配分を全てもらった時点
で、図7のようにiライン目に処理注目画素を移し、こ
こで図6と同様の量子化を行う。注目画素をBとしたと
きに発生する誤差をε′とすると、誤差ε′を左下、真
下、右下、iライン上の右側の各画素に夫々ある配分率
で配分する。計算で残った分は、乱数を使用し4カ所の
いずれかの1カ所を指定して配分し、この時点で量子化
された値を最終結果とする。この工程の概念が図7に、
またこの工程を実行するハード構成の概略が図8に示さ
れており、この工程をステップ2とする。
【0043】次に注目ラインをi+2目に移しステップ
1、2と同様に処理を行う。この2つの工程を入力画像
データの最後まで行う。上記のステップ1、2の処理工
程を図化したものが図9である。
【0044】次に、具体的な数値を用いて上記の誤差拡
散を説明する。図10のように、1画素当たり256階
調の画像データの各画素が100の濃度レベルで読み込
まれたとする。このとき、図11に示すように、画像デ
ータの上側に1ライン余分に0の濃度レベルが入ったダ
ミーデータを、また、左側にも1列分ダミーデータを作
る。各画素のアドレスを左端からダミーラインが{0
0},{A0},{B0}、1ラインが{01},{A
1},{B1},{C1}とする。
【0045】次に、図5のステップ1の処理を行うため
に注目ラインを1ライン目とする。まず、アドレス{A
1}(処理注目画素)の濃度レベルを量子化する時、ア
ドレス{A1}における濃度レベルFは100で、閾値
T1が64、閾値T2が128であるため、T2≧F>
T1となって量子化の値はD1(84)となる。このた
め、誤差分εは、ε=100−84=16となる。この
誤差分を図6に示した配分で周りの画素へ足し込む。配
分量は整数化し、それぞれ下記となる。
【0046】 アドレス{00}; ε・(1/16)=1 アドレス{A0}; ε・(3/16)=3 アドレス{B0}; ε・(1/16)=1 アドレス{01}; ε・(1/32)=0 各アドレス{00},{A0},{B0}、{01}に
配分された誤差分は合計5であり、残りの誤差分は16
−5=11となる。これは注目画素に残しておく。
【0047】次にアドレス{B1}に処理を移し、ステ
ップ1を行う。濃度レベルはアドレス{A1}と同じで
あるから配分量は上記と同様となり、その内容は図12
に示されている。アドレス{B1}の処理が終了した時
点で、アドレス{A0}のステップ2の処理が行える。
アドレス{A0}の誤差は、図13に示したように1ラ
イン目からの4であり、この値をもとに量子化を行う。
まずアドレス{A0}を量子化する。図14に示す誤差
分ε′の配分率に基づいて誤差分4を下方向、右画素へ
足し込む。配分量は整数化し、それぞれ下記とする。
【0048】ε′・(2/16)=0 ε′・(6/16)=1 ε′・(2/16)=0 ε′・(6/16)=1 配分された誤差分は合計2であり、残りの誤差分は4−
2=2となる。これは、乱数を用いることで1カ所の画
素を決定し配分する。今ここでは左下方向の画素とす
る。この時点でアドレス{A0}が確定され、その内容
を図15に示す。
【0049】次に、注目画素をアドレス{B0}に移
し、ステップ2を行う。以下同様にダミーラインについ
て行った結果を図16に示す。これを順次繰り返し、ダ
ミーラインについて処理が終了する。
【0050】次に、2ライン目について図17に示すス
テップ1の処理を行う。そして、1ライン目についてス
テップ2の処理を行う。図18がその手順をまた図19
が結果を夫々示している。以上の処理を最終ラインまで
行う。
【0051】各画素における量子化した後の出力結果
は、D0(0),D1(84),D2(170),D3
(255)のうちいずれかの量子化値となり、したがっ
て00,01,10,11の4種類で1画素を表現で
き、もとの256階調(8bit)を4階調(2bi
t)に圧縮して、濃度保存が行われた画質を4値で表現
できることになる。これを回路で処理する場合にステッ
プ1とステップ2を行うため、図20の斜線で示す部分
のデータを記憶できるラインバッファを一本もつことで
入力データに対して処理が順次行える。
【0052】このように量子化された画像データに基づ
