JP2541231B2 - 新規化合物および該化合物を有効成分とする血小板凝集抑制剤 - Google Patents

新規化合物および該化合物を有効成分とする血小板凝集抑制剤

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JP2541231B2 JP62205215A JP20521587A JP2541231B2 JP 2541231 B2 JP2541231 B2 JP 2541231B2 JP 62205215 A JP62205215 A JP 62205215A JP 20521587 A JP20521587 A JP 20521587A JP 2541231 B2 JP2541231 B2 JP 2541231B2
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真人 多和田
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  • Heterocyclic Carbon Compounds Containing A Hetero Ring Having Oxygen Or Sulfur (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、血栓性疾患の治療に有用な新規化合物およ
び該化合物を有効成分とする血小板凝集抑制剤に関する
ものである。
[従来の技術および問題点] 心筋梗塞や脳梗塞、一過性脳虚血発作などの血栓症疾
患においては凝固系の亢進とともに血小板機能の活性化
が認められている。また、糖尿病においても血小板凝集
が亢進しているといわれており、血管性合併症などの重
要な因子の一つとされている。さらに、ある種の腎疾患
においても血小板機能の活性化が関与しているともいわ
れている。
これらの疾病の予防、治療には臨床上、数種の血小板
凝集抑制剤が繁用されており、さらにこれらに優る薬剤
の開発が望まれていた。
[問題点を解決するための手段] 本発明者等は優れた血小板凝集抑制剤を提供すべく鋭
意研究を重ねた結果、臨床的にも広く用いられている生
薬甘草(Glycyrrhiza uralensis Fischer,Glycyrrhiza
glabra Linne var.glandulifera Regel et Herderまた
はその他同属植物の根およびストロン)に含まれる下記
で表される新規化合物(以下、本発明の化合物と称す
る。)が血小板凝集抑制作用を有することを見いだし、
本発明を完成させた。
本発明の化合物を得るには例えば次のような方法が挙
げられる。
本発明の化合物は甘草を、水、アルコール類、水とア
ルコール類の混合溶媒または水とアセトンの混合溶媒で
抽出し、該抽出液から溶媒を除去した残渣をそのまま、
または必要に応じて水に溶解し、n−ヘキサン、石油エ
ーテル等の有機溶媒で抽出して該有機溶媒に移行する脂
溶性成分を除去した後、クロロホルム、酢酸エチル、n
−ブタノール等で抽出し、該抽出液から溶媒を除去して
得た残渣を水、メタノール、エタノール、酢酸、クロロ
ホルム、ベンゼン、アセトン、酢酸エチル、n−ヘキサ
ン、石油エーテルまたはこれらの混合溶媒を溶出溶媒と
して、ダイヤイオンHP−20、MCIゲルCHP20Pなどのポー
ラスポリマー、セフアデツクスLH−20などのセフアデツ
クス、逆相系シリカゲル、シリカゲル、ポリアミドまた
はセルロース等を担体に用いたカラムクロマトグラフイ
ーに1回または数回付し、薄層クロマトグラフイーで目
的成分を確認しながら分画することにより得ることがで
きる。さらにメタノール、エタノール、水等の適当な溶
媒を用いて再結晶することにより精製してもよい。
本発明の化合物の製造の実施例を以下に示す。
実施例 甘草1.4kgを水10で抽出し、抽出液より溶媒を除去
して水エキス400gを得た。この水エキスをさらに水1
に溶解し、セフアデツクスLH−20(フアルマシア製)を
用いたカラムクロマトグラフイーに付し、順次水、水−
メタノール(1:1)、メタノールで溶出した。このメタ
ノール溶出部を再度セフアデツクスLH−20を用いたカラ
ムクロマトグラフイーに付し、水とメタノールの混合溶
媒で、順次メタノールの比率を増加して溶出し、水−メ
タノール(4:6)で溶出する画分を得た。この画分をMCI
ゲルCHP20P(三菱化成製)を用いたカラムクロマトグラ
フイーに付し、水とメタノールの混合溶媒で順次メタノ
ールの比率を増加して溶出し、水−メタノール(3:7)
で溶出する画分を得た。次にこの画分を逆相系シリカゲ
ルであるフジゲル(ODS G3型,水戸化学技術研究所
製)を用いたカラムクロマトグラフイーに付し、水−メ
タノール(4:6)で溶出し、析出した結晶を水−エタノ
ールから再結晶してRf値0.22[薄層プレート:キーゼル
ゲル60F254;展開溶媒:ベンゼン−アセトン(2:1);発
色試薬:10%硫酸(黄褐色)]を示す淡黄色針状結晶270
mgを得た。
この淡黄色針状晶の、下記に示す理化学的性質により
本発明の化合物すなわち7,8−ジヒドロ−3−(2′,
4′−ジヒドロキシフエニル)−8−ヒドロキシメチル
−5−メトキシ−8−メチル−2H,6H−ベンゾ[1,2−b:
5,4−b′]ジピラン−2−オンであると決定した。
融 点:137〜138.5℃ 非施光度:▲[α]24 D▼+12.5゜(c=0.875,MeOH) マススペクトル EI−MS m/z(%): 384(M+,100),353(20),313(74),285(12),270(1
2),165(8),149(8),69(7) プロトン核磁気共鳴スペクトル(δppm in(CD32C
O): 1.35(3H,s),1.84(1H,m),2.08(1H,m),2.87(2H,
m),3.58(1H,dd,J=11.3/6.1Hz),3.68(1H,dd,J=11.
