JP3186365B2 - 肝疾患治療薬 - Google Patents

肝疾患治療薬

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靖規 稲岡
卓 広瀬
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は肝炎等の肝疾患を治療す
るための肝疾患治療薬に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、B型または非A非B型ウイルスの
感染によるウイルス肝炎をはじめとする慢性肝炎その他
の肝疾患の患者数は増加しており、その治療には、プレ
ドニゾロン等のステロイドホルモンを有効成分とする薬
剤が臨床において用いられている。しかし、現在用いら
れているプレゾニゾロン等の肝疾患治療薬剤は、単独投
与による薬理効果の限界や、胸線および副腎を萎縮させ
る副作用があるなどの問題点がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、低毒
性で副作用が少なく、しかも薬理効果の高い肝疾患治療
薬を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意研究の
結果、4−エン−3−ケト構造を有するコレスタノン誘
導体が副作用の発現の少ない肝疾患治療薬であることを
見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明
は次の肝疾患治療薬である。 (1)4−エン−3−ケト構造を有するコレスタノン誘
導体を有効成分として含有することを特徴とする肝疾患
治療薬。 (2)コレスタノン誘導体がコレスト−4−エン−3−
オンまたはスティグマスト−4,28−ジエン−3−オ
ンである上記(1)記載の肝疾患治療薬。
【0005】本発明において有効成分とするコレスタノ
ン誘導体は、4−エン−3−ケト構造を有するコレスタ
ノンまたはその誘導体である。このようなコレスタノン
誘導体としては、例えばコレスト−4−エン−3−オン
およびスティグマスト−4,28−ジエン−3−オンな
どがあげられる。
【0006】コレスト−4−エン−3−オンは次の式
〔1〕で示される化合物である。
【化1】
【0007】スティグマスト−4,28−ジエン−3−
オンは次の〔2〕で示される化合物である。
【化2】
【0008】上記のコレスタノン誘導体はそれぞれ対応
するコレステロール誘導体をオッペンナウアー酸化する
ことにより製造することができるほか、天然に存在する
ものも使用することができる。例えばコレスト−4−エ
ン−3−オンおよびスティグマスト−4,28−ジエン
−3−オンは、それぞれコレステロールおよびフコステ
ロールをオッペンナウアー酸化することにより製造でき
るほか、これらはアワビ消化盲嚢部中などに存在するも
のを、アルコール等の有機溶媒で抽出して使用すること
ができる。
【0009】上記コレスタノン誘導体は、肝疾患の治療
に有効であり、これをヒトに投与することにより、四塩
化炭素等による急性肝障害、アルコール摂取による肝障
害、ウイルス感染による慢性肝障害等の肝疾患に対する
改善効果が得られる。本発明の肝疾患治療薬の適応症と
しては、急性肝炎、慢性肝炎、アルコール性肝炎、ウイ
ルス性肝炎、アルコール性脂肪肝、アルコール性肝硬変
等があげられる。また上記コレスタノン誘導体はそれ自
体食品中に含まれており、低毒性で、副作用は少なく、
安全な物質である。
【0010】次に、本発明の肝疾患治療薬の投与量およ
び製剤化について説明する。本発明のコレスタノン誘導
体はそのまま、あるいは慣用の製剤担体と共に動物およ
び人に投与することができる。本発明の肝疾患治療薬の
有効投与量は、一般的にはコレスタノン誘導体の重量と
して、0.5〜50mg/kg体重/日とするのが好ま
しい。投与形態としては、特に限定がなく、必要に応じ
適宜選択して使用され、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、細
粒剤、散剤等の経口剤、注射剤、坐剤等の非経口剤があ
げられる。
【0011】経口剤として所期の効果を発揮するために
は、患者の年令、体重、疾患の程度により異なるが、通
常成人でコレスタノン誘導体の重量として30mg〜3
gを、1日数回に分けての服用が適当である。経口剤は
例えばデンプン、乳糖、白糖、マンニット、カルボキシ
メチルセルロース、コーンスターチ、無機塩類等を用い
て常法に従って製造される。この種の製剤には、適宜前
記賦形剤の他に結合剤、崩壊剤、界面活性剤、滑沢剤、
流動性促進剤、矯味剤、着色剤、香料等を使用すること
ができる。