いて半導体レーザ70からのレーザ光の出力幅を各階調
毎に変化(パルス幅変調)させることにより階調表現さ
れる。このときの文字モードおよび写真モードにおける
1ドットの階調表現方法を図21に示す。なお、レーザ
光の強度は各階調同一とされている。図21からわかる
ように、文字モードおよび写真モードの階調0,階調
1,階調2は夫々同等の出力幅であり、階調3において
は出力幅が異なる。根拠としては、階調0ではレーザ光
を出力する必要がなく、残りの階調1,階調2,階調3
における出力幅を設定すればよいので、1ドットを6分
割して各階調毎に出力幅の占める割合を変更すればよ
い。このため、階調1、階調2、階調3における6分割
に占める割合を考えると、階調1の出力幅は自然に1/
6ドット分となり、階調1の出力幅が1/6ドット分と
なれば階調2の出力幅は2/6ドット分以上を必要とす
る。また、階調3との兼ね合いで2/6〜5/6ドット
分の範囲で階調2の出力幅を得なければならない。ここ
で、現像剤の現像特性、感光体のPIDC特性により階
調2の出力幅を2/6ドット分とすることで、階調1,
階調2の関係を不具合なく保つことができた。さらに、
文字モードにおける階調3ではソリッドの黒濃度および
ラインの黒濃度を安定して保つことが必要とされるた
め、6/6ドット分の出力幅すなわちフル点灯を採用し
た。また、写真モードにおける階調3では文字モードと
の原稿の違いおよび望まれるコピー画質の違い(中間調
の滑らかさ)があるため、3/6ドット分の出力幅とし
た。
【0053】この各階調毎に出力幅が設定されたレーザ
光を感光体ドラム38上に走査することにより、静電潜
像が形成される。この静電潜像が電子写真プロセス部3
7によりトナー像として可視化され、給紙された用紙に
転写および定着されて排紙される。このように、誤差拡
散において余分な濃度レベルを乱数を用いて選択された
画素に配分して配分量の集中をなくしているため、特定
パターンの発生しない安定した画質を得ることができ
る。
【0054】ところで、環境条件の変化によって感光体
ドラム38の表面電位は大きく変化する。例えば、OP
C感光体であれば、低温環境下においては光キャリアの
移動度の温度依存性によって常温時の表面電位と比較す
ると100〜150Vの電位低下がある。また、Se感
光体の場合は、低温時に感光層の熱励起キャリア発生量
の温度依存性によって表面電位が50V程上昇する。し
かも、高温時には表面電位が50〜100V程低下す
る。さらに、OPC感光体の場合、複写枚数が進むにつ
れてクリーニングブレードによる研磨効果等のメカ的ス
トレスによって感光層が膜べりをおこして膜厚が減少
し、このため表面電位が徐々に低下する傾向がある。こ
のような感光体ドラム38の表面電位の変化により、画
像濃度が変化して画質に悪影響を及ぼしたり、消費され
るトナー量が変化してしまう。
【0055】また、現像剤においても環境条件の変化に
よって特性が変化する。現像剤は粉体であるため、湿度
の変化には非常に敏感であり、一般的に湿度が低いとき
は現像剤自身の電気抵抗が高くなって摩擦帯電されたト
ナーの電荷保持力が高くなり、その結果画像濃度が低下
する。また、湿度が高いときは、その逆のことが言え
る。しかも、現像剤の使い込みによる劣化などでも、キ
ャリアのコート剥がれやキャリアにスペントするトナー
量が増加し、初期の頃と比べてトナーの帯電量が変化し
てしまうため、大きな画質の変化が生じていた。
【0056】したがって、感光体ドラム38の表面電位
の変化や現像剤の特性変化によって画像濃度が変化した
とき、画像濃度を修正するためのプロセスコントロール
を行なう必要がある。このプロセスコントロールの方法
を図1に基づいて説明する。
【0057】まず、制御部で複写枚数をカウントし、複
写枚数が2000枚を越えたときに半導体レーザ70の
レーザ光の出力幅を固定して強度(パワー)を切替える
ことにより階調1についてトナーパッチを作成する。例
えば、表1に示すように、帯電電位および現像バイアス
電位およびレーザ光の出力幅を固定して、レーザ光の強
度(mW)を0.9mW,1.0mW,1.1mWの3
段階に切替えて3個のトナー像X,Y,Zを作成する。
これは、表1の条件での感光体ドラム38の表面電位の