3/6.4Hz),3.95(3H,s),4.16(1H,mD2O添加で消失),
6.46(1H,dd,J=8.0/2.5Hz),6.50(1H,d,J=2.5Hz),
6.54(1H,d,J=0.5Hz),7.25(1H,d,J=8.0Hz),8.00
(1H,d,J=0.5Hz),8.40(2H,brs,D2O添加で消失)13 C核磁気共鳴スペクトル(δppm in(CD32CO): 17.5(t),21.9(q),27.7(t),62.5(q),68.3
(t),79.2(s),100.5(d),104.5(d),108.2(d
ands,2C),113.3(s),115.6(s),122.6(s),132.
8(d),137.7(d),154,3(s),16.4(s),157.1
(s),159.0(s),159.8(s),161.9(s) 次に本発明の化合物が血小板凝集作用を有することに
ついて実験例を挙げて説明する。
実施例 a)洗浄血小板の調整 健常人よりクエン酸存在下で採血し、室温で130×
g、15分間遠心した上清を多血小板血漿(platelet ric
h plasma,PRP)として得た。さらにプロスタグランジン
E1(PGE1)を1μMとなるように加え、600×g、15分
間遠心して、血小板の沈渣を得た。これを1mMエチレン
ビス(オキシエチレンニトリロ)四酢酸(EGTA)および
1μM PGE1を含むヘペス−タイロード(Hepes−Tyrode
s)緩衝液(組成:NaCl129mM,NaHCO38.9mM,KH2PO40.8mM,
MgCl20.8mM,glucose5.6mM,Hepes10mM;pH7.4)に懸濁
し、セフアロース2Bカラムを用いてゲル濾過し、さらに
血小板数が4×105個/μlとなるように調整して洗浄
血小板を得た。
b)血小板凝集能の測定 エタノールに溶解した実施例で得た本発明の化合物20
μg/ml(終濃度)および2mM塩化カルシウムを含むヘペ
ス−タイロード緩衝液100μlに上述の洗浄血小板100μ
lを加え、37℃で10分間保温した後、刺激剤としてトロ
ンビン0.01ユニツト/mlまたはコラーゲン5μg/ml(い
ずれも終濃度)を加え、NBSヘマトレーサー(二光バイ
オサイエンス製)を用いて凝集能を測定した。なお、コ
ントロールとして本発明の化合物を含まないエタノール
(終濃度0.1%)を用いた。
その結果からコントロールに対する凝集抑制率を算出
したところトロンビン刺激による血小板凝集に対しては
76.0%、コラーゲン刺激による血小板凝集に対しては3
6.5%であり、本発明の化合物が血小板凝集抑制作用を
有することが認められた。
次に、本発明の化合物の投与量および製剤化について
説明する。
本発明の化合物はそのまま、あるいは慣用の製剤担体
と共に動物および人に投与することができる。投与形態
としては、特に限定がなく、必要に応じ適宜選択して使
用され、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、細粒剤、散剤等の
経口剤、注射剤、坐剤等の非経口剤が挙げられる。
経口剤として所期の効果を発揮するためには、患者の
年令、体重、疾患の程度により異なるが、通常成人で本
発明の化合物の重量として60〜600mgを、1日数回に分
けての服用が適当と思われる。
錠剤、カプセル剤、顆粒剤等の経口剤は、例えばデン
プン、乳糖、白糖、マンニツト、カルボキシメチルセル
ロース、コーンスターチ、無機塩類等を用いて常法に従
って製造される。
この種の製剤には、適宜前記賦形剤の他に、結合剤、
崩壊剤、界面活性剤、滑沢剤、流動性促進剤、矯味剤、
着色剤、香料等を使用することができる。それぞれの具
体例は以下に示す如くである。
[結合剤] デンプン、デキストリン、アラビアゴム末、ゼラチ
ン、ヒドロキシプロピルスターチ、メチルセルロース、
カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプ
ロピルセルロース、結晶セルロース、エチルセルロー
ス、ポリビニルピロリドン、マクロゴール。
[崩壊剤] デンプン、ヒドロキシプロピルスターチ、カルボキシ
メチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロ
ースカルシウム、カルボキシメチルセルロース、低置換
ヒドロキシプロピルセルロース。
[界面活性剤] ラウリル硫酸ナトリウム、大豆レシチン、シヨ糖脂肪
酸エステル、ポリソルベート80。
[滑沢剤] タルク、ロウ類、水素添加植物油、シヨ糖脂肪酸エス
テル、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシ
ウム、ステアリン酸アルミニウム、ポリエチレングリコ
ール。
[流動性促進剤] 軽質無水ケイ酸、乾燥水酸化アルミニウムゲル、合成
ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム。
また、本発明の薬剤は、懸濁液、エマルジヨン剤、シ
ロツプ剤、エリキシル剤としても投与することができ、
これらの各種剤形には、矯味矯臭剤、着色剤を含有して
もよい。
非経口剤として所期の効果を発揮するためには、患者
の年令、体重、疾患の程度により異なるが、通常成人で
本発明の化合物の重量として1日3〜60mgまでの静注、
点滴静注、皮下注射、筋肉注射が適当と思われる。
この非経口剤は常法に従って製造され、希釈剤として
一般に注射用蒸留水、生理食塩水、ブドウ糖水溶液、注
射用植物油、ゴマ油、ラツカセイ油、ダイズ油、トウモ
ロコシ油、プロピレングリコール、ポリエチレングリコ
ール等を用いることができる。さらに必要に応じて、殺
菌剤、防腐剤、安定剤を加えてもよい。また、この非経
口剤は安定性の点から、バイアル等に充填後冷凍し、通
常の凍結乾燥技術により水分を除去し、使用直前に凍結
乾燥物から液剤を再調製することもできる。更に、必要
に応じて適宜、等張化剤、安定剤、防腐剤、無痛化剤等
を加えても良い。
その他の非経口剤としては、外用液剤、軟膏等の塗布
剤、直腸内投与のための坐剤等が挙げられ、常法に従っ
て製造される。
次に用例を示して本発明をさらに詳しく説明するが、
本発明はこれにより何等制限されるものではない。
用例1 コーンスターチ 65g 結晶セルロース 20g カルボキシメチルセルロースカルシウム 3.5g 軽質無水ケイ酸 0.5g ステアリン酸マグネシウム 1g本発明の化合物 10g 計 100g 上記の処方に従って〜を均一に混合し、打錠機に
て圧縮成型して一錠200mgの錠剤を得た。
この錠剤一錠には、本発明の化合物20mgが含有されて
おり、成人1日3〜30錠を数回にわけて服用する。
用例2 結晶セルロース 84.5g ステアリン酸マグネシウム 0.5g カルボキシメチルセルロースカルシウム 5g本発明の化合物 10g 計 100g 上記の処方に従って、およびの一部を均一に混
合し、圧縮成型した後、粉砕し、およびの残量を加
えて混合し、打錠機にて圧縮成型して一錠200mgの錠剤
を得た。
この錠剤一錠には、本発明の化合物20mgが含有されて
おり、成人1日3〜30錠を数回にわけて服用する。
用例3 結晶セルロース 54.5g 10%ヒドロキシプロピルセルロースエタノール溶液 3
0g カルボキシメチルセルロースカルシウム 5g ステアリン酸マグネシウム 0.5g本発明の化合物 10g 計 100g 上記の処方に従って、およびを均一に混合し、
常法によりねつ和し、押し出し造粒機により造粒し、乾
燥・解砕した後、およびを混合し、打錠機にて圧縮
成型して一錠200mgの錠剤を得た。
この錠剤一錠には、本発明の化合物20mgが含有されて
おり、成人1日3〜30錠を数回にわけて服用する。
用例4 コーンスターチ 84g ステアリン酸マグネシウム 0.5g カルボキシメチルセルロースカルシウム 5g 軽質無水ケイ酸 0.5g本発明の化合物 10g 計 100g 上記の処方に従って〜を均一に混合し、圧縮成型
機にて圧縮成型後、粉砕機により粉砕し、篩別して顆粒
剤を得た。
この顆粒剤1gには、本発明の化合物100mgが含有され
ており、成人1日1〜6gを数回にわけて服用する。
用例5 結晶セルロース 60g 10%ヒドロキシプロピルセルロースエタノール溶液 3
0g本発明の化合物 10g 計 100g 前記の処方に従って〜を均一に混合し、ねつ和し
た。押し出し造粒機により造粒後、乾燥し、篩別して顆
粒剤を得た。
この顆粒剤1gには、本発明の化合物100mgが含有され
ており、成人1日1〜6gを数回にわけて服用する。
用例6 コーンスターチ 94.5g 軽質無水ケイ酸 0.5g本発明の化合物 5g 計 100g 上記の処方に従って〜を均一に混合し、200mgを
2号カプセルに充填した。
このカプセル剤1カプセルには、本発明の化合物10mg
が含有されており、成人1日6〜60カプセルを数回にわ
けて服用する。
用例7 注射用蒸留水 適量 ブドウ糖 200 mg本発明の化合物 5 mg 全量 5 ml 注射用蒸留水におよびを溶解させた後、5mlのア
ンプルに注入し、121℃で15分間加圧滅菌を行って注射
剤を得た。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記式 で表される新規化合物。
  2. 【請求項2】下記式 で表される新規化合物を有効成分とする血小板凝集抑制
    剤。
JP62205215A 1987-08-20 1987-08-20 新規化合物および該化合物を有効成分とする血小板凝集抑制剤 Expired - Lifetime JP2541231B2 (ja)

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