【0012】結合剤としては、例えばデンプン、デキス
トリン、アラビアゴム末、ゼラチン、ヒドロキシプロピ
ルスターチ、メチルセルロース、カルボキシメチルセル
ロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、結
晶セルロース、エチルセルロース、ポリビニルピロリド
ン、マクロゴールなどがあげられる。崩壊剤としては、
例えばデンプン、ヒドロキシプロピルスターチ、カルボ
キシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセ
ルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロース、低
置換ヒドロキシプロピルセルロースなどがあげられる。
【0013】界面活性剤としては、例えばラウリル硫酸
ナトリウム、大豆レシチン、ショ糖脂肪酸エステル、ポ
リソルベート80などがあげられる。滑沢剤としては、
例えばタルク、ロウ類、水素添加植物油、ショ糖脂肪酸
エステル、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カ
ルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ポリエチレング
リコールなどがあげられる。流動性促進剤としては、例
えば軽質無水ケイ酸、乾燥水酸化アルミニウムゲル、合
成ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウムなどがあげ
られる。
【0014】また本発明の肝疾患治療薬は、懸濁液、エ
マルジョン剤、シロップ剤、エリキシル剤としても投与
することができ、これらの各種剤形には、矯味矯臭剤、
着色剤等を含有してもよい。非経口剤として所期の効果
を発揮するためには、患者の年令、体重、疾患の程度に
より異なるが、通常成人でコレスタノン誘導体の重量と
して1日30mg〜3gまでの静注、点滴静注、皮下注
射、筋肉注射が適当である。
【0015】この非経口剤は常法に従って製造され、希
釈剤として一般に注射用蒸留水、生理食塩水、ブドウ糖
水溶液、注射用植物油、ゴマ油、ラッカセイ油、ダイズ
油、トウモロコシ油、プロピレングリコール、ポリエチ
レングリコール等を用いることができる。さらに必要に
応じて、殺菌剤、防腐剤、安定剤を加えてもよい。また
この非経口剤は安定性の点から、バイアル等に充填後冷
凍し、通常の凍結乾燥技術により水分を除去し、使用直
前に凍結乾燥物から液剤を再調製することもできる。さ
らに必要に応じて適宜、等張化剤、安定剤、防腐剤、無
痛化剤等を加えてもよい。その他の非経口剤としては、
外用液剤、軟膏等の塗布剤、直腸内投与のための坐剤等
があげられ、常法に従って製造される。
【0016】次に本発明の製剤例について説明する。 製剤例1 上記の処方に従って〜を均一に混合し、打錠機にて
圧縮成形して一錠200mgの錠剤とする。この錠剤一
錠には、コレスタノン誘導体20mgが含有されてお
り、成人1日1〜10錠を数回にわけて服用する。
【0017】製剤例2 上記の処方に従って、およびの一部を均一に混合
し、圧縮成形した後、粉砕し、およびの残量を加え
て混合し、打錠機にて圧縮成形して一錠200mgの錠
剤とする。この錠剤一錠には、コレスタノン誘導体20
mgが含有されており、成人1日1〜10錠を数回にわ
けて服用する。
【0018】製剤例3 上記の処方に従って、およびを均一に混合し、常
法によりねつ和し、押し出し造粒機により造粒し、乾燥
・解砕した後、およびを混合し、打錠機にて圧縮成
形して一錠200mgの錠剤とする。この錠剤一錠に
は、コレスタノン誘導体20mgが含有されており、成
人1日1〜10錠を数回にわけて服用する。
【0019】製剤例4 上記の処方に従って〜を均一に混合し、圧縮成形機
にて圧縮成形後、破砕機により粉砕し、篩別して顆粒剤
を得た。この顆粒剤1gには、コレスタノン誘導体10
0mgが含有されており、成人1日1〜10gを数回に
わけて服用する。
【0020】製剤例5 上記の処方に従って〜を均一に混合し、ねつ和し
た。押し出し造粒機により造粒後、乾燥し、篩別して顆
粒剤を得た。この顆粒剤1gには、コレスタノン誘導体
100mgが含有されており、成人1日1〜10gを数
回にわけて服用する。
【0021】製剤例6 上記の処方に従って〜を均一に混合し、200mg
を2号カプセルに充填した。このカプセル剤1カプセル
には、コレスタノン誘導体20mgが含有されており、
成人1日1〜10カプセルを数回にわけて服用する。
【0022】製剤例7 上記の処方に従ってをおよびに溶解し、これに
との溶液を加えて乳化し、注射剤とする。
【0023】