変化や現像剤の特性変化が起こっていない通常の状態に
おいてレーザ光の強度が1.0mW程度となるため、こ
の1.0mWに上下幅をもたして0.9mW,1.0m
W,1.1mWでのトナー像X,Y,Zを作成してい
る。なお、複写枚数が2000枚を越えるとカウンター
がリセットされるようになっている。また、写真モード
においては、画像のあれ等を軽減して滑らかさを増すた
めに、主走査方向のラインに対して1ドットライン毎に
濃度レベルを集中させる万線処理等を施している場合が
あり、この場合トナーパッチの作成および検出の回数が
増えることになるが、ここでは万線処理等を施していな
いものとする。
【0058】
【表1】
【0059】この3個のトナー像X,Y,Zは、図22
に示すように、幅が夫々20mmとされており、そのセ
ンター10mmを夫々サンプリングする。これを5回繰
り返してサンプルx,y,zの数を夫々5点とし、これ
らのトナー像を光学センサ47により検出し、検出結果
はその5点の平均値a,b,cを採用する。また、光学
センサ47の温度特性、経時劣化、汚れ等による特性変
化を吸収するため、感光体ドラム38の各トナー像X,
Y,Zの間の素地x′,y′,z′における光学センサ
47の出力値も検出する。この素地x′,y′,z′の
出力検出方法もトナー像X,Y,Zと同様に5点の平均
値a′,b′,c′を採用する。そして、各サンプル
x,y,zにおける平均値a,b,cと各素地x′,
y′,z′における平均値a′,b′,c′を以下のよ
うに用いて、その値A,B,Cを最終トナー像検出結果
とする。
【0060】A=a÷a′ B=b÷b′ C=c÷c′ (A,B,Cが最終トナー像検出結
果) 一方、階調1におけるトナー像を検出したときと感光体
ドラム38の素地を検出したときの光学センサ47の最
適出力比(基準値K1)が予め設定されており、この基
準値K1と最終トナー像検出結果A,B,Cとを比較
し、基準値K1が最終トナー像検出結果A,B,Cの範
囲内であるかどうかを判断する。図23に示すように、
基準値K1が最終トナー像検出結果A,B,Cの範囲内
すなわち基準値K1が得られるときのレーザ光の強度が
0.9mW〜1.1mWの範囲内であれば、基準値K1
が得られるときのレーザ光の強度0.95mWを求め、
以後の階調1における階調表現に採用する。これによ
り、階調1における画像濃度を適正な値に修正すること
ができる。
【0061】そして、階調2および文字モードの階調
3,写真モードの階調3についても、上述と同様にレー
ザ光の強度を変更して各階調毎に画像濃度が適正な値に
なるように修正する。なお、このときのレーザ光の出力
幅は、階調2では2/6ドット分、文字モードの階調3
では6/6ドット分、写真モードの階調3では3/6ド
ット分とされ、トナーパッチを作成するときのレーザ光
の強度および基準値は、階調2,文字モードの階調3,
写真モードの階調3の夫々について適正な値が設定され
ている。
【0062】一方、基準値K1が得られるときのレーザ
光の強度が0.9mW〜1.1mWの範囲外であれば、
さらにデータの解析(最終トナー像検出結果A,B,C
と基準値K1との比較分析)を行い、画像濃度をアップ
させるのかダウンさせるのかを判定する。この判定結果
に従って、電子写真プロセス部37における各プロセス
条件の変更を行う。これは、レーザ光の強度の変更では
濃度の可変範囲が狭いため、レーザ光の強度の変更によ
って広い領域の濃度を修正するようにすれば、コスト面
およびオートパワーコントロール機能や書き出し位置検
出機能等にも影響を及ぼす恐れがある。このため、プロ
セス条件を変更することにより、安価でしかも広範囲の
可変を可能にしている。さらに、プロセス条件の変更精
度はレーザ光の強度の変更と同等であるため、高性能な
プロセスコントロールが可能となる。例えば、現像バイ
アス電位を増減して帯電されたトナーの図示しないマグ
ネットローラへの吸着性を変化させたり、現像バイアス
電位および帯電電位を夫々増減して帯電されたトナーの
マグネットローラへの吸着性および感光体ドラム38の
表面電位を変化させたり、現像剤のトナー濃度を増減し
て感光体ドラム38へのトナーの供給量を変化させて、
画像濃度を修正する。なお、表2に各プロセス条件を変
更する場合の変更量を示す。
【0063】
【表2】
【0064】また、現像バイアス電圧等のプロセス条件
を変更するときには、リミットを設けないといろいろな
不具合が生じる。例えば、現像剤におけるトナー濃度が
高くなると、トナー飛散が起こって装置内を汚す恐れが
ある。したがって、プロセス条件の変更量には、表3に
示すようなリミットが設定されている。
【0065】
【表3】
【0066】そして、プロセス条件の変更量がリミット
に達した場合は、エラーメッセージ等の情報をユーザー
あるいはモデム回線等を使用し販売店等に報知すること
により、ユーザーや販売店等において複写機の状態を判
断して画質の悪化や装置内の汚れを未然に防止すること
が可能となる。
【0067】次に、レーザ光の強度を固定して出力幅を
変更することによりプロセスコントロールを行い、画像
濃度を修正する方法を説明する。ここでは、上述のよう
にレーザ光の1ドット当たりの出力幅可変分解能が6個
ではコントロール精度が非常に悪いため、1ドット当た
り6bit(64段階)で可変可能であることを前提と
し、このときの文字モードおよび写真モードにおける1
ドット当たり出力幅を表4に示す。なお、レーザ光の強
度は各階調同一とされている。
【0068】
【表4】
【0069】ここでも、レーザ光の強度を調整するとき
と同じように、階調1についてレーザ光の出力幅を表5
に示すように3段階に切替えてトナー像を作成して最終
トナー像検出結果A′,B′,C′を求める。
【0070】
【表5】
【0071】そして、最終トナー像検出結果A′,
B′,C′と予め設定されている基準値K1と比較し
て、図24に示すように基準値K1が最終トナー像検出
結果A′,B′,C′の範囲内すなわち基準値K1が得
られるときのレーザ光の出力幅が5/64ドット分〜1
5/64ドット分の範囲内であれば、基準値K1が得ら
れるときのレーザ光の出力幅13/64ドット分を求
め、以後の階調1における階調表現に採用する。これに
より、階調1における画像濃度を適正な値に修正するこ
とができる。また、階調2および文字モードの階調3つ
いても、上述と同様にレーザ光の出力幅を変更して各階
調毎に画像濃度が適正な値になるように補正する。
【0072】一方、基準値K1が得られるときのレーザ
光の出力幅が5/64ドット分〜15/64ドット分の
範囲外であれば、レーザ光の強度の変更のときと同様
に、電子写真プロセス部37における各プロセス条件の
変更を行う。
【0073】また、文字モードや写真モードにおいて、
表6に示すように、上述したレーザ光の強度のみ変更、
レーザ光の出力幅のみ変更、レーザ光の強度および出力
幅の両方を組み合わせた変更を使い分けをしている。
【0074】
【表6】
【0075】これは、文字モードにおいては、レーザ光
の強度および出力幅の両方を調整してトナー濃度の可変
範囲を大きくしても、特定パターンの発生や画像エッジ
部の凹凸等に変化を与えなかったため、両方の変更を採
用した。また、写真モードにおいては、中間調を重視し
ており、多少の変化も画質に影響を与えてしまうため、
最も影響の少ないレーザ光の強度の変更のみを採用し
た。また、レーザ光の強度や出力幅の変更と電子写真プ
ロセス部37における各プロセス条件の変更とを組み合
わせて、画像濃度の修正を行ってもよい。
【0076】このように、1画素当たり256階調の画
素データを1画素当たり4階調の画素データに量子化す
る際の誤差拡散において、余分な濃度レベルを乱数を用
いて選択された画素に配分して配分量の集中をなくして
いるため、特定パターンや画像エッジ部でのドットの凹
凸等の発生しない安定した画質を得ることができる。こ
のため、感光体ドラム38の表面電位の変化や現像剤の
特性変化によって画像濃度が変化したとき、プロセスコ
ントロールのフィードバック先をレーザ光の出力幅ある
いは強度として画像濃度を修正しても、特定パターンが
発生することがなく、文字,写真等の再現性が向上し、
画質を安定させることができる。しかも、プロセスコン
トロールを行うとき、各階調毎に適正な濃度制御を行な
って全階調領域において夫々一定の画像濃度を保つこと
ができ、画質をより安定させることができる。
【0077】また、写真モードのような中間調を重視す