【発明の効果】本発明によれば、4−エン−3−ケト構
造を有するコレスタノン誘導体を肝疾患治療薬として用
いているので、低毒性で副作用が少なく、しかも薬理効
果の高い肝疾患治療薬が得られる。
【0024】
【実施例】次に本発明の実施例について説明する。 実施例1 肝炎各病型に対応する病態モデルとして、四塩化炭素に
よる中毒性肝障害モデルを用いて肝疾患治療に有効な物
質の評価を行った。すなわち、予備飼育後のラットに5
0%四塩化炭素/オリーブ油を4ml/kg経口投与
し、20時間絶食させた後、表1に記載の被検物質を5
0mg/kg経口投与した。投与の方法は、被検物質2
00mgを、1重量%Triton−X100の生理食
塩水10mlに乳化させ、ゾンデで投与した。各群のラ
ットは4匹とした。水と餌は四塩化炭素投与までの間自
由に摂取させ、四塩化炭素投与後は絶食させ、水のみを
そのまま与えた。被検物質投与から24時間後に採血
し、血液は室温下30分間放置した後、毎分3000回
転で10分間遠心分離して血清を得た。
【0025】この血清について、全ビリルビン(T−B
il)(Jendrassik法)、全コレステロール
(T−Cho)(コレステロールオキシダーゼ法)、ト
リグリセリド(TG)(GPO−p−クロロフェノール
法)、トランスアミナーゼ(GOT,GPT)(POP
−TOOS法)、アルカリホスファターゼ(ALPas
e)(フェニルリン酸基質法)を、和光純薬(株)製キ
ットを用いて定量した。
【0026】各被検物質投与群のT−Bil,T−Ch
o,TG,GOT,GPTおよびAlPaseの値、な
らびに胸腺および副腎の萎縮に対する影響を表1に示
す。なお、表1の標準は四塩化炭素を投与しない群、コ
ントロールは四塩化炭素を投与し被検物質を投与しない
群を示す。また表1の組織の重量比は、次式によって算
出した。
【数1】
【0027】
【表1】
【0028】表1の結果からわかるように、コレスト−
4−エン−3−オン、スティグマスト−4,28−ジエ
ン−3−オンには、全ビリルビン、全コレステロール、
トリグリセリド、トランスアミナーゼ(GOT,GP
T)の各値がコントロールに対してそれぞれ有意に低下
し、肝機能障害改善作用が認められた。また、コレスト
−4−エン−3−オン、スティグマスト−4,28−ジ
エン−3−オン投与群においては、プレドニゾロン投与
群にみられる胸腺および副腎の萎縮は認められず、安全
性の高いものであることがわかる。
【0029】試験例1 急性毒性試験 コレスト−4−エン−3−オンおよびスティグマスト−
4,28−ジエン−3−オンについて、ウイスター系ラ
ット4匹を用いて急性毒性を検討した。投与経路は経口
とし、最大投与量はそれぞれ50mg/kgとした。生
死の判定は投与後24時間に行った。最大投与量の50
mg/kgでも、いずれのコレスタノン誘導体において
も死亡例を認ず、従ってLD50値はそれぞれ50mg/
kgより大きいことが判った。このことより本発明の肝
疾患治療薬は低毒性で、安全性に優れていることが明白
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木下 俊也 東京都千代田区二番町12−7 株式会社 ツムラ内 (72)発明者 稲岡 靖規 神奈川県横浜市戸塚区柏尾町560 ポー ラ化成工業株式会社 中央研究所内 (72)発明者 広瀬 卓 神奈川県横浜市戸塚区柏尾町560 ポー ラ化成工業株式会社 中央研究所内 (72)発明者 辻 邦郎 静岡県静岡市池田1375番地の11 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07J 9/00 CA(STN)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 4−エン−3−ケト構造を有するコレス
    タノン誘導体を有効成分として含有することを特徴とす
    る肝疾患治療薬。
  2. 【請求項2】 コレスタノン誘導体がコレスト−4−エ
    ン−3−オンまたはスティグマスト−4,28−ジエン
    −3−オンである請求項1記載の肝疾患治療薬。
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FR2899108B1 (fr) * 2006-03-31 2012-02-03 Trophos Utilisation de derives du cholest-4-en-3-one pour l'obtention d'un medicament cytoprotecteur

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