る画像形成モードにおいて、画質に影響を与えにくいレ
ーザ光の強度の調整のみによるプロセスコントロールを
行なうため、写真等の中間調の画質をより安定させるこ
とができる。
【0078】さらに、レーザ光の強度や出力幅の変更量
に応じてプロセス条件を変更して画像濃度の修正を行な
うため、レーザ光の強度や出力幅の変更だけで画像濃度
を修正するときと比べて安価でしかも広範囲の濃度修正
が可能となる。
【0079】(第二実施例)第一実施例では、レーザ光
の強度や出力幅の変更する際に、各階調毎に3種類のト
ナー像を作成,検出および算出を行っており、しかも3
種類の最終トナー像検出結果と基準値とを比較して変更
すべきレーザ光の強度や出力幅を求めていたため、多大
な時間を要していた。
【0080】そこで、第二実施例では、2種類の最終ト
ナー像検出結果の変化率から変更すべきレーザ光の強度
や出力幅を求め、以後の階調表現に採用することによ
り、プロセスコントロールにかかる時間の短縮を図って
いる。
【0081】まず、レーザ光の出力幅を固定してレーザ
光の強度を調整するプロセスコントロールを行い、画像
濃度を一定に保持する方法を説明する。まず、表7に示
すように、階調1において帯電電位,現像バイアス電
位,レーザ光の出力幅を固定してレーザ光の強度を0.
9mW,1.0mWの2段階に切替えて、図25に示す
ように2種類のトナー像を作成する。
【0082】
【表7】
【0083】そして、第一実施例と同様に、各トナー像
における最終トナー像検出結果A,Bを求めて、以下の
計算式によりこれらの変化率を算出する。
【0084】変化率(H)=A÷B 求められた変化率Hから予め設定されている図26に示
す変化率Hとレーザ光の強度との関係に基づいて変更す
べきレーザ光の強度を求め、以後の階調1における階調
表現に採用し、画像濃度を適正な濃度に修正する。な
お、図26において、変化率Hに対応するレーザ光の強
度は0.87mWである。そして、階調2および文字モ
ードの階調3,写真モードの階調3についても、上述と
同様にレーザ光の強度を変更して各階調毎に画像濃度を
修正する。なお、階調2,文字モードの階調3,写真モ
ードの階調3の夫々について変化率とレーザ光の強度と
の関係が異なっている。
【0085】次に、レーザ光の強度を固定してレーザ光
の出力幅を調整することによりプロセスコントロールを
行い、画像濃度を補正する方法を説明する。まず、表8
に示すように、階調1において帯電電位,現像バイアス
電位,レーザ光の強度を固定してレーザ光の出力幅を5
/64ドット分,15/64ドット分の2段階に切替え
て、2種類のトナー像を作成する。
【0086】
【表8】
【0087】そして、上述と同様に、各トナー像におけ
る最終トナー像検出結果A′,B′を求めて、以下の計
算式によりこれらの変化率H′を算出する。
【0088】変化率(H′)=A′÷B′ 求められた変化率H′から予め設定されている図27に
示す変化率とレーザ光の出力幅との関係に基づいて変更
すべきレーザ光の出力幅を求め、以後の階調1における
階調表現に採用し、画像濃度を適正な濃度に修正する。
なお、図27において、変化率H′に対応するレーザ光
の出力幅は13/64ドット分である。そして、階調2
および文字モードの階調3,写真モードの階調3につい
ても、上述と同様にレーザ光の出力幅を変更して各階調
毎に画像濃度を補正する。なお、階調2,文字モードの
階調3,写真モードの階調3の夫々について変化率とレ
ーザ光の出力幅との関係が異なっている。また、その他
の構成および動作は、第一実施例と同様である。
【0089】このように、各階調において夫々2種類の
トナー像を作成し、この2種類のトナー像における最終
トナー像検出結果の変化率から変更すべきレーザ光の強
度や出力幅を求めているため、プロセスコントロールに
かかる時間を大幅に短縮でき、しかも作成するトナー像
の数を少なくすることができ、プロセスコントロールの
際に使用するトナー量を低減できる。
【0090】なお、本発明は、上記実施例に限定される
ものではなく、本発明の範囲内で上記実施例に多くの修
正および変更を加え得ることは勿論である。例えば、本
発明はデジタル複写機に限らず、レーザビームプリンタ
等の他の電子写真方式の画像形成装置に適用してもよ
い。また、半導体レーザの代わりに、LEDアレイや光
源に液晶シャッターを付加した光源等を使用してもよ
い。
【0091】
【発明の効果】以上の説明から明らかな通り、本発明に
よると、画素データを少ない階調数のデータに量子化す
る際に、余分な濃度レベルを乱数を用いて選択された画
素に配分して配分量の集中をなくしているため、特定パ
ターンや画像エッジ部でのドットの凹凸等の発生しない
安定した画質を得ることができる。このため、感光体の
表面電位の変化や現像剤の特性変化によって画像濃度が
変化したとき、プロセスコントロールのフィードバック
先を光出力部からの光の出力幅あるいは強度として画像
濃度を修正しても、特定パターンや画像エッジ部でのド
ットの凹凸等が発生することがなく、文字,写真等の再
現性が向上し、画質を安定させることができる。しか
も、プロセスコントロールを行うとき、各階調毎に画像
濃度の修正を行なって全階調領域において夫々一定の画
像濃度を保つことができるため、画質をより安定させる
ことができ、環境の変化あるいは長寿命に耐える装置を
実現できる。
【0092】そして、文字モードや写真モード等の階調
表現の異なる画像形成モードに応じたプロセスコントロ
ールを行なうことができ、画像形成モードによって異な
る特定パターンや画像エッジ部でのドットの凹凸等の発
生をなくすことができる。特に、写真モードのような中
間調を重視する画像形成モードにおいて、画質に影響を
与えにくい光出力部からの光の強度の変更のみによるプ
ロセスコントロールを行なうと、写真等の中間調の画質
をより安定させることができる。
【0093】また、各階調毎に2種類のトナー像を作成
するだけで、この2種類のトナー像検出結果の変化率か
ら変更すべき光出力部からの光の出力を求めることがで
きるため、プロセスコントロールにかかる時間を大幅に
短縮でき、しかも作成するトナー像の数を少なくするこ
とができ、プロセスコントロールの際に使用するトナー
量を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施例のデジタル複写機における
プロセスコントロールのフローチャート
【図2】デジタル複写機の構成図
【図3】画像処理部のブロック図
【図4】量子化テーブル図
【図5】ステップ1の実施例を示す図
【図6】ステップ1の配分比率を示す図
【図7】ステップ2の実施例を示す図
【図8】ステップ2の誤差配分を実行するためのハード
構成の概念図
【図9】量子化の処理構成の概念図
【図10】入力データの一例を示す図
【図11】ダミーラインを示す図
【図12】1ラインにおけるステップ1終了時を示す図
【図13】図12を整理した状態を示す図
【図14】ステップ2の配分比率を示す図
【図15】アドレス{A0}においてステップ2を実行
したときの状態を示す図
【図16】ダミーラインにおけるステップ2終了時を示
す図
【図17】2ラインにおけるステップ1終了時を示す図
【図18】アドレス{A1}においてステップ2を実行
したときの状態を示す図
【図19】1ラインにおけるステップ2終了時を示す図
【図20】ハード構成上のバッファメモリ格納領域を示
す図
【図21】文字モードおよび写真モードにおける各階調
の1ドット当たり階調表現を示す図
【図22】プロセスコントロール時に光学センサにより
検出されるトナー像を示す図
【図23】適正なレーザ光の強度を求めるための図
【図24】適正なレーザ光の出力幅を求めるための図
【図25】第二実施例におけるプロセスコントロール時
に光学センサにより検出されるトナー像を示す図
【図26】変化率とレーザ光の強度との関係を示す図
【図27】変化率とレーザ光の出力幅との関係を示す図
【符号の説明】
37 電子写真プロセス部 38 感光体 47 トナー像検出部 70 光出力部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 達也 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内 (72)発明者 糸山 元幸 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−114466(JP,A) 特開 平1−206368(JP,A) 特開 昭59−216165(JP,A) 特開 平5−161013(JP,A) 特開 平6−62253(JP,A) 特開 昭63−177154(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04N 1/405 - 1/407 B41J 2/52 G03G 15/00 H04N 1/12 - 1/16

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 読み込まれた画像データを該画像データ
    の階調数よりも少ない階調数のデータに量子化して記憶
    する画像処理部と、該画像処理部からの画像データの各
    階調に応じた光を感光体上に射出する光出力部と、射出
    された光により感光体上に形成された静電潜像をトナー
    像として可視化する電子写真プロセス部と、前記トナー
    像を検出するトナー像検出部とを備えた画像形成装置に
    おいて、前記画像処理部は、注目画素の濃度レベルを量
    子化するときに発生する誤差を周辺の画素に配分する手
    段と、配分されたレベルの総和と誤差との残差を乱数を
    用いて選択された画素に配分する手段とを備え、各階調
    における画像濃度が一定になるように、各階調毎に光出
    力部からの光の出力に応じた複数のトナー像を作成し
    て、前記トナー像検出部により検出されたトナー像検出
    結果と基準値とを比較する手段と、基準値がトナー像検
    出結果の範囲内にあるとき前記光出力部からの光の出力
    幅あるいは強度を各階調毎に変更する手段と、基準値が
    トナー像検出結果の範囲外にあるとき前記電子写真プロ
    セス部によるプロセス条件を変更して、再度トナー像を
    作成する手段とが設けられたことを特徴とする画像形成
    装置。
  2. 【請求項2】 読み込まれた画像データを該画像データ
    の階調数よりも少ない階調数のデータに量子化して記憶
    する画像処理部と、該画像処理部からの画像データの各
    階調に応じた光を感光体上に射出する光出力部と、射出
    された光により感光体上に形成された静電潜像をトナー
    像として可視化する電子写真プロセス部と、前記トナー
    像を検出するトナー像検出部とを備えた画像形成装置に
    おいて、前記画像処理部は、注目画素の濃度レベルを量
    子化するときに発生する誤差を周辺の画素に配分する手
    段と、配分されたレベルの総和と誤差との残差を乱数を
    用いて選択された画素に配分する手段とを備え、階調表
    現の異なる複数の画像形成モードが設定され、各階調に
    おける画像濃度が一定になるように、該画像モードに応
    じて光出力部からの光の出力幅のみあるいは強度のみあ
    るいは出力幅および強度の両方を各階調毎に変更する手
    段が設けられたことを特徴とする画像形成装置。
  3. 【請求項3】 読み込まれた画像データを該画像データ
    の階調数よりも少ない階調数のデータに量子化して記憶
    する画像処理部と、該画像処理部からの画像 データの各
    階調に応じた光を感光体上に射出する光出力部と、射出
    された光により感光体上に形成された静電潜像をトナー
    像として可視化する電子写真プロセス部と、前記トナー
    像を検出するトナー像検出部とを備えた画像形成装置に
    おいて、前記画像処理部は、注目画素の濃度レベルを量
    子化するときに発生する誤差を周辺の画素に配分する手
    段と、配分されたレベルの総和と誤差との残差を乱数を
    用いて選択された画素に配分する手段とを備え、各階調
    における画像濃度が一定になるように、各階調毎に光出
    力部からの光の出力に応じた複数のトナー像を作成し、
    トナー像検出部により検出された複数のトナー像検出結
    果の変化率に応じて光出力部からの光の出力幅あるいは
    強度を各階調毎に変更する手段が設けられたことを特徴
    とする画像形成装置。